コンテンツ • プログラムについて • 2002-2013年メントーおよびプロトジェ • 2012-2013年度メントーおよびプロトジェ 建築 舞踊 映画 文学 音楽 舞台芸術 視覚芸術 • 2001-2012年アドバイザー • ロレックス・インスティテュート FACT SHEET プログラムについて The Rolex Mentor and Protégé Arts Initiative is an international philanthropic programme devised ロレックス メントー&プロトジェ アート・プログラムはロレックスによる国際的なフィランソロフィー活動で by Rolex and run by a team at the company’s headquarters in Geneva. It seeks out highly talented あり、ジュネーブにあるロレックス本社の専門チームにより運営されています。このプログラムは世界中 young artists from around the world and brings them together with great masters for a year of creative の才能あふれる若いアーティストと各分野の第一人者を結びつけ、一対一の指導を通じて1年間にわたり collaboration in a one-to-one mentoring relationship. 相互交流を行う機会を提供します。 History and objectives 歴史と目的 The Rolex Mentor and Protégé Arts Initiative was launched in June 2002. It runs biennially and is ロレックス メントー&プロトジェ アート・プログラムは、2002年6月に設立されました。2年に1度実施され、 currently in its fifth cycle (2010-2011). Its objective is to help perpetuate the world’s artistic heritage. 今回(2012-2013年度)で6回目の開催となります。このプログラムは、世界の芸術的遺産の継承に貢献 In keeping with its tradition of supporting individual excellence, Rolex is giving emerging artists time することを目的としています。創業以来、優れた才能を持つ個人を支援してきたロレックスは、新進気鋭 to learn, create and grow. のアーティストたちに学びと創作、そしてさらに大きく成長するための時間を提供します。 Programme format プログラムの内容 Rolex invites masters in dance, film, literature, music, theatre and the visual arts to provide individual ロレックスは舞踊、映画、文学、音楽、舞台芸術、視覚芸術、そして2012年より加わった建築の各分野 guidance to gifted young artists. In six disciplines, a senior artist (the mentor) agrees to foster and の第一人者を迎え、才能あふれる若いアーティストたちに一対一の指導を依頼します。各分野における counsel a young artist (the protégé) for one year. Each pair decides the most effective way of interacting. 指導者(メントー)が1年間にわたって若いアーティスト(プロトジェ)に育成と助言を行ないます。 Selection of mentors メントーの選出 Every two years, a new Advisory Board of distinguished artists and practitioners suggests and endorses 2年に1度、著名な芸術家や専門家からなる顧問委員会が結成され、メントーの候補者を推薦します。 potential mentors. Once the mentors have been approached and have agreed to take part, Rolex works その後、候補者に対してプログラムへの協力を打診し、参加の意思を確認した後、コラボレーションの with them to establish a profile of the protégé they would like to work with. Each mentor receives パートナーとしてメントーが求めるプロトジェ像を確立します。 an honorarium of $50,000. プロトジェの選出 Selection of protégés 7つの各分野に、プロトジェの候補を選出する専門家による推薦委員会が設けられます。選考プロセスの Then, six Nominating Panels – one panel per discipline – are assembled. The panels are made up 公平性を確保するため、選出期間中は各委員の名前は明かされません。また、アーティストが自らこの of experts qualified to identify suitable potential protégés. To ensure that the process is impartial, プログラムに応募することはできません。各委員会のメンバーがプロトジェの候補者を挙げ、その後 panel members remain anonymous during the selection period. Artists do not apply directly to ロレックスが各候補者に応募を呼びかけます。応募書類は委員会で検討され、各分野で3名の最終候補者 the programme. Each Nominating Panel recommends potential protégés, who are then invited by が絞り込まれます。最後にメントーと最終候補者との面談を経て、メントー自身がプロトジェを決定します。 Rolex to submit applications. The protégés are gifted, young, professional artists who have not had the opportunities to match their exceptional talent. The Nominating Panel studies all the applications 指導期間 and recommends three finalists. The entire process has an invaluable spin-off, as it allows the panellists メントーとプロトジェは最低6週間を共に過ごすことになっていますが、多くのペアが知識や体験の共有に to become aware of about 20 talented young people in their field. Rolex then arranges for the mentor それ以上の時間を費やしています。指導の場所や時間は互いの合意で決めることができるため、プロト to meet the finalists and choose his or her protégé. ジェがメントーの仕事場を見学したり、メントーとプロトジェが実際にコラボレーションを実施するなど、 自由な交流が行なわれています。彼らの活動を支援するため、各ペアにロレックスの専属スタッフが Year of mentoring つき、実務面でのサポートを行います。指導期間終了後、参加者はゲストとしてロレックスのガラ・イベント Mentors and protégés spend a minimum of six weeks together, though many spend considerably more に招待されます。 time sharing knowledge and experience. The place and time of these interactions are arranged by mutual agreement. The form of the interaction is flexible, ranging from a protégé being granted access to a master T H E RO L E X M E N T O R A N D P RO T É G É A R T S I N I T I AT I V E P.O. Box 1311 – 1211 Geneva 26 – Switzerland – Tel. +41 (0)22 302 22 00 – Fax +41 (0)22 302 25 85 – Email [email protected] rolexmentorprotege.com 助成金 1年の指導期間中、各プロトジェには25,000スイスフランの助成金に加え、旅費および諸経費が支払わ れます。1年の指導期間の終了後には、さらに25,000スイスフランの追加支援が可能です。これは新規 の作品、出版物、公演、公共イベントなどの資金として提供されます。各メントーには、感謝の意を表して 50,000スイスフランの謝礼が渡されます。 記録 プロトジェを広く世間に紹介するために、ロレックスは指導期間の過程を記録として残しています。ロレックス 担当者の指示の下、撮影クルー、カメラマン、ライターがメントーとプロトジェのコラボレーションの様子を記録 します。また、ウェブサイト(rolexmentorprotege.com)でもプログラムの内容を紹介しています。 成果 1年間の指導期間終了後も、ロレックスはプロトジェとの連絡を維持し、彼らのキャリアを追い続けます。 プロトジェのその後の活躍は様々であり、新作小説、新しい舞台製作、メントーが主催するダンス カンパニーへの入団、メントーとの共同作品の制作など、このプログラムがもたらす成果は多岐に わたります。ロレックスはこのプログラムが若いアーティストに及ぼす影響は将来にわたって継続する ものであると考えます。 アーティストたちのコミュニティ 2002年の設立以来、ロレックス メントー&プロトジェ アート・プログラムは310人のアーティストや芸術界 の第一人者、その他の著名文化人たちを迎えており、その中にはメントー選定のアドバイザー86人と、 プロトジェの選定に協力してくださった178名のノミネーターの方々も含まれています。プログラムの参加者 は世界中から集まっており、40ヶ国以上のアーティストによるコミュニティが形成され、プログラムは回を 重ねるごとに豊かに深みを増していっています。 2002-2013年メントーおよびプロトジェ 建築 YANG ZHAO (China) (2012-2013) LIN HWAI-MIN (Taiwan) EDUARDO FUKUSHIMA (Brazil) (2012-2013) TRISHA BROWN (United States) LEE SERLE (Australia) (2010-2011) JIŘÍ KYLIÁN (Czech Republic) JASON AKIRA SOMMA (United States) (2008-2009) ANNE TERESA DE KEERSMAEKER (Belgium) ANANI DODJI SANOUVI (Togo) (2006-2007) SABURO TESHIGAWARA (Japan) JUNAID JEMAL SENDI (Ethiopia) (2004-2005) WILLIAM FORSYTHE (United States) SANG JIJIA (China) (2002-2003) WALTER MURCH (United States) SARA FGAIER (Italy) (2012-2013) ZHANG YIMOU (China) ANNEMARIE JACIR (Palestinian Territories) (2010-2011) MARTIN SCORSESE (United States) CELINA MURGA (Argentina) (2008-2009) STEPHEN FREARS (United Kingdom) JOSUÉ MÉNDEZ (Peru) (2006-2007) KAZUYO SEJIMA (Japan) 舞踊 映画 (2004年~) MIRA NAIR ADITYA ASSARAT (India) (Thailand) (2004-2005) 文学 MARGARET ATWOOD (Canada) NAOMI ALDERMAN (United Kingdom) (2012-2013) HANS MAGNUS ENZENSBERGER (Germany) TRACY K. SMITH (United States) (2010-2011) WOLE SOYINKA (Nigeria) TARA JUNE WINCH (Australia) (2008-2009) TAHAR BEN JELLOUN (Morocco) EDEM AWUMEY (Togo) (2006-2007) MARIO VARGAS LLOSAANTONIO GARCÍA ÁNGEL (Peru) (Colombia) (2004-2005) TONI MORRISONJULIA LEIGH (United States) (Australia) (2002-2003) 音楽 GILBERTO GIL (Brazil) DINA EL WEDIDI (Egypt) (2012-2013) BRIAN ENO (United Kingdom) BEN FROST (Australia) (2010-2011) YOUSSOU N’DOUR (Senegal) AURELIO MARTÍNEZ (Honduras) (2008-2009) PINCHAS ZUKERMAN (Israel) DAVID AARON CARPENTER (United States) (2006-2007) JESSYE NORMANSUSAN PLATTS (United States) (Canada) (2004-2005) SIR COLIN DAVIS (United Kingdom) JOSEP CABALLÉ-DOMENECH (Spain) (2002-2003) PATRICE CHÉREAU (France) MICHAŁ BORCZUCH (Poland) (2012-2013) PETER SELLARS (United States) MAYA ZBIB (Lebanon) (2010-2011) KATE VALK (United States) NAHUEL PEREZ BISCAYART (Argentina) (2008-2009) JULIE TAYMOR (United States) SELINA CARTMELL (United Kingdom) (2006-2007) SIR PETER HALL (United Kingdom) LARA FOOT (South Africa) (2004-2005) ROBERT WILSON (United States) FEDERICO LEÓN (Argentina) (2002-2003) WILLIAM KENTRIDGE (South Africa) MATEO LÓPEZ (Colombia) (2012-2013) ANISH KAPOOR (United Kingdom) NICHOLAS HLOBO (South Africa) (2010-2011) REBECCA HORN (Germany) MASANORI HANDA (Japan) (2008-2009) JOHN BALDESSARI (United States) ALEJANDRO CESARCO (Uruguay)) (2006-2007) 舞台芸術 視覚芸術 DAVID HOCKNEY MATTHIAS WEISCHER (United Kingdom) (Germany) (2004-2005) ÁLVARO SIZA (Portugal) (2002-2003) SAHEL AL-HIYARI (Jordan) 2012-2013年度メントーおよびプロトジェ 建築 メントー(指導者) 妹島和世 先見性を持つ、革新的な建築家のひとりとして名高い妹島和世氏は、シンプルな 美的センスと複雑な技術を組み合わせた建築物を西沢立衛氏と共に設計し、 批評家から高い評価を受けています。2010年には西沢氏と共に建築界で最も権威 あるフリツカー賞を受賞しました。 日本女子大学で建築を学んだ後、初期のころは建築家の伊東豊雄氏とともに働き、 1987年に妹島和世建築設計事務所を設立、独立しました。1992年には日本建築家 協会新人賞を受賞し、その3年後の1995年に西沢立衛氏と共同で東京を拠点とする 建築事務所SANAA(Sejima and Nishizawa and Associates)を設立しました。 それから約10年後、SANAAは金沢21世紀近代美術館の建築で世界的な注目を 集め、2004年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で金獅子賞を受賞しました。 その他に、SANNAはニューヨークのニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・ アートやロンドンのサーペンタイン・ギャラリー・パビリオンなどの画期的な建築を 手掛けています。 2010年、妹島氏はヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の初の女性ディレクターに 任命され、展覧会の主事という大役を果たしました。「妹島氏の建築技法は機能、 関係性、そして空間の分割が重要であるという基本概念に立ち返っています」と、 ヴェネチア・ビエンナーレの代表を務めるパオロ・バラッタ氏は話します。「彼女の 建築はシンプルの極みであり、非常に機能的で、かつ抒情的です」。また2010年に は、SANAAが設計したスイス連邦工科大学ローザンヌ校の図書館および学生総合 施設であるロレックス・ラーニングセンターが開館し、大きな反響を呼びました。 現在、SANAAはルーブル美術館の別館となるルーブル・ランス美術館(フランス、 ノール=パ・ド・カレー地方)や、ヒュンダイカード・コンサートホール(韓国、ソウル)、 ネルーダタワー(メキシコ、グアダラハラ)、グレイス・ファーム(アメリカ、コネチカット州) ベツァルエル美術デザイン学院(イスラエル、エルサレム)など、多数のプロジェクトに 取り組んでいます。 また、最近完成した東京のSHIBAURA HOUSEなど、個人の設計事業に加え、日本 および海外の主要大学でも講義を行なっています。 プロトジェ(生徒) チャオ・ヤン 中国人建築家チャオ・ヤンは、1980年に中国・重慶で生まれました。清華大学を 卒 業 後 、 2 0 0 7 年 に 自 身 の 事 務 所 Z h a o y a n g S t u d i o を 設 立 し ま し た 。 その後3年間は、北京の有名な新世代のデザイン事務所Standardarchitecture と仕事に取り組みました。2010年にハーバード大学大学院デザイン学部に 進学し、優秀な成績で建築学の修士号を取得。彼が手掛けた建築物のひとつ に、Standardarchitectureとコラボレーションし完成した、チベットの 『 Niyang River Visitor Center(尼洋河ビジターセンター)』があります。この建物は自然の風景を見事 に変貌させ、独特な空間を創造したユニークなプロジェクトとして国際的に高い評価 を得ています。また、2010年には北京で発行されている『World Architecture』誌から 2010年WA中国建築アワードを授与されました。雲南省大理を拠点とする彼の事務 所では、急速に都市化が進む中国の農村地域における建築への対策を探求すべく 取り組んでいます。 生年月日:1980年4 月24 日 舞踊 メントー(指導者) リン・フアイミン(林懐民) アジアにおいて、振付分野の第一人者として知られるリン・フアイミンは、約40年前に 台湾でクラウド・ゲイト・ダンスシアターを創設して以来、中国語圏のコンテンポラリー ダンスを牽引してきました。さまざまなスタイルを組み合わせる彼の手法について、 ニューヨークタイムズ紙は「リン・フアイミンは、東洋と西洋のダンス テクニックと演劇 のコンセプトを見事に融合させている」と評しています。 リンは、5歳の時に有名なイギリス映画『The Red Shoes(赤い靴)』を11回見て、ダンス の世界に引き込まれました。しかし、彼が実際にダンサーになろうと決めたのは、その 10年後、振付家ホセ・リモンの斬新なパフォーマンスを見た時でした。 1960年代後半から70年代にかけて、ニューヨークにあるマーサ・グレアムとマース・ カニングハムのスタジオで学んだリンは、1973年に故郷の台湾に戻り、中国語圏では 初となる、コンテンポラリーダンスカンパニー、クラウド・ゲイトを創設します。デビュー作 『Tale of the White Serpent』を含む彼の初期の作品は、中国の伝統的な叙事詩と 歌劇を現代的な視点から捉え直したものでした。1990年に入り、物語風のアプローチ をやめ、『Songs of the Wanderers』や『Moon Water』などの作品に見られるような 太極拳や中国思想の“気”の概念、さらには書道からインスピレーションを 得た新しい表現を用いるようになると、カンパニーの評価は急激に高まりました。リン は「私にとって、ダンスは意味を追求するものではない。躍動する身体、力、そして エネルギーそのものです」と話し、『Cursive』三部作や近年の『Water Stains on the Wall』などを含む作品の数々を通じて、観客に強い感動を与えることを目指しています。 作家としても才能を発揮するリンは、1999年に結成したクラウド・ゲイト2において、台湾 の若い振付家の育成にも力を注いでいます。フランス芸術文化勲章(シュヴァリエ 勲章)やドイツの国際モビメントス・ダンス賞の特別功労賞をはじめ、数々の栄誉ある賞 を受賞したリンは2005年、アジア版タイム誌で“アジアの英雄”のひとりに選ばれました。 プロトジェ(生徒) エデュアルド・フクシマ イタリア人と日本人を先祖に持つブラジル人、エデュアルド・フクシマは、ブラジル で一般の人々にも、評論家にも広く認められているダンサーおよび振付家です。 フクシマはサンパウロ・カトリック大学でフィジカル・アート・コミュニケーション を学び、2011年に卒業しました。また、ブラジルのコンテンポラリー ダンス界の多くの第一人者に師事し、2004年に始めて自らソロ作品を 創 作 。 近 年 で は 、 『 B e t w e e n C o n t e n t i o n s 』 ( 2 0 0 8 年 ) 、 『 O v e rc o m e t h e Great Tiredness?』(2009/2010年)などの作品で高い評価を得ています。どちらの 作品にも、しぐさと動きを原点とする探究の精神が貫かれています。彼の メントー(指導者)を務めるリン・フアイミン(林懐民)と同様に、フクシマにとって 動きは内なる精神を伝える手段です。フクシマは次のように話します。「私は 動きを研究したいと考えています。私が踊るのは、身体が私を突き動かすか らです」。彼は、リン・フアイミンの指導を受けることは、動きと振付への自身 の洞察力を深める“人生を変えるほどの”機会であると捉えており、中国と日本の身体 技法の研究を通じて自らの奥底にある東洋的側面に触れたい、と考えています。 生年月日:1984年4 月15 日 映画 メントー(指導者) ウォルター・マーチ 映画界の第一人者として世界的に知られるウォルター・マーチは、映画編集と音響 で高く評価されています。「私はビジュアル化するのではなく、音を頭の中に 描き出す、つまり聴覚化することを目指しています」と話すマーチは、過去40年間に わたり、さまざまな映画作品の製作に携わってきました。 画家の息子であるマーチは、子供の頃から「音を描き出す」ことに興味を持って いました。彼は、当時はまだ目新しかったテープレコーダーを家族が購入すると、 「マイクを窓の外に向けてニューヨークの音を録音した」と話します。後に、有名な南 カリフォルニア大学の映画学科に進み、そこで未来の共同制作者となるジョージ・ ルーカス監督やその他の新進の映画関係者と出会い、映画の世界にのめり込んで いきました。 1969年にプロとして仕事を始めて以来、マーチはフランシス・フォード・コッポラ監督の 傑作映画『The Godfather(ゴッドファーザー)』シリーズや、彼の初のアカデミー賞受賞 作となった『Apocalypse Now(地獄の黙示録)』(1979年)、アンソニー・ミンゲラ監督 の『The English Patient (イングリッシュ・ペイシェント) 』など数多くの作品に参加 しました。1996年には、『The English Patient (イングリッシュ・ペイシェント) 』で アカデミー賞の編集賞と録音賞の2部門を受賞し、両部門を受賞した唯一 のアーティストとなった他、英国アカデミー賞も受賞しました。また、2003年 にはミンゲラ監督の『Cold Mountain(コールド・マウンテン)』の編集を手掛けました。 マーチは映画編集に関する著書『In the Blink of an Eye (映画の瞬き-映像編集 という仕事)』(2001年)やドキュメンタリー映画『Murch』(2007年)の中で彼の革新的 技術の数々について深い知識を披露しています。 著名作家のマイケル・オンダーチェは著書『The Conversations: Walter Murch and the Art of Editing Film(映画もまた編集である-ウォルター・マーチとの対話)』の中 で、彼のことを「真の博識者である」と述べています。オンダーチェは、マーチが関心 を寄せるテーマは驚くほど広範囲で、建築から天文学、音楽理論、文芸翻訳、科学、 数学にまで至ることを明かしています。ハリウッド中でもこれほど多くの話題について 語ることのできる人物はほとんどいません。 プロトジェ(生徒) サラ・フガイエ イタリア人映画編集者のサラ・フガイエは、その感性と緻密さ、そして豊かな創造力 で高く認められています。ハリウッド・リポーター誌は「さまざまな素材から 選別し、組み立てる傑出した能力は特に称賛に値する」と評しました。子供の時から 映画館に足繁く通ったというフガイエは、ボローニャ大学で映画学を修めましたが、 編集はウォルター・マーチの作品を初め、数々の優れた映画作品を見て学んだと 言います。彼女はマーチの影響力ある著作『In the Blink of an Eye(映画の瞬き―映 画編集という仕事)』を手にして以来、彼を“遠方のメントー(指導者)”と称してきました。 フガイエは、初の編集作品である『La bocca del lupo(狼の口)』(2009年)について 語った際、「‘厳しい試練’の中で、ウォルター・マーチのこの本が私を導いて くれました」と話しています。詩的な響きが印象的で、賞も獲得したこのドキュメンタリー 作品で、サラ・フガイエはアーカイブ・リサーチとピエトロ・マルチェロ監督の第一 アシスタントディレクターも務めました。2011年、サラ・フガイエはマルチェロ監督の 『Il silenzio di Pelešjan(Pelešjanの沈黙)』と、ミケーレ・マンゾリーニ監督とフェデリコ・ フェローネ監督の『Il treno va a Mosca(モスクワへの列車)』の編集を担当。フガイエ はマーチという偉大な指導者のもと、新しい挑戦に臨むのを心待ちにしています。 文学 メントー(指導者) マーガレット・アトウッド 小説家であり、詩人、随筆家、文芸評論家のマーガレット・アトウッドは、カナダの 文学界で傑出した存在であり、今日、最も高く評価され、多作で知られる作家の一人 です。エコノミスト誌で“巧みな言葉の職人”と称された彼女は、すでに 50冊以上もの 書物を執筆しています。 子供時代に1年の半分を母国カナダ北部の大自然の中で過ごしたアトウッドは、幼い 頃からずっと、ものを書くことを天職だと思っていました。「とにかく書くことばかり 考えていました」と話す彼女は、6歳にして最初の詩を書き、高校生の時には、すでに 作家になることを宣言していました。トロント大学を卒業した後、ハーバードのラドクリフ 大学に進み、1962年に修士課程を修了しました。その頃には、現在も支援している 小規模の文学誌に作品が掲載されるようになりました。その4年後、2作目の詩集 『The Circle Game(サークル・ゲーム)』で、当時カナダで最も栄誉ある文学賞であった カナダ総督文学賞を受賞し、多岐のジャンルで活躍する偉大な作家への道のりを 歩み始めました。 国際的に高く評価され、広く読まれている小説には、『Edible Woman(食べられる女)』 (1969年)、『The Handmaid’s Tale(侍女の物語)』(1985年)、『Cat’s Eye(キャッツ・アイ)』 (1988年)、『Alias Grace(またの名をグレイス)』(1996年)、ブッカー賞受賞作『The Blind Assassin(昏き目の暗殺者)』(2000年)などがあります。また、小説『Oryx and Crake(オリクスとクレイク)』で「スペキュレイティブ・フィクション(思弁小説)」を再び 手掛けました。アトウッドは「スペキュレイティブ・フィクション」を完全に現実的とは 言えないにしても、実際に起こり得る可能性のある出来事を描いた小説、と定義づけ ています。最近の作品には、小説『The Year of the Flood(洪水の年)』(2009年)や ノンフィクション『 In Other Worlds:SF and the Human Imagination』(2011年)などが あります。 マーガレット・アトウッドは、環境保護活動家、社会評論家として知られる他、指導、 編集、インターネット上でのアドバイス、ノンフィクション作品を通じての若手作家育成 の活動でも評価を得ています。さらに、iDoLVine.comを立ち上げ、リモート電子ブック サイン会などオンライン上での読者イベントを行い、文学の普及に尽力しています。 「言葉に次ぐ言葉と、さらに続く言葉。それは、力なのです」と熟達の域にある作家は 話します。 プロトジェ(生徒) ナオミ・アルダーマン 示唆に富み、完成度の高い作品で知られるイギリス人作家のナオミ・アルダーマン は、閉鎖的ともいわれるオックスフォード大学においてもユダヤ原理主義という バックグラウンドを貫き、正統派に疑問を呈してきました。アルダーマンは1996年に オックスフォード大学を卒業し、2003年にイースト・アングリア大学でクリエイティブ・ ライティングの修士号を取得。その3年後、彼女は宗教と現代社会の間の緊張と応化 をテーマにした小説『Disobedience』を発表し、この作品が新人作家へ贈られる 2006年オレンジ賞、さらには2007年、サンデータイムズによるヤング・ライター・オブ・ ザ・イヤーを獲得しました。2010年には10ヶ国語に翻訳された、権力と富の問題に徹底 的に迫る作品『The Lessons』を出版、そして近々ファリサイ派の観点から見たイエスを 描いた小説『The Liars’ Gospel』が発表される予定です。彼女はまた、コンピュータゲーム のライターでもあり、ゲーム感覚でスリリングなランニングが楽しめるiPhone 用アプリ『Zombies, Run!』を共同制作し大成功を収めています。アルダーマンは、 マーガレット・アトウッドの指導のもと、新しい小説創作の“旅”への出発を楽しみに しています。マーガレット・アトウッドの作品は、「常にインスピレーション、洞察、そして 勇気の源であった」とアルダーマンは話しています。 生年月日:1974年10月23 日 音楽 メントー(指導者) ジルベルト・ジル 伝説的な歌手、シンガーソングライター、ギタリストのジルベルト・ジルは、ブラジル で最も影響力のあるミュージシャンの一人です。革新的な音楽と豊かなメロディー で知られ、これまでにアルバム52作をリリースし、そのうちの5枚はプラチナディスク、 12枚はゴールドディスクを獲得、レコードの総売上は4百万枚にも上ります。 半世紀近くにわたり、ジルはボサノヴァ、バイヨン、サンバ、レゲエ、ロックなどさま ざまなジャンルの音楽を融合させ、ビートルズからジミ・ヘンドリックスまで、多様な 影響を受けた音楽を作り続けています。 「子供の頃から、私にとって音楽は情熱であり、情熱を仕事にするのが夢でした」と 話すジルは、彼が3歳の頃から、母親がその音楽への興味を後押ししました。1963 年、バイア連邦大学で、ギタリストでシンガーのカエターノ・ヴェローゾと出会ったこと が人生の転機となり、トロピカリズムの創造という 2人の長期間にわたるコラボレーシ ョンが始まりました。この活動は反体制的な要素を持っていたため、当時の軍事独裁 政権から脅威とみなされ、 2人は投獄され、その後、イギリスへ亡命しました。 1972年に、ロンドンから戻ったジルは、徐々に独自のスタイルを築き始め、代表作と なるアルバムの制作や公演を次々に行い、1978年にモントリオール・ジャズフェスティ バルに出演すると、世界中から注目を集めました。以来、アルバム『Quanta Live』 (1999年)や『Eletracústico』(2005年)、最新アルバム『Fé na Festa』(2010年)などで グラミー賞を10回受賞しています。ここ数年のツアーでは、息子のベンと共演する ことも多く、独特のサウンドで世界中の観客を魅了しています。 また、音楽家としてのキャリアと並行して、環境保護活動家、政治家としても活躍して います。2003年にはブラジルの文化大臣に任命され、2008年まで務めました。その他 にも、1999年にユネスコ平和芸術家へ任命され、2005年にスウェーデンのポーラー 音楽賞とフランスのレジオンドヌール勲章を贈られるなど、数多くの栄誉に輝いています。 プロトジェ(生徒) ディナ・エル・ウェディディ その独特な歌声とスタイルに魅了された人々から絶大な支持を集めるエジプト人の ディナ・エル・ウェディディは、5年ほど前よりエジプトの音楽界で頭角を現して きました。彼女は東洋言語学を学んだカイロ大学在学中に作曲を始めました。 エル・ウェディディの歌は、エジプトの政治がテーマの中心となっています。2007年 から2010年まで、エル・ウェディディはエル・ワルシャ演劇団で歌手および女優として 活躍し、エジプトの民族芸能を深く探求、また、カイロの刑務所など意外な場所でも 公演を行いました。さらに、2009年から2010年にかけてHabayebna Bandと共にエジプト およびアラビアの古典を披露し、その後2011年に自らのバンドを結成しました。 メントー(指導者)のジルベルト・ジルに指導を受ける1年について、彼女はこう話して います。「エジプトの民俗的要素とオリエンタル音楽による私の独自の世界と、ジルの ボサノバのビートを融合できたらと考えています」。 生年月日:1987年10月1日 舞台芸術 メントー(指導者) パトリス・シェロー フランスの演出家パトリス・シェローは演劇、映画、オペラの幅広い作品の中で人間 関係を深く追求しています。「分野は異なっても、その核にあるものは同じ。ストーリー を伝えることです」と彼は話します。 シェローのストーリーを伝える才能は若い頃から際立っており、学校劇でも俳優、 監督、舞台主任として活躍しました。画家の両親によって芸術的感性が育まれた 彼は、15歳にして舞台芸術の天才と絶賛されました。その7年後には、プロの監督 として活動を始め、パリ郊外に公共劇場を作りました。そして30歳を前にして、初めて オペラを上演しました。 1970年代半ば、シェローは活動の幅をさらに広げ、サスペンス映画『La chair de l’orchidée(蘭の肉体)』を制作。また、最も有名な監督作品のひとつであるワーグナー の神話『Ring Cycle(指環 )』をバイロイト音楽祭 100周年記念で上演しました。19世紀 の産業革命時代に舞台を設定するという画期的な解釈で話題を呼んだこの作品は、 今でも世界中でオペラの演出に影響を与え続けています。 フランスでは演劇界の実力者、そして俳優として知られるシェローは、過去30年間に わたり、映画でもその芸術的手腕を発揮しており、時として私的要素の強い数々の 映画作品を発表し、多くの賞を受賞しています。その中には、『L’Homme blessé(傷 ついた男)』(1983年)、大ヒットした叙事詩的映画『La Reine Margot(王妃マルゴ)』 (1994年)、『Ceux qui m’aiment prendront le train(愛する者よ、列車に乗れ)』 (1998年)、官能的映画として名高い『Intimacy(インティマシー/親密)』(2001年)、 『Son frère(ソン・フレール-兄との約束)』(2003年)、『Gabrielle (ガブリエル)』(2005 年)、『Persécution(迫害)』(2009年)などがあります。 最近では、ニューヨークとパリの映画学校で講師を務め、ルーヴル美術館のゲスト キュレーターにも任命され、舞踊、オペラ、舞台芸術、映画、絵画を統合させた展覧会 「Les Visages et les corps(顔と体)」を2010年に開催しました。また、初の英語での舞 台作品が 2011年にロンドンのヤング・ヴィック劇場で上演されました。 プロトジェ(生徒) ミハウ・ボルチュフ ポーランドの演劇界で最も注目される若手のひとり、ミハウ・ボルチュフは、流行や大衆 の嗜好にしばしば異議を唱える革新的な作品で知られています。「異なる、そして 時に矛盾する美的要素を作品の中で融合させる試みを行っています」と話すこの 演出家は、独創的な方法で、実験的にそして即興で採用した役者からインスピレーショ ンを得ています。ボルチュフはクラクフ芸術大学と、現在自らが教鞭をとる演劇学校 で修士号を取得。2005年以降、彼はポーランド内の劇場や国際文化フェスティバルで 演出を行っており、その作品の題材は初期のポーランドの現代戯曲から古典へと 移行しています。最近の舞台化作品には、『Portret Doriana Graya(ドリアン・グレイ の肖像)』(2009年)、『Werther(ウェルテル)』(2009年)、『Twelfth Night(十二夜)』 (2010年)、 『Brand. Miasto. Wybrani』(2011年)、そしてジークムント・フロイトから着想 を得た『Hans, Dora i Wilk』(2012年)があります。演劇と映画に強い情熱を抱くボル チュフは、これらふたつのメディアがお互いにどのような影響を与え合っているかを、 今回メントー(指導者)を務める舞台、映画、オペラ界の巨匠パトリス・シェローと議論 するのを楽しみに待ち望んでいます。ボルチュフは、このプログラムが「新しい手法と 芸術的試みの追求につながるだろう」と考えています。 生年月日:1979年6月2日 視覚芸術 メントー(指導者) ウィリアム・ケントリッジ その豊かな創造性で自らの芸術分野さえも超越する、ビジュアルアーティストの ウィリアム・ケントリッジは、アパルトヘイト政策下及び廃止後の南アフリカでの実生 活における個人的、政治的影響を投影したインパクトの強い作品で高く評価 されています。「ポリティカルアートや、多義性や矛盾を持つ芸術、そして未完の 表現、不確かな終結に興味があります」とケントリッジは話します。アパルトヘイト 政策反対を唱えた弁護士の両親が、彼に自らを取り巻く世界に疑問を投じることを 教えたといいます。 1976年、ウィットウォータースランド大学で政治学を修めたケントリッジは、ヨハネス ブルグ美術財団とパリのジャック・ルコック演劇学校で学び、そしてジャンクション・ アヴェニュー劇団の一員として働きながら、10年間に渡ってデッサンと演劇、両方の 世界を追求しました。 1980年代半ば頃、ケントリッジは彼を最も有名にした作品の制作を開始しました。 それは、木炭によるドローイング、アニメーション、映画、演劇を融合させた革新的な 手法で、ドローイングを部分的に描き直しながら1コマごとに撮影して流動的な アニメーションを生み出すものでした。ハンドスプリング人形劇団との映像コラボレー ション、また有名な作品『Nine Drawings for Projection(プロジェクションのための9つ のドローイング) 』シリーズでも、同様のアプローチで、複数のメディアを融合させた 作品を作りました。 昨年、ケントリッジの作品はニューヨークのメトロポリタン歌劇場、ミラノのスカラ座、 ニューヨーク近代美術館、ウィーンのアルベルティーナ美術館、そしてパリのルーブル 美術館、ジュ・ド・ポーム美術館で展示されました。2009年、彼はタイム誌の「世界で 最も影響力のある100人」のひとりに選ばれています。また2010年、芸術・哲学部門 で京都賞を受賞し、さらに2011年にはアメリカ文学芸術アカデミーの名誉会員に選ば れました。 2010年、ニューヨーク近代美術館で大規模な回顧展『William Kentridge: Five Themes』を開催し、またメトロポリタン歌劇場で初演されたショスタコーヴィチの『The Nose(鼻)』の演出を手掛けました。「ひとりのビジュアルアーティストがニューヨーク の文化や幅広い分野において、これほどまでの影響を与えたことが今までにあった でしょうか」とニューヨーカー誌のカルヴィン・トムキンズは彼の功績を称えています。 プロトジェ(生徒) マテオ・ロペス マテオ・ロペスは革新的なドローイングとインスタレーション作品によって、南北 アメリカおよびヨーロッパの一流学芸員たちから注目を集めるコロンビア人新進 アーティストです。メントー(指導者)を務めるウィリアム・ケントリッジと同様に、ドロー イングの領域を広げることがロペスの目指すところです。かつて建築を学んだ経験 から、彼は時間と空間による表現と二次元よりも三次元の世界を尊重します。旅で 集めた情報を回想する継続的なプロセスと、創作活動の場が移動することが彼の インスタレーションの特徴です。彼の展覧会『Topografía anecdótica(逸話的な地 勢学)』(2008年、ボゴタ)では、コロンビアをオートバイで縦断した2,153 kmの旅が、 デッサンとオブジェと写真で叙事的に綴られています。また2009年にはTrienal Poli/ gráfica de San Juan美術館のために制作した書籍『Deriva(漂流)』が出版されました。 さらにインスタレーション作品『Viaje sin movimiento(動きのない旅)』(2008~2010年) はニューヨーク近代美術館(MoMA)で展示され、2010年には、アーティストのホセ・ アントニオ・スアレスとともに、31のトピックスについて62点のイメージで構成する視覚 対話を『Ping Pong(ピンポン)』プロジェクトとしてアート・バーゼルで発表しました。 ロペスはケントリッジとのコラボレーションを心待ちにしており、彼とともに「新しい 道と、今までとは異なる展開を追求」したいと考えています。 生年月日:1978年9月30日 アドバイザー NINA ANANIASHVILI ballerina ALAIN COBLENCE attorney and philanthropist PIERRE AUDI performing arts director MARÍA DE CORRAL curator and critic of visual arts THE LATE PINA BAUSCH choreographer and dancer ALFONSO CUARÓN film-maker TAHAR BEN JELLOUN novelist, poet, essayist GUY DARMET cultural producer, dance BARRY BERGDOLL curator and professor ARIEL DORFMAN author MANUEL BORJA-VILLEL art historian and museum director MARTIN T:SON ENGSTROEM cultural producer, music ANDRÉ BRINK writer NURUDD IN FARAH novelist, playwright and translator TRISHA BROWN choreographer and dancer GIAN ARTURO FERRARI publisher JONATHAN BURROWS choreographer and performer WILLIAM FORSYTHE choreographer DAME ANTONIA S. BYATT novelist, short-story writer and critic JANE FRIEDMAN publisher PETER CAREY author JONATHAN GALASSI publisher, translator, poet CAROLYN CARLSON choreographer and dancer FRANK GEHRY architect SIR DAVID CHIPPERFIELD architect AMITAV GHOSH novelist and essayist CHRISTO AND THE LATE JEANNE-CLAUDE visual artists GILBERTO GIL singer, composer and guitarist THE LATE CHARLIE GILLETT radio broadcaster, author and music producer OSVALDO GOLIJOV composer THE LATE PAUL GOTTLIEB editor and publisher GARY GRAFFMAN pianist and educator CYNTHIA GREGORY prima ballerina JOSEPH GRIMA architect, researcher AGNES GUND collector and philanthropist CAI GUO-QIANG visual artist SIR PETER HALL theatre and opera director GERALDINE JAMES film, television and stage actress JOSEPH KALICHSTEIN pianist ANISH KAPOOR visual artist ALEX KATZ visual artist MARTHE KELLER actress and opera director ANGÉLIQUE KIDJO singer and songwriter MIRA NAIR film-maker SIR NICHOLAS SEROTA museum director and curator JIŘÍ KYLIÁN choreographer RYUE NISHIZAWA architect FIONA SHAW actress ELIZABETH LECOMPTE theatre director THE LATE CLAUDE NOBS music festival director ANNA DEAVERE SMITH theatre artist REYNOLD LEVY philanthropist and producer CEES NOOTEBOOM novelist and poet VALERIE SOLTI author and philanthropist HARVEY LICHTENSTEIN cultural producer, performing arts JESSYE NORMAN soprano WOLE SOYINKA author CHO-LIANG LIN violinist HANS ULRICH OBRIST curator and critic ALISTAIR SPALDING cultural producer, dance LIN ZHAOHUA theatre director MICHAEL ONDAATJE novelist and poet THOMAS STRUTH photographer SIR NEVILLE MARRINER conductor GABRIEL OROZCO visual artist HIROSHI SUGIMOTO photographer, visual artist and architect FRANCES MCDORMAND actress GIUSEPPE PENONE visual artist SONNY MEHTA publisher JULIA PEYTON-JONES curator JOSEPH V. MELILLO cultural producer AIDAN QUINN film, television and stage actor THE LATE ANTHONY MINGHELLA film director, producer and writer THE LATE LYNN REDGRAVE film, television and stage actress YOKO MORISHITA prima ballerina EVE RUGGIERI cultural producer, music THE LATE ELIZABETH MURRAY painter CARLOS SAURA writer and film director IVAN NABOKOV publisher PETER SELLARS theatre and opera director JULIE TAYMOR theatre, film and opera director JENNIFER TIPTON lighting designer JOSÉ VAN DAM bass-baritone ROBERT WILSON theatre artist ロレックス・インスティテュート 個人の優れた才能を奨励するフィランソロフィー活動および教育活動 揺るぎないパイオニア精神により、ロレックスは時計製造において数々の技術革新を成し遂げ、 卓越性のシンボルとして世界中にその名を馳せています。クオリティ、ノウハウ、そして個人による 偉業を大切にするブランドの価値観は、すべての企業活動に及びます。創業以来、ロレックスは 世界中の第一人者の方々と良い関係を築き、様々な分野で活躍する人々を支援してきました。 ロレックス・インスティテュートは、こうした哲学を具現化するための機関です。その活動にはロレックス の行う社会貢献や芸術支援プログラム、教育機関への支援などが含まれ、優秀な才能を見出し、社会 に大きく貢献することを目的としています。インスティテュートはジュネーブのロレックス本社にある専門 チームが運営しており、次のようなプログラムを実施しています。 『ロレックス賞』は、1976年に世界初の防水腕時計「ロレックス オ イスター」の開発50周年を記念して 設立されました。人類に貢献するために大きな課題に挑む先駆者のサポートを目的としています。この 賞は科学と健康、応用技術、探検と発見、環境、文化遺産の各分野において、人類の知識と福利向上 のために、画期的なプロジェクトに取り組むパイオニア精神にあふれる人々を支援します。 2010年にはロレックス賞の枠を広げ、18歳から30歳までのパイオニアたちを支援する『ヤングローリエイツ』 を設立しました。 『ロレックス メントー&プロトジェ アート・プログラム』は、7つの芸術分野において才能あふれる 若いアーティストと、世界を代表する第一人者を結び付け、1年間にわたる一対一の相互交流の機会を 提供します。2002年の設立以来、本プログラムはアーティストによる国際的なコミュニティの構築 に貢献しています。 ロレックス・インスティテュートは、時計製造分野での教育活動においても高い評価を得ています。スイス 連邦工科大学・ローザンヌ校(EPFL)に新しくオープンしたロレックス・ラーニングセンターに対する資金 提供もそのひとつです。 また、ペンシルバニア(アメリカ)とムンバイ(インド)にはロレックスの出資による時計技術者育成スクール があります。これらの学校では、時計業界が求める高度な技術を教授しており、卒業生の進路はロレックス に限らず多岐にわたります。
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