治験推進に向けた取り組み - 公益社団法人日本医師会 治験促進センター

平成24年度 治験推進地域連絡会議
治験推進に向けた取り組み
日本製薬工業協会
医薬品評価委員会
臨床評価部会
本日の内容

製薬協(臨床開発関連)の概要

治験の現状

治験推進に向けた取り組み

臨床評価部会の活動
1
製薬協って、どんな団体?
製薬協は、病院、診療所などの医療機関で使われる
医療用医薬品の研究・開発を通じて世界の人々の
健康と福祉の向上に貢献することをめざす、
研究開発指向型の製薬会社が70社加盟する団体で、
1968年に設立されました。
2
製薬産業の貢献サイクル
医薬品医療機器産業発展のための政策対話 2011年12月14日
製薬産業の現状と課題 ~『創薬先進国・日本』の更なる成長のために~
33
医薬品医療機器産業発展のための政策対話 2011年12月14日
製薬産業の現状と課題 ~『創薬先進国・日本』の更なる成長のために~
44
製薬協 事業方針 (2012年)
1. 業界一体となったコンプライアンスの徹底
2. 研究開発型製薬産業振興策の一層の充実
3. 安全対策の強化
4. 国際連携、国際協力のさらなる推進
5. 国民・患者への貢献、経済成長への寄与等
製薬産業に対する理解促進
5
研究開発型製薬産業振興策の一層の充実
研究開発基盤、臨床研究体制の一層の整備及び審査の促進
ア. わが国の科学技術政策に関する司令塔機能を強化し、研究開発基盤を
整備するために、各省庁で個別に実施されている科学技術予算を大幅に
拡充するとともに政府全体で統一的に編成すること、
ライフサイエンス、医療イノベーションの重要課題に重点的に投資すること、
将来的には日本版NIH設立に向けた準備を進めること等について働きかける。
イ. 早期臨床試験拠点、臨床研究中核病院等の体制の整備、
質の高い臨床研究や効率的な治験の推進、重点疾患における治験体制の
ネットワーク化等開発力強化に資する対策を推進するよう働きかける。
ウ. 医薬品医療機器総合機構の薬事戦略相談、治験相談及び承認審査体制等
審査の促進・充実に向けた体制整備を速やかに実現するよう要請する。
エ. 新薬創出に必須のレギュラトリーサイエンスの充実・強化や国際的かつ
学際的人材の早期養成を働きかける。
6
本日の内容

製薬協(臨床開発関連)の概要

治験の現状

治験・臨床研究基盤への政策提言

臨床評価部会の活動
7
治験計画届出数の推移
出典:厚生労働省
8
治験届における国際共同治験の割合
K Ichimaru, et al. Clinical Pharmacology & Therapeutics 27 January 2010
9
第1回学術大会 シンポジウム1 国際共同治験と開発戦略-過去・現在・未来-
治験環境の変化(国際共同治験の状況)
プロジェクト数/ 国際共同開発の割合(全体)
60
50
40
↓
国内開発
国際共同開発
↓
↓内資系企業
↓
30
20
10
↓
↓
↓
↓↓↓ ↓
↓ ↓↓ ↓↓
↓
↓
↓ ↓↓ ↓↓ ↓ ↓
↓ ↓↓↓ ↓↓ ↓↓ ↓ ↓
0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10111213141516171819202122232425262728293031323334353637383940414243444546474849
日本製薬工業協会 薬事委員会 申請薬事部会
「第1回レギュラトリーサイエンス学会学術大会」より一部改変
10
国別1施設あたり治験実施例数
25
20
23.1
15
10
13.4
16.3
日
本
韓
国
22.6
18.5
15.5
5
0
中
国
台
湾
シ
ン
ガ
ポ
ー
ル
ア
ジ
ア
そ
の
他
平成23年 治験等適正化作業班 治験等の効率化に関する報告書
別紙1:日本製薬工業協会データ(癌疾患以外の平均)より抜粋
11
医療機関の経営体別
契約症例数・実施症例数(日本における経年変化)
契約症例数
(症例数)
30
25
20
25
20
20
19
20
21
20
20
18
17
15
10
9
8
5
6
6
4
2
0
0
5
3
6
5
3
1
箱ひげ図の箱部分は標本の75%点~25%点を、◆は50%点(中央値)を示しています。
ひげの上端、下端はそれぞれ標本の95%点、5%点を示しています。
2
0
8
1
5
2
0
製薬協 臨床評価部会内データ
12
医療機関の治験費用(アジア主要地域との比較)
算定条件:
対象疾患: 過活動膀胱
治験薬投薬期間: 12週間
治験契約期間: 約1年間
実施例数: 10例
日本CRO協会の協力のもと、中
国(本土、香港)、韓国、台湾、シ
ンガポール各地域の医療機関に
おける一般的な治験費用につい
てアンケート調査を実施。
日本の施設においては、施設の
治験費用算定基準より試算。
部会保有の費用
出典:JPMA News Letter No.143(2011/05)
13
医療機関の治験費用(日本における経年変化)
症例単価推移
(万円)
¥600
¥500
¥553
¥531
¥513
¥457
¥449
¥400
¥300
¥200
¥188
¥159
¥100
¥54
¥65
2007年度
2008年度
¥185
¥164
¥179
¥92
¥88
¥80
2009年度
2010年度
2011年度
¥0
箱ひげ図の箱部分は標本の75%点~25%点を、◆は50%点(中央値)を示しています。
ひげの上端、下端はそれぞれ標本の95%点、5%点を示しています。
製薬協 臨床評価部会内データ
14
治験のスピードの経年推移(依頼~契約)
日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会
「2010年度治験の現状に関するアンケート調査結果」より一部改変
15
本日の内容

製薬協(臨床開発関連)の概要

治験の現状

治験推進に向けた取り組み


治験ネットワーク

治験のIT化

医療機関における品質管理
臨床評価部会の活動
16
平成21年度 治験推進地域連絡会議 発表資料 (日本医師会治験促進センターHPより)
17
治験ネットワークの役割
症例集積性を向上させるための一つの方策
アジア諸国
日本
1施設2000
床以上
1施設
500床
1施設500床
1施設500床
1施設500床
参照:臨床研究・治験活性化5か年計画2012
18
あたかも1医療機関のように機能
事務局
実施体制
マネジメント
症例集積性が高い
治験実施が効率的
選定
情報公開されている
症例登録
情報公開
19
治験ネットワークの形態
1.症例の少ない特定疾患集積を目的としたネットワーク


症例が集まりにくい小児、癌、難病等特定疾患に特化し、
治験を効率的に推進することを目的にしたネットワーク
特定の医療機関に患者が集中している疾患、
高度/専門的な評価が必要な疾患を対象としたネットワーク
20
治験ネットワークの形態
2.大規模に症例集積することを目的としたネットワーク

生活習慣病等の疾患を対象に治験を短期間・効率的に推進
することを目的としたネットワーク
(→SMOによる小規模医療機関の組織化が進行)

病-病、病-診連携が進んでいる医療機関によるネットワーク
・全施設参加型
・患者紹介を含む一部参加型
・同一設置母体/同一系列の医療機関による全国型
・地域医療機関による地方型
単独のネットワークで予定症例数を確保
できるようなスケールメリットが必要
21
治験のIT化への背景
医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令


平成13年3月26日の一部改正により、電磁的方法による提出
について示された。
新たな治験活性化5カ年計画(平成19年3月30日)


治験効率化に向けた課題の一つとして、「書式等の電子化:
依頼・契約・IRB・各種報告等に必要な書式を電子化すること
により、合理化を図る」ことが示された。
治験等の効率化に関する報告書(平成23年6月30日)


IRB審査資料の統一化と電子化を推進することが望まれる
として以下の具体的提言がなされた。
IRB資料の電磁的な提出の検討
22
現在の治験資料の授受は・・・
アポイント
移動
実施医療機関
面会
日程
治験依頼者
施設
帰社
SMO
(治験事務局)
23
IT化を導入した場合の手順:ファイルの授受方法
•情報の概要
•DL用URL
確定した
最新情報を登録
施設側で
アクセスしDL
実施医療機関
Web Server
SMO
(治験事務局)
治験依頼者
•情報の概要
•DL用URL
24
医療機関における品質管理:原資料に求められること
A
L
C
O
A

Attributable(帰属性):帰属/責任の所在が明確である
・同一の患者を複数の医師が診察した場合は、実際に診察した
医師が署名又は捺印をし、責任の所在を明らかにする
・追記する場合は、「追記」と記載し署名する

Legible(判読性):判読/理解できる
・誰もが読める字で、一般的に通用しない造語や符号等は
使用しない
・症状、所見、治療計画などは、簡潔で明瞭に記載する

Contemporaneous(同時性):同時である
・診療と指示、診断・治療等を行った場合には、遅滞なく記載する
・追記する場合は、日付を明記する

Original(原本性):原本である
・元の記載が見えるようにして訂正する
(最初の記録がわかるということから、Originalに分類)

Accurate(正確性):正確である
・診療録等は、事実を正確かつ客観的に記載する
25
本日の内容

製薬協(臨床開発関連)の概要

治験の現状

治験推進に向けた取り組み

臨床評価部会の活動
26
2012年 タスクフォース(TF)内容
TF名
内容
TF-1
治験計画届出制度とIND制度の違いを整理し、
※1
IND制度 の国内導入 国内にIND制度を導入した際の治験や
臨床研究における影響や留意点を検討する。
における課題の検討
TF-2
治験の関連法令の
検討(見直し)
TF-3
PGx※2治験実施時に
おける諸問題の検討
治験関連法令について調査し、治験準備段階
から薬価収載・発売までの期間、実務上で制約
となっている法令・通知について整理のうえ、
解決のための具体策を提言する。
PGx治験実施時における諸問題を収集・整理し、
既公開済みの製薬協の基本方針に照らし、
製薬協としての考え方を作成する。
※1;米国における新医薬品の臨床試験届出制度、INDはInvestigational New Drugの略
※2; Pharmacogenomics(ファーマコゲノミクス)の略
27
2012年 TF内容
TF名
内容
TF-4
国内治験環境の分析並
びに改善点の検討
部会保有情報で収集してきた複数年の
データを統合し、経年推移や治験環境に
変化を与えた要因等について詳細に分析する。
また、分析結果から明らかになった問題につい
て、改善すべき点を検討する。
製薬協として推奨する治験ネットワークの要件
TF-5
を検討し、定量的に自己評価が可能な評価
治験ネットワークの現状 シートを作成する。
分析とあるべき姿の提言 また、各ネットワークが当該評価シートによる
評価結果を公開する仕組みを検討する。
28
2012年 TF内容
TF名
TF-6
モニタリングの効率化に
関する検討
TF-7
医療機関への
支払い費用に関する検討
内容
従来の手法にとらわれることなく、モニタリング
の目的を達成可能な効果的な方法を検討する。
(Ex.治験の電子化、リモートSDV、IRBのTV会
議開催、FDAの中央モニタリング等)
現在の保険外併用療養費制度や研究費につ
いて運用の観点から制度設計上の問題を検討
し、改定する際の論点を整理する。
29
検討結果を外部公開したTF
2011年活動
 治験の効率的実施に向けた品質管理プロセスに関する提言
 承認取得品目の臨床データパッケージの調査・分析
 共同IRB等(中央IRBを含む)の活用に関する治験依頼者の考え
2010年活動
 治験の効率的実施を目指した医療機関での品質管理
 国際共同治験における役割分担
 医薬品の治験に係る診療の保険外併用療養費制度について
2009年活動
 GCPの見直し検討
 治験手続きに関する効率化検討
 施設選定のための医療機関情報の検討
30
製薬協提供の治験啓発資材(1)
治験啓発パンフレット
治験の疑問に答えます
「くすり」と「治験」
製薬協HPから無償でダウンロード可能
医薬出版センターより販売中
HP掲載 2007.8.2 より
更新
2012.7 より
発行
2007.6 より
HP掲載 2008.4 より
治験実施チェックリスト
製薬協HPから無償でダウンロード可能
HP掲載
更新
2008.10.8 より
2012.6 より
是非、ご活用ください
Contact us!
資料公開先 URL
http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/allotment/index.html
31
製薬協提供の治験啓発資材(2)
GCPと臨床研究に関する倫理指針の
関係について
GCPと臨床研究に関する倫理指針の
関係(パンフレット)
治験を簡単に説明したリーフレット
製薬協HPから無償でダウンロード可能
製薬協HPから無償でダウンロード可能
製薬協HPから無償でダウンロードを予定
HP掲載 2010.4 より
HP掲載 2010.10 より
HP掲載予定
是非、ご活用ください
Contact us!
資料公開先 URL
http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/allotment/index.html
32
困った時には治験119番
治験やGCPに関して,業務推進中に発生する様々な疑問,迷い
GCPを見たけど,どう対応したら良いか分らない・・・
こんな対応間違ってないかな・・・
新しい統一書式への対応(押印省略?)をどうしよう?
そうだ,治験119を調べよう
1.質問・見解集
• 製薬協HP中の治験119番「質問・見解集」
をご覧下さい。
• 分類別目次より関係しそうなタイトルの見
解をご確認ください。
2.電子メールで質問・回答
• 該当する見解がなければ,背景を具体的に
記載し,所属・氏名を添えて電子メールで質
問してください。
• 治験119チームで検討後,2週間程度を目処
に電子メールで回答します。
資料公開先 URL
http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/tiken119/
※統一書式に関する製薬協ポリシーに関するご質問もどうぞ。
※費用,医師主導の治験,個別特有の案件は,お断りしています。
治験119は,治験やGCPに関する疑問等に対して,治験の円滑かつ適正な実施の推進に貢献する
目的で,製薬協の見解を示すチームです。
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ご清聴ありがとうございました。
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