Akita University 秋田大学教育学部研究紀要 教育科学部門 5 3 pp.1 7 -2 4. 1 9 9 8 秋 田民謡 についての覚書 -「 小節 (こぶ し) 」 につ いて一 桂 博 章 TheNot e sont heFol kSongsi nAki t a - TheRol esofK̀obushi ' - Hi roakiKATSURA Abs t r uc t l nJapane s eFol kSongs ,mi nut eor name nt alt one sname dk̀obus hi '( s hor tt une )ar eus e d. And k̀obus hi 'we r enotus e ds oof t e nwhe nJapane s eFol kSongswe r es ungbyuni s on. Thepr l nC l pl e soft heus age sof k̀obus hi 'i nt heme l odi e sar easf ol l ows . 1 .1 ti sus e dwhe ns pe c i f i ct onei nt heme l odyhasl ongdur at i on. 2.1 tr e pe at st hepar toft hef undame nt alme l odyt hatappe ar e dj us tbe f or e. 3.Somepar toft hef undame nt alme l odyc hage si nt ok̀obus hi ' . 4.1 tc ompl i c at e st hepar toft hef undame nt alme l ody, 5.I tc anbe c omet hepar toft hef undame nt alme l ody. Ther ol eandt hef unc t i onof k̀obus hi 'ar et ogl Vet heuns t abl e ne s sandt hes t r ai nbot hr hyt hmi c al l v andme l odi c al l ys ot hatt heuns t abl e ne s sandt h es t r ai nar er e s ol ve datt hene xtt onet hatf ol l owsk̀obus hl ' . 民謡 の練習会 で は,上手 な人で もコブシをっ けて唄 って 1 . は じめに いなか った」 とい う。 コブシが「駿に意識 されていなか っ た理 由 と して,「 昔 は民謡 は座敷 で の酒盛 りな どで唄 わ 民謡教室 な どで初心者が 日本民謡 を習 う際 には, まず れ, その場 に居合せた者 は声 を揃 えて斉唱す るので,個 曲の基本 とな る旋律 を覚 え ることか ら始 め,師匠によ り 人芸, あるいは名人芸が要求 され るコブシを唄 のなか に 初心者 に示 され る唄 は,謂 わば,真 っ直 ぐで平 な発声 に 織込 む ことは必要 なか った」 とい うことがあ る。 よ り唄われ る。 初心者 が曲 の基 本 的 な旋 律 を完 全 に身 また,「 素人 の唄い手 が コブシを意織 して唄 うよ うに につ け, ある程度 の学習期間 〔 1 ) を経 た後 に 「 小節 (こぶ な ったの は,昭和 2 0 年代 か ら3 0 年代 にか けての ことであ し)」( 2 ) と呼 ばれ る装飾技法 を教 え られ る。 り, の ど自慢大会 の影響 が大 きい。NHK 主催 の 『全 国 現在 のプロの民謡歌手, あるいは唄が上手であると評 民謡 の ど自慢大会』 において優勝 した秋 田県代表 の出場 価 されているアマチ ュアの歌手 は, コブシの使 い方 が巧 者 の唄 い方 をまねて,一般 の民謡愛好家 が コブシを意識 みであ ることか らも,演奏 の善 し悪 しの判断 に コブシを 的 に使 うようにな ってい った」( 4 ) とい う。 このよ うに,秋 田県 で は民謡 において コブシが重要視 使 い こなす技量 の占める割合 は大 きい といえ る。 され るよ うにな ったのは,比較的,新 しいことであるが, このよ うに, コブシは現在 の民謡 において は本質的な 部分であ り,「コブシのつかない民謡 は唄 と して面 白 く 大正 の末, あるいは昭和 の初 めには, レコー ド化 されて な く,民謡 の生命 はコブシにあ る」 という意味のことを, い るよ うな現在 の民謡 と同 じよ うな唄い方 (コブシの使 い方) の例 を見出す ことがで きる。秋 田県仙北郡 出身 の あ る民謡 の師匠が語 っていたの も領 ける( 3 ) 。 しか し, コブシが唄 い手 に意識 されるようなったのは, 佐藤貞子 や黒沢三一 の唄の録音 を聴 いてみ る と( 5 ) , 彼等 そ う古 い ことで はない。秋 田県 田沢湖 町 (旧生 保 内村) の唄が現在知 られてい る民謡 とほぼ同 じ旋律 であ り, コ で は,戦前 は民謡 を唄 う時 にコブシをつ けることは余 り ブシも現在 とほぼ同 じように用い られていることがわか 意識 されてお らず,「昭和 7,8年 頃 に行 なわれて いた る。現在 の我 々の耳 には彼等 の唄 は特別 に上手 とは聴 こ - 17 - Akita University 秋田大学教育学部研究紀要 教育科学部門 第5 3集 えないが, コブシを多用 して いる現在 の民謡 の元 とな る 唄い方 を確立 した とい う点 において,彼等 は時代 に先駆 2 . コブ シの定義,及びその性格 ける存在で あ った といえ るだろ う。 佐藤貞子 や具沢三一が コブシを用 い,現在 の民謡 の元 日本民謡 には数種類 の装飾法が用 い られてお り,柿木 となる様式 を確立 したのは,彼等 が舞台等で民謡 を唄 っ 吾郎氏 は 8種類,亜分類 も含 め ると1 3 種類 の装飾法 を挙 ていた, つ ま り唄 い手 と聴 き手 とが分化 した状況 で唄 っ げている( 6 ) 。 しか し, それ らのすべての装 飾 法 が コブ シ ていたか らである。 この ことと同様 に, プロで はない一 の範 噂 に含 まれ るとい う訳 で はな く,単 な るヴィブラ- 般 の唄 い手 が コブシを意識 して廻す よ うにな った の も, トやポル タメ ン トと区別 され るためには, あ る程度 のま 座敷 の酒盛 などで多数 の歌 い手 によ り斉唱 されていたの とまりを もった 「 節 ( ふ し)」 の要素が必要 となるだろう。 が独唱 され るよ うにな り,個人 の表現力が要求 され るよ また, コブシを定義す るためには,担 い手 自身が コブ うにな って いったためであ ると考 え られ る。 この間の具 シと して意識 している装飾法 を特定すればよいが, しか 体的で詳細 な経緯 は今後,調査す る必要があるが,民謡 し, プロ, アマチュアの演奏家 を問わず,民謡 の担 い手 の享受 のされ方 の変化 が, コブシが唄 のなかで重要 な位 は 「コブシ」 とい う語 を用 いないのが普通 である し, ま 置を占めるよ うにな った大 きな原因のひとつであ り,一 た,同一 の装飾法 について も 「スクイ」 ,「マワシ」 ,「シャ 般 の唄 い手 は, プロの唄 い手や, の ど自慢 の優勝者 の唄 ク リ」 な ど,異 な る名称 を用 いて いる。 秋 田市在住で プロの民謡歌手 である千葉美子氏 も 「コ い方 をモデルに した と考 え られ る。 以上 の ことか らも, 日本民謡 をひ とっ に括 って論 じる ブシ」 とい う語 を直接,用 いないが, 1. 細 か く音 が動 ことは困難 であ り,昔, その土地 の人 によ って唄われて く箇所,2 .単音で用 い られ るので はな く,ある程度,節 いた労作唄 のよ うな民謡 と,現在 レコー ド化 され た り, ( ふ し)が持続す る箇所,3 .ふ たっ以上 の異 なる高 さの の ど自慢 で唄われ るよ うな民謡 とは大 き く異 な ることが 音で構成 されている箇所, を コブシと しているよ うであ わか る し, また民謡が変化 してい った事情 も曲 によって り,大 き くは T YY t と記号化 され る音型 。 7 )と,J a と記 異 な ってい る。従 って, コブシにつ いて論 じる場合 に も 号化 され る音型 ( 8 ) の 2つ に分 けている。 また,⊥ 歴史 的な視点 を もち,個 々の曲が変化 してい った具体的 記譜 され るよ うな,長 く保持 した音 の途中で短 く他 の音 な事例 を集 めることが必要 であろ う。 に触 れ る装飾音や, ポル タメ ン トなどはコブシとはみな しか し,佐藤貞子等 による民謡が一般 の民謡愛好家 に と してはいない。 受入れ られ た とい うことか らも, コブシが 日本人 の音楽 語例 1は 『 生保 内節』 を プロの民謡演奏家である藤丸 的な癖好 に合 うことは事実であ る。 また,昔 は一般 の人 貞蔵氏が記譜 した ものであ るが 〔 9 〕 , この楽譜 で は装 飾 音 . はコブシを意識 していなか った とはいって も,無意識 の と して YYm 内 にコブシがつ け られていた ことも,容易に想像出来 る。 用 い られてお り,Tm を 「 小節 (こぶ し)」, 和 之を 筆者 は以前,秋 田県 田沢湖町で7 8 歳 の土地 の人 に, 出来 」 ,丑 「 下が る小節 (こぶ し) るだけ昔 と同 じよ うに 「田沢湖 おば こ」 を唄 うよ うに頼 んだ ことが あ るが, フ レーズの終 りな どにコブシがつ け あ るいは 「シャクル」 と しているが, Y Y Yt と 才と を同種類 の もの とみな してい る。 また語例 1に見 られ る と,句 と, L とい う 3種類 の記号 が を 「す くり」,「す くい」, 和 られていた。 この演奏者 が昔 の唄 い方 をそ っ くりそのま W 化 色 は Ty Yt と L とが結合 した もので あ るので, ま伝 えてい るとは限 らないが,古 い民謡 に もコブシの萌 結局,藤丸氏 は 2種類 の コブシを用 いて記譜 している こ 芽が見出せ るといえ る。 とになる。 ( なお,語例 2は語 例 1を参 考 に筆者 が五 線 コブシについて論 じるためには.( 1 ) 古 い録音資料 の分 譜 に写 し換 えた もので, コブシの構成者 は棒 をっけず に 柿, ( 2) 異 な る世代 の唄の収集 と分析, ( 3) プロの歌手 と一 点 のみで示 されている。 また,音 の数 は意味を もたない 般 の人 の唄 い方 の比較,分析, ( 4)レコー ド化 された,請 ので,厳密 には記譜 されていない。 ) わば人工 的 な民謡 と, それ以前 の民謡 との比較 , ( 5) 節廻 また,『 秋 田追分』 の楽譜 ( 1 0 ) には, これ らの装飾 法 の しや コブシにつ いての,担 い手 ( 唄い手) 自身の意識 と 評価, な ど,多角的な視点 か ら研究 す る必要 はあ るが, 他 に か と, スクイよりも大 き く表記す る R とい う記 号 が用 い られてお り, それぞれ 「はんす くり」 と 「ごろ この小論で は民謡 の コブシの現われ方や音楽的役割 を指 す くり」 とい う説明が記譜者 によ りなされて いる。 しか 摘す るに止 め,今後 の研究 の指針 を得 ることを 目的 とす し, これ らの装飾法が藤丸氏 によって記譜 されているの る。 は35曲中,『 秋 田迫分』1曲 のみで あ る。 また, 千 葉 美 素人 が江差追分 な どによ く使 われ て い 子氏 によると,「 るこれ らの コブシを唄 い分 けるの は難 しい し,一般 に使 われ るコブシとの違 いを聴 き分 けるの も難 しい。 プロの -1 8 Akita University 桂 秋田民謡についての覚書 語例 1 .民謡演奏家が記譜 した 『 生保内節』 轍 t J , 5 JL _ ) 聖 - ′ 「 ./ 叫 1 , 1 ' : I Ll . i . 、 + _ ヽ A l オ 仰 人 、 Lの_ i ・ M _ ・ . _ . ー * J ? +⊥よ --\⊥カ ⊥ /7 ア a . ⊥ 強 弱 」( t J 一 一 一 L I t i / わ つ ⊥ -はソ ふ % ⊥ 聖 二 l 1 . J ノ 一 、 . I / ヽ ′ ヽ ′ . I J 7 ら / ′ ↑か /I ′ こ --そ 覧」 /小一 「 ト ね 'イ の, r / ㌘手V ,7 _ ユ/I l ′ 「 1、 ー空竺 m 1 . 語例 2 .五線譜による F 生保内節』 - - .; ふ わ , り ■- 寸 言了 . :__ , .・∴ お す ぼ ′′′ ′1 , や の オ ′ オ わ、 も オ ‥ た、 ね オ よ む、 T T 7 か わ ア 1 1 甘Li i オ .. . _ . 1 1 し 了 L lイ も、 ら ア ね 1 1 0 )オ オ オ 唄 い手 でない限 り, これ らの唄 い方 が出来 な くて も差 し 飾音 を暫定的 に 「コブシ」 と定義 し, また,秋 田追分 に 支 えな く,基本的な コブシを用 いればよい」 とい う。 用 い られ るよ うな高度 な コブシは除外 して論 じてい くこ とにす る。 民謡 に用 い られ る装飾法 を分類 し, コブシを定義す る には,担 い手 自身が装飾法 を どのよ うに分類 し, どのよ なお, これ らの コブ シの記譜 の され方 は, 出す べ き うな用語 をそれ らに当てているかを,今後,詳細 に調 べ (出された)音 を正確 に記 してい くとい う性 質 の もので る必要があ るが,藤丸氏 による楽譜 の記号 と千葉氏 の言 はな く,唄の様式感 をあ る程度,身 につ けている民謡 の 葉か らも, コブシの基本的な役割 を調べ るには,7 m 学習者が感覚的,並 びに身体的 に把握 出来 るよ うに記譜 , 並 びに 且 と記号化 され る音型 の現れ方 を調べればよい ことになる。従 って この小論 で は, コブシの意味を広 げ, された ものであるといえ る。 た とえば 「す くり」 は A と示 され,五線譜で は譜例 2のイ ( 1 7 小節 目) のよ うに 担 い手 によ り本質的であると考 え られているこれ らの装 記 され るが,音楽が音 の時間的な流 れに従 う以上,舌が 1 9 Akita University 秋田大学教育学部研究紀要 教育科学部門 第 5 3集 時間の経過 と逆 に進行す ることはあ りえ な い。 しか し, 型破 りな コブシの入れ方 によ り音楽的な効果 を もたせ る 筆者 の経験か らも 「す くり」 は語例 2のイのよ うにで は ためには,型 どお りの コブシの入 れ方が,担 い手 に感覚 な く,且 と記譜す る方 が感覚 的に納 得 で きる し, . a 的 に定着 している必要があ り,拍節的な民謡 で は,基本 とい う身体 ( 頭部) の運動 を伴 って唄われるものである。 的 には上記 の原則 に従 って コブシが現れているといえる。 また, コブシを構成す る音 の数 も西洋音楽 の五線譜 の よ 3. 2.旋律進行 にお ける 「コブ シ」の現れ方 うに規定 的に働 くので はな く,唄 い手 による相違 や, 同 旋律 のなかでの コブシの現れ方 について は,藤丸貞蔵 じ唄 い手 であ って も演奏毎 の相違 が生 じ,音高 も含 めて 氏が記譜 した曲 〔 1 2 ) と,武 田忠一郎氏が 『東北民 謡 集 』〔13) 流動的で可変的な ものであ るといえ る。 に採譜 した曲につ いて調 べた。武 田忠一郡民 による曲集 は五練譜 で採譜 されてお り,装飾音で記譜 された部分が コブシであ ることが多 いが, それ以外 の音符 の箇所で も 3 .「コブ シ」の現れ方 コブシが現れているので, コブシの部分が明確 には区別 3. 1 .フ レーズのなかで 「コブ シ」が現れる位置 で きない。 そ こで,筆者が コブシの入 り方 を既 に知 って , コブシは 「1音 は母音で終 る」 とい う日本語 の特 徴 いる曲で,五線譜 か らコブシの部分 を容易 に特定 で きる に基づ くものであ り, また,母音 を旋律的 に引延 ば した 曲を対象 に し, また,不明な点 は民謡歌手 の千葉美子氏 もの といえ る。 日本語 は産み字 も含めて 2音が単位 となっ に確認す ることによ り, コブシの部分 を特定 した。 コブシの前後 の旋律進行 との関係か ら, コブシの現 わ て, ひ とつのまとま りを形成す るとい う特徴 を もつ が, 拍節 的な 日本民謡 で は,産み字 も含めた 2音が単位 となっ れ方 を考察 した結果, およそ以下 のよ うな現 われ方 を し て, ひとつのまとま り (2拍子) を形成す る( l l ) 。民 謡 教 ているといえ る。 ただ し,以下 の現 れ方 はそれぞれ,独 重ね た 室 などで は, このま とま りを 「 両手 を重ね る」 「 立 して個別的 に現れるのではな く,複数の条件を併せ持 っ 手 を開 く」 とい う動作で示す ことが よ くあ り, それぞれ てい るのが普通 である。 , , ①長 い音 を保持す る時 に, コブシを入 れ る 裏」 と意識 している。 コブシが現れ るの の相 を 「 表」 「 語例 3の 『 秋 田船方節』 の始 ま りご 1 4 ) で は,階名で 「ミ は,原則 と して 2指 のまとま りの 2相 目で あ り, また, フレーズの終 わ る直前 には必ず とい ってよいほど出現 す ソ」( 1 5 )と始 まる 「ソ」 の音が長 く延 ば され, 途 中,2回 る。 これ とは逆 に, フ レーズの歌 い始 めで 「コブシ」 が の コブシが入 っている。 フ レーズの始 ま りは,発声 して 現 れ ることは稀 である。 それ は,唄 い出 しで は言葉 を発 音高 を保持す る必要があるためにコブシは現われないが, 声 し,苦高 を確立 す ること, つ ま り安定感 を もた らす こ ある程度,声 を保持 してか らコブシが現われ,初 めは同 とに意識が向け られ,音高 と リズムが不安定 とな る 「コ 一 の音 (ソ) に戻 り,2回 目の コブシで はフ レ- ズの到 ブシ」 を避 け る傾 向が あ るか らで あ る。 譜 例 1と 2の 達音 である 「ミ」で終止 している。つ ま り,長 く保持 し 『 生保内節』 は,民謡教室で初心者 が最 初 に習 うことが た音 の間 にコブシが入 る場合 と,長 く保持 した音か らコ 多 い曲であるが, それ はこの曲での コブシの現 れ方が上 ブシに入 った後 に,別 の音 に到達す る場合 とがあ る。 また,語例 4の 『 秋 田荷方節』( 1 6 )の始 ま りの アの箇所 記 の基本原則 に従 ってお り,初心者 には唄 い易 いか らで (2小節 目)で は, 「ラ」 の苗が伸 ばされた後 に コブシが あろ う。 拍節的な民謡であ って も,上記 の基本原則 か ら外 れて 現 われ,再 び 「ラ」 の音 に安定 している。 また, イの箇 「コブシ」 が現 れ る場合 も多 くみ られ る。 フ レー ズの始 所 (8小節 目)で も 「ラ」 の音 の後 に コブシが入 り, 再 義 ) と 1拍 目 ( 義) ま りにコブシが入 った り,2拍 目 ( び 「ラ」 の音で短 く安定 してい る。 の間 に,つ ま り小節線 を跨 いで 「コブシ」が現れ,指節 初心者が唄 う時 にはコブシを入れず に,音 をただ長 く 拍 目に現 れた りす る こと もあ る。 し 感 を失 わせた り,1 引延 ば した歌 い方 になるが, その場合 は間延 び した感 じ か し, これ らの ことは,故意, または無意織 の うちに基 がす る。音 ( おん) を発声 して長 く保持す ることによ り 本原則か ら逸脱す ることによ り,唄 に緊張感 を与え ると 安定感 が与 え られ るが,上記 の例 で はそれ と同時 に,良 い う効果 を産 み出すためであ り, そのためには担 い手 に い音 の途 中や終 りにコブシを入れて旋律 に変化 を与 えて 基本原則が定着 していなければな らない。言い換えれば, いる。 語例 3 .『 秋田船方節』の始まりの部分 了 J \ 77 2 0 ア ア Akita University 桂 秋 田民謡 につ いての覚書 ③ コブシによ り次 の音 を先取 りす る ②基本的な旋律進行 の一部分が コブシに変化す る 秋 田荷方節』 の 「まアーち」 の歌詞 の部 分 語例 4の 『 語例 6の A の 『ひで こ節』ぐ 1 9 ) を装飾音や コブ シをつ け の階名 は,「レー レ- ドー レー ドー ラ」 で あ るが , 1 6分 ないで記譜す ると,譜例 6の Bのよ うにな る。語例 6の 音符 で記譜 されている部分 は実際 には細 かな コブシであ A の イの箇所 (4小節 目) で は,「ド」 に達 す る前 に る。 ( 「ド」 と 「レ」 の間の音 の進行 の回数 は本質的な問 「ラー ド」 の問 の コブシによ り 「ド」 に触 れ て い る。 ま 題 で はない。) しか し,① と同様 に, 初 心者 の場 合 に は た, エ (5小節 目) の部分 で も 「ミー ソ」 の コブシによ この部分 を 「レー レー ドー ラ」 と唄 い, コブシを入れな り,安定音で あ る ミの音 を先取 りしている。 語例 7の 『秋 田船方節』( 2 0 ) で は, アの箇所 (3小節 目) くて も差 し支 えな く,基本旋律 の一部分 (レ- ド) を繰 は,8分音符で記譜 されているが,実際 には コブ シの一 り返す形で コブシが入れ られてい る。 語例 5の A の 『 秋 田長持唄』( 1 7 )も同様 で, 初心 者 は 6 部分 であ り,次 の 「ラ」 の音で安定す る前 に 「ラー ソ」 連語 の箇所 (2小節 目と 4小節 目のアとイ) を語 例 5の の間の コブシで 「ラ」 の音 に軽 く触 れ て い る し, また, B( 1 8 ) のよ うに, それぞれ 「ソー ミ」 と 「レ- ド」 の 2音 工の箇所 (9小節 目) の 8分音符 も,実際 には 「レー ド」 のみを唄 うのが普通であ る。 また,4小節 目の 「レ」 と の間の コブシの一部分で あ り, コブシの直後 に 「レ」 の 「ド」 の音 によるコブ シは, それ に続 く 「ラー ソー ラ」 音で短 く安定 している。 ( ただ し, 初心 者 が唄 う場 合 に の進行 と結合 した もの として唄 い手 に意識 されている。 は, ア と工の 8分音符 は安定 した音 と して唄 う。) 語例 4 .『秋 田荷方節』の始 ま りの部分 T寸 ■. - 7 7- 一 一 7- - 丁こ - 7 - 7 - も、 7- 7 て 一一 ら ま 7 - 一 一 トー の- - 1 オーー 語例 5 .『秋 田長持唄』の始 ま りの部分 毎 ≡n ' 「 B 一 一 一日 ま 日 て L l -L T h て い ′ 一一 \ Lや日 - T = -よ 一一 一日ま き 語例 6 .『ひで こ節 』 け 一 一 ミ 一 一一一一一 の - -1 から 1 7 - - ユ ー ー の- 、 わ -2 1- サ ー て ゎ - - Akita University 秋 田大学教育学部研究紀要 教育科学部 門 第5 3集 語例 7 .『 秋田船方節』 ア ち ね つ ウ ウ か 1 オ オ 日か U も オ て に うり ウ ウ 語例 8.『 秋田おばこ』の始まりの部分 は■一 一 二一 、 -\ 一二 = サ ー ー 語 例9 .『飴 章節 』 ・‥ :: -・ ま 一 一 ・ r L l- _ 7:: L: ∴ I -: ・ I1 I I - チ : わ ー る 一 ーー ー 、= 秋 田船方節』 の始 ま りの部分 で も, コブ シ 語例 3の 『 ある。従 って,基本的な旋律 の一部分が コブシ化 した② を構成す る 「ミ」 の音 が, その フ レーズの終止音 とな っ の場合 を除 いて,初心者 が唄を習 い始 め る時 には, これ ている。 このよ うに, これ らの例 で は,基本旋律 を構成 らの コブシを省略 して唄 って も差 し支 えない し, コブシ す る安定 した音 と して現 れ る前 に, コブシによ りその昔 を入 れないで基本的な旋律 のみを唄 うことは,初心者 に を先取 りしている。 と って も, さ して むつ か しい ことで はな い。 しか し, ④前 の旋律 の動 きを コブシによ り繰 り返す 『 秋 田船方節』で は,初心者 が唄 うの に困難 を感 じる部 上記 の③ とは逆 の現れ方 であ り,基本旋律 の一部分 を 分があ る。 コブシによ り再度,繰 り返 して複雑化す る。譜例 6の A 語例 7は藤丸氏が 『秋 田船方節』 を記譜 した ものを五 の 『ひで こ節』 のアの箇所 (2小節 目) の コブシは, そ 線譜化 した ものであ るが,点 と装飾音で示 されたイ とり の直前 の旋律 を コブシ化 した ものであ る。 の箇所 (5,8小節 目) の紬 かな音 は藤丸氏 に よ る楽譜 また,譜例8の 『秋 田おば こ』( 2 1 ) の始 ま りの部 分 で も, には書 かれてお らず,筆者 が書入れた ものであ る。藤丸 7 mA の記号 がつ け られ アとイの箇所で直前 の旋律 の動 きを コブシによ って繰 り 氏 の楽譜 で は, この箇所 には 返 している。 ているが, この部分 を省 略 して唄 うと ⑤音階的な旋律進行 を コブシによっ複雑化す る の旋律 とは聴 こえて こない。『秋 田船 方 節』 の旋律 と し 語例 9の 『 飴責節』( 2 2 ) のア, ィ, クの箇所 (4,6,8 小節 目) は,A の記号で記譜 され るコブ シで あ り, そ れぞれ 「ド- レー ド」,「ソ- ラー ソ」,「ドー レ- ド」 の ,『秋 田船 方 節』 て聴 こえて くるためには, コブシの一部 を旋律 と して唄 うことが必要 で,少 な くとも装飾音で記譜 された音 も唄 わなければな らない。 この例で はコブシが装飾的な働 きを越 えてそれ 自体で 音進行 をひ とまとめに捉 え,顎 をす くい上 げるよ うな感 じで唄 う。初心者 が唄 う場合 には装飾音 を抜 いた旋律 に 独立 し,旋律 とコブシの区別がな くなって しまってお り, な るが, この コブシ (スクイ) を入れ ることによ り,脂 そのために初心者 には唄 い辛 くな ってい る( 盟 ) 。 コブ シが 次進行 している旋律 を複雑化 している。 複雑化 した段階で はコブシの旋律化が起 り 『江差追分』 ⑥旋律 とコブシの融合 な どはその極点 に達 した例 であるといえ る。 , これまで指摘 して きた コブシの現れ方 は,基本的な旋 律 に,謂わば装飾音 のよ うに コブシが付 け られた もので -2 2- Akita University 桂 .秋 田民謡 についての覚書 旋律的要因が重 な って緊張感 が産 みだ され る。 4 . コブ シの役割 音高 の安定度 に関 して は,基本旋律 の音高 は一定 して いるが, コブシの部分 の音高 は不安定で,唄 い手 の側 に 4. 1 .リズム的役割 も一定 の音高 を出す とい う意織 はないo この ことは曲の コブシは短時間 に細か く音が進行する現象であり,従 っ T Yや て, その間の音密度 は高 くな るので,音楽的 に不安定 と 記譜 の仕方 に も現れてお り, Yt 且 とい -た記号 は唄 い方 を明確 に限定 して示す もので はな く,演奏者 が な り,心理的 に も緊張感 を与 え る。 また,長 いコブシの 感覚的 に把握す るものであ り,個人 によ って異 な る し, 部分で はコブシの終 りに近づ くにつれて加速 され,不安 また不確定 な音高で もある。 そ して,不確定 な音 が短時 定感 や緊張感 は一層,高 め られ る。一方, コブシの入 ら 間 に音高 の変化 をす ることによ り,不安定感 はさ らに高 ない部分 は音密度が低 く,音楽的 に も心理 的 に も安定 し ま り,緊張感が産 まれ る。 ている。特 にコブシによ り緊張感 を与 え られた直後 の音 は,緊張感が解決 し,安定感 が強 まる。 また, コブシにより,次 に到達する旋律構成者に前 もっ て触れ ることによ り,次 に出現す るであろ う音 に対す る 譜例 3の 『 秋 田船方節』 の始 ま りで は,音 ( おん) の 期待感 が高 ま り, その ことによ って も緊張感が高 め られ 発声 と,発声 した音 を保持す ることに意識 が向け られ る る し, コブシに次 の安定音 が含 まれ て いな い場 合 に も, ために, コブシは現 れない。 しか し,「ソ」 の音 を長 く 次 の音 を待つ心理が産 まれ る。前記 のよ うに,譜例 7の 保持 した後 に コブシが現 れ,再 び 「ソ」 の音 で安定 した 『 秋 田船方節』 のアの箇所 (3小節 目) で は, コ ブシに 後 に 2度 目の コブシが現 れ,今度 は 「ミ」 の音 で フ レー 入 る直前 の音 は 「ミ」 であ り,終止す るの は 「ラ」であ ズが終止 している。同 じ音 を長 く保持す るだ けで は面 白 るが,「ミ」 か ら跳躍 して直ちに 「ラ」 で安定 す るので 味 はないが, しか し, コブシを入れることにより, フレー はな く,実際 には 「ラー ソー ラー ソ」 とい うコブ シで ズの途中 に緊張感 を与 え,唄 にメ リ- リが生 まれ る。 そ 「ラ」 に触 れて,到達音 を予告 してか ら後 に 「ラ」 で安 して,2度 目の コブシによ り,緊張感が さ らに高 ま った 定 して いる。つ ま り,完全 4度上 の 「ラ」 の音 に直接, 後,「ミ」 の音で終止 し,緊張感 は解決 され る。 到達す るのはな く,「ソ」 と 「ラ」 の問 で の コ ブシに よ しか しコブシを入れ る技術 を持 たない初心者 の場合 に り音階上 のテ リトリーを確保 し,安定音 である 「ラ」 の は変化 に乏 しく, 同 じ音 を長 く保持す るだ けなので単調 出現 を予期 させてか ら 「ラ」 に到達す ることにな り, そ に聴 こえ,面 白味 は感 じられない し,拍節感 を失 うため の間,心理的 には緊張感 を産む ことにな る。 語例 6の A の 『ひで こ節』 の 工の箇 所 (5小 節 目) に伴奏 と合 わな くなることが よ くあ る。 これ に対 して熟 練者 は, コブシによ り拍節感 が保持 され る, つ ま り,不 で も到達音であ る 「ミ」 の音 を含んだ コブシによ り ミの 安定部分 と安定部分が交互 に現 れ ることによ り拍節 を感 出現 を予期 させてい る。 さ らに, クの箇所 (5小節 目) じて いるので,相 を失 うことはない。また, コブシによっ のよ うに基本旋律 にはない上 の音 (ミ) に触 れ る場合 に て唄 にメ リ- リを与 え,旋律 の進行 の点で は単調 な部分 は音域 が広 が り, 曲 に変化 を加 え る。 これ らの ことが重 も, 曲のなかでの聴 かせ処 のひ とつ にまで高 めている。 な って ごく短 い時間の内に旋律進行 に緊張感 や不安定感 このよ うに, コブシは リズム的 には不安定 な要因であ を産 み出すのであ る。 り, また,心理的 には緊張感 を与 え る部 分 で もあ るが, これ に対 して, コブシに続 く音 は安定要因 として働 き, コブシの直後 に現 れ る音でそれ らは解決す る。 また, コ コブシの到達音 は旋律進行 の上で も, その曲の安定音 で ブシが長 く続 いた り,拍節 に合 わないで現 れた りす るこ ある場合が殆 どであ る。 とによ り, リズム的な不安定感や緊張 感 が高 ま る ほど, 日本 の音階 は完全 4度 をなす 2つの音が核 とな り, そ コブシの直後 に現 れ る音で,安定感 や解決感が強 くなる。 の 2つの音 の問の どの高 さに,核 とはな らない第 3の音 現在 の 『 秋 田船方節』 で は, 曲の始 まりの 「 -7-ア」 が位置す るか によって音階の性 質 が決 定 され( 2 5 ) , また, の部分 が1 1 .5 拍分 あ るが, 昔 の 『秋 田船方 』( 2 4 )で は6 .5 核 とな る音, あ るいは中心 とな る音 は固定 しているので 拍分 しかない。 それ は,現在 のよ うに コブシの技術 を巧 はな く,旋律 の進行 に伴 って移動す るとい う性質 を もつ に使 っていないために,単純 な旋律進行 に リズム的な緊 が( 2 6 ) ,殆 どの場合, コブシに続 く音 は, その曲の音階 の 張感 を与 え ることが出来 なか ったか らであ ると考 え られ 核 とな る音であ り, これによ り旋律進行 の上で安定感 を る。 与 えているのであ る。 4. 2.旋律的役割 このよ うに, コブシは リズム的 に も,旋律的 に も唄 に 上記 のよ うに, リズム面か らはコブシが不安定要因で 緊張感 を与 え ることによ り,表現 の幅を広 げて きた。現 あ り, コブシの次 の音で緊張 が解決 し安定す るが, この 荏, レコー ド化 されているよ うな曲が,元 の旋律 か ら大 ことと同様 の ことが旋律 に関 して もいえ,以下 のよ うな き く変化 して しまったのは, コブシの技法 が発達 し,吹 -2 3- Akita University 秋田大学教育学部研究紀要 教育科学部門 第 5 3集 ての録音であると思われる。 第 に多 用 され るよ うに な った こ とが大 きな原 因 で あ る と 考 え られ る。 (6) 柿木吾郎 ( 1 9 8 8 )「日本民謡の音楽性」 『日本 の昔 3 声 5 . 今 後 の課 題 (7) 語例 2のアの箇所のように,2音問の細かな苗の動 き。 の音楽』音楽之友社 (8) 語例 2のイの箇所のように,上の音 に軽 く触れてか ら下 行す る細かな音の動 き。 この小 論 で は, 『江差 追 分 』 な ど に用 い られ る よ うな 高 度 な コ ブ シにつ いて は論 じて いな い し, コ ブ シの定 義 (9) 藤丸貞蔵 ( 1 9 8 6 )『秋田民謡 唄 ・三味線 ・尺八 ・太鼓 自体 も暫 定 的 な もの に止 ま って い る。 今 後 , コ ブ シに は おさらい教室』( 第 1-4集) フジオ企画 の第 2集 よ り, 含 まれ な い装 飾 音 の技 法 か ら, 高 度 な コブシの技法 まで, 『 生保内節』の唄の部分のみを抜粋。 日本 民 謡 の装 飾 技 法 を整 理 , 分 類 す ることが必要 であ る。 ( 1 0) 注 9の藤丸 ( 1 9 8 6 ) の第 1集。 そ の た め に は, プ ロの演 奏 家 か らアマ チ ュ アの愛 好 家 ま ( ll ) 注 3と同 じ。 で, 個 々 の旋 律 の装 飾 技 法 につ いて, 詳 し く調 査 す る こ ( 1 2 ) 注 9の藤丸 ( 1 9 8 6 ) の曲集 に記譜 されている曲。 とが必 要 で あ ろ う。 ( 1 3) 武田忠一郎 (日本放送協会編) ( 1 9 57 )『東北民謡集 ・秋 田県』 日本放送出版協会 ま た, コ ブ シの直後 に出現 す る音 につ いて は, 殆 どの 場 合 , そ の曲 の音 階上 の安 定 音 で あ る とい う以 上 の結 果 ( 1 4) 注 9の藤丸 ( 1 9 8 6 ) の第 3集の楽譜か ら,筆者が五線譜 は得 られ なか ったが, コ ブ シの前 後 の音 の関係 か ら, そ 化 した 。 の現 わ れ方 を分 類 し, 一 般 化 され た原 則 を導 き出す こ と ( 1 5) 以下,音の高 さは階名で示す。 も可 能 で あ る と考 え られ る。 ( 1 6 ) 武 田忠一郎 (日本放送協会編) ( 1 9 5 7 )p.5 5 さ らに, 唄 の旋 律 の変 化 との関係 で , 民 謡 の 装 飾 法 , 並 び に コブ シの変 遷 を調 べ る こ と も今 後 の課 題 で あ る。 ( 1 7 ) 武田忠一郎 (日本放送協会編) ( 1 9 57 )p.5 1 ( 1 8 ) 『 秋 田長持唄』 は規則的な泊を もたない曲であ り,語例 5の A と同様 に正確な音価 は意味を もたない。 注 ( 1 9 ) 武田忠一郎 (日本放送協会編) ( 1 95 7 )p.9 5 ( 2 0 ) 注1 4と同 じ。 (1) 学習者の音楽経験や素質 により異なるが,普通 は半年 か ら 1年程で簡単 な小節 (こぶ し)が廻せ るようになる。 ( 21) 武田忠一郎 (日本放送協会編) ( 1 9 5 7 )p.2 0 9 1 9 5 7 )p.2 2 3 ( 2 2 ) 武田忠一郎 (日本放送協会編) ( (2) 「小節 (こぶ し) 」 は,以下,「コブシ」 と表記する。 ( 2 3 ) そのほかに,小節線 に跨が ってコブシが入 っているため (3) 桂 博章 ・鈴木敏朗 ( 1 9 92 )「 民謡 の教育 的音楽 的価値 について」秋田大学教育学部教育工学研究報告 1 4号 に,指節感を失わせ ることも,唄い辛 くしている原因であ る。 p. 3 3 -41 ( 2 4 ) 武田忠一郎 (日本放送協会編) ( 1 9 5 7 )p.3 8 4 (4) コブシについての以上の情報 は,秋 田県田沢湖町在住 の ( 2 5 ) 小泉文夫 ( 1 9 6 8 )『日本伝統音楽の研究』音楽之友社 田口稔雄氏 と千葉恒氏 とのイ ンタビューか ら得た。 (5) 田口稔雄氏所有の録音 テープ。元 の レコー ドの発売元, 発売の年 は不明であるが,大正の末か ら昭和の初めにかけ -2 4- 中心 に して-」秋田大学教育学部研究紀要 ( 人文 ・社会科 学)第5 1 集 p.9 3-9 9
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