タイ社会に存在する「カトゥーイ」 (タイ版「オカマ」)

タイ社会に存在する「カトゥーイ」
(タイ版「オカマ」)
問いと仮説
問1
カトゥーイは
カトゥ
イは、グロ
グローバル化した都会や学校などの
バル化した都会や学校などの、「外」に
「外」に
開かれた環境からの影響により、誕⽣しているのであろう
か。
仮説1
グローバル化の進んだ「外」の環境からの影響だけでなく、家族や
友⼈などの⼈々に囲まれた「内」の環境からも、多くの影響を受け
ていると⾔える。
問いと仮説
問2
カトゥ イのジ ンダ の逸脱は 社会や環境からの影響に
カトゥーイのジェンダーの逸脱は、社会や環境からの影響に
より起こった後天的なものなのか。それとも先天的なものな
のではないだろうか。
のではないだろうか
仮説
仮説2
社会環境等による後天的な影響だけでなく、彼⼥達が⺟体にいる
うちにも何らかの影響を⺟体から受けてきたのではないだろうか。
研究方法
ー観察・インタビュー調査ー
期間:2013年8⽉23⽇〜29⽇
場所:バンコク(エカマイ、ラムカムヘンのsoi、ラムカムヘン⼤学)
1.インタビュー1:8⽉27⽇(⽕)/12:00~12:30/ラムカムヘン39・soi2
2 インタビ 2 8⽉27⽇(⽕)/⼣⽅前の30分間/エカマイ駅のセブンイレブン
2.インタビュー2:8⽉27⽇(⽕)/⼣⽅前の30分間/エカマイ駅のセブンイレブン
3.インタビュー3:8⽉28⽇(⽔)/10:55〜11:15/ラムカムヘン⼤学の⾷堂
先行研究紹介
2013年6月にSinnott Meganが執筆した、
Dormitories and Other Queer Space:An anthropology of
space, gender, and the Visibility of female
homoeroticism in Thailand
(寮(共同寝室)と同性愛者の空間:空間とジェンダーの人類
(寮(共同寝室)と同性愛者の空間:空間とジェンダ
の人類
学とタイ社会において目に見える女性の同性愛者)
という論文 である。
である
多様な性のカテゴリー
性の3つの領域
1)生物学上の性・・・身体
2)自意識の性・・・内面 自覚
2)自意識の性・・・内面、自覚
3)恋愛対象・・・異性が好きか同姓が好きか
レズ、ゲイ、オカマ、ニューハーフ、カトゥーイ
丸山加織1
働くタイ人女性
2003年時点での全国の15歳以上の人口に占める女性の労働率
70
63 5
63.5
62 4
62.4
60
59.9
55.9
49.3
50
48.3
37.1
40
30
20
10
0
フィンランド
タイ
アメリカ
オーストリア
ドイツ
日本
イタリア
スライド 7
丸山加織1
丸山加織, 2015/02/20
タイの家庭(「内」の環境)における母親の存在とは
働きながら、家事 育児を行う、家庭の中心的存在
働きながら、家事・育児を行う、家庭の中心的存在
カトゥーイ達の女性としての
アイデンティティ確立へ影響
インタビュー記録
インタビュー1:Aさん
21歳
8月27日(火)
ラムカムヘン
ラムカムヘン39・soi2
• 彼女へのインタビューを経て、グローバル化の進んだ都会や学校などの「外」
の環境ではなく、田舎や家庭などの「内」の環境も、「開かれている」という
概念が存在し、彼女自身もその環境の中で自身の女性としてのアイデンティ
ティを確立してきたと言える。
インタビュー2:Bさん
28歳
8月27日(火)
エカマイ駅のセブンイレブンの事務所
インタビュー3:Cさん
38歳
8月28日(水)
ラムカムヘン大学の食堂
• 一概にカトゥーイと言っても、女性と男性が様々に、多様に存在するのと同様
に、カトゥーイにも様々なタイプがあり、水商売をする人もいれば、企業で働
く人もおり 実に多様 あると う事を改め 知 た
く人もおり、実に多様であるという事を改めて知った。
• 彼女自身も彼女の母親のような能力のある女性になりたいとの事であった。実
際にこのような回答を得て 家庭の中での母親の女性としてのあり方というも
際にこのような回答を得て、家庭の中での母親の女性としてのあり方というも
のが実際に彼女達の女性としてのアイデンティティ確立に影響しているという
事が伺えた。
また、インタビューの結果、3人とも幼少期から自身は女性であるという自覚が
あった(家族や友人に囲まれた「内」の環境で過ごす中で)
タイ社会
「外」の環境
グローバル化、
⼤学の研究室、会
社
社、
都会、街
カトゥーイ
のジェンダー逸脱
「内」の環境
地域、村、家族、
友⼈
まとめと考察1
彼女達は自身の女性としての性へ、幼少期に既に気
付いていると言える。その事は、女性としての性へ
の気付きが、先行研究で述 られていたグロ バル
の気付きが、先行研究で述べられていたグローバル
化の進んだ学校や研究室などの「外」からの影響力
によるものでなく 家族や友人などのいる「内」と
によるものでなく、家族や友人などのいる「内」と
いう環境において生まれ、育まれてきたと言える。
まとめと考察2
タイ人女性に多く見られる、「働きながら、家庭も
守る女性」という女性像を、家庭の中で身近に感じ
てきたという事が、彼女達の、女性としてのアイデ
事
彼
ンティティの確立に対し強く影響したと考えられ
る。
(「内」の環境からの影響であると言える)
まとめと考察3(今後の課題)
農業が盛んなタイにおいて、農薬などに含まれる化学物質
が母体などの人体に、何らかの影響を及ぼしていた事によ
り、第
り、第三の性の出現に何らかの関係があるという可能性も
性 出現に何らか 関係があると う可能性も
考えられる。
(環境ホルモンからもっとも悪い影響を受けているのはお腹の中にいる胎児であるという事が言わ
れている。実際には、環境ホルモンの及ぼす人体への作用というのは不確定なものが多いが、例と
しては精子の数の減少や生殖器の異常・腫瘍、甲状腺の機能障害等がある)