テーマC 無線通信の基本原理の理解「AMラジオ」 目的 概説

テーマ C 無線通信の基本原理の理解「AM ラジオ」
目的
身近な無線通信システムのひとつとして AM ラジオ放送を取り上げ,その組み立ておよび測定
を通じて,線形システムのひとつである電気回路や,非線形特性をもつ電子デバイスの動作を理解
するとともに,信号の計測を通じてフーリエ解析や線形システムの理解を深める.
概説
無線通信とは,電磁波(電波)を用いて情報を伝達する手法の総称である.放送を始め,携帯電
話,無線 LAN,さらにはゲーム機のリモコンやワイヤレスヘッドフォンなど,身の回りにも様々
な無線通信が用いられている.
ここでは,実験の準備として,通信の媒体となる電磁波の伝搬,情報の伝達方法である振幅変
調,振幅変調信号から情報信号を取り出す受信機(通称ラジオ)の 3 項目について説明する.
なお,シミュレーションにはすべて SCILAB[2] を使用しているが,メモリ容量の都合でビット
マップ出力となっていることを了承されたい.
電磁波の伝搬(関連する講義:電磁気学)
周波数領域におけるマクスウェルの方程式
電界 E [V/m],磁界 H [A/m] と,それを発生させる電流密度 i [A/m2 ],電荷密度 ρ [C/m3 ] と
は,マクスウェルの方程式と呼ばれる以下の方程式群で関係づけられる [3].
∇×E
= −jωµ0 H (ファラデーの法則)
(1)
∇×H
= i + jωϵ0 E (アンペアの法則)
ρ
=
(ガウスの法則)
ϵ0
= 0 (磁荷の不存在)
∂ρ
= −
(電流連続の式)
∂t
(2)
∇·E
∇·H
∇·i
(3)
(4)
(5)
ただし,真空中の誘電率を ϵ0 = 8.854 × 10−12 [F/m],透磁率を µ0 = 1.257 × 10−6 [H/m] とする.
平面電磁波:マクスウェルの方程式の解
+z 方向に伝搬する正弦振動する平面電磁波は次の式で表される.
E(z) =
(x̂Ex + ŷEy ) exp(−jk0 z)
(6)
(x̂Hx + ŷHy ) exp(−jk0 z)
Ey
= −
Z0
Ex
=
Z0
(7)
H(z) =
Hx
Hy
C1
(8)
(9)
図 1: z 方向に伝搬する正弦振動する平面電磁波(赤線:電界,青線:磁界)
k0
Z0
ω
λ
ω
√
= ω ϵ0 µ0 =
c
√
µ0
=
ϵ0
= 2πf
c
=
f
(10)
(11)
(12)
(13)
ただし,c = 2.998 × 108 [m/s] は光速,f は周波数,ω は角周波数,k0 は波数で伝搬方向単位距
離あたりの位相回転量を表し,Z0 は波動インピーダンスで電界と磁界の振幅比を表す.式 (6), (7)
より,電界と磁界と伝搬方向が互いに直交する,すなわち電界も磁界も横波であることがわかる.
周波数と電波/無線通信
電波伝搬及び無線通信の観点から見た周波数の影響としては以下のようなものがある [4].
• 電波は周波数が高くなるほど直進性が強くなり,到達距離が小さくなる.
• 伝送できる情報量は使用する周波数の幅(帯域幅)で決まるが,無線機の作りやすさはこれを
中心周波数で割った比帯域幅で決まるため,一般に周波数が高いほど伝送容量が大きくなる.
• かつては半導体素子の性能で周波数が高くなるほどコストも高かったが,現在は 6GHz 以下
であれば半導体のコストは周波数にあまり依存しない.
• アンテナの動作は波長に比べた大きさで決まるため,同じ性能を実現するために必要なアン
テナの大きさは周波数が高くなるほど小さくてよい.なおアンテナはから波長に比べた大き
さによって動作原理が異なり,ファラデーの法則を直接応用する超小型アンテナ,電流また
C2
は電界の共振現象を利用する波長程度のアンテナ,光学近似を用いて強い指向性を実現する
超大型アンテナに大別することができる.
周波数の区分
古典的な周波数の区分と主な用途は以下の通りである [4].
長波 30–300 kHz : 長い距離を低損失で伝搬するため,人工衛星が普及する以前は広域をカバー
する用途に広く用いられてきた.具体的には,GPS が普及する以前に広く用いられた船舶の
位置検出を行う無線標識,国土の広いロシアを中心に欧州・北アフリカ等での音声放送,近
年電波時計に広く応用されている標準電波などがある.一方,波長が非常に長く電波の影が
できないことから,近距離応用として自動車のキーレスエントリーに代表される遠隔制御用
途にも使用される.
中波 300 kHz–3 MHz : 同じく長距離を低損失で伝搬するが,電離層における反射があり昼と
夜で伝搬距離が変化するため,主に数十 km の範囲をカバーする用途に用いられている.本
実験で使用する AM ラジオ放送のほか,船舶気象通報と呼ばれる灯台から船舶への気象情報
の提供などに用いられている.
短波 3–30 MHz : 電離層反射により遠距離まで伝搬するが,電離層の昼夜,季節変動に大きく
影響を受ける.過去には,国際通信のために用いられてきたが,衛星や光ファイバなどの代
替手段が確立し,航空・船舶などの移動用途以外には用いられなくなった.主に AM による
国際ラジオ放送のために用いられている.また,いわゆる電波ではなく電磁誘導ではあるが,
13.56 MHz は SUICA や東工大 ID カードのような非接触 IC カード (RFID) に広く使われる
ようになった.
VHF(超短波) 30–300 MHz : 通常の電離層を通り抜けるため,主に見通し範囲内で用いられ
る.放送用途では,FM ラジオ放送のほか,2011 年まではアナログテレビ放送に用いられて
いる.移動用途では,公共無線と総称される,警察,消防,鉄道,航空管制などの移動通信,
最近ではほとんど見られなくなった無線呼出(ポケベル,ページャ),コードレス電話など
に使用されている.固定用途では,同報系防災無線(防災放送)が代表的である.
UHF(極超短波) 300 MHz–3 GHz : VHF と同じく,主に見通し範囲内で用いられる.放送
用途では,地上デジタルテレビ放送(2011 年までは一部アナログテレビ放送)が代表的であ
る.移動通信にもっとも適した周波数と考えられており,携帯電話,無線 LAN,業務無線
(列車,タクシーなど),公共無線,MCA などの代表的な移動通信はすべてこの周波数帯で
運用されている.また,2.45 GHz 帯は産業科学医療用バンド(ISM バンド)と呼ばれ,通
信以外の用途にも用いられる.その代表例が電子レンジである.
SHF(マイクロ波) 3–30 GHz : 直進性が強くなるため,もっぱら見通し範囲内で用いられる.
衛星放送・衛星通信で広く使用されるほか,大容量の固定通信,加入者向けの固定無線アク
セスにも使用されている.最近は移動通信への応用も少しずつ広がっており,無線 LAN の
ほか,IMT-Advanced と呼ばれる新世代移動通信方式でも使用される.通信以外の用途では,
気象や航空などのレーダに用いられている.
C3
図 2: 中波の伝搬
EHF(ミリ波) 30–300 GHz : さらに直進性が強くなる.衛星通信や,電波天文に代表される
各種の観測以外にはほとんど使われてこなかったが,最近になって自動車レーダやパーソナ
ルエリアネットワークなどの一般向け応用も少しずつ広がりつつある.
中波の伝搬
中波の伝搬は,図 2 のように,地表波と電離層反射波が主流となる.
地表波は,大地が完全導体でないことにより,大地表面付近に集中して伝搬する電磁波である
が,数式の詳細は大学院レベルとなるため省略する [5].
電離層とは,太陽光線などの宇宙線によって,大気の上層部にある窒素や酸素などの分子,原子
が電離してプラズマ状態となっている領域を指す.中波の伝搬に寄与するのは D 層(約 80 km)と
E 層(100–120 km)で,D 層は中波を吸収し,E 層は反射する.
昼間は D 層で電波が吸収されるため,受信点に到達するのは地表波のみとなる.これに対して,
夜間は日照がなくなるために D 層が消失し,受信点には地表波以外に E 層における電離層反射波
が到達する.夜間においては電離層反射波の方が地表波よりも減衰が小さく,結果として遠方まで
到達するため,多数の遠方の放送局が聞こえ,時には普段聞いている放送局が遠方の局と混信する.
振幅変調(関連する講義:通信とネットワーク)
搬送波と呼ばれる正弦波 A cos(2πf t + θ)(図 3)に情報信号 x(t)(図 4)を重畳する方法には次
の 3 通りがある [6].
振幅変調 (AM) : A に情報信号を重畳する.
周波数変調 (FM) : f に情報信号を重畳する.
位相変調 (PM) : θ に情報信号を重畳する.
AM 放送,FM 放送の語源はここにある.PM はディジタル信号の変調には頻繁に用いられるが,
アナログ信号の変調には適していない.
C4
図 3: キャリア信号
図 4: 情報信号
図 5: 両側波搬送波送信 AM 信号
振幅変調にもバリエーションがあるが,AM 放送ではもっとも単純な両側波搬送波送信と呼ばれ
る方式が用いられる1 .簡単のため,|x(t)| ≤ 1 とすると,AM 信号は次の式で表される.
xAM (t) = A(1 + x(t)) cos 2πfc t
(14)
図 5 のように,xAM (t) の包絡線は x(t) と同形状である.
包絡線の形状が保存されている場合は,次の節で述べるような簡単な回路構成により情報信号を
取り出すことができ,包絡線検波と呼ばれている.
中波ラジオ放送
中波ラジオ放送(AM 放送)は比較的広い範囲で簡易な受信装置で受信することができるため,
音声のみのサービスであるが,現在でも広く使われている.使用周波数は 531 ∼ 1602 kHz であり,
周波数間隔は 9 kHz,占有帯域幅は 15 kHz と決められている.
首都圏では,NHK 東京第 1 放送 594 kHz,NHK 東京第 2 放送 693 kHz,AFN Tokyo 810 kHz,
TBS ラジオ 954 kHz,文化放送 1134 kHz,ニッポン放送 1242 kHz,ラジオ日本 1422 kHz が放送
されている.全国のラジオ放送局の周波数一覧は,Web サイト [7] などを参照のこと.
1 側波とは,変調信号を周波数領域で観測した際に,キャリアに隣接して現れる情報信号のスペクトルを指す.
C5
図 6: AM ラジオ回路
AM ラジオの動作原理(関連する講義:線形システム論,工学計測 I,物理化学)
本実験で使用する AM ラジオの回路図を図 6 に示す.この回路はアンテナ,同調回路,検波回
路,イヤホンから構成される.
アンテナ:
中波放送では波長が 200 ∼ 600 m もあるため,超小型アンテナが使用される.具体
的にはインダクタを使用し,これと鎖交する磁束の時間変化により起電力を発生させる.したがっ
て,アンテナの感度は磁界とインダクタのループ面が直交するときに最大となる.
同調回路: 希望する放送波のみを受信できるよう,周波数領域で選択を行う回路である.同調回
路の動作原理を説明するために,図 7(a) に並列共振回路を示す.I は電流源,L はインダクタン
ス,R は抵抗,C はコンデンサである.周波数 f と出力電圧 V の関係は,
V
G
YL
YC
I
G + YL + YC
1
=
R
1
=
sL
= sC
=
s = jω = j2πf
(15)
(16)
(17)
(18)
(19)
より求めることができる.周波数 f に対する電圧 |V | の特性を図 7(b) に示す.|V | が最大値 |V0 |
となる周波数 f0 を共振周波数,|V | が
f0
∆f
|V0 |
√
2
となる 2 つの周波数の差 ∆f を帯域幅という.また
を Q 値と呼び,共振特性の鋭さを表す指標として用いられる.
Q=
実際のラジオの回路(図 6)における同調回路は図 8 のように表される.I は電磁誘導による誘
導電流,L はアンテナのインダクタンス,R はアンテナの損失抵抗,C は可変容量コンデンサの
キャパシタンスである.ゲルマニウムラジオでは,L ≃ 300 µH,Cmax ≃ 300 pF 程度の部品を使
C6
(a) 並列共振回路
(b) 出力周波数特性
図 7: 同調回路の動作原理
図 8: ラジオの同調回路
C7
図 9: ダイオード
vD
C
vC (t )
v
R
Earphone
(a) 検波回路
(b) 包絡線検波回路の出力
図 10: 包絡線検波回路の出力
用する2 .
検波回路: 変調された信号から情報信号を取り出すことを検波という.AM 信号の検波は包絡線
検波と呼ばれ,受信された信号から包絡線を取り出すことで情報信号を復元する.このために,ダ
イオードを用いた整流と静電容量による積分を行う.
ダイオードは,半導体の PN 接合により,一方向のみに電流を流す性質を有する.簡単のため,
理想的なダイオードの電流電圧特性として,図 9 の電流電圧特性を次の式で近似する.
{
0, V < 0
I=
∞ V ≥0
(20)
この特性のことを半波整流特性という3 .
整流された出力は,クリスタルイヤホンに入力される.クリスタルイヤホンは,図 10(a) のよう
に,直列 RC 回路で近似することができる.このとき,静電容量に発生する電圧 vC (t) がイヤホン
から出力される音に対応すると考えられる.検波出力の計算はダイオード特性が式 (20) に従うも
のとし,図 10(a) の vD が図 5 の半波整流出力であるとして,ラプラス変換領域で以下の回路方程
式を解く.
VC
2µ
XC
VD
R + XC
=
は 10−6 ,n は 10−9 ,p は 10−12 を表す補助単位.
3 半波とは電圧の正の成分だけを使用することを表し,整流とは電流が一方向のみに流すことを表す.
C8
(21)
XC
1
sC
=
(22)
これをラプラス逆変換すると過渡応答の式 vD (t) が得られる.C = 70 nF,R = 200 Ω[9] を用い
て,計算した例が図 10(b) である.半波整流の影響で vC (t) には直流成分が残留するため,初期応
答が情報信号波形とは異なっているが,それ以降はほぼ同一波形が出力される.リプルは搬送波の
残留成分であるが,周波数が高いため音声には変換されない.
前試問
1. 磁界の向きに対して,スパイダーコイルをどの向きに置いたときに鎖交磁束が最大となるか
答えよ.
2. 受信信号が最大となるときの電波の伝搬方向とスパイダーコイルの向きの関係を図示せよ.
(ヒント:波長に比べてラジオは十分に地面に近い.また,ラジオの周波数では地面は導体と
見なせる.
)
3. スペクトルが δ(f − fc ) + δ(f + fc ) となる信号の時間波形を求めよ.ただし,フーリエ変換
対として,
∫ ∞
X(f ) =
x(t) exp(−j2πf t)dt
−∞
∫ ∞
x(t) =
X(f ) exp(j2πf t)df
−∞
を用いてよい.
4. 式 (14) で,(1 + x(t)) の代わりに x(t) を用いると,復調信号はどうなるか,包絡線の形状に
注意して説明せよ.
5. 式 (14) をフーリエ変換し,AM 信号のスペクトル XAM (f ) を情報信号 X(f ) の関数として求
めよ.また,X(f ) が図 11 のように与えられるとき,XAM (f ) を図示せよ.
X( f )
X(0)
−fW
0
fW
f
図 11: 情報信号のスペクトル
6. 図 7(a) の Q 値を R, L, C を用いて表せ.
7. 図 8 において E = 100 mV, L = 300 µH, R = 15 Ω としたとき,NHK 東京第 2 放送 693 kHz
に同調する C の値を求め,V の周波数特性を図示せよ.
C9
図 12: 回路構成
図 13: ゲルマニウムラジオキット (科学教材社 [10])
8. 式 (21) の伝達関数 H = VC /VD に s = j2πf を代入し,H を f の関数で表せ.次にボード線
図(としたときの対数軸でとった周波数に対する伝達関数の絶対値 (dB) 及び位相 (deg)) を
√
Scilab,Excel などで計算してグラフに示せ.また,伝達関数 H の絶対値が 1/ 2 となる周
波数,すなわち遮断周波数 fc を求めよ.
実験
図 12 のような簡単な構成のゲルマニウムラジオを市販のキット [10] を用いて組み立ててみよう.
下記の要領を参考にラジオキットの説明書に従って組み立てる.
1. スパイダーコイルは自作できる効率の良いアンテナコイルで,図 13 のようにクモの巣の
ような形である.ファイバー製の枠と 0.5mm のホルマル線 (エナメル線) をコイル枠の脚 2
本毎にこちら側,向こう側と交互にしっかりと巻く.1 本おきに巻いたり,巻き方がゆるい
C10
場合,性能に影響するので注意して丁寧に巻く.巻き始め,20 周目,70 周目に 10cm 線を残
し先 1cm くらいヤスリで磨き4 ,20 周目はより合わせて出しておく.
2. コイルの巻き始め,20 周目,70 周目の磨いた部分を図 13 のように E,A1,A2 端子にそ
れぞれ半田付けする5 .半田付けする部分にコテを数秒押し付け暖め,半田線を適量,軽く押
し込むようにして流し込む.流し込んだら,熱が冷めてハンダが固まるまで動かさないよう
にする.
3. 選局による受信実験を試してみよう(「中波ラジオ放送」を参照).各 AM 局に対して音声
は明瞭に聞き取れたかどうか確認してみよう.
4. 電源のないゲルマニウムラジオでは,アースやアンテナなしに放送を受信する事は,よほ
ど電波が強く入るか,放送局が近くにない限りは難しい.より良好に受信をするためには,
出来るだけ多くの電波を集め,受信出来るアンテナと,回路を安定動作させる為のアースが
必要であることに注意.キットの説明書のようにビニール線 (1m∼数 m) を用いてアンテナ
とアースを張る.
5. 組み上がったラジオの AM 検波前・後 (図 12 の P1 と P2) の信号波形をオシロスコープに
より測定する.オシロスコープの画面をキャプチャしておく.
6. ラジオ放送を受信して波形から原理を確認するのは難しいため,信号発生器からのテスト
信号を用いる (指定の搬送波周波数) を受信し,その波形を測定する.オシロスコープの画面
をキャプチャしておく.
後試問
1. どの AM 局が受信できたか.受信できた局と周波数を一覧表
2. 受信感度を改善する方法について考察せよ.
3. テスト信号を受信し検波前 (P1) と検波後 (P2) の波形を観測しオシロスコープの画面キャ
プチャを提示せよ.
レポートの書き方について
実験レポートの執筆というのは,論文や報告書などのまとまった文書を書くための訓練でもある
ので,以下の説明を読んで,良いレポートを作成して欲しい.
書式
1. 提出するレポートは A4 版とし丁寧かつ綺麗に仕上げ,上端 2 カ所以上をホチキスで綴じる
こと.
2. レポートには,班番号,日付,実験項目,学籍番号,名前を書いた表紙を必ず付けること.
4 銅が露出するよう十分に磨くこと.
5 半田付け作業で発生する煙には有毒性成分が含まれている場合が多いため,換気に注意すること.
C11
3. 手書きでレポートを作成する場合はペン書きとし,鉛筆書きは認めない.ワープロで印刷す
る場合は,他の文献,他人のレポートからのコピー&ペーストは禁止とする.発覚した場合,
不正行為とみなす場合もあるので注意すること.
構成
一般的なレポートの構成であり,下記の項目を含むこと.
実験概要 実験内容の概略を 100∼300 字程度で記述する.これは,どのような実験をし,いかな
る結果となったかを,要約して記述する.
実験目的(今回は省略可)どのような目的でこの実験をしたのか,実験でどこまで明らかにしよう
としているのかを簡潔に述べる.
実験方法 実験の手順・方法を,配線,測定器の設定等を含めて簡潔に記述する.なお,実験テキ
ストの丸写しは時間と資源の無駄であり,学生実験レポートの目的とするところではない.
実験結果 一般に実験データは,グラフおよび表により表示する.オシロスコープの波形はスクリー
ンショットを貼り付けてよいが,目盛りの説明は明示すること.
(本実験の場合,後試問 1, 3
の内容は実験結果に含まれる.
)
考察 結果の見解,解釈を明らかにする.本実験の場合には,受信感度が改善された理由について,
理論に立ち返って考えること.
(本実験の場合,後試問 2 の内容は考察に含まれる.
)
参考文献 実験及びレポート作成で参考とした書籍,レポート等の出典を示すこと.なお,参考文
献から文章や図を丸写ししてはいけない.
注意事項
1. ラジオの回路図の詳細は簡略化してよいが,どのように実験装置を接続して測定を行ったか
がわかるように記述すること.
2. 図,表にはそれぞれ通し番号を付け,タイトルとキャプションを記述すること.なお,図に
ついては図の下,表については表の上に記述するのが一般的である.
3. グラフ(スクリーンショット)には目盛りを忘れずに記入する.
参考文献
[1] 鈴木憲次, ラジオ&ワイヤレス回路の設計・製作, CQ 出版社, 東京, 1999.
[2] Digiteo. (2010) Scilab WebSite [Online]. Available: http://www.scilab.org/
[3] 浅田雅洋, 平野拓一, 電磁気学, 培風館, 東京, 2009.
[4] 竹田義行 (監修), 改訂版 ワイヤレス・ブロードバンド時代の電波/周波数教科書, インプレス,
東京, 2008.
C12
[5] K.A. Norton, “The propagation of radio waves over the surface of the earth and in the upper
atmosphere,” Proceedings of IRE, vol. 24, no. 10, pp. 1367–1387, Oct. 1936.
[6] S. Haykin, Communication Systems, 4th Eds, Wiley, New York, 2000.
[7] AM ラジオ局周波数一覧表(全国版), http://www.oyakudachi.net/amradio/list.htm
[8] マイクロ・パワー研究所.AM 帯(中波)アンテナ・コイルの比較 [Online]. Available:
http://mpl.jp/ivent/tokyo pedi 2p.html
[9] 浅 瀬 野.
(2010,
Feb.)
ク リ ス タ ル イ ヤ ホ ン を 測 定 し た い!
http://asaseno.cool.ne.jp/germanium/earphone.html
[10] 科学教材社,[Online]. Avialable: http://www.kagakukyozaisha.co.jp
C13
[Online].
Avialable: