ご挨拶

■目次■
ご挨拶 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
今月のコンテンツ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
続・自学自習への道 第3回 「わからないから教えて」と言われたら?・・・・・・・・・・・・・・・・・3
ムーチョの人生極論集 「疲れたら、休む。眠いときは、寝る」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
Q&Aコーナー 「先延ばし」と「共感」<前編>・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
今月のおすすめ本 子どもの心のコーチング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
ムーチョ関連・どうでもいいニュース カマキリの卵事件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
ご挨拶
ゴールデンウィークはいかがでしたか?
私は、半分は子どもたちをテキトーに遊びに連れていき、半分は映画のDVDを見たり、読書したり
と家でのんびり過ごしもしました。こういう、バランスのとれた休み方が私的には理想です。
ずーっと外出だらけというのも疲れそうで嫌だし、かと言ってずーっと家にいるのも退屈で嫌なので、
今回はなかなか理想的な連休だったと、満足しております。
「5月病」という言葉がありますが、やはりあれの原因の大半はゴールデンウィークにあるのではな
いでしょうか?年度始めである4月に張り切っていた糸が連休によって一気に緩んで、なかなか元
に戻らない、みたいな。そういえば、うちの塾生も連休明けは、かなり気が抜けている状態でした。
ゴールデンウィーク、6月とか、もうちょっと遅い時期なら5月病の人も減るのではないでしょうか?
自主勉クラブ通信 2010年5月号
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今月のコンテンツ
【親向け動画セミナー】 あらゆる教科の土台となる 読解力をサポートする方法
読解力の養成は時間がかかるので、なかなかノウハウとしてまとめにくいのですが、私として今のと
ころお伝えできることはすべてお伝えしました。
「読書の習慣が大切」ということは、誰しもうなずいてくれることだと思います。ただ、意外と結果的
に読書嫌いにしてしまうようなことを無意識のうちに親がしている場合も多いと思うので、その辺の
先入観を今回の動画セミナーでとっぱらってもらえたら、という願いをこめて作りました。
【子ども向け動画セミナー】 今すぐ使える 記憶力アップのコツ10連発
私の塾では、生徒面談と称して時々生徒と一対一で、勉強のしかたなどついて話し合うのですが、
毎回驚かされるのが、ごく基本的な勉強法すらまるで知らない、ということです。
実際、教える人がいないのだからしかたありませんが、こちらとしても「このくらいは知っているだろ
う」などと思ってはいけないのだな、と反省しています。
というわけで今回は、ほんとにごくごく基礎的な勉強法、それも「覚える」ということに焦点を当てた
ものばかりを取り上げました。
目新しいものは少ないと思いますが、これらをすべて実践していれば、特別な記憶術や暗記法を
無理に取り入れる必要はないはずです。これらをすべて使った上でさらに効率化を目指す、という
場合のみ、ナントカ記憶術を使う意味が出てくる、と考えてください。
【音声ファイル】ムーチョの本音教育論 「性格についての一考察」
もともと自分の(特に昔の)性格があまり好きではないので、しゃべっていて少々辛くなりました。た
だ、性格については多くの人が勘違いというか先入観があるのではないかと思い、心理学に関し
ては一家言ある、元カウンセラー志望者・ムーチョ(苦笑)が自分の考えを披露しました。
しかし、今回はあまり整理できなかったので、ちゃんと心理学や精神医学の文献等も読み直し、同
じテーマで改めて何らかの形で発表したいと思っています。
自主勉クラブ通信 2010年5月号
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続・自学自習への道
第3回 「わからないから教えて」と言われたら?
自学自習への道において最も大きな壁となるのが、「わからない」という状況です。
自学自習というのは、基本的に一人で勉強するわけですから、「わからない」ことも自分で対処しな
ければいけません。
お子さんに「ここ、わからないから教えて」と言われた場合、あなたはどうしてますか?
小学校3、4年生くらいまでは、あるいは自学自習をさせ始めの頃は、言われたまま教えるのもアリ
だと思いますが、それではいつまでもお子さんは自立できません。
また、だんだんと難しくなってくるので、日頃勉強を教える仕事をしている親御さんでもない限り、
現実的にいつまでも教えることはできないでしょう。
「突き放しの技術」ではないですが、うまく突き放してあげることも、いずれは必要となってきます。
ただ、今までは答えてくれていたのに、突然パタリとやめてしまうと、お子さんは自立どころか「見放
された」と感じるかもしれません。ですから、次のように段階を踏んで徐々に突き放していくのが肝
要です。
【STEP1】「お母さん(お父さん)もいつまでも教えられないと思うから、わからないときは、まず
自分で調べる癖をつけようね」と、日頃から話しておく。
【STEP2】「わからないから教えて」と言われたら、まず「あと3回、問題を読んでごらん」と言う。
【STEP3】「それでもわからないときは、前に書いたノートや教科書を見直してごらん」と言う。
【STEP4】子どもが「見てもわからない」と言ってきたら、一緒に調べてあげる。
学校の宿題であれば、よほどひどい先生でない限り、授業で教えたことを宿題にしているはずで
す。
であれば、「わからない」とは言っても似たような問題の解説がノートや教科書に載っているはずで
す。それを一緒に調べてあげるのです。
そうすれば、親が直接教える必要はありませんよね?
そして、いずれは自分ひとりで調べるようにさせればいいわけです。
これが「復習」のしかたでもあるわけで、とても大切なスキルになります。
あとは学校や塾の先生に質問する、という手もありますが、それについてまた別の機会に譲ります。
自主勉クラブ通信 2010年5月号
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ムーチョの人生極論集
「疲れたら、休む。眠いときは、寝る」
このコーナーのお陰(だけでないかもしれませんが)で、そろそろ私の人間性が、かなりバレバレに
なってきたことと思います。
今回のタイトルも、私がいかに怠け者であるかを如実に物語っているわけですが、まあ、ほんとの
ことなんで特に弁解はいたしません。
もちろん、謙遜しているわけでも、かと言って悪ぶっているわけでもなく、今までこの調子でなんと
か人生楽しくやってきてしまったのだから仕方ありません。
「疲れたら、休む」
実にシンプルです。当たり前と言えば、当たり前のことでもあります。
でも、世の中、そうも言ってられない状況が多々あることも重々承知しております。
「明日はテストだから、部活で疲れていようが、休んでる場合じゃないんだ!」
とか
「仕事なんだから、疲れたぐらいで、いちいち休めるわけないんだ!」
という気持ちは本当にわかります。
実際、私も、常にこの「疲れたら、休む」が実践できていたわけではありません。
特に、今とは違って、勤め人だったときは尚更です。
でも、おそらく、他の人よりはわりとすぐ休んじゃうタイプの人間だと思います。
疲れたまま頑張る、ということが出来ない体質なんです。
早くも中学・高校生の頃から、この「疲労感」に敏感でした。
本当に体力がなくて疲れやすい体質なのか、それとも、疲れそのものはそれほどでなくても、「疲
れた」と感じやすい性質なのか、どちらなのかはいまだによくわかりませんが…。
高校生のときに、図書館で読んだ本をきっかけにして、ある瞑想法を知りました。そして、親を説得
してお金を払ってもらい、その瞑想のやり方を習いに行きました。
今でも1日に2回実践していて、この瞑想をすると、疲れがスッと消えて元気になります。
そんなに難しいテクニックは必要ないですし、やらないとストレスや疲労を感じるので、いやでも毎
日続くのです。
(なんか、するつもりのなかった瞑想の話までしてしまいましたが、興味のある方はご一報くだされ
ばもう少し詳しくお教えします。)
「眠いときは、寝る」
自主勉クラブ通信 2010年5月号
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こちらは、もはや心がけでもなんでもなく、もう、自然とそうなってしまう、というだけの話です(苦笑)
学生のときも、夜遅くまで机に向かったという記憶は、ほんとに数えるほどしかありません。
眠い目をこすりながら無理にやったところで頭に入らないことはわかっているので、「明日テストな
のになにも手をつけていない!」という緊急事態のときは、目覚まし時計をセットして、朝早くやりま
した。
徹夜をすることは滅多にないので、逆にその日のことはよく覚えていて、いい思い出になっていま
す(笑)
例えば、サラリーマン講師だった頃、塾に深夜まで居残り、テスト対策のプリントを作った思い出。
あと、大学時代に居酒屋で飲んでいたら終電がなくなり、友人と大学周辺を徘徊した思い出。
あとはせいぜい大晦日の夜更かし。
そんなもんです、徹夜なんて。
今は、自営でやってるわけですから、昔よりさらにエスカレートしちゃってます。
いい大人なのに、夜の12時以降起きていることは滅多にありませんし、昼間眠気に襲われたとき
は、誰に気兼ねする必要もないので、すぐに寝転がってしまいます。
ほんと、どうしようもないですね。でも、眠いまんま不機嫌な様子で授業をするよりいいかな、と。
(まあ、完全に言い訳ですが)
後半は、極論集というよりは、単に「こういう体質なんです」というお話になってしまいました。
真面目な社会人の方々には、すっかりあきれられてしまったと思いますが、こんなぐだぐだな大人
でも意外と楽しく日々を過ごせてしまっているので、子どもの多少のぐだぐだ具合は、さほど心配し
なくても大丈夫ではないか、という無責任な言動で締めくくりたいと思います(笑)
…と、ここまで書いたらなんと、たまたま読んでいた超訳「ニーチェの言葉」という最近のベストセ
ラー本に、似たようなことが書いてあったので狂喜してしまいました。
問題の記述は71ページにあります。
「・・・・・疲れたと感じたら、考えることをやめ、休んだり寝たりするに限る」ですって。
というわけで、ニーチェという大哲学者のお墨付もらって、ちょっと自信をつけたところで、再び終
わります。
Q&Aコーナー
「先延ばし」と「共感」<前編>
今回は、メールでのコンサルティングの模様を、ほぼそのまま引用させていただきます。
固有名詞などの個人情報は当然伏せているのと、改行や句読点などは見やすいように改めた箇
所もありますが、それ以外は原文のままです。
自主勉クラブ通信 2010年5月号
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Hさんという、中2の男の子のお母さんとのやりとりなのですが、そのHさんの行動力の素早さに注
目して読んでいただけると嬉しいです。
なお、けっこう長い引用になるので前編と後編の2部に分け、後編は次号に譲らせていただきます。
【From Hさん】
佐々木先生、お世話になります。
ぶしつけですが本音の所をご相談させていただければ嬉しいです。
今度中2になる息子です。
姉が高3でこちらは真面目に大学受験を目指しております。
本人は6年一貫のA中学の総合コースに通い、クラスで1番だったため、何人かの特進コースへの
クラス替えの対象にしていただき、迷いに迷って(本人が勉強についていけなくなったら困ると言
いながら、また、ねたみのような事もあって、でも最終的には本人が決心したのですが)2年から特
進コースに進みます。
この息子がやることを先延ばしにするので、心配しています。
宿題でもテスト勉強でも頭にはあるのですが、まんがが好きで、ギリギリまでやらないタイプで、
コレは思春期の特徴なのでしょうか?
また授業で理解しにくくても先生に質問しに行くのは周りの目を気にして嫌だと言います。
塾は行かない、でも勉強は難しくなってきたので、進研ゼミのチャレンジをやると2月から始めたの
ですが、提出するぺージしかやっていません。
私は他にスポーツなど熱中しているわけでないので(ほとんど活動のない文化部所属です)
いまの学校で思いがけず勉強でいけているので、その面で頑張ればと考えるのですが。
よろしくおねがいいたします。
【From ムーチョ】
Hさん、佐々木です。ご質問にお答えします。
Nくんは、クラスで1番をとれるくらいですから、能力はあるんですよね?
でも、お母さんとしては、もっと頑張れるはずなのに頑張っていない姿を見て、ちょっと不満、と
いったところでしょうか?
> この息子がやることを先延ばしにするので、心配しています。
> 宿題でもテスト勉強でも頭にはあるのですが、まんがが好きで、ギリギリまでやらないタイプで
> コレは思春期の特徴なのでしょうか?
自主勉クラブ通信 2010年5月号
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先延ばし癖というのは、思春期の特徴というより、すべての人間に共通のものだと思います。
自分があまり価値を置かないものに関しては誰しも先延ばしにしてしまいます。
私の例で言えば、歯医者に行くのは嫌いなので、出来るだけ先延ばしにします(笑)
大人だって「やらなきゃなあ」と思ってはいても、ついつい後回しにしてしまうことはいくらでも
あると思います。
逆にNくんだって、好きな「まんが」は先延ばしにしないわけです。
でも、大人も好きなことは先延ばししませんよね?
あとは、どうしてもやらなければならない、という責任が、大人の場合は降りかかってくる場合が多
いのでやる、というくらいで、実は意志の強さが関係しているわけでもないのです。
変な話、勉強しなきゃ、明日銃殺される、と決まっていたら、誰だってやりますよね?
意志の強さの違いというよりも、状況の違いのほうが大きいと思います。
一つ確かめていただきたいことがあります。
Nくんは、なかなか勉強にとりかかれないことを、よしと思っているのか、それとも、まずいとは思っ
ていてもついつい後回しにしてしまうのか。
まあ、おそらくは後者だとは思いますが、(そうでなければ優秀な成績はとれないと思うので)
一応聞いてみてもらえますか?
Nくん自身に、先延ばし癖をなんとかしたいという自覚があるのかないのかによって、アドバイスの
仕方は全く違ってきますので、よろしくお願いします。
ちょっと注意点を。問い詰めるように、ではなく、純粋に聞いてみてくださいね?
どちらかと言うと、「心配しているよ」という感じで。
よろしくお願いします。
【From Hさん】
佐々木先生
わかりやすいお返事本当にありがとうございます。
「問い詰めるようにでなく」に気をつけて聞いたところ「やらないといけないと思っているけど やる
のが嫌だから置いておく」と話していました。
よろしくおねがいいたします。
自主勉クラブ通信 2010年5月号
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【From ムーチョ】
Hさん、こんばんは。佐々木です。
さっそくNくんに聞いてくださり、ありがとうございます。
> 「やらないといけないと思っているけど
> やるのが嫌だから置いておく」
と、いうことなのですね?
さて。
ここからが、非常にデリケートな話になってきます。
あせりすぎると逆効果になってしまう場合もあるので、慎重にお願いします。
Hさんも、おそらく例の「やる気スイッチ」の動画セミナーは見ていただけたと思いますが、
その中のひとつ「共感する」を実践してください。
前回のメールでも書きましたように、
「やらなきゃいけないとわかっていてもついつい先延ばしにしてしまう」
というのは、子どもも大人も同じです。
ですから、Hさん自身、必ず共感できる点があるはずです。
まずは、Hさんの先延ばしエピソードを話してあげてください。
笑える失敗談などがあると一番いいです。
そしてNくんに「ああ、お母さんも同じなんだ」と、安心してもらってください。
思春期の男の子は、特にお母さんに対しては強がって、なかなか本音を話してくれません。
それが普通です。
だからこそ、まずは「共感」なのです。
Hさんが、非常に行動力のある方だとわかりましたので、まずはこれだけやってください。
当然、共感したあとのアドバイスも今後しますが、
それは共感をしっかりしてからでないとうまくいかないので、あえて今回は書きません。
たっぷり共感してあげてください。
疑問点があれば、なんなりとお聞きくださいね。
<後編へ続く>
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今月のおすすめ本
子どもの心のコーチング 菅原裕子 PHP文庫 定価 552 円+税
タイトルは、あまりにもシンプルで、特に目を惹くこともないのですが、本屋さんで何気なくパラパラ
とめくっていたら、なかなか鋭いことを堂々と言っている印象があったので、すかさず買いました。
似たようなテーマの子育て本は、それこそ掃いて捨てるほどありますが、「子どもとの距離感」に
フォーカスしている点で、この本は一線を画すると思いました。
それは、著者の方が子育ての最終目標として常に「自立」を意識しているからではないか、と感じ
たわけですが、そう思って著者プロフィールと見てみると、もともとは人材開発コンサルタントとして
企業の人材育成の仕事に携わっていた方なのだということがわかり、納得しました。
だから「お母さん」のわりには、母性に偏りすぎず、父性的な役割についても多くを語れるのだな、
とも思いました。
この本では、援助には「ヘルプ」と「サポート」の2種類があり、「ヘルプ」は「できない」人のために、
その人にかわってやってあげること、「サポート」は人を「できる」存在ととらえて、そばで見守り、より
よくなるために必要なときには手を貸すこと、と定義しています。
そして、小学校入学以降の子どもにとっての親の役割は「サポート」であるべきだとも言っています。
非常にわかりやすい、簡単な言葉しか使っていませんが、実はかなり深いことを言っている本です
ので、ぜひ一読してみてください。
お子さんが大きい方は、同じ著者の方が「思春期の子どもの心のコーチング」という本も出している
ようなので、こちらを読んでみてもいいと思います。私も今度読むつもりです。
<目次>
第1章 親の役割は何?
第2章 子どもに教えたい3つの力
◆愛すること
◆責任
◆人の役に立つ喜び
第3章 子どもを幸せにするしつけ
第4章 心を結ぶ聴き方・伝え方
第5章 親の幸せは自分で作る
◆子どもからの自立
◆親からの自立
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ムーチョ関連・どうでもいいニュース
#カマキリの卵事件
小3の息子が、どこかからカマキリの卵を拾ってきました。枝に産みつけてあるのを、枝ごと持って
きてしまったようです。
息子「パパ、カマキリって何食べるの?」
私「ちょっと待てちょっと待て。それ、どうするつもりだ?」
「もちろん、飼うに決まってるじゃん」
「おまえ、カマキリの卵って、生まれたらどうなるか知ってるのか?カマキリの赤ちゃんがうじゃうじゃ
いっぱい出てくるんだぞ」
私は、小学校低学年のとき、カマキリを飼っていたことを思い出しました。
虫かごに、メスを入れて飼っていたのですが、寂しかろうと思って、ある日オスのカマキリを同じ虫
かごにいれました。
ご存知だと思いますが、カマキリのメスはオスよりも体が大きく、交尾のあとにオスを食べちゃうんで
すよね。その現場をモロに見てしまい、大自然の残酷さを知りました。
そして、しみじみ思いました。「ああ。同じオスでも、人間でよかった」と(笑)
そして、オスを食って栄養満点の体になったメスは、虫かごの一隅に大きな卵を産みつけました。
で、しばらくそのままにしておいたのですが、ある日テレビでNHKの教育番組を見ていたら、カマ
キリの卵がかえる場面をやっていました。
卵からは、ちっちゃなちっちゃなカマキリの赤ちゃんがうじゃうじゃ無数に出てきます。「こんなのが
あの虫かごからどんどん這い出てきたら…」、と想像したら、ぞっとして鳥肌が立ちました。
恐ろしくなった私は、その日のうちに虫かごごとカマキリの卵を捨ててしまいました。
時折、「あの卵は無事にかえったかな?」と僅かな罪悪感とともに思い出したりもしましたが。
その悪夢が、数十年ぶりに、わが息子のお陰で現実になる日が来たのです。
虫かごに卵を入れて、嬉しそうな息子に向かって、私は言いました。
「じゃあ、しょうがないから、せめて家の中に置くのはやめてくれ」
家の中が、カマキリの赤ちゃんだらけになってしまったら、たまったこものではありません。
「うん、わかった」と言って、庭に置いてきてくれました。
そして、早くも翌日、無数のカマキリの赤ちゃんが出てきました。
小さすぎて、虫かごの空気用の穴からどんどん出てきてしまいます。
息子は、セロハンテープを持ってきて、穴を塞いじゃったりしています。
「おいおい。やりすぎると、今度は息が出来なくなっちゃうぞ」
「へーき、へーき」
この「へーき」には、何の根拠もありません(笑)
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「いやー、それにしても気持ち悪いなあ」と私が言うと、息子は、
「そーお?かわいいじゃん」と淡々と言いました。
確かに、近づいて、一匹一匹を見ると、かわいくなくもない。
実際、子どもの頃想像していたよりは、恐ろしいことではないことがわかりました。
想像上の恐怖が一番怖い。現実は、そうでもない、という教訓です。
子どもから学ばされることは、多いものです。
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