グローバルERPシステムへの コーポレートカードの組み込み

V i s a コマ ー シャルソリュ ー ション
V i s a コ ー ポ レ ートカ ード・プ ロ グ ラム 成 功 事 例
グローバルERPシステムへの
コーポレートカードの組み込み
SAMSUNG CHINA のデータ
SAMSUNG グループの純利益
1,007 億米ドル (2008 年)
従業員数
23,000 人
カード会員数
13,000 人以上
Samsung China は、全グループ
企業におけるコーポレートカード・ソ
リューションの統一と統合において
困難に直面しました。招商銀行発行の
Visa コーポレートカード・プログラム
の導入により、突合せの円滑化、払い
戻しプロセスの簡素化、および従業員
満足度の向上がもたらされました。
(出自:同社ウェブサイト - http://www.samsung.
com/cn/ - 2010 年 7 月現在)
利用中の商品とサービス
Visa コーポレートカード
※1
2010 年 7 月現在の同社ウェブサイト
(http://www.samsung.com/cn/)
会社概要
的な最高品質の製品やプロセスは、全世界
で認められています。
Samsung China の歴史は、中国と韓国
が外交関係を確立していなかった 1970
年代までさかのぼることができます。
Samsung は当時、香港を通じて中国か
らの石炭の輸入を開始し、中華人民共和
国と取引した最初の韓国複合企業になり
ました。
中国における機会の探求への絶間ない努
力に 10 年以上を費やした後、Samsung
中国で活躍する韓国の複合企業
は現在中国に 28 の子会社を持つに至っ
Samsung は、韓国大邱で小規模輸出企
ており、中でも Samsung Electronics が
業として発足しましたが、
デジタル家電お
エレク
最大の企業です ※1。Samsung は、
よびメディア、半導体、
メモリおよびシステ
トロニクスから金融サービス、化学、重工業
ムインテグレーションを専門とする、電子
までにいたる幅広い事業において、
ビジネ
産業界における世界的大手の1社へと成
スやサービスの新たな基準を打ち立ててい
長を遂げました。今日、Samsung の革新
る会社で構成されています。
課題
プログラムの目標
複数のコーポレートカード・プログラムを
コーポレートカード・ソリューションをグ
1つのソリューションに統一する
2003 年、
さまざまなコーポレートカード
のプログラムが Samsung China 傘下の
子会社間で導入され、従業員に対する払い
戻しのための手元資金の利用に取って代
わりました。
すべての子会社に独自のコー
ポレートカード・プログラムがあったため、
払い戻し規程には一貫性がありませんでし
た。
その他の相違点もさることながら、複数
のイシュアーが存在したため、同社の T&E
プログラム内に多くの混乱や複雑さが生
じ、T&E 関連に支出される正確な金額に
ローバル ERP システムに統合し、払い戻
しのワークフローを簡素化する
Samsung Korea は 1997 年、全社的な
情報システムを統合するために、SAP のア
プリケーションソフトウェアを使用した、
グ
ローバル ERPシステムの開発を開始しま
した。
グローバル ERPシステムの導入が
実際に始まったのは 2008 年 7月で、
その
際マネジメントサポートチームの GM であ
る Shen 氏は、
グローバル ERP システム
を Samsung China の全子会社に対して
導入するとともに、全 T&E 支出に対して
ついての透明性も欠如していました。
単一のコーポレートカード・プログラムを
従業員の満足度
セスを合理化できる可能性に気づきまし
Samsung は従業員を中心とした組織であ
り、T&E 関連経費用の現金の利用から生
じる安全面の問題や財務的問題について
は、従業員が対処できると信じています。
従業員が組織の成功のカギであると考えて
いる雇用者としては、
日常業務の遂行にお
いて従業員の安全性と利便性を向上させ
る、標準的ソリューションが必要でした。
利用することにより、既存の払い戻しプロ
た。Samsung China は、
円滑な払い戻し
ワークフローを確保することにより、T&Eプ
ログラム関連の経費において従業員が負っ
ている財務的負担を低減できる、単一のコ
ーポレートカードの導入を目指しました。
新しいソリューションにおける不可欠の
成功要因は、
コーポレートカード・プログラ
ムが、Samsung China の全子会社と全レ
ベルで実行できることでした。
ベンダーの選定
Samsung China 傘下の全子会社で、
コー
ポレートカード・ソリューションが、Visaブ
ランドの招商銀行コーポレートカード1つ
に統合されました。世界的に有名なカード
支払いネットワークである Visa が、全世界
でのカードアクセプタンスを理由に選ばれ
たのです。招商銀行の商品は柔軟なカード
ソリューションを中心に展開していて、
入社員に対するトレーニングの実施を担当
しています。迅速な支払いの重要性を従業
員が理解できるようにすることを目的とす
るこのトレーニングプロセスで強調される
重要項目の 1つが、経費管理です。
中国国
内の全子会社がそれぞれ選んだ支払い方
法を利用するため、従業員はトレーニング
において具体的な支払い方法について教え
られます。
独自の ERPシステムとも統合可能だった
カスタマイズ
ため、Samsung China にとっては
Samsung 社のコーポレートカード利用
同行が自然な選択となりました。
またコー
規程は以下のとおりです。
ポレートカードのデータを独自の ERPシス
テムに統合できるので、Samsung China
は、Samsung Korea が開発した技術を
活用することもできます。
プログラムの目標
段階的アプローチ:グローバル ERPシス
テムとの統合
Samsung China における包括的なロー
ルアウトプロセスは 4 段階で完了し、完了ま
でに 2008 年 7月から 2009年 7月まで
の1年を要しました。各子会社内でのロー
ルアウトの優先順位は、
グローバル ERP シ
ステムの実装段階と既存のコーポレートカ
ードの利用に基づいて設定されました。
プ
ログラムを既存のソリューションとシーム
レスに統合し、
この移行から得られるメリッ
トを最大にするため、
このアプローチがとら
れました。
このシステムにより、
イシュアーと
Samsung China 間での、
クレジットカー
ド取引のデータフィードのフローにおける
ギャップが埋まります。
トレーニング
・ 個別のカード会員がすべての請求につい
て責任を負う
・ カードの利用は業務目的に限定される
・ 不正行為を減少させるために、現金引出
は Samsung China 規程の一環として
認められない
・ T&E 経費の適正な支出を確実にするた
め、
カードの利用限度は従業員のプロフ
ァイルに基づいて決定される
移行
Samsung China では、Visa ブランドの
招商銀行コーポレートカードの使用を全
従業員に義務づけました。従業員は、払い
戻し明細の正確性の向上や払い戻しプロ
セスの簡素化などの利点について教えられ
ましたが、経営陣が述べたメリットを従業
員が認識するまでには約 3 カ月かかりまし
た。Samsung の財務スタッフは、
コーポレ
ートカード関連の問題の解決と、
申請プロ
セスの処理における従業員の支援を担当し
ています。
初めに、Samsung China と招商銀行は、
関連トレーニングのモジュールを設計し
設定しました。財務のスタッフが、
トレーニ
ングに参加する Samsung 従業員の最初
のグループとなりました。
その後、招商銀行
の各現地支店が、Samsung China の子
会社に対するトレーニングの実施を担当し
ました。現在は、Samsungの財務部が新
プログラムの利点
経費報告の自動化
コーポレートカードの導入以前、従業員
は、領収書を処理し、関連取引情報を手動
でシステムに入力するのにかなりの時間を
費やさなければなりませんでした。
グロー
「テクノロジは業務
手続きに計り知れな
い影響を与える」
Samsung Electronics China
マネジメントサポーティングチーム、
シニアトレジャリーマネージャーDaniel Sui 氏
バル ERP システムと Visa ブランドの招商
使いすぎアラート
銀行コーポレートカードとの統合後、
クレ
使いすぎが経費管理システムによって
ジットカードのトランザクションデータが
検出されると、
ポップアップ画面が起動し
Samsung 社独自の経費管理ソリューシ
ます。Samsung China では、T&E 支出
ョンに自動的にフィードされることで、従業
に対するより厳しいチェックを行うことがで
員が払い戻し請求を提出する時間を節減
きるようになり、会社の支出規程や予算な
しています。払い戻し提出プロセスにおい
どの制限が確実に順守されるようになって
て、従業員は該当する取引記録を選択し、
います。一方従業員も、
自分の利用限度額
適宜払い戻し請求を提出します。
このすべ
についてより注意するようになりました。
てが、
データが Samsung China の経費
管理システムにフィードされてから数分後
に実行でき、提出されるデータの正確性が
高くなります。従業員は、
データフィードや
突合せプロセスが自動化されたことに満足
しています。
領収書突合せの正確性の向上
専用経費管理システムへのコーポレート
カード利用データの自動フィードにより、
T&E 支出の正確性が確保されます。
自動ク
レジットカード・フィードが経費管理システ
ムに直接送られるために、
データ入力に伴
う人的エラーが減少し、払い戻し処理の
正確性が高くなります。一方で、T&E 規程
の順守についての透明性が高まるため、
従業員は T&E 関連取引の実行により大き
な責任を負うことになります。Samsung
独自のグローバル ERP システムとの統合
により、Samsung は従業員による T&E
支出の順守データを容易に追跡、使用、
監視できるようになります。
不可欠な成功要因
会社規程
T&E 支出におけるコーポレートカードの
利用が、
すべての T&E 払い戻し請求に
義務づけられています。全子会社の全従業
員に Visaブランドの招商銀行コーポレー
トカードを使用させるという、Samsung
経営陣の高い実行能力により、Samsung
China におけるコーポレートカード・プログ
ラムの実施が成功しています。
「Samsung は、
問題解決にグローバ
ルな統合システムを
活用している」
Samsung Electronics China
マネジメントサポーティングチーム、
シニアトレジャリーマネージャーDaniel Sui 氏
従業員がコーポレートカードのメリットを
認識
コーポレートカード利用のメリットについ
てはすべて、Visa ブランドの招商銀行コー
ポレートの導入時に従業員に説明されてい
ます。
しかし、Shen 氏によれば、
「コーポレ
ートカードがもたらすメリットは、
カードの
利用後に従業員が体験すればよい」
とのこ
とです。
出自:本ケーススタディは、Deloitte Consulting が一次調査と二次調査によって収集した情報に基づいて作成されました。Deloitte Consulting
は 2010 年 7 月、Samsung China の財務担当重役である Shen 氏および Daniel Sui 氏と直接面談して情報を聴取。二次調査は同社ウェブサイト
(http://www.samsung.com/cn/) から入手できる情報に基づいて実施。
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