平成27年3月号№36 平成 27 年 3 月 25 日 発行 発行:ボワ・アルモニー 編集:ボワ・アルモニー 一期一会 施設長 西尾 宏行 イチゴイチエ… 一生に一度だけの機会を表す四字熟語としてよく耳にします。 語源は茶道に由来する日本のことわざで、元は千利休の言葉とされていますが、利 休の自著は残されていないとも言われています。語源となるその精神は、茶会に臨 む際には同じ機会は二度と繰り返されることがない、一生に一度の出会いである… ということを心得て亭主・客ともに互いに誠意を尽くす心構えを謳ったものとされ ています。古来、利休の秘伝書とされる南方録では「一座一会」の語のもとその精 神は継承され、さらには江戸時代末期になって、大老 井伊直弼 が茶道の一番の心 得とした『茶湯一会集』の巻頭に「一期一会」と表現したことにより、茶道の重要 な精神とされる「独座観念」とともに四字熟語の形で今もなお使い継がれています。 また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの誘致であまりにも有名にな った「お・も・て・な・し」─ 日本人の持つさり気ない心遣い。茶道で言えば、 相手の心に想いを馳せ、寄り添い、派手さは無く、さり気無い立ち居振る舞い。茶 室の掛け軸や茶器に至るまで客人への心尽くしの配慮を馳せる。そんな日本人の気 高さすら感じられるそれらの精神は、先祖代々受け継がれ、私たちの細胞に刻まれ た日本人固有の価値観で、教科書や勉学で教え伝わずとも引き継がれた私たち固有 の精神なのかなとも感じます。そんなことを感じながら日々を過ごしていると、 20代の頃には感じることができなかった感覚に気が付かされました。冬が過ぎ、 暖かな陽射しを感じるとともに、深い紅色の小さな蕾が桜の木にそこかしこと芽吹 くこの時期。そんな日々のなかの何気ない変化ですら、この席からご利用者みなさ んの姿を見るにつけ、自然の変化を敏感に感じ取り、そのことを体現されているよ うにも感じています。そんな何気ない当たり前の変化をご利用者みなさんからそっ と日々のなかで感じさせていただいているようにも感じます。昨年の4月、また新 しいアルモニーとしてスタートを実感したことを昨日のことのように感じます。改 めて、今日と同じ日は二度と来ないという当たり前の現実を実感しています。だか らこそ、一期一会の想いのなかで、今、自分に出来うることを力の限り尽くし、日々、 精一杯、悔いのないよう、力むことなく、そして、自身の未熟さや、至らなさを実 感して、自分の成長が少しでもご利用者のみなさんの幸せに繋がらんと願うばかり です。 本年度も一年間、多くの方々に温かくお支えいただき、今年もまた桜の咲く時期 を迎えることができました。改めて、心から感謝申し上げます。そして、これから もどうぞボワ・アルモニーをよろしくお願いいたします。 -1- 平成 26 年度 授産活動 報告 本体 今年度の本体の授産活動での大きな変化として、「コーヒーセット作業」と「ゴム パッキン作業」を分場から切り替えました。切り替え当初は五里霧中の心境で、作業 の時間の配分やご利用者の配置バランスに苦労しました。 「コーヒーセット作業」は食品その物を扱うので、品質管理の徹底は今まで以上に 配慮して取組みました。言葉では表せないほどの緊張の連続の日々となりました。 また 12 月に行った本体と分場の作業場の入れ替えに伴ったご利用者および職員の 配置では試行期間を設けて実施しました。これまで分場でも行っていたゴムパッキン 作業は本体でメインとして取り組み、それぞれのご利用者の得意な種類や、納期の厳 守、完成品の検品と文字通り試行錯誤の取り組みとなりました。 また、昨今の食品の異物混入の報告が相次ぐ中、顧客からの不信を拭うべく、委託 先からの検品および品質管理の徹底を繰り返しご指導いただくなど、台紙作業もとて も緊張した一年となりました。 本体における授産作業では大きな変化の 実施月 平成 25 年度 平成 26 年度 あった一年でした。しかしご利用者みなさ 4月 331,063 円 549,939 円 んの努力と工夫により、今年度 2 ケ月を残 5月 347,344 円 562,202 円 した 2015 年 1 月終了時で、すでに前年度 6月 332,190 円 580,815 円 の売り上げを上回ることが出来ました。慣 7月 481,886 円 604,645 円 れない作業や、厳しい品質保持の要求にも 耐え、前年度実績を超えることができたこ 8月 455,640 円 436,434 円 とは、ひとえにご利用者お一人おひとりの 9月 538,725 円 535,557 円 作業に対するモチベーションの維持や備え 10 月 524,117 円 528,064 円 持った能力を発揮して下さった結果と感謝 11 月 526,441 円 484,494 円 しております。 12 月 470,043 円 485,591 円 今後もご利用者の努力に応えるべく、更 なる高い授産収入を目指し、高品質を維持 するとともに処理能力のアップにも邁進し て、売上額の向上に向け、協力会社とは作 業の単価交渉など進めて参ります。 1月 396,640 円 440,282 円 2月 423,307 円 414,400 円 3月 407,220 円 500,000 円 合計 5,234,616 円 6,122,423 円 ※3月の売上は現状からの予想値です。 分場 今年度、ダイレクトメール(以下 DM)封入・封緘とゴムパッキン型抜き作業を行 ないました。 DM 作業においては 12 月から更なる受注および収入増収を目指し、本体から 5 名 のご利用者の異動をお願いしました。作業従事人数の増員および各ご利用者が従事す -2- る作業分担の見直しと改善の結果、受注する案件数と通数がそれぞれ 1.5% UP とな りました。 その為、多いときは 1 週間に2~3案件の作業を回すこともありました。帰りの会 での、その日の売り上げの発表では、みなさんから感激の声が上がる日が本当に多く ありました。その感激の声を聴くと、ご利用者、職員が一丸となっていること実感で きるとても嬉しい瞬間でもあります。 DM パッキン型抜き作業 ¥300,000 ¥250,000 ¥200,000 ¥150,000 ¥100,000 ¥50,000 ¥0 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 分場 授産収入 ※ DM 3月 は 3 月 16 日現在の売上見込み クラブ活動 報告 今年度アルモニーでは、土曜日 9時30分~11時30分 年10回、ク ラブ活動を行いました。クラブの内容はご利用者のアンケート結果にて要 望の多かったクッキングとエアロビクスクラブを実施しました。 クッキングクラブ 12名のご利用者が参加し、A・Bの2グ ループに分けて実施をしました。ご利用者 と職員が一緒に楽しく料理をして、最後に 試食をしました。春巻き・もんじゃ焼きな ど、おかずの調理や、ご利用者のリクエス トメニューで、ロールケーキ・アップルパ イなどのお菓子作りも楽しみました。 エアロビクスクラブ 16名のご利用者が参加し、A・Bの2グ ループに分けて実施しました。エアロビク スのインストラクター指導の下、本格的な エアロビクスを行ないました。ご利用者の 皆さんは、インストラクターの動きを見て、 楽しそうに踊っていました。 -3- ○2 月 授産収入 報告 本体:414,400円・分場:322,327円 合計 736,727 円 ひなまつり行事食 ~ 3 月 3 日(火) メニュー ちらし寿司・はまぐりのお吸い物・ 茶わん蒸し ・菜の花とベーコンの わさび醤油炒め・手作りさくらもち 3 月 3 日は、 「桃の節句」と言われ、厄を人形に移して祓っ た「流し雛」の風習がありました。それらが発展し、雛人形 を飾り女の子の健やかな成長と幸せを願う現在の「雛祭り」 となりました。ひなまつりには伝統的なお祝い全があり、ち らし寿司やはまぐりのお吸いなどの献立でお祝いをします。 ちらし寿司は、えび(長生き)れんこん(見通しがきく)な どの縁起の良い具材や華やかな食材で彩がよく女の子のお 祝いにはふさわしいですね。はまぐりの貝殻は、対になって る貝殻でなければぴったりと合いません。このことから、仲の良い夫婦を表し、一生一人 の人と添い遂げるというように願いが込められた縁起物です。その他、ご利用者の人気の ある茶わん蒸しやさくらもちを作り、食事を通し日本の伝統行事に触れられました。次回 の行事食もお楽しみに・・・ 社会福祉法人 ボワ・すみれ福祉会 ボワ・アルモニー 〒194-0037 東京都町田市木曽西2丁目9番地18 TEL:042(791)0144 FAX:042(794)3766 E-mail : [email protected] -4-
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