半導体・液晶製造プロセス用石英ガラス半導体製造プロセスには、石英ガラス製品の使用が不可欠です。IC→LSI→超LSIと半導体デバイスの集積度向上に伴い、石英ガラスには、より高純度と高精度が求められています。また、 300mmウェーハ時代を迎え、石英治具の大型化も進むなど、石英ガラスに対する要求も高度化しています。信越石英は、創業当時より、半導体産業の最先端要求を満足させる製品を開発。卓越した加工技術で製造、販売しています。世界トップシェアの信頼日本からアジアへ、拡大する石英ビジネスヘレウスグループは、世界の半導体製造拠点に石英ガラスを供給し、それぞれの地域で、トップシェア及びトップの製造キャパシティを有しています。まさにそれは、ユーザーに安心のグローバルサポートを提供し続けてきた信頼の証です。天然石英から合成石英、不透明石英や特殊用途品など、ヘレウスグループの持つ多種多様な品種群は、様々なユーザーニーズに確実に対応することが可能です。日本のテリトリーを担う信越石英も、国内に２つの材料工場と４つの加工工場をバランスよく配置し、営業拠点も素早いユーザーフォローを徹底するために全国に6個所展開し、直販営業を基本としています。また、半導体・液晶の２大製造拠点へ成長した台湾と韓国、21世紀期待の中国と東南アジア、これら地域を繋ぐ石英ガラス供給ネットワークを構築するなど、信越石英は、アジアの石英ビジネスセンターの役割を有しています。本格化する300mmラインへ安心対応原料から最終製品まで一貫生産半導体製造ラインでは、300mmウェーハの採用が始まっています。信越石英では、300mm製造装置への対応を構想当初から取り組み、これまで培ってきた技術を結集し、いち早く大口径石英ガラス治具類の製品化を達成しました。既に国内外のユーザーへの供給実績を上げ、300mmラインの本格化に合わせて、更なる製造能力の充実を進めています。信越石英は、石英ガラス母材を親会社であるドイツヘレウス社より輸入し、国内で材料から製品まで加工生産しています。グループ内での一貫生産により、品質面、供給面の安定化を維持することができ、各製造工程の技術改良や革新が、トータルでの製品品質の向上に繋がっています。また、必要に応じ、原料であるシリカ紛までの各段階の訴求調査も可能です。 ●原料から加工品までの工程フロー図国内工場 Heraeus Quartz 母材（ドイツ）福井信越石英山形信越石英九州工場原材料チューブロッド工場プレートユーザー加工品（治具）海外工場半導体メーカー装置メーカー TQP（台湾） YSS（韓国） HSQC（中国） - 1 - 半導体・液晶製造プロセス用石英ガラス　PC-SEMI-GEN-008 半導体製造プロセス向け石英ガラス材料の品種信越石英は、透明石英では汎用品から超高純度な合成石英品まで、また、耐熱性や耐プラズマ性の向上、パーティクル発生低減など、機能性を高めた特殊処理品、さらには、遮熱性のある不透明石英品など、ユーザーのあらゆる用途、要望に合わせた素材をフルラインナップしています。 ●品種表天然石英主要品種酸水素火炎品種名 HERALUX 特徴汎用品。半導体製造プロセスで広く利用されています。素材形状管、棒、板 HERALUX-LA 高純度品。特殊精製処理により、金属不純物 (特にアルカリ金属）を除去してあります。管、棒、板 HERALUX-E 高耐熱品。OH基が少なく、高温プロセスでの使用に適しています。管、棒、板 HERALUX-E-LA 超高純度、高耐熱品。特殊精製処理により、金属不純物(特にアルカリ金属）を除去した耐熱品です。管、棒、板 HSQ330 高純度、高耐熱を維持しながらも、コストパフォーマンスに優れた材料です。管、棒、板 SO-210 微細な気泡を多量に含有する不透明品です。 OM-100 独自の技術で製造された高純度不透明品。特殊な (モールド成型) 微細構造により高遮熱性と高密度を有します。 SH110 不要な不純物元素や泡等の混入を無くした汎管、棒、板用性の高い合成石英ガラスです。 SH100 特にOH基を低減し、従来の合成石英ガラスより、耐熱性を向上させた合成石英ガラスです。 SH200 OH基を800ppm程度と多く含みますが、均質性に優れています。溶融品電気溶融品不透明品合成石英合成品板管、棒、板板 ※ 上記の品種に加え、酸水素火炎溶融品と電気溶融品には、耐熱安定性高めたSt処理品も提供可能です。 St処理については、次ページをご参照下さい。酸水素火炎溶融品酸水素火炎によって、天然石英紛を融かして石英ガラスを生成する方法です。酸素と水素の反応を利用しているので、溶融石英ガラス中にOH基を含みます。ヒーター電気溶融品電気溶融は、天然石英紛を電気を用いて溶融する方法です。水が発生しないため、生成される石英ガラスには、ＯＨ基をほとんど含まないのが特長です。電気溶融法でシリンダーを生成合成石英品合成石英品は、天然品に比べ、金属不純物が極めて少なく、高均質であることが特長です。信越石英では、火炎加水分解の採用により、OH基を調整した３種類の合成石英ガラスを提供しています。 ●素材の特性品種名 HERALUX HERALUX-LA HERALUX-E HERALUX-E-LA HSQ330 SO-210 OM-100 SH110 SH100 SH200 Na 0.8 <0.05 0.3 0.05 0.1 0.4 0.2 <0.01 <0.01 <0.01 K 0.7 <0.1 0.4 0.1 0.3 0.4 0.4 <0.01 <0.01 <0.01 金属不純物（ppm) Fe Cu Mg Li 0.2 0.1 <0.05 0.4 0.2 <0.05 <0.05 0.2 0.1 0.05 <0.05 0.6 0.1 0.05 <0.05 0.05 0.1 <0.05 <0.05 0.6 0.2 0.05 <0.05 0.4 0.2 0.05 <0.05 0.6 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 Ca 0.6 0.5 0.5 0.5 0.5 0.2 1.2 <0.01 <0.01 <0.01 Al 15 8 15 15 15 15 15 <0.01 <0.01 <0.01 OH基粘度(logη) 175 175 20 20 20 --250 <1 800 12.0 12.0 12.5 12.5 12.5 --11.5 11.7 -- ※ 本表の分析値は、規格値(保証値）ではありません。 - 2 - 半導体・液晶製造プロセス用石英ガラス　PC-SEMI-GEN-008 機能性を高める特殊処理技術材料製造プロセスや加工工程において、特殊処理を加えることにより、機能性を高めた素材、製品を提供することが可能です。 SST処理 (Special Surface Treatment) SST処理は、薬液処理によって、石英ガラスの表面に凹凸を形成する画期的な手法です。 SST処理によって得られる凹凸面は、薄膜と石英ガラスの熱膨張係数の差を緩和する効果を持っていますので、 CVDプロセスで使用した場合には薄膜にマイクロクラックが生成しにくくなります。そのため、製品寿命の長期化につながるとともに、パーティクルの発生が大幅に低減されます。右写真 SST処理した石英ガラス上のナイトライド膜（厚膜 10μm）です。マイクロクラックが生成されていません。 St処理(管）半導体製造プロセスの拡散工程は、一般に高温で処理されます。そのため、炉芯管に使用される石英ガラス管には、高レベルな耐熱性が要求されます。St処理は、石英ガラス管の耐熱性を向上させる熱安定化処理技術です。安定化処理とは、ガラス管外表面に結晶層を発生させるために、核形成元素Alを均一にかつ薄くドープする処理です。安定化処理したガラス管は、加熱しますと外表面にクリストバライトと呼ばれる結晶層が発生し、耐熱性が向上し、無処理の材料に比べ、長時間の使用でも変形しにくく、その製品の寿命を伸ばすことに効果があります。 St処理は、酸水素溶融品、電気溶融品それぞれに処理することが可能です。 ●加熱前外表面から20μmまでの見えない結晶核 ●加熱後均一に成長した厚さ20μmのクリストバライト層フッ素樹脂コート加工フッ素樹脂コートは、石英ガラス製品の表面にフッ素樹脂（PFA)をコーティングする技術です。 Siウェーハ洗浄用のキャリアボートなどの石英ガラス治具にフッ素樹脂をコーティングすることで、洗浄時のパーティクルの発生防止や、石英ガラスとSiウェーハとの擦れを低減し、更にウェーハのエッジでの欠けの発生も防止します。また、コーティングされるフッ素樹脂は非常に高純度で、従来どおりSiウェーハを汚染する心配はありません。フッ素樹脂コート石英ガラスキャリアボートは、従来品同様、 IPA乾燥機で使用することも可能です。パーティクルの発生状況 HF洗浄後の表面パーティクル数調査パーティクル異常付着箇所 PFAコート石英キャリア約50ヶ石英キャリア約600ヶ ※信越石英では、フッ素樹脂コートの他、ポリイミドコートも行っております。 - 3 - 半導体・液晶製造プロセス用石英ガラス　PC-SEMI-GEN-008 主要加工製品炉芯管・ボート酸化・拡散工程やCVD工程で使用される炉芯管やボートには、高純度、高耐熱性が重要視されます。特に最近では、縦型炉が中心となり、石英ガラスの品質への要求もいっそう強くなっています。また、ウェーハサイズも300mmの採用が本格化し、更には枚葉式装置の増加など、石英ガラス製品の大型化のニーズも高まっています。エッチング/アッシング工程用パーツ洗浄工程パーツドライエッチングやプラズマCVD、アッシング工程に半導体製造プロセスには、多くの薬液処理や超純は、枚葉式の処理装置が多く採用され、その中で粋処理等の洗浄工程があり、これらの洗浄容器を使用される石英ガラス治具もチャンバーやリング、はじめとする治具類には、汚染防止のために、石プレートなど様々な形状のものがあります。英ガラスが多く使われます。信越石英では、これまで培った加工技術を駆使し信越石英では、ユーザー要望に合わせて様々な形て製造するとともに、耐プラズマエッチング性石英状の製品を製作するとともに、フッ素樹脂コートなガラスの提案など、新規開発も積極的に行っていど、ユーザーの生産性を高める技術の提案も行っます。ています。その他加工品石英ガラス加工品の活用は、半導体・液晶製造プロセス用途に留まりません。石英系光ファイバのガラス化・プリフォーム製造には石英バーナーや石英チューブ加工品が使用されます。また、大学･研究機関等で使用される理化学機器にも石英ガラス製のものが多くあります。その他にも、化学、医薬、食品など多種多様な産業分野で石英ガラス加工品は使用されており、ユーザーのご要望に基づいて製造いたします。 Heraeus社製 ROTOSIL(不透明石英ガラス) 化学工業や、高温プロセス、電気設備等では不透明石英ガラスが使用されます。用途により、ベルジャー、管、るつぼなど様々な形状のものがあります。信越石英ではHeraeus社製の不透明石英ガラスROTOSILを取扱っています。 - 4 - 半導体・液晶製造プロセス用石英ガラス　PC-SEMI-GEN-008 製品の問い合わせ先製品に関するお問い合わせは、本社加工品材料事業部、もしくは最寄の営業所までお願いいたします。本社〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-22-2　新宿サンエービル12階 TEL 03-3348-1913 FAX 03-3348-4919 WEBサイト： http://www.sqp.co.jp/ 東北営業所〒994-0069 山形県天童市清池東2-4-1 TEL 023-655-5007 FAX 023-655-7252 上越営業所〒942-0061 新潟県上越市春日新田1-15-42 TEL 0255-44-5366 FAX 0255-44-5379 関西営業所〒520-0044 滋賀県大津市京町3-2-10 TEL 077-524-5009 FAX 077-523-1515 広島営業所〒723-0052 広島県三原市皆実１-26-1 TEL 0848-64-2861 FAX 0848-64-5985 九州営業所〒869-1233 熊本県菊池郡大津町大津字土井ノ内56-1 TEL 096-293-1072 FAX 096-293-503 信越石英の事業所及び関連会社 ■国内工場／研究所郡山工場〒963-0725 福島県郡山市田村町金屋字川久保88 TEL 024-943-0005　FAX 024-943-6697 武生工場〒915-8535 福井県越前市北府2-13-60 TEL 0778-23-5101　FAX 0778-23-5253 九州工場〒869-1233 熊本県菊池郡大津町大津字土井ノ内56-1 TEL 096-293-1072　FAX 096-293-5030 佐世保工場〒859-3153 長崎県佐世保市三川内新町1-1　佐世保テクノパーク内 TEL 0956-26-3101　FAX 0956-26-3031 石英技術研究所〒963-0725 福島県郡山市田村町金屋字川久保88 TEL 024-943-6555　FAX 024-944-7289 ■国内関連会社株式会社山形信越石英〒994-0069 山形県天童市清池東2-4-1 TEL 023-655-3221　FAX 023-655-3220 株式会社福井信越石英〒915-0037 福井県越前市萱谷町3-1-4 TEL 0778-27-2777　FAX 0778-27-2779 株式会社アドマテックス　http://www.admatechs.co.jp/ 〒470-0201 愛知県みよし市黒笹町丸根1099-20 TEL 0561-33-0215　FAX 0561-76-2960 ■海外関連会社 Young Shin Quartz Co.,Ltd. <Korea> 149,Hoechuk-ri, Kwanghyewon-myon, Chinchon-Kun, Chungbuk Province 365-834, KOREA TEL +82-434-535-2338　FAX +82-434-535-2337 Topco Quartz Products Co.,Ltd <Taiwan> No.8 Wen-Hua Road, Hsin-Chu Industrial Park., Taiwan R. O. C. TEL +886-3-598-5668　FAX +886-3-598-3096 Heraeus Shin-Etsu Quartz(China)Inc.<P.R.China> No.17,Daminghu Street, Economic & Technical Development Zone, Shenyang, 110141 P. R. China TEL+86-24-2536-2266　FAX +86-24-2581-6079 Heraeus Shin-Etsu Quartz Singapore Pte. Ltd. <Singapore> 26 Boon Lay Way, #01-90 Tradehub 21, Singapore 609970 TEL +65-6862-5025 FAX +65-6862-5075 - 5 - 半導体・液晶製造プロセス用石英ガラス　PC-SEMI-GEN-008 c Shin-Etsu Quartz Products Co., Ltd. 2011.11.01