新しい関節軟骨のMRI評価法-T2マッピング / T1ρ

新しい関節軟骨のMRI評価法
帝京大学ちば総合医療センター 先進画像診断センター/整形外科
渡辺淳也
図 1:3D FSE Cube 法を用いた膝関節 3D isotropic MRI 像(0.6x0.6x0.6 mm)
(左)
矢状断像[オリジナル]/
(中央)横断像[リフォーマット]/(右)
冠状断像[リフォーマット]
はじめに
骨全体を 3D 収集することで、同一部位を同一断面で常に評価する
に従って軟骨の T2 は延長する。T2 マッピングでは T2 計算画像を
決する方法として、isotropic voxel(等方性ボクセル)での撮像
ことが可能となるため、経時的評価に極めて有用である。
作成し、コラーゲン配列や水分含有量の違いを T2 の差として定量
MRI(magnetic resonance imaging)は関節軟骨の損傷や変性の
が試みられている。現在広く使われている isotropic voxel 撮像法
診断に極めて有用な非侵襲的評価法である。近年、3T MRI の普及
は Balanced-steady-state free precession 法などの 3D GRE(gradient-
や、RF コイル、パルスシーケンスの改良などに伴い、より高い信
echo)法を用いた撮像法であるが、最近 3D FSE 法を用いた撮像法
関節軟骨は約 70%の水分、約 20%のコラーゲン、及び約 10%
領域を設定した T2 測定を行っている。
号雑音比、より高い空間分解能での撮像が可能となってきた。ま
として、3D Cube 法が関節軟骨の評価に利用されている。3D Cube
の PG(proteoglycan)などからなる。関節軟骨は、緻密なコラー
GE ヘルスケア社製 MRI では、関節軟骨の T2 マッピングを行う
た、関節軟骨中の分子構造変化を鋭敏に捉えることが可能な新し
法は FSE 法を用いて isotropic voxel での T2 強調像、またはプロト
ゲン線維網中に極性分子である PG を豊富に含有している。PG は
ためのアプリケーション(CartiGram)が付属しており、カラーコー
い MRI 撮像法が臨床応用されつつあり、従来困難であった軟骨変
ン密度強調像の撮像が可能な方法である。一般に、3D FSE 法では
同じ極性分子である水との相互作用により、軟骨の高い膨張圧を
ディングした T2 マップをコンソールまたはワークステーション上
性の早期診断や軟骨変性度の定量的評価に有用な方法として期待
撮像時間短縮のためエコートレインを長くすると、T2 減衰に伴う
維持し、一方コラーゲン線維網は膨張圧に抗して軟骨形態を保つ
で作成したり、T2 マップを解析したりすることが可能である。ま
される。ここでは、膝関節を中心に最近の関節軟骨の MRI 撮像法
blurring artifact を生じたり、実行 TE が延長するなどの問題点があっ
作用をもつ。関節軟骨はこれらの特徴的な組成、構造により、力
た CartiGram では、stimulated echo の影響を低減するよう最適化さ
などについて解説する。
た。一方 3D Cube 法では、refocused flip angle modulation と呼ば
学的負荷に対し強い耐性を有する。一方、関節軟骨は血管組織を
れた Multi-spin-echo 法を用いており、より誤差の少ない T2 計測
れる refocus pulse の FA(flip angle)を変化させることで、長いエ
有さず、また細胞密度が極めて低いことから自己修復能に乏しく、
が可能である。3.0 T MRI Discovery 750 を用いた膝関節の撮像で
コートレインを用いても軟部組織のコントラストに優れ、blurring
一定以上の変性や損傷が生ずるとその自然修復は困難とされる。
は、我々は以下の条件での撮像を行っており、撮像時間は約 8 分
関節軟骨の MRI 評価では、様々なパルスシークエンスが用いら
artifact を押さえた高空間分解能での撮像が可能となる。また、低
関節軟骨の変性や摩耗は変形性関節症(OA)を惹起し、進行した
である(TR 1800ms、TE 11.5-92ms、FOV 140 × 140mm、Section
れている。最も一般的な撮像法は、2D FSE(fast spin echo)法を
い FA を利用することが可能となり、SAR(specific absorption rate)
OA に対しては手術的治療以外に有効な手段がないため、出来るだ
thickness 3.0mm、matrix 384 × 384)
。( 図 2)
用いた脂肪抑制プロトン密度強調画像である。プロトン密度強調
を抑制することができ、撮像の自由度が広くなる利点がある 1)。
け早期に関節軟骨変性の診断を行い、進行を予防するための治療
一方、T2 マッピングを用いた軟骨変性の評価では、いくつかの
像は、T1 強調像と T2 強調像の中間的な像であり、軟骨と関節液、
3D Cube 法を用いた評価では、従来の 3D 撮像法と比較し、高い
を開始することが望ましい。OA では、初期より PG 含有量の低下、
注意点が存在する。関節軟骨は表面より順に表層、中間層、深層
及び軟骨下骨との間に比較的良好なコントラストが得られ、関節
関節軟骨と関節液のコントラスト雑音比が得られ 2)、また、従来
コラーゲン配列の不規則化、及び水分含有量の増加などを伴う軟
に分類され、それぞれコラーゲンの配列方向が異なる。このため
軟骨の評価に有用である。また、脂肪抑制法を用いることにより、
の 2D FSE 法を用いたプロトン密度強調像と比較し、関節軟骨の評
骨変性が認められる。一般的なルーチン MRI は、関節軟骨の形態
静磁場方向に垂直に位置する関節軟骨では、一般に深層で T2 が
関節液は強い高信号に、正常海綿骨は低信号に描出されるため、
価においてほぼ同等の高い感度、特異度、正確度を有しているこ
異常の検出は比較的鋭敏であるものの、軟骨内の信号強度異常の
最も短く、次いで中間層、表層の順となる。T2 マッピングにより
損傷軟骨部にある関節液や、剥離した骨軟骨片と骨髄との間に介
とから 3)、関節軟骨の形態評価に極めて有用と考えられる。我々
検出に関しては、信号強度自体に定量性がないこともあり、必ず
軟骨変性を評価する際には、コラーゲンの層状構造による生理的
在する関節液を鋭敏に捉えることが可能であり、関節軟骨の形態
は膝関節のルーチンプロトコールとして、一般的なプロトン密度
しも鋭敏ではない。このため、形態異常や明らかな信号強度異常
な T2 の違いを考慮する必要がある 5)。また、規則的で密な配列を
評価に有用である。また、比較的短いバンド幅や大きなピクセル
強調像を中心とした 2D FSE 撮像に加え、プロトン密度強調像での
が出現する以前の、OA の早期に発生する軟骨変性を詳細に評価す
有するコラーゲン線維網を有する関節軟骨では、コラーゲン線維
サイズを用いた撮像では、化学シフトアーチファクトによる骨髄
3D FSE Cube 法による撮像を行っている。GE ヘルスケア社製 3.0T
ることは困難であった。これに対し最近、軟骨の組成や構造の変
と静磁場のなす角によってその T2 が変化することが知られている
脂肪像の軟骨像への重なりにより、軟骨の評価が困難となること
MRI Discovery 750 と 8ch phased-array knee coil を用いた膝関節の
化などを定量的に評価可能な新しい MRI 撮像法が臨床応用されつ
があるが、脂肪抑制法を併用すると骨髄脂肪像の重なりを抑制す
撮像では、約 0.7mm の isotropic voxel の空間分解能で撮像時間は
つあり、軟骨の質的評価に有用な方法として期待されている。こ
ることが可能である。一方、関節軟骨は薄く曲線的な構造を取る
約 5 分と短く、ルーチン撮像として加えることが十分可能である
こでは軟骨中のコラーゲン配列や水分含有量の評価が可能な T2
ことから、1 つの撮像断面による診断は病変の見落しとの原因と
(TR 2200ms、TE 24ms、Fov 150 × 150mm、Section thickness 0.7mm、
マッピング、及び PG 含有量などの評価が可能な T1 ρマッピング
なったり、アーチファクトを病変と見誤る危険があるため、2D 撮
matrix 224 × 224)。isotropic voxel 撮像の最大の利点は、高空間
像での評価では、複数の撮像断面で病変を確認することが必要で
分解能での撮像が可能なことだけではなく、一度オリジナルの画
ある。
像を撮像すれば、それから矢状断、冠状断、横断、斜冠状断など
これに対し、3D 撮像法により関節軟骨全体をボリューム撮像
任意の断面に画像の劣化なくリフォーマットできる点である(図 1)
。
T2 マッピングは、軟骨中のコラーゲンの配列と水分含有量が評
し、MPR(Multi Planar Reconstruction) を用いてワークステーション
このことは、特に病変が比較的小さく、また、薄く複雑な立体構
価可能な MRI 撮像法であり、早期軟骨変性の検知や軟骨変性度の
上で任意の断面で評価する方法が用いられている。関節軟骨を対
造をとる関節軟骨の形態評価では極めて有用となる。また一般的
定量的評価に有用とされる 4)。正常軟骨は密で規則的に配列する
象とした 3D MRI 撮像では、様々なパルスシークエンスが利用さ
な 2D 撮像で経時的な評価を行う場合、時期の異なる撮像において、
コラーゲンを有し、また水分含有量はほぼ一定に保たれているが、
れてきたが、その多くは anisotropic voxel(異方性ボクセル ) での
対象とする部位が必ずしもスライス内に同様に抽出されず、比較
軟骨変性に伴いコラーゲン配列の不整化や水分含有量の増加が進
撮像法であり、オリジナルの撮像断面からのリフォーマット像は、
評価が困難となることがある。一方、3D isotropic 撮像では関節軟
行する。これらの変化はともに T2 を延長させるため、変性の進行
関節軟骨の形態評価
10
画像の劣化により診断に役に立たない場合が多かった。これを解
GE today November 2012
関節軟骨の質的評価
化する。臨床診断には T2 に基づいてカラーコーディングした画像
による視覚的評価を、詳細な定量的評価には T2 計算画像上に関心
について述べる。
T2マッピング
図 2:T2 マッピングによる膝関節軟骨変性の評価
(左)内側半月板損傷症例の冠状断 T2 マッピング像(34 歳女性)
。カラーバーの赤色は T2 の長
い変性部位を、青色は T2 の短い健常部位を示している。大腿骨内側顆では軟骨表層から中層に
かけて T2 延長が認められ ( 矢頭 )、コラーゲン配列の不整化や水分含有量の上昇などを伴う軟骨
変性が示唆される。/
(右)同症例の関節鏡視下所見。T2 マッピングで T2 の延長が認められた部
位に一致して、軟骨の線維化などを伴う軟骨変性が認められる(矢頭)
。
11
Discovery MR750w 3.0Tの初期使用経験
研究用MRIとしてのユーザーの立場から
東京大学医学部附属病院 放射線科
國松 聡
Magnetic Resonance
Magnetic Resonance
中 枢 神 経 領 域 で は、 早 く か ら、SPM(statistical parametric
はじめに
mapping)に代表されるボクセルベースの画像統計解析のツールが
2012 年 3 月に、GE の最新鋭フラッグシップハイエンド機種で
登場し、画像を用いた定量化の要求は他領域に比べても以前から
ある Discovery MR750w 3.0T が当施設にインストールされた(図
強かった。そのような状況の下では、局所磁場不均一性による画
1)
。厚生労働省のプロジェクトに基づく基盤整備の一環であり、
像の歪みやノイズは極力排除せねばならない。高い精度の静磁場
精神疾患・神経難病を対象とする研究専用機としての導入である。
(B0)の均一性と、送信 RF パルス(B1)の不均一性の抑制とが求
(orientation dependent dipolar interaction)
。特にコラーゲン配列方
るが、T1 ρマッピングではその影響はより少ないとされている 11)。
脳という小さな検査対象を扱う場合に、従来型の 60㎝ボアの MRI
められる。
向が静磁場方向に対し 54.7 度(マジックアングル)に位置すると
現在のところ、T1 ρマッピングによる軟骨評価は研究的な利用に
機種を導入するか、昨今のトレンドである 70㎝のワイドボア機種
静磁場均一性にとって、ワイドボアという環境は、一般的に不
T2 は最も延長して測定される 6)。この現象に伴う T2 の延長により、
とどまっているが、以上の利点から、軟骨変性の評価により適し
を導入するかは、大変悩ましい選択であった。現時点での動向や
利な方向に働く。ボア径の小さな MRI の静磁場均一性に近づける
健常軟骨が変性軟骨と解釈される可能性があるため注意を要する。
た方法として期待されている。
将来的な拡張性を考え、当施設ではワイドボア機種を導入するこ
には今まで以上の工夫が必要である。Discovery MR750w では、従
T1 ρマッピングでは T1 ρ計算画像を作成し、PG 濃度の違いを
とを選択し、最終的に Discovery MR750w 3.0T が採用された。
来に対して約 1/8 サイズの高精度シムチップを搭載し、静磁場均
T1 ρの差として定量化する。臨床診断には T1 ρに基づいてカラー
運用開始後 3 ヶ月が過ぎ、いくつかの研究が MR750w を使用し
一性の代表的な指標である 40cm DSV(diameter spherical volume)
T1ρ(spin-lattice relaxation in the rotating frame)マッピングは、
コーディングした画像による視覚的評価を、詳細な定量的評価に
て立ち上がりつつある。ヘッドコイル周りにずいぶんと余裕がで
において、0.27ppm と、60㎝ボアを有する Discovery MR750 と比
軟骨中の PG 濃度の評価が可能な MRI 撮像法である 7)。軟骨変性に
は T1 ρ計算画像上に、関心領域を設定した T1 ρ測定を行ってい
きて、被験者へのアクセスやデバイスの装着がしやすくなったこ
べて遜色のない静磁場均一性を実現している。また Bloch-Siegert
伴って進行する PG 濃度の低下は T1 ρを延長させることから、T1
る。3.0T MRI を用いた膝関節の撮像では、我々は 3D SPGR(spoiled
となどを歓迎するユーザーの声も聞く。我々が使用経験のある GE
shift 法による高速な B1 mapping を行い 2)、4 つの給電点と 2 つの
ρマッピングは早期軟骨変性の有効な指標となると考えられる。
gradient-recalled)法を用いた以下の条件で撮像を行っており、撮
Signa HDx 3.0T や HDxt 3.0T とインターフェイス等が異なる点や、
送信アンプを備えたマルチドライブ RF 送信技術によって高い B1
同じく PG 濃度の評価が可能な MRI 撮像法である dGEMRIC
(delayed
像時間は約 9 分である(TR 9.3ms、TE 3.7ms、FOV 140 × 140mm、
32ch 頭部コイルの特性には、戸惑う場面が若干あるものの、撮像
shimming 性能を提供している。
gadolinium enhanced magnetic resonance imaging of cartilage) と
Section thickness 3.0mm、matrix 288 × 288、TSL 0-80ms)
。( 図 3)
方法やパラメーターの調整を経て、大きな問題なく経過している。
T1ρマッピング…現在進めている研究より
8)
比較し、造影剤の倍量投与が必要なく、より非侵襲的な評価法で
ある。一方、dGEMRIC による評価は、軟骨中の PG 濃度の変化に
今回の MRI の導入にあわせて新たに整備した functional MRI
(fMRI)関連機器との連携も問題はない。外部機器とのセッティン
おわりに
グに関して、GE のサポートは滞りなく進行し、大変満足すべきも
特異性が高いが、T1 ρマッピングは、PG 濃度だけでなく、水分
今回紹介した新しい MRI 撮像法は、通常の一般的な MRI 撮像法
のであった。研究専用機であるため撮像実績は限られるが、運用
含有量などにも影響を受けることが知られる 9)。
と組み合わせて用いることにより、軟骨の形態変化、軟骨変性の
開始後 3 ヶ月を過ぎ、いくつかの研究が始まりつつある。初期の
一般に変性軟骨では、PG 濃度の減少は、コラーゲン配列の不整
程度など多岐にわたる詳細な情報が非侵襲的に得られる。今後、変
状況を見る限りでは、懸念していた 70㎝ワイドボアであるが故の
化に先だって起こるが、PG 濃度を評価可能な T1 ρマッピングは、
形性関節症に対する予防医学の発展や軟骨損傷に対する再生医療
ハンディキャップを感じる印象はほとんどない。32ch 頭部コイル
コラーゲン配列の変化を評価する T2 マッピングと比較し、より早
技術の進歩などに伴い、関節軟骨の詳細な MRI 診断の重要性はさ
の特性を熟知し、撮像バラメーターを適切に調整すれば、我々が
期の軟骨変性を評価できる可能性がある。また、T1 ρは T2 と比
らに高まるものと考えられる。
以前に使用経験のある 60㎝ノーマルボアの 3.0T MRI と比べて同
較し、軟骨変性に伴う変化量が大きいことが知られており、大き
なダイナミックレンジを持つ T1 ρマッピングは、より軟骨変性の
定量的評価に優れている可能性がある 10)。また、T2 マッピングに
よる軟骨評価では、臨床上 magic angle effect が問題となることがあ
図 3:T1 ρマッピングによる膝関節軟骨変性の評価
(左)前十字靱帯損傷症例の冠状断 T1 ρマッピング像(21 歳男性)。カラーバーの赤色は T1 ρ
の長い変性部位を、青色は T1 ρの短い健常部位を示している。大腿骨内側顆では軟骨表層から
中層にかけて T1 ρ延長が認められ ( 矢頭)PG 濃度の低下や水分含有量の上昇などを伴う軟骨
変性が示唆される。/
(右)同症例の関節鏡視下所見。T1 ρマッピングで T1 ρの延長が認めら
れた部位に一致して、軟骨の線維化、亀裂などを伴う軟骨変性が認められる(矢頭)
。
参考文献
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refocusing flip angle schedules and generation of clinical T2 contrast. Magn Reson Med
55:1030–1037. 2006;
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of image contrast, and technique for imaging. J Magn Reson Imaging, 25: 290-300, 2007.
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10)Regatte RR, et al. T1 ρ relaxation mapping in human osteoarthritis (OA) cartilage: Comparison
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11)Li X, et al. Quantitative MRI using T1 ρ and T2 in human osteoarthritic cartilage specimens:
correlation with biochemical measurements and histology. Magn Reson Imaging. 29:324-334.
2011
販売名称 : ディスカバリー MR750 医療機器認証番号:221ACBZX00095000
文中の T1 ρマッピング機能は帝京ちば医療総合医療センター様における研究内容で
等以上の画質を提供してくれるものと確信している。そして、今
回導入された Discovery MR750w 3.0T を舞台に、精神疾患・神経
難病に関して、できるだけ多くの有益な成果が還元されることを
願っている。
中枢神経領域でのMRIを用いた研究動向と将来展望
図 1:Discovery
MR750w 3.0T
装置の概要
臨床や研究において、画像を用いて定量的な評価を行う機会が
日本国内での動向
2012 年 6 月に、内閣官房から、
「医療イノベーション 5 か年戦略」
が発表された。その中では、①超高齢化社会に対応した最新の医
療環境整備、②医療関連産業の活性化による我が国の経済成長、
増えてきているのは周知の状況である。例えば、固形腫瘍の治
③日本の医療の世界への発信、を目標とすることが謳われている
療効果判定のガイドラインである RECIST(Response Evaluation
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/iryou/5senryaku/siryou02.pdf)。医療
Criteria in Solid Tumors)は 1)、治験での集団への使用のみならず、
産業において輸入超過となっている現状を打破し、国際競争力を
臨床での個別の現場においても広く使用されており、化学療法中
強化して、最終的には日本を医療産業において輸出国とすること
に腫瘍の大きさの経時的な計測を求められる場面は確実に増加し
を目指すものである。創薬力の強化、日本の技術力を活かした医
ている。
療機器の開発・再生医療の実現、個別化医療の実用化などがその
す。弊社の薬事承認製品ではございません。
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