上 士 幌 町 環 境 基 本 計 画

上 士 幌 町 環 境 基 本 計 画
~豊かな自然と環境を生かした北の元気まち~
平成18年12月
上
士
幌
町
上士幌町環境基本計画
はじめに
第1章 基 本 編
第 1 節 基本的事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
第 2 節 目指す将来像と計画の構成・・・・・・・・・・・・・・・・・5
第 3 節 推進体制と進行管理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
第2章 現 況 編
第 1 節 自然環境・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
第 2 節 生活環境・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
第3節 景観と資源・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41
第4節 地球環境・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48
第5節 環境意識・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56
第3章 課 題 編
第 1 節 課題提案の背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63
第 2 節 提案書の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・64
第4章 目 標 編
第 1 節 基本目標と施策目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66
第 2 節 地区別目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・67
第5章 指 針 編
第 1 節 自然環境・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・68
第 2 節 生活環境・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・72
第 3 節 居住環境・景観・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・75
第 4 節 地球環境・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・77
第 5 節 環境学習・教育と情報発信・・・・・・・・・・・・・・・・79
第 6 章 地区別指針編
第 1 節 市街地区・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・82
第 2 節 農村地区・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・83
第 3 節 糠平~三股地区・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・84
資 料 編
Ⅰ.環境基本計画策定に係る関連資料
Ⅱ.環境基準
Ⅲ.上士幌町の動植物
Ⅳ.手法例
Ⅴ.用語解説
は
じ
め
に
わたしたちのまち上士幌町は、日本一広いナイタイ高原牧場や農村景観、ニペ
ソツ山をはじめとするひがし大雪の山並み、三股盆地の樹海、北海道遺産の旧国
鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群に加え、食糧生産基地として全国に誇る自然
資源に恵まれています。
わたしたちは、このかけがいのない美しい郷土を守り育て、将来の世代に引き
継いでいくため、平成 16 年 12 月に「上士幌町環境基本条例」を制定しました。
町民一人ひとりがこの条例を認識し、その理念に基づいて環境保全に取り組んで
いくことが必要です。
今日の環境問題は、生活環境、そして大きくは、地球環境と、幅広く奥行きの
深いものであります。従って、
「環境基本条例」の理念が直ちに実行に移されて、
その目標に到達するということは簡単なことではありません。
しかしながら、平成 17 年 2 月、二酸化炭素の具体的な削減計画を示した「京
都議定書」が発効となり、世界各国でCO2排出量削減に向けた取り組みが進めら
れ、目標達成に向けた第一歩が踏み出されています。
これまで経済性や利便性を追及してきた一方で、様々な弊害や環境への負荷が
顕著になってきています。本町においても、農林業、建設業、商業、観光業など
の産業や経済は環境と不可分の事業が展開されてきています。生活環境も含めて、
「環境に対してわたしたちが今できること」、「人間に優しい環境をどう創るか」
ということを追求することによって本当の豊かさや住民の幸せに繋がっていく
ものと確信しています。
このようなことから、上士幌町では、ここに「上士幌町環境基本計画」を策定
しました。この計画を道しるべとして、『豊かな自然と環境を生かした北の元気
まち』を目指して、環境の保全と創造について積極的な取り組みと連携を図り、
持続的発展が可能な循環型社会を構築するため、まず第一歩を踏み出すことが望
まれます。
この計画策定にあたり、数多くのご意見をお寄せいただいた町民のみなさんと
熱心にご協議をいただいた上士幌町環境住民会議のみなさま方に心からお礼を
申し上げます。
平成 18 年 12 月
上士幌町長
竹
中
貢
第1章
第1節
基 本 編
基本的事項
1.計画策定の背景
(1)上士幌町の特性
上士幌町は、十勝平野の北端、大雪山国立公園の東山麓に位置し、高山、森林、河
川、湖沼、農耕地といった地勢を有する自然豊かな地域です。これらを背景として、
古くから農林業が営まれ、糠平や幌加の温泉地では観光業が発展し、市街地において
は商工業が営まれています。
(2)環境の現状
近年、本町では、様々な基盤整備が進められ、生活の利便性や農業生産性等が向上
しています。一方で、河川の氾濫や河川・地下水の水質悪化、多頭化による家畜ふん
尿の増加と処理、登山者の増加に伴う山岳地域の荒廃などが懸念されています。また、
生活様式の多様化に伴う廃棄物の増加やポイ捨てなどのごみ問題も緊急に解決しなけ
ればならない環境問題です。
こういった現状を背景に、環境問題に対する町民の意識は高まっています。
(3)取り巻く情勢
平成4年(1992 年)にリオデジャネイロにおいて地球サミットが開催され、地球環
境保全に対して世界的規模での取組みの必要性が提言されました。この具体的な取組
みとして、平成 17 年(2005 年)2 月に京都議定書が発効され、二酸化炭素排出の削
減計画が示されました。日本においても、環境保全に関する様々な法律が整備され、
上士幌町においては平成 17 年(2005 年)4 月に『上士幌町環境基本条例』が施行さ
れています。
環境問題の多くは、可塑的側面が多く、失われた自然や破壊された環境の完全な復
元は困難だと言われています。また、高齢化の進行や国・地方財政が逼迫した状況に
ある中、環境保全に対する人的・資金的な導入余力の低下が予想されます。
今後、わたしたちは環境保全に対して、予防的観点に立って長期的に行動すること
が必要であると考え、ここに「上士幌町環境基本計画」を策定します。
1
2.計画の位置付け
(1)位置付け
本計画は、環境問題を町民一人ひとりが考えていくための出発点として位置付ける
こととし、第4期上士幌町総合計画(平成 14 年 3 月策定)ならびに上士幌町環境基本
条例(平成 17 年 4 月施行)に基づき策定するものです。
この計画は、本町の環境行政を推進する上で遵守するべき基本的計画であり、町の
環境保全に関する施策は本計画の基本的な方向に沿って展開されなければなりません。
(2)計画の範囲
計画の範囲
内
訳
自然環境
動植物、水環境、森林、土壌などに関すること
生活環境
廃棄物、リサイクル、家畜ふん尿などに関すること
居住環境・景観
景観、公園・緑地、花壇などに関すること
地球環境
地球温暖化、オゾン層、酸性雨、省エネルギーなどに関
すること
環境教育、環境学習、環境に関する情報発信
環境学習・教育と情報発信
(3)期間
本計画の理念や目標は、公表の時から将来にわたって持続的に引き継いでいくもの
です。
しかしながら、社会情勢や環境問題の変化に対応するため、本計画の第 4 章目標編
で示す目標の見直しを概ね 10 年ごとに行います(平成 19 年度~平成 28 年度)。
ただし、この期間中にあっても、地域住民の意見を適切に反映させるため、必要に
応じて見直しを行います。
(4)対象地域
計画の対象地域は、上士幌町全域とします。ただし、本計画においては、
「糠平~三
股地区」
、「農村地区」、「市街地区」の 3 つに区分し、それぞれをとりまく環境につい
て地区目標を定め、施策を展開していきます。
また、地球環境に配慮した広域的な施策については、国際機関、国、北海道、近隣
地域との連携・協力を図ります。
2
<対象地域の区分>
対象地域
区
分
上士幌町全域
糠平~三股地区
詳
細
・黒石平~糠平温泉
・幌加温泉
・三股~三国峠
・上音更、勢多、ナイタイ、豊岡
・上士幌、清水谷
・東居辺
・北居辺
・北門
・萩ヶ岡
・商店街(事業所等含む)
・住宅街(町営住宅、学校含む)
・公園、緑地等(その他公共施設含む)
農村地区
市街地区
糠平~三股地区
農村地区
市街地区
3
3.計画の基本的考え方
(1)目的
地球環境に配慮した取組みは「地球規模で考え、地域から実践する」ことが大切で
す。本計画は、環境保全に関して町の実情にあった行動指針を模索し、定め、実践し
ていくことを目的とします。
(2)基本方針
上士幌町環境基本条例の第 3 条に掲げる基本理念にのっとり、本計画の基本方針を
以下に定めます。
1.参加と協働による環境の保全と創造
2.人と自然の共生を目指した循環型社会の構築
3.良好で快適な環境の享受と次世代への継承
4.地球環境の保全への貢献
4
第2節 目指す環境像と計画の構成
1.目指す環境像
上士幌町環境基本計画は、第 4 期上士幌町総合計画並びに上士幌町環境基本条例に
基づき策定されるものです。
第 4 期上士幌町総合計画では、まちづくりの基本目標を「人が輝き
町が輝く 北
の元気まち」とし、その施策の大綱に『豊かな自然と環境を生かした北の元気まち』
を位置付けています。
豊かな自然と環境を生かした北の元気まち
<自然環境>
人と自然の共生を目指します
<居住環境・景観>
美しい景観と安全安心な環境
を確保します
<生活環境>
循環型社会の構築を図ります
<地球環境>
地球環境の保全に貢献します
<環境学習・教育と情報発信>
参加と協働の仕組みをつくり
ます
5
2.計画の構成
上士幌町環境基本計画は下記のとおり「はじめに」、「本編;第 1 章~第 6 章」およ
び「資料編」で構成されています。第 1 章では、本計画の策定にあたって基本となる
事項や視点並びに推進体制と推進管理を整理し、第 2 章では、上士幌町における環境
の現況をより詳細に整理しました。第 3 章では、環境アンケートの結果を交えて上士
幌幌町環境住民会議がまとめた提案を本町の課題と位置付け提示しています。この提
案を踏まえて、第 4 章では、本計画の目標を設定し、第 5 章では、目標を達成するた
めの指針や重点施策を提示しています。さらに、第 6 章では、地域住民が主体となっ
た取り組みとして地区別指針を示しています。
<上士幌町環境基本計画の構成>
【 は じ め に 】
本計画を公表するにあたっての町長のメッセージ
【第1章
基本編】
基本的事項、目指す環境像、推進体制、進行管理
【第 2 章
現況編】
本町の環境全般に関する具体的データ
【第 3 章
課題編】
上士幌町環境住民会議の提案を本町の課題として位置付け
【第 4 章
目標編】
第 3 章の課題に即した基本目標、施策目標、地区別目標
【第 5 章
指針編】
第 4 章の目標達成のための指針と重点施策
【第 6 章
地区別指針編】
【
資
料
編
】
地域住民が主体となった参加と協働の行動指針
上士幌町環境基本条例、環境住民会議の足跡、策定の経過
6
第3節 推進体制と進行管理
1.推進体制
本計画は、第4期上士幌町総合計画における『参加と協働』という理念を引き継ぎ
町民、事業者、行政の三者の参加と協働により推進するものとします。
三者の役割は、上士幌町環境基本条例(平成 16 年 12 月 22 日 条例第 17 号)第 4
条~第 6 条にのっとり、次のとおりとします。
特に、町民等や事業者は、本計画の第5章指針編および第 6 章地区別指針編の施策
への協力に努めることが求められます。
町 民 等 の 役 割
本計画の目指すべき将来像の実現のため、
日
常生活のあらゆる場面で環境に対して配慮
することが求められます
<町民等とは…>
町民、各種任意団体、NPO 団体など
が含まれます。
パートナーシップの形成
(3者の協働)
事 業 者 の 役 割
行 政 の 役 割
事業活動から生じる環境への負荷を最小限
本計画を着実に遂行するとともに、町民・事
にするよう努力し、
町民や行政の行う環境保
業者・行政が一体となって環境保全に取り組
全活動に協力するとともに、
自らも進んで環
めるような協力体制を確立することが求め
境保全活動を行うことが求められます
られます
国・北海道・近隣地域との連携
7
2.進行管理
本計画の進行管理にあたっては、
「上士幌町環境基本計画推進会議」
(以下「推進会議」
という。
)を設置して町全体の取組みを行っていきます。
推進会議は、本計画の施策の点検及び評価を行うとともに、本計画の見直しを随時行
っていきます。
庁内体制
町民、事業者、団体等
上士幌町環境基本計画推進会議
<役割>
<役割>
環境基本計画に基づいた取組みの推進
…環境基本計画の推進
委員長
町長
環境基本計画の
環境保全に対す
副委員長
助役、教育長
進捗状況に対す
る積極的な取組
委員
各課部局長
る意見
みや組織づくり
事務局
企画課
各課部局
企画課環境計画担当
<役割>
<役割>
国、北海道、近隣地域
…環境基本計画に沿
った事業展開の推
進
…環境基本計画推進
会議の運営
環境保全に関する情報交流と取組みの相互協
力
8
第2章
現
第1節
況 編
自然環境
1.面積、位置、広ぼう、標高
上士幌町は、十勝平野の北部、大雪山国立公園の東山麓にあって、北緯 43 度 10 分
~43 度 34.1 分、東経 143 度 02 分~143 度 28 分に位置しており、南北に 48.0km、
東西に 18.2km の広がりがあります。
十勝支庁管内の北部、帯広市から 35km に位置する本町は、南に士幌町、東に本別
町・足寄町、西に鹿追町・新得町、北に上川支庁管内上川町、網走支庁管内置戸町・
北見市(旧留辺蕊町)の 8 町に隣接し、695.87 ㎢の町域を有しています。
◎面積
695.87 ㎢(69,587ha)
◎広ぼう
◎位置
南北 48.0km
東西 18.2km
◎標高
緯度/経度
緯 度
上士幌
北緯 43 度 14.1 分
糠
平
三国山
経
度
上士幌市街※1
217m
萩ヶ岡※2
320m
東経 143 度 18.2 分
北居辺※2
290m
清水谷※2
375m
北緯 43 度 22.0 分
東経 143 度 11.5 分
東居辺※2
240m
糠平市街
535m
北緯 43 度 34.1 分
東経 143 度 08.4 分
上音更※2
335m
糠平小学校
585m
豊岡※2
380m
幌加
584m
勢多※2
360m
三股
664m
北門※2
320m
三国峠
※1…役場庁舎周辺の標高
※2…各学校周辺の標高
9
1,139m
2.地形
大雪山国立公園に指定(昭和 9 年 12 月 23 日;自然公園法)されている上士幌町北
部(三国峠~三股~糠平~清水谷)は、大起伏山地、山麓地、中起伏山地を形成し、
南部(清水谷以南)は小起伏山地を経て砂礫台地、ローム台地、扇状地性低地を形成
しながら洪積台地(河岸段丘)である十勝平野に繋がっています。
【地形分類図】
10
3.地質
上士幌北部、三股周辺の山麓地では、崖錐堆積物等で構成される未固結砕屑物が広
く分布しており、各河川流域には礫・砂・粘土で構成される氾濫原堆積物が分布して
います。
上士幌中部から南部にかけて広く分布する起伏山地では凝灰岩、安山岩、流紋岩等
の火山性岩石が広く分布しています。
上士幌南東部の台地では、火山灰およびロームが分布し、音更川流域等では礫・砂・
粘土からなる氾濫原堆積物が帯状に分布しています。
地層分類
未固結堆積物
半固結~
固結堆積物
火山性岩石
深成岩類
層相
分布区域など
礫・砂・粘土
各河川流域(氾濫原堆積物)
砂
糠平湖畔
砕屑物
三股周辺の山麓地(崖錐堆積物)
砂・礫・粘土
各河川流域のわずかな地域
砂岩
糠平湖周辺
砂岩・泥岩互層
西クマネシリ岳周辺
粘板岩
ニペソツ山、石狩岳等の山地
ローム
農村地区・市街地区のローム台地
火山砕屑物
ナイタイ牧場~豊岡、北門北部
凝灰岩質岩石
糠平北部の小起伏山地
流紋岩質岩石
町北東部の中起伏山地
安山岩質岩石
町北部から南部にかけての広い範囲
斑岩
糠平湖南東(糠平ダム北東)
花崗岩質岩石
町北東部の山地のわずかな地域
11
4.土壌
上士幌町の土壌は、主に火山灰土壌で構成され、上音更や北居辺の台地には黒ボク
土が広く分布しています。また、音更川周辺の河岸段丘の低地には褐色低地土が分布
し、比較的標高の高い北門の台地には灰色台地土が、河川等の凹地には灰色低地土が
分布しています。萩ヶ岡の北部・宮島山周辺には褐色森林土が分布しています。
土壌群名
土壌分類
地
区
分布面積
(ha)
1,300
表層多腐植質黒ボク土
上音更
表層腐植質黒ボク土
居辺
3,190
褐色森林土
細粒褐色森林土
宮島
450
灰色台地土
細粒褐色台地土
北門
1,100
細粒褐色低地土
上士幌
1,400
礫質褐色低地土
萩ヶ岡
50
細粒灰色低地土
北居辺
600
黒ボク土
褐色低地土
灰色低地土
12
5.気象
上士幌町の気象は、年間平均気温が 5.4℃
◎上士幌町と糠平の気象
(糠平は 3.5℃)と冷涼で、夏期の最高気温
区
分
上士幌
糠平
が 31.4℃、冬期の最低気温が-21.0℃と年較
年間降水量(mm)
915
1,301
差が大きく(日較差も大きい;データには示
平均気温(℃)
5.4
3.5
していない)、年間降水量も 915mm と比較
最高気温(℃)
31.4
30.1
的少ないといった内陸性気候を有しています。 最低気温(℃)
-21.0
-26.6
1,873
1,728
積雪深(cm)
52
98
最大風速(m/s)
8.8
6.2
年間日照時間(h)
※25 年間の平均値(1979~2003 年、アメダス)
上士幌町の気象(アメダス;1979年~2003年の平均値)
40
糠平の気象(アメダス;1979年~2003年の平均値)
40
350
350
降水量
降水量
30
300
250
10
200
0
150
-10
-20
-30
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
最高気温
20
降水量(mm)
250
最低気温
10
200
0
150
100
-10
100
50
-20
50
0
-30
気温(℃)
最低気温
9 月 10 月 11 月 12 月
0
1月
2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月
日照時間(アメダス;1979年~2003年の平均値)
250
上士幌
糠平
200
日照時間
気温(℃)
20
300
平均気温
最高気温
150
100
50
0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
13
7月
8月
9月
10 月
11 月
12 月
降水量(mm)
平均気温
30
◎土地利用の現況(H18.1 月 1 日現在)
6.土地利用
上士幌町の総面積 69,587ha のうち 76.4%は
区
山林であり、基幹産業である農業の基盤の農用
分
面 積
(ha)
53,130
構成比
(%)
76.4
11,682
16.8
地は 16.8%を占めます。宅地は 0.6%であり、
山林
糠平、幌加、三股地域を除けば、ローム台地上
農用地(牧場含む)
にある市街地に集中しています。
原野
2,323
3.3
湖沼
894
1.3
宅地
390
0.6
1,168
1.7
69,587
100.0
大雪山国立公園の面積は 51,475ha で、町の
総面積の 73.4%を占めます。
雑種地・その他
合計
※ナイタイ高原牧場面積;1,679ha
(うち 1,009ha が草地)
土地利用の構成(数値単位;ha)
総面積;69,587ha
農用地(牧場含),
11,661
山林, 53,130
原野, 2,323
湖沼, 894
宅地, 390
雑種地・その他,
1,168
◎大雪山国立公園
区
分
面積(ha)
特別保護地区
1,191
第1種特別地域
6,034
第2種特別地域
6,222
第3種特別地域
29,104
普通地域
合計
8,923
所 在 の 概 要
・ニペソツ山(2,013m)周辺
・石狩岳(1,966m)、音更山(1,932m)、ユニ石狩岳(1,756m)周辺
・ウペペサンケ山(1,835m)~丸山(1,692m)~三国峠周辺
・東ヌプカウシヌプリ(1,252m)~天望山(1,174m)~ナイタイ山
(1,332m)周辺(然別湖含む)
・黒石平~糠平市街~幌加~十勝三股周辺(糠平湖含む)
・温泉山(1,281m)周辺
・ピリベツ岳(1,602m)~西クマネシリ岳(1,635m)~勝北峠周辺
・南ペトウトル山周辺
・菅野温泉周辺
・然別湖畔温泉周辺
・
「特別保護地区」「第 1 種特別地域」「第 2 種特別地域」に標記した
範囲の低地帯
・勢多山(997m)、女夫山(859m)、ナイタイ高原牧場周辺
51,475
14
7.水環境
(1)河川、湖沼の現況
町内の河川・湖沼は十勝川流域に含まれ、十勝川の一次支流である音更川、居辺川、
芽登川、士幌川、然別川の5つの流域に区分できます。
音更川は、大雪山国立公園内の小河川を水源として、十勝三股から糠平湖を経て町
の中央を縦断するように流下し、十勝川を経て太平洋へ注いでいます。特に、三国山
周辺は日本海、オホーツク海、太平洋の 3 海域の分水嶺と呼ばれています。
居辺川は北門~東居辺・北居辺のローム台地を流れる小河川を集め、利別川を経て
十勝川に至っています。
芽登川は北門の北部を流れ美里別川を経て利別川に至っています。
サックシュオルベツ川は萩ヶ岡北部の安村山から音更川と並行するように町の中
央・市街地を流れ、士幌川を経て十勝川に至っています。
然別川は、その本流が本町の行政区域を流れていませんが、鹿追町と接する然別湖
周辺が然別川流域です。
◎町内の河川と流域
流
域
河
音更川流域
川
流路延長(km)
音更川
居辺川流域
740 ㎢
94.50km
幌加音更川
(14.48km)
糠平川
(7.45km)
サンケウォップ川
(15.85km)
シリクニ川
(14.20km)
ナイタイ川
(13.15km)
居辺川
【利別川】
34.60km
サンケオルベツ川
流域面積(㎢)
(12.65km)
流路延長;150km
芽登川流域
芽登川
22.20km
流域面積;2,860 ㎢
士幌川流域
サックシュオルベツ川
31.90km
【士幌川】
流路延長;39.60km
流域面積;298 ㎢
然別川流域
然別川
648 ㎢
66.70km
【十勝川】流路延長;156.00km 流域面積;9,010 ㎢
◎町内の湖沼
湖沼名
面
積
周
囲
最大深度
備
糠平湖
8.20 ㎢
33.0km
60m
然別湖
3.43 ㎢
12.6km
108m
せき止め
1.0km
1m
せき止め
東雲湖
15
考
人造(ダム湖)
(2)河川、湖沼の水質
本町の河川において、音更川流域は、環境基準値内又は清流河川並の水質であると
考えられます。
しかしながら、居辺川流域は、アンモニア態窒素、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、リ
ン酸、陰イオン界面活性剤の検出量が比較的高く、一般河川並の水質だと言えます。
また、士幌川流域にあたるサックシュオルベツ川も、各項目の検出量が比較的高く
一般河川並の水質です。特に清水谷橋直下では陰イオン界面活性剤の検出量が高く、
時期によっては、肉眼で「泡立ち」を観察できます。
測定機器と測定値の目安
項目
pH
EC
NH4-N
NO3-N
NO2-N
PO4-P
EVAS
測定機器
Twin pH メーター B-212
Twin Cond B-173
RQ フレックス
(藤原製作所)
ユニメーター
(筑波総合科学研究所)
測定値の目安
一般河川
下水、雨水
「環境基準」で定められた値
50~100µS/cm
100~400µS/cm
雨水;10~30µS/cm
0.05mg/ℓ以下
0.5~5mg/ℓ
下水;5mg/ℓ以上
0.2~1mg/ℓ
1~8mg/ℓ
―
―
0.1mg/ℓ以下
―
0.05 mg/ℓ以下
0.1~1mg/ℓ
―
水道法水質基準;0.2mg/ℓ以下
清流河川
上士幌町の河川水質<音更川流域①>
項
目
pH
基準値
(環境基準)
6.0~8.6
【水素イオン濃度】
EC(μS/cm)
基準値なし
【電気伝導度】
NH4-N(mg/ℓ)
基準値なし
【アンモニア態窒素】
音更川
年度
糠平川
サンケウォップ
川
豊平
神社
糠平
ダム
ボクスイ
橋
中央橋
40 号橋
糠平橋
H16
7.6
7.3
7.3
7.3
7.5
7.4
H17
7.1
7.4
7.3
7.1
7.5
7.4
H16
87.3
76.2
86.5
94.3
170.2
83.8
H17
73.0
70.0
80.3
90.0
110.8
73.0
H16
0
0
0
0
0
0
H17
0.078
0.078
0.052
0.130
0.155
0.078
NO3-N(mg/ℓ)
NO2-N 及
H16
0.527
0.603
0.829
0.753
0.678
0.678
【硝酸態窒素】
び NO3-N
H17
0.603
0.904
0.904
1.205
0.527
1.205
NO2-N(mg/ℓ)
と合わせて
H16
0.003
0.005
0.004
0.014
0.024
0.007
H17
0.003
0.005
0.003
0.008
0.008
0.001
H16
0.062
0.050
0.055
0.048
0.081
0.102
H17
0.055
0.134
0.064
0.066
0.047
0.053
H16
0.090
0.046
0.086
0.027
0.094
0.065
H17
0.048
0.398
0.057
0.117
0.199
0.151
【亜硝酸態窒素】
PO4-P(mg/ℓ)
10mg/ℓ
基準値なし
【オルトリン酸リン】
EVAS(mg/ℓ)
【陰イオン界面活性剤】
基準値なし
※H16、H17 とも年間3回調査(5 月、8 月、11 月)の平均値。
16
上士幌町の河川水質<音更川流域②>
項
目
pH
基準値
(環境基準)
6.0~8.6
【水素イオン濃度】
EC(μS/cm)
基準値なし
【電気伝導度】
NH4-N(mg/ℓ)
基準値なし
【アンモニア態窒素】
シリクニ川
年度
ナイタイ牧場
北側
シリクニ
2 号橋
H16
7.6
H17
ナイタイ川
勢多川
糠内橋
音更川
出合
ナイタイ
2 号橋
鉱山橋
7.4
7.3
7.3
7.3
7.3
7.5
7.3
7.5
7.4
7.4
7.3
H16
120.2
115.7
72.3
74.3
82.2
95.3
H17
112.0
112.2
52.5
62.5
64.5
77.3
H16
0
0
0
0
0
0
H17
0.052
0.233
0.026
0.052
0.026
0.155
NO3-N(mg/ℓ)
NO2-N 及
H16
1.657
1.507
0.678
0.753
0.753
0.753
【硝酸態窒素】
び NO3-N
H17
1.582
1.657
0.603
0.753
0.753
0.753
NO2-N(mg/ℓ)
と合わせて
H16
0.009
0.008
0.007
0.005
0.003
0.004
H17
0.003
0.007
0.002
0.003
0.002
0.009
H16
0.079
0.162
0.062
70.055
0.078
0.053
H17
0.066
0.110
0.046
0.051
0.057
0.044
H16
0.138
0.083
0.057
0.054
0.075
0.054
H17
0.404
0.185
0.314
0.163
0.095
0.175
【亜硝酸態窒素】
PO4-P(mg/ℓ)
10mg/ℓ
基準値なし
【オルトリン酸リン】
EVAS(mg/ℓ)
基準値なし
【陰イオン界面活性剤】
※H16、H17 とも年間3回調査(5 月、8 月、11 月)の平均値。
上士幌町の河川水質<居辺川流域、士幌川流域>
項
目
pH
基準値
(環境基準)
6.0~8.6
【水素イオン濃度】
EC(μS/cm)
基準値なし
【電気伝導度】
NH4-N(mg/ℓ)
基準値なし
【アンモニア態窒素】
居辺川
年度
サックシュオルベツ川
朝日橋
清進橋
はく
よう橋
奥野橋
東居辺
小学校
清水谷
橋
ミルク
センター
H16
7.3
7.3
7.2
7.5
7.7
7.0
ー
H17
7.1
7.1
7.1
7.3
7.6
6.8
7.5
H16
201.0
358.3
200.0
128.3
121.0
104.7
ー
H17
125.7
216.3
169.3
128.5
135.7
125.8
176.0
H16
0
2.875
0
0
0
0
ー
H17
0.311
0.544
0.130
0.181
0.026
0.233
0.699
NO3-N(mg/ℓ)
NO2-N 及び
H16
1.356
2.561
2.486
1.959
1.507
0.565
ー
【硝酸態窒素】
NO3-N と合
H17
1.959
3.541
4.219
2.411
2.938
1.281
2.712
H16
0.095
0.123
0.013
0.012
0.014
0.010
ー
H17
0.034
0.076
0.039
0.030
0.030
0.064
0.123
H16
0.260
0.724
0.154
0.129
0.174
0.239
ー
H17
0.188
0.314
0.172
0.193
0.153
0.233
0.486
H16
0.260
0.066
0.067
0.057
0.092
0.054
ー
H17
0.713
0.140
0.400
0.147
0.210
0.759
0.162
NO2-N(mg/ℓ)
【亜硝酸態窒素】
PO4-P(mg/ℓ)
わせて
10mg/ℓ
基準値なし
【オルトリン酸リン】
EVAS(mg/ℓ)
【陰イオン界面活性剤】
基準値なし
※H16、H17 とも年間3回調査(5 月、8 月、11 月)の平均値。
17
8.動植物
(1)絶滅の恐れのある種
北海道レッドデータブックでは、1,084 種をその対象種としています。
このうち上士幌町に生息する野生動植物は、128 種が該当します。
(資料編p52~p
53 参照)
北海道レッドデータブックの分類群とカテゴリー
RDB ランク
EX
絶滅種
VU
絶滅危急種
EW
R
野生絶滅種
CR
絶滅危機種
EN
希少種
LP
地域個体群
N
絶滅危惧種
留意種
北海道レッドデータブックの対象種
分類群
選 定
対象数
種数
EX
EW
CR
EN
VU
R
LP
N
合計
植物
2,871
2,250
3
0
35
47
109
316
0
1
511
哺乳類
62
62
2
0
1
0
4
15
4
1
27
鳥類
両生類
爬虫類
魚類
405
405
2
0
7
7
16
39
0
1
72
24
24
0
0
0
1
1
0
4
1
7
72
71
1
0
3
1
3
14
8
7
37
昆虫
11,300
11,241
2
0
2
6
11
389
1
19
430
合計
14,734
14,053
10
0
48
62
144
773
17
30
1,084
北海道希少野生生物
北海道レッドデータブック
上士幌町における絶滅の恐れのある生物種数
分類群
EX
EW
植物
CR
EN
VU
R
2
5
14
35
56
2
8
10
5
19
哺乳類
鳥類
両生類
爬虫類
魚類
2
5
2
昆虫
合計
0
北海道希少野生生物
高
Ex
Ew
Cr
危
険 En
度 Vu
R
0
10
20
22
84
1
1
N
合計
1
32
1
1
2
5
3
24
7
128
北海道レッドデータブック
絶滅種(Ex)
すでに絶滅したと考えられる種または亜種
本道の自然界ではすでに絶滅したと考えられているが、飼育等
野生絶滅種(Ew) の状態で生存が確認されている種または亜種
絶滅危機種(Cr) 絶滅の危機に直面している種または亜種
絶滅危惧種(En) 絶滅の危機に瀕している種または亜種
絶滅危急種(Vu) 絶滅の危機が増大している種または亜種
存続基盤が脆弱な種または亜種(現在のところ、上位ランクに
は該当しないが、生息・生育条件の変化によって容易に上位ラ
希少種(R)
ンクに移行する要素を有するもの)
地域個体群(LP) 保護に留意する個体群
LP
低 N
4
1
LP
留意種(N)
保護に留意すべき種または亜種(本道においては個体群、生息
生育ともに安定しており特に絶滅のおそれはない)
18
(2)上士幌町の外来種
『北海道外来種リスト-北海道ブルーリスト-』に選定されている外来生物種は 806
種です。
このうち上士幌町においては、83 種の外来動植物が存在します。
(資料編p54 参照)
北海道ブルーリストに選定された生物数一覧
分類群
種
数
内訳(原産地の区分)
(合計)
国内
国外
不明
哺乳類
25
18
7
―
鳥類
8
4
4
―
爬虫類
7
2
5
―
両生類
16
1
15
―
魚類
5
23
12
―
昆虫類
昆虫以外の
無脊椎動物
植物
89
40
25
24
28
26
2
―
598
519
31
48
合計
806
633
101
72
北海道の外来種リスト-北海道ブルーリスト-
上士幌町の外来種数
分類群
種
数
内訳(原産地の区分)
(合計)
国内
国外
不明
哺乳類
2
1
1
―
鳥類
1
1
0
―
魚類
1
0
1
―
植物
79
2
69
8
合計
83
4
71
8
北海道の外来種リスト-北海道ブルーリスト-
19
(3)野生動植物の被害と有害捕獲
エゾシカ、ヒグマ、キタキツネなどの野生動物は、農業被害や人身への潜在的脅威
などにより有害捕獲されることがあります。
特にエゾシカは、極めて繁殖力が高いうえに道路法面の張り芝造成地などへ生息域
を拡大しながら、その頭数は増加傾向にありました。これに伴い農業被害も増大した
ことから、
「北海道野生動物保護管理指針(1996 年)」に基づいて適正に保護管理さ
れています。
①エゾジカの捕獲(十勝支庁地域政策部による調査データ)
十勝管内におけるエゾジカの捕獲頭数と被害額
25,000
180
傷病捕獲
♀
個体数調整
20,000
160
12
有害捕獲
♂
140
9
10,000
6
5,000
3
0
0
捕獲頭数(頭)
被害額(億円)
15,000
被害額(億円)
狩猟
120
100
80
60
40
20
H9
H10
H11
H12
H13
H14
0
H15
H13
②ヒグマの有害捕獲(十勝支庁地域政策部による調査データ)
十勝管内におけるヒグマの有害捕獲頭数と被害額
100
50
十勝管内合計
捕獲頭数(頭)
45
被害額
80
40
70
35
60
30
50
25
40
20
30
15
20
10
10
5
0
上士幌町の捕獲頭数
0
H7
H8
H9
H10
H11
0頭
1頭
0頭
1頭 0頭
H12
H13
H14
1頭
4頭 1頭
H15
0頭
③キタキツネの有害捕獲(十勝支庁地域政策部による調査データ)
十勝管内におけるキタキツネの有害捕獲頭数
1,600
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
0
H11
上士幌町の捕獲頭数
22 頭
H12
4頭
20
H13
H14
H15
11 頭
36 頭
36 頭
被害額(百万円)
90
捕獲頭数(頭)
捕獲頭数(頭)
上士幌町におけるエゾジカの捕獲頭数
(個体数調整捕獲の内訳)
15
H14
H15
9.大雪山国立公園地域における取り組み
(1)ひがし大雪博物館
ひがし大雪博物館(以下「博物館」という。)は、昭和 45 年(1970 年)に上士幌町
糠平に建設され、今日に至っています。博物館は、①大雪山国立公園地域を中心とし
た動植物、昆虫、地質などの調査研究、②観察会、講演会などによる教育普及、③各
種資料(史料)の収集と展示
などの業務を行っており、主に大雪山国立公園を中心
とした地域の自然を解明し紹介するとともにその保護に寄与しています。
(2)NPO 法人ひがし大雪自然ガイドセンター
NPO 法人ひがし大雪自然ガイドセンター(以下「自然ガイドセンター」という。
)
は、平成9年 月に設立され、平成 13 年 6 月に法人認証を受けています。
自然ガイドセンターは、ひがし大雪山地域をフィールドに、①自然体験・観光プロ
グラムの提供、②子ども達を対象とした環境教育、③ニペソツ山登山道の整備・修復
による山岳地帯の環境保全、④登山・釣り・露天風呂などの情報発信、⑤自然環境や
山岳情報の調査 など多彩な活動に取り組んでいます。
自然ガイドセンターが提供する自然体験プログラムは、町民や旅行者の環境保全意
識の醸成を図るとともに、糠平温泉郷の滞在型観光メニューとして観光客・地元観光
業者に活用され、本町の観光業の振興に寄与しています。
(3)NPO 法人ひがし大雪アーチ橋友の会
NPO 法人ひがし大雪アーチ橋友の会(以下「アーチ橋友の会」という。
)は、平成
11 年 10 月に設立され、平成 14 年 7 月に法人認証を受けています。
アーチ橋友の会は、主に旧国鉄士幌線跡地に残存するコンクリートアーチ橋梁群な
どの保存活動等を行っています。
旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群は、大雪山国立公園の自然環境と景観に配
慮し、周辺の渓谷美との調和を考慮して建設されたもので、アーチ橋友の会は、この
コンクリートアーチ橋梁群の保存と活用をとおして北十勝の開拓の歴史を後世に伝え
るとともに、ひがし大雪山地域の景観の保全に寄与しています。
(4)十勝三股森づくり21
十勝三股森づくり21(以下「森づくり21」という。
)は、平成 12 年 11 月に設
立され、十勝三股地域をフィールドに森林整備団体として活動しています。
森づくり21の活動は、三股盆地に残る木材集積現場跡(土場跡)の裸地を本来的
な森林に復元させようというもので、移植する苗は山採り苗を活用し保育環境を整備
するなど、ひがし大雪山地域の生態系に配慮した取り組みを行っています。
(5)上士幌町地域の宝さがしの会
上士幌町地域の宝さがしの会(以下「宝さがしの会」という。
)は、平成9年9月に
発足し、郷土史料などの収集保存活動をとおして本町の歴史・文化・産業など再発見
する取り組みを行っています。
21
第2節 生活環境
1.人口
上士幌町は、明治 40 年に安村治高丸による開拓から始まり、昭和 6 年に士幌村から
分村、町制の施行(昭和 29 年)
、糠平ダムの完成(昭和 30 年)を経て町の発展に伴い
人口も増えました。しかし、糠平ダムの完成以降、人口は年々減少し、高齢化も進行
しています。
人口と世帯数の推移
(住民基本台帳;3月末時点)
10,000
2,350
女
男
世帯数
9,000
8,000
2,277
2,250
2,200
5,416
6,000
2,150
平成17年度
平成16年度
平成14年度
平成15年度
平成12年度
平成13年度
平成9年度
平成10年度
平成11年度
平成8年度
平成7年度
平成5年度
平成6年度
平成3年度
平成4年度
1,850
平成元年度
平成2年度
0
昭和62年度
昭和63年度
1,900
昭和61年度
1,950
1,000
昭和59年度
昭和60年度
2,000
昭和57年度
昭和58年度
2,000
昭和55年度
昭和56年度
2,050
3,000
昭和53年度
昭和54年度
4,000
昭和52年度
2,100
昭和50年度
昭和51年度
5,000
世帯数
7,000
人口(人)
2,300
高齢者人口と高齢化率の推移
年
上士幌町
度
H12
H13
H14
H15
H16
H17
総人口(人)
5,701
5,617
5,586
5,513
5,463
5,416
65 歳以上(人)
1,402
1,432
1,486
1,515
1,544
1,582
高齢化率(%)
24.6
25.5
26.6
27.5
28.3
29.2
北海道
高齢化率(%)
18.2
18.9
19.6
20.3
20.8
―
全
高齢化率(%)
17.3
18.0
18.5
19.1
19.5
20.0
国
※上士幌町データ;住民基本台帳の 3 月末時点の統計
※北海道、全国データ;国勢調査、総務省統計局推計人口
※高齢化率=65 歳以上の人口÷総人口×100
22
2.廃棄物
上士幌町のごみ排出量は、容器包装リサイクル法の施行に伴って、資源ごみの回収
が開始された平成 12 年以降、年々減少傾向にあります。
平成 17 年度の総排出量は 2,131t、町民一人当たりの排出量は 393kg/年です。平
成 17 年度は、10 月に導入されたごみ処理有料化により 9 月までの駆け込み廃棄が増
加するなど一時的に排出量が増加しました。
上士幌町の一般家庭ごみは、北十勝 2 町環境衛生処理組合で処分されています。
3,000
393
不燃物
可燃物
1人当りの年間排出量
2,500
400
350
316
2,131
300
1,729
H17
H16
H15
H14
H13
H12
H11
H10
H9
100
H8
0
H7
150
H6
500
H5
200
H4
1,000
H3
250
H2
1,500
H1
排出量(t)
2,000
1人当たりの排出量(kg/年)
上士幌町におけるごみの処理量
※4 月~3 月の実績。
平成 12 年・・・「資源ごみ回収」開始
平成 17 年・・・「ごみ処理有料化」導入
北十勝 2 町環境衛生処理組合の概要(町政の現況より)
構成団体
士幌町、上士幌町
設立年月
昭和 49 年 2 月 27 日
敷地面積
48,210 ㎡
ごみ焼却施設
一般廃棄物
最終処分場
供用開始
平成 9 年 4 月
焼却炉
バッチ式焼却炉(ピット&クレーン方式)
焼却能力
15t/日
破砕機
可燃性粗大ごみ破砕機、自走式 2 軸式シュレッダ
破砕能力
4.5t/日
供用開始
平成 10 年 10 月
埋立面積
11,616 ㎡
埋立容量
54,000 ㎥
浸出水処理方法
回転円盤+凝集沈殿法
浸出水処理能力
22 ㎥/日
23
3.リサイクル
本町の資源回収は、平成 10 年にアルミ・スチール缶、平成 11 年に缶に加えて紙パ
ックの回収を始め、平成 12 年には現在回収している 10 品目の資源回収が始まりまし
た。さらに、平成 16 年からはプラスチックごみも資源として回収し始めました。
平成 17 年の資源回収量は、従来行われていた少年会等の資源回収を含めて 617.6t
で、リサイクル率は 22.5%です。
資源回収
(単位;t)
内
訳
年度
回収
総重量
アルミ
スチ
ール
新聞
雑誌
ダンボ
ール
紙
パック
その他
紙
ビン
発砲スチ
ロール
ペット
ボトル
廃プラ
H12
296.0
11.7
25.4
59.6
41.9
65.3
1.3
7.7
60.3
7.9
14.8
―
H13
315.3
8.7
27.8
52.8
52.2
66.6
2.0
21.4
59.7
7.7
16.4
―
H14
310.9
9.1
24.9
59.9
54.6
68.3
1.9
13.7
57.1
6.3
15.1
―
H15
327.5
8.0
25.4
60.8
57.4
70.3
2.1
22.4
56.5
6.4
18.2
―
H16
475.8
9.9
26.1
77.1
68.4
90.9
2.7
53.5
68.2
7.3
16.6
55.3
H17
513.0
9.5
24.9
72.8
96.4
85.8
2.6
67.4
64.9
6.9
17.6
64.4
集団回収(少年会等の廃品回収)
(単位;t)
内
訳
年度
回収
団体数
回収
総重量
アルミ
スチ
ール
新聞
雑誌
ダンボ
ール
紙
パック
鉄くず
ビン
H12
25
163.3
3.0
3.3
83.7
32.3
24.9
0.4
8.2
7.5
H13
24
145.5
2.5
3.2
70.1
35.5
24.6
0.6
3.0
5.2
H14
20
108.6
2.3
3.4
51.1
23.7
19.1
0.4
5.3
3.3
H15
20
109.9
2.0
3.0
51.1
26.2
16.3
0.6
7.7
3.0
H16
21
118.1
1.5
2.1
54.0
34.3
21.1
0.4
1.9
2.5
H17
17
104.6
1.5
3.2
47.9
29.0
19.6
0.8
1.0
1.7
資源回収の推移(t)とリサイクル率(%)
集団回収
700
35.0%
600
30.0%
500
25.0%
400
20.0%
300
15.0%
200
10.0%
100
5.0%
廃プ ラ
ペットボトル
リサイクル率(%)
回収量(t)
発砲スチロール
びん
その他紙
紙パック
段ボール
雑誌
新聞
スチール
0
0.0%
H12
H13
H14
H15
H16
H17
※4 月~3 月の実績。町民課調査。
※集団回収・・・少年会等による資源回収
※リサイクル率=資源回収総重量/ごみの総処理量×100
24
アルミ
リサイ クル率
4.上水道
上士幌町の水道普及率は、平成 18 年 3 月末で、97.5%です。
各給水施設における浄水方法は、緩速ろ過又は急速ろ過と塩素消毒が併用されてい
ます。
公営水道施設の概要(平成 18 年 3 月末現在)
施設名
上士幌簡易水道
糠平簡易施設
居辺専用水道
給水開始年月
昭和 38 年 1 月
河川表流水
地下水
1,650 ㎥
昭和 34 年 1 月
昭和 37 年 1 月
上士幌東部
営農用水施設
昭和 48 年 4 月
河川表流水
河川表流水
河川表流水
1,320 ㎥
850 ㎥
1,330 ㎥
取水河川
ナイタイ川
糠平川
芽登川
ポロペタン川
取水方法
取水潜函深井戸
取水堰堤
取水堰堤
取水堰堤
浄水方法
緩速ろ過
急速ろ過
緩速ろ過
緩速ろ過
配水方法
自然流下
自然流下
自然流下
自然流下
給水人口
3,942 人
128 人
163 人
938 人
水源種別
取水量
水道普及率(97.5%)=H18.3 月現在の給水人口(5,283 人)÷H18.3 月末現在の行政人口(5,416 人)×100
その他水道施設の概要(平成 18 年 3 月末現在)
同
進 改
進 豊
岡
施設名
共同給水施設 共同給水施設 共同給水施設
給水開始年月
S40 年 1 月
S40 年 12 月
S40 年 12 月
勢
多
簡易給水施設
幌
加
簡易水道
S41 年 1 月
水源種別
湧水
湧水
湧水
河川表流水
河川表流水
取水量
17 ㎥
13 ㎥
30 ㎥
31 ㎥
42 ㎥
取水地
上音更町有地
ろ過地併用
流水導入
緩速ろ過
豊岡町有地
ろ過地併用
流水導入
緩速ろ過
ナイタイ川 1 号川
ろ過地併用
流水導入
緩速ろ過
8 の沢川
取水堰堤
浄水方法
上音更町有地
ろ過地併用
流水導入
緩速ろ過
配水方法
自然流下
自然流下
自然流下
自然流下
自然流下
給水人口
28 人
48 人
7人
29 人
-人
取水方法
公営水道施設の浄水水質検査結果(抜粋)
上 士 幌
項目
基準値
簡易水道
100 個/ml 以下
一般細菌
2 個/ml
糠
平
簡易施設
0 個/ml
居
辺
専用水道
0 個/ml
上士幌東部
営農用水施設
4 個/ml
大腸菌群
硝酸性窒素及び
亜硝酸性窒素
塩化物イオン
不検出のこと
不検出
不検出
不検出
不検出
10 ㎎/ℓ以下
<0.5 ㎎/ℓ
<0.1 ㎎/ℓ
0.3 ㎎/ℓ
0.3 ㎎/ℓ
200 ㎎/ℓ以下
1.6 ㎎/ℓ
2.4 ㎎/ℓ
1.7 ㎎/ℓ
1.6 ㎎/ℓ
pH
5.8≦、8.6≧
7.4
7.4
7.3
7.2
味
異常ないこと
異常なし
異常なし
異常なし
異常なし
色
異常ないこと
異常なし
異常なし
異常なし
異常なし
残留塩素
500 ㎎/ℓ以下
0.3 ㎎/ℓ
0.3 ㎎/ℓ
0.05 ㎎/ℓ
0.2 ㎎/ℓ
平成 16 年度調査結果(帯広市上下水道部水質検査センター)
25
5.下水道
上士幌町の下水道普及率及び総合普及率は、平成 18 年 3 月末で 64.6%及び 73.7%
です。
平成 8 年 11 月には上士幌町下水道管理センターが供用開始し、オキシデーションデ
ィッチ法により下水の浄化処理を行っています。
平成 18 年 3 月末現在の公共下水道等の整備状況
公共下水道
合併浄化槽
行政人口、戸数
整備面積
整備延長
整備人口
整備戸数
基数
使用人口
人口
戸数
173ha
37.7km
3,500 人
1,640 戸
143 戸
619 人
5,456 人
2,277 戸
下水道普及率;64.1%【整備人口(3,500 人)÷行政人口(5,416 人)×100】
総合普及率;75.5%【(整備人口(3,500 人)+使用人口(619 人))÷行政人口(5,456 人)×100】
※行政人口(5,456 人)は住基ネットによる数値。
上士幌町下水道管理センターの概要
所在地
上士幌町字上士幌西 1 線 215 番地 16
面積
10,058 ㎡
供用開始年月
平成 8 年 10 月 11 日
処理方法
オキシデーションディッチ法
処理能力
2,080 ㎥/日(3 系列)
処理人口
4,600 人
放流先河川
音更川
上士幌町下水道管理センター流入水と放流水のpH
8.0
上士幌町下水道管理センター流入水と放流水の透視度
60
流入水
放流水
50
透視度(cm)
pH
7.5
7.0
6.5
流入水
放流水
40
30
20
10
6.0
0
平成8年 平成9年 平成10年 平成11年 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年
平成8年 平成9年 平成10年 平成11年 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年
各項目における除去率(%)
項
目
除去率
浮遊性物質(SS)
97.5%
化学的酸素要求量(COD)
92.5%
生化学的酸素要求量(BOD)
98.0%
※平成 8 年~平成 16 年の平均値
26
6.産業人口
上士幌町の産業別労働人口(国勢調査)
上士幌町では、農業、林業、鉱工業、商業、
H12
H7
農業
観光などの産業が発展しています。
林業
産業別労働人口を見ると、農業、サービス
H2
漁業
業、卸売・小売・飲食業、建設業、製造業な
鉱業
どに従事していることがわかります。
平成 12 年の産業別人口の割合を見ると、
建設業
農業従事者が 25%、サービス業従事者が 26
製造業
%となっています。
電気・ガス
運輸業
卸売・小売・飲食
金融保険
不動産
サービス
公務員・その他
0
200
400
600 800
労働人口(人)
上士幌町の産業別労働人口の割合(平成12年度)
公務員・その他
6%
農業
25%
サービス
26%
林業
4%
建設業
10%
卸売・小売・飲食
13%
不動産
0%
金融保険
1%
運輸業
4%
製造業
8%
電気・ガス
2%
27
漁業
0%
鉱業
1%
1,000 1,200
7.農業
(1)農家人口と経営規模
上士幌町の基幹産業である農業は、農家戸数や農家人口が減少する一方で、年々経
営規模の拡大が進んでいます。
平成 12 年の農家戸数及び農家人口は、212 戸及び 1,077 人で、昭和 45 年と比較す
ると、半数以下に減少しています。
一方、耕地面積は年々増加し、平成 12 年における総耕地面積は 8,868ha で、昭和
45 年比で 27%増加しています。農家 1 戸当たりの耕地面積も平成 12 年度で 41.8ha
で、年々経営規模が拡大しています。
農家戸数と農家人口の推移
年
S45 年
S50 年
S55 年
S60 年
H2 年
H7 年
H12 年
450
363
333
302
287
255
212
専業
344
282
249
233
244
192
162
兼業
106
81
84
69
43
63
50
2,423
1,886
1,653
1,448
1,421
1,234
1,077
度
農家戸数(戸)
(内訳)
農家人口(人)
経営耕地面積規模別農家戸数の推移
S45 年
S50 年
S55 年
S60 年
H2 年
H7 年
H12 年
450
363
333
302
287
255
213
5ha 未満
4
25
20
9
10
15
5
5~9.9ha
57
13
7
5
10
5
3
10~19.9ha
262
98
57
34
21
16
12
20~29.9ha
114
183
168
102
74
34
17
30~39.9ha
13
44
81
152
98
80
62
40~49.9ha
-
-
-
-
47
65
57
50ha 以上
-
-
-
-
27
40
57
総耕地面積(ha)
6,991
7,941
8,062
8,810
9,293
9,335
8,868
1 戸当たりの面積
15.5
21.9
24.2
29.2
32.4
36.6
41.8
度
農家戸数
総耕地面積(ha)
総耕地面積と1戸当たりの耕地面積の推移
10,000
9,000
8,000
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
4,126
2,512
4,388
4,479
3,553
4,683
4,185
4,794
3,977
4,085
4,684
4,610
S45年 S50年 S55年 S60年 H2年
28
4,541
4,683
H7年 H12年
50
45
40
35
30
25
20
15
10
5
0
1戸当たりの耕地面積(ha)
年
牧草地
畑地
1戸当たり面積
(2)経営形態と農地利用
上士幌町の農業形態は、畑作経営と畜産経営が
ほぼ半数ずつ共存しています。
上士幌町の農業経営形態(平成17年度)
平成18年3月町政の現況
平成 17 年度においては畑作経営が 44%、畜産
複合経営, 23,
12%
経営が 44%、複合経営が 12%です。
畜産経営, 83,
44%
農業経営形態の割合は、地区によって異なり
畑作経営, 83,
44%
ます。萩ヶ岡地区や上音更・勢多地区は畜産経
営が主体で、北居辺地区、東居辺地区、上士幌
・清水谷地区は畑作経営が主体です。北門地区
においては、畜産と畑作が半数ずつ共存してい
ます。
地区別の農業経営形態の割合
萩ヶ岡地区
北門地区
北居辺地区
東居辺地区
上士幌・清水谷地区
上音更・勢多地区
0%
20%
畜産経営
40%
畑作経営
60%
80%
複合経営
100%
その他
上士幌町の農地には、平成 12 年度において、その総耕地面積の 60%に飼料用とう
もろこしと牧草が作付けされています。残りの 40%の耕地に畑作 4 品目(小麦、豆類、
馬鈴薯、ビート)がほぼ均等に作付けされ、輪作が行われています。
農作物作付け割合の推移
平成12年
平成7年
平成2年
昭和60年
昭和55年
昭和50年
昭和46年
0%
麦類
豆類
20%
馬鈴薯
40%
てん菜
60%
えん麦、雑穀、野菜
29
80%
100%
飼料用とうもろこし
牧草
(3)主要農産物の生産性
上士幌町では畑作4品目の輪作や耕畜連携による交換耕作・麦稈と堆肥の交換など
により地力維持を図っています。
主要農産物の生産性は、気象、特に積算温度によって変動があります。平年収量は、
小麦 492kg/10a、馬鈴薯(食用)3,742kg/10a、ビート 5,583kg/10a、大豆 231kg/10、
小豆 200kg/10a、
菜豆 186kg/10a、
牧草 4,094kg/10a、
飼料用とうもろこし 5,256kg/10a
です。
主要農産物の生産力(10a 当たりの生産量;kg/10a)昭和 46 年~平成 17 年
700
小麦
ビート
馬鈴薯(食用)
4,500
6,500
6,000
600
4,000
400
300
反収(kg/10a)
5,500
反収(kg/10a)
反収(kg/10a)
500
3,500
3,000
200
4,000
3,500
0
2,000
2,000
2,500
3,000
3,000
1,500
2,000
大豆
3,000
1,500
300
300
300
250
250
250
150
反収(kg/10a)
350
200
200
150
150
100
100
50
50
50
0
2,000
2,500
3,000
1,500
積算温度(℃)
5,000
0
2,000
2,500
3,000
6,000
飼料用とうもろこし
品
5,000
反収(kg/10a)
4,000
3,500
4,000
2,500
2,000
3,000
1,500
2,000
2,500
3,000
積算温度(℃)
※積算温度(有効積算温度);5/1~9/30 までの平均気温のうち 10℃以上の合計
30
3,000
平年収量
492
馬鈴薯
3,742
ビート
5,583
3,500
3,000
2,000
目
小麦
4,500
3,000
2,500
2,500
各品目の平年収量(kg/10a)
4,500
2,000
2,500
積算温度(℃)
2,000
積算温度(℃)
5,500
1,500
1,500
積算温度(℃)
牧草
3,000
200
100
0
2,500
菜豆
小豆
350
1,500
2,000
積算温度(℃)
350
反収(kg/10a)
反収(kg/10a)
2,500
積算温度(℃)
積算温度(℃)
反収(kg/10a)
4,500
2,500
100
1,500
5,000
大豆
231
小豆
200
菜豆
186
牧草
4,094
飼料用とうもろこし
5,256
(4)家畜飼養頭数の推移と生乳生産量の推移
畜産農家においても経営規模の拡大が進み、家畜の飼養頭数は増加しています。
乳用牛の飼養頭数の増加に伴い、生乳生産量も年々増加しています。
平成元年度の 1 戸当りの飼養頭数 80 頭に対して、平成 17 年度は 184 頭です。
畜産農家戸数と家畜飼養頭数
S45 年
S50 年
S55 年
S60 年
H2 年
H7 年
H12 年
297
204
176
152
143
123
107
乳用牛
4,755
7,220
8,943
10,500
11,737
13,150
12,663
肉用牛
221
1,129
612
1,420
1,415
2,014
3,663
馬
559
131
107
115
-
307
101
豚
142
465
480
332
1
70
20
ニワトリ
10,483
6,240
25,573
20,246
25,100
4,500
0
年
度
畜産農家戸数(戸)
乳用牛の飼養頭数と生乳生産量の推移
18,000
90,000
飼養頭数
80,000
生乳生産量
14,000
70,000
12,000
60,000
10,000
50,000
8,000
40,000
6,000
30,000
4,000
20,000
2,000
10,000
0
S35
S36
S37
S38
S39
S40
S41
S42
S43
S44
S45
S46
S47
S48
S49
S50
S51
S52
S53
S54
S55
S56
S57
S58
S59
S60
S61
S62
S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
0
生産量(t)
飼養頭数(頭)
16,000
乳用牛の飼養農家数と1戸当たりの飼養頭数
400
200
飼養農家数
360
180
160
280
140
240
120
200
100
160
80
120
60
80
40
40
20
0
0
S35
S36
S37
S38
S39
S40
S41
S42
S43
S44
S45
S46
S47
S48
S49
S50
S51
S52
S53
S54
S55
S56
S57
S58
S59
S60
S61
S62
S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
320
31
1戸当たりの飼養頭数
1戸当たり飼養頭数
飼養農家数(戸)
家畜
飼養
頭数
(5)家畜ふん尿の排出量
家畜の飼養頭数の増加に伴い、排出されるふん尿も増加しています。
上士幌町における平成 17 年度の家畜ふん尿の排出量は、338,216 生重t/年です。
平成 17 年度の家畜飼養頭数とふん尿の排出量
区
(単位;頭、t/年)
乳用牛(頭)
分
搾乳牛
飼養頭数
(頭)
ふん尿排出量
(生重 t/年)
乾乳牛
肉牛(頭)
2 歳未満
育成牛
2 歳以上
乳用種
7,940
1,496
9,232
4,190
698
1,078
24,634
186,670
14,751
82,904
37,166
6,806
9,918
338,216
飼養頭数…ナイタイ高原牧場の預託牛(舎飼頭数)を含む。
ふん尿排出量・・・計算値。家畜飼養頭数×種類別のふん尿排出量
(下表「種類別のふん尿排出量」参照。
)
種類別のふん尿排出量
種
類
合計
乳用牛(ホルスタイン、ジャージー)
搾乳牛
乾乳牛
育成牛
肉
牛
2 歳未満
2 歳以上
乳用種
糞t/年
18.76
7.67
6.53
6.50
7.30
6.57
尿t/年
4.75
2.19
2.45
2.37
2.45
2.63
合計t/年
23.51
9.86
8.98
8.87
9.75
9.20
北海道立農業・畜産試験場:家畜ふん尿処理・利用の手引き 2004 より
32
(6)ふん尿処理施設の整備状況
平成 11 年 11 月 1 日に施行された「家畜排泄物の管理の適正化及び利用の促進に関
する法律」は、5 年間の猶予期間を経て平成 16 年 11 月 1 日に本格的に運用されてい
ます。この法律により、飼養規模が 10 頭(牛)以上の農家が規制の対象となります。
上士幌町の管理基準適用農家は 101 戸となり、それぞれ何らかの処理施設を整備して
います。
家畜排泄物の処理施設整備状況(平成 18 年 3 月調査)
管理基準
適用農家
(戸)
101
堆肥舎
処理施設整備の内訳(戸)
応 急 堆 肥 舎 +
堆肥化
貯留槽
シート 堆肥化施設
施 設
70
10
2
14
堆 肥 舎 +
貯 留 槽
3
2
(7)家畜ふん尿の堆肥化
家畜ふん尿は各種施設で堆肥化されていますが、水分調整のための副資材の費用が
高いことや、切り返しなどの管理作業の労力がかかるなどいくつかの課題があります。
ナイタイ高原牧場では、副資材にオガクズや古紙を活用して水分を調整し堆肥化を
図っています。
堆肥化の方法(ナイタイ高原牧場の事例)
区分
重量(t)
水分(%)
単
価
原
料
水分調整後
発酵終了後
43
1,215
929
15
7
74
66
2,000 円/㎥
24,000 円/t
-
-
スラリー
オガクズ
古紙
1,000
172
※1
87
-
2,294 千円※2
1,032 千円
3,326 千円
3,326 千円+燃料代等
金 額
-
①スラリー(敷料等含む。水分 87%)にオガクズ(水分 15%)80%量と古紙(水分 7%)20%
量を混和して水分を 74%に調整する。
②ロータリー式堆肥化施設で発酵。出来上がりの堆肥水分は約 66%となる。
※1・・・スラリーの水分は条件によって異なるため、オガクズと古紙の混和量を加減して水分を
74%とする。
※2・・・オガクズの比重を 0.15t/㎥で計算。
ナイタイ高原牧場の堆肥成分
含水率
窒素全量
pH
%
%-dry
66.0
8.8
1.20
リン酸全量
%-dry
0.96
33
カリ全量
%-dry
2.30
C/N 比
26.5
(8)農地の地力
上士幌町の農地は、火山性土壌で、
「黒ボク土」と呼ばれる土壌です。黒ボク土はア
ルミニウム等の金属と腐植の複合体が多量に形成されているため黒色を呈し、リン酸
吸収係数が高く、土壌中のリン酸を不可給化する働きがあります。
また、上士幌町の農地土壌は、草地、畑地ともカリウムが過剰傾向にあります。一
般の作物では、カリウムが過剰に存在するとマグネシウム(苦土)の吸収が抑制され
るため、苦土欠乏症(ネクロシス)の原因になります。
畑作物の生産現場では、地力を維持するため、緑肥の作付けや堆肥を投入していま
す。秋播小麦の収穫後に堆肥を投入し緑肥を作付けしているのが一般的です。翌春(後
作)にはビートを作付けしています。
土壌分析結果(平成 4 年~平成 14 年の平均値)
区
分
pH
熱水抽出
窒 素
mg/100g
有効態
リン酸
mg/100g
置換性
カ リ
mg/100g
置換性
苦 土
mg/100g
置換性
石 灰
mg/100g
CEC
me/mg
リン酸
吸収係数
草地
5.48
9.03※1
39.94
25.66
24.59
255.44
27.01
1859
畑地
5.57
4.69
13.24
34.69
33.73
258.57
26.91
1931
草地
5.5
~6.5
―
20~50
9~12
20~30
200~400
―
―
―
10~30
15~30
25~45
200~300
―
―
町平均
基準値
畑地
※1草地の熱水抽出窒素は、北居辺地区の特定草地の分析データ(H16 年帯広開発建設部調査)
緑肥導入と堆肥投入による地力維持(平成 17 年度実績)
休閑緑肥※1
後作緑肥※2
58.2ha
377.2ha
緑肥品種
堆肥投入量
えん麦
3~4t/10a
(サイヤー)
主な前作物
主な後作物
馬鈴薯
秋播小麦
秋播小麦
ビート
※1休閑緑肥・・・春に休閑農地に堆肥を施用後緑肥を作付けし夏に鋤き込む。9 月に小麦を作付け。
※2後作緑肥・・・小麦収穫後、堆肥を施用し緑肥を作付けする。晩秋に緑肥を鋤き込み、翌春にビー
トを作付け。
34
8.林業
(1)森林の現況
上士幌町の森林面積(53,397ha)は総面積(69,587ha)の 77%を占めており、森
林に恵まれた環境にあります。
森林面積の内訳は、国有林が 47,349ha(89%)
、町有林が 2,853ha(5%)、私有林
が 3,195ha(6%)を占めています。
この森林のうち 81.2%が天然林、12.8%が人工林で、樹種割合は、75~80%が針葉
樹、15~20%が広葉樹となっています。
上士幌町の森林現況(平成 17 年度)
所 有 区
人工林
天然林
未立木地等
総数
分
国有林
町有林
私有林
計
面積(ha)
3,271
1,261
2,329
6,861
材積(㎥)
370,483
280,620
554,526
1,205,629
面積(ha)
41,278
1,493
613
43,384
材積(㎥)
8,034,351
173,058
48,255
8,255,664
面積(ha)
2,800
99
254
3,153
面積(ha)
47,349
2,853
3,195
53,397
材積(㎥)
8,404,834
453,678
602,781
9,461,293
178
159
188
177
6.9
44.2
72.9
12.8
3,336,170
174,853
232,319
3,743,342
蓄積(ha 当材積
㎥/ha)
人工林率(%)
※1
炭素貯留量(t‐C)
71
61
72
69
炭素吸収量(t‐C/ha)※2
※1・・・炭素貯留量(t‐C)=材積(㎥)×拡大係数×木材比重×炭素含有率
※2・・・炭素吸収量(t‐C/ha)=蓄積(㎥/ha)×拡大係数×木材比率×炭素含有率
区分
拡大係数
木材比率
炭素含有率
針葉樹
1.7
0.4
0.5
広葉樹
1.9
0.6
<上士幌町の森林の樹種割合>
樹 種
国有林
町有林
私有林
針葉樹
75.2%
80.3%
広葉樹
24.8%
19.7%
国有林のデータは森林管理署東大雪支署、町有林・私有林のデータは上士幌町役場産業課による
上士幌町の森林比率
国有林,
47,348ha,
89%
町有林, 2,853ha,
5%
私有林, 3,195ha,
6%
35
(2)国有林、町有林および私有林の伐採
平成 6 年度の伐採量は国有林が 66,973 ㎥、町有林が 7,424 ㎥で、平成 17 年度の伐
採量は国有林が 0 ㎥、町有林が 4,724 ㎥と国有林及び町有林の伐採量は年々減少傾向
にあります。
販売単価も平成 13 年度まで低迷しましたが、平成 14 年度以降は持ち直し、平成 17
年度の販売単価は町有林が約 4,700 円、私有林が約 4,000 円となっています。
伐採量と販売金額
区
分
国有林
町有林
私有林
区
年
H6年
H7年
H8年
H9年
H10 年
H11 年
66,973
72,319
71,853
166,981
129,710
76,540
販売金額(千円) 403,275
351,404
341,498
824,066
460,094
213,656
7,424
5,578
7,968
6,946
5,979
5,449
23,175
22,464
35,226
29,263
19,727
15,943
2,824
1,881
4,495
4,230
3,916
4,150
25,416
16,222
39,392
34,748
26,755
19,903
H12 年
H13 年
H14 年
H15 年
H16 年
H17 年
伐採量(㎥)
15,061
17,794
8,573
7,386
13,079
23,567
販売金額(千円)
35,214
28,698
15,009
8,710
49,996
32,341
4,089
3,803
3,864
6,603
4,608
4,724
14,795
5,143
7,485
16,734
14,454
22,074
5,753
5,065
5,453
3,142
3,100
4,300
19,187
15,195
16,359
12,568
12,400
17,200
伐採量(㎥)
伐採量(㎥)
販売金額(千円)
伐採量(㎥)
販売金額(千円)
分
国有林
町有林
私有林
度
年
度
伐採量(㎥)
販売金額(千円)
伐採量(㎥)
販売金額(千円)
町有林の伐採量・販売金額には、間伐及び風倒木も含む。
国有林のデータは森林管理署東大雪支署、町有林・私有林のデータは上士幌町役場産業課による
9,000
8,000
8,000
7,000
7,000
6,000
6,000
5,000
5,000
4,000
4,000
3,000
3,000
2,000
2,000
1,000
1,000
私有林伐採量
町有林伐採量
私有林販売単価
町有林販売単価
36
H17年
H16年
H15年
H14年
H13年
H12年
H11年
H10年
H9年
H8年
0
H7年
0
販売単価(円/㎥)
10,000
9,000
H6年
伐採量(㎥)
町有林、私有林の伐採量と販売単価の推移
10,000
(3)国有林、町有林および私有林の造林実績
国有林、町有林、私有林に
造林・植栽面積(ha)
おいて伐採が行われた山林に
年 度
H6年
H7年
H8年
H9年
H10 年
H11 年
は、再造林事業による造林が
国有林
39.00
16.94
17.02
16.09
8.13
3.62
実施されています。
町有林
12.40
16.79
12.15
17.81
8.87
15.18
私有林
26.89
28.66
7.12
12.48
7.10
4.68
合 計
78.26
62.39
36.29
46.38
24.10
23.48
区 分
H12 年
H13 年
H14 年
H15 年
H16 年
H17 年
国有林
19.70
44.25
37.38
7.81
0
0
町有林
6.90
17.76
7.16
4.28
11.34
1.11
私有林
12.47
18.68
9.48
15.62
0.59
13.35
合 計
39.07
63.69
54.02
27.71
11.93
14.46
伐採量の減少に伴って、造
林面積も減少しています。
平成 6 年度以降の町有林の
造林事業は、居辺沢等の河畔
林、各地域の防風林等に造林
し、ナイタイ高原牧場への植
樹も行っています。
特に、居辺防風林は平成7
国有林のデータは森林管理署東大雪支署、町有林・私有林のデータは上士
幌町役場産業課による
年から平成 17 年まで毎年造林事業が実施されています。
町有林の造林・植樹面積の内訳(ha)
年
度
H6年
亀の子山
H7年
H8年
13.73
H9年
H10 年
3.98
2.34
ナイタイ高原牧場
0.60
上音更防風林
1.18
上士幌防風林
0.76
東居辺防風林
6.12
8.40
6.12
居辺沢(東)
居辺沢(西)
H11 年
2.53
4.80
5.52
鷹ノ巣防風林
居辺防風林
合
計
年
度
亀の子山
12.40
H12 年
0.90
ナイタイ高原牧場
1.88
1.23
2.90
8.87
12.24
16.79
12.15
17.81
8.87
15.18
H13 年
H14 年
H15 年
5.44
H16 年
H17
3.36
5.52
0.88
2.60
4.42
0.56
上音更防風林
上士幌防風林
5.12
東居辺防風林
居辺沢(東)
居辺沢(西)
鷹ノ巣防風林
居辺防風林
合
計
2.42
6.00
1.68
1.86
3.72
2.86
1.11
6.90
17.66
7.16
4.28
11.34
1.11
ナイタイ牧場は植樹事業。その他は再造林事業。
(再造林とは、伐採後の造林行為のこと)
37
(4)地区別の森林面積(町有林・私有林)
地区別の森林面積を見ると、
「上士幌地区」が 85.6 ㎢と全体の 1%で、極端に低い
実態です。
森林面積の低い地区は、次いで、
「北居辺地区;2%」
、
「萩ヶ岡地区;4%」
、
「北門
地区;7%」の順となっています。
平成 17 年度)
地区別の森林面積(町有林・私有林の合算
1,702.4
1,365.9
225.7
7.7
50.1
53.0
森林所
有者数
(人)
511
多
631.4
420.4
158.8
12.9
28.6
10.8
226
上 士 幌
85.6
59.9
24.7
0
1.2
0.7
46
北 居 辺
121.5
79.8
40.0
0
1.6
0.2
63
東 居 辺
757.2
600.5
121.5
16.9
16.6
1.7
216
北
門
445.0
313.7
126.3
1.3
0
3.7
91
萩 ヶ 岡
269.4
203.8
20.2
0
25.3
20.0
124
清 水 谷
620.8
313.5
264.3
14.3
9.2
19.4
94
牧場周辺
1,414.0
232.3
1,124.4
0
0
57.4
15
合
6,048.4
3,589.8
2,105.9
53.1
132.6
166.9
1,386
地
区
上 音 更
勢
計
面積(㎢)
合
計
人工林
天然林
天伐採
人伐採
平成 17 年度森林調査簿及び上士幌治山位置図
町有林・私有林の面積の地区別割合
(総面積;6,048.4㎢)
牧場
24%
清水谷
10%
北門
7%
上音更
29%
東居辺
13%
勢多
10%
萩ヶ岡
4%
上士幌
1%
北居辺
2%
38
未立木地
(5)耕地防風林
耕地防風林は、農地の拡大に伴って減少しています。平成 14 年の十勝支庁防風林対
策検討会の報告では、平成 6・7 年度の上士幌町の防風保安林は 58.21%(平成 2 年度
比)に減少しています。防風保安林と耕地防風林との合計でも、76.93%に減少してい
ます。
上士幌町と近隣市町の耕地防風林の増減
区
防
風
保
安
林
耕
地
防
風
林
分
上士幌町
士幌町
音更町
鹿追町
帯広市
芽室町
平成 2 年度調査(m)
78,979
133,974
111,426
59,176
87,170
47,126
平成 6・7 年度調査(m)
79,979
134,321
114,283
59,128
87,022
47,003
増減率(%)
101.29
100.26
102.56
99.92
99.83
99.74
102,790
175,750
215,569
289,810
403,303
430,390
59,830
134,110
214,620
301,150
286,855
361,370
58.21
76.31
99.56
103.91
71.13
83.96
平成 2 年度調査(m)
181,769
309,724
326,995
348,986
490,473
477,516
平成 6・7 年度調査(m)
139,827
268,431
328,903
360,278
373,877
408,373
76.93
86.67
100.58
103.24
76.23
85.52
平成 2 年度調査(m)
平成 6・7 年度調査(m)
増減率(%)
合
計
増減率(%)
防風保安林・・・町が所有、管理する防風林。保安林は北海道が指定する。
耕地防風林・・・個人が所有、管理する防風林。防風帯(屋敷林)とは異なる。
十勝支庁防風林対策検討会(平成 14 年 11 月)資料より
39
9.観光業
本町は、大雪山国立公園を背景にした山岳や森林を有しているほか、糠平温泉など
の温泉地やナイタイ高原牧場をはじめとした素晴らしい農村景観などの観光資源があ
ります。また、豊かな自然を生かしたネイチャーウォッチングや糠平湖での釣魚、カ
ヌー、スキー場、ゴルフ場など体験型の観光資源も豊富にあります。さらに、北海道
遺産に選定されているコンクリートアーチ橋梁群は観光スポットとして注目を集めて
います。
このような中、平成 15 年度で約 20 万人の旅行者が本町に訪れています。
ひがし大雪博物館への入館者
温泉旅館等への宿泊者
25,000
80,000
70,000
70,291
68,317
68,517
64,099
21,815
64,736
64,520
60,000
21,105
20,000
61,967
59,306
16,216
46,420
50,000
(人)
44,977
14,258
15,000
40,000
(人)
11,246
10,677
10,000
30,000
9,234
9,232
7,111
20,000
6,712
5,000
10,000
0
0
H7年 H8年
H9年 H10年 H11年 H12年 H13年 H14年 H15年 H16年
H7年 H8年
H9年 H10年 H11年 H12年 H13年 H14年 H15年 H16年
鉄道資料館への入館者
糠平キャンプ場利用者
3,500
6,000
3,232
5,000
4,632
(人)
3,000
3,157
3,000
4,834
2,551
2,500
3,833
4,000
3,157
2,522
2,127
2,706
2,809
2,934
2,965
2,000
2,750
2,869
2,772
2,005
1,872
(人)
1,500
2,000
1,351
1,004
1,000
1,000
500
0
0
H7年
H8年
H7年 H8年
H9年 H10年 H11年 H12年 H13年 H14年 H15年 H16年
糠平湖入釣者
糠平スキー場利用者
200,000
5,000
4,453
H9年 H10年 H11年 H12年 H13年 H14年 H15年 H16年
172,480
4,387
168,109
4,172
4,000
167,000
150,000
3,165
3,000
3,231
3,054
115,000
108,000 110,000
2,585
2,565
(人)
(人)
95,000
100,000
85,000
2,000
1,259
50,000
1,000
0
0
H7年
H8年
H9年 H10年 H11年 H12年 H13年 H14年 H15年 H16年
H7年 H8年
ナイタイ牧場レストハウス利用者
100,000
100,000
82,600
76,995
75,682
80,000
80,000
72,103
61,977
60,000
(人)
55,870
H9年 H10年 H11年 H12年 H13年 H14年 H15年 H16年
バルーンフェスティバル入込み客数
57,169
59,986
60,000
79,200 80,900
72,800
61,700 60,000
(人)
42,580
40,000
40,000
20,000
20,000
0
31,000 31,000
20,300
0
H7年
H8年
H9年 H10年 H11年 H12年 H13年 H14年 H15年 H16年
H7年 H8年 H9年 H10年 H11年 H12年 H13年 H14年 H15年 H16年 H17年
40
第3節 景観と資源
1.大雪山国立公園
大雪山国立公園は北海道の中央部に位置し、陸域では日本国最大の国立公園です。
北海道の最高峰「旭岳」を主峰とする大雪山連峰を中心として面積は約23万 ha
あり、現在も活動を続ける火山を含んだ山岳を中心とした原始性豊かな国立公園です。
本町の行政区域にはニペソツ山、ウペペサンケ山、石狩連峰や然別湖をいだく然別
火山群などを含んだ地域を有しています。
これらの山岳は、標高 2,000m前後ですが高緯度のため本州の 3,000m級の山岳に匹
敵する高山環境を持っています。また、この地域にはエゾマツやトドマツなどの原始
性豊かな植生が広がり、エゾナキウサギ、アサヒヒョウモンなどの地域特有の生物、
クマゲラ、シマフクロウなどの希少な鳥類、ヒグマ、エゾシカなどの大型哺乳類など
の生息地となっています。
大雪山国立公園の概要
特別地域
(ha)
所在地
特別保護地区
士幌町
第1種
普通地域
第2種
第3種
面積計
(ha)
0
65
0
231
601
897
1,191
6,034
6,222
29,104
8,923
51,475
鹿追町
0
993
3,597
7,144
4,566
16,300
新得町
10
4,285
4,067
23,292
15,672
57,768
十勝管内計
1,0456
11,377
13,833
59,771
29,762
126,440
他市町村管内
25,160
18,189
8,388
35,077
13,510
100,324
36,807
29,566
22,271
94,848
43,272
226,764
上士幌町
計
昭和 9 年 12 月 4 日指定。自然公園法(昭和 32 年.法律第 161 号)
◎「特別保護地域」
…自然公園の中で最も中心となる景観地であり、現状維持を原則とする地域
◎「第1種特別地域」…特別保護地区に準ずる地域で、現在の景観を極力維持する必要のある地域
◎「第2種特別地域」…良好な自然状態を保持している地域で、農林漁業との調和を図りながら自然景観の保護に努める
ことが必要な地域
◎「第3種特別地域」…特別地域の中では風致を維持する必要が比較的低い地域であり通常の農林漁業活動については風
致の維持に影響を及ぼすおそれが少ない地域
◎「普通地域」
…国立公園又は国定公園の区域のうち特別地域及び海中公園地区に含まれない区域
上士幌町の鳥獣保護区と北海道自然環境等保全条例に基づく保護地域
名
称
大雪山
所 在 地
富良野市、上川町、東川町、美
面積(ha)
種
類
根 拠 等
35,534
(国設)鳥獣保護区
瑛町、新得町、上富良野町、南
富良野町、上士幌町
ナイタイ
上士幌町(ナイタイ川源流域)
329
糠平
上士幌町
449
糠平湖
上士幌町
810
然別湖
上士幌町、鹿追町
清水谷
上士幌町
鳥獣保護及狩猟に関する法律
(大正 7 年.法律第 32 号)
(道設)鳥獣保護区
1,803
1.3
41
道条例に基づく保護地域
北海道自然環境等保全条例
(昭和 48 年.道条例第 64 号)
2.天然記念物、文化財等
本町には、天然記念物、文化財、史跡などがいくつか指定されています。
オショロコマは、河川に生息するサケ科イワナ属の魚です。特に然別湖に天然陸封
されたオショロコマは、
「ミヤベイワナ」として他のオショロコマと別系統群に分類さ
れ、遺伝的に貴重な魚類です。
三股永久凍土は昭和 47 年 10 月に存在が確認されました。この永久凍土は標高 850
mにあり、生成年代は 4,500 年前頃と推定されます。低標高地の永久凍土として貴重
です。
丸山噴泉塔は、昭和 55 年 8 月に確認されました。石灰華堆積物は、最大で基底か
ら 1.55m に達しています。現在も活発に活動中です。
旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群は北海道遺産にも選定されています。国鉄
士幌路線は、昭和 14 年に帯広駅―十勝三股駅間の 78.3km が開通しました。上士幌駅
―十勝三股駅の 39.9km 間は起伏山地を鉄路が走り、ここにコンクリートアーチ橋梁
群が建設されました。昭和 63 年 3 月に廃線となった以降、第 1 級の鉄道遺産として
登録有形文化財に5基が指定されています。特にタウシュベツ川橋梁は、糠平湖の水
位によりその姿が見え隠れする「幻の橋」として知られています。
「音更山道」碑は、大正 7 年、元小屋からメトセップ橋までの車馬道改修工事の竣
工を記念して十勝監獄が建立したものです。音更川上流域開拓の歴史を伝える資料と
して貴重です。
嶋木遺跡は、国道工事の際に発見され、旧石器時代の遺物が出土し注目を集めまし
た。道内最古の遺跡の一つとして貴重です。
上士幌町の天然記念物、文化財等
名
称
然別湖オショロコマ生息地
所
在
地
鹿追町、上士幌町の十勝
西部森林管理署管内
指 定 年 月 日
昭和 43 年 12 月 18 日
種
類
天然記念物・北海道指定
三股永久凍土
上士幌町字三股番外地
昭和 61 年 8 月 1 日
丸山噴泉塔群
上士幌町字幌加
昭和 60 年 8 月 1 日
旧国鉄士幌線勇川橋梁
上士幌町字黒石平 48、49
平成 11 年 8 月 23 日
旧国鉄士幌線第三音更川橋梁
上士幌町字黒石平 51、52
平成 11 年 8 月 23 日
旧国鉄士幌線第五音更川橋梁
上士幌町字幌加 2-8、3-1
平成 11 年 8 月 23 日
旧国鉄士幌線第十三の沢橋梁
上士幌町字幌加 4-4
平成 11 年 8 月 23 日
旧国鉄士幌線第六音更川橋梁
上士幌町字幌加 3-2、4-1
平成 15 年 1 月 31 日
旧国鉄士幌線音更トンネル
上士幌町字幌加 2-6
平成 15 年 1 月 31 日
「音更山道」碑
上士幌町字黒石平 75
平成 9 年 6 月 13 日
文化財・市町村指定
嶋木遺跡
上士幌町東 4 線 240 番地
昭和 60 年 8 月 1 日
史跡・市町村指定
天然記念物・市町村指定
文化財・国指定
指定の根拠;文化財保護法(昭和 25 年.法律第 214 号)に基づく。
◎文化財…同法第 57 条 ◎天然記念物、史跡…同法第 69 条
42
<丸山噴泉塔>
<アーチ橋梁群>
タウシュベツ川橋梁
第5音更川橋梁
第3音更川橋梁
13の沢橋梁
43
3.上士幌町の保存樹木
本町には保存樹木指定要綱第 2 条に基づき町保存樹木が指定されています。
「ヤチダモ」は、分村が決まった時に、分村にかかわった有志 7 人が音更川から採取
して植えたものであると言われており、
『歴史的価値があるもの』と評価され、平成 7
年に指定しました。
「カシワ」は、約 300 年の樹齢であり、『学術的価値があるもの』として、平成 7 年
および平成 8 年に指定しました。
上士幌町の保存樹木
指定
番号
種名
樹齢
胸高直径
(cm)
所在地
所有者
指定年月日
1
ヤチダモ 1 本
約 70 年
80
上士幌町字上士幌東 3 線 237 番地 46
上士幌町
H7.10.30
2
カシワ 3 本
約 300 年
80~100
上士幌町字上音更東 1 線 274 番地-1
上士幌町
H7.10.30
4
カシワ 1 本
約 300 年
100
上士幌町字上士幌東 1 線 248 番地
熊谷信義
H8.9.27
44
4.公園、緑地
町内には、現在16ヶ所の公園が設置されています。しかし、それぞれの公園とも
設置後から相当な期間が経過していることや町民ニーズの多様化やライフスタイルの
変化などから、公園づくりに関する要望や改善、その他様々な意見が寄せられるよう
になりました。これに応えて策定されたのが『公園マスタープラン』です。
『公園マスタープラン』は、
「協働による公園づくり」を基本方針としています。こ
れは、公園の現状を再認識した上で公園の利活用及び整備、管理、並びに運営方法な
どを、
「自ら考え、自ら行動する」ことによって、町民が集い、憩いの場として利用で
きる「やすらぎと潤いのある公園」づくりを目指す必要があるとの考えからです。
公園、児童遊園地、緑地帯
区分及び名称
公
園
児
位置
面積
(㎡)
駐
中央公園
5区
14,205
○
たか台公園
10の2区
37,000
○
交通公園
12区
10,310
航空公園
字上士幌基線242他
糠平中央公園
糠平
3,911
糠平文化ホール公園
糠平
4,902
○
熱気球ふるさと公園
7区
5,735
○
六差路児童遊園地
10区
579
西地区児童遊園地
12区
1,630
305,017
○
遊
○
○
○
937
○
1,301
○
遊
16区児童遊園地
16区
1,392
○
園
北団地児童遊園地
7区
地
ふれあい団地児童遊園地
14区
等
898
○
○
○
501
○
○
9区
3,150
9区園地
9区
381
10区緑地
10区
1,070
11区ポケットパーク
11区
1,798
みどり団地緑地
2区
4,429
みなみ野団地緑地
1区
2,176
○
○
○
○
○
○
○
○
6,211
11の2区
○
○
○
<主な施設>駐;駐車場、遊;遊具、休;休憩施設、炊;炊事施設、ゴ;パークゴルフ場、
キャ;キャンプ場、ト;トイレ、水;給水施設(◎は親水施設(噴水))
45
水
◎
○
3の2区
帯
○
○
○
○
11の2区
地
○
○
3の2区児童遊園地
西団地区遊園地
ト
○
西団地児童遊園地
9区遊園地
主な施設
炊 ゴ キャ
○
童
緑
休
○
ふれあい団地児童遊園地
中央公園
糠平中央公園
西団地区遊園地
<公園位置図>
46
交通公園
北団地児童遊園地
5.アダプトプログラムによる取組み
アダプトプログラムは、住民参加型の環境管理方法の一つで、住民や企業等が自治
体と合意の上で道路や河川などの一定区間の公共スペースに「里親」となり美化活動
を行い、自治体がそれを支援する制度です。
平成 17 年度には、15 団体がアダプトプログラムに参加しており、空き缶・ゴミの
収集、樹木・花壇の維持管理、草刈り、除草、排雪など幅広い活動をしています。
アダプトプログラム参加団体数の推移
年度
参加団体数
活動人員
平成 14年度
6
295
平成15年度
11
769
平成16年度
13
921
平成17年度
15
1,019
アダプトサイン
<アダプト活動風景>
47
第4節 地球環境
1.気候変動
(1)世界の動向
2004 年(平成 16 年)の世界の年平均地上温度の平年差は+0.27℃で、1891 年以降
では 4 番目に高い値です。世界の平均地上気温は、長期的には 100 年当たり 0.65℃の
割合で上昇しており、特に 1980 年(昭和 55 年)以降、高温となる年が頻発していま
す。
世界の年平均地上気温の経年変化
0.8
平年差
5年移動平均
0.6
気温平年差(℃)
0.4
0.2
0
-0.2
-0.4
-0.6
-0.8
1890
1900
1910
1920
1930
1940
1950
1960
1970
1980
1990
2000
2010
西暦(年)
データ;気象庁
年平均地上気温・・・陸上で観測された気温と海面水温
平年差・・・平年値との差
(2)日本の動向
2004 年(平成 16 年)の日本の年平均地上温度の平年差は+0.99℃で、1891 年以降
では 1990 年に次いで 2 番目に高い値となっています。日本の平均地上気温は、長期
的には 100 年あたり 1.06℃の割合で上昇しており、特に 1990 年代はじめ以降、高温
となる年が頻発しています。気候変動政府間パネル(IPCC)では、このまま温暖化が
進めば 2100 年には地球の平均温度が現在より 1.4~5.8℃上昇すると予測しています。
日本の年平均地上気温の経年変化
1.5
平年差
5年移動平均
気温平年差(℃)
1
0.5
0
-0.5
-1
-1.5
1890
1900
1910
1920
1930
1940
1950
1960
1970
西暦(年)
データ;気象庁
年平均地上気温・・・陸上で観測された気温と海面水温
平年差・・・平年値との差
48
1980
1990
2000
2010
2.大気中の二酸化炭素濃度
18 世紀から 19 世紀にかけて起こった産業革命以降、人類は石炭や石油などを大量
に消費するようになり、大気中の二酸化炭素濃度は、200 年前と比べて 30%増加して
います。2004 年の日本の大気中の二酸化炭素濃度は 380ppm ですが、100 年後には現
在の 2 倍になると言われています。
下図は、ハワイと日本における二酸化炭素濃度の年平均値を示しています。
ハワイ島のマウナロア山では、1959 年で 316ppm に対して 2002 年では 373ppm で
す。また、岩手県の綾里における二酸化炭素濃度の年平均値は、1987 年で 351ppm に
対して 2004 年では 380ppm です。
日本とハワイの大気中の二酸化炭素濃度
390
ハワイ島(マウナロア山)
二酸化炭素濃度(ppm)
380
日本(岩手県綾里)
370
360
350
340
330
320
310
1955
1960
1965
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
西暦(年)
び
濃
1976 年 6 月以前は、CDIAC
のデータを使用。1976酸
年 7 月以降は、WDCGG
のデータを使用。
CDIAC ;二酸化炭素情報分析センター(Carbon Dioxide Information Analysis Center)
WDCGG ;温室効果ガス世界資料センター(World Data Centre for Greenhouse Gases)
49
3.温室効果ガスの排出量
(1)温室効果ガスの種類と大気中濃度
温室効果ガスの種類と地球温暖化指数
二酸化炭素
メタン
一酸化二窒素
パーフルオロカーボン類
ハイドロフルオロカーボン類
六フッ化硫黄
1
21
310
6,500 など
1,300 など
23,900
Global Warnming Potential)
】・・・
【地球温暖化指数(GWP
単位重量の二酸化炭素の放出による温室効果を1とした場合の各気体を単位重量放出したときの温室効果の比
温室効果ガスの大気中濃度(環境省資料「2003 年度の温室効果ガス排出量」)
温室効果ガス
二酸化炭素
メタン
一酸化二窒素
クロロフルオロカーボン
ハイドロフルオロカーボン
四フッ化炭素
の種類
CO2
CH4
N2O
CFC-11
HFC-23
CF4
産業革命以前
280ppm
700ppb
270ppb
-
-
40ppt
1998 年
365ppm
1,745ppb
314ppb
268ppb
14ppt
80ppt
5~200 年
12 年
114 年
45 年
260 年
5 万年以上
大気中での寿命
産業革命・・・動力機械の発明と応用により手工業的形態から機械制大工場へ発展させた。18~19 世紀にかけてイギリスをはじ
め、西ヨーロッパで起こる。
ppm;百万分率(parts per million)ppb;十億分率(parts per billion)ppt;一兆分率(parts per trillion)
(2)世界の動向
世界の二酸化炭素の排出量は、石油エネルギーの消費の増大に伴い急増しました。
世界の二酸化炭素排出量の経年変化
8000
二酸化炭素排出量
(炭素換算 百万t)
6000
5000
4000
ガスフレアリング
セメント製造
天然ガス
石油
石炭
一人当たりのCO2排出量
1.2
1.1
1.0
0.9
3000
0.8
2000
0.7
1000
0.6
0
1901
一人当たりの二酸化炭素排出量
(炭素換算 t/人)
7000
1.3
0.5
1911
1921
1931
1941
1951
1961
1971
1981
1991
2001
西暦(年)
データ;CDIAC(Carbon Dioxide Information Analysis Center 二酸化炭素情報分析センター)
50
(3)日本の動向
日本における温室効果ガスの排出量も増加傾向にあります。
2005 年 2 月 16 日に「京都議定書」が発効となり、日本は温室効果ガスの排出量を
基準年(1990 年)の 6%削減しなければなりません。ただし、2003 年の排出量が 1990
年の排出量を 1 億 2 百万t上回るため、実際の削減率は 13.2%となります。
日本における温室効果ガスの排出量(CO2換算)
1,400
1,352
1,350
1,358
1,330
1,307
1,301
1,300
排出量(百万t)
1,339
1,336
1,328
1,327
パーフルオロカーボ
ン類
ハイドロフルオロカー
ボン類
一酸化二窒素
1,263
1,250
1,237
1,21 3
1,187
1,200
1,196
六フッ化硫黄
1,203
メタン
1,150
二酸化炭素
1,100
1,050
1,000
基準年
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
西暦(年)
環境省資料「2003 年度の温室効果ガス排出量」より
基準年は 1990 年。
『京都議定書』発効に伴う日本のCO2削減量
CO2排出量
削減率
CO2削減量
年
度
(百万t)
(%)
(百万t)
1,237.0
6.0
74.22
基準年(1990 年)
2003 年
1,339.1
13.2
176.32
(4)地球温暖化による影響
温暖化により、以下の影響が懸念されています。
●「穀物生産の減少による食糧危機の深刻化」
●「異常気象による災害の多発」
●「感染症による死亡率の増加」
●「海水面上昇による湾岸域の水没」
●「南方生物の北上など生態系の攪乱」
51
2000
2001
2002
2003
4.オゾン層
オゾン層の破壊はフロン等が大気中へ排出されることで起こります。オゾン層が破
壊されることにより、有害紫外線の地表面への到達量が増大し、皮膚がんや白内障な
どの人体への影響や植物生態系へ悪影響を及ぼすといわれています。
オゾンの多くは成層圏に存在しており、一般的に、オゾン全量は低緯度域より高緯
度域の方が多く、また夏に少なく冬に多くなる季節変化を示します。
近年のオゾン層破壊により、赤道域を除いた全世界でオゾンは減少しており、その
減少率は高緯度ほど大きくなっています。
日本国内においては、札幌上空のオゾンが著しく減少しています。
日本上空におけるオゾン全量の分布
(札幌、筑波、那覇、南極昭和基地;年平均値<1971~2004>)
理科年表 環境編 第 2 版より
400
札幌
360
筑波
340
鹿児島
320
那覇
300
南極昭和基
280
260
オゾンホールの最大面積の推移
3500
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
1979
1984
データ;理科年表
1989
1994
西暦(年)
環境編 第 2 版
52
1999
2004
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
1987
1986
1985
1984
1983
1982
オゾン全量;地上から大気圏上限までのオゾンを積算した値
面積(万㎢)
1981
240
71-80平均
オゾン全量(m atm-cm)
380
5.二酸化窒素と一酸化窒素
二酸化窒素及び一酸化窒素などの窒素酸化物は化石燃料等の燃焼に伴い発生する大
気汚染物質です。呼吸器に影響を及ぼすほか、酸性雨や光オキシダントの原因物質に
なります。
環境基準では、一時間値の一日平均値が 0.04~0.06ppm 以下と設定されています。
上士幌町の二酸化窒素濃度は環境基準の 0.04~0.06ppm を下回っています。
測定定点(北門小学校)は、国道 241 号と東 15 線との交点です。
二酸化窒素及び一酸化窒素の濃度の年平均値(一般環境大気測定局)
0.04
二酸化窒素
一酸化窒素
濃度(ppm)
0.03
0.02
0.01
0.00
1970
1977
1982
1987
1992
1997
2002
西暦(年)
二酸化窒素及び一酸化窒素の濃度の年平均値(自動車排出ガス測定局)
0.08
二酸化窒素
一酸化窒素
0.04
0.02
0.00
1970
1977
1982
1987
西暦(年)
1992
1997
2002
上士幌町(北門小学校)における二酸化窒素濃度の推移
0.04
二酸化窒素濃度(ppm)
濃度(ppm)
0.06
0.03
0.03
0.02
0.02
0.01
0.01
0.00
9/25
11/14
2000
5/31
9/4
2001
11/9
10/24 10/20
2002
2003
6/2
9/27
2004
2/22
5/12
9/22
2/20
2005
※ユニメーター(筑波総合科学研究所)
・ザルツマン試薬による実測値
53
6.酸性雨
酸性雨は、自然界の水循環の中で、大気汚染物質である硫黄酸化物や窒素酸化物な
どが酸として降水に取り込まれる現象のことです。酸性雨は酸性沈着物とも呼ばれ、
その沈着の仕方によって「湿性沈着(降水や霧などの沈着)
」と「乾性沈着(ガスなど
水分を介さないもの)
」とがあります。酸性雨はpH(ペーハー)5.6 以下を目安とさ
れており、これは、自然界において大気中の二酸化炭素が水に十分溶け出した場合の
ペーハーが 5.6 だからです。
北米やヨーロッパでは、この酸性雨により森林が枯れるなどの大きな被害が起こっ
ています。日本においては、酸に対する緩衝能力に優れた土壌が多いことから被害が
少ないといわれており、特に十勝平野の火山灰土壌は酸に対して強い緩衝能力を有し
ています。
世界(カナダ、ドイツ、スウェーデン)における降水pH
5.4
日本(札幌、川崎、大阪)における降水pH
5.4
カ ナダ
札幌
5.2
5.2
川崎
ドイ ツ
大阪
5.0
5.0
スウェ ーデン
4.8
(pH)
(pH)
4.8
4.6
4.6
4.4
4.4
4.2
4.2
4.0
4.0
1984
1987
1990
1993
1996
1999
2002
1984
1987
1990
1993
西暦(年)
1996
1999
西暦(年)
上士幌町における降水pH(調査定点;上士幌町役場庁舎北側)
7.5
7.0
(pH)
6.5
6.0
5.5
5.0
4.5
’93’94’95’96’97’98’99
’00
’02’03
’04
酸性雨とは…
中性
アルカリ性
pH
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
酸性雨
54
10
11
12
13
14
3/2
3/29
1/11
12/19
9/14
11/29
8/22
8/3
8/19
7/28
’05
※Twin pH メーター(HORIBA)による実測値
酸性
6/28
5/23
4/21
3/18
2/20
1/20
12/16
9/22
11/15
8/20
7/20
6/21
6/10
5/13
10/20
11/6
’01
10/25
9/11
7/25
11/21
7/3
8/11
6/28
4.0
2002
7.食料
世界の人口は 1950 年代以降急激に増加し、2003 年(平成 15 年)には 63 億人を越
えました。
2003 年の日本の総人口は 1.28 億人ですが、2050 年には 1 億人程に減少すると推計
されています。一方、世界の人口は、中国やインドなどのアジア地域において人口増
加が予想され、2050 年には約 90 億人に達すると予想されています。
穀物生産量は、人口の増加に伴い、また、産業革命・農業革命を経て急増しました。
しかしながら、1990 年以降の穀物生産量は微増はするものの、伸び悩んでいる実態に
あります。これは、生産技術が確立され、単位面積当たりの生産量が最大に達しつつ
あること、全世界における耕地面積に限りがあることなどが原因として考えられます。
人口の推移
10,000
900
800
7,000
700
6,301
6,000
600
5,222
5,000
500
3,823
4,000
400
3,000
300
2,000
128
穀物生産量(百万t)
8,000
2,500
日本の人口(百万人)
9,000
世界の人口(百万人)
世界の穀物生産量の推移
1,000
8,919
世界
アジア
日本
200
101
1,000
2,000
1,500
1,000
100
0
0
1950 1960 1970 1980 1990 1996 1998 2000 2002
500
2010 2020 2030 2040 2050
1960
西暦(年)
1975
1980
1985
1990
1995
FAO 生産統計データ
主要先進国の食料自給率(カロリーベース)と穀物自給率
名
1970
西暦(年)
総務省統計局データ
2005 年以降は推計値
国
1965
平成 14 年
オーストラリア
フランス
アメリカ
ドイツ
イギリス
スイス
日本
食料自給率(%)
230
130
119
91
74
54
40
穀物自給率(%)
198
186
119
111
109
59
28
農林水産省「我が国の食料自給率とその向上に向けて」(平成 18 年 3 月)
国内主要都道府県の食料自給率の推移(カロリーベース
%)
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
全国
40
40
40
40
40
40
40
北海道
192
178
176
183
190
192
201
秋田
163
163
157
158
158
167
141
佐賀
93
87
98
96
100
94
83
東京
1
1
1
1
1
1
1
神奈川
3
3
3
3
3
3
3
年
度
2
2
2
2
2
2
大阪
農林水産省「我が国の食料自給率とその向上に向けて」(平成 18 年 3 月)
平成 15 年度の十勝の食料自給率は 809%(カロリーベース)。
55
2
2000
2005
第5節 環境意識
上士幌町と環境住民会議とは共同で、環境に対する意識を把握するために、平成
17年に町民、小中学生、高校生、団体、事業所及び旅行者を対象にアンケートを
実施しています。
<アンケート対象者>
2,232
230
回収率
(%)
10.3
小学生
77
76
98.7
上士幌町内7小学校の 5、6年生
中学生
117
108
92.3
上士幌中学校全生徒
高校生
95
91
95.8
上士幌高等学校全生徒
団体
21
9
42.9
上士幌町内任意団体
事業者
46
22
47.8
旅行者
300
250
83.3
従業員5名以上の事業所から抽出
上士幌町内のレストラン、旅館等に
協力依頼。
第 32 回バルーンフェスティバルに
おいても聞取り調査を実施。
対象者
町民
配布数
回収数
抽出方法
全戸
1.環境問題に対する興味・関心
環境問題に対する興味・関心の有無
(1)興味・関心の有無
関心がある
小学生、中学生および高校生におい
町民
関心がない
93%
7%
て環境問題への関心が低い傾向にあり
小学生
ました。
ただし、町民・団体・旅行者には潜在
中学生
的に「関心ない」方がいると考えられ
高校生
ます。
75%
52%
48%
66%
34%
団体
100%
旅行者
97%
0%
(2)関心のある環境問題
25%
20%
40%
3%
60%
80%
環境問題に関心のあると回答した方に、どんな環境問題に関心があるか尋ねたと
ころ、
『ごみ問題』、
『不法投棄』
、
『野生動植物』、
『水質汚染』
、
『自然破壊』、
『地球温
暖化』などが上位を占めました。
<関心のある環境問題>
区
分
町
民
ごみ問題
45.1%
地球温暖化
31.2%
不法投棄
30.7%
小学生
不法投棄
49.1%
野生動植物
38.6%
水質汚濁
33.3%
中学生
不法投棄
37.5%
野生動植物
33.9%
自然破壊
26.8%
高校生
地球温暖化
50.0%
ごみ問題
38.3%
野生動植物
31.7%
団
自然破壊
55.6%
ごみ問題
44.4%
地球温暖化
33.3%
地球温暖化
39.5%
ごみ問題
38.3%
自然破壊
31.7%
体
旅行者
1位
2位
56
3位
100%
環境問題に関心のない理由( 全体)
(3)関心のない理由
環境問題に関心のない方にその理由を
無回答
2%
その他
3%
尋ねたところ、
『上士幌町は十分自然に恵
直接自分の生活
とは関係ないか
ら
2%
まれているから』と回答した町民が6割を
占めました。
とくに理由はな
い、わからない
35%
上士幌町は十分
自然に恵まれて
いるから
58%
2.上士幌町の環境について
(1)身のまわりの環境(自然環境)の変化について
昔の自然環境に感じること(現在と比較)
身のまわりの自然環境の今と昔を
わからない
今よ りも悪い
今と同じ
今よ りも自然豊か
無回答
比べてどう変わったかを尋ねたところ、
『昔は今よりも自然豊かだった』と回答
45.2%
町民
46.1%
した方が町民で 46.1%、団体で 55.6%
を占めました。
17.6%
62.6%
高校生
高校生においても 17.6%が昔の方が
自然が豊かだったと感じており、環境
団体 11.1%
の変化を感じていると考えられます。
0%
55.6%
20%
40%
60%
80%
100%
(2)後世に残したいもの
『きれいな水や澄んだ空気』、
上士幌町において後世に残したいものを尋ねたところ、
『山、川、湖などの豊かな自然やそこに生息する動植物』、『畑やナイタイ高原牧場
などの酪農風景の広がる農村景観』、『熱気球のイメージに統一された街並み景観』、
『糠平温泉、幌加温泉などの温泉』などが上位を占めました。
旅行者においては、
『ひがし大雪山の山々や糠平湖を背景とする自然景観』を1位
に選んでいます。少数意見では、
『新鮮な農作物』も選ばれています。
後世に残したいもの(上位 3 位)複数回答
区
分
町民
小学生
中学生
高校生
団体
事業所
旅行者※1
1位
きれいな水や澄んだ空気
山、川、湖などの豊かな 自
然やそこに生息する動植物
きれいな水や澄んだ空気
山、川、湖などの豊かな自
然やそこに生息する動植物
山、川、湖などの豊かな自
然やそこに生息する動植物
きれいな水や澄んだ空気
ひがし大雪山の山々や糠平
湖を背景とする自然景観
2位
69.6%
82.9%
76.9%
畑やナイタイ高原牧 場など の酪
農風景の広がる農村景観
熱気球のイメージに統一さ
れた街並み景観
糠平温泉、幌加温 泉、亀の
子温泉などの温泉街
3位
65.7%
80.3%
65.7%
67.0%
きれいな水や澄んだ空気
64.8%
66.7%
きれいな水や澄んだ空気
66.7%
77.3%
66.8%
山、川、湖などの豊かな自
然やそこに生息する動植物
山、川、湖などの豊かな自
然やそこに生息する動植物
※1旅行者への問いは、「上士幌町の好きなところ、場所」
。
57
63.6%
55.2%
山、川、湖などの豊かな自然
やそこに生息する動植物
畑やナイタイ高原牧場などの酪農
風景の広がる農村景観
山、川、湖などの豊かな自然
やそこに生息する動植物
畑やナイタイ高原牧場などの酪農
風景の広がる農村景観
畑やナイタイ高原牧場などの酪農
風景の広がる農村景観
畑やナイタイ高原牧場などの酪農
風景の広がる農村景観
きれいな水や澄んだ空気
64.3%
77.6%
64.8%
57.1%
44.4%
59.1%
50.0%
(3)旅行者が選んだ上士幌町の好きな場所
旅行者が選んだ上士幌町の好きな場所
旅行者に限り、上士幌町の好き
な場所を記述してもらったところ、
1位
三国峠、三股の樹海
31.9%
右表の場所が上位を占めました。
2位
ナイタイ高原牧場
23.1%
糠平~三股周辺の景勝地が中心
3位
コンクリートアーチ橋梁群
14.8%
ですが、ナイタイ高原牧場や航空
4位
ニペソツ山、ウペペサンケ山
5.5%
公園キャンプ場など、市街地近郊
5位
糠平湖
3.3%
航空公園キャンプ場
3.3%
〃
にも好印象を持っているようです。
少数意見では、
『豊かな自然、星空が綺麗』との回答も数件ありました。
(4)緊急に取り組むこと
上士幌町の自然と環境を守るために緊急に取り組むことは何かを尋ねたところ、
『ごみの不法投棄対策』、『資源リサイクルの推進とごみの減量化』、『植樹・育林活
動』、『河川・湖沼の水質汚濁対策』、『野生動植物の保護や生態系の保全』が上位を
占めました。町民、旅行者とも、ごみ問題、水質汚濁、自然生態系に対する意識が
高い傾向がみられます。
また、旅行者のアンケートで、以下のような意見がありました。
●長期の旅行者にとってごみの持ち帰りは困難なので対策を検討してほしい
●各自治体でごみの持ち帰りを励行しているが、旅行者への指導を徹底してほ
しい
●ポイ捨て対策として、旅行者に一定の負担を求めるべきだし、目的のある負
担なら理解できる
上士幌町の自然と環境を守るために緊急に取り組むこと(上位 3 位)複数回答
区
分
1位
2位
資源リサイク ルの推進
3位
町民
ごみの不法投棄対策
76.5%
小学生
ごみの不法投棄対策
86.8%
植樹・育林活動
85.5%
75.9%
ごみの不法投棄対策
68.5%
植樹・育林活動
66.7%
68.1%
植樹・育林活動
57.1%
55.6%
ごみの不法投棄対策
55.6%
中学生
高校生
団体
旅行者
河川・湖沼の水質汚
濁対策
ごみの不法投棄対策
野生動植物の保護や
生態系の保全
ごみの不法投棄対策
79.1%
66.7%
65.6%
とごみの減量化
資源リサイクルの推 進
とごみの減量化
植樹・育林活動
野生動植物の保護や生
態系の保全
58
59.1%
50.8%
植樹・育林活動
河川・湖沼の水質汚濁
対策
資源リサイクルの推進
とごみの減量化
46.9%
78.9%
40.0%
3.環境保全の取組みについて
環境に配慮した取組みの状況
(1)取組みの状況
環境に配慮した取組みの状
況について尋ねたところ、90
すでに取り組んでいる
機会があれば取り組みたい
取り組みたいとは思わない
無回答
町民
%以上の回答者がすでに何ら
かの取組みをしているか、機
50%
小学生
会があれば取り組みたいと考
えていることがわかりました。
ただ、中学生及び高校生の
47%
57%
8%
高校生
2%
53%
15%
中学生
それぞれ 20%程度が『取り組
48%
24%
67%
23%
56%
団体
4%
2%
44%
みたいとは思わない』と回答し
0%
ています。
20%
40%
60%
80%
100%
(2)取組みの内容
環境に配慮した取組みをしている人にその内容を尋ねたところ、ごみの分別、リ
サイクル、ごみの持ち帰り、節電、節水、清掃活動・花壇づくりなどはすでに取り
組まれている傾向にありました。コンポストなどを活用した堆肥づくり、家庭菜園
なども比較的多くの町民が取り組んでいます。
一方、機会があれば取り組みたい内容には、森林保護活動や環境に配慮した商品
の購入を挙げる町民が多く、節電、節水や清掃活動・花壇づくりにも高い意欲を示
す傾向がみられました。
取り組みの内容(町民,小中学生,高校生,団体の合計)
すでに取り組んでいる
機会があれば取り組みたい
(32)
(199)
(11)
200
-200
100
-100
エコドライブ
3
0
(人)
59
環境に配慮した商品の購入
55
2
1
清掃活動・花壇づくり
118
3
(84)
ごみの持ち帰り
105
4
(80)
生ごみの堆肥化・家庭菜園
89
5
(127)
ごみの分別・リサイクル
68
6
(248)
節水
80
7
(101)
節電
120
8
(272)
森林保護活動
132
9
(203)
300
-300
139
1 0
その他
100
200
300
(3)取り組みの障害
取り組みの障害となることを尋ねたところ、
『情報が少ない』
、
『成果や効果が見え
ない』、『お金がかかる』が上位を占めました。取り組むきっかけとなる情報やその
取組みの成果などの情報を求めている傾向がみられました。
また、高齢者においては、『年齢と体力の衰え』が障害となることから、『できる
ところから始めたい』という意見がありました。
取組みの障害になるもの
情報が少ない
お金がかかる
家族の理解
問題はない
町民
25.5%
8.9%
26.8%
中学生
24.7%
8.9%
28.8%
高校生
27.1%
団体
28.6%
0%
成果・効果が見えない
その他
20%
40%
21.4%
14.3%
60%
1.4%
6.0% 0.8%
27.1%
14.3%
21.4%
9.6%
26.7%
30.8%
8.3%
11.8% 7.4%
19.5%
80%
100%
(4)取り組まない理由
環境に配慮した取り組みについて、取り組みたいとは思わないと回答した方にそ
の理由を尋ねたところ、
『上士幌町の環境は恵まれており必要がないから』、
『暇がな
い、忙しいから』、
『環境問題に興味がないから』というのが主な理由でした。
また、34%が『とくに理由はない、わからない』と回答しています。
取り組みたいと思わない理由(全体)
直接自分の生活と
は関係ないから
2%
環境問題に興味
がないから
15%
上士幌の自然と環
境は恵まれてお
り、必要がないか
ら
28%
その他
4%
とくに理由はない・
わからない
34%
暇がないから、忙
しいから
17%
60
4.事業所における環境への配慮
(1)環境への配慮
事業所においては、環境について配慮しているかことを尋ねたところ、
『廃棄物の
適正処理』、『ごみの減量化』、
『河川・湖沼の水質』が上位を占めました。
事業所では、法令等を遵守するほか、法令が無くとも環境に配慮しています。
環境に配慮している事項
1位
2位
3位
廃棄物の適正処理
ごみの減量化
河川・湖沼の水質
(2)環境保全の今後の対応
環境保全に対する今後の対応を尋ねたところ、55%が『法令等を遵守していく』、
18%が『法令による規制
環境保全の今後の 対応
はないが配慮していく』
と回答しました。
『ISO 認証の取得を検討
法令等で規制されて
いるため、その法令
等を遵守していく
55%
している(取得した)
』も
27%います。
法令等も遵守し、IS
O認証の取得も検討
している(取得した)
27%
法令等で規制されて
いないが、環境への
影響を軽減するよう、
配慮していく
18%
(3)環境保全の重要課題
今後、事業活動を行う上で重要となる課題を尋ねたところ、『ごみの減量化』『廃
棄物の適正処理』、『大気汚染対策』、『水質汚濁対策』、『エネルギー対策』が上位を
占めました。
環境保全の今後の重要課題
1位
2位
3位
4位
5位
ごみの減量化
廃棄物の適正処理
大気汚染対策
水質汚濁対策
エネルギー対策
61
(4)行政・事業者・町民の役割
行政、事業者、町民それぞれが担う役割について事業者のみに尋ねました。
行政の役割として、
『天然記念物、文化財、史跡などの保全』、
『広域的取り組みや
国際協力の推進』、
『水資源の保全』が上位を占めました。
事業者の役割として、
『家畜ふん尿の適正処理』、
『ごみの適正処理』
、
『騒音、振動,
悪臭の発生抑制』が上位を占めました。
町民の役割については、
『清掃活動・花壇づくり』、
『節電・節水』、
『ごみのポイ捨
て対策』が上位を占めました。
また、三者が協働で取り組む役割は、
『ごみの減量化とリサイクル』、
『ゴミの不法
投棄対策』、『周辺環境との調和を図るなどの景観対策』が上位を占めました。
緊急に取り組む必要があると思うこと(複数回答)
主
体
行政
事業者
町民
三者の協働
※1
1位
天然記念物、文化財、
史跡などの保全
家畜ふん尿の適正処
理
清掃活動・花壇づく
りによる環境美化
2位
環 境保 全 へ の 広 域的
63.6%
な 取り 組 み や 国 際協
54.5%
力の推進
59.1%
45.5%
ごみの分別・リサイ
クルによる廃棄物の
3位
63.6%
減量化と再利用
有害ごみの適正処理
節電・節水などによる
省エネルギー対策
ご みの 不 法 投 棄 や ポ
イ捨て対策
45.5%
27.3%
50.0%
河川・湖沼・地下水
などの水資源の保全
騒音、振動、悪臭の
発生抑制
ごみの不法投棄やポ
イ捨て対策
周辺環境との調和を
図るなどの景観対策
54.5%
45.5%
22.7%
50.0%
※1「三者の協働」において、2 位,3 位同率に『アイドリングストップや低公害車の導入。50.0%』
『自然観察
会や環境学習会の企画・参加。50.0%』
。
62
第3章
第1節
課
題
編
課題提案の背景
1.
『かみしほろの自然と環境を考える会』の発足
『かみしほろの自然と環境を考える会』(以下「環境住民会議」という。)は、平成
17 年 5 月 25 日、上士幌町環境基本条例 第 29 条(平成 17 年 4 月 1 日施行)に基づ
いて発足しました。環境住民会議は、一般町民からの公募委員および各種団体からの
推薦委員 18 名で構成され、帯広畜産大学
倉持勝久助教授をコーディネーターとしま
した。(資料編「環境住民会議委員名簿」参照。)
環境住民会議の目的(上士幌町環境基本条例
第 29 条)
(環境住民会議)
第 29 条 次に掲げる事項について、事業者及び町民等が主体的に協議する場として、環境住民会議を設置
することとする。
(1)環境基本計画に関すること
(2)環境の保全及び創造に関する施策を町と事業者及び町民等とが協働により推進するための方策
(3)環境の保全及び創造に関する事業者及び町民等の活動を効果的に推進するための方策
(4)前 3 号に掲げるもののほか、環境の保全及び創造に関する事項
2.活動の経過
環境住民会議は、検討会議を6回開催し、上士幌町の環境について議論してきまし
た。また、町民・事業所・団体・旅行者を対象としたアンケート調査を行い町民等の
意識を把握するとともに、「小学生・中学生環境学習会」や「環境シンポジウム」を
開催し、環境に対する意識の高揚を図ってきました。(資料編「計画策定の経過」参
照。
)
3.提案書の提出
提案書は、平成 17 年 12 月 10 日に開催された
「環境シンポジウム」で町長に手渡されました。
この提案書は、環境住民会議での議論及び町民
や旅行者を対象としたアンケート結果を織り交ぜ
て『提案書~かみしほろの自然と環境を守るため
に~』(以下「提案書」という。
)としてまとめら
れました。
平成 17 年 12 月 10 日
提案書の提出
4.提案書の位置付け
提案書は、上士幌町の自然と環境に関する現状と課題を町民の目線で議論し整理さ
れたものです。
町は、提案内容を最も身近な現状と課題としてとらえ、
『上士幌町環境基本計画』に
反映しています。
わたしたちは、この提案書に示された環境住民会議の意志を引き継いで、今後積極
的な議論を継続していく必要があります。
63
第2節
提案書の概要
1.かみしほろの自然と環境を守るための提案
環境住民会議は、ワークショップ形式で行われ、参加した検討委員が自由に意見を出
し合いました。この内容に環境アンケートの結果を織り交ぜてまとめられたものが本提
案書です。
本提案は、上士幌町の自然と環境を守るための『7つの大きな提案』、『19の基本的
提案』および『55の具体的提案』で構成されています。詳細は資料編をご参照くださ
い。
7つの大きな提案
19の基本的提案
美しい景観を創造し、まちへの愛着
1.まちを花や樹木で飾る
を醸成する
3.冬でも安心して歩けるまちにする
2.安全で安心な憩いの場の創造
4.ポイ捨てのないまちづくりを目指す
ごみの徹底した減量を目指した
スロータウンを創る
二酸化炭素の排出量を抑え、地球
自然の保護と破壊の回復を図り、
生物の多様性を保持する
6.リユース(廃棄物を再使用する)
7.リサイクル(廃棄物を再生利用する)
8.総合的なエネルギー政策を推進し、二酸化炭素
排出量を削減する
9.石油資源を大切に使う意識を醸成する
10.在来の動植物を保護する
11.森林の持つ多彩な機能を認識し、その保全に努
める
12.糠平~三股を環境保全のシンボルにする
耕畜連携を推進し、安全で安心な
農畜産物を提供する
水環境などを守り、安全で安心な
生活を保証する
環境学習・教育を充実し、有益な
情報を発信する
13.上士幌町に適した農業現場の多様性を追及する
14.家畜ふん尿の対策を講じ、環境保全型農業を推
進する
15.河畔林等を保護し、十勝の水源と河川環境を守
る
16.飲料水の安全性を確保する
17.上士幌町における環境問題の実態を把握しよう
18.未来を担う子どもたちに「環境保全型社会」の
学習機会を充実させる
19.地域住民等への情報発信
64
具体的提案(55項目)
環境全体の保全に貢献する
5.リデュース(廃棄物を減らす)
2.町民、事業者、行政のあり方
環境住民会議は、環境保全の取組みを実践していく際に必要とされる姿勢についても
提案しています。
モラルの醸成を図ることを目的として、
『町民の心構え』、
『事業者の心構え』
、
『旅行者
への配慮』、『行政の役割』が示されています。
日常生活において、環境に配慮した取組みをできることから
町民の心構え
実践する
●様々な取組みを工夫しトライする
●情報の提供と共有
事業実施にあたって、環境に配慮し、事業に伴う環境への
事業者の心構え
負荷の提言を図る
●法令等を遵守する
●情報の提供と共有
旅行者に対してホスピタリティをもって接する
旅行者への配慮
●旅行者の意識を把握し、適切な措置を講じる
(負担も配慮)
●上士幌町の環境について情報を提供する
環境保全の施策を推進し、町民や事業者の取り組みに対し
行政の役割
て支援する
●推進組織などの育成と適正な支援
●地域住民等との意見交換の場を設定する
●情報の提供と共有
65
第4章
第1節
目
標 編
環境基本計画の基本目標と施策目標
第4期上士幌町総合計画では、まちづくりの基本目標の一つに「豊かな自然と恵まれ
た環境を守り育てる」ことを掲げています。
『上士幌町環境基本計画』
は、第 4 期上士幌町総合計画を踏まえて策定されています。
第4期総合計画 基本目標(まちづくりテーマ)
人 が 輝 き
町 が 輝 く
環境基本計画の基本目標
北 の 元 気 ま ち
環境基本計画の施策目標
<自然環境>
1.多様な動植物を保護する
人と自然の共生を目指します
2.河川や地下水などの水環境を保全する
豊 か な 自 然 と 環 境 を 生 か し た 北 の 元 気 ま ち
3.森林の多彩な機能を保全する
4.土壌を保全する
<生活環境>
1.ごみを減らし、ごみを資源として利用する
循環型社会の構築を図ります
2.耕畜連携で安全で安心な作物をつくる
<居住環境・景観>
美しい景観と安全安心な環境
を確保します
1.美しい景観をつくる
2.安全・安心な生活を確保する
<地球環境>
1.地球温暖化防止に貢献する
地球環境の保全に貢献します
2.オゾン層破壊と酸性雨を防止に貢献する
3.広域的な取組みを推進する
(環境学習・教育と情報発信)
参加と協働の仕組みをつくり
ます
1.地域に適した環境保全の手法を検討する
2.食育をとおして人と自然との共生を学ぶ
3.参加意識を醸成し情報を発信する
66
第2節 地区別目標
1.市街地区
□地区目標
美しい街並みをつくります
□行動目標
●清掃活動に取り組み、ポイ捨て防止を呼びかけます
●生ゴミ、枯れ葉、花壇・菜園の残渣物の循環的利用を図ります
●市街地の取組みを農村地区や糠平~三股地区へ広げます
2.農村地区
□地区目標
家畜ふん尿の堆肥化を進め有効活用を図ります
□行動目標
●良質堆肥の調整と活用を推進します
●安全で安心な農作物を提供します
●市街地区や糠平~三股地区などと連携して良質堆肥の消費を拡大します
3.糠平~三股地区
□地区目標
森林の多彩な機能を再生し保全します
□行動目標
●植樹・保育活動を推進します
●森林環境教育や健康づくり等による森林の利用を促進します
●糠平~三股地区の取組みを市街地区や農村地区へ広げます
67
第5章
第1節
指
針 編
自然環境
□基本目標
人と自然の共生を目指します
わたしたちには、生物の多様性を保全し、保護と利用のバランスを図りながら自然と共存
することが求められています。また、上士幌町は十勝川水系音更川の水源を有し、十勝の各
流域とその水環境を守るために重要な役割を担っていると考えられます。これらの役割を果
たすため、自然環境に十分に配慮した取組みに努め、かみしほろの豊かな自然を将来に引き
継いでいきます。
□施策目標
1.多様な動植物を保護する
【方 針】
上士幌町は、高山、森林、河川、湖沼、農耕地といった地形を有し、植物では79
0種もの高等植物が確認され、動物では、哺乳類、鳥類、両生・爬虫類、魚類といっ
た豊富な動植物が生息しています。
また、北海道レッドデータブックおよび北海道外来種リストによると、本町には、
50種の「絶滅の恐れのある種」が存在し、83種の「外来種」が生息しています。
多様な動植物を保護するとともに、その生育環境を保全するため、外来種を持ち込
まないよう努めていきます。
【重点施策】
(1)希少な生物種や地域固有の生物種を保護する
●保護意識の醸成に努めます。
●過度の捕獲・採取に対して規制や意識啓発に努めます。
(2)大雪山国立公園や鳥獣保護区等における動植物の生息環境を保全する
●国や北海道と連携し監視体制の整備に協力します。
●密猟や高山植物の盗掘に対する取締りに協力します。
●博物館機能の充実を図ります。
(3)移入種(外来種)等による生態系への攪乱を回避する
●移入種(外来種)の侵入を予防し、地域へ定着しないよう努めます。
●生態系を攪乱するような化学物質等を環境へ漏洩しないよう適性に管理します。
68
2.河川や地下水などの水環境を保全する
【方 針】
上士幌町の三国山(標高 1,541m)周辺は、日本海・オホーツク海・太平洋を分か
つ「分水嶺」と呼ばれ、平成 17 年 10 月、この十勝・上川・網走3支庁の境界点が「北
海道大分水点」と命名されました。上士幌を南北に縦断する音更川は、数多くの支流
を集めながら、94.5km の流路を経て十勝川へ注いでいます。また、居辺川やサック
シュオルベツ川は利別川や士幌川を経て十勝川へ注いでいます。
本町の基幹産業は農業であり、また、総合下水道
普及率が 73.7%(H18.3 月)であることから、家
<北海道大分水点>
平成 17 年 10 月 5 日、留辺蘂町、上川町、
上士幌町の 3 町は、三国山周辺の稜線が
畜ふん尿や生活排水等が河川に流出する可能性も否
常呂川、石狩川、十勝川の本・支流の最
定できません。
上流部が分岐する地点であるとして、三
わたしたちは、十勝川水系音更川の流域民として
国山西側の無名峰に環境保全のシンボル
(標識「北海道大分水点」
)を設置した。
の役割を自覚するととともに、この流域の保全と健
全な水環境をつくるため、河川等の水質に配慮します。
【重点施策】
(1)人の生活基盤としての河川を保全する
●生活用水・農業用水・湧水・地下水などの水環境の健全化に努めます。
●洪水等による災害発生の防止に努めます。
●親水性に富んだ水辺環境の創出に努めます。
(2)動植物の生息・生育空間としての河川を保全する
●それぞれの河川に適した生物多様性の維持に努めます。
●適性な水質(化学性)、水量(物理性)の確保に努めます。
(3)流域全体の生態系を保全するため広域的な取組みを推進する
●十勝固有の文化・風土を育む十勝川水系の河川を守り育てる意識を醸成します。
69
3.森林の多彩な機能を保全する
【方 針】
上士幌町は、町の北部に大雪山国立公園を有し、森林面積は総面積(69,587ha)の
76%を占めています。
三股盆地の森林には、明治から昭和にかけて伐採された跡(土場跡)があり、この
土場跡は現在でも回復していないのが実態です。
森林には、保水機能、浄化機能、土砂の流出・飛散抑制、河川氾濫抑制、動植物の
生息域の提供など多くの役割があります。
そういった森林の多彩な機能を再認識するとともに、森林の再生や保護による総合
的な保全に努めます。
【重点施策】
(1)森林の多彩な機能を再生し保全する
●水源かん養機能や国土保全機能の低下した森林に対して造林・保育等の適切な育
成を図ります。
●多様な動植物の生息域の連続性を確保します。
●建築材・パルプ材などの木材をはじめ山菜などの森林資源の供給機能を維持しま
す。
●森林景観や森林浴等による保健休養機能を充実させます。
(2)多様な形態の森林を保全する
●原生的森林の再生と保護を図ります。
●耕地防風林や屋敷林の適正な維持管理に努めます。
●雑木林・学校林・河畔林などの身近な森林を保護します。
●民有林・町有林の適切な管理を推進します。
(3)森林資源の適切な活用を図る
●地域材の利用拡大を図り林業生産活動の活性化を促進します。
●間伐材の用途拡大を目指します。
●森林資源を維持するため病害虫の防除や野生鳥獣の被害対策を講じます。
●森林資源を守るため林野火災の予防対策を推進します。
70
4.土壌を保全する
【方 針】
上士幌町の土壌は主に火山性土壌で、黒ボク土と呼ばれる土壌が広く分布していま
す。土壌は生態系の構成要素のひとつで、自然生態系では森林土壌として、農業生態
系では農耕地土壌として、都市生態系では宅地土壌として利用されています。
森林土壌においては、人的・自然的要因によるに山岳森林の荒廃対策、未立木地の
増加による土砂流出の回避、森林地域への不法投棄による土壌疲弊の回避などを講じ
ることにより保全に努めます。
農耕地土壌においては、農薬や化学肥料の適正使用、家畜ふん尿(堆肥)の投入、
緑肥の導入、輪作の徹底、交換耕作の推進などにより保全に努めます。
宅地土壌においては、街路樹・花壇・菜園の持続可能な管理、公園・緑地等の適正
管理などにより保全に努めます。
【重点施策】
(1)土壌の循環的・持続的利用を図る
●人的・自然的要因による山岳地域の荒廃対策を講じます。
●森林土壌を保全するため未立木地の適正な植栽に努めます。
●農薬や化学肥料の適正な使用に努めます。
●家畜ふん尿の利用・緑肥の導入・輪作の徹底などによる土づくりを推進します。
●街路樹・花壇・菜園などから発生する残渣物の循環的利用を推進します。
●公園・緑地等を協働の理念に基づき適正に維持管理します。
(2)未利用地の土壌を保全する
●市街地における未利用地の有効活用を図ります。
●農村地域における耕作放棄地は流動化の促進を図ります。
71
第2節
生活環境
□基本目標
循環型社会の構築を図ります
わたしたちは、水、エネルギー資源、食糧生産、日常品の製造などあらゆる資源を自然
界に依存しています。一方で、これまで「快適さ」や「利便性」を追及するあまり多くの
廃棄物を自然界に排出してきました。今後、持続的な生活をしていくために、「3R の実践」
や「環境保全型農業の推進」など循環型社会の構築を進めます。
□施策目標
1.ごみを減らし、ごみを資源として再利用する
【方 針】
上士幌町のごみの処理量は、資源ごみの回収によって年々減少傾向にあります。今
後、平成 17 年 10 月に導入された「ごみ処理有料化」によってごみ排出量の減量化が
図られるものと期待されます。
また、農業現場から発生する廃プラスチックも大きな問題のひとつであり、使用す
る農業資材の選定も検討課題の一つです。
さらに、本町へは多くの観光客が訪れることから、旅行者に対して本町の取り組み
の理解と協力を求めていく必要があります。
ごみを資源として捉え、3R《リデュース(減らす)、リユース(再使用)、リサイ
クル(再生利用)
》を実践することにより、ゼロエミッション(廃棄物ゼロ)を目指し
た循環型社会の実現に努めます。
【重点施策】
(1)ごみの減量化を進める
●計画的な購入や大切に使う意識を醸成し、ごみ排出量の減量化に努めます。
●過剰包装を抑制し、簡易包装を促進します。
●ごみ処理有料化・分別収集の徹底によりごみ処理量の減量化を促進します。
(2)ごみの分別収集を進める
●「容器包装リサイクル法」
「家電リサイクル法」等に基づき分別収集を推進します。
●一般家庭ごみ、事業系一般ごみの許可業者による効率的な収集体制の充実を図り
ます。
●情勢の変化により分別の細分化や処理方法の変化などが生じた場合は早急に対応
します。
72
(3)ごみのリサイクルを進める
●資源集団回収奨励金制度などにより資源回収を促進します。
●生ごみの堆肥化を促進します。
●役場や公共施設において再生品の使用を進めます。
●フリーマーケットなど不要品を交換できるシステムを検討します。
(4)廃棄物の適正処理を促進する
●一般廃棄物の適正な処理に努め、町で処理できない有害ごみを適正に処理します。
●国や北海道と連携して産業廃棄物の適正な処理を促進します。
●農業用廃プラスチックの適正処理やリサイクルを促進します。
●ポイ捨て等の不法投棄に対する指導と意識啓発を行います。
73
2.耕畜連携で安全で安心な作物をつくる
【方 針】
上士幌町の気象は、北海道特有の寒冷地であるのに加えて内陸性気候を有していま
す。また、上士幌町に広く分布する火山性土壌(黒ボク土)は、リン酸吸収係数が高
いものの、一般的に腐植が高く作物の生育上良好な土壌だといわれています。上士幌
町はこれらの特色を生かして、減農薬・減化学肥料栽培が可能な地域です。
一方、畜産経営農家では飼養頭数の増加に伴い、家畜ふん尿の発生量も増加してい
ます。この家畜ふん尿処理は、大きな課題になっており、良質の堆肥づくりやその有
効活用が求められています。
上士幌町は、畜産経営農家と畑作経営農家がほぼ同じ割合で共存しており、耕畜連
携による循環型農業(環境保全型農業)が期待できる地域です。
減農薬・減化学肥料栽培を推進や良質堆肥を有効活用することにより、安全で安心
な農畜産物を提供します。
【重点施策】
(1)農業生産の基盤を整備する
●地域の環境に配慮した明・暗渠、耕地防風林の整備を行います。
●交換分合などによる分散農地の集団化を進めます。
(2)家畜ふん尿の有効利用を図る
●家畜ふん尿の堆肥化を研究・促進します。
●麦稈などの農作物残渣と堆肥の交換による循環的利用を促進します。
(3)環境保全型農業を推進する
●クリーン農業の啓発と推進体制を整備します。
●減農薬・減化学肥料栽培の実践と普及を図ります。
●環境に配慮した農業資材の活用を促進します。
74
第3節
居住環境・景観
□基本目標
美しい景観と安全安心な環境を確保します
良好で快適な環境の創造とは、町民が相互に安全・安心を共有し、美しい景観を享受し、愛着
を持てるまちをつくることです。そのために、花壇づくりや植樹などを支援し、公園・緑地など
の憩いの場を創出します。また、飲用水の安全性を確保するとともに防犯対策として街路灯など
の適切な運用を進めます。
□施策目標
1.美しい景観をつくる
【方 針】
良好で快適な環境を創造することは、わたしたちの生活が健康かつ安全で文化的な
ものとするために大切なことです。
わたしたちは、従来のスピード社会を尊重しながら、まちをくつろぎの空間とする
ため、潤いとやすらぎに満ちたゆとりのある居住環境をつくる必要があります。
本町では、町内会や少年会などの任意団体やアダプトプログラム参加団体などによ
りまちの清掃や街路樹・花壇の整備が行われています。しかしながら、こういった環
境美化の取り組みは町全体のものになっていないのが現状です。
まちに愛着が持てるよう、参加と協働で「公園づくり」「清掃活動の推進」「街路樹
や花壇の整備」などに取り組み、美しい景観をつくります。
【重点施策】
(1)美しいまちをつくる
●景観に対する意識の高揚を図り美化活動を推進します。
●『公園マスタープラン』に基づいた公園づくりを推進します。
●街路樹の植栽や花壇づくりを促進します。
●建築物、標識、街路灯のデザインの統一を図り個性溢れる街並み整備に努めます。
●老朽廃屋などの撤去指導に努めます。
(2)地域に適した居住環境を整備する
●市街中心部へのアクセス道路の整備を推進します。
●町民憩いの場としての「町民の森」づくりを検討します。
●大雪山国立公園の温泉地にふさわしい「森の温泉街づくり」を推進します。
(3)上士幌らしい農村環境を保全する
●農村地域の基盤整備により自然と調和した農村景観の保全・形成に努めます。
●放置廃屋、廃車、廃農機具庫等の整備・撤去を呼びかけます。
●『上士幌町農村環境計画』に基づいた環境保全対策を講じます。
75
2.安全・安心な生活を確保する
【方 針】
街路灯は交通の安全性だけではなく、防犯機能も有しています。一方で本町は『星
空がきれいなまち』との評価もあることから、街路灯等を効率的かつ適正に運用して
いきます。また、冬期における交通の安全性確保も求められています。さらに、大気
汚染、騒音、振動、悪臭などに対する配慮も必要です。
本町の水道施設は、定期的な水質検査を実施し、飲料水としての適正な管理を行っ
ています。また、下水道においては下水道管理センターや合併浄化槽などで適正な処
理を行っています。
今後も上下水道の適正な管理・運用により、水資源の安全性を確保していきます。
【重点施策】
(1)居住空間の安全性を確保する
●防犯機能を重視した街路灯を適切に設置・運用します。
●町道の速やかな除排雪に努め、住宅地周辺の除排雪の相互扶助を醸成します。
●大気汚染の原因となる物質の排出抑制に努めます。
●騒音、振動、悪臭などの対策を図ります。
(2)水資源の安全性を確保する
●水道施設の適切な維持管理に努めます。
●水道水の水質の安全性を図ります。
●下水道・合併浄化槽の普及率の向上に努めます。
●下水汚泥の利用を促進します。
●し尿の適正処理に努めます。
76
第4節
地球環境
□基本目標
地球環境の保全に貢献します
地球温暖化・オゾン層破壊・海洋汚染・酸性雨の拡大・熱帯雨林の減少・砂漠化・生物多様
性の減少など、地球規模の環境問題が深刻化しています。地球環境に配慮した行動は、地球規
模で考え、地域から取り組むことが大切です。わたしたちの生活が地球環境に大きく関ってい
ることを認識し、他地域と連携・協力を図りながら、地球環境の保全に取り組みます。
□施策目標
1.地球温暖化防止に貢献する
【方 針】
地球温暖化は、大気圏に溜まっている二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスによ
り、地球の地表面で暖められた空気が宇宙空間に逃げにくくなることによって起こり
ます。わたしたちは、地球温暖化防止に貢献するため、生活様式を見直す必要があり
ます。
化石資源等の残存量(理科年表 環境編 第 2 版)
石油や石炭などの化石資源は、無限な資源
ではありません(右表参照)。また、作物生産
に必要なリン酸肥料は「リン鉱石」から作られ
ており、この「リン鉱石」はあと 50~100 年
種 類
石 油
天然ガス
石 炭
ウラン
残存年数
40 年
60 年
200 年
60 年
残存量
1 兆 477 億バレル
156 兆㎥
9,845 億 t
393 万t
で枯渇するといわれています。
わたしたちは、利便性を追求したスピード社会の構築により、自然環境に影響を与えて
きました。今後、限りある資源を大切に使う意識を醸成し、他地域と協力して、資源の循
環的活用や未利用資源の有効活用を工夫していきます。
【重点施策】
(1)限りある資源を大切に使う
●省エネルギーを推進し、環境にやさしい生活様式の普及・啓発を行います。
●太陽光・太陽熱・風・雪氷などの自然エネルギーの活用について検討します。
●家畜ふん尿等を利用したバイオマスエネルギーの活用について検討します。
(2)未利用資源を活用する
●広大な土地や自然環境、地元資源を地場産業に活かします。
●未利用泉源(温泉)の多目的利用の調査研究を行います。
(3)温室効果ガスの排出量を削減する
●二酸化炭素の貯蔵・吸収源としての森林を維持・整備します
●役場や公共施設において温室効果ガス排出量の削減に向けたエコオフィスプラン
の率先行動を進めます。
●温室効果ガス排出量削減に対する町民意識の醸成を図ります。
77
2.オゾン層破壊と酸性雨の防止に貢献する
【方 針】
大気中に排出されたフロン等の気体が成層圏に達すると、紫外線によって分解されて連
鎖的にオゾン層を破壊します。一般的にオゾンの減少率は、高緯度ほど大きいといわれて
おり、日本国内においては、札幌上空のオゾンが著しく減少しています。オゾン層の破壊
により、有害紫外線の地表面への到達量が増大し、皮膚がんや白内障などの人体への影響
やその他の動植物へも悪影響がもたらされます。
酸性雨は、石炭や石油を燃焼した時に発生する窒素酸化物(NOX)や硫黄酸化物(SOX)
などが酸として降水に取り込まれる現象です。酸性雨によって森林が枯れたり、河川・湖
沼の酸性化、有害物質の溶出など様々な影響を及ぼします。
わたしたちは、オゾン層破壊や酸性雨を防止するため、他地域と連携して原因物質の排
出抑制に努めます。
【重点施策】
(1)原因物質の排出の抑制
●オゾン層破壊物質や酸性雨の原因物質の排出の抑制に努めます。
(2)環境調査を推進する
●定期的に河川の水質、雨水、大気の調査を行い状況を把握します。
3.広域的な取組みを推進する
【方 針】
地球環境に配慮した取組みは、地球規模で考え、地域から取り組むことが大切です。
国、北海道ならびに他地域との連携を深め、地球環境の保全に努めていきます。
【重点施策】
(1)広域的に情報を交換する
●国・北海道・他地域と連携します。
●環境保全のモラルのかん養と法令等の遵守に努めます。
78
第5節
環境学習・教育と情報発信
□基本目標
参加と協働の仕組みをつくります
環境保全に対する具体的行動を実践するには、上士幌町に適したルールづくりとモ
ラルを養っていく必要があります。
本町の歴史を再確認し、環境問題の実態を把握できるよう学習機会を充実していき
ます。また、町全体で参加できる仕組みづくりを検討し、環境保全の取組みに対して
支援していきます。
□施策目標
1.地域に適した環境保全の手法を検討する
【方 針】
上士幌町において環境保全の取り組みを実践するためには、地球規模で問題となってい
る事象を把握するとともに、地域の歴史を学び、地域の課題を見極めることが大切です。
環境問題を捉える意識は年齢や立場などによって個人差があります。
環境に関する情報を町全体で共有するため、学習の機会を充実し、本町における環境問
題の実態と課題を探っていきます。
本町は、大雪山国立公園やナイタイ高原牧場などの地域資源が豊富であり、それらの財
産を子供たちに引き継いでいくため、上士幌町に適した環境保全の手法を検討していきま
す。
【重点施策】
(1)歴史を学び環境問題の実態を探る
●本町の開拓の歴史や発展の歴史を学ぶ場を整備し、先人の偉功を将来の世代に伝
えます。
●三股永久凍土、丸山噴泉塔などの天然記念物や旧国鉄士幌線アーチ橋梁群などの
北海道遺産、並びに埋蔵文化財等の適正な保護に努め、歴史を学ぶ教材として活
用します。
●小・中学校における自然環境教育を推進します。
●環境に関する情報の共有化を図ります。
(2)上士幌町に適した環境保全の手法を検討する
●環境保全の手法を考える場を設けます。
●町全体で取り組めるよう意識のかん養を図ります。
79
2.食育をとおして人と自然との共生を学ぶ
【方 針】
「身土不二」とは、水、空気、土壌などの環境とそこに住む人とは密接な関係があって、
健康を保つためには、住んでいる土地で採れた旬の食材を摂取することが必要だとする仏
教用語です。
今、体内環境を改善するため「食育」という概念が注目されています。また、体内環境
の悪化は、自然環境の変化が深く関わっているとも言われています。
「食育」をとおして自然との共生のあり方の学習を深めます。
【重点施策】
(1)「身土不二」を学ぶ
●食と農を学び、地域の食材を大切にします。
●身体の健康と水・大気との因果関係を学び、自然環境の保全行動につなげます。
(2)地産地消を推進する
●食育と地域の農畜産物の地産地消を推進します。
80
3.参加意識を醸成し情報を発信する
【方 針】
成果や効果をあげるためには、町民一人ひとりができることから始めて、一人ひとりの
行動、地域相互の行動、全国的な行動、世界的な行動と取り組みの範囲を広げていくこと
が必要です。
また、環境保全の取り組みの第 1 歩は、様々な環境問題を自分自身の問題として捉える
ことです。わたしたちの身体に影響を及ぼす『環境リスク』はわたしたち自身の生活や活
動に起因するものだということを認識し、対策を講じなければなりません。
町全体が共通認識に立って、参加と協働で環境保全の取り組みを実践していきます。
【重点施策】
(1)生活様式(ライフスタイル)を見直す
●事業活動や日常生活において環境リスクを回避する取り組みを進めます。
●日常生活において環境保全の取り組みをできることから始めます。
(2)協働により交流の場を確保する
●環境に関して自由に意見交換のできるコミュニティの創造に努めます。
●公園・自然遊歩道・登山道等の整備、管理に努め自然体験の場を確保します。
●エコミュージアムを展望した糠平・十勝三股の集団施設地区の整備を積極的に推
進します。
(3)情報の収集と情報発信
●国や北海道などの環境に関する情報を収集し発信します。
●地域や町民の取組みについての情報を収集し発信します。
●環境に関する総合的な情報を収集し発信します。
(4)環境保全活動への支援
●町民の環境保全活動を支援し、自主的・積極的な参加を促進します。
81
第6章
第1節
地 区 別指 針 編
市街地区
□地区目標
美しい街並みをつくります
【方針】
良好で快適な環境を確保するため、清掃活動や花づくりなどの取組みを通じて未利用
資源の循環的利用を学びます。
また、旅行者等に対して環境美化の理解と協力を求めます。
□行動目標
1.美化活動に取組み、ポイ捨て防止を呼びかけます
【重点施策】
(1)美化活動を推進する
●清掃活動や花づくりなど、身の回りの環境美化に努めます。
●町内会や商店街などの団体等が行う清掃活動に積極的に参加します。
●行政の行う美化活動に積極的に協力します。
(2)ポイ捨て防止の意識を醸成する
●ごみの分け方、出し方のルールを守ります。
●旅行者等に対してポイ捨て防止を呼びかけます。
2.生ごみ、枯れ葉、花壇・菜園の残渣物の循環的利用を図ります
【重点施策】
(1)街路樹の植栽や花壇づくりを推進する
●花づくりや菜園づくりに取組みます。
●街路樹の植栽や花壇づくりに協力します。
(2)生ごみや枯れ葉などの処理を研究する
●コンポストなどを活用した堆肥、腐葉土づくりを研究します。
●堆肥、腐葉土を花壇、菜園、街路樹などに活用します。
3.市街地の取組みを農村地区や糠平~三股地区へ広げます
【重点施策】
(1)農村地区や糠平~三股地区と連携した環境美化の取組みを進める
●情報交流を図り、町全体で環境美化の取組みを進めます。
●旅行者などに対して環境美化の意識を啓発します。
82
第2節
農村地区
□地区目標
家畜ふん尿の堆肥化を進め有効活用を図ります
【方 針】
家畜ふん尿の有効活用を図るため、良質な堆肥をつくり、農村地区だけではなく町全
体や他地域における消費拡大を促進します。
また、減化学肥料・減農薬栽培の実践で、より安全で安心な農作物を提供します。
□行動目標
1.良質な堆肥づくりを推進します
【重点施策】
(1)良質の堆肥をつくる
●ふん尿の適正な水分調整と適切な管理により、良質の堆肥をつくります。
●液状スラリーのバイオマス利用を検討します。
(2)低コスト、低労力の堆肥化技術を検討する
●副資材などの低コスト化を図ります。
●堆肥化作業の労力軽減を図ります。
2.堆肥の施用等により安全で安心な農作物を提供します
【重点施策】
(1)堆肥を適切に還元する
●作物や地力に配慮した施用量を守ります。
●堆肥施用による減肥栽培に努めます。
(2)安全で安心な農作物を提供する
●農薬、化学肥料の適正な使用に努めます。
●地場農産物の地元消費を推進します。
●地場農産物の PR により他地域での消費拡大を促進します。
3.市街地区や糠平~三股地区などと連携して良質堆肥の消費を拡大します
【重点施策】
(1)良質堆肥の広域的活用方法を検討する
●市街地区、糠平~三股地区での活用を検討します。
●堆肥の不足する地域と連携し、良質堆肥の消費拡大を促進します。
83
第3節
糠平~三股地区
□地区目標
森林の多彩な機能を再生し保全します
【方 針】
森林の多彩な機能を認識するとともにその再生と保全のため、植樹・保育活動を推進
します。
また、森林を活用した環境教育、体験学習、健康増進等を推進します。
□行動目標
1.植樹・保育活動を推進します
【重点施策】
(1)原生的森林を再生し保護する
●大雪山国立公園における森林の再生、保護に協力します。
●人的・自然的要因による山岳地域の荒廃対策に協力します。
(2)糠平温泉街の植樹を推進する
●適切な樹種の植栽に努めます。
●自然と調和した「森の温泉街づくり」を目指します。
2.森林環境教育や健康づくり等の森林の利用を促進します
【重点施策】
(1)森林を活用した環境教育や体験学習を推進する
●各学校における森林環境教育を進めます。
●旅行者等に対して自然体験の場を提供します。
(2)森林を活用した健康増進を図る
●町民や旅行者等に保養の場を提供します。
3.糠平~三股地区の取組みを市街地区や農村地区へ広げます
【重点施策】
(1)市街地区や農村地区などと連携した植樹・保育活動を進める
●情報交流を図り、植樹・保育意識の醸成を図ります。
●各地区に適した植樹・保育の手法を検討します。
84
資
料
編
Ⅰ.環境基本計画策定に係る関連資料
◆上士幌町環境基本条例
◆計画策定の経過
◆策定体制
◆環境住民会議
◆提案書
◆環境通信 Vol.1~Vol.7
Ⅱ.環境基準
◆人の健康の保護に関する公共用水域及び地下水の環境基準
◆生活環境の保全に関する環境基準
◆水生生物による水質判定
◆<参考>雨水、河川水等の水質比較
◆土壌汚染に係る環境基準
◆大気汚染に係る環境基準
◆ダイオキシン類に係る環境基準
◆騒音に係る環境基準
◆悪臭防止法の規定に基づく敷地の境界の表面における規制基準
Ⅲ.上士幌町の動植物
◆上士幌町における絶滅の恐れのある動植物
◆上士幌町における外来種
Ⅳ.手法例
◆コンポストを活用した堆肥・腐葉土づくり
◆家畜ふん尿の堆肥化と活用
Ⅴ.用語解説
Ⅰ.環境基本計画策定に係る関連資料
上士幌町環境基本条例
( 平 成 16 年 12 月 22 日
条 例 第 17 号 )
目次
前文
第1章
総則(第1条―第6条)
第2章
環境の保全及び創造に関する基本的施策(第7条―第26条)
第3章
地球環境保全の推進(第27条―第28条)
第4章
環境住民会議(第29条)
附則
かみしほろに住むわたしたちは、ふれあいとやさしさを大切にし、心豊かでいきい
き と し た 人 が 育 ち 、誰 も が 住 み 続 け た く な る「 元 気 な ま ち 」で あ り た い と 願 っ て い ま
す。
現在、わたしたちに求められている役割は、生活の基盤である、かみしほろの豊か
な自然と恵まれた環境を協働で守り育てていくことです。
わ た し た ち の 町 は 、十 勝 平 野 の 北 部 、大 雪 山 国 立 公 園 の 東 山 麓 に 位 置 し 、そ の 総 面
積 の 76% が 森 林 で 占 め ら れ て い ま す 。こ の 東 大 雪 の 山 々 を 水 源 と す る 音 更 川 は 、町 の
中 央 部 を 流 れ 、緑 豊 か な 森 林 や 大 地 そ し て 多 く の 動 植 物 を 育 み 、美 し い 四 季 と 雄 大 な
自然をもたらしています。
こ の 自 然 の 恵 み や 厳 し さ を 受 け て 、先 人 た ち は 知 恵 と 汗 で こ の 地 を 切 り 拓 き 、農 林
業、観光業、商工業などの産業を発展させ、現在の生活基盤を創ってきました。
わたしたちの生活基盤となる環境は、自然の生態系の微妙な均衡のもとに成り立っ
て い ま す 。し か し 、今 日 の 大 量 生 産 、大 量 消 費 、大 量 廃 棄 の 社 会 は 、環 境 に 様 々 な 影
響を及ぼし、今や地球規模での環境問題を引き起こす原因となっています。
わたしたちは、生態系の中で健康で文化的な生活を営むため、他の動植物と共に、
良 好 で 快 適 な 環 境 の 恵 み を 受 け る 権 利 を 持 っ て い ま す 。ま た 、こ の 環 境 が 良 好 で 快 適
なものとして、次世代へ引き継いでいかなければなりません。
そのためには、これまでの生活様式や社会経済構造を見直し、循環的な利用を重視
し た 先 人 の 生 活 の 知 恵 を 学 び な が ら 、環 境 へ の 負 荷 の 少 な い 社 会 を 築 い て い く 必 要 が
あります。
わたしたちは、この自然と環境が大切な財産であることを認識し、町、事業者及び
町 民 等 が 協 働 で 、「 ふ れ あ い の あ る や さ し い ま ち づ く り 」を 進 め る た め に 、こ の 環 境
基本条例を制定します。
資料-1
第1章
総則
(目的)
第1条
こ の 条 例 は 、良 好 な 環 境 の 保 全 並 び に 快 適 な 環 境 の 維 持 及 び 創 造( 以 下「 環
境 の 保 全 及 び 創 造 」と い う 。)に つ い て 、基 本 理 念 を 定 め 、町 、事 業 者 及 び 町 民 等
の 責 務 を 明 ら か に す る と と も に 、協 働 に よ り 環 境 の 保 全 及 び 創 造 に 関 す る 施 策 の 基
本 と な る 事 項 を 定 め る こ と に よ り 、環 境 の 保 全 及 び 創 造 に 関 す る 施 策 を 総 合 的 か つ
計 画 的 に 推 進 し 、も っ て 現 在 及 び 次 世 代 の 町 民 の 健 康 で 文 化 的 な 生 活 の 確 保 に 寄 与
することを目的とする。
(定義)
第2条
こ の 条 例 に お い て 、次 の 各 号 に 掲 げ る 用 語 の 意 義 は 、そ れ ぞ れ 当 該 各 号 に 定
めるところによる。
(1)
町民等
町 内 に 居 住 し 、滞 在 し 、若 し く は 勤 務 し 、ま た は 町 内 を 通 過 す る 者 、
並びにそれらの者で構成する民間の団体をいう。
(2)
事業者
(3)
協働
町内において事業活動を行う者をいう。
事業者、町民等及び町が共通の課題や目的に対し、それぞれの果たす
べ き 責 任 と 役 割 を 自 覚 し 、相 互 に 補 完 し 合 い 協 力 し 合 っ て 取 り 組 む こ と を い う 。
(4)
環境への負荷
人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全
上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(5)
公害
環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ず
る相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の
底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物
の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康
又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係
のある動植物及び生育環境を含む)に係る被害が生ずることをいう。
(6)
地球環境保全
人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、
海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環
境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとと
もに、町民等の健康かつ安全で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
(基本理念)
第3条
環 境 の 保 全 及 び 創 造 は 、町 、事 業 者 及 び 町 民 等 が そ れ ぞ れ の 役 割 分 担 の 下 に
協働で自主的かつ積極的に進められなければならない。
2
環 境 の 保 全 及 び 創 造 は 、人 と 自 然 が 共 生 し 、環 境 へ の 負 荷 の 少 な い 社 会 を 構 築 す
資料-2
ることを目的として取り組まなければならない。
3
環 境 の 保 全 及 び 創 造 は 、町 民 等 が 健 康 か つ 安 全 で 文 化 的 な 生 活 を 営 む 上 で 必 要 と
す る 良 好 で 快 適 な 環 境 を 確 保 し 、こ れ を 次 世 代 に 引 き 継 ぐ よ う に 適 切 に 進 め ら れ な
ければならない。
4
地 球 環 境 保 全 は 、人 類 共 通 の 課 題 で あ る こ と を 認 識 し 、地 域 の 事 業 活 動 及 び 日 常
生 活 に お い て 自 ら の 問 題 と し て と ら え 、国 際 的 な 協 力 の 下 に 推 進 さ れ な け れ ば な ら
ない。
(町の責務)
第4条
町 は 、基 本 理 念 に の っ と り 、環 境 の 保 全 及 び 創 造 に 関 す る 施 策 を 策 定 し 、実
施する責務を有する。
2
町は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、実施するにあたっては、
環 境 の 保 全 及 び 創 造 に 配 慮 し 、環 境 へ の 負 荷 の 低 減 に 率 先 し て 努 め る と と も に 、事
業者及び町民等との協働を図る責務を有する。
(事業者の責務)
第5条
事 業 者 は 、基 本 理 念 に の っ と り 、そ の 事 業 活 動 を 行 う に あ た っ て は 、環 境 の
保全及び創造に配慮するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2
事 業 者 は 、そ の 事 業 活 動 に 関 し 、環 境 に 与 え る 影 響 を 認 識 し 、自 ら 環 境 へ の 負 荷
の 低 減 に 努 め る と と も に 、町 が 実 施 す る 環 境 の 保 全 及 び 創 造 に 関 す る 施 策 へ の 協 力
に努めるものとする。
(町民等の責務)
第6条
町 民 等 は 、基 本 理 念 に の っ と り 、そ の 日 常 生 活 に お い て 、環 境 に 与 え る 影 響
を 認 識 し 、自 ら 環 境 へ の 負 荷 の 低 減 に 努 め る と と も に 、町 が 実 施 す る 環 境 の 保 全 及
び創造に関する施策への協力に努めるものとする。
第2章
環境の保全及び創造に関する基本的施策
(施策の基本方針)
第7条
町 、事 業 者 及 び 町 民 等 は 、基 本 理 念 に の っ と り 、次 に 掲 げ る 基 本 方 針 に 基 づ
く環境の保全及び創造に関する施策を協働して総合的かつ計画的に推進するもの
とする。
(1)
人の健康の保護及び生活環境の保全を図るため、大気、水、土壌等が良好な
状態に保持されること。
(2)
人と自然との共生を図るため、生物の多様性を確保するとともに、森林、水
辺、農地等における多様な自然環境を保全すること。
資料-3
(3)
地 域 の 特 性 を 活 か し た 良 好 な 景 観 の 形 成 、歴 史 的 な 文 化 遺 産 の 保 全 等 に よ り 、
潤い、安らぎ、ゆとり等の心の豊かさが感じられる環境を確保すること。
(4)
人と自然の豊かなふれあいが保たれること。
(5)
廃棄物の減量及び適正な処理、資源の循環的利用並びにエネルギーの有効活
用を図り、環境への負荷の少ない循環型社会を構築すること。
(6)
地球環境保全に資する施策を推進すること。
(環境基本計画の策定)
第8条
町長は、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進する
ための基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2
環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1)
環境の保全及び創造に関する長期的な目標
(2)
環境の保全及び創造に関する基本的施策
(3)
前2号に掲げるもののほか、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ
計画的に推進するために必要な事項
3
町 長 は 、環 境 基 本 計 画 を 策 定 す る に あ た っ て は 、事 業 者 及 び 町 民 等 の 意 見 を 反 映
することができるよう必要な措置を講ずることとする。
4
町長は、環境基本計画を策定したときは、すみやかに公表しなければならない。
5
前3項の規定は、環境基本計画の変更についても準用する。
(規制等の措置)
第9条
町 は 、公 害 の 原 因 と な る 行 為 及 び 自 然 環 境 の 適 正 な 保 全 に 支 障 を 及 ぼ す お そ
れがある行為に関し、必要な規制の措置を講ずるものとする。
2
前 項 に 定 め る も の の ほ か 、町 は 、環 境 の 保 全 上 の 支 障 を 防 止 す る た め 、必 要 が あ
る と 認 め る と き は 、規 制 、指 導 、助 言 及 び そ の 他 の 措 置 を 講 ず る よ う に 努 め る も の
とする。
(経済的措置)
第10条
町 は 、事 業 者 及 び 町 民 等 が 環 境 へ の 負 荷 の 低 減 並 び に 環 境 の 保 全 及 び 創 造
に 資 す る 措 置 を 助 長 す る 必 要 が あ る と 認 め た と き は 、適 正 な 助 成 そ の 他 の 措 置 を 講
ずるよう努めるものとする。
2
町 は 、事 業 者 及 び 町 民 等 が 自 ら 環 境 へ の 負 荷 の 低 減 に 努 め る よ う 、事 業 者 及 び 町
民等に適正かつ公平な負担を求めることができるものとする。
(環境の保全及び創造に関する施設の整備と利用)
第11条
町 は 、下 水 道 、廃 棄 物 の 公 共 的 な 処 理 施 設 そ の 他 の 環 境 の 保 全 上 の 支 障 の
防止に資する施設の整備を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
資料-4
2
町 、事 業 者 及 び 町 民 等 は 、公 園 、緑 地 そ の 他 の 公 共 施 設 等 に 対 し 適 正 な 整 備 を 行
い、健全に利用するものとする。
(廃棄物の発生の抑制と減量及び資源の循環的利用の推進)
第12条
町 は 、環 境 へ の 負 荷 の 低 減 を 図 る た め 、廃 棄 物 の 処 理 の 適 正 化 を 推 進 す る
とともに、町が行う施設等の建設、維持管理、その他の事業の実施にあたっては、
廃 棄 物 の 減 量 化 、資 源 の 循 環 的 利 用 及 び エ ネ ル ギ ー 等 の 有 効 利 用 に 努 め る も
のとする。
2
町 、 事 業 者 及 び 町 民 等 は 、環 境 へ の 負 荷 の 低 減 を 図 る た め 、事 業 者 及 び 町
民 等 に よ る 廃 棄 物 の 発 生 の 抑 制 と 減 量 、資 源 の 循 環 的 利 用 及 び エ ネ ル ギ ー 等
の有効利用に努めるものとする。
3
町 、事 業 者 及 び 町 民 等 は 、環 境 へ の 負 荷 の 低 減 に 資 す る 製 品 等 が 利 用 さ れ る
よう努めるものとする。
(野生生物の保護管理)
第13条
町、事業者及び町民等は、野生生物の多様性を損なうことなく適正
に保護管理するため、その生息環境等を保全するよう努めるものとする。
(森林、緑地及び農地の保全)
第14条
町、事業者及び町民等は、人と自然とが共生できる基盤として緑
豊かな環境を形成し維持するため、森林、緑地及び農地の保全、緑化の推
進等に努めるものとする。
(水環境の保全)
第15条
町、事業者及び町民等は、河川・湖沼及び地下水等における良好
な水環境の適正な保全に努めるとともに、健全な水環境及び安全な水の確
保のために必要な措置を講ずるものとする。
(景観等の保全と活用)
第16条
町、事業者及び町民等は、地域の自然環境と特性を活かした景観
等及び歴史的な文化遺産を保全するとともに、その活用に努めるものとす
る。
(環境美化の促進と意識の高揚)
第17条
町 は 、環 境 美 化 の 促 進 及 び そ の 意 識 の 高 揚 を 図 る と と も に 、潤 い 、
安らぎとゆとりのある快適環境を創造するため、必要な措置を講ずるもの
とする。
2
事業者及び町民等は、潤い、安らぎとゆとりのある快適環境の創造に努
めるものとする。
資料-5
(循環型農業の推進)
第18条
町は、環境への負荷の低減と安全で安心な信頼のおける農産物の
生産を図るため、飼料・農薬及び肥料等の適正な使用と生産履歴の記帳等
を踏まえた農業が推進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
2
町は、農業から生ずる廃棄物が適正に処理され、循環的に利用されるよ
う必要な措置を講ずるものとする。
(環境の保全及び創造に関する教育及び学習の推進)
第19条
町は、環境の保全及び創造に関する教育及び学習の推進により、事業者
及び町民等が環境の保全及び創造について理解を深めるよう必要な措置を講ずる
ものとする。
2
町 は 、環 境 の 保 全 及 び 創 造 に 関 す る 教 育 及 び 学 習 の 推 進 に よ り 、事 業 者 及 び 町 民
等が環境の保全及び創造に関する活動を行う意欲が増進されるよう必要な措置を
講ずるものとする。
3
前 2 項 の 場 合 に お い て 、町 は 、特 に 児 童・生 徒 の 学 習 を 積 極 的 に 推 進 す る た め に
必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(自発的な活動の促進)
第20条
町 は 、事 業 者 及 び 町 民 等 が 自 発 的 に 行 う 環 境 の 保 全 に 関 す る 活 動 が 促 進 さ
れるように必要な措置を講ずるものとする。
(情報の収集及び提供)
第21条
町 、事 業 者 及 び 町 民 等 は 、協 働 し て 環 境 へ の 負 荷 の 低 減 を 図 る た め に 、環
境 の 現 況 そ の 他 環 境 の 保 全 及 び 創 造 に 関 す る 必 要 な 情 報 を 収 集 し 、相 互 に 提 供 し 共
有できるよう努めるものとする。
(調査研究の実施及び監視等の体制整備)
第22条
町 は 、環 境 に 関 す る 現 況 を 把 握 し 、環 境 の 保 全 及 び 創 造 に 関 す る 施 策 の 策
定 及 び そ の 実 施 に あ た っ て は 、必 要 な 調 査 研 究 の 実 施 及 び そ の 成 果 の 活 用 に 努 め る
ものとする。
2
町 は 、環 境 の 状 況 を 的 確 に 把 握 す る た め に 必 要 が あ る 場 合 は 、監 視 、測 定 等 の 体
制整備を図るものとする。
(事業者との協定等の締結)
第23条
町 長 は 、事 業 活 動 に 伴 う 環 境 保 全 上 の 支 障 を 防 止 す る た め に 必 要 が あ る と
きは、事業者との間で環境への負荷の低減に関する協定を締結するものとする。
(財政上の措置)
第24条
町 は 、環 境 の 保 全 及 び 創 造 に 関 す る 施 策 を 推 進 す る た め 、必 要 な 財 政 上 の
資料-6
措置を講ずるよう努めるものとする。
(環境の保全及び創造に関する施策の推進体制の整備)
第25条
町 は 、町 の 機 関 相 互 の 緊 密 な 連 携 及 び 施 策 の 調 整 を 図 り 、施 策 を 推 進 す る
ための体制を整備するものとする。
2
町 は 、事 業 者 及 び 町 民 等 と 協 力 し て 施 策 を 推 進 す る た め の 体 制 を 整 備 す る も の と
する。
(国及び他の地方公共団体との協力)
第26条
町 は 、環 境 の 保 全 及 び 創 造 を 図 る た め に 広 域 的 な 取 り 組 み を 必 要 と す る 施
策 に つ い て 、国 、北 海 道 及 び 他 の 地 方 公 共 団 体 と 協 力 し て 、そ の 推 進 に 努 め る も の
とする。
第3章
地球環境保全の推進
(地球環境保全に資する施策の推進)
第27条
町 、事 業 者 及 び 町 民 等 は 、地 球 環 境 の 保 全 に 資 す る た め 、地 球 温 暖 化 の 防
止、オゾン層の保護等に関する施策を積極的に推進するものとする。
(地球環境保全に関する国際的協力)
第28条
町は、国、北海道並びに他の地方公共団体、事業者及び町民等と協力し、
環 境 の 保 全 及 び 創 造 に 関 す る 技 術 、情 報 の 提 供 等 に よ り 、地 球 環 境 保 全 に 関 す る 国
際協力の推進に努めるものとする。
第4章
環境住民会議
(環境住民会議)
第29条
次 に 掲 げ る 事 項 に つ い て 、事 業 者 及 び 町 民 等 が 主 体 的 に 協 議 す る 場 と し て 、
環境住民会議(以下「住民会議」という。)を設置することとする。
(1)
環境基本計画に関すること
(2)
環境の保全及び創造に関する施策を町と事業者及び町民等とが協働により推
進するための方策
(3)
環境の保全及び創造に関する事業者及び町民等の活動を効果的に推進するた
めの方策
(4)
2
前3号に揚げるもののほか、環境の保全及び創造に関する事項
町 長 、事 業 者 及 び 町 民 等 は 、住 民 会 議 に 対 し 、情 報 の 提 供 及 び そ の 他 の 必 要 な 協
力を行うものとする。
3
住民会議は、その協議結果を町長に報告するものとする。
資料-7
4
町 長 は 、住 民 会 議 の 協 議 の 結 果 を 環 境 の 保 全 及 び 創 造 の た め の 施 策 に 反 映 さ せ る
ように努めるものとする。
5
住民会議の組織及び運営等について必要な事項は、この会議で定める。
附
則
この条例は、平成17年4月1日から施行する。
資料-8
◆上士幌町環境基本計画策定経過
年
月
日
内
容
平成 17 年 3 月 25 日
「環境基本条例」施行の周知と「環境住民会議」委員の募集(広報 4 月号)
平成 17 年 4 月 11 日
環境住民会議委員募集説明(事業所/団体)
平成 17 年 4 月 25 日
小学生/中学生/高校生アンケート調査依頼(校長会)
平成 17 年 4 月 28 日
「環境住民会議」委員決定
平成 17 年 5 月 11 日
町民アンケート調査依頼(行政区長会議)
平成 17 年 5 月 19 日
総務文教常任委員会(環境基本計画の策定着手報告)
平成 17 年 5 月 23 日
第1回
策定委員会(まちづくり政策検討会議)
平成 17 年 5 月 25 日
第1回
環境住民会議(「かみしほろの自然と環境を考える会)
平成 17 年 5 月 25 日
町民アンケート発送(広報 6 月号)
平成 17 年 5 月 25 日
事業所/団体アンケート発送(郵送)
平成 17 年 6 月 10 日
旅行者アンケート《夏》依頼、開始(~7/31 まで)
平成 17 年 6 月 16 日
町民/事業所/団体アンケート回収(締切)
平成 17 年 6 月 22 日
第2回
平成 17 年 6 月 30 日
小学生/中学生/高校生アンケート回収(締切)
平成 17 年 7 月 11 日
「環境シンポジウム」後援依頼(校長会)
平成 17 年 7 月 25 日
第3回
環境住民会議(「かみしほろの自然と環境を考える会)
平成 17 年 7 月 28 日
第2回
策定委員会(まちづくり政策検討会議)
平成 17 年 8 月 6 日
旅行者アンケート《夏・バルーンフェス》実施
平成 17 年 8 月 25 日
アンケート結果周知(広報 9 月号)
平成 17 年 8 月 26 日
第4回
平成 17 年 9 月 9 日
総務文教常任委員会(経過報告)
平成 17 年 9 月 10 日
旅行者アンケート《秋》依頼、開始(~10/23 まで)
平成 17 年 9 月 26 日
第5回
平成 17 年 11 月 8 日
中学生環境学習会(中学生 108 名参加)
平成 17 年 11 月 10 日
第6回
平成 17 年 12 月 5 日
小学生環境学習会(小学生 89 名参加)
平成 17 年 12 月 10 日
環境シンポジウム(町民、環境住民会議検討委員等 89 名参加)
平成 18 年 4 月 25 日
第3回
策定委員会(管理職会議)
平成 18 年 7 月 31 日
第4回
策定委員会(管理職会議)
平成 18 年 9 月 6 日
第5回
策定委員会(管理職会議)
平成 18 年 9 月 15 日
総務文教常任委員会(環境基本計画(案)説明)
平成 18 年 9 月 25 日~
「環境記本計画(案)
」への意見募集(広報 10 月号)【結果;意見 36 件】
平成 18 年 12 月 1 日
議会全員協議会(環境基本計画
平成 18 年 12 月 13 日
総務文教常任委員会(環境基本計画
平成 19 年 1 月 25 日
上士幌町環境基本計画
環境住民会議(「かみしほろの自然と環境を考える会)
環境住民会議(「かみしほろの自然と環境を考える会)
環境住民会議(「かみしほろの自然と環境を考える会)
環境住民会議(「かみしほろの自然と環境を考える会)
説明)
審議/承認)
公表(広報 2 月号)
資料-9
◆策定体制
<上士幌町環境基本計画策定体制>
町民組織
庁内組織
提案書
環境住民会議
町民・事業者・
各種団体・旅行者
提案・議決
策定委員会
調 査
調 査
各課部局
町議会
周辺市町村
環境アンケート
環境シンポジウム
環境学習会
意見募集
策定事務局
◆策定委員会
氏
◆策定事務局
名
役
職
氏
名
竹
中
貢
町長
小
椋
千
葉
与四郎
助役
斎
藤
明
教育長
吉
夫
総務課長
深
中
江波戸
近
野
達
小
椋
悟
企画課長
山
口
準二郎
町民課長
白
石
馨
保健福祉課長
米
澤
政
志
保育課長
馬
場
久
男
産業課長
河
村
義
憲
建設課長
早
坂
清
光
ナイタイ高原牧場長
萱
森
敬
二
行政改革推進室長
平
間
建
男
出納室長
高
嶋
幸
雄
議会事務局長
監査委員事務局長
大
戸
正
義
農業委員会局長
横
関
公
晴
教育委員会事務局次長
柚
原
幸
二
消防署長
田
中
松
雄
環境衛生処理組合場長
資料-10
役
職
悟
企画課長
明
宏
企画課主幹
永
雅
一
企画課環境計画担当主査
瀬
一
輝
企画課主任
田
将
雅
企画課主事
◆環境住民会議(かみしほろの自然と環境を考える会)
氏
名
区分
倉持勝久
-
団体名
帯広畜産大学畜産学部
団体役職名
備
考
助教授
座
長
衣笠力
個人
検討委員
田中正大
個人
〃
小川美喜
個人
〃
高田清蔵
個人
〃
加藤宣夫
団体
北海道猟友会上士幌支部
橘内伸幸
団体
上士幌建設業協会
〃
阿部文雄
団体
上士幌建設業協会二世会
〃
大西康宏
団体
上士幌町農協青年部
部長
〃
大平敬子
団体
上士幌町農協女性部
部長
〃
宮内雅吐
団体
上士幌町農民同盟
宗重
仁
団体
地域の宝さがしの会
事務局長
〃
山本正明
団体
上士幌町商工会
副会長
〃
杉井達広
団体
商工会青年部
部長
〃
市川律子
団体
商工会女性部
部長
〃
中村準一
団体
上士幌町観光協会
会長
〃
辻本涼子
団体
ひがし大雪博物館友の会
川辺百樹
団体
十勝三股森づくり21
資料-11
支部長
〃
〃
〃
事務局長
〃
提
案
次
はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
かみしほろの自然と環境を守るための提案・・・・・・・・・・・・
2
書
∼かみしほろの自然と環境を守るために∼
町民、事業者、行政のあり方・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
用語解説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
<参考資料>
資料-12
平 成 17 年 12 月
かみしほろの自然と環境を考える会
1
環境住民会議名簿
2
提案書作成の経過
3
環境通信(会議議事録)
4
環境アンケート
5
環境住民会議
資料集
◆提案書
目
は
じ
め
かみしほろの自然と環境を守るための提案
に
資料-13
上士幌町では、平成 17 年 4 月に、上士幌町環境基本条例が制定されました。
この条例が制定された背景は、1992 年にリオデジャネイロで開催された第 1 回
世界環境サミットで、地球環境全体の悪化に対して、何らかの対応策を世界的規
模で考えることが必要であると提言されたことにあります。世界サミットの議論
の中で、環境悪化の現状を知るだけでなく、環境を回復し、新たな地球環境の保
全対策を具体的に決め、行動していくことが重要であることが示されました。そ
の具体的な成果として、本年 2 月に発効された京都議定書があり、各国や地域に
おける二酸化炭素排出の削減計画が具体的に示されました。
この動きに呼応して、日本においても国レベルでの環境に関する様々な法律が
整備されてきました。また、各自治体レベルにおいても、地域における環境問題
を解決していくための基本的な政策が議論されてきており、その流れを受けて制
定されたのが上士幌町環境基本条例であると言えます。
本条例が制定されたことにより、上士幌町における環境問題に関しての基本的
方向が示されました。上士幌町において環境問題を取り組んでいくためには、条
例に基づいた具体的な行動計画を立てていかなければなりません。「かみしほろ
の自然と環境を考える会」が発足した意義がここにあります。
環境問題に関しての具体的行動計画を立案するにあたっては、いくつかの問題
があります。そのひとつとして、環境問題に関しての問題意識は、個人の価値観・
社会的立場・世代などにより大きく異なり、全体としての一定の方向性を見つけ
だすことはかなり困難であります。そこで、本会議では次の約束を踏まえて、み
なさんから自由な意見を出していただきました。すなわち、
1.環境問題の基本は、人に優しい社会を作るという共通認識を持つ。
2.個人の責任において自由に発言し、議論の中では他の人の意見を原則として
批判しない。
3.上士幌町の環境を、自然環境・農業環境および市街地環境の3つのカテゴリ
ーに分け、それぞれの環境における問題と課題を個別に議論する。
4.課題の解決が、実現可能であるかどうかについては問わない。
6回にわたる議論を経て、さらに町民や旅行者を対象に行ったアンケート結果
を織り交ぜて、本日ここに「提案書」を町長に提出する運びとなりました。
内容を顧みるならば、いささかまとまりに欠ける部分がありますが、この「提
案書」が上士幌町の環境問題に取り組む出発点であるということを認識していた
だき、今後とも多くの町民の皆様に積極的に意見を出して頂けることを期待して
おります。
平成 17 年 12 月 10 日
かみしほろの自然と環境を考える会
座長 倉 持 勝 久
Ⅰ
Ⅰ
美しい景観を創造し、まちへの愛着を醸成する
Ⅱ
ごみの徹底した減量を目指したスロータウンを創る
Ⅲ
二酸化炭素の排出量を抑え、地球環境全体の保全に貢献する
Ⅳ
自然の保護と破壊の回復を図り、生物の多様性を保持する
Ⅴ
耕畜連携を推進し、安全で安心な農畜産物を提供する
Ⅵ
水環境などを守り、安全で安心な生活を保証する
Ⅶ
環境学習・教育を充実し、有益な情報を発信する
美しい景観を創造し、まちへの愛着を醸成する
提 案 1
まちを花や樹木で飾る
【具体的提案】
苗づくりから花壇づくり、後片付けまでの仕組みを整備する
花がらや落ち葉などを堆肥化する仕組みを研究する
花壇づくりや花コンクールなどを実施する
街路樹の植栽と適切な管理を行い、通りに愛称をつける
【提案の背景】
農家、フラワーマスター、商工会青年部・女性部などの取り組みにより、庭先や公共施
設の花壇、商店街などにお花が植えられています。最近では、住宅の玄関先をハンギング
フラワーで飾っているところもあります。また、近代化事業などにより、商店街や糠平市
街にはギンカエデなどの広葉樹が街路樹として植栽されています。
しかし、「まちを飾る」という行為は町民の組織的な取組みになっていません。町民が
一体となって「まちを飾る」ことがまちへ愛着を持つ「きっかけ」になります。
提 案 2
安全で安心な憩いの場の創造
【具体的提案】
市街地に森林公園を作る
市街地の緑化を推進し防塵対策を図る
遊休地を活用した憩いの場の創造
公園マスタープラン等を活かして、総合的・機能的な土地利用を推進する
提 案 4
ポイ捨てのない街づくりを目指す
【具体的提案】
ゴミの集積場を設置する
町民みんなが住いの環境整備をする
「捨てない」、「拾う」意識を持つ
ゴミの持ち帰りを推進する
旅行者への配慮を充実する
【提案の背景】
上士幌町は、面積の 76.7%が森林です。しかしながら、市街地においては町民が憩え
る森が少なく、農村部においても防風林が減少しています。森林には保水や浄化などの物
理的な機能だけではなく、多くの動植物の生息域を提供したり、景観を良くするなど、私
たちの生活に潤いを与えてくれます。
公園マスタープランは、既存公園などの利活用について見直し、公園の管理を含めて協
働による公園づくりを推進しようという基本計画です。このマスタープランに則した町民
参加による憩いの場の創造が必要です。
【提案の背景】
資源ゴミ収集、ゴミ有料化の導入により、ゴミに対する町民の意識は高まっています。
また、町民は、アダプト・プログラムやクリーン作戦など美化活動にも取り組んでいます。
しかしながら、雪解けを迎えると道路法面や河川などにゴミが散乱しており、ゴミのポ
イ捨てが一向に減らないのを目の当たりにします。
資料-14
旅行者などに情報発信するとともに、まちを綺麗にすることでポイ捨てをためらうよう
な環境を創ることが必要です。
提 案 3
冬でも安心して歩ける街にする
【具体的提案】
協働による除雪
【提案の背景】
上士幌町だけではなく北海道の冬は、積雪により自動車で移動する機会が増え、アイド
リング(暖気運転)も余儀なくされます。また、路面凍結や視界不良などによる事故発生
の危険性もはらんでいます。
行政、事業者(商店など)、町民が協働で徹底した除雪をすることで、石油資源の消費
軽減を図り、安全で安心な冬の住環境を提供する必要があります。
Ⅱ ごみの徹底した減量を目指したスロータウンを創る
Ⅲ 二酸化炭素の排出量を抑え、地球環境全体の保全に貢献する
提 案 1
提 案 1
リデュース(廃棄物を減らす)∼3Rの実践∼
【具体的提案】
資源の無駄遣いを無くす
包装資材の消費を減らす(サミットバックの使用拒否、食品の計り売り)
提 案 2
総合的なエネルギー政策を推進し、CO2 排出量を削減する
【具体的提案】
消費電力の目標を立て、節電の可能性を検討する
街路灯の効率的な運用を図る
自動販売機の利用の見直しなど夜間電力の効率的な利用を図る
太陽光発電など新エネルギーの活用を検討する
リユース(廃棄物を再使用する)∼3Rの実践∼
提 案 2
【具体的提案】
様々な工夫にトライする
リサイクル可能な素材の積極的利用(グリーン購入)
デポジット制の導入検討
石油資源を大切に使う意識を醸成する
資料-15
【具体的提案】
短い距離の移動には徒歩や自転車を活用する
利用者負担(消費に比例した課税など)を検討する
スピードバンプ<解説②>の導入を検討する
未利用資源を積極的に活用する
提 案 3
リサイクル(廃棄物を再生利用する)∼3Rの実践∼
【提案の背景】
【具体的提案】
廃棄物の徹底した分別をする
リサイクルの意味を知るため、生ごみ類の堆肥化やそれを活用した家庭菜園
などに取り組む
地球温暖化、オゾン層の破壊、海洋の汚染、酸性雨の拡大、砂漠化の進行、熱帯雨林の
減少、生物多様性の減少など、地球規模の環境問題が深刻化し、環境保全の取組みや循環
型社会<解説③>(環境保全型社会)の必要性が叫ばれています。
1992 年にリオデジャネイロで開催された地球サミット<解説④>では「気候変動」<解説⑤>
や「生物多様性の保全」<解説⑥>などの枠組みが定められました。それから今年で 13 年が
経過します。本年 2 月には「京都議定書」<解説⑦>が発効され、国や国民としてどう行動す
【提案の背景】
私たちは、「いかに食糧を確保するか」「いかに利便性を追及するか」という命題の基
にスピード社会を構築し、自然環境から一方的な収奪を繰り返してきました。
世界の人口は 15 年後には 100 億人を超えると予想されていますが、穀物の生産量は頭
るかという新たな枠組みも生まれました。
いま、地球環境は次のようないくつかの危機にさらされていると考えられます。
●地球温暖化による気候変動の危機
●生物多様性の危機(自然生態系の破壊)
打ちとなり、世界的な食糧危機に陥る可能性があると言われています。また、発展途上国
●食糧危機
が今後、経済成長を遂げれば私たちの予想を越えた環境負荷が起こるとも言われています。
●化石燃料などの限り有る資源の枯渇
わたしたちは、安全で安心な生活を子どもたちに引き継いでいくため、従来の「快適さ」
や「利便性」を追及する生活様式を見直し、廃棄物ゼロ(ゼロエミッション<解説①>)を目
標に、地域全体で環境に配慮した取組みをしていく必要があります。
地球環境に配慮した行動は、「Think globally and act locally(地球規模で
考え、地域から取り組む)」ことが大切です。
Ⅳ 自然の保護と破壊の回復を図り、生物の多様性を保持する
提 案 1
在来の動植物を保護する
【具体的提案】
国立公園内などを中心に、野生生物の保護意識を高める
山菜やキノコ狩りなどのモラルの確立
外来生物を持ち込まない
提 案 3
糠平∼十勝三股を環境保全のシンボルにする
【具体的提案】
糠平∼十勝三股地区のサンクチュアリ化<解説⑪>を目指す(保護と利用のバラン
スを図る)
十勝三股の樹海にある木材集積場の土場跡を回復させる
【提案の背景】
糠平∼十勝三股は、大雪山国立公園内に位置し、比較的自然生態系が残る地域です。し
提 案 2
森林の持つ多彩な機能を認識し、その保全に努める
かしながら、キツツキの仲間である「ミユビケラ」<解説⑫>は 1988 年に十勝三股で観察さ
れたのを最後に確認されていません。これは、ミユビケラの採餌木であるエゾマツやアカ
資料-16
【具体的提案】
多様な形態の森林(自然林、屋敷林、民有林、町有林、耕地防風林、学校林
など)に対して、個別の保全対策を講じる
新たな森林の整備にあたっては、生物の多様性を維持するような適正な樹種
を選定する
カラマツ材(間伐材)の利用促進により、資源の有効利用と自然林の再生を
図る
【提案の背景】
上士幌町は、高山、森林、農耕地、河川、湖沼といった地形を有し、多様な環境に多く
の動植物が生息しています。植物では、町内において 790 種類もの高等植物が確認されて
おり、動物においても、哺乳類、鳥類、両生・爬虫類、昆虫類、魚類と豊富な動物種が棲
息しています。
しかしながら、昔は身近にあったコクワや山ブドウなどの木の実、カジカやザリガニな
どの動物が少なくなってると感じている町民も沢山います。また、道路法面の張り芝造成
によりシカの生息範囲が拡大し、道路への跳び出し事故が多発したり、山菜・きのこ類の
過剰な採取や国立公園内での山野草の盗掘なども発生しています。
さらに、オオモンシロチョウ<解説⑧>などの外来昆虫やニセアカシヤ<解説⑨>、イタチハギ
<解説⑩>
などの外来植物の棲息も散見します。このような外来生物は天敵不在による爆発的
な繁殖や在来種の生息域を制限するなど、本来の生態系に影響を及ぼします。
在来の動植物を保護し、その生息域を提供する自然林を保護していくことが大切です。
マツが減少したことが原因の一つだと言われています。
また、この地域は三国山、ニペソツ山、ウペペサンケ山などを背景として、十勝川水系
音更川の源流域に位置します。
糠平∼十勝三股を環境保全のシンボルと位置付けて、森林を本来の姿に回復させ、水環
境を守る意識を醸成することが大切です。
Ⅴ 耕畜連携を推進し、安全で安心な農畜産物を提供する
Ⅵ 水環境などを守り、安全で安心な生活を保証する
提 案 1
提 案 1
上士幌に適した農業現場の多様性を追及する
【具体的提案】
スムースな物質循環を図るため、堆肥や緑肥による土づくりを推進する
防風保安林や屋敷林の機能を見直し、適切に整備する
農耕地における生物の多様性を目指すため、上士幌に適した新しい農業形態
を模索する
【具体的提案】
シリクニ川、ナイタイ川、居辺川周辺に水源涵養林<解説⑬>を植栽する
提 案 2
提 案 2
家畜ふん尿の対策を講じ、環境保全型農業を推進する
河畔林等を保護し、十勝の水源と河川環境を守る
飲料水の安全性を確保する
【具体的提案】
給水地周辺への土砂や家畜ふん尿等の流入防止対策を図る
給水施設、特にナイタイ川の上士幌市街簡易水道施設を移設する
資料-17
【具体的提案】
(家畜ふん尿の)堆肥化技術のコスト軽減を図り、汎用化する
完熟堆肥の活用促進を図る
有機農産物等の生産技術の普及、販路の開拓・拡大、ブランド化等を図る
【提案の背景】
上士幌町は、十勝平野の北部、大雪山国立公園の東山麓に位置しており、広ぼうは、東
西に 18.2km、南北に 48.0km と南北に細長く、標高も上士幌市街地が 217m に対して三国
峠は 1,139m と標高差に富んだ地域です。居住地域も、ニペソツ山やウペペサンケ山を背
【提案の背景】
景とし音更川の源流域に位置する十勝三股∼糠平地域、ナイタイ高原牧場を背景とし音更
上士幌町の農業は、畜産経営が49%、畑作経営が45%と、畜産と畑作がほぼ半々の
川の上流域に位置する市街地域、その周辺には基幹産業である農業を営む農村地域に分布
割合です。また、年々規模拡大が進み、平成16年の農家1戸当りの耕地面積は 41.9ha
しています。従って、上士幌町は、十勝全体の水環境を守るために非常に重要な役割を果
となっています。耕地には、小麦、ビート、豆類、馬鈴薯の4作物を作付けするほか、デ
たしています。
ントコーンや牧草などの飼料作物や一部野菜類も作付けされています。農地は、4作物に
上士幌町の水環境は、「音更川」「居辺川」「サックシュオルベツ川」とそれらの河川
よる輪作、緑肥の導入、堆肥と麦稈の交換や交換耕作などにより地力の維持が図られ、大
に流れ込む数多くの支流や地下水で形成され、生活用水や農業用水などに利用されていま
型機械の導入により硬くなった畑へは排水性と生産性の向上のために明暗渠が整備され
す。
ています。
しかし、昨今、風害、霜害、水害などによる減収や土砂の流出が発生しています。これ
は、耕地防風林の減少と何らかの因果関係があると考えられます。「土づくり」といっし
ょに「耕地防風林のあり方」を見直す必要があります。
また、家畜ふん尿については、飼養頭数の増加に伴う排出量の増加、耕種圃場での野積
み、高額な設備投資とその投資が乳価に反映されないなどの多くの課題があります。これ
らの課題に対して何らかの対策が必要です。
昨今、降雨による河川の氾濫、災害などが頻発しており、河川や地下水に家畜ふん尿や
化学物質が流入・浸透する可能性も否定できません。
河川の氾濫や災害の原因は、森林の持つ保水機能や水源涵養林の機能が低下しているた
めだと考えられます。
水源・水質の保全、河川環境の保全を図るなど、安全で安心な生活を保証することが必
要です。
町民、事業者、行政のあり方
Ⅶ 環境学習・教育を充実し、有益な情報を発信する
提 案 1
【具体的提案】
環境問題に対して率直に意見交換する場を設ける
環境問題を身近に考えよう
環境に関する疑問点を積極的に出し合う雰囲気づくり
提 案 2
提
案 日常生活において、環境に配慮した取り組みをできる事から実践する
様々な取り組みを工夫しトライする
情報の提供と共有
2.事業者の心構え
未来を担う子どもたちに「環境保全型社会」の学習機会を充実させる
【具体的提案】
学校給食残渣による堆肥づくり
堆肥を利用した学校菜園の取り組み
節電、節水の徹底
資料-18
提 案 3
1.町民の心構え
上士幌における環境問題の実態を把握しよう
提
案
事業の実施にあたって、環境に配慮し、事業に伴う環境への負荷の低減
を図る
法令等を遵守する
情報の提供と共有
地域住民等への情報発信
3.旅行者への配慮
【具体的提案】
どのような環境問題が起こっているのか共通認識として持つ
みんなで対策を考える
得られた様々な知見や知恵を共有し、地域全体で取り組む
提
案 旅行者に対してホスピタリティをもって接する
旅行者の意識を把握し、適切な措置を講じる(負担も配慮)
上士幌町の環境についての情報を提供する
【提案の背景】
環境に配慮した取り組みを行うには、ルールづくりとそのルールを守るモラルを養って
4.行政の役割
いくことが大切です。子どもたちへは、家庭教育、社会教育、学校教育などを通して意識
付けをしていく必要があります。
地域住民へは、ゴミ問題だけではなく、エネルギー資源や地域資源とその活用や保全に
関して多くの情報を提供していくことが必要です。
環境保全の行動は、地球規模で考え、地域から取り組む必要があり、上士幌町の取り組
みを十勝、北海道へと発信していくことが大切です。
提
案 環境保全の施策を推進し、町民や事業者の取り組みに対して支援する
推進組織などの育成と適正な支援
地域住民等との意見交換の場を設定する
情報の提供と共有
用語解説
解説①【ゼロエミッション】
地球の限られた資源の使用効率を高め、廃棄物(エミッション)がゼロにな
ることを目指すという考え方。1994 年に国連大学が提唱(提唱者は元国連大学
学長顧問ギュンターパウリ氏)したもので、単なるリサイクルや廃棄物の減量
化を示したものではなく、原材料の種類、生産・流通プロセスの見直しなど、
あらゆる段階での環境負荷低減を志向するもの。21 世紀の産業界のあり方を示
唆した。
解説②【スピードバンプ】
舗装道路上を横切るように設ける、帯状(断面が台形・弓形状)の隆起部分。
住宅地などで自動車を減速させる目的で設けるもの。単にバンプともいう。ロ
ンドンでは、「眠る警察官」ともいわれている。最近では、車へのダメージ軽減
のため、低速で通過すると萎むコブ(エアーイン式スピードバンプ)が開発されている。
資料-19
解説③【循環型社会】
大量生産・消費・廃棄に代わり、製品の再生利用や再資源化などを進めて新
たな資源投入を抑え,廃棄物ゼロを目指す社会。2000 年、生産者に廃棄物の最
終責任を求める循環型社会形成推進基本法が制定された。
解説④【地球サミット】
国連環境開発会議。1992 年ブラジルのリオデジャネイロで開かれた国際会議。
各国の政府代表と NGO が環境問題と南北問題を論じ、リオデジャネイロ宣言・
気候変動枠組み条約・生物の多様性に関する条約・森林原則宣言・アジェンダ 21
などが採択された。
解説⑤【気候変動】
長い年月の間に気候が変動すること。気候変化と同義にも使うが、気候変動
は、時間スケールが短いものに使うことが多い。
解説⑥【生物多様性、生物多様性条約】
遺伝子・生物種・生態系のレベルで多様な生物が共存していること。その経
済的価値に加えて、多様性そのものに固有の価値があるとされる。
「生物多様性条約」とは、生物の多様性の保全と生物資源の持続的な利用、
遺伝子資源から得られる利益の公正で公平な分配を目的とする条約。1992 年の
地球サミットで採択。
解説⑦【京都議定書】
1997 年(平成 9)の気候変動枠組み条約第 3 回締約国会議で採択された、二
酸化炭素などの温暖化ガス排出量の削減計画。2008 年から 2012 年の 5 年間
で、先進国の温暖化ガス平均排出量を 1990 年比で 6%削減することを取り決め
た。〔2005 年 2 月 16 日発効〕
解説⑧【オオモンシロチョウ】
1996 年(平成 8)、北海道積丹周辺で発生が確認された外来昆虫。キャベツ等
のアブラナ科野菜の害虫として知られる。ヨーロッパから東アジアにかけて分
布するが、モンシロチョウより分布域が狭く、中国北東部や日本などの地域で
は最近まで発生が確認されてなかった。
解説⑨【ニセアカシヤ】
マメ科ハリエンジュ属。北アメリカ原産の落葉樹。
高さ 20m程に生長する。枝に刺がある。一部野生化している。
解説⑩【イタチハギ】
マメ科クロバナエンジュ属。北アメリカ原産の落葉樹。
高さ 3m、砂防用に植栽され、一部野生化している。
解説⑪【サンクチュアリ化】
サンクチュアリとは、聖域・聖所の意。鳥獣の保護区・禁漁区。北海道では、
1981 年に苫小牧のウトナイ湖、1995 年に根室の春国岱原生野鳥園がバード・サ
ンクチュアリとして設置されてる。また、2005 年知床地域が世界遺産として登
録された。
「サンクチュアリ化」は、上士幌町環境住民会議で議論した言葉で、『保護
と活用(開発)のバランスを図りながら動植物の聖域を目指していこう』とす
るもの。
解説⑫【ミユビケラ】(資料提供;十勝三股森づくり21)
ミユビケラは、トウヒ属のエゾマツやアカエゾ
マツの皮の下に潜むキクイムシやカミキリムシを
食べる北方針葉樹林に棲むキツツキ科の鳥。
日本には10種類のキツツキが生息している。
そのうち、ミユビゲラ、ヤマゲラ、コアカゲラの
3種は、我が国では北海道にのみ棲んでいる。
キツツキ類を含めてほとんどの鳥類は4本のゆび
をもっている。しかしミユビゲラには親指にあた
る第1指がなく、3本の指しかない。ミユビゲラ
の名前はこの3本の指に由来する。
多くのキツツキは頭に赤い羽毛を持っているが、
ミユビゲラ(オスのみ)の頭は黄色。
ミユビケラは、1988 年に十勝三股で観察されたのが最後。「十勝三股森づく
り21」では、ミユビケラが棲息できるような森林を回復させる活動をしてい
る。
資料-20
解説⑬【水源涵養林】
水源の確保、洪水の防止、河川の保護などのための保安林。
< 参 考 資 料 >
1
環境住民会議名簿
2
提案書作成の経過
3
環境通信(会議議事録)
4
環境アンケート
5
環境住民会議
資料集
1 「かみしほろの自然と環境を考える会」名簿
2 提案書作成の経過
(1)環境住民会議
№
1
氏
衣
名
笠
力
個/団
事業所/団体名
住
個人
9区
所
資料-21
2
田
中
正 大
個人
8区
3
小
川
美 喜
個人
14 区
4
高
田
清 蔵
個人
10の2区
5
加
藤
宣 夫
団体
北海道猟友会上士幌支部
15区
6
橘
内
伸 幸
団体
上士幌建設業協会
12区
7
阿
部
文 雄
団体
上士幌建設業協会二世会
11区
8
大
西
康 宏
団体
上士幌町農協青年部
居辺
9
大
平
敬 子
団体
上士幌町農協女性部
居辺
10
宮
内
雅 吐
団体
上士幌町農民同盟
居辺
団体
地域の宝さがしの会
3の2区
11
宗
重
仁
12
山
本
正 明
団体
上士幌町商工会
3区
13
杉
井
達 広
団体
商工会青年部
14区
14
市
川
律 子
団体
商工会女性部
4区
15
中
村
準 一
団体
上士幌町観光協会
糠平
16
辻
本
涼 子
団体
ひがし大雪博物館友の会
16区(糠平)
17
川
辺
百 樹
団体
十勝三股森づくり21
糠平
18
倉
持
勝 久
座長(帯広畜産大学助教授)
帯広市
①
第1回会議
日時/場所
5月25日(水)19時∼/山村開発センター第2研修室
内
計画づくりの概要と上士幌町の課題をピックアップ(1)
②
容
第2回会議
日時/場所
6月22日(水)19時∼/山村開発センター第2研修室
内
講話「地球環境の現況とわたしたちの役割∼地球環境を守るた
容
めのヒント∼」、上士幌町の課題をピックアップ(2)
③
第3回会議
日時/場所
7月21日(木)19時∼/山村開発センター第2研修室
内
「市街地の環境について」意見交換
④
容
第4回会議
日時/場所
8月24日(水)19時∼/山村開発センター第2研修室
内
「糠平∼十勝三股地区について」意見交換
⑤
容
第5回会議
日時/場所
9月26日(月)19時∼/山村開発センター第2研修室
内
「農村地区について」意見交換
⑥
容
第6回会議
日時/場所
11月10日(木)19時∼/山村開発センター第2研修室
内
提案書(素案)の検討
容
3 環境通信(会議議事録)
事 務 局:企 画 課 環 境 計 画 担 当
「かみしほろの自然と環境を考える会」では、会議録として『環境通信』を発
行しました。
4 環境アンケート
(1)小学生(5、6 年生)/中学生/高校生アンケート
実施期間
4月25日∼6月30日
回答者数
小学生;76人/中学生;108人/高校生;91人
(2)町民アンケート
実施期間
5月25日∼6月16日
回答者数
230人(全戸配布。2,232 戸)
(3)団体アンケート
実施期間
5月25日∼6月16日
回答者数
9団体(21団体に配布)
(4)事業所アンケート
資料-22
実施期間
5月25日∼6月16日
回答者数
22事業所(46事業所に配布)
(5)旅行者アンケート
実施場所と期間
・ナイタイ高原牧場レストハウス
6月1日∼7月31日
・ファーマーズキッチンとかち野
6月1日∼7月31日
・第 32 回バルーンフェスティバル
8月6
・三国峠休憩施設
9月10日∼10月23日
・三股山荘
9月10日∼10月23日
・富士見観光ホテル中村屋 9月10日∼10月23日
・ひがし大雪自然ガイドセンター9月10日∼10月23日
回答者数
250人
5 環境住民会議
資料集
町の課題を議論するに当たって、「かみしほろの自然と環境を考える会」では、
町の現況データを資料として整理し情報を共有しました。
環境通信
編集/発行;かみしほろの自然と環境を考える会(環境住民会議)
<事務局>℡ 2-2111(内線 263) FAX 2-4637
○
自己紹介
「計画づくりの概要」の説明のあと、自己
紹介を行いました。
自己紹介カードに名前、
5 月 25 日(水)、
『かみしほろの自然と環境を考える会』が発足し、同日、第 1 回目の会議
住所、会議参加の目的、
が、午後 7 時より山村開発センター第 2 研修室で開催されました。
かみしほろの自然と環
参加された委員の皆さんからは、「子供の頃遊んだ環境を今の子供たちに!」、「環境を守
境に対してひと言を記
るために何ができるか勉強したい」などのご意見をいただきました。
入しました。このカー
これから 1 年間、倉持先生のアドバイスをいただきながら、委員の皆さんいっしょに学ん
ドを使っての自己紹介
でいき、この会議から情報を発信できればと考えています。
・・・カードを使って
自己紹介しました。
千葉助役のあいさつ後、事務局より「計画
づくりの概要」についての説明がありました。
その概要をお知らせします。
をピックアップし、対策や目標を検討して
いきます。
環境基本計画とは・・・
環境基本計画は、かみしほろの豊かな自然
資料-23
と恵まれた環境を守り育てて、その精神も一
緒に子供たちに引き継いでいくことを目的と
しています。
この計画は、今年 4 月 1 日にスタートした
上士幌町環境基本条例に基づいて作っていき
○
自己紹介でのご意見・・・
○
町の課題をピックアップ
ました。自己紹介カードにご記入ただいた内
容を中心に、以下に整理させていただきまし
町の現況をスライド
を使って紹介しました。
たのでご参照ください。
危惧種リストや移入種リストを環境住民会議
主に『ゴミ』と『家畜
<自然環境>
で作成します。
(ひがし大雪博物館に依頼しま
ふん尿』について紹介
◎全般
す。)
しました。
また、上士幌に生息する野生動植物の絶滅
1.変わっていく上士幌の自然環境、大切な姿
そのあと、2つの班
ます。
○
○
たいと思います。
自己紹介では、たくさんの話題提供があり
「提案書」にはアンケートやシンポジウム
ます。
で、ご参照ください。第 2 回の会議で活用し
畜ふん尿のこと』
『居辺川のこと』など、たく
さんの話題提供がありました。
での町民の皆さんのご意見も取り入れていき
↑【2班;課題(問題点)のピックアップ】
委員の皆さんに書いていただいた、
『上士幌
町の課題(問題点)』は別紙に転記しましたの
参加された委員の皆さんからは、
『森林のこ
と』
『希少な動植物のこと』
『ゴミの問題』
『家
この検討内容を「提案書」にまとめて、
町長に提出します。
○
となりました。
座長に倉持先生。
計画は誰が作るの?・・・
が失われて行く・・・歯止めをかけることが
に分かれて、委員の皆
できれば・・・
・・・課題をタックメモ
に書いていただきま
した。
これから 1 年間、環境
さんに「町の課題」を
町長が作ります。
住民会議を進めるのにあ
ピックアップしていた
町長は、環境住民会議(本会議)からの提
たって、座長として、帯
だきました。
案や町民・事業所・各種団体からのご意見を
広畜産大学の倉持勝久助
3.上士幌は自然そのままの森林に魅力がある
十分に聞いて、計画を作り、町民の皆さんに
教授にお願いしました。
4.十勝三股で森林復元活動に取り組む
会議の最後にはまとめ
公表していきます。
環境住民会議の役割は?・・・
・・・倉持勝久助教授
2.十勝の水問題に興味(水量、水質)
◎森林
5.上士幌町の森林は著しく劣化している。上
のコメントをいただきま
○
◎河川、湖沼、地下水
士幌の自然の実態を再認識する必要がある
した。
6.上士幌の自然(樹林)を残したい
来年の 2 月までに 7 回の会議を予定してい
7.街周辺の雑木林等が次々に消えて、とても
ます。
残念に思う
毎回テーマを絞って開催していきますが、
◎農地
主に、上士幌町を市街地区、農村地区、糠平・
8.酪農経営上、家畜ふん尿対策をしたり、減
十勝三股地区に分けてそれぞれの地区の課題
↑【1班;課題(問題点)のピックアップ】
・・・委員の皆さん
化学肥料や有機物の使用による飼料作物の
栽培を考えている
◆環境通信 Vol.1~Vol.7
発行日;2005.6 月
Vol.1
9.環境にやさしい農業を行っているだろう
か?
10.農村地帯の防風林、防風帯は保存だけではな
く造成も検討するべき
11.農薬について、子供たちの身体への影響を懸
念している
◎動植物
12.十勝三股はミユビケラのわが国唯一の繁殖
記録地である、ミユビケラの生息できる森林
の復元が必要
13.居辺川に魚類がいなくなった。子供の頃はよ
く魚釣りをやったのに・・・
<地球環境>
27.節電、節水、ゴミの減少など家庭で、できる
ことから取り組む・・・
第 2 回環境住民会議の日程を、都合により
変更させていただきました。お手数ですが、
28.上士幌の良さ、その他町のことを町外の人達
に知ってもらいたい
29.我が町にも『道の駅』のようなものを作って
《情報発信》
︵帯広市︶
山本正明さん
倉持勝久先生
宮内雅吐さん
︵上士幌町商工会︶
︵商工会女性部︶
︵上士幌町農民同盟︶
︵10の2区︶
高田清蔵さん
市川律子さん
大西康宏さん
田中正大さん
︵博物館友の会︶
橘内伸幸さん
︵農協青年部︶
︵8区︶
辻本涼子さん
︵上士幌建設業協会︶
︵商工会青年部︶
杉井達広さん
仁さん
26.河川敷・陸側の植樹《河畔林の復元》
︵宝さがしの会︶
36.自然の一部を借りている。いずれは返さなけ
25.街に緑が少ない
宗重
35.自然の中で生かされている
20.ゴミが落ちていない町であってほしい
24.市街地の中に街路樹を
︵農協女性部︶
◎生態系
◎ゴミ
23.町内町道側帯の植樹
委員の皆さん
大平敬子さん
ランス感覚が必要
環境住民会議
︵猟友会上士幌支部︶
されているもの、その利用について高度なバ
19.生きている火山丸山(噴泉塔)や昔の火山な
◎緑化、花壇、公園
すようお願い申し上げます。
加藤宣夫さん
がある
34.開拓の中で失われたもの、得たもの、現在残
◎資源
22.空地、空家の対策はどうするのか?
の皆様におかれましては、ご査収くださいま
︵9区︶
資料-24
今のうちにその姿を残し、保存していく必要
◎景観
また、
『委員名簿』を作り直しました。委員
いたいと思います。
衣笠 力さん
い
キタキツネ、シマフクロウなどの楽園に(サ
<居住環境>
ますようお願いします。
︵森づくり21︶
32.町の皆が利用できる公共の場を残してほし
33.古い時代のものが段々無くなって来ている。
身の生活を見直していきたい
員の皆さんのご意見を《ふくらます》、《実
態を探る》、《掘り下げる》などの作業を行
川辺百樹さん
て住みやすい町に・・・
18・糠平から奥地を鳥獣保護区に・・・エゾジカ、
21.道路の沢山のゴミにおどろき、今後の自分自
出欠のご報告を事務局まで連絡してください
◎まちの将来
◎歴史に学ぶ、先人の遺産
ど三股盆地に光をあてよう
先生の講話のあと、今回お知らせした、委
<その他>
17.東泉園近隣の林を保存できたら・・・
<生活環境>
6 月 23 日(木) ⇒ (変更) 6 月 22 日(水)
第 2 回環境住民会議では、倉持先生から、
『地球環境の現況とわたしたちの役割』とい
す。事務局としても楽しみにしています。
31.30 年、40 年後の上士幌が、子供たちにとっ
ンクチュアリ)
会議日程が変更になりました・・・
うテーマ(予定)でお話しをしていただきま
15.昔はたくさんいた動物、植物等が増える環境
ら・・・
○
◎情報
30.子供の頃遊んだ環境を今の子供たちに!
16.萩ヶ岡のチョウセンゴヨウ林を保存できた
第 2 回会議は先生の講話です・・・
<教育・学習環境>
14.家の周りの小川に『ザリガニ』がいる
の町であってほしい
○
◎地球温暖化
ればならない
◎わたしたちの役割
37.町の団体・組織(老人クラブ)として、どん
なことが協力できるのか・・・
38.環境を守るために自分(町民)は何ができる
のか・・・
39.町の団体・組織(商工会女性部)として、環
境美化に取り組んでいる
<ご欠席された委員の方>
小川美喜さん(14 区)
阿部文雄さん(11 区)
中村準一さん(糠平)
次回(第2回会議)は、6月22日(水)19時∼ 山村開発センター第2研修室です。
事務局;企画課環境計画担当 吉永、深瀬、中田 TEL:2-2111(内線 263) FAX:2-4637
環境通信
発行日;2005.7 月
Vol.2
編集/発行;かみしほろの自然と環境を考える会(環境住民会議)
<事務局>℡ 2-2111(内線 263) FAX 2-4637
6 月 22 日(水)、第2回目の環境住民会議が山村開発センター第 2 研修室で開催されまし
た。急な日程変更と雷雨のせいか、参加者は 10 人となりましたが、座長の倉持先生の講話、
参加者全員による座談会が行われました。
座談会の中では、
「虫が食糧?」
「家畜ふん尿」
「光触媒」
「アスベスト(石綿管)」
「コンビ
「いかに食糧を確保するか」
「いかに利便性
○「生態系」とは・・・
を追求するか」という命題の基に、農地の拡
大、生産性の向上、急速な都市化など、人類
生態系とは、その構成要素である、生産者
の「環境負荷」が増大していきます。その背
の「植物」・消費者の「動物」・分解者の「微
景には、人類の進化の過程で起こった三大革
生物」がバランスよく存在し、物質がスムー
命である「化学革命」
「産業革命」
「農業革命」
ズに循環していることを言います。
がありました。
○環境保全の裏事情①
生態系って何?(物質循環システムについて)
「食糧」
消費者(動物)
ニ袋」「デポジット制」「ポイ捨て」など、様々なご意見を出していただきました。
特に、今回の座長の講話を聞いて、
「根本的な課題を再認識した」
「子供たちに聞かせてや
りたい」「環境保全の意識は子供たちから」などのご意見があったことが印象的でした。
今回の会議の内容は、「号外 No1:講話編」「号外 No2:ブレスト編」に収めてありますので
世界の人口は 15 年後に 100 億人を超えると
予想されています。
一方、2000 年まで順調に伸びてきた穀物生
産量は 18 億トンで頭打ちとなります。
ご覧下さい。
生産者(植物)
現在の穀物消費量は、アメリカ人が 470kg、
分解者(微生物)
インド人が 200kg、日本人は 390kg/年・人で
「地球環境の現況とわたしたちの役割」
∼地球環境を守るためのヒント∼
と題して、座長の倉持先生からの講話があり
二番目は、
「他人がやっているから」で、三番
す。このままの生活を続ければ、世界の食糧
目は「自分の周りが変わってきたという危機
事情が悪化するのは明らかです。
感」です。
資料-25
ました。その概要をご紹介します・・・
○環境にやさしいリサイクルって何?
○地球環境の変遷
次のうち環境にやさしいリサイクルはどれ
地球が誕生したのは、46 億年前。その当時
でしょうか?
1.ペットボトル
世界的に食糧が枯渇するという危機感は、
地球生態系を大きく 3 つに分けると、
「自然
戦前・戦後の食糧難とは比較にならないかも
生態系」「農業生態系」「都市生態系」に分け
しれません。
ることが出来ます。
「自然生態系」は、
「人為的な影響をほとん
の地球は「二酸化炭素」に覆われていました。
35 億年前に生命が誕生し、地球上に「酸素」
○環境保全の裏事情②「中国経済成長」
で受けていない生態系」のことで、残渣物が
中国の生活水準は、現在、日本の昭和 30
無いということで、ゼロエミッションといい
年代から 40 年代だそうです。この中国が、日
ます。物質循環がスムーズに行われている生
態系です。
2.アルミ缶
が存在するようになって始めて「物質循環=
本と同じような経済成長をすれば、中国の人
3.スチール缶
生態系」が起こるようになりました。そして
口が 13 億人ですから、単純に日本の 13 倍の
4.新聞紙
人類が 700 万年前に誕生し、その私たち人類
環境負荷が起こると考えられます。
5.ガラス瓶
の進化に伴い地球の生態系もどんどん変化す
こんな「問い」をきっかけに座長の講話が
ることになります。
はじまりました。答えは「環境通信 Vol.2 号
外№1」に掲載してあります。
46億年前
地球の誕生
のヒトは答えますが、その理由で一番多いの
は、
「問題を起こしてきたのは自分だとの自己
反省から、子供たちに快適に暮らせる社会を
創ってあげたい」ということです。
35億年前
生命の誕生
自然生態系の構築
かといって、中国人に「我慢しろ」とは言
地球の
生態系
700万年前
60年前
農業革命が起こる
急速な人口の増加
耕地面積の拡大(焼き畑)
化学農薬や化学肥料の大量使用
人間の誕生
160万年前
人間が火の使用を始める
人間生活における文明の開始
150年前
産業革命が起こる
化石燃料の使用
人工化学物質の使用
都市の形成
が収奪してしまうため、そこに群がる消費者
や分解者を排除してしまっています。従って、
ければなりません。
生態系のバランスが崩れてしまっており、物
宇宙の誕生
現在
工業や農業における
さらなる発展
「農業生態系」は、生産者が極端に多い生
態系で、生産された農産物(生産者)を人間
えません。中国人が納得する方法で解決しな
(※これは、講話後の討論会での内容です。)
137億年前
○「環境を守ることは大切」の理由
「環境を守ることは大切なこと」だと大方
○自然、農業、都市生態系
質がスムーズに循環しません。生態系を正常
化するためには、不足する物質を補う必要が
○化石燃料の消費と温室効果ガス
あります。
また、化石燃料もあと 100 年くらいで枯渇
「都市生態系」は、人間生活に適した生態
してしまいます。一方で温室効果ガスの「二
系で、消費者が極端に多いことから、やはり
酸化炭素」は徐々に大気中に蓄積されます。
生態系バランスが崩れています。「都市生態
大気中の二酸化炭素が極端に増加しないの
系」では、
『廃棄物を循環させる』、
『バランス
は、海洋中の炭素が緩衝的に働いているから
です。
を回復させる』ことが重要課題です。
○環境問題解決の糸口・・・
○「リサイクル」の心構え
現在の「自然生態系」は、地球が誕生した
当時と比較すると破壊が進んでいます。
「生物
の多様性を保持すること」に主眼を置き、
「自
然保護」
「破壊の回復」に取り組むことが重要
ゴミの減少(リデュース)のためには「資
源の無駄遣いをなくす」。
再利用(リユース)のためには「様々な工
夫にトライする」。
リサイクルのためには「ゴミの徹底した分
です。
「農業生態系」と「都市生態系」は、生産
性や利便性を追及したあまりにさらに破壊が
別をする」
という心構えが大切です。
進んでいると同時に生態系の構成要素のどれ
<農業生態系>
(1)生態系を正しく認識する
・防風林が減少している
物質循環のメカニズムを知る
・家畜ふん尿の循環がスムースにいかない
(2)環境問題を楽しく取り組む
・大規模化により農地の生態系が均一化し
楽しく取り組める方法を模索する
ている
(3)「守る資源」と「活用する資源」
<都市生態系>
・街中の森林が少ない
「守る資源」と「活用する資源」を見極める
(4)廃棄物の循環システムを構築
・ゴミが増加している
3R;
「リデュース」
「リユース」
「リサイクル」
・ゴミのポイ捨てが多い
を以下の 3 つの基本理念のもとに再考する
・気軽に遊べる公園がない
・無駄な廃棄物を出さない
かに歪みがあります。
「破壊の回復」と積極的
○「寄生」から「共生」へ
・路上駐車が解消されない
・廃棄物を適切に処理する
な「環境の改善」が必要です。
今まで人類が行ってきた自然環境からの
・老朽化した建物、空家、空地の対策が遅
・不足する要素を補う
この考え方は、今後、環境住民会議で「市
「一方的な収奪」をやめて、
「自然と共生」す
街地区」「農村地区」「糠平・三股地区」を考
ること、自然から享受した恩恵を自然に返し
えていく上でも参考になります。
てやることが重要です。
そして、環境問題に取り組む時には、
「グロ
○環境保全の具体的手法
∼3R∼
「廃棄物」の増加は、資本主義社会の不可
れている
<その他(情報・地域資源)>
・適切な環境行政が行われていない
「町の課題」を各地区に当てはめてみる
4 つの「町の課題」を「市街地区」
「農村地
資料-26
・情報発信が不足している
区」
「糠平・十勝三股地区」に当てはめて考え
ーバルに考え、ローカルに行動する」という
・資源が有効に活用されていない
てみました。今後の会議における討論のテー
意識も必要です。
・上士幌の良さ、地域資源の認識が低い
マとしてみてはどうでしょうか?
町の課題
●各地区の(主な)生態系の位置付け
避なリスクでした。経済を維持するためには、
大量生産、大量消費が必須でした。従って、
「町の課題」を整理しました。
「寄生から共生へ」
「犯人探し」をするのは無意味です。これか
次回以降の討論のベースにしたいと思います。
従来のわたしたちの生活は、収奪を繰り返
市街地区
都市生態系
らは、
「資源」や「廃棄物」と上手に付き合っ
座長の講話後、参加者全員による「座談会」
す「寄生型」でした。この生活様式を「共生」
農村地区
農業生態系
糠平・十勝三股地区
自然生態系
ていく意識と方法を考えることが重要です。
そこで、「3R」。
「リデュース」は『使用するものを減らす』
「リユース」は『製品をそのまま再利用する』
です。
3つ目のRは、「リサイクル」で、
『資源・
廃棄物を循環させる』ことです。
「リサイクル」
には「熱源(サーマル)」
、
「材料(マテリアル)」
を約 1 時間かけて行いました。その内容は、
へ転換するため、以下の 4 点を課題として整
「号外 No2:ブレスト編」に納めてあります。
理しました。
次回の会議からはいよいよ各地域の課題と
対策を検討することになります。
そこで、今回の座長の講話や座談会そして、
第 1 回でのご意見を総合して、町の課題を整
理しました。
町の現況(第 1 回会議・115 件のご意見)
「原料(ケミカル)」として再利用する3つの
リサイクルの手法があります。
「熱源」として
の再利用はそこで循環がストップしてしまい
(1)我々と子供たちの健康を確保する
を形成しています。
(安全・安心を獲得するために)
(2)破壊の回復、環境の改善を図る
(生態系バランスの歪みを修復する)
(3)生物の多様性を保持する
(自然保護)
(4)循環型社会をつくる
町全体の現況を次のように整理しました。
※3つの生態系が相互に関与して上士幌町の生態系
(3Rの実践、新たな環境負荷の回避)
(1)安全・安心を獲得するために
〇都市生態系(市街地区)では・・・
⇒「憩いの場(地域資源)」の保護
〇農業生態系(農村地区)では・・・
⇒「食糧生産(農地)」の保護
〇自然生態系(糠平・三股地区)では・・・
⇒「水環境(自然環境)」の保全
<自然生態系>
ます。
「原料」としての再利用には、多大なエ
・水環境が悪化している
環境問題を解決するためのヒント
ネルギーと新しい技術が必要とされます。現
・森林が減少・荒廃している
第 2 回の座長の講話では、
「環境問題を解決
状、「材料(マテリアル・リサイクル)」がベ
・(希少)動植物が減少している
するためのヒント」をお話しいただきました。
ストだと言われいます。
・自然環境に対する認識が低い
具体的な解決方法は、今後の会議の中で、
委員の皆さんと考えていきたいと思います。
(2)生態系バランスの歪みを修復する
「過剰なものを減らし、不足するものを補う」
という観点で各地区を検証します。
〇過剰 ⇒「廃棄物」
〇不足 ⇒「収奪により欠損したモノ」
(森林、化石資源など)
(3)生物の多様性を保持する
<糠平・十勝三股地区(第 4 回)>
〇各地区(各生態系)における「既存の多
(1)水環境を保全するための方法を探る。
様性を保持する」ための方法を検討。
(2)生物の多様性を保持するための方法を
〇加えて、「失われた多様性を回復させる」
ことの意義や方法を考える。
探る。
(3)ゴミのポイ捨て対策を探る。
(4)「憩いの場(地域資源)」の保護につい
(4)循環型社会をつくる(3Rの実践)
〇「廃棄物」のリデュース、リユース、リ
サイクルを考える。
〇「廃棄物」も「資源」であると、再認識
する。
て考える。
<農村地区(第 5 回)>
(1)廃棄物を「減らす」
「再利用」するため
の方法を探る。
<廃棄物>;家畜ふん尿、廃プラスチック、
〇「守るべき資源」と「活用する資源」を
見極める。
未利用資源
(2)不足する要素を補うための方法を探る。
<不足する要素>;耕地防風林、リン酸資材、
「リデュース(Reduce)
」・・・減らす
「リユース(Reuse)」 ・ ・・再使用する
多様性
(3)技術の汎用性とコストを検証する。
「リサイクル(Recycle)
」・・・再生利用する
「アンケート」、残したいものを整理
資料-27
いま、町民・事業所・団体・小中学生・高
今後の会議のテーマ(案)
以下のテーマは(案)ですので、会議の進
校生のアンケートを回収しています。
町内にお住まいの皆さんが「残したいもの」
捗状況により修正していきます。
は何なのか、
「改善する点」はどこなのかを中
<市街地区(第 3 回)>
心に整理していきたいと思います。
(1)廃棄物を「減らす」
「再利用」するため
の方法を探る。
<廃棄物>;ゴミ(可燃、不燃、大型、資源)
(参考;コンビニ袋、デポジット制?)
この集計結果は、「憩いの場(地域資源)」
の保護について考えていく際の参考資料にし
ますので、第 4 回の会議までに集計していき
ます。
(2)不足する要素を補うための方法を探る。
<不足する要素>;森林、緑地
(3)化石燃料の消費軽減の方法を探る。
(4)楽しく取り組むための方法を探る。
(5)「憩いの場(地域資源)」の保護につい
次回は「市街地区」について考えます
次回、第3回会議では、
「市街地区」につい
て考えていきます。
「カードライト」、「プレゼンテーション」、
「ブレーンストーミング」という方法でワー
て考える。
※(5)は、<糠平・三股地区>の回に重点的に考
えていきます。
クショップを行う予定です。
次回(第3回会議)は、7月21日(木)19時∼ 山村開発センター第2研修室です。
事務局;企画課環境計画担当 吉永、深瀬、中田 TEL:2-2111(内線 263) FAX:2-4637
環境通信
発行日;2005.8 月
Vol.3
編集/発行;かみしほろの自然と環境を考える会(環境住民会議)
<事務局>℡ 2-2111(内線 263) FAX 2-4637
7 月 21 日(木)、第3回目の環境住民会議が山村開発センター第 2 研修室で開催されまし
た。翌日には4区商店街の行事が予定されていて、その準備にお忙しい委員さんもいらっし
ゃったためか、参加者は 10 人となりました。
今回の会議では、「市街地」の環境について話し合いました。前半はこれまでの会議での
ご意見を踏まえて、「こうなるといいなぁ」という『理想の街』についてのご意見を出して
いただき、後半は、座長を交えての座談会を行いました。
今回の会議の中で、
『わたしたちが居住地域(市街地区;都市生態系)に求めるものは、
「快
適さ」だ』、ということを再認識しました。その「快適さ」には、
「安全・安心」を前提とし
た潤いやゆとりのある生活を望む一方で、従来どおりの利便性やスピードも求めています。
「快適さ」のスタンダードをどこに据えるのか、そのスタンダードをいかに住民共通のもの
にしていくのか、が上士幌町の環境を守る『カギ』となりそうです。
「町に愛着を持つこと」。委員の皆さんのご意見は、常にここに軸足を置いて発言されて
いたように思います。
今回の会議の内容は、「号外 No1:カードライト編」「号外 No2:ブレスト編」に収めてあり
資料-28
ますのでご覧下さい。
の包装資材を活用
苗木跡地を移住者の受皿へ
●生涯学習センター前の広場の有効活用
⇒サクシュをボックスカルバートで目隠し。
●街中の家々を花や樹木
で飾る
⇒景観対策
●太陽光発電の個人への
導入促進 ⇒CO2 対策
⇒廃棄物の再使用
(リユース)
●家庭菜園を皆でやる
⇒リサイクルの本当
の意味を知るきっかけ。
●草刈りの省力化
⇒除草剤を使わない省力的な方法を
●営林署の苗畑跡地を有効
活用 ⇒2007 年問題。
移住者対策。
カードライトでのご意見をもとに、座長を交え
ての座談会を行いました・・・
花壇コンクールで情報発信
この座談会では、
『街を飾る』ためにはどう
●花壇コンクールをやって
したらいいのか?という論点で議論が進みま
町外にPR ⇒恵庭市
した。
『街を飾る』ことは、街に「快適さ」や
(恵み野団地)を参考
「愛着」が生まれます。その背景には景観や
●ゴミ集積場の設置
環境に気を配ることの大切さや、そのことを
⇒ゴミの散乱対策
子供たちに伝えていく責任感があるのではな
●街並みの緑化を推進
いでしょうか。
⇒植樹や草花を植える
前半のカードライト、そしてプレゼンテー
ションの中で、参加者の皆さんから出された
●町の歴史・地域資源の紹介
土地の確保
⇒子供たちに伝える(街への愛着の醸成)
ご意見の概要をご紹介します。
花壇・街路樹などの整備で街を飾る
★CO2 は現存の森では吸収しきれない★
住いの環境整備を皆で努力
温暖化の原因となる二酸化炭素は現存する
森林では吸収しきれないと報告されている。
美しい景観と街(町)への愛着
●全ての歩道に街路樹を植えて「通りの愛称」
をつける
⇒住民の気持ちが和らぐ
町の遺産∼環境マップづくり∼
●町民が「残したいもの」を上士幌町遺産に。
⇒保全の意識と町への愛着の醸成
●商店や個人のシャッターに熱気球の写真を
焼き付ける ⇒景観対策
●花壇づくり、花壇コンクールの実施
⇒景観対策、意識啓発
●市街地を取り囲む
花づくりは予算と受皿が大切
●「街中を花で飾る」商店街から発信。
⇒行政、商工会、町内会の協働。予算も検
討してほしい。
森林帯を整備する
●親子で遊べる緑多い公園
⇒緑化と防塵対策
の整備 ⇒安全、安心な
●芝生の駐車場を造る
⇒多目的な広場
として活用できる
●協働で除雪を徹底
⇒冬でも安心して歩ける街
憩いの場の確保
●サックシュオルベツ川の
対策 ⇒ゴミが多い。水
量が少ない。
生活排水?の流入。
●極日常、自由に遊べる
その対策として、植樹をして新しい木を育て
川を復元
ていく必要がある。中国では「退耕育林」と
⇒豊かな川を
子供たちに
いう政策を進めていいて、これは水環境の保
●住いの環境整備に個々
全に力点を置くもの。上士幌でも「森づくり
人が努力する ⇒景観対
21」という団体が十勝三股に森を回復させ
策と意識の相互醸成
る活動をしているし、また、商店街のギンカ
●ポイ捨てに罰則を
エデの下や町内の花壇を整備している。これ
⇒マナーを守る意識の啓発
らの活動に広がりを持たせるにはどうしたら
いいのか?
「捨てない」「拾う」意識を
●ゴミは「捨てない」「拾う」意識を
⇒自宅の周りのゴミくらいは拾おう
●食品などの計り売り
⇒包装資材の使用軽減とゴミの減少
●リサイクル可能な素材
★きっかけの予算と受皿が大切★
士幌町や鹿追町では行政の支援があった。
初年度は 300 万円の予算で花壇づくりの組織
に苗を配って整備した。それが商店街から一
般家庭まで広がってきた。ただし、現在では
町の支援は 10 分の 1 になっている。
★苗生産の仕組み作りと意識改革★
ただ、日本では、コンビニのゴミ箱にゴミ
鹿追町では農家のお年寄グループに苗の生
があふれかえって、経営者が困っているとい
産を委託している。苗生産から花壇整備まで
う実態もある。管理ができないなら無い方が
のシステムが出来上がってる。
いいのかもしれない。
一方で、住民の中では周りが「綺麗に花で
飾り」始めたから自分もやらざるを得なくな
った。そういったところから意識が変わって
★「ゴミは持ち帰る」習慣を身に付ける★
近年、国外の都市にはゴミ箱が無い。
「ゴミ
は持ち帰る」意識が非常に強い。
ゴミの減量と資源リサイクル
することが人件費の削減になる。
★リサイクルの第一段階は分別の徹底★
★ゴミの減量と食品の包装★
ゴミ処理場の埋立地を見ると、資源ゴミに
食品などの過剰包装というのはゴミが沢山
なるものは徹底して分別するべきだと思う。
出る。資源の無駄遣いとの見方もある。この
「埋立地をできるだけ長く使いたい」という
包装をシンプルにするべきだ。
こともあるが、資源ゴミを資源として扱うこ
★食品の包装は安全性を重視★
とがリサイクルの第一段階であるし、我々の
日本の富士山においてゴミのポイ捨てが非
食品の包装はその「安全性」が大前提とな
責任。極端な例では、プラスチックのゴミに
★競い合う気持ちが「広がり」につながる★
常に多いのはゴミ箱があるから。ゴミ箱があ
る。昔ながらの竹の皮なんかの包装では食中
金属ゴミが混じっていたら、せっかくの資源
綺麗にすると、やらないではいられなくな
ふれるとその周りに捨てる。汚いからゴミを
毒の回避には疑問が残る。発展途上国では、
が使い物にならない。
る。段々周りもそうなってくる。中札内の花
捨ててもいいという意識が生まれる、という
食の安全は自分で獲得する意識が強いから生
★有料化が分別徹底のきっかけに★
壇や置戸町の植樹もそう。
悪循環。
ものはほとんど食べない。日本でも昔は防衛
帯広市ではゴミ有料化の際に資源ゴミはタ
★「楽しく取り組む」ことも大切★
★「掃き出し窓」的思考★
意識はあったが、流通の発達に伴い安全性は
ダにした。こうすると、タダのゴミにしよう
きた。
何故、植樹や花壇づくりをやらなければな
日本人には昔から「ウチとソト」という意
与えられるものになった。食の安全性は守っ
と分別を徹底する。上士幌も有料化の際には
らないんだという理屈を知ることや、森や花
識が強い。家の中は綺麗にして外は汚くても
ていかなければならない。
資源ゴミはタダだから、分別徹底のいいきっ
づくりを楽しく取り組むための方法を工夫す
平気だという感覚。
「掃き出し窓」というのは、
★食の安全は消費者も努力するべき★
かけになる。
ることも大切。そして子供と一緒に取り組む。
居間にある大きな窓のことで家の中のゴミを
★キーワードは「快適さ」★
外に掃き出すためのもの。そういったものに
めるだけでなく消費者も努力するべき。
★通過型の人達のポイ捨てが問題★
町民はお互いに注意し合ってゴミの減量な
資料-29
サミットバックの使用を拒否したり、容器
りリサイクルに取り組むことはできる。問題
の生活をいかに「快適」にするかということ。
論する必要がある。
包装をリサイクルする。インディアンカレー
なのは通過型の人たち。道路の側溝にポイ捨
街にたくさんの花や樹があって、ゴミ一つ落
★100 円入れないと使えないゴミ箱★
でやっている自前の容器にルーを入れてもら
てしてるのは通過型の人達が多い。ゴミの中
単にゴミ箱を設置するのは根本的な解決に
えば容器代がタダになる方式。この方式はお
には食べ残しもあるから、キツネやカラスが
はならない。100 円入れないと開かないゴミ
鮨の出前やスーパーなどの惣菜コーナーでも
食べ散らかす。二重三重の問題に発展する。
箱を設置して意識啓発を図るという方法もあ
できる。
★リサイクルの流れの公表も大切★
もなる。
る。基本的にゴミは自己責任で処分するとい
★利用者の要望が多様化している★
★子供たちの取り組みとお年寄パワー★
う意識を植え付けることが「ねらい」。
市街環境のキーワードは「快適さ」。私たち
ちてなければ、
「歩いて買い物に行こう」とい
う気持ちになる。
「街に愛着を持つ」ことが
きっかけ に
象徴される日本人の意識をどうするのかを議
食の安全に対して売り手側だけに努力を求
我々が分別した資源ゴミがどのように再利
用されているかという情報も公開するべきだ。
るが「要らない」というヒトと「無かったら
そうすれば徹底して分別することで将来の自
ポイ捨て防止の意識付けとして「罰則・罰
困る」というヒトとがいる。選別配布はでき
分達の生活が楽になるということを認識でき
もう一つは「お年寄パワー」。様々な「生き
金」は究極の方法だけれども、
「教育」という
ないから、配布を続けるか止めるかの選択に
るし、リサイクルもスムースに進む。
甲斐」に結び付けて「お年寄パワー」を引き
方法も有効。家庭教育、学校教育、社会教育
なる。判断が非常に難しい。
出してやることが大切。
の中で意識付けをすることも大切。
一番力を発揮してほしいのは「子供たち」。
子供たちに楽しくやらせることが大切。
ゴミ問題と意識付け
★意識付けとしての「罰則」と「教育」★
新聞のリフレッシュパックを毎月配ってい
★気付いたら「拾う」意識★
汚いところだとポイ捨てしても罪悪感が無
★ゴミに困るくらいならゴミ箱を設置★
ニュージーランドやオーストラリアでは各
い。反対にゴミ一つ無いところだと誰も全く
捨てない。「捨てない」「気付いたら拾う」意
マルリサイクル(燃やしている)している。
こと」と指導しているから、住民側が正しい
一生懸命分別したペットボトルが現在は燃や
理解をしていないのが原因。
されてるけれども、可塑性ペットボトルの技
★資源ゴミ収集業者の莫大な人件費★
術が研究されているから、今後は、ケミカル
古紙収集業者は、我々が分別した資源ゴミ
リサイクル(再生利用)が期待できる。
を再度分別している。ヒモや袋を剥がして、
紙だったらリサイクル何パーセントという
底して分別していて街中にゴミ一つ落ちてい
ベルトコンベアに乗せて新聞紙の束からチラ
情報を公表できるし、アルミ缶もリサイクル
ない。捨てられたゴミに困るくらいなら、ゴ
シなんかを抜く。この人件費が古紙のリサイ
率は高い。
ミ箱を設置してしまうのも一つの方法。
クル費用になる。我々の段階でキチッと分別
家の玄関先に大きなゴミ箱が 3 つあって、徹
識を持つことが大切。
ただ、ペットボトルについては、実はサー
町では紙類の資源ゴミは「ヒモで梱包する
まとめ∼「リスク」と「快適さ」∼
★『リスク』の優先順位をつける★
環境問題を考える上で『リスク』をいかに
管理するかが重要になってくる。
人類にとっての 2 大『リスク』は『食糧の
確保』と『水の確保』。
上士幌において「市街地区」
「農村地区」
「糠
平・三股地区」は共通する『リスク』もあれ
ばそれぞれ異なる『リスク』もある。
それぞれの地域で何が『リスク』なのかを
次回は、「糠平・三股地区」を考えます
次回、第 4 回会議では「糠平・十勝三股地
区」について考えていきます。
第 3 回の会議で充分に議論しきれなかった
テーマについても考えていきたいと思います。
会議時間の全てを使って、座談会形式のブレ
ーンストーミングを行う予定です。
テーマ(案)は、下記のとおりとしますの
で、多くの委員の皆さんのご出席と沢山のご
発言をお願いいたします。
考え、どの『リスク』を最優先させるかを見
極めることが重要。そして、この『リスク』
第 4 回会議のテーマ(案)
を考える上で背景となるのが『快適さ』であ
<前
る。だから、
「自然地域」においては、我々人
1.生活・居住環境におけるリスクとは?
半>
間が『快適さ』を追及する必要がないから人
「食糧の確保」、「水の確保」
類にとっての『リスク』は少ない。従って「で
その他・・・
きれば手付かずのままがいい」という論理展
資料-30
開になる。
2.生活・居住環境における快適さとは?
★『快適さ』と『リスク』のバランス★
居住環境におけるキーワードは『快適さ』
3.
「快適さ」の上士幌スタンダードを考える
である。我々がいかに『快適』に生活できる
環境を作っていくかということ。この『快適
<後
さ』をスピードや利便性だけに求めてしまう
4.水環境の保全を考える
と『リスク』が増大してしまう。逆に『リス
∼生物多様性の確保とリスクの軽減を図るために∼
ク』を最小限に抑えることだけを優先すれば
(1)水源地としての糠平・三股地区の対応
『快適さ』は失われる。
『快適さ』と『リスク』
(2)上士幌町を流れる川の対策
半>
のバランスを考えながら行動することが大切
であるし、
『快適さ』の上士幌スタンダードを
5.「通過型・ポイ捨て」の対策
構築して町民全員が共通に理解することが必
要である。
6.地域資源の保護について考える
次回(第4回会議)は、8月24日(水)19時∼ 山村開発センター第2研修室です。
事務局;企画課環境計画担当 吉永、深瀬、中田 TEL:2-2111(内線 263) FAX:2-4637
環境通信
発行日;2005.9 月
Vol.4
編集/発行;かみしほろの自然と環境を考える会(環境住民会議)
<事務局>℡ 2-2111(内線 263) FAX 2-4637
8 月 24 日(水)、第4回目の環境住民会議が山村開発センター第 2 研修室で開催されまし
た。お忙しい中、12 名の委員の皆さんに参加していただきました。
今回の会議では、
「糠平∼十勝三股地区」の環境について話し合いました。前半は、
「省資
源とエネルギー問題」について、後半は「水環境と森林の保全」や「外来生物の問題」につ
いて討論しました。
エネルギー問題については、『京都議定書の目標達成には大胆な発想の転換が必要』です
が、その一方で『いいとは解かっていても、一歩踏み出せない障害』が必ずあり、その障害
を乗り越えるためにも『生活様式を見直す』ことは大切だとの議論展開となりました。
水環境と森林の保全については、『音更川の水利用の実態』『糠平ダムの寿命』『ナイタイ
川や居辺川などの水質の実態』から『森林保護の重要性』を再認識しました。特に、森づく
り21の活動の紹介を聞いて、積極的な『森林の復元』は上士幌に住む者として必要な取り
組みであり、『十勝三股の森林を守ること』を上士幌町から十勝全体へ発信していけたらい
いなと感じました。
また、外来生物については、天敵不在による繁殖力の強さや在来種淘汰の実態など、外来
資料-31
生物の『怖さ』を再認識しました。
今回の会議の内容は、「号外:ブレスト編」に収めてありますのでご覧下さい。
今回の会議は、座談会形式で自由に意見を
街路灯は必要ですか?
コンビニ・自販機の「灯り」は無駄?
【利便性と利用者の支持・・・】
コンビニや自販機は時間に制限されず気軽
ましたので、その内容もご紹介します。
省資源とエネルギー問題
前半は、省資源とエネルギーの消費削減に
ついて話し合いました。
■
大胆な発想の転換が必要!
【十勝は 2.2 台の所有】
十勝の自動車保有数は 31 万台です(H17.
に商品が買えるという便利さがあります。い
6 月)。約 14 万世帯が住んでいますから、1
までは、私たち利用者も無いと不便だし、不
世帯当り 2.2 台の車を持っていることになり
経済だと知りつつも「ノー」と言えないのが
ます。
実態だと思います。
【一人乗りに規制、複数人乗車に優遇措置】
<調べました>
●資源の残存量
資源の種類 残存年数
残存量
石油
40 年
1 兆 477 億バレル
天然ガス
60 年
156 兆立米
石炭
204 年
9,845 億トン
ウラン
61 年
393 万トン
●北海道の発電所と発電割合・・・
種
類
発電所の数 発電割合
水力
62
14%
石炭火力
44%
火力
11
石油火力
11%
原子力
1
29%
地熱ほか
1
2%
●上士幌の電力事情
糠平ダムで発電した電気は釧路や北見方面に
供給されています。上士幌で消費される電気は
北電の電力ですので、各種発電所の電気が使わ
れます。
所有している車の座席数に応じて課税額を
決めるとか、複数人が乗車している車輌は専
用レーンを走れるなどの措置によって「相乗
り」の意識を喚起する。
飲みに行くときは「相乗り」しますもんね。
「幌加の駐車場のタイヤ痕」の対策
【幌加周辺の駐車場の実態】
幌加周辺の駐車場にはタイヤをこすった跡
が目立ちます。自己責任でタイヤとガソリン
を消費してるわけだから安易に非難は出来ま
せんが、事故や景観への影響など色んな問題
がありますね。
【対策 ・・・バンプの導入】
ロンドンでは「スピードバンプ=眠る警察
出していただきました。その内容を事務局で
整理しました。また、会議後に事実確認をし
相乗りで渋滞とガソリン消費を軽減
官」といって道路にコブをつけて車のスピー
【必要性は・・・】
1.道路管理機能・・・交通の安全性
2.防犯・防災機能・・・生活の安全性
新聞配達業など夜間に仕事をされる方やウ
バイオマスエネルギーの可能性と課題
【可能性・・・未利用資源は余剰している】
ヨーロッパでは、石油エネルギーの消費を
ドを抑制する対策をとっています。ただ、車
へのダメージが大きいことから、最近では、
低速で通過すると萎むコブ(エアーイン式ス
ォーキング愛好者も街路灯が必要です。
減らす方策としてバイオガス発電が導入され
ピードバンプ)が開発されたそうです。
【上士幌町は星が綺麗・・・】
ています。酪農の盛んな上士幌町では、家畜
【バンプ導入の課題】
日本においてバンプがなかなか普及しない
上士幌町への旅行者の方には「星が綺麗に
ふん尿が余剰している実態にあります。この
2005 年 2 月 16 日、地球温暖化の防止を目
見えますね」と言う方が数多くいらっしゃい
ふん尿利用のバイオガス発電を導入するには
的とする京都議定書が発効となりました。日
ます。比較論ですが、上士幌町の街路灯は都
多くの課題がありそうです。
1.事故誘発時の責任問題?
本は、基準年(1990 年のCO2 排出量)の 14%
会よりは少ないかもしれません。
【課 題】
2.歩行者への影響?
を削減しなければなりません。
この目標を達成するためには『大胆な発想
の転換』が必要になります。
この大胆な発想という視点でエネルギー問
題について話し合いました。
<調べました>
●街路灯の点灯時間・・・
独立型の光感知センサーで点灯・消灯。
(暗くなれば点いて明るくなれば消える)
●街路灯の管理経費・・・
車道側が北海道、歩道側が町。
配線も 2 系統が埋設されている。
1.ふん尿の最終処分
のはどんな理由があるのでしょうか?
3.バリアフリーに逆行?
2.高額な設備と手薄な補助制度
いずれにしても、バンプ設置者と道路利用者
3.売電価格や電力使途の保障
の相互理解が必要です。
【行政の役割】
地域の総合的なエネルギー政策を検討する
べき。
環境税
は不要!?
【より消費するヒトが負担する】
エコオフィスプラン
水環境と森林の保全
【エコオフィスプランでモラルを喚起】
飲料水の安全性と河川の保全
【ナイタイ牧場の整備と水源】
上士幌の水環境
「快適さ」を過度に追求するヒトに負担し
役場では、地球温暖化対策の推進に関する
てもらうという考え方です。たとえば、自動
法律に基づいて「エコオフィスプラン」を策
車税、重量税はより多く、より大きな車を持
定し、取り組みを進めています。節水、節電、
音更川の水は、その一部が元小屋ダムから
産性を高めるため、大規模に木を伐採して草
つヒトが多額の税金を払っています。ガソリ
エコドライブなど当たり前の取り組みですが、
水路で利別川水系(芽登川)に移っています。
地を造成しましたが、放牧牛の日射病や水源
ン税は、ガソリンの消費に比例して支払いま
職員が相互にモラルを喚起しあっています。
水利用という点からも不自然なことです。
管理上の問題から、牧場に木を復元する取り
す。これらの税金を環境対策に使うというこ
糠平ダムの寿命もあと 50∼100 年とすると、
生活様式を変えられるか?
とです。
【ガソリン税を環境保全のために使う】
私たちが払っているガソリン税、自動車税、
【糠平ダムと音更川の水利用】
【大胆な発想には障害や課題がつきもの】
前半の討論では、電気・石油・水などのエ
ナイタイ高原牧場は、昭和 41 年から昭和
50 年代にかけて整備されました。当時は、生
組みが行われてきました。役場でも、植樹際
そのころのエネルギー事情にも変化があるで
をナイタイで行ってきましたが、残念ながら、
しょうから、糠平ダムが産業遺産になるとも
平成 16 年度をもって終了しています。
考えられます。
ナイタイ川には市街地への給水地が設置さ
重量税などは特定財源として、その 8 割以上
ネルギー資源を環境に配慮しながらどう活用
が道路整備に使われています。自動車所有の
するかを話し合いましたが、これまで経験し
もし、糠平ダムがなくなったら、糠平湖周
代価として払っている税金がさらなる環境負
た「快適さ」や「利便性」を求めてしまうと、
辺の生態系を回復させるには、人間の手助け
荷を招いていると言えます。一般財源化して
どうしても障害や課題があって一歩踏み出せ
が必要となるでしょう。私たちは、ダム開発
その一部を環境対策に使うということは当然
ないというのが実態です。
で自然に負荷をかけ、その電力により恩恵を
ります。
の発想かもしれません。
【生活様式を変えるモラル】
受けています。役割を終えるかもしれない糠
【居辺地区の基盤整備と居辺川流域】
【もし、糠平ダムがなくなったら・・・】
れていて、牧場からの雑排水の流入が懸念さ
れています。役場では適正な処理、適正な検
査を行っていますので安全といえます。
ただ、環境の保全という視点では課題があ
資料-32
ただ、環境税については様々な議論がある
当たり前に使っている資源をいかに大切に
ようです。導入の是非はその目的を十分に見
使うか、従来の「快適さ」を別の「快適さ」
もしれません。
暗渠などの農業基盤を整備してきました。ま
極める必要があるようです。
に求める生活様式に変えていくというモラル
【流域憲章と北海道大分水点】
た、最近では農業経営規模の拡大に伴い防風
を創っていく必要があります。
配送協同組合
∼配達車輌の合理化∼
【発想はいいが課題が多い】
【未利用資源にも期待】
平ダムの将来を見届けるのも私たちの責任か
音更町、士幌町、鹿追町、上士幌町の 4 町
居辺地区も生産性の向上を図るため、明渠、
林が減少しています。
が合同で『流域憲章』を公表しています。
(H
居辺川の氾濫や水質の変化には、少なから
十勝には、家畜ふん尿、ビートトップ、豆
15 年)これは、十勝川水系の音更川、居辺川、
ず影響しています。環境の保全はもちろん、
商店街では、自前で配達車輌を持たず、協
がら、麦稈、雪などの未利用資源が豊富にあ
士幌川、然別川の周辺に住む流域民としてそ
農地を保全する意味でも何らかの対策が必要
同組合を作って配達業務を集約させようとい
ります。これらの資源の技術開発に期待しま
の流域を守っていきましょうというものです。
です。
う意見があって、先進事例を視察するなどし
すが、活用策を考えることも私たちの責任だ
また、このほど、留辺蘂町、上川町、上士
て検討したことがあるそうです。
と思います。
幌町が合同で三国山の分水嶺を『北海道大分
ふん尿の処理・管理は、畜産現場では法令
<節電・節水をもう一度考えてみました>
●節電・節水の意義
期待される効果
節 水 節 電
経済効果(節約)
○
○
循環型社会の教育・普及
○
○
石油資源等の消費削減※1
△
○
CO2 排出量の削減
−
○
ゴミの減量化 ※2
−
△
○:直接的効果 △:間接的効果 −:該当無
※1:「節水」により、給水時の動力エネルギー
や浄化処理のエネルギーが削減されます。
※2:「節電」により電化製品等の消耗が抑えら
れ、廃棄物の発生を抑制します。
水点』と命名しました。これは、オホーツク
の規制を受けますが、畑作現場では規制がな
海、日本海、太平洋に注ぐ常呂川、石狩川、
いことから、ふん尿が畑に野積みされること
音更川の源流がこの地点であるためです。
があります。野積みされたふん尿からの浸透
発想は良かったけれど、課題が多くて実現
していません。
「水を大切にする意識」の啓発
【公共施設の屋上を有効活用】
上士幌は「水」に恵まれているから、水を
大切にする意識が低いと考えられます。公共
施設の屋上などに雨水を溜めて雑用水として
使うなどの取り組みで意識付けをしてもいい
かも。ただ、衛生面で問題があるかもしれま
せん。
<調べました>
●音更川取水ダム(幌加)の水利用
幌加発電所で利用後糠平湖(音更本流)へ。
●元小屋ダムから音更川本流への放流量
4/21∼11/30 までの期間は 1.0t/s の放流。
それ以外の期間は不定期の放流。
【家畜ふん尿の処理と河川への影響】
水は、地下水や河川などの水環境に影響を及
ぼすと考えられます。
【水環境を保全するのは森林】
ナイタイ川や居辺川の氾濫や河川・地下水
の水質の変化は、森林の持つ保水機能や浄化
機能が低下したことが原因の一つです。
森林の機能を回復させる取り組みが必要だ
と考えられます。
<水質調査は大雨後じゃないとダメか?>
●保健所へ依頼する水質調査
飲料水の安全性を確認するための調査です
ので、どんな条件下でも基準がクリアできな
ければ飲めません。
●水環境の影響を知るための水質調査
町民課と企画課が合同で行っている水質調
査は大雨後にも行っています。
<調べました>
●カルキで死なない細菌・・・
【クリプトスポリジウム】
クリプトスポリジウムは、アピコンプレック
ス門・胞子虫網に属する病原性原虫です。オ
ーシストと呼ばれる嚢子とスポロゾイドとい
う栄養体とで生活環をなしています。消毒剤
に強い耐性があるのはオーシストで、感染本
体がスポロゾイドです。
資料-33
クリプトスポリジウムのオーシスト(井原原図)
左:大型種 右:小型種
(感染部位)小腸
(症
状)下痢。潜伏期間 2∼12 日。
(宿
主)ヒト、ウシ、ヒツジ、ブタ、
サル、イヌ、ネコ、ネズミなど
(特
徴)塩素には耐性だが、凍結や加熱
に弱い。-20℃で 24 時間、60℃
以上で 30 分、煮沸は 1 分で不活
化する。乾燥にも弱く、常温で 1
∼4 日で死ぬ。
●耐熱性の細菌
耐熱性の高い細菌のほとんどは、芽胞を形
成します。芽胞とは、その細菌細胞内に遺伝
情報を分配した耐久性の高い構造を持つ胞子
嚢状の細胞のことです。芽胞形成能力を持つ
細菌が悪条件にさらされると形成されます。
(芽胞形成細菌)ボツリヌス菌、破傷風菌、
炭疽菌、納豆菌など
<調べました>
●クリプトスポリジウムの除去と給水施設
クリプトスポリジウムは、急速ろ過、緩速
ろ過、膜ろ過などによって除去されています。
これらの方法で、99.9%が除去されます。
上士幌町の給水地は「緩速ろ過」か「急速
ろ過」が採用されています。
【風倒木の大事な役割】
十勝三股森づくり21の活動
【「ミユビケラ」の繁殖地を復元させるために】
ミユビケラは、1988 年に十勝三股で観察さ
れたのが最後だそうです。ミユビケラは、エ
風倒木には大事な役割があって、腐敗した
外来生物の問題
風倒木が苗床になります。とくにエゾマツの
1992 年にリオデジャネイロで行われた地
実生は、有機質の多い地面だと、雪腐れ病な
球サミットにおいて、すでに在来種保護の枠
どによってうまく育たないそうです。
組みが決まっていました。日本においては、
ゾマツやアカエゾマツの皮下にいるキクイム
自然林の中では、倒木更新があって、常に
2004 年に「特定外来種被害防止法」が施行さ
シやカミキリムシを食べることから、これら
森林が再生できる状況にあります。ただ、人
れ、一部の生物種に対して規制されることに
の木が少なかったり、倒木更新されないこと
間が手を加えた土場跡のようなところは、そ
なりました。
がミユビケラがいなくなった原因だそうです。
の再生には人間の手助けが必要だということ
<ミユビケラ>アカゲラなどのキツツキの仲間
です。
上士幌町の外来生物の対策
【外来生物の怖さ】
カラマツの消費拡大で自然林を保護
【自然林は伐採しない】
日本に 10 種類のキツツキが生息し、そのうちミユ
ビケラ、ヤマゲラ、コアカゲラの 3 種が北海道に
だけ生息する。なかでもミユビケラは十勝三股に
しか繁殖が確認されていない。
(資料;十勝三股森づくり21)
3 回伐採すると、自然再生能力が激減する
いても、在来種の生息範囲が制限され、従来
そうです。世界的にも自然林の伐採行為はや
の生態系を維持できないという問題が生じま
める方向です。
す。
徹底してカラマツを使うことが自然林の保
数年前から葉菜類への被害が目立つように
護につながります。北海道のカラマツ林業は
なったオオモンシロチョウも 10 年程前に北
安価な輸入材によって成り立っていない現状
海道積丹周辺で最初に確認された外来昆虫で
ですが、カラマツの消費を拡大するような工
す。
夫によって自然林を保護していけると考えら
れます。
【十勝三股樹海にある土場跡(森林のキズ)】
植栽への補助制度
数の土場跡(木材収集現場跡)があります。
【伐採後の対策は・・・】
復していないのが実態です。
森づくり21では、この土場跡を自然林に
回復させようと取り組んでいます。
【自然の再生能力を手助け】
森林は、裸地に最初に生える木が決まって
いるそうです。これを「パイオニアツリー」
というそうです。このパイオニアツリーを裸
地に伏せ込み、活着するまで「下草刈り」な
どの管理をするそうです。その後の樹種更新
は自然の再生力に任せるそうです。
パイオニアツリーは、当初「ヤナギ」を使
っていましたが、鹿の食害が多く、現在では
ケヤマハンノキを使っているそうです。
道路法面に見かけるニセアカシア(マメ科
ハリエンジュ属)やイタチハギ(マメ科)は
人為的に導入された外来植物です。
三国峠から見おろす十勝三股の樹海には無
この土場跡は、20 年程経過していますが、回
外来生物の怖さは、動物や昆虫の場合、天
敵不在による、爆発的な増殖です。植物にお
防風林や山林を伐採した後の補助制度が手
薄ではないでしょうか。
<調べました>
民間への補助制度について調べました。
●森林環境保全整備事業
<概要>森林施業計画に基づいて実施する造
林事業に対し補助するもの。
<対象>地拵・植栽・下刈・除間伐
<補助率> 68%
●21 世紀北の森づくり推進事業
<概要>森林の公益的機能の高度発揮と木材
資源の循環のための植栽を推進する
ため実施するもの。
<対象>民有林の人工造林に対し補助
<補助率> 22∼27%
※2 つの補助制度を同時に活用できますので、
植栽では、90∼95%の補助率となります。
【上士幌町の対策は?】
上士幌町においても、ルピナスなど多くの
外来生物が生息しています。すでに生息する
外来生物をどうするのかや、今後の規制をど
う図っていくのかは、十分な議論が必要だと
思います。
糠平∼十勝三股をサンクチュアリに
糠平∼十勝三股地区は、自然公園に位置し、
比較的、自然生態系が維持されている現況に
あると思います。この地域を自然環境の保護
区に位置付けて環境保全の象徴として十勝全
体に発信していくことが私たちの行動の基本
になると考えられます。
十勝の水源を守る
【上流域に住む者の責任】
発信する
【糠平∼十勝三股の取組みを全十勝に発信】
糠平∼十勝三股は、十勝川水系音更川の水
「十勝の水源を守る」
「森林を復元し原生林
源です。この水源・水資源を守ることは、上
を守る」
「生態系に配慮する」という取り組み
士幌町民の責任だといえます。また、十勝川
を上士幌町から発信していくことも大切です。
水系に住む全ての住民と協力することも必要
です。
ドイツ、キューバの農業
森林を復元し原生林を守る
【畑のモザイク化∼ドイツの農業に学ぶ∼】
【森づくり21の取り組みに学ぶ】
ドイツ農業は、大規模化をやめて耕作地の
上士幌町には、十勝三股の樹海、ナイタイ
単位面積を縮小する政策をとっています。こ
高原牧場、居辺地区など、かつての伐採や開
れは、農地における生物の多様性を高めるた
発により森林の機能が低下している地域があ
めです。この政策のメリットは単一の病害虫
ります。
「森づくり21の取組み」に学び、森
被害を回避できることと、農地を取り巻く生
林機能の回復に向けた取組みが必要です。
態系への負担が少ないことです。デメリット
資料-34
自然林の残る地域については、その再生力
は、作業効率の低下、石油燃料などのエネル
を補助する取り組み、そうでない地域へは植
ギー消費の増大などが考えられます。十勝の
樹・育林などの積極的な植栽をするなど、ケ
農業は 4 年輪作が確立されている地域です。
ースバイケースの対応が必要です。
最小の労力で最大の多様性が得られる単位面
積を検討する必要があります。
本来の生態系に配慮する
【外来生物の対策】
私たちは「快適さ」を追求するあまり、生
態系への配慮が欠けていました。私たちの行
為により現在の生態系は少しずつ変化してい
ると言えますが、本来の生態系に復元するこ
【循環型有機栽培農業∼キューバの農業∼】
キューバでは、23%の有機農産物が流通し
ています。日本では 1%も流通していません。
キューバの農業政策は徹底して「土づくり」
を推進しています。
消費者の理解も必要かもしれません。
とは非現実的ですし、そもそも本来の生態系
とは何なのかという議論も必要です。
ただ、糠平∼十勝三股地区は比較的自然生
態系が残る地域です。この地域は、外来生物
の対策など、生態系に配慮していく必要があ
ります。
次回は、「農村地区」を考えます
次回、第5回会議では「農村地区」につい
て考えていきます。
「家畜ふん尿」「土づくり」「生態系・水環
境への配慮」
「リン酸資材」などのテーマ(案)
はで座談会を行います。多くの委員の皆さん
のご出席と沢山のご発言をお願いいたします。
次回(第5回会議)は、9月26日(月)19時∼ 山村開発センター第2研修室です。
事務局;企画課環境計画担当 吉永、深瀬、中田 TEL:2-2111(内線 263) FAX:2-4637
環境通信
発行日;2005.10 月
Vol.5
編集/発行;かみしほろの自然と環境を考える会(環境住民会議)
<事務局>℡ 2-2111(内線 263) FAX 2-4637
9 月 26 日(月)、第5回目の環境住民会議が山村開発センター第 2 研修室で開催されまし
た。農作業の繁忙期ということもあり、8 名の出席となりました。
今回の会議では、
「農村地区」の環境について話し合いました。前半は、
「有機農業」と「家
畜ふん尿」について、後半は「防風林」や「生産現場の水環境」について討論しました。農
業を経営する委員さんが都合により欠席されたのが残念です。
<本の紹介>
※倉持座長から本の紹介がありました・・・
●『有機農業が変えた-小さなキューバの大き
な実験』吉田太朗著(コモンズ)
●『有機農業-21 世紀の課題と可能性』日本有
機農業学会編(コモンズ)
●『200 万都市が有機農業で自給できるわけ都市農業大国キューバ・リポート』吉田太
朗著(築地書館)
●『1000 万人が反グローバリズムで自給・自
立できるわけ-スローライフ大国キュー
バ・リポート』吉田太朗著(築地書館)
れています。『上士幌町の農業を守る』という視点で持続的な循環型農業を考えました。
今回の会議の内容は、「号外:ブレスト編」に収めてありますのでご覧下さい。
委員会で規制しています。
日本の農産物も、ガット・ウルグアイ・ラ
ウンド以降、国際的な市場原理に従わざるを
えない状況にあります。
【反グローバリズムと有機農畜産物の価格】
キューバの政策はアメリカの経済封鎖もあ
って、反グローバリズムです。それでいて自
給・自立しています。
有機農業の課題の一つに「価格」がありま
今年は、大規模なキャベツの産地廃棄がありました。また、米の豊作により、過剰米対策
が初めて発動されることになりました。一方で食糧の自給率向上や農畜産物の安全性が叫ば
組み換え作物などの表示もこのコーデックス
す。慣行農業と比べてコストの高い有機農産
日本の食糧自給率と有機農業の課題
物に対してヨーロッパやアメリカではその価
格を保証しています。
【自給率向上と産地廃棄】
日本の食糧自給率はカロリーベースで
日本の流通システムの中では、有機農畜産
40%程度です。多くの食糧を輸入に依存して
物を差別化するには課題が多いといわれてい
いる実態を改善するために平成 11 年に「食
ます。府県における有機農業は『産消提携』
ましたが、農業を経営する委員さんが参加さ
キューバはもともとソ連式の大規模国営農
料・農業・農村基本法」が制定され、自給率
(脱市場)が前提とさえ言われています。
れなかったため、実態を踏まえた十分な議論
場で近代農業を推進していました。しかし、
45%が目標に据えられています。自給率向上
【消費者の理解、農協・町の支援、】
ができなかったかもしれません。
1991 年にソ連が崩壊したために、石油燃料、
と言いながら、一方で、タマネギやキャベツ
北海道においても、「イエスクリーン」「ク
化学肥料、食糧等の物流が途絶え経済・食糧
の産地廃棄や、今年は豊作により過剰米対策
リーンDo」などにより、より安全な農畜産
危機に陥りました。
が初めて発動されます。
物を提供する取り組み(環境保全型農業)が
今回の会議は、
「農村地区」について議論し
資料-35
そのため、今回出席された委員の皆さんの
ご意見を参考に、農協、農業経営者、農政担
当者などから実情を聞いてみました。それら
の内容を含めてご紹介します。
上士幌町での有機農業の可能性
前半は、
「有機農業とは何か?」という問い
【有機農業導入の背景】
自給率低下の原因は、食生活の変化(米の
指揮のもと大型トラクター、農薬、化学肥料
消費減少、肉類の消費の増加など)が考えら
大規模・大型機械体系、市場対応型などの形
等を使用しない有機農業が急速に発展しまし
れますが、
「産地廃棄」は生産者も我々消費者
態です。有機農業の推進には以下のような課
た。
も本意ではないはずです。
題があるそうです。
【農民市場と身土不二】
<主要府県の食料自給率>
自給率(%カロリーベース)
H14 年度 H15 年度
全国
40
40
北海道
190
192
秋田
158
167
佐賀
100
95
東京
1
1
神奈川
3
3
大坂
2
2
をきっかけに日本やキューバの農業政策につ
キューバは有機農業によっての経済・食糧
いて話し合い、循環型農業や上士幌町での有
危機を回避しましたが、その成功の背景には
機農業の可能性を探りました。
「農民市場」を設置して個人農家の自由販売
を認めたことにより生産意欲を高めたことと、
キューバの農業政策
【キューバの有機農業】
キューバ国民に「身土不二」の思想が根付い
ていたことがありました。
備考
十勝
809%
日高
135%
釧路
126%
世界の有機農業の取り組みはオーストリア
「身土不二」とは、仏教用語で健康を説いた
やスイスなどのヨーロッパで盛んです。しか
言葉で、人の体(身)とその人の住んでいる
し、数年前から注目を集めているのがキュー
環境(土)とは密接な関係があって、健康を
バです。キューバは、食糧の自給率を高める
保つためには、その人が住んでいる土地で採
コーデックス基準は、国際的に流通する食
ため有機農業を導入し、現在ではスローライ
れた旬のものを食べなさいという意味です。
品の規格基準で、食品の安全性を評価するこ
フ大国と呼ばれるようになっています。
進められていますが、慣行農業との並行栽培、
この経済・食糧危機の中、カストロ議長の
【輸入自由化とコーデックス基準】
とにより、世界の人々の健康の保護と公正な
国際貿易を確保することが目的です。遺伝子
<北海道における環境保全型農業の課題>
●生産面
1.北海道農業に適した環境保全型農業技術
の開発・深化
2.農林漁業の連携による有機質の循環
3.有機農畜産物と慣行栽培農産物との分別
流通システムの構築
4.エネルギー収支の改善(石油資源の消費
節減と未利用資源の開発と利用
●販売面
1.販売条件と販路の確保(産消提携と一般
市場での優遇措置)
2.地場・地域流通の構築(地産地消)
『有機農業-21 世紀の課題と可能性p139∼140』
これらの課題に対して、農協は『生産技術』
や『販路開拓』などの支援が必要ですし、町
も『販路拡大』や『ブランド化』を図るなど
の支援をする必要があります。
家畜ふん尿の対策
また、私たち消費者としては、有機農業が
生産現場で課題となっている『家畜ふん尿
慣行農業に比べてコストや労力がかかること
の対策』について討論しました。上士幌町で
を理解し、それに対して価格を保証する意識
の課題から十勝全体の課題まで、家畜福祉や
を持つことが大切です。
有機畜産という考え方を学びながら議論しま
した。
特産品としての有機農産物の提供
ふん尿処理の課題
畜福祉の 5 つの自由」が提唱されていますが、
日本においては、家畜の飼養保管基準等に十
分に反映されていません。
<『家畜福祉の 5 つの自由』>
1.飢えと乾きからの自由
2.肉体的苦痛と不快感からの自由
3.傷害や疾病からの自由
4.おそれと不安からの自由
5.基本的な行動様式に従う自由
耕地防風林と水環境
上士幌町の防風林が減っている実態から、
防風林の持つ機能や伐採する理由をもう一度
考えました。また、上士幌町で発生した昨今
の災害の背景にはどんな環境の変化があるの
かを議論しました。
管内市町村の補助制度
【上士幌町の地の利】
上士幌町は、北海道の中でも寒冷地に属し、
【上士幌町や十勝の課題】
減農薬栽培に取り組みやすい地域であると言
1.飼養頭数の増加に伴うふん尿の増加
えます。また、畜産経営と畑作経営が共存す
2.高額な設備投資
る地域のため、有機質(ふん尿や麦稈)のス
3.処理技術の汎用性
ムースな循環も期待できます。このことから、
4.処理後の活用方法
キューバの事例から『有機農業』の可能性に
5.補助事業活用時の制限
ついて考えてきました。
6.耕種圃場での野積み
【上士幌町の可能性】
7.余剰ふん尿の輸送と耕畜連携
特産品として地域のブランドを確立するに
資料-36
は莫大なコストと時間がかかります。
8.ふん尿処理経費が乳価に反映されない
<日本の産業動物に対する福祉の法規制>
日本においても家畜福祉に関する法的規制が
あります。
●動物の愛護及び管理に関する法律
●家畜伝染病予防法
●家畜商法
などです。この他に、
『産業動物の飼養及び保
管に関する基準』『動物の処分方法に関する
基準』
『飼養衛生管理基準』などのガイドライ
ンが設けられています。
【上士幌町での「放牧」】
現在、十勝全体で排出される家畜ふん尿は
上士幌町においても、ふん尿対策と飼養環
上士幌町は、その立地条件を活かした『よ
500 万トンです。一方、十勝全体で処分(耕
境に配慮して『放牧』の方式をとっている農
り安全安心な農畜産物』をブランド化するこ
地等へ散布)できる量は最大で 350 万トンで
家の方もいらっしゃいます。
『一部放牧』を含
とが近道かもしれません。
す。残りの 150 万トンは何らかの方法で処分
めると 5 戸ほどです。
【もう一つの課題】
する必要があります。例えば、有機物の不足
ただ、ほとんどがフリーストールやスタン
する地域へ輸送して還元することも一つの方
チョンですので、排出されるふん尿の処理は
法です。
切実な問題です。
減農薬・減化学肥料農業や有機農業の認証
を受けるにはいくつかのハードルがあります。
指定を受けるだけの作付面積が必要だったり、
有機認証を受ける圃場に対する制限もありま
す。この認証制度や規制についても適正な見
直しが必要ですし、寒冷地は耕作期間が限ら
ヨーロッパの政策と家畜福祉
【ヨーロッパでは0.8ha に 1 頭】
ヨーロッパの畜産経営では、飼養頭数が制
ふん尿処理の課題と私たちの役割
<課 題>
●排出量をいかに減らすか
れてるというハンディもあります。
限されています。ヨーロッパでは、草地 0.8ha
●処理技術・施設の向上と低コスト化
<上士幌農協の取り組み>
1.ジャガイモ「ホッカイコガネ」の取組み
・減肥・減農薬作物として登録済み
・5 農協の取組み(木野、音更、士幌、上士幌、鹿追)
に対して 1 頭の割合です。ナイタイ牧場の実
●利活用(循環)の方法
態は 0.4ha に 1 頭です。
●余剰ふん尿の活用(不足地域への輸送)
※ホッカイコガネは、フライドポテト、ポテトサラダ、煮
という『有機畜産』の考え方の他に『家畜福
●農家、農協、行政の各々の取り組み
祉』という考え方に基づいています。
●町民として家庭・学校の菜園で堆肥を利用
物などに向く品種です
2.大豆、野菜の取組み
・イエスクリーン認証を目標に検討中
※協議会(生産者、農協、普及センター、自治体で組織)
の設置が不可欠
3.全品目で減農薬
上士幌の農作物は可能な限り農薬を減らし
ています
この制限は、家畜ふん尿等の有機物の循環
【家畜福祉】
<私たちの役割>
特に小学校などでは、環境教育の一環とし
ヨーロッパでは古くから畜産業が盛んだった
て給食の残飯で堆肥づくりをするなどの取り
ために、産業動物の福祉の理念が浸透してい
組みによって、意識を醸成することが大切で
ます。世界獣医学協会等の国際機関では「家
す。
【芽室町をはじめ 7 市町村】
耕地防風林(個人所有)の植栽に関して補
助制度を設けている自治体があります。平成
10 年には芽室町をはじめ7市町村ありまし
たが、合併や財政事情により、現在では3市
町村で継続している状況です。
<現在も継続している補助制度>
自治体名
H16 予算額/実績
音更町
30 万円/3,495 本
帯広市
100 万円/6,270 本
芽室町
104 万円/10,453 本
制度名
耕地防風林造
成奨励事業
耕地防風林整
備促進事業
耕地防風林造
成事業
防風林の機能とデメリット
【防風林の機能】
1.生物の多様性を維持
(鳥、昆虫、微生物などによる病害虫防除が
期待できる)
2.風害対策
(春の農業被害を軽減、冬の吹き溜まりを回
避)
3.水源涵養林としての機能
(保水機能、土砂流出抑制、河川氾濫抑制)
【防風林のメリットとデメリット】
耕地防風林には以上の3つの機能があると
考えられますが、この他にも「景観を良くす
る」というメリットもあります。
しかし、一方では圃場に日陰ができて、局
所的な生育不良や霜害による農産物の減収と
いうデメリットもあります。ただ、防風林を
これらの災害が人災なのかどうかを見極め
整備することによって耕地総体の増収になる
るのは難しいところですが、頻発する災害を
るというのが一般的な考え方のようです。
見て自然環境に何らかの負荷がかかっている
また、防風林を適正に管理することで、霜
害などのデメリットを軽減すると考えられま
と捉えて、原因を探り、対策を講じる必要が
あります。
す。
【防風林の樹種 ∼ミズナラ、カシワ∼】
現在、保安林(町所有)にはカラマツ等が
生産現場における水環境
【暗渠排水による問題∼居辺川の事例∼】
植栽されていますが、キャベツや白菜などの
圃場の排水生を向上させ生産性を上げるた
結球部分に葉が混入することによる品質劣化
めに、現在、暗渠用ポリパイプやカラマツチ
などの問題があります。ミズナラやカシワな
ップの充填材の施工により暗渠排水技術が向
どの広葉樹を植栽することによって、より多
上しています。この暗渠排水が明渠に集まり
様性を豊かにします。カシワの雑木林は残し
落水河川へと集中します。この図式で災害が
ていくべきです。
あるのが居辺川です。
この対策の一つに『居辺川の河畔林の機能
何故、防風林を切るのか?
【作業効率の向上と農地の拡大】
を回復させる』ことが考えられます。
【牧場整備による問題∼シリクニ川の事例∼】
資料-37
農業経営者の方は、防風林の機能を十分理
ナイタイ高原牧場を整備する際に大規模に
解しながらも、経営上止む無しと判断して防
木が伐採されました。飼育環境や保水機能を
風林を切っているようです。
回復させるため、これまで牧場へ植樹が行わ
伐採の理由の一番は、
『作業効率の向上』
『コ
ストダウン』
『省力化』です。
れてきました。
昨今、シリクニ川やナイタイ川の災害が少
霜害などの目に見えるデメリットを回避す
なからずあるということは、ナイタイ高原牧
るために伐採するということもあるかもしれ
場周辺の保水機能を回復させることも考えて
ません。
いかなければならないと思います。
【土づくりと防風林の保護】
昨今の農業被害では、雨台風による水害も
次回は 11/10、「提案書」を作ります
発生しています。明渠から溢れた水が畑の中
委員の皆さんからは、第 1 回から第 5 回ま
を流れているのを目撃します。表土の流出を
での会議で沢山のご意見を出していただきま
回避するという意味では、
「土づくり」といっ
した。これらのご意見をまとめて『環境に関
しょに「防風林のあり方」を考え直してもい
する提案書』を作っていきます。
いかもしれません。
これまでの会議で問題点や課題等を再確認
できましたが、
「じゃあ、どうするんだ」とい
限界を超えた時の結末
【許容量を超えた時の莫大なエネルギー】
うところを皆さんと一緒に考えていきたいと
思います。
上士幌町に限らず、水害、風害、霜害、風
委員の皆さんの総意で提案書をまとめたい
雪害などの自然災害は各地で発生しています。
と思いますので、ご出席をお願いいたします。
次回(第6回会議)は、11月10日(木)19時∼ 山村開発センター第2研修室です。
お忙しいところ恐縮ですが、是非ご出席をお願いします!
事務局;企画課環境計画担当 吉永、深瀬、中田 TEL:2-2111(内線 263) FAX:2-4637
環境通信
発行日;2005.11 月
Vol.6
編集/発行;かみしほろの自然と環境を考える会(環境住民会議)
<事務局>℡ 2-2111(内線 263) FAX 2-4637
11 月 10 日(木)、第6回目の環境住民会議が委員9名出席のもと、山村開発センター第 2
研修室で開催されました。
今回の会議では、
「提案書(素案)」を吟味しました。
「提案書(素案)」は、これまでの会
議で出されたご意見に基づいて作成しました。
「花壇や街路樹の管理における落ち葉や花壇残渣物のリサイクル」、
「家畜ふん尿の処理や
活用の場面での数多くの課題」、
「ゴミ処理における旅行者への配慮」など、素案を整理する
中で委員の皆さんから新たな提案が出されました。
また、座長から、
「率直に話し合う場を設けて議論することが大切」
「上士幌型の対策が一
つできれば前進」というコメントをいただきました。
今回の会議の内容は、「号外:ブレスト編」に収めてありますのでご覧下さい。
シンポジウムで提案書を提出します!
12 月 10 日(土)13:30 から『環境シンポ
ジウム』を開催します。
このシンポジウムで我々住民会議から町長
に「提案書」を手渡します。
旅行者のゴミはお金を取って処分する
「ゴミの持ち帰り」は当然のように励行
してます。ただ、長期の旅行者、遠方から
の旅行者にとって、ゴミの処分ほど悩まし
いものはないそうです。旅行者に対して配
この「提案書」は、お忙しい中 6 回にわた
慮する意味でも、ポイ捨ての防止対策とし
りご参集いただいた委員の皆さんの総意とし
ても、処分料を徴収して旅行者のゴミを回
て、また、上士幌型環境保全の考え方の一つ
収することが必要です。
として提出します。提案書には「できるもの」、
旅行者には上士幌型の分別方法を理解し
「できないもの」、「賛同できるもの」、「賛同
てもらい、徹底した分別を呼びかける必要
できないもの」が渾然としています。この提
があります。
案が、上士幌の環境について、より一層考え
るきっかけになれば良いと考えています。
遊休地の活用と公園マスタープラン
資料-38
環境シンポジウムの詳細については、後日
「安全で安心な憩いの場の創造」という
<提案書(素案)の構成>
ご案内しますので、是非ご参加、ご協力くだ
提案では、太陽光発電施設や営林署の苗畑
■はじめに
■かみしほろの自然と環境を守るための提案
Ⅰ 美しい景観を創造し、まちへの愛着を醸成する
Ⅱ 3Rを実践し、ゼロエミッションを目指したスロータウンを創る
Ⅲ 二酸化炭素の排出量を抑え、地球環境に配慮する
Ⅳ 自然の保護と破壊の回復を図り、生物の多様性を保持する
Ⅴ 耕畜連携を推進し、安全で安心な農畜産物を提供する
Ⅵ 水環境などを守り、安全で安心な生活を保証する
Ⅶ 環境学習・教育を充実し、情報発信する
■町民、事業者、行政のあり方
■参考資料
・環境住民会議名簿
・会議議事録(環境通信など)
・会議資料
・環境アンケート結果
さい。
跡など遊休地を活用して整備していくべき
だとのご意見が出ました。また、交通公園
と 7 区噴水公園の一体整備の事例を挙げ、
提案書(素案)の吟味の様子
行政と町民との連携の強化を訴えるご意見
も出されました。平成 15 年に町民と行政
第 6 回の会議では、提案書(素案)を吟味
しました。その様子をお知らせします。
とが話し合って公園マスタープランを策定
しています。このプランは既存公園のあり
方を見直し、利活用と管理について協働で
落ち葉や花壇残渣物のリサイクル
「まちを花や樹木で飾る」という提案では、
落ち葉や花壇残渣物の堆肥化まで考えよう、
やっていきましょうというものです。
公園マスタープランを活かして安全で安
心な憩いの場を創っていく必要があります。
リサイクルのシステムを構築しようというご
意見が出されました。
電力と石油資源の効率的活用
落ち葉や花壇残渣物の堆肥化の方法には、
街路灯には、通行の安全性の確保や防犯
花壇や街路樹の植え込み部分に工夫をしてそ
機能もあります。また、町に活気と明るさ
提案書(素案)の構成
提案書(案)にご意見をください!
の場で堆肥化する方法と総合的な堆肥場を設
をもたらします。一方で、必要なのかどう
提案書(素案)は、上記のような構成です。
提案書(素案)には、今回の会議のご意見
けて堆肥化する方法が考えられます。どちら
か疑問に感じる照明もあります。効率的な
提案はⅠ∼Ⅶの 7 つの項目に区分されます。
を反映させ、提案書(案)として整理しまし
を選択するかは、科学的根拠や経済性などを
運用が必要です。
この 7 項目には、それぞれ小項目の提案があ
た。この(案)をご覧になって、再度ご意見
考慮して、上士幌型の循環システムを構築し
り、その中に具体的提案があります。今回の
をいただきたいと思います。同封の「ご意見
ていきたいものです。
会議ではこの具体的提案を住民会議の提案と
票」にご記入いただき、事務局までご返送く
めて利用していますが、利用する側のわた
して適性か否か一つ一つ吟味しました。
ださいますようお願い申し上げます。
したちの意識が問題です。
自動販売機の消費電力は予想以上に大き
なものです。わたしたちは「便利さ」を求
森林の多彩な機能を認識する
森林には「屋敷林」
「民有林」
「耕地防風林」
率直に意見交換する場を設ける
「環境学習・教育を充実し、情報発信する」
「町有林」「学校林」など多様な形態があり、
という提案では、学習の導入には『問題の掘
浄化機能、保水機能、生物多様性を育む機能
り起こし』をする必要があります。従って、
など、それぞれが多彩な機能を持っています。
『環境問題について率直に話し合う場を設
この森林の機能を十分に認識して、ケースバ
け』、『環境に関する疑問点を積極的に出し合
イケースの保護をしていく必要があります。
う雰囲気づくり』をし、
『知恵や知見を皆が共
糠平∼三股、サンクチュアリ化を
有して取り組む』ことが必要だとのご意見が
出されました。
「糠平∼十勝三股を環境保全のシンボルに
する」という提案では、
『サンクチュアリ化を
旅行者へはホスピタリティを持って
目指していこう』というご意見が出されまし
町民、事業者、行政のあり方では、特に旅
た。この地区は国立公園に指定されてはいる
行者への配慮のところでご意見が出されまし
ものの、開発行為が皆無なわけではなく、鹿
た。
などの有害捕獲も行われています。しかし、、
旅行者に対してはホスピタリティを持って
資料-39
自然環境が比較的残されている地域です。こ
接するスタンスが必要で、それが町民であっ
の環境を保護と利用のバランスを図りながら
ても行政であってもこのスタンスが必要だと
見守っていくことが必要です。
いうご意見をいただきました。
上士幌型の農業の多様性を構築
次回は環境シンポジウムです
.上士幌の農業現場にとって、一番の課題は
次回、第 7 回会議は、
「提案書」を提出しま
「家畜ふん尿」です。農地の保全、耕作土壌
す。12 月 10 日開催予定の環境シンポジウム
の保全という意味でも真剣に考えていく必要
には是非参加してください。ご協力お願いし
のある問題です。農業経営者だけではなく、
ます。開催要領などは改めてご案内する予定
町民皆で知恵を出し合うことが必要です。
です。
また、安全で安心な農畜産物を提供するた
めにも、農地を保全していくためにもドイツ
の農業政策に学び、上士幌に適した上士幌型
の多様化農業を研究していく必要があります。
かみしほろの自然と環境を守るシンポジウム
∼自然環境を活かしたまちづくり∼
◆日時 平成 17 年 12 月 10 日(土)
13:00 受付け 13:30∼16:20
◆場所 生涯学習センター視聴覚ホール
上士幌は十勝全体の水源地
上士幌町は十勝川水系音更川の源流域に位
置します。十勝全体の水環境を守るのに重要
な役割を担っているということを町民ひとり
1 人が認識する必要があります。
◆内容 ・開会行事「提案書の提出」
・基調講演
・パネルディスカッション
テーマ「地域資源の再生と活用」
◆主催 上士幌町環境住民会議/上士幌町
次回(第7回会議)は、12月10日(土)13時30分∼ 生涯学習センター視聴覚ホール
「提案書」を提出します。是非ご参加・ご協力ください!
事務局;企画課環境計画担当 吉永、深瀬、中田 TEL:2-2111(内線 263) FAX:2-4637
環境通信
発行日;2005.12 月
Vol.7
【キーワードは4つ】
今日の講演のキーワードは以下の4つです。
は全て「リン鉱石」から作られています。
「リン鉱石」は、石油と同様に化石資源で、
あと 50 年∼100 年で枯渇すると言われていま
編集/発行;かみしほろの自然と環境を考える会(環境住民会議)
<事務局>℡ 2-2111(内線 263) FAX 2-4637
す。
「リン鉱石」の枯渇は、作物生産の行き詰
まりを意味し、食糧危機を招く恐れがありま
12 月 10 日(土)、生涯学習センター視聴覚ホールにて「かみしほろの自然と環境を守るシ
す。石油資源と同じように切実な課題です。
ンポジウム」が開催されました。当日は、環境住民会議の委員の皆さんをはじめ、89 名の町
【蓄積したリン酸を回収する】
民の方が参加されました。
実際に肥料を施用しても、植物が吸収する
このシンポジウムでは、環境住民会議で検討を重ねた「提案書」の提出、帯広畜産大学の
のは 10∼20%です。残りの 8 割から 9 割は土
谷助教授の基調講演が行われました。また、基調講演後に行われたパネルディスカッション
壌に蓄積されるといわれています。
では、客席を交えてパネリストの方々が活発に意見交換を行いました。
農耕地土壌を調べてみると、地下 40cm 位ま
このシンポジウムの模様は、「環境通信 Vol.7 号外」に収めてありますのでご覧下さい。
での層に大量のリン酸が蓄積していることが
【『黒ボク土』という土壌】
提案書を手渡しました
谷助教授の基調講演
倉持座長が竹中町長に提案書を手渡しまし
帯広畜産大学の谷助教授から、
「土づくりは
『黒ボク土』とは、火山灰からできた土壌
堆肥から???」と題した基調講演が行われ
た。
ご存知のように、この提案書は我々環境住
民会議が 6 回の会議を行い、検討を重ねて作
生産にとって重要です。
『黒ボク土』です。
【キレート:リン酸を解放する暗礁番号】
資料-40
この『黒ボク土』の特性は、
「腐植酸」や「炭
土壌に吸着されたリン酸を解放する成分と
谷助教授は、
「作物
素」を含むため黒色をしているのと、肥料で
して「キレート」という物質が有力視されて
います。
ました。
の生育に必要なリン酸
もなんでも吸着してしまう「肥満な土」だと
資源はあと 50∼100 年
いうことです。しかも、植物が使えない形態
提案書が環境保全の
で枯渇すると言われて
で抱き込んでしまいます。
出発点であり、町民
おり、対策として、畑
世界の穀倉地帯で知られるウクライナの土
が議論するきっかけ
地土壌に蓄積したりん
壌である『チェルノーゼム』と比較すると、
になることを期待し
を回収したり、肉骨粉
「有機物(腐植)」と「生産性」は同じように
たい。」と本提案書
などの未利用リン酸資
高いですが、
「肥沃度」が低いというのが『黒
の意義を説明されま
源に可能性がある」と
した。
・・・提案書を手渡しました
この提案書を受けて、竹中町長は「行政と
して環境保全の行動指針を示していきたい」
と答えました。
取り出す方法を考えていくことが今後の作物
で、上士幌町の農耕地土壌のほとんどがこの
倉持座長は「この
成したものです。
わかりました。この大量に蓄積したリン酸を
話されました。
ボク土』です。
・・・肉声でご講演する谷先生
谷先生のマイクも使わない肉声でのご講演
【吸着するのはアルミニウムが原因】
上士幌の農耕地土壌も含めて火山灰土壌に
に会場の参加者は熱心に聞き入っていました。
はアルミニウムが含まれています。このアル
谷先生のご講演の要旨を以下にご紹介しま
ミニウムの力で色んなものを引きつけていま
【溶存有機物:堆肥中のポリフェノール物質】
<提案書の内容(概要)>
す。
す。特に『リン酸』を吸着する能力が非常に
クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸などがキレ
Ⅰ美しい景観を創造しまちへの愛着を醸成する
【本質を見極めよう!】
高く、しかも、植物が使えない形態になって
ート物質としてよく知られていますが、これ
しまいます。従って、
『黒ボク土』で作物生産
らを土壌に散布するのは経費もかかり非現実
Ⅲ二酸化炭素の排出量を抑え、地球環境全体の保全に貢
献する
Ⅳ自然の保護と破壊の回復を図り、生物の多様性を保持
する
という言葉が使われますが、その本質を少し
をする場合、リン酸資材を多量に施用しなけ
的です。生産現場では、天然の有機化合物を
見失いつつあります。
「土づくり」における『堆
ればならないために『肥沃度』は必ずしも高
利用するというのが現実的な考え方です。
肥』も重要なファクターですが、その本質を
くないということです。
Ⅴ耕畜連携を推進し、安全で安心な農畜産物を提供する
見極める必要性を考慮して「土づくりは堆肥
【リン鉱石は有限の資源】
Ⅵ水環境などを守り、安全で安心な生活を保証する
から???」というタイトルとしました。
Ⅱゴミの徹底した減量を目指したスロータウンを創る
Ⅶ環境学習・教育を充実し、有益な情報を発信する
最近、
「エコ」
「リサイクル」
「環境に優しい」
この天然の物質はポリフェノール様の物質
で、キレート構造を有しています。これが、
『リン酸』は窒素やカリと並ぶ作物生産に
「腐植酸」とか「フルボ酸」で知られる溶存
は必要な肥料要素です。この『リン酸』肥料
有機物で、モール温泉や泥炭地を流れる河川
水に含まれています。
【溶存有機物は堆肥中にも含まれている】
溶存有機物は堆肥の中にも含まれています。
ただし、いわゆる生堆肥には含まれません。
ふん尿を堆肥化するには、
「水分調整」と「切
『土壌の持つ機能を引き出す』ことが本来の
り返し」が必要です。この適正な処置をする
「土づくり」であるといえます。
ことによって、理想的な堆肥が出来ます。こ
【自然界に学ぶ】
高齢者に優しいまちづくりを
地域の宝さがしの会
の堆肥には化学肥料だけでは補えない機能が
森の中に降っている雨は『林内雨』と呼ば
では、郷土資料などの
あることがわかっています。
(コマツナのポッ
れていて黄色い色の雨です。これは、樹の幹
収集保存により上士幌
を持つポリフェノール様物質の働きが非常に
ト試験結果から)
を伝わって流れる雨(樹幹流)が樹皮などか
の資源を発掘し、歴史
強くなります。
【生産現場における堆肥化の実態】
らポリフェノール様物質を溶け出してくるの
を見直すことや上士幌
で黄色に着色します。従って、自然界では「キ
のすばらしさを発信し
レート」が無理なく供給されています。
ています。
完熟堆肥の抽出液(溶液)はキレート構造
【土壌の潜在能力∼物質循環促進の仮説∼】
フリーストールの牛舎から出る「ふん尿」
「黒ボク土」、「チェルノーゼム」、「褐色低
は水分が 85%もあって、泥寧化しています。
地土」の有機物含量は、それぞれ、9∼10%、
このふん尿を堆肥盤に積んで、1 ヶ月に 1 回
さらに、地面には枯れ葉が層になって地表
3∼4%、1%です。しかし、それぞれの土を水
切り替えしても理想的な発酵は起こらず、堆
を覆っていて、上層から、枯れ葉の層、葉が
形成する耕地防風林が減少していることは残
で抽出すると、その抽出液の色に違いがあり
肥化は進みません。逆に嫌気発酵して、嫌な
発酵した層、葉の発酵が終わった層になって
念であり、市街地においても森林が少ないこ
ます。
「黒ボク土」はほぼ透明で、何も溶け出
臭いがします。しかし、堆肥盤がいっぱいに
います。
とを危惧しています。
してきません。
なると、こういった未熟な堆肥でも処分しな
こういった自然のメカニズムから色んなこ
ければならず、耕種農家の圃場へ「野積み」
とを学んで、土の特性を活かした農業と環境
上士幌町は一層高齢化が進むと予想されます。
するという実態もあります。
の調和を図っていくことが大切です。
市街地に町民が憩える森林を創りやベンチ・
一方、有機物含量の低い「チェルノーゼム」
や「褐色低地土」の抽出液は茶褐色で、明ら
資料-41
かに何らかの有機物が溶出しているのがわか
生産現場では、理想的な堆肥化の方法を熟
ります。この水に溶け出した有機物がキレー
知しながらも、こういった実態(課題)が少
トのような機能を持ち、土壌中の物質循環を
なからずあります。
促進する役割を担っているかもしれません。
【課題の解決には∼バイオガスプラント∼】
現在、
(谷先生は)この仮説を証明する研究
バイオガスプラントでメタン発酵させたス
上士幌の農業景観を
高齢化社会と言われて久しく、これからの
水飲み場などを整備することによって、高齢
パネルディスカッション
∼地域資源の再生と活用∼
者にやさしいまちづくりを進めていくべきで
す。
自然環境と内なる自然との因果関係
★パネリスト
をしています。
ラリー(消化液)は、未発酵スラリーよりも
地域の宝さがしの会
【堆肥化の本当の目的と完熟堆肥の機能】
臭いが少なくサラッとしています。しかも、
十勝三股森づくり21 川辺百樹 氏
では、「ミユビゲラ」の森
この消化液を畑に散布すると作物の生育が良
ひがし大雪自然
を復活させる活動をして
家畜ふん尿を堆肥化するには、麦稈やおが
屑などの副資材を混ぜて、水分調整した後に
山を作り、定期的にかき混ぜて(切り返し)、
くなるという効果があります。
この消化液の正体は腐植酸です。水分の高
好気性微生物と酸素を働かせて発酵させる必
い乳牛ふん尿をメタン発酵させることによっ
要があります。この好気的発酵は下記の目的
て、ふん尿の液体部分に含まれるポリフェノ
を達成するために行います。
ール成分が「土づくり」に有用な成分に変化
宗重 仁 氏
ガイドセンター 河田 充 氏
帯広畜産大学助教授
谷 昌幸 氏
★テーマ
います。「ミユビゲラ」が
いなくなったのは、採餌
木であるエゾマツやアカ
★コーディネーター
帯広畜産大学助教授
十勝三股森づくり21
倉持勝久 氏
「地域資源の再生と活用」
したと、谷先生は考えています。
エゾマツが減少したこと
が原因の一つ。本来の自
然林の中では『倒木更新』という機能があっ
【土づくりは、土壌の機能を引き出すこ
て、アカエゾマツの実生が発芽・生育しやす
と】「土づくり」とは、良質な有機物の施用、
い環境が維持されている。人間の経済行為が
深耕、除礫、客土や輪作、過剰な塩類の除去、
介入した地域に対して、自然の復元力を尊重
排水対策、適正な施肥などによって、土壌の
しながら人間が回復の手助けをしていくこと
化学性・物理性・生物性を改善することだと
が大切です。
いわれています。しかし、画一的な手法にこ
また、人工林(カラマツ林)をいかに増や
だわることなく、
「土の持っている本来的な性
して活用していくことや、輸入材に依存しな
質を良く理解」し、
「土の特性に合わせた方法
を考え」、「有用な資源を最大限に活用」して
いことも自然林の保護には必要なことです。
・・・パネルディスカッションの様子
昨今、子どもたちの事件や事故が頻発して
います。これは、精神や肉体の人間の内なる
循環の概念は低年齢層から意識付け
自然が崩壊しつつあるように感じられます。
自然環境と人間の精神や肉体とは何らかの因
上士幌町の農業は、畜
果関係があります。自然環境を保全すること
産と畑作がちょうど良い
は、わたしたち人間にとっての安全で安心な
バランスで存在していま
生活をも獲得することに繋がると考えられま
す。耕畜連携を図りやす
す。
い地域といえます。ただ、
子どもたちと同じ目線で(家庭教育)
現在問題になっているの
が河川や地下水の汚染物
ひがし大雪自然ガ
質である「硝酸態窒素」です。これは、家畜
イドセンターでは、
ふん尿を野積みしておくことでも流出してい
東大雪を訪れた人に
きます。
『切り返し』を行って十分に発酵させ
自然体験を提供し、
ることが必要です。
地域と共に環境教育
帯広畜産大学では、出前授業の中で環境教
を行い、自然を守る
育を行っています。給食残飯を利用して堆肥
環境保全のアクショ
づくりや花壇づくりをしています。リサイク
ンを起こす活動をし
ルの概念は低年齢層から意識付けすることが
ています。こういった活動を通して糠平や上
大切です。
資料-42
士幌を元気にしたいと考えています。
具体的には、山岳地域、特にニペソツ山の
自然生態系からメカニズムを学ぶ
登山道の荒廃を防ぐ活動として、ロープやト
街路樹の整備一つと
イレを設置したり、降雨後に川となる登山道
っても、落ち葉などの
の浸食を回避するために水の逃げ道を確保す
残渣物をいかに循環し
るなどの取組みをしています。山開き登山の
ていくかということも
中止もその一環です。
考えていかなければな
また、ひがし大雪の森を活用して、小学生
りません。それを上士
や中学生を対象に旧国鉄士幌線や三股の貯木
幌農業に置き換えても
場跡の歴史を学び、森の散策や森づくりなど
循環型農業の先進地に
の体験学習に取り組んでいます。
学び上士幌型農業を構
最近の子どもたちは虫ぎらいの子が多いで
築していくことが大切です。今、本当にスロ
す。自然環境に関心を示す子どもも少ない。
ーライフというものを真剣に考えていく時期
父親や母親がどれだけ子供と一緒に自然とふ
にきています。循環型社会の構築には、自然
れあう時間を持てるのか、子供と同じ目線で
生態系を保護し、そこから多くのメカニズム
遊べるのかが問われています。子どもたちは、
を学び、上士幌町に適正な解決方法をじっく
その中から自然の仕組みを学んでいく。
りと考えていくことが大切です。
次回(第8回会議)は、平成 18 年に予定しています。日程は後日ご連絡します。
事務局;企画課環境計画担当 吉永、深瀬、中田 TEL:2-2111(内線 263) FAX:2-4637
Ⅱ.環境基準
◆人の健康の保護に関する公共用水域及び地下水質の環境基準
公共用水域の水質汚
濁に係る環境基準
昭和 46 年 12 月 28 日
環境庁告示第 59 号
平成 9 年 3 月 13 日
環境庁告示第 10 号
水道水の水質基準
(参考)
平成 4 年 12 月 21 日
厚生省令第 69 号
カドミウム
0.01mg/ℓ 以下
0.01mg/ℓ 以下
0.01mg/ℓ 以下
全シアン
検出されないこと。
検出されないこと。
シアン 0.01mg/ℓ 以
下
鉛
0.01mg/ℓ 以下
0.01mg/ℓ 以下
0.01mg/ℓ 以下
規格 54 に定める方法
六価クロム
0.05mg/ℓ 以下
0.05mg/ℓ 以下
0.05mg/ℓ 以下
規格 65.2 に定める方法
砒素
0.01mg/ℓ 以下
0.01mg/ℓ 以下
0.01mg/ℓ 以下
規格 61.2 又は 61.3 に定める方法
総水銀
0.0005mg/ℓ 以下
0.0005mg/ℓ 以下
付表1に掲げる方法
アルキル水銀
検出されないこと。
検出されないこと。
水銀 0.0005mg/ℓ 以
下
PCB
検出されないこと。
検出されないこと。
項目
地下水質の環境基準
-
ジクロロメタン
0.02mg/ℓ 以下
0.02mg/ℓ 以下
0.02mg/ℓ 以下
四塩化炭素
0.002mg/ℓ 以下
0.002mg/ℓ 以下
0.002mg/ℓ 以下
1,2-ジクロロエタン
0.004mg/ℓ 以下
0.004mg/ℓ 以下
0.004mg/ℓ 以下
1,1-ジクロロエチレン
0.02mg/ℓ 以下
0.02mg/ℓ 以下
0.02mg/ℓ 以下
シス-1,2-ジクロロエチレ
ン
0.04mg/ℓ 以下
0.04mg/ℓ 以下
0.04mg/ℓ 以下
1,1,1-トリクロロエタン
1mg/ℓ 以下
1mg/ℓ 以下
0.3mg/ℓ 以下
1,1,2-トリクロロエタン
0.006mg/ℓ 以下
0.006mg/ℓ 以下
0.006mg/ℓ 以下
トリクロロエチレン
0.03mg/ℓ 以下
0.03mg/ℓ 以下
0.03mg/ℓ 以下
テトラクロロエチレン
0.01mg/ℓ 以下
0.01mg/ℓ 以下
0.01mg/ℓ 以下
1,3-ジクロロプロペン
0.002mg/ℓ 以下
0.002mg/ℓ 以下
0.002mg/ℓ 以下
チウラム
0.006mg/ℓ 以下
0.006mg/ℓ 以下
0.006mg/ℓ 以下
シマジン
0.003mg/ℓ 以下
0.003mg/ℓ 以下
0.003mg/ℓ 以下
チオベンカルブ
0.02mg/ℓ 以下
0.02mg/ℓ 以下
0.02mg/ℓ 以下
ベンゼン
0.01mg/ℓ 以下
0.01mg/ℓ 以下
0.01mg/ℓ 以下
セレン
0.01mg/ℓ 以下
0.01mg/ℓ 以下
0.01mg/ℓ 以下
硝酸性窒素及び亜硝酸性
窒素
10mg/ℓ 以下
10mg/ℓ 以下
10mg/ℓ 以下
ふっ素
0.8mg/ℓ 以下
0.8mg/ℓ 以下
0.8mg/ℓ 以下
ほう素
1mg/ℓ 以下
1mg/ℓ 以下
1mg/ℓ 以下
<備考>
検査方法
日本工業規格K0102(以下「規格」
という。)55 に定める方法
規格 38.1.2 及び 38.2 に定める方法
又は規格 38.1.2 及び 38.3 に定める
方法
付表2に掲げる方法
付表3に掲げる方法
日本工業規格K0125 の 5.1、5.2 又
は 5.3.2 に定める方法
日本工業規格K0125 の 5.1、5.2、
5.3.1、5.4.1 又は 5.5 に定める方法
日本工業規格K0125 の 5.1、5.2、
5.3.1 又は 5.3.2 に定める方法
日本工業規格K0125 の 5.1、5.2 又
は 5.3.2 に定める方法
日本工業規格K0125 の 5.1、5.2 又
は 5.3.2 に定める方法
日本工業規格K0125 の 5.1、5.2、
5.3.1、5.4.1 又は 5.5 に定める方法
日本工業規格K0125 の 5.1、5.2、
5.3.1、5.4.1 又は 5.5 に定める方法
日本工業規格K0125 の 5.1、5.2、
5.3.1、5.4.1 又は 5.5 に定める方法
日本工業規格K0125 の 5.1、5.2、
5.3.1、5.4.1 又は 5.5 に定める方法
日本工業規格K0125 の 5.1、5.2 又
は 5.3.1 に定める方法
付表4に掲げる方法
付表5の第1又は第2に掲げる方
法
付表5の第1又は第2に掲げる方
法
日本工業規格K0125 の 5.1、5.2 又
は 5.3.2 に定める方法
規格 67.2 又は 67.3 に定める方法
硝酸性窒素にあっては規格 43.2.1、
43.2.3 又は 43.2.5 に定める方法、亜
硝酸性窒素にあっては規格 43.1 に
定める方法
規格 34.1 に定める方法又は付表6
に掲げる方法
規格 47.1 若しくは 47.3 に定める方
法又は付表7に掲げる方法
1.基準値は年間平均値とする。ただし、全シアンに係る基準値については 、最高値とする。
2.
「検出されないこと」とは、測定方法の欄に掲げる方法により測定した場合において、その結果が当該方法の定量限界を下回
ることをいう。別表2において同じ。
3.海域については、ふっ素及びほう素の基準値は適用しない。
4.硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の濃度は、規格 43.2.1、43.2.3 又は 43.2.5 により測定された硝酸イオンの濃度に換算係数 0.2259
を乗じたものと規格 43.1 により測定された亜硝酸イオンの濃度に換算係数 0.3045 を乗じたものの和とする。
資料-43
◆生活環境の保全に関する環境基準
類 型
AA
水道1級
利用目的の適応性
自然環境保全
及びA以下の
欄に掲げるも
の
A
水道2級
水産1級水浴
及びB以下の
欄に掲げるも
の
B
水道3級
水産2級及び
C以下の欄に
掲げるもの
C
水産3級
工業用水1級
及びD以下の
欄に掲げるも
の
D
E
工業用水2級
工業用水3
級
農業用水及び
Eの欄に掲げ
るもの
環境保全
pH
6.5 以上
6.5 以上
6.5 以上
6.5 以上
6.0 以上
6.0 以上
水素イオン濃
度
8.5 以下
8.5 以下
8.5 以下
8.5 以下
8.5 以下
8.5 以下
1mg/ℓ 以下
2mg/ℓ 以下
3mg/ℓ 以下
5mg/ℓ 以下
8mg/ℓ 以下
10mg/ℓ 以下
25mg/ℓ 以下
25mg/ℓ 以下
25mg/ℓ 以下
50mg/ℓ 以下
100mg/ℓ 以下
7.5mg/ℓ 以上
7.5mg/ℓ 以上
5mg/ℓ 以上
5mg/ℓ 以上
2mg/ℓ 以上
2mg/ℓ 以上
50MPN
1,000MPN
5,000MPN
-
-
-
/100mℓ 以下
/100mℓ 以下
/100mℓ 以下
BOD
項目および基準値
生物化学的酸
素要求量
SS
浮遊物質量
ごみ等の浮
遊が認めら
れないこと
DO
溶存酸素量
大腸菌群数
<備考>
1.基準値は、日間平均とする。
2.農業用利水点については、水素イオン濃度 6.0 以上 7.5 以下、溶存酸素量 5mg/ℓ 以上とする。
(注)
1.自然環境保全:自然探勝等の環境保全
2.水 道 1 級:ろ過等による簡易な浄水操作を行うもの
水 道 2 級:沈殿ろ過等による通常の浄水操作を行うもの
水 道 3 級:前処理等を伴う高度の浄水操作を行うもの
3.水 道 1 級:ヤマメ、イワナ等貧腐水性水域の水産生物用並びに水産2級及び水産3級の水産生物用
水 道 2 級:サケ科魚類及びアユ等貧腐水性水域の水産生物用及び水産3級の水産生物用
水 道 3 級:コイ、フナ等、ベータ-中腐水性水域の水産生物用
4.工業用水1級:沈殿等による通常の浄水操作を行うもの
工業用水2級:薬品注入等による高度の浄水操作を行うもの
工業用水3級:特殊な浄水操作を行うもの
5.環 境 保 全:国民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む)において不快感を生じない限度
資料-44
◆水生生物による水質判定
水質
指標生物
きれいな水
少し汚い水
汚い水
大変汚い水
水質階級Ⅰ
水質階級Ⅱ
水質階級Ⅲ
水質階級Ⅳ
アミカ
イシマキガイ
イソコツブムシ
アメリカザリガニ
ウズムシ
オオシマトビケラ
タイコウチ
エラミミズ
カワゲラ
カワニナ
タニシ
サカマキガイ
サワガニ
ゲンジボタル
ニホンドロソコエビ
セスジユスリカ
チョウバエ
ナガレトビケラ
コオニヤンマ
ヒル
ヒラタカゲロウ
コガタシマトビケラ
ミズカマキリ
ブユ
スジエビ
ミズムシ
ヘビトンボ
ヒラタドロムシ
ヤマトビケラ
ヤマトシジミ
環境省
指標生物(見つかった指標生物に〇印、数が多かった上位から 2 種
類(最大 3 種類)に●印をつけて下さい)
1
水質階級Ⅰ
水質階級Ⅱ
水質階級Ⅲ
水質階級Ⅳ
水質
階級
の
判定
アミカ
〇(6)
2
ウズムシ
〇(4)
3
カワゲラ
〇(9)
4
サワガニ
3 種類)に●印をつける。
ナガレトビケラ
●(20)
6
ヒラタカゲロウ
●(26)
7
ブユ
〇(8)
8
ヘビトンボ
9
ヤマトビケラ
10
イシマキガイ
11
オオシマトビケラ
カワニナ
13
ゲンジボタル
14
コオニヤンマ
1.見つかった指標生物の欄に○印をつける。
2.そのうち、数が多かった上位から 2 種類(最大
5
12
<判定方法>
3.○印と●印の数の合計を各水質階級ごとに「水
質階級の判定」1の欄に記入する。
〇(11)
4.●印だけの数の合計を各水質階級ごとに「水質
階級の判定」2の欄に記入する。
○(3)
5.
「水質階級の判定」3の欄に合計を記入する。
15
コガタシマトビケラ
16
スジエビ
17
ヒラタドロムシ
級をその場所の水質階級と判定し、一番下の欄
18
ヤマトシジミ
にⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの数字を記入する。
19
イソコツブムシ
(合計の数字が 2 つの水質階級で同じ数字にな
20
タイコウチ
21
タニシ
22
ニホンドロソコエビ
23
ヒル
24
ミズカマキリ
25
ミズムシ
26
アメリカザリガニ
27
エラミミズ
28
サカマキガイ
29
セスジユスリカ
30
チョウバエ
6.「水質階級の判定」3の欄の最も大きい水質階
った場合は、水質階級を示す数字が小さい方を
その場所の水質階級とする。)
水質階級
Ⅰ
Ⅱ
1.〇印と●印の個数
7
1
2.●印の個数
2
3.合計(1 欄+2 欄)
9
この地点の水質階級は
Ⅲ
Ⅳ
1
Ⅰです
資料-45
◆<参考>雨水、河川水等の水質比較
項
目
区分
雨水
上流河川水
下流河川水
水素イオン濃度
(pH)
5.6 以下を酸
性雨という
電気伝導度
(EC);µs/cm
10~30
50~100
200~400
アンモニア態窒素
(NH4-N);mg/ℓ
0.1~0.4
0.05
0.5~5.0
0.0018~
0.03
~0.09
亜硝酸態窒素
(NO2-N);mg/ℓ
硝酸態窒素
(NO3-N);mg/ℓ
0.2~0.4
0.2~1.0
2.0~6.0
オルトリン酸リン
(PO4-P);mg/ℓ
0.05 以下
0.05 以下
0.1~1.0
陰イオン界面活性剤
(EVAS);mg/ℓ
化学的酸素要求量
(COD);mg/ℓ
水道水
地下水
5.8~8.6
(水道基準)
6.0~8.0
下水・汚水
5.0 以上
2.0~6.0
0.2 以下
(水道基準)
1.0~2.0
5.0 以下
2.0~10.0
生物化学的酸素要求量
(BOD);mg/ℓ
生活環境の保全に関する環境基準 参照
溶存酸素
(DO);mg/ℓ
生活環境の保全に関する環境基準 参照
資料-46
10.0 以上
◆土壌汚染に係る環境基準
項
目
環境上の条件
カドミウム
検液 1ℓ につき 0.1mg 以下であり、かつ、農用地においては、米 1kg につき 1mg 未満であること。
全シアン
検液中に検出されないこと。
有機燐
検液中に検出されないこと。
鉛
検液 1ℓ につき 0.1mg 以下であること。
六価クロム
検液 1ℓ につき 0.05mg 以下であること。
砒素
検液 1ℓ につき 0.01mg 以下であり、かつ、農用地(田に限る。)においては、土壌 1kg につき
15mg 未満であること。
総水銀
検液 1ℓ につき 0.0005mg 以下であること。
アルキル水銀
検液中に検出されないこと。
PCB
検液中に検出されないこと。
銀
農用地(田に限る)において、土壌 1kg につき 125mg 未満であること。
ジクロロメタン
検液 1ℓ につき 0.02mg 以下であること。
四塩化炭素
検液 1ℓ につき 0.002mg 以下であること。
1,2- ジ ク ロ ロ エ タ
ン
1,1- ジ ク ロ ロ エ チ
レン
シ ス -1,2- ジ ク ロ ロ
エチレン
1,1,1-トリクロロエ
タン
1,1,2-トリクロロエ
タン
トリ ク ロロ エ チレ
ン
テト ラ クロ ロ エチ
レン
1,3- ジ ク ロ ロ プ ロ
ペン
検液 1ℓ につき 0.004mg 以下であること。
検液 1ℓ につき 0.02mg 以下であること。
検液 1ℓ につき 0.04mg 以下であること。
検液 1ℓ につき 1mg 以下であること。
検液 1ℓ につき 0.006mg 以下であること。
検液 1ℓ につき 0.03mg 以下であること。
検液 1ℓ につき 0.01mg 以下であること。
検液 1ℓ につき 0.002mg 以下であること。
チウラム
検液 1ℓ につき 0.006mg 以下であること。
シマジン
検液 1ℓ につき 0.003mg 以下であること。
チオベンカルブ
検液 1ℓ につき 0.02mg 以下であること。
ベンゼン
検液 1ℓ につき 0.01mg 以下であること。
セレン
検液 1ℓ につき 0.01mg 以下であること。
ふっ素
検液 1ℓ につき 0.8mg 以下であること。
ほう素
検液 1ℓ につき 1mg 以下であること。
資料-47
◆大気汚染に係る環境基準
大気汚染物質
環境基準
測定方法
告示
二酸化硫黄
(SO2)
1 時間値の 1 日平均値が 0.04ppm
以下であり、かつ、1 時間値が
00001ppm 以下であること。
環境上の条件
溶液導電率法又は紫外線蛍光法
昭和 48 年 5 月 16 日環境庁
告示第 25 号
一酸化炭素
(CO)
1 時間値の 1 日平均値が 10ppm
以下であり、かつ、1 時間値の 8
時間平均値が 20ppm 以下である
こと。
非分散型赤外分析計を用いる方法
昭和 48 年 5 月 8 日環境庁告
示第 25 号
浮遊粒子状物質
(SPM)
1 時間値の 1 日平均値が 0.10mg/
㎥以下であり、かつ、1 時間値が
0.20mg/㎥以下であること。
濾過捕集による重量濃度測定方法
又はこの方法によって測定された
重量濃度と直線的な関係を有する
量が得られる光散乱法、圧電天び
ん法若しくはベータ線吸収法
昭和 48 年 5 月 8 日環境庁告
示第 25 号
二酸化窒素
(NO2)
1 時間値の 1 日平均値が 0.04ppm
から 0.06ppm までのゾーン内又
はそれ以下であること。
ザルツマン試薬を用いる吸光光度
法又はオゾンを用いる化学発光法
昭和 53 年 7 月 11 日環境庁
告示第 38 号
光化学オキシダント
(OX)
1 時間値が 0.06ppm 以下である
こと。
中性ヨウ化カリウム溶液を用いる
吸光光度法若しくは電量法、紫外
線吸収法又はエチレンを用いる化
学発光法
昭和 48 年 5 月 8 日環境庁告
示第 25 号
備考
1. 環境基準は、工業専用地域、車道その他一般公衆が通常生活していない地域または場所については、適用しない。
2. 浮遊粒子状物質とは大気中に浮遊する粒子状物質であってその粒径が 10μm 以下のものをいう。
3. 二酸化窒素について、1 時間値の 1 日平均値が 0.04ppm から 0.06ppm までのゾーン内にある地域にあっては、原則として
このゾーン内において現状程度の水準を維持し、又はこれを大きく上回ることとならないよう努めるものとする。
4. 光化学オキシダントとは、オゾン、パーオキシアセチルナイトレートその他の光化学反応により生成される酸化性物質(中
性ヨウ化カリウム溶液からヨウ素を遊離するものに限り、二酸化窒素を除く。
) をいう。
5. 大気汚染防止法…昭和 43 年 6 月 10 日法律 97
◆有害大気汚染物質(ベンゼン類)に係る環境基準
大気汚染物質
環境基準
環境上の条件
ベンゼン
1 年平均値が 0.003mg/㎥
以下であること。
トリクロロエチレン
1 年平均値が 0.2mg/㎥以下
であること。
テトラクロロエチレン
1 年平均値が 0.2mg/㎥以下
であること。
ジクロロメタン
1 年平均値が 0.15mg/㎥以
下であること。
測定方法
キャニスター又は捕集管
により採取した試料をガ
スクロマトグラフ質量分
析計により測定する方法
を標準法とする。また、当
該物質に関し、標準法と同
等以上の性能を有使用可
能とする。
告示
平成 9 年 2 月 4 日環境庁告
示第 4 号
平成 9 年 2 月 4 日環境庁告
示第 4 号
平成 9 年 2 月 4 日環境庁告
示第 4 号
平成 13 年 4 月 20 日環境庁
告示第 30 号
備考
1. 環境基準は、工業専用地域、車道その他一般公衆が通常生活していない地域または場所については、適用しない。
2. ベンゼン等による大気の汚染に係る環境基準は、継続的に摂取される場合には人の健康を損なうおそれがある物質に
係るものであることにかんがみ、将来にわたって人の健康に係る被害が未然に防止されるようにすることを旨として、
その維持又は早期達成に努めるものとする。
資料-48
◆ダイオキシン類に係る環境基準
大気汚染物質
ダイオキシン類
環境基準
環境上の条件
1 年平均値が
3
0.6pg-TEQ/m 以下である
こと。
測定方法
告示
ポリウレタンフォームを装着
した採取筒をろ紙後段に取り
付けたエアサンプラーにより
採取した試料を高分解能ガス
クロマトグラフ質量分析計に
より測定する方法。
平成 11 年 12 月日 27 環
境省告示
備考
1. 環境基準は、工業専用地域、車道その他一般公衆が通常生活していない地域または場所については、適用
しない。
2. 基準値は、2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシンの毒性に換算した値とする。
◆ダイオキシン類による汚染
媒
体
基準値
大気
0.6pg-TEQ/㎥以下
水質(水底の底質を除く)
1pg-TEQ/l以下
水底の底質
150pg-TEQ/g 以下
土壌
1,000pg-TEQ/g 以下
備考
1.基準値は、2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシンの毒性に換算した値とする。
2.大気及び水質(水底の底質を除く。)の基準値は、年間平均値とする。
3.土壌にあっては、環境基準が達成される場合であって、土壌中のダイオキシン類
の量が 250pg-TEQ/g 以上には、必要な調査を実施することとする。
TEQ…(Toxic Equivalents)最も毒性の強い「2,3,7,8-TCDD」の毒性を1として、
他のダイオキシン類の毒性の強さを換算。
◆光オキシダントの生成防止のための大気中炭化水素濃度の指針
光化学オキシダントの日最高1時間値 0.06ppm に対応する午前6時から9時までの非メタン炭
化水素の3時間平均値は、0.20ppmC から 0.31ppmC の範囲にある。(S51.8.13 通知)
資料-49
◆騒音に係る環境基準について
(平成 11 年 4 月 1 日北海道告示第 532 号)
区分
類型
騒音規制法に基づく指定地域
車線数
一般地域
A
第1種区域及び第2種区域(都市計画法に基
づく用途地域が第 1・2 種低層住居専用地域
及び第 1・2 種中高層住居専用地域に限る。)
B
第2種区域(類型Aを当てはめる地域を除
く。)
C
昼間
夜間
6 時~22 時
22 時~6 時
道路に面する地域
55デシベル以下
45デシベル以下
第3種区域及び第4種区域
60デシベル以下
50デシベル以下
A
第1種区域及び第2種区域(都市計画法に基
づく用途地域が第 1・2 種低層住居専用地域 2車線以上
及び第 1・2 種中高層住居専用地域に限る。)
60デシベル以下
55デシベル以下
B
第2種区域(類型Aを当てはめる地域を除
く。)
2車線以上
C
第3種区域及び第4種区域
1車線以上
65デシベル以下
60デシベル以下
注 1.道路に面する地域において、幹線交通を担う道路に近接する空間においては、上表にかかわらず、特例として次表に
掲げるとおりとする。
昼間 6 時~ 22 時
夜間 22 時~ 6 時
70デシベル以下
65デシベル以下
(備考)
個別の住居等において、騒音の影響を受けやすい面の窓を主として閉めた生活が営
まれていると認められるときは、屋内へ透過する騒音に係る環境基準(昼間にあっ
ては 45 デシベル以下、夜間にあっては 40 デシベル以下。)によることができる。
注1.基準値は、等価騒音レベル(LAeq)
2.Aを当てはめる地域は、専ら住居の用に供される地域とすること。
3.Bを当てはめる地域は、主として住居の用に供される地域とすること。
4.Cを当てはめる地域は、相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域とすること。
5.
「幹線交通を担う道路」及び「幹線交通を担う道路に近接する空間」については、環境庁大気保全局通知(平成 10 年
9月 30 日付け環大企第 257 号)で次のとおり定められています。
(1)「幹線交通を担う道路」とは、高速自動車国道、一般国道、都道府県道及び市町村道(市町村道にあっては4車線以上
の区間に限る。
)等。
(2)「幹線交通を担う道路に近接する空間」とは、次の車線数の区分に応じ道路端からの距離によりその範囲が特定される。
・2車線以下の車線を有する幹線交通を担う道路
15メートル
・2車線を超える車線を有する幹線交通を担う道路 20メートル
資料-50
◆悪臭防止法の規定に基づく敷地の境界の表面における規制基準
(平成 7 年 2 月 24 日北海道告示第 256 号)
規制基準(ppm)
特定悪臭物質名
A 区域
B 区域
C 区域
1
2
5
メチルメルカプタン
0.002
0.004
0.01
硫化水素
0.02
0.06
0.2
硫化メチル
0.01
0.05
0.2
二硫化メチル
0.009
0.03
0.1
トリメチルアミン
0.005
0.02
0.07
アセトアルデヒド
0.05
0.1
0.5
プロピオンアルデヒド
0.05
0.1
0.5
ノルマルブチルアルデヒド
0.009
0.03
0.08
イソブチルアルデヒド
0.02
0.07
0.2
ノルマルバレルアルデヒド
0.009
0.02
0.05
イソバレルアルデヒド
0.003
0.006
0.01
0.9
4
20
酢酸エチル
3
7
20
メチルイソブチルケトン
1
3
6
トルエン
10
30
60
スチレン
0.4
0.8
2
キシレン
1
2
5
プロピオン酸
0.03
0.07
0.2
ノルマル酪酸
0.001
0.002
0.006
ノルマル吉草酸
0.0009
0.002
0.004
イソ吉草酸
0.001
0.004
0.01
アンモニア
イソブタノール
出典:悪臭防止法に基づく規制基準(昭和 49.7.1、告示 2242
改正:平成 7.3.31、告示 446)
資料-51
Ⅲ.上士幌町の動植物
上士幌町における絶滅の恐れのある動植物
北海道レッドリスト【上士幌町に生息する動植物①(哺乳類、鳥類、魚類、両生類・爬虫類、昆虫)
】
№
和名または学名
1
オコジョ
2
3
4
5
6
7
分類群
RDB ランク
№
和名または学名
分類群
RDB ランク
哺乳類
絶滅危急種(Vu)
37
ハヤブサ
鳥
類
絶滅危急種(Vu)
カグヤコウモリ
哺乳類
希少種(R)
38
ヒシクイ
鳥
類
希少種(R)
コテングコウモリ
哺乳類
希少種(R)
39
ミサゴ
鳥
類
絶滅危急種(Vu)
チチブコウモリ
哺乳類
希少種(R)
40
ミユビケラ
鳥
類
絶滅危機種(Cr)
テングコウモリ
哺乳類
希少種(R)
41
ヤマセミ
鳥
類
希少種(R)
ヒナコウモリ
哺乳類
希少種(R)
42
ヨタカ
鳥
類
希少種(R)
エゾサンショウウオ
両生類
爬虫類
留意種(N)
ヒメホオヒゲコウモリ
哺乳類
絶滅危急種(Vu)
43
8
ホオヒゲコウモリ
哺乳類
希少種(R)
44
オショロコマ
魚
類
希少種(R)
9
ムクゲネズミ
哺乳類
希少種(R)
45
サクラマス(ヤマメ)
魚
類
留意種(N)
10
ヤマコウモリ
哺乳類
希少種(R)
46
スナヤツメ
魚
類
地域個体群(Lp)
11
アカショウビン
鳥
類
希少種(R)
47
ハナカジカ
魚
類
留意種(N)
12
アカモズ
鳥
類
希少種(R)
48
ミヤベイワナ
魚
類
希少種(R)
13
イヌワシ
鳥
類
絶滅危惧種(En)
49
アサヒヒョウモン
昆
虫
希少種(R)
14
ウズラ
鳥
類
希少種(R)
50
アラコガネコメツキ
昆
虫
希少種(R)
15
エゾライチョウ
鳥
類
希少種(R)
51
アラメナガゴミムシ
昆
虫
希少種(R)
16
オオアカゲラ
鳥
類
留意種(N)
52
ウスバキチョウ
昆
虫
希少種(R)
17
オオジシギ
鳥
類
希少種(R)
53
エカシマルトゲムシ
昆
虫
希少種(R)
18
オオタカ
鳥
類
絶滅危急種(Vu)
54
エゾクロバエ
昆
虫
希少種(R)
19
オオワシ
鳥
類
絶滅危惧種(En)
55
オオイチモンジ
昆
虫
留意種(N)
20
オシドリ
鳥
類
希少種(R)
56
カラフトイトトンボ
昆
虫
絶滅危急種(Vu)
21
オジロワシ
鳥
類
絶滅危惧種(En)
57
カラフトルリシジミ
昆
虫
希少種(R)
22
ギンザンマシコ
鳥
類
希少種(R)
58
カワカミハムシ
昆
虫
希少種(R)
23
キンメフクロウ
鳥
類
希少種(R)
59
クモマベニヒカゲ
昆
虫
希少種(R)
24
クイナ
鳥
類
希少種(R)
60
クワヤマトラカミキリ
昆
虫
希少種(R)
25
クマゲラ
鳥
類
絶滅危急種(Vu)
61
ケマダラカミキリ
昆
虫
留意種(N)
26
クマタカ
鳥
類
絶滅危惧種(En)
62
コミズスマシ
昆
虫
希少種(R)
27
ケアシノスリ
鳥
類
希少種(R)
63
ダイセツマルクビゴミムシ
昆
虫
希少種(R)
28
コアカゲラ
鳥
類
希少種(R)
64
カタネナミシャク
昆
虫
希少種(R)
29
シノリガモ
鳥
類
希少種(R)
65
チビクロニクバエ
昆
虫
希少種(R)
30
シマアオジ
鳥
類
希少種(R)
66
チャバネクロツツカミキリ
昆
虫
希少種(R)
31
シュマフクロウ
鳥
類
絶滅危機種(Cr)
67
ヌタッカゾウムシ
昆
虫
希少種(R)
32
シロハヤブサ
鳥
類
希少種(R)
68
ヒメアカネ
昆
虫
希少種(R)
33
タンチョウ
鳥
類
絶滅危惧種(En)
69
マルツノゼミ
昆
虫
希少種(R)
34
トラフズク
鳥
類
希少種(R)
70
ミズスマシ
昆
虫
希少種(R)
35
ハイタカ
鳥
類
絶滅危急種(Vu)
71
ミドリヒラタカミキリ
昆
虫
希少種(R)
36
ハチクマ
鳥
類
希少種(R)
72
ムカシトンボ
昆
虫
留意種(N)
北海道レッドデータブック』
絶滅危機種(Cr)
;絶滅の危機に直面している種または亜種。
絶滅危惧種(En);絶滅の危機に瀕している種または亜種。
絶滅危急種(Vu);絶滅の危機が増大している種または亜種。
希少種(R)
;存続基盤が脆弱な種または亜種(生息条件の変化により容易に上位ランクに移行するもの)
地域個体群(Lp);保護に留意する個体群
留意種(N)
;保護に留意すべき種または亜種(北海道においては安定しており特に絶滅の恐れはない)
出典;『北海道の希少野生生物
資料-52
上士幌町における絶滅の恐れのある動植物
北海道レッドリスト【上士幌町に生息する動植物②(植物)
】
№
和名または学名
1
アカスゲ
2
アカンカサスゲ
3
アリドオシラン
4
イチヨウラン
5
エゾイワツメクサ
分類群
植
№
RDB ランク
和名または学名
物
絶滅危急種(Vu)
29
植
物
希少種(R)
植
物
希少種(R)
植
物
絶滅危急種(Vu)
32
スガワラビランジ
植
物
希少種(R)
33
タカネシオガマ
分類群
RDB ランク
コイチヨウラン
植
物
絶滅危惧種(En)
30
コスギラン
植
物
希少種(R)
31
コマクサ
植
物
希少種(R)
植
物
絶滅危惧種(En)
植
物
希少種(R)
6
エゾウスユキソウ
植
物
絶滅危急種(Vu)
34
チシマゲンゲ
植
物
希少種(R)
7
エゾコザクラ
植
物
希少種(R)
35
チョウノスケソウ
植
物
希少種(R)
8
エゾノクサタチバナ
植
物
絶滅危急種(Vu)
36
ツクモグサ
植
物
絶滅危機種(Cr)
9
エゾノチャルメルソウ
植
物
希少種(R)
37
トカチオウギ
植
物
希少種(R)
10
エゾミクリ
植
物
希少種(R)
38
トラキチラン
植
物
絶滅危急種(Vu)
11
エゾムグラ
植
物
希少種(R)
39
ニシキツガザクラ
植
物
希少種(R)
12
オクエゾナズナ
植
物
希少種(R)
40
バイカモ
植
物
希少種(R)
13
オニク
植
物
希少種(R)
41
ヒメデンダ
植
物
絶滅危急種(Vu)
14
オノエリンドウ
植
物
希少種(R)
42
ヒメドクサ
植
物
絶滅危急種(Vu)
15
カモメラン
植
物
絶滅危急種(Vu)
43
フタバラン
植
物
希少種(R)
16
カラフトイチヤクソウ
植
物
希少種(R)
44
ベニバナヤマシャクヤク
植
物
絶滅危惧種(En)
17
カラフトイバラ
植
物
希少種(R)
45
マルバチャルメルソウ
植
物
希少種(R)
18
カラフトゲンゲ
植
物
希少種(R)
46
ミヤマイワデンダ
植
物
希少種(R)
19
カラフトダイオウ
植
物
希少種(R)
47
ミヤマチドリ
植
物
希少種(R)
20
カラフトハナシノブ
植
物
絶滅危急種(Vu)
48
ミヤマビャクシン
植
物
絶滅危急種(Vu)
21
カラフトメンマ
植
物
希少種(R)
49
ミヤマフタバラン
植
物
希少種(R)
22
カラフトモメンヅル
植
物
希少種(R)
50
ヤチスギナ
植
物
絶滅危急種(Vu)
23
キタミフクジュソウ
植
物
絶滅危急種(Vu)
51
ヤマムギ
植
物
希少種(R)
24
クシロワチガイソウ
植
物
絶滅危急種(Vu)
52
ユウバリリンドウ
植
物
絶滅危急種(Vu)
25
クロバナハンショウヅル
植
物
希少種(R)
53
リシリオウギ
植
物
希少種(R)
26
クロミサンザシ
植
物
絶滅危機種(Cr)
54
リシリゲンゲ
植
物
絶滅危惧種(En)
27
クロユリ
植
物
希少種(R)
55
リシリビャクシン
植
物
絶滅危惧種(En)
28
ケショウヤナギ
植
物
希少種(R)
56
ワサビ
植
物
希少種(R)
北海道レッドデータブック』
絶滅危機種(Cr)
;絶滅の危機に直面している種または亜種。
絶滅危惧種(En);絶滅の危機に瀕している種または亜種。
絶滅危急種(Vu);絶滅の危機が増大している種または亜種。
希少種(R)
;存続基盤が脆弱な種または亜種(生息条件の変化により容易に上位ランクに移行するもの)
地域個体群(Lp);保護に留意する個体群
留意種(N)
;保護に留意すべき種または亜種(北海道においては安定しており特に絶滅の恐れはない)
出典;『北海道の希少野生生物
資料-53
上士幌町における外来種
上士幌町の外来種(ブルーリスト)
№
種名(亜種名:*)
科
名
分類群
№
種名(亜種名:*)
科
名
分類群
1
ミンク
イタチ科
哺乳類・国外種
43
タチイヌノフグリ
ゴマノハグサ科
植物・国外種
2
イノシシまたはイノブタ
イノシシ科
哺乳類・国内種
44
オオイヌノフグリ
ゴマノハグサ科
植物・国外種
3
キジ ( コウライキジ )
キジ科
鳥類・国外種
45
ヘラオオバコ
オオバコ科
植物・国外種
4
ニジマス
サケ科
魚類・国外種
46
セイヨウノコギリソウ
キク科
植物・国外種
5
ウラジロハコヤナギ
ヤナギ科
植物・国外種
47
ゴボウ
キク科
植物・国外種
6
ハイミチヤナギ
タデ科
植物・国外種
48
ユウゼンギク
キク科
植物・国外種
7
ヒメスイバ
タデ科
植物・国外種
49
ヒナギク
キク科
植物・国外種
8
ナガバギシギシ
タデ科
植物・国外種
50
フランスギク
キク科
植物・国外種
9
エゾノギシギシ
タデ科
植物・国外種
51
セイヨウトゲアザミ
キク科
植物・国外種
10
マツヨイセンノウ
ナデシコ科
植物・国外種
52
ヤネタビラコ
キク科
植物・国外種
11
ムシトリナデシコ
ナデシコ科
植物・国外種
53
ヒメジョオン
キク科
植物・国外種
12
カラフトホソバハコベ
ナデシコ科
植物・国外種
54
ヒメムカシヨモギ
キク科
植物・国外種
13
シロザ
アカザ科
植物・国外種
55
ヘラバヒメジョオン
キク科
植物・国外種
14
シロイヌナズナ
アブラナ科
植物・国外種
56
キクイモ
キク科
植物・国外種
15
ハルザキヤマガラシ
アブラナ科
植物・国外種
57
キクイモモドキ
キク科
植物・国外種
16
オランダガラシ
アブラナ科
植物・国外種
58
コウリンタンポポ
キク科
植物・国外種
17
キレハイヌガラシ
アブラナ科
植物・国外種
59
キバナコウリンタンポポ
キク科
植物・国外種
18
ツルマンネングサ
ベンケイソウ科
植物・国外種
60
コシカギク
キク科
植物・国外種
19
タチロウゲ
バラ科
植物・国外種
61
オオハンゴンソウ
キク科
植物・国外種
20
イタチハギ
マメ科
植物・国外種
62
アラゲハンゴンソウ
キク科
植物・国外種
21
セイヨウミヤコグサ
マメ科
植物・国外種
63
セイタカアワダチソウ
キク科
植物・国外種
22
ルピナス
マメ科
植物・国外種
64
オオアワダチソウ
キク科
植物・国外種
23
ムラサキウマゴヤシ
マメ科
植物・国外種
65
セイヨウタンポポ
キク科
植物・国外種
24
シロバナシナガワハギ
マメ科
植物・国外種
66
キショウブ
アヤメ科
植物・国外種
25
ハリエンジュ
マメ科
植物・国外種
67
コヌカグサ
イネ科
植物・国外種
26
クスダマツメクサ
マメ科
植物・国外種
68
コスズメノチャヒキ
イネ科
植物・国外種
27
テマリツメクサ
マメ科
植物・国外種
69
カモガヤ
イネ科
植物・国外種
28
タチオランダゲンゲ
マメ科
植物・国外種
70
ヒロハノウシノケグサ
イネ科
植物・国外種
29
ムラサキツメクサ
マメ科
植物・国外種
71
クサヨシ
イネ科
植物・国外種
30
シロツメクサ
マメ科
植物・国外種
72
オオアワガエリ
イネ科
植物・国外種
31
ネグンドカエデ
カエデ科
植物・国外種
73
ナガハグサ
イネ科
植物・国外種
32
オニツリフネソウ
ツリフネソウ科
植物・国外種
74
カラマツ
マツ科
植物・国内種
33
ジャコウアオイ
アオイ科
植物・国外種
75
ヤブヨモギ
キク科
植物・国内種
34
サンシキスミレ
スミレ科
植物・国外種
76
ミミナグサ
ナデシコ科
植物・不明
35
メマツヨイグサ
アカバナ科
植物・国外種
77
コハコベ
ナデシコ科
植物・不明
36
トゲナシムグラ
アカネ科
植物・国外種
78
イヌナズナ
アブラナ科
植物・不明
37
ノハラムラサキ
ムラサキ科
植物・国外種
79
ホザキシオガマ
ゴマノハグサ科
植物・不明
38
ヒレハリソウ
ムラサキ科
植物・国外種
80
オオバコ
オオバコ科
植物・不明
39
チシマオドリコソウ
シソ科
植物・国外種
81
エゾノキツネアザミ
キク科
植物・不明
40
セイヨウウツボグサ
シソ科
植物・国外種
82
ノゲシ
キク科
植物・不明
41
ホソバウンラン
ゴマノハグサ科
植物・国外種
83
オニユリ
ユリ科
植物・不明
42
ビロードモウズイカ
ゴマノハグサ科
植物・国外種
出典;『北海道の外来種リスト-北海道ブルーリスト-』 資料-54
Ⅳ.手法例
◆コンポストを活用した堆肥づくり
<材 料>
<腐葉土に適した落ち葉の種類>
腐葉土づくりに
向く落ち葉
ナラ
ケヤキ
ポプラ
カエデ
プラタナス
クヌギ
ナナカマド
ミズキ
ネムノキ
など
●生ゴミ
●落ち葉(枯れ葉)
●花壇や家庭菜園の残渣物
●庭の雑草
●米ぬか+3%砂糖水(発酵促進)
●石灰窒素又は消石灰(虫対策)
<方 法>
腐葉土づくりに
向かない落ち葉
◎針葉樹
マツ
ヒノキ
スギ
カヤ
◎広葉樹
イチョウ
サクラ
クス
カキ
1.コンポストを設置する
●日当たり・排水性の良いところに設置する
●20cm 程度掘り下げて、10cm 程埋め戻す
●コンポストの大きさ(容量)は庭のスペースに合わせて。2 個あると便利。
<コンポストに入れてはいけないもの>
2.生ゴミを準備する
●生ゴミの水分を十分に切る
●卵の殻や野菜・果物クズは小さく刻む
3.コンポストに入れる
ガラス
プラスチック
油
タバコの吸い殻
ビニール類
パック容器
薬
●準備した生ゴミを入れる。
※天ぷらカスは OK。
●土・雑草・枯れ葉などを入れる。
※貝殻は分解しづらい。
など
※生ゴミと土・雑草・枯れ葉などが層になるように
4.切り返し
<米ぬか+3%砂糖水の作り方>
●ときどき切り返しをする。
※空気の流通が良くなれば臭いも少なく発酵も良くなる
●発酵を促進したい場合は、
「米ぬか+3%砂糖水」を加える
※米ぬかに 3%砂糖水を混ぜてからコンポストに入れる。
5.2 個目のコンポストを使う
①水 500cc(ペットボトル)に小さ
じ 3 杯の砂糖を溶かす
②米ぬかと砂糖水を混ぜる
③米ぬかを握って緩く固まれ
ばできあがり
※発酵は水分を嫌うので、砂糖
水を入れ過ぎないようにす
る。
●1 個目のコンポストがいっぱいになったら、2 個目のコンポスト
に出来上がった堆肥を少量入れる(もどし堆肥)
。
●1~4の方法で堆肥づくりを進める。
資料-55
ポ イ ン ト
●害虫(ヤスデや小ハエなど)が発生し
た場合…
農薬は使わず、石灰窒素か消石灰を大
さじ3~4杯程ふりかける。
●悪臭がする場合…
水分が多いなどの原因で発酵がうまく
いっていない状態。
『米ぬか』や枯れ葉を入れてよく攪拌
する。
資料-56
◆家畜ふん尿の堆肥化と活用
<材 料>
●家畜ふん尿(スラリー)
●水分調整材(オガクズ 80%量、古紙 20%量)
<方 法>
1.家畜ふん尿に水分調整剤を加えて水分を 75%に調整する。
2.堆肥舎で切り返し又はロータリー式攪拌機で発酵を促進する。水分 65%を目標。
<上士幌町の堆肥全量>
表1
家畜ふん尿の発生量(H17 年)と堆肥化により得られる堆肥の量
地区
オガクズ
338,216
58,044
合計
古紙
14,511
※家畜ふん尿の初期水分;87% ※オガクズの水分;15%
※水分調整後の現物水分;74%
※発酵後(できあがり)水分;66%
表2
水分調整後
重量
(t)
副資材(t)
家畜ふん尿発生量
(H17 年 t/年)
410,771
発酵後
重量(堆肥)
(t)
合計
314,119
肥料成分(t)
窒素
リン酸
カリウム
603
5,057
754
※肥料成分の計算
<成分=堆肥重量×堆肥分析値×肥効率×補正係数>
●
窒
●
リ ン 酸=堆肥重量×0.96%×0.2×1.0
●
カリウム=堆肥重量×2.30%×0.7×1.0
素=堆肥重量×1.20%×0.2×1.0
※堆肥分析値はナイタイ高原牧場の分析値に準じる。
※肥効率・補正係数は、『2004 家畜ふん尿利用の手引き』より引用。
※ナイタイ高原牧場の堆肥の分析値(現物%)
含水率
%
66.0
窒素全量
%-dry
1.20
リン酸
%-dry
0.96
カリウム
%-dry
2.30
pH
C/N 比
8.8
26.5
資料-57
314,119
※古紙の水分;7%
堆肥の肥料成分
地区
発酵後
重量
(t)
副資材金額
(千円)
1,122,208
<堆肥の有効活用(例)>
●小麦跡、デントコーン、スィートコーン及び草地に散布する
●堆肥施用による減肥効果を勘案した施肥を行う
●カリウム過剰の実態に配慮した施肥を行う(カリの減肥)
●余剰堆肥は「もどし堆肥」として活用するなど活用方法を検討する
表3
各作物における堆肥投入の限界量と施用される成分量
作物名
投入限界量
t/10a
窒素
kg/10a
リン酸
kg/10a
カリウム
kg/10a
小麦跡、
スィートコーン
3
7.2
5.8
48.3
デントコーン
5
12.0
9.6
80.5
草地
4
9.6
7.7
64.4
表4
H17 年度作付け実態に基づく各作物の作付面積
作付面積(ha)
地区
合計
小麦跡
634
スィートコーン
99
デントコーン
牧草地
1,286
4,484
※牧草地には、ナイタイ牧場の牧草地を含む。(総面積 1,349ha の
うち、傾斜地には散布不可能とし、堆肥散布可能な草地面積を総面
積の 50%とした。
)
表5
堆肥の散布可能量と余剰堆肥の量
地区
合計
堆肥散布可能量(t)
小麦跡
19,020
スィートコーン
2,970
デントコーン
63,400
牧草
179,360
合計
(t)
264,750
余剰堆肥
(t)
49,369
※堆肥散布可能量=表3;投入限界量×表4;作付面積
※余剰堆肥=表2;発酵後重量(堆肥)314,119t-表5;堆肥散布可能量の合計 264,750t
資料-58
Ⅴ.用語解説
<あ行>
■アイドリングストップ
大気汚染の防止、省エネ、二酸化炭
素排出の削減などを目的として、自動
車の停止中にエンジンを停止するな
ど適切なアイドリングを心がけるこ
と。環境省では、平成 8 年度(1996
年)に全国的な実践行動として「アイ
ドリングストップ運動」を推奨してい
る。
■亜硝酸態窒素
亜硝酸根(NO2)の形態の窒素のこ
とで、亜硝酸性窒素ともいう。亜硝酸
性窒素はアンモニア性窒素から硝酸
性窒素に酸化される(硝酸化成作用)
時の中間物質である。硝酸化成は好気
的条件下で進行し、土壌中では、通常
は硝酸化成作用により亜硝酸性窒素
が集積されることない。
■アスベスト(石綿)
繊維状の天然鉱物を綿のようにも
みほぐしたもので、断熱材、保温材等
優れた性質を有しており、建築用材料
を中心に広範囲な製品に使用されて
いる。しかし、人体に対する有害な作
用があり、長期間吸入すると肺や呼吸
器系の機能障害を引き起こす可能性
がある。このため、石綿は大気汚染防
止法により特定粉じんとして規制を
受けている。
素とは、農地に過剰施用されたアンモ
ニア性窒素肥料や家畜糞尿及び生活
排水中の有機物に由来する。
■硫黄酸化物(SOx)
石油などの硫黄分を含んだ燃料が
燃焼して生じる汚染物質である。一般
的に燃焼過程で発生するのは大部分
が二酸化硫黄(SO2:亜硫酸ガス)で
あり、無水硫酸(SO3)が若干混じる。
環境基準は、二酸化硫黄(SO2)につ
いて定められている。硫黄酸化物は、
人の呼吸器に影響を与えたり、植物を
枯らしたりする。
■一般廃棄物
産業廃棄物以外の家庭から出る可
燃ごみなどの廃棄物をいう。一般廃棄
物の処理は、「上士幌町ごみ処理計
画」により実施している。
■陰イオン界面活性剤(EVAS)
界面活性剤は洗濯洗剤やシャンプ
ーなどの、日用品の洗浄成分として使
われているため、生活排水に多く含ま
れる。陰イオン界面活性剤は、水に溶
けた際に陰イオンとなるものの総称。
■永久凍土
夏をはさんで二冬以上凍結してい
る土壌で、ロシアの北極海沿岸、カナ
ダ北部、アラスカなど寒帯気候を有す
る地域に分布する。三股の永久凍土は、
低標高地の永久凍土として貴重。
■エコオフィスプラン
■アダプトプログラム
住民参加型の環境管理の方法の一
つで、住民や企業等が自治体と合意の
上で道路や河川などの一定区間の公
共スペースに「里親」となり美化活動
を行い、自治体がそれを支援する制度。
上士幌町では、平成 14 年(2002 年)
からこの制度を導入している。
■アンモニア態窒素
アンモニア基(NH4)の形態で存在
する窒素のことで、アンモニア性窒素
ともいう。アンモニア基はプラスの電
荷を帯びており、マイナス電荷の土壌
粒子に吸着保持されるので、流亡しに
くい。アンモニア性窒素は、酸素が十
分にある条件下で土壌中の硝化菌の
働きで硝酸性窒素に変化する。従って、
河川中に検出されるアンモニア性窒
保全する」仕組みづくりにふれる地域
博物館 – 豊かな自然と恵まれた環
境を守り育むための自然体験・学習活
動を行う場づくり-」としている。
上士幌町が平成 15 年に策定した環
境保全率先計画(かみしほろエコオフ
ィスプラン)
。平成 11 年に施行された
地球温暖化対策の推進に関する法律
の第8条に基づき、上士幌町の事務お
よび事業に関する温室効果ガス排出
抑制等のための実践行動に関する計
画。平成 13 年を基準年として平成 24
年までに 10%の削減を目標としてい
る。
■エコミュージアム構想
上士幌町が平成 15 年に策定した。
町全域を地域博物館として、自然を
学び、周辺に点在する地域資源にふれ
る体験などを通し、森林再生など自然
保全のあり方を知ることができる仕
組みづくりを目的に策定された。メイ
ンテーマは、
「自然を知り、体験し、
資料-59
■オキシデーションディッチ法
下水やし尿を活性汚泥処理する方
法の一つで、エアレーション(曝気)
装置【オキシデーションディッチ】と
最終沈殿池を持つことが特徴。上士幌
町下水道管理センターにおいて、この
方法が採用されている。
■オゾン層
オゾン(O3)は大気中に 0.001mg/ℓ
程度存在する強い酸化作用をもった
気体で、地表から 25kmくらいの成層
圏内に層を形成している。上空には最
大で約 11mg/ℓ のオゾン層がある。こ
のオゾン層は、太陽から放射される短
い波長の紫外線を吸収する働きがあ
り、生物に有害な紫外線をカットして
いる。紫外線は、皮膚がんや白内障、
遺伝子異常を引き起こすほか、農作物
や浅海プランクトンにも影響を及ぼ
す。
■オゾンホール
オゾン層は、生物にとって有害な紫
外線を遮断している。オゾン層を破壊
するといわれるフロンなどは、成層圏
まで上昇すると、強い紫外線を浴びて
分解し、塩素を放出するものがある。
この塩素が触媒として連続的にオゾ
ンと反応してオゾン層が破壊される。
南極大陸上空にはオゾンが極度に薄
くなっている部分(オゾンホール)が
発見されている。
■オルトリン酸リン
りん酸性りん(PO43--P)は、生物の
体内にも多く含まれているりん酸
(PO43--P)のなかのりん成分(P)を
示す。農業排水や生活排水に多く含ま
れるため、河川の汚濁の指標となる。
■温室効果ガス
赤外線(熱線)を吸収する作用を持
つ気体の総称。大気がなければ-18℃
にもなる地球は、温室効果ガスが大気
中に存在することで地表の気温が平
均 15℃程度に保たれている。この温
室効果ガスの増加により、地球全体が
まるで「温室」の中のように気温が上
昇する現象が地球温暖化である。京都
議定書では、温室効果ガスのうち二酸
化炭素、メタン、亜酸化窒素、ハイド
ロフルオロカーボン(HFC)、パーフ
ルオロカーボン(PFC)、六ふっ化硫
黄(SF6)の 6 種類が削減対象となっ
ている。
<か行>
■化学的酸素要求量(COD)
【Chemical Oxygen Demand】
。水中の
有機、無機物質が酸化剤(過マンガン
酸カリウム)によって酸化される場合
の酸素要求量をいう。BOD(生物学的
酸素要求量)とともに有機物質による
汚染を示す代表的指標である。一般に
河川ではBODを農業用水や排水基準、
環境基準の湖沼や海域ではCODを用い
る。
■合併浄化槽
生活排水のうち、
し尿
(トイレ汚水)
と雑排水(台所や風呂、洗濯などから
の排水)を併せて処理することができ
る浄化槽を指していう。
■家電リサイクル法
特定家庭用機器再商品化法。一般家
庭や事業所から排出された特定家庭
用機器(現在,エアコン・テレビ・冷
蔵庫・洗濯機が対象)の有用な部品や
材料を製造業者が再商品化し、廃棄物
の減量と再生資源の十分な利用を促
すことを目的とする法律。消費者は特
定家庭用機器の廃棄にあたり、再商品
化するためのリサイクル料金(収集運
搬料金も含む)の負担を義務づけられ
る。
平成 10 年に制定され平成13 年 4
月に施行された。
■河岸段丘
河岸に見られる階段状の地形。河成
段丘(かせいだんきゅう)ともいう。
陸地の隆起あるいは海水面の低下に
よって、河川の浸食力が増すと、もと
の谷の中に新しい谷ができて旧谷床
は段丘面、新谷壁が段丘崖になる。十
勝平野は巨大な河岸段丘を形成して
いる。
■上士幌町総合計画
「総合計画」は町の将来像や施策の
体系などが示される自治体行政の最
も基本となる計画。上士幌町では、平
成 23 年度(2011 年度)を目標年度と
する第 4 期上士幌町総合計画を平成
14 年度からスタートしている。
■上士幌町農村環境計画
■火山性土壌(火山灰土壌)
火山からの噴出物、主に火山灰を母
材とする土壌をいう。火山灰も火山の
性質により母材が酸性の流紋岩質か
ら塩基性の玄武岩質まであり、塩基性
火山灰のほうが生産力が高い。火山灰
は、反応性の高い活性アルミニウムを
多く生成することから、リン酸吸収係
数が高く、アルミニウムや鉄と腐植と
の複合体が多量に形成されているた
め黒色を呈し、
「黒ボク土」とも呼ば
れる。
■家畜ふん尿
「家畜排泄物」ともいう。家畜排泄
物とは、牛、豚、鶏その他の家畜の排
泄物をいう。平成 11 年に「家畜排せ
つ物の管理の適正化及び利用の促進
に関する法律」が制定。平成 16 年に
運用されている。この法律は、畜産農
家から出る家畜ふん尿の管理基準の
設定と利用の促進を図ることにより、
有害物質の地下浸透など生活環境へ
の悪影響を防止するためのもの。
農村環境に配慮した上士幌農業の
持続的発展を図ることを目的として、
平成 14 年 3 月に策定されたマスター
プラン。
■環境基準
人の健康を保護し、生活環境を保全
する上で維持されることが望ましい
基準をいう。現在、大気汚染、水質汚
濁、騒音、航空機騒音、新幹線鉄道騒
音および土壌汚染に係る環境基準が
定められている。
■環境ホルモン
化学物質のうち、体内に取り込まれ
ると女性ホルモン等に似た作用をし、
その生物あるいはその子孫の生殖機
能に深刻な障害を与えるおそれのあ
る物質をいう。ホルモンに似た働きだ
けでなく、逆にホルモンの働きを阻害
するものもある。食器等に使われるポ
リカーボネート樹脂の原料であるビ
スフェノール A、プラスチックの可塑
剤として用いられるフタル酸エステ
ル類、その他 PCB、ダイオキシン類、
有機塩素系殺虫剤など 100 種類以上
資料-60
の物質が疑われている。
■環境リスク
環境リスクとは、人の活動によって
加えられる環境への負荷が、環境中の
経路を通じ、環境の保全上の支障を生
じさせるおそれ(可能性)をいう。環
境リスクを評価するための手法はリ
スクアセスメントと呼ばれている。
■崖錐堆積物
崖錐とは、急崖から落下した岩屑が
崖下に堆積して形成された急傾斜の
円錐状の地形で、崖錐堆積物は主に大
小さまざまな角礫からなる堆積物の
こと。
■気候変動
長い年月の間に気候が変動するこ
と。気候変化と同義にも使うが、気候
変動は、時間スケールが短いものに使
うことが多い。
■COP3;地球温暖化防止京都会議
気候変動に関する国際連合枠組条
約第 3 回締約国会議(COP3)として、
平成 9 年 12 月に 161 カ国の参加のも
と、京都市で開催された国際会議。こ
の会議では、2000 年以降の地球温暖
化対策の国際的な取り組みについて
議論され、1990 年を基準年とし、2008
年から 2012 年の目標期間の締約国全
体の対象ガスの排出量を削減するこ
とを内容とする『京都議定書』が採択
された。日本は 6%の削減目標が定め
られた。
■クリーン農業
牛ふん堆肥や緑肥などの有機物の
施用によって土づくりに努め、農薬や
化学肥料の使用を最小限に留めるな
ど、環境との調和に配慮した安全・高
品質な農作物の生産を進める農業。
■グリーン購入
商品やサービスを購入する際に、価
格、機能、品質だけでなく、
「環境」
の視点を重視し、環境への負荷が出来
るだけ少ないものを優先的に購入す
ること。
■黒ボク土
=火山性土壌(火山灰土壌)
■公園マスタープラン
公園の利活用及び整備、管理、並び
に運営方法などを、
「自ら考え、自ら
行動する」
ことによって、
町民が集い、
憩いの場として利用できる「やすらぎ
と潤いのある公園」づくりを目指すた
め、平成 16 年 3 月に策定されたマス
タープラン。
「協働による公園づくり」
を基本方針としている。
■光化学オキシダント(Ox)
大気中の窒素酸化物や炭化水素が
太陽の紫外線を受けて光化学反応を
起こして発生する二次汚染物質で、オ
ゾン、PAN(Peroxyacetylnitrate)等
の強酸化性物質の総称である。このオ
キシダントが原因で起こる光化学ス
モッグは、日差しの強い夏季に多く発
生し、目をチカチカさせたり、胸苦し
くさせたりすることがある。
■耕畜連携
畑作(耕種)農家と畜産農家が「麦
稈(むぎわら)
」と「牛ふん堆肥」を
交換したり、
耕作地を交換
(交換耕作)
したりして、経営を相互に補完しあう
ことをいう。
■高齢化率
総人口に占める 65 歳以上の人口の割
合で、以下の式により求められる。
高齢化率=
65 歳以上の人口
×100
総人口
■コンポスト
「堆肥」
、
「有機物」
の意味。
ここでは、
家庭用の未利用資源リサイクル容器
を示す。一般にコンポスターと呼ばれ
る容器で、生ごみなどの堆肥化に用い
られる。
入したとき、二酸化窒素が亜硝酸イオ
ンに転換される割合をいう。昭和 53
年 7 月の環境庁の通知により 0.84 を
採用している。ザルツマン試薬と亜硝
酸イオンが反応して生成するアゾ色
素(桃色)の吸光度を測定して二酸化
窒素濃度を求める。
■産業廃棄物
燃え殻・汚泥・廃油など,事業活動
に伴って生じた廃棄物で,法令で定め
たもの。原則として事業者が処理する
責任を負う。
■酸性雨
■サイヤー
緑肥として作付けされる、えん麦の
野生種。ダイコン、ゴボウなどの根菜
類を食害するキタネグサレセンチュ
ウなどの線虫に対して防除効果があ
る。
水路や河川に排出された汚濁物質
はその流下過程で物理的、化学的およ
び微生物的な作用を受けて、量的、質
的に変化する。この人工的に手を加え
ないで浄化されることを自然浄化作
用という。この自浄作用は、森林や土
壌、河川などが担っている。
■硝酸態窒素
硝酸根(NO3)の形態で存在する窒
素のことで、硝酸性窒素ともいう。硝
酸根はマイナスの電荷を帯びており、
土壌に吸着されにくく、流亡しやすい。
大気中には 354ppm の二酸化炭素が
含まれている。これが大気中に浮遊し
ている雲粒や雨粒に溶けると弱い酸
性を呈する。大気中の二酸化炭素が雨
に溶けて、平衡に達したときの pH は
5.6~5.7 である。ところが、硝酸や
硫酸などの汚染物質を含んだ雨は、pH
が 3~4、あるいはそれ以下になるこ
とがある。pH の値が 5.6 よりも低い
雨を酸性雨と呼んでいる。
■食料自給率
■CEC(塩基置換容量)
■水源涵養機能
土壌の微細な粘土と腐植によって
構成される土壌膠質(コロイド)は、
電気的に陰
(マイナス)
の性質を示し、
陽イオンのカルシウム、マグネシウム、
カリウム、ナトリウム、アンモニア、
水素などを吸着することができる。土
壌が陽イオンを吸着できる最大量を
陽イオン置換容量(CEC)または塩基
置換容量と呼ぶ。単位は通常 100g 当
たりのミリグラム当量(meq)として
示し、値が大きいほど多量の陽イオン
を吸着することができ、保肥力が高い
土壌とされる。
森林の持つ機能の一つで、水源の確
保、洪水の防止、河川の保護などがあ
る。保安林は、水源涵養機能を向上さ
せる目的で整備されている。
■ジャージー
<さ行>
■自浄作用(浄化機能)
ジャージー種は、英仏海峡のジャー
ジー島原産の乳用種。フランスのブル
トン種やトルマン種を基礎に改良さ
れた。
■省エネルギー
石油・ガス・電力などエネルギー資
源の効率的利用をはかること。省エネ
ともいう。
■ザルツマン係数
吸光光度法による大気中の二酸化
窒素の濃度測定の際に用いられる係
数。ザルツマン試薬に二酸化窒素を導
資料-61
国内で消費される食料のうち、国内
生産分の割合。日本では品目別自給率
(重量による計算)
、穀物自給率(重
量による計算)
、総合食料自給率(カ
ロリー,金額による計算)が算出され
ている。通常「日本の食料自給率」と
して示される数値は、総合食料自給率
のうち,カロリー・ベースで計算する
自給率をさす。
■水素イオン濃度(pH)
水(溶液)の酸性、アルカリ性の強
さを示すもので、pH7 が中性、これよ
り小さくなるほど酸性が強くなり、大
きくなるほどアルカリ性が強くなる。
■3R
循環型社会を実現するために必要
な,
三つの要素のこと。
リデュース
(ご
みの減量)
・リユース(再利用)
・リサ
イクル(再資源化)をさす。3 つの R。
■スロータウン
スロータウン連盟が提唱する日本
社会の将来の姿。
『スロータウン』と
は、
地域資源・天然資源を見つめ直し、
手間隙を惜しまず、保存と再生に取り
組むまちづくりをいう。スロータウン
連盟では、スピード社会とスロー社会
の共存が望ましいとしている。現在、
上士幌町をはじめ全国 28 市町村が加
盟している。
■生化学的酸素要求量(BOD)
【Biochemical Oxygen Demand】
。河
川や湖沼、あるいは各種排水などに溶
解している有機性汚濁物質の含有を
目安とした水の汚濁を示す指標。それ
ぞれの水に溶解している有機性物質
は、水中の好気的微生物などの増殖あ
るいは呼吸によって炭酸ガス、炭素、
窒素などに分解される。有機物含量が
多いと水中の酸素が急速に消費され、
水は不快臭を発する。この過程におい
て消費される酸素の量を 5 日間・20℃
で測定した値がBOD。
■生態系
ある地域の生物群集と無機的環境
からなる一つの物質系。生物的構成要
素は生産者、消費者、分解者に、また
無機質的環境の構成要素は大気、水、
土壌、光などに分けられる。系内では
無機物→有機物→無機物という物質
代謝が行われ、それに従ってエネルギ
ーあるいは物質が循環している。
■生物多様性条約
「生物の多様性の保全と生物資源
の持続的な利用」
、
「遺伝子資源から
得られる利益の公正で公平な分配」を
目的とする条約で、1992 年(平成 4
年)の地球サミットで採択された。生
物の多様性とは、遺伝子・生物種・生
態系のレベルで多様な生物が共存し
ていること。その経済的価値に加えて、
多様性そのものに固有の価値がある
とされる。
て、ダイオキシン類という。分解しに
くい性質を持つことから、環境中に微
量であるが広く存在し、生物の体内に
蓄積しやすく、発がん性、催奇形性、
免疫機能の低下などの毒性を有する
といわれている。
■牛ふん堆肥
豚ぷんや鶏ふんなどの堆肥と比較
すると窒素成分が低く、土壌中での分
解が遅い。これは、牛ふん中にリグニ
ン質が多く含まれているためで、堆肥
として施用した場合、有機物分解に伴
う炭酸ガスの発生が少なく、肥効に持
続性がある。牛ふんは新鮮物当たりで
窒素が 0.6~1.0%前後、カリが 1.3
~1.6%前後と高く、リン酸は 0.1%
と少ない。このため、大量に牛ふんを
農地に還元するとカリウムの蓄積を
招く。特に尿が混ざった牛ふん堆肥は
カリウム含量が高い。
■置換性カリ(交換性カリ)
土壌の陰電荷に吸着され、ほかの陽
イオンと容易に置換(交換)されるカ
リウムのことをいう。カリウムは堆肥
や家畜ふん尿などの有機物に多く含
まれているため、有機物資材の多量施
用によって過剰になることがある。
■置換性苦土
土壌の陰電荷に吸着され、ほかの陽
イオンと容易に置換(交換)されるマ
グネシウムのことをいう。マグネシウ
ムは、作物の葉緑素の構成要素として
重要である。
<た行>
■ダイオキシン類
廃棄物等の焼却の過程で非意図的
に生成される化学物質でポリ塩化ジ
ベンゾパラジオキシン(PCDDs)とポ
リ塩化ジベンゾフラン(PCDF)を加え
た 210 種の有機塩素化合物を総称し
窒素酸化物は、石油、ガス等燃料の
燃焼に伴って発生し、その発生源は工
場、自動車、家庭の厨房施設等、多種
多様である。燃焼の過程では一酸化窒
素(NO)として排出されるが、これが
徐々に大気中の酸素と結びついて二
酸化窒素(NO2)となる。環境基準は
二酸化窒素について定められている。
■低公害車
大気汚染や地球温暖化などの原因
となる排出物の発生が少ないエネル
ギーを用いる自動車。メタノール車・
電気自動車・天然ガス車・ハイブリッ
ドカーなどをいうが、低排出ガス化さ
れたガソリン車を含める場合もある。
■TEQ
毒性等量。
(Toxic Equivalency Quantity)
ダイオキシン類は200種類以上あ
り、毒性がそれぞれ異なるため、最も
毒性の強い2,3,7,8-TCDD
を1として、他の種類のダイオキシン
の毒性を換算する。TEQとは、各物
質の濃度にこの毒性等価係数を乗じ
た値の総和のことであり、国際的にダ
イオキシン類の毒性評価に使用され
ている。
■電気伝導度(EC)
土壌の陰電荷に吸着されていて、ほ
かの陽イオンと容易に置換(交換)さ
れるカルシウムのことをいう。カルシ
ウムは一般的には塩基の中で最も多
いが、降雨や潅水などによって溶脱し
やすく、
その結果、
土壌が酸性化する。
水溶液の電気伝導度は水中に溶け
ているイオン量と各イオンの電気を
運ぶ速さによって決まる。
断面積 1cm2、
距離 1cmの相当する電極間にある溶
液の持つ電気抵抗をその溶液の比抵
抗といい、その逆数を電気伝導度と呼
び、S/cmで表す。水の場合は 25℃の
値を用い、S/cmの 10-6を単位としてμ
S/cmで表す。電気伝導度の測定によっ
て、水質変化の概略を迅速に知ること
ができる。清涼な河川水の電気伝導度
は 100μS/cm以下。
■地球サミット
■天然記念物
国連環境開発会議。1992 年ブラジ
ルのリオデジャネイロで開かれた国
際会議。各国の政府代表と NGO が環
境問題と南北問題を論じ、リオデジャ
ネイロ宣言・気候変動枠組み条約・生
物の多様性に関する条約・森林原則宣
言・アジェンダ 21 などが採択された。
文化財保護法に基づいて指定され
た、学術上価値の高い動植物・地質・
鉱物など。また、地方公共団体の条例
によって指定されたものも含む。オジ
ロワシ、埼玉県牛島のフジなど。
■ゼロエミッション
地球の限られた資源の使用効率を
高め、廃棄物(エミッション)がゼロ
になることを目指すという考え方。
1994 年に国連大学が提唱(提唱者は
元国連大学学長顧問ギュンターパウ
リ氏)したもので、単なるリサイクル
や廃棄物の減量化を示したものでは
なく、原材料の種類、生産・流通プロ
セスの見直しなど、あらゆる段階での
環境負荷低減を志向するもの。
■窒素化合物(NOx)
■置換性石灰
■天然林
人為によらず、自然に生成した森林。
自然林。
資料-62
■トリハロメタン
メタン(CH4)の 4 つの水素原子(H)
のうち 3 つが、塩素などのハロゲン原
子に置き換わった化合物の総称で、発
がん性、催奇形性があるとされている。
河川水等水道原水中のフミン質など
の有機物と浄水処理の過程で使用さ
れる塩素が反応して生成される。
<な行>
■二酸化炭素
大気中に約 0.03 パーセント存在す
る無色の気体。化学式 CO2 水に溶け
て弱酸性を示す。生物の呼吸や火山の
噴火、炭素や有機物の燃焼により大気
中に放出され、植物の光合成により消
費される。工業的には石灰岩の加熱分
解により得られ、消火器・ドライアイ
スの製造のほか、広く化学工業で用い
る。
■ネクロシス
植物(作物体)の一部である器官、
組織、細胞などが壊死することで、多
くは葉の組織が部分的に褐変して枯
死する。マグネシウム欠乏の初期では、
葉はまだらな黄白色となるが、症状が
進むと葉の一部が褐変化してネクロ
シスを生じる。
■農業用廃プラスチック
ハウス、
トンネル、
マルチ、
不織布、
寒冷紗等の被覆資材、ポリ容器、パイ
プ、ホース、畦畔板、潅水チューブ、
ハウスバンド、育苗トレイ、ポット、
肥料袋、農薬容器等農業生産に伴って
排出されるプラスチックの総称で産
業廃棄物。
ル状にしたものが麦稈ロール。上士幌
町では、耕種農家と畜産農家とが「麦
稈ロール」と「牛ふん堆肥」を交換す
るなど循環的利用を進めている。
■富栄養化
湖沼や内湾の水の入れ替わりが少
ない水域(閉鎖系水域)では、汚濁物
質は水の流れよりもさらに遅く停滞
しやすい。下水道や工業排水、生活排
水、肥料などの窒素、リンなどの栄養
塩類が増えると、藻類やプランクトン、
大形の水生植物が増殖する。冬期にな
ればこれらの生物は枯死して水底に
沈み、腐敗過程で水中の酸素を大量に
取り込み、水中を無酸素状態にする。
同時に窒素やリンを放出し、これがま
た新しい水生生物やプランクトンの
増殖を助ける。この過程が繰り返され
る水系環境を富栄養化という。湖沼や
内湾のアオコ(植物プランクトンが大
量増殖して水面をドロドロの緑色と
する)
、赤潮として知られている。
■物質循環
環境の中では、さまざまな物質が生
態系の働きや自然の物理的・化学的な
働きによって、大気や水、土などの間
を循環し、
全体を保っている。
例えば、
水は太陽のエネルギーによって大気
中の水蒸気、川や湖の水、地下水、海
水などとして循環している。また、水
素、炭素、窒素、酸素、硫黄などの物
質を形づくる主要な元素は、大気、天
然水、蓄積物の構成成分として存在し、
生物活動や物理化学的な作用によっ
て、全地球的な規模での循環が形成さ
れている。それぞれの循環は相互に入
り組んで、生物の存続と発展に重要な
物質の流れを形成している。
<は行>
■バイオマス
エネルギー源または化学・工業原料
として利用される生物体。また、生物
体をそのように利用すること。
■廃棄物
不用なものとして廃棄された物。ご
み・糞尿などの生活廃棄物、廃油・汚
泥・鉱滓(こうさい)などの産業廃棄物、
放射性廃棄物など。
■麦稈
むぎわら。むぎわらを乾燥してロー
■不法投棄
ごみが定められた場所以外、例えば
山林や河川敷等に不法に廃棄され、環
境破壊を招いている。
「廃棄物の処理
及び清掃に関する法律」では、廃棄物
は排出者が自己管理するか、一定の資
格をもつ処理業者に委託しなければ
ならないとされているが、産業廃棄物
が増加しているにもかかわらず、最終
処分場の確保が困難なため、無許可業
者による不法投棄が増加している。不
法投棄は、ごみの処理費用が高騰する
に従って増加する傾向にあり、中には
収集業者がごみの処理を安価で引き
受けて、不法投棄をするような悪質な
資料-63
例もみられる。廃棄物処理法に係わる
違反は公害事犯の 8 割以上を占めて
いる。不法投棄の中には大規模なもの、
技術的に不適正なものが含まれる。不
法投棄の防止や現状回復のための措
置が廃掃法の大きな課題となってい
る。
■フミン質
有機成分が分解した結果生じる河
川などの着色成分で、水道水の浄水過
程で塩素と反応しトリハロメタンを
生成するものの一つである。
■浮遊性物質(SS)
(Suspended Solid)
水中に浮遊する動植物プランクト
ン、
生物の死骸、
排泄物などの有機物、
砂・泥などの無機物、人工的汚染物な
どからなる小粒子状物質のこと。
■腐葉土
ケヤキやコナラ、ブナなどの広葉樹
の落ち葉が発酵腐熟したもの。通気性
や透水性がよく、保肥力も高い。堆肥
のように肥料分が多量に含まれない
ため、培土、培養土の副資材として利
用される。
■文化財
文化財保護法で、保護の対象とする
もの。有形文化財・無形文化財・民俗
文化財・記念物・伝統的建造物群の五
種類。
■文化財保護法
文化財を保存し、その活用を図り、
国民の文化的向上と世界文化の進歩
に貢献するための法律。1950 年(昭
和 25)制定。
■ポジティブリスト制度
平成 15 年 5 月に改正された食品衛
生法に基づき、食品に残留する農薬、
動物用医薬品及び飼料添加物(農薬
等)
に関し、
ポジティブリスト制度
(農
薬等が残留する食品の販売等を禁止
する制度)が平成 18 年 5 月 29 日から
実施された。これまでの制度では残留
基準が定められていない農薬等につ
いては規制の対象外だったが、ポジテ
ィブリスト制度の実施により、一律基
準「0.01ppm」を超えると規制対象
になる。
■北海道遺産
次の世代へ引き継ぎたい有形・無形
の財産の中から、北海道民全体の宝物
として選ばれたのが「北海道遺産」
。
旧国鉄士幌線アーチ橋梁群をはじめ
52 件の北海道遺産が登録されている。
■北海道大分水点
上士幌町、上川町、留辺蘂町(北見
市)の3町の境界にある三国山には太
平洋、日本海、オホーツク海の3つの
海域の分水嶺がある。先の3町は、こ
の分水嶺を自然環境保全のシンボル
として「北海道大分水点」と命名し、
平成 17 年 10 月に三国山の JP(ジャ
ンクションピーク)に標識を設置した。
■北海道ブルーリスト
野生生物が本来の移動能力を超え
て国外または国内の他地域から人為
によって意図的・非意図的に導入され
た種、いわゆる「移入種」について種
毎に導入された経緯や生態学的特性、
その影響などをまとめたもの。北海道
が作成。
■北海道レッドデーターブック
レッドデータブックとは、絶滅のお
それのある野生生物の情報をとりま
とめた本のことで、国際自然保護連合
(IUCN)が、1966 年に初めて発行し
た。北海道でも 2001 年に「北海道の
希少野生生物 北海道レッドデータ
ブック 2001」が発行された。今、ど
んな生き物に絶滅のおそれがあるの
か、そして守らなければならないのか
をより多くの人々に知ってもらう目
的で北海道が作成した北海道版レッ
ドデータブック。
■ホルスタイン
明治時代から日本に輸入されてい
る乳用種で、原産地は、ライン河河口
の低湿地であるオランダのフリーネ
地方や、品種名の由来となったドイツ
のホルスタイン地方。正式にはホルス
タイン・フリーシアン種というが、日
本では省略してホルスタイン種と呼
んでいる。
<ま行>
■メタノール自動車
メタノール(メチルアルコール)を
燃料にして走る自動車で、従来のディ
ーゼル車と比べると窒素酸化物、粒子
状物質などの排出が少ない。低公害車
の1つとして、普及政策が展開されて
いる。ガソリンエンジン、ディーゼル
エンジンいずれにも使用でき、前者で
はメタノールをそのまま使う方法と
ガソリンに混ぜて使う方法とがある。
<や行>
■有効態リン酸
土壌中に含まれるリン酸のうち、作
物が吸収利用可能なものをいう。土壌
中のリン酸の形態は有機体リン酸と
無機態リン酸に大別でき、無機態リン
酸は形態別にカルシウム型、アルミニ
ウム型、鉄型に区分できる。カルシウ
ム型リン酸は作物に利用されやすい
有効態リン酸であるが、アルミニウム
型や鉄型リン酸は作物に利用されに
くい難溶性リン酸である。
■容器包装リサイクル法
「容器包装に係る分別収集及び再
商品化の促進等に関する法律」
。平成
7 年に制定。自治体が分別収集を行い、
製造・販売業者は再商品化の義務を負
う。平成 9 年からガラス瓶・ペットボ
トルが対象、平成 12 年から、紙・プ
ラスチック製品も対象となる。
(スチ
ール・アルミ缶、紙パックは、分別収
集はされるが有価物として取引され
ており、再商品化義務の対象外とされ
た。
)
■溶存酸素(DO)
【Dissolved Oxigen】
。水中に溶けて
いる酸素のこと。水の自浄作用や水中
生物の生存には欠くことのできない
もので、河川等の水が有機物で汚濁さ
れると、これを分解するため水中の微
生物が溶存酸素を消費し、魚介類に悪
影響を及ぼす。さらに、この分解が速
く進行すると、嫌気性の分解も起こり、
有害ガス等が発生して水質はさらに
悪化する。
<ら行>
■ライフサイクルアセスメント
製品等の環境への負荷を、原料調達
段階から生産、流通、使用、廃棄の各
段階ごとに分析し、評価する方法。製
品が環境に与える負荷の改善を目的
とする。
資料-64
■ラムサール条約
水鳥の生息地として重要な湿地及
び湿地に生息する動植物の保護を目
的とした条約。1971 年イランのラム
サールで採択され、日本では釧路湿
原・伊豆沼・内沼・クッチャロ湖・ウ
トナイ湖などが登録湿地となってい
る。
■リサイクル率
一般廃棄物量に占める再生利用量
の割合で、以下の計算式により求めら
れる。
資源回収総重量
リサイクル率=
ごみ総処理量
×100
■リスクアセスメント
現在、注目されている化学物質に係
るリスクアセスメントとは、曝露され
る量・期間と健康影響の関係を定量的
に把握し、現状または将来の曝露の状
況(曝露量、曝露経路、期間、曝露さ
れる人の数と種別など)を調査するこ
とにより、現状または将来の状況にお
ける化学物質の健康影響について定
量的な評価を行うことである。曝露と
は、肺・腸管・皮膚などの生体境界面
が化学物質などと接触すること。
■リスクコミュニケーション
化学物質や環境汚染などにより人
類や生態系が受ける影響(リスク)に
ついて、企業や地域住民、消費者、行
政などが意見交換・対話を通じて相互
理解を深め、適切な対策につなげてい
くこと。そのためにも、科学的・行政
的データなどについて正確で迅速な
情報公開が不可欠である。
■綾里(りょうり)
岩手県大船渡市三陸町の地域で、こ
こに気象庁の大気環境観測所がある。
観測所は陸中海岸国立公園の中の三
陸海岸に面した小高い山の上に位置
する。
■リン酸吸収係数
土壌 100g が吸収固定するリン酸の
量を mg で表したもの。リン酸吸収係
数は、リン酸肥料の施用量や肥効を評
価するため、また、黒ボク土をほかの
土壌と区別するため重要な指標とな
る。一般に、黒ボク土では 1,500 以上
の値を示す。
~豊かな自然と環境を生かした北の元気まち~
上士幌町環境基本計画
平成18年12月
発
行
上士幌町
〒080-1492
北海道河東郡上士幌町字上士幌東3線238番地
電話 01564-2-211(代表)
ホームページ http://www.town.kamishihoro.hokkaido.jp
E-mail
編
集
[email protected]
上士幌町企画課