第19回原子力委員会 資 料 第 5 第 1 8回 原 子 力 委 員 会 定 例 会 議 議 事 録 ( 案 ) 1.日 時 2 0 0 3 年 6 月 1 7日 ( 火 ) 1 0 : 3 0 ∼ 1 1 : 25 2.場 所 中央合同庁舎第4号館7階 共用743会議室 3.出席者 藤家委員長、遠藤委員長代理、木元委員、竹内委員 米国 エネルギー省 ニ コ ー ル ・ ネ ル ソ ン-ジ ョ ー ン 内閣府 4.議 アジア地域代表 永 松 審 議 官 、榊 原 参 事 官(原子力担当) 題 ( 1 )Nuclear Energy and The United States of America (2)藤家委員長の海外出張について (3)その他 5.配布資料 資料1 Nuclear Energy & The United States of America 資料2 藤家委員長の海外出張について 資料3 第17回原子力委員会定例会議議事録(案) 6.審議事項 ( 1 )Nuclear Energy and The United States of America 標 記 の 件 に つ い て、ニコール・ネルソン-ジ ョ ー ン DOE ア ジ ア 地 域 代 表 より資料1に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答 があった。 ( 遠 藤 委 員 長 代 理 ) プラ イ ス ・ ア ン ダ ー ソ ン 法 は 延 長 さ れ て い る の か 。 (ネルソン- ジ ョ ー ン 代表) ま だ で あ る 。2 0 0 3 年 1 2 月 以 降 に 新 設 さ れ る 原子力関係施設について もプライス・アンダーソン法が適用される。すで に 稼 働 し て い る 原 子 炉 に つ い て は 、 す べ て 使 わ れ な く な る ま で 同 法 が 適用 さ れ る。 1 号 (遠 藤 委 員 長 代 理) 2 0 1 0 年 ま で に 新 し い 原 子 力 発 電 所 を 作 る 、そ の た め に 2 0 0 5 年 ま で に 建 設 を 発 注 す る と い う こ と だ が 、 実 現 の 可 能 性 について は ど の よ う に お 考 え か。 (ネルソン- ジ ョ ー ン 代表) 現 在 の 米 国 の 技 術 で は 、 3 6 ヶ 月 で 十 分 建 設 で き る。 (藤 家 委 員 長) 最近、米 国 NRC( 原 子 力 規 制 委 員 会) は 新 規 の 原 子 力 発 電 所 の ラ イ セ ン ス を 出 し て い な い 。ま た 、GE(General Electric)社 や Westhing House 社も原子力発電所を最近建設していない。 日本では原子炉の建設に最低5 0 ヶ 月 は か か る 。原 子 力 発 電 所 を 5 年 で 建 設 す る の は 難 し い の で は な い か 。 (ネルソン- ジ ョ ー ン 代表) ブ ッ シ ュ 政 権 は 、 米 国 も エ ネ ル ギ ー 海 外 依 存 度 が 高すぎると認識しており、できるだけ早くこの状態を改めたいと考えてい る 。 そ れ を 原 動 力 と し て 、 「Nuclear Power 2010 Initiative」 が掲げら れ た。 (遠 藤 委 員 長 代 理) 包 括 エ ネ ル ギ ー 法 案 に よ る と 、新 設 の 原 子 力 発 電 所 に 対 し て 政 府 か ら 財 政 支 援 を す る と い う こ と だ が 、 こ の 点 に つ い て の 審議状況 は どうなっているのか。 (ネ ル ソ ン - ジ ョ ー ン 代 表 ) 2 0 0 4 年 度 に 提 言 さ れ て い る 「 Nuclear Power 2010 Initiative」 に つ い て の 予 算 は 全 体 で 3 8 0 0 万 ド ル と な っ て い る。 ただし、これは法案の段階であり、予算は成立していない。 (遠 藤 委 員 長 代 理 ) 新 規 の 原 子 力 発 電 所 建 設 に 対 し て の 財 政 支 援 は そ の な か でどのようになっているのか。 (ネ ル ソ ン- ジ ョ ー ン 代表) 今 の 段 階では 、 具 体 的 に は 答 え ら れ な い 。 (竹 内 委 員) そ の 法 案 で は 、新 規 の 原 子 力 発 電 所 建 設 に 対 し て ど の よ う な 支 援 をお考えか。 (ネルソン- ジ ョ ー ン 代表) 詳 細 に つ い ては ま だ 決 ま っ て い な い 。 だ が 、 2 0 10年には新規の原子力発電を建設できるようにしたい。 (竹 内 委 員) 立 地 選 定 は 政 府 主 導 で な い と 難 し い と 思 う 。 政 府 は どのような ア クション を と っ て い る の か 。 (ネルソン- ジ ョ ー ン 代表) 次 の ス テ ッ プ と し て NRC に 対 し 早 期 サ イ ト 許 可 2 の申請を提出する事になる。 (木元委員)今まで、米国ではエネルギー省を中心として、新規の原子力発 電プラントを建設するとは発表していなかった。世界では、ドイツを中心 として原子力をやめようという動きがある。こうした中、このようなプラ ンを発表した場合に、州によって反応が違うと思うが、国民の皆さんの反 応はどうなのか。現在、米国では103基の原子力発電プラントが効率良 く稼動している。そのような成果があれば、どの州でも受け入れは、ある 程度、可能なのか。今まで反対と言っていた人がどう変わるのか。あるい は、既に反対派の人たちが動いているのか。 ( ネ ル ソ ン- ジ ョ ー ン 代 表 )原 子 力 に 限 ら ず ど の よ う な 技 術 に 関 し て も 全 く 反 対 が 無 い と い う 事 は あ り 得 な い 。常 に 全 国 ・ 地 方 レ ベ ル で の 反 対 運 動 は あ り うる。しかし、原子力への支持は強まってきていると思う。カリフォルニ アでの大停電はこのエネルギー・プランに影響を与えたいくつかの要因の 一つであろう。 (藤家委員長)今度のブッシュ政権のエネルギー政策を高く評価している。 しかしながら、従来、米国は政権が変わることによって、政策がドラステ ィックに変わり、我々も困惑したことがあった。この政策が継続されるこ とを期待したい。今度のブッシュ政権の特徴として出てきたものに、二つ のポイントがあると思う。一つは、水素社会の形成に向けて、原子力をど う取り込んでいくのかということであり、もう一つは、世界的に共通した 話であるが、核燃料サイクルをどう見ていくのかということである。前者 の水素の話については、ポジティブな話であると感じた。後者の核燃料サ イクルについては、これまで、再処理を実施し、高レベル放射性廃棄物を 処分すると、単純な表現をしていたが、先ほどの説明にもあったAFCI (先進燃料サイクル・イニシアチブ)においても、まだ慎重な表現になっ ている。結局は、超ウラン元素を燃やす ということが焦点となってくるの ではないか。 ( ネ ル ソ ン- ジ ョ ー ン 代 表 ) A F C I は 、 も と も と 別 の プ ロ ジ ェ ク ト が あ り 、 その延長線上として出てきたものである。現在の主眼点は、使用済燃料を 削減すること、使用済燃料中に含まれる放射毒性の強い長寿命核種を分離 すること、使用済燃料の中にある有効エネルギーを回収することが、大き な3つのテーマとなっている。それでもまだ地下貯蔵施設は必要になる。 3 (藤家委員長)バックエンドについては、地層処分抜きの議論は成り立たな いと思っている。地層処分にいくまでに何をするかということは、いろ い ろなやり方があり、必ずしも直接処分だけではないと思う。AFCIに記 載されていることは、米国が直接処分でない方向を目指し始めていると理 解して良いか。 ( ネ ル ソ ン- ジ ョ ー ン 代 表 )地 層 処 分 は 必 要 で あ る 。 そ の 上 で 、政 策 と し て 決 まっていないし、公表されたものもない。今の段階では、すべてのオプシ ョ ン がオ ー プ ン で あ る。 (藤家委員長)今まで、原子力分野において、日米は非常に良い関係を維持 してきたと思う。初期の段階では軽水炉を中心として、米国からいろいろ と教えていただき、それをベースとしてこれまでやってきた。ときどき日 本が目指す方向と異なったこともあったが、現在は、日米両国の目指す方 向 性 は 非 常 に 近 く な っ て き て い る 。 む し ろ 、 我 が 国 がこ れ ま で 前 面 に 出 し て き た核 燃 料 サ イ ク ルの 確 立 に つ い て、 現 在 の 状 況 を 見 る と 、 少 し あ せ り を感じる面もある。これからも良好な関係を続けていきたいと思う。 (2)藤家委員長の海外出張について 標記の件について、榊原参事官より資料2に基づき説明があった。 (3)その他 ・遠藤委員長代理から以下の発言があった。 (遠藤委員長代理)19日に原子力二法人統合準備会議が開かれると聞いて い る が 、 今 度 の 会 合 は、 最 後 か ら 二 番 目 の 会 議 で あ り 、 大 枠 の 方 向 性 が 出てくると思う。この段階で話を聞き、原子力委員会として言いたいこ とは話しておきたいと考えているので、会合が終わり次第、どのような 方向になりつつあるのか、報告いただきたい。 ・事務局作成の資料3の第17回原子力委員会定例会議議事録(案)が了承 された。 ・事務局より、6月24日(火)に次回定例会議が開催される旨、発言があ った。 4
© Copyright 2024 Paperzz