資料2 - 新潟大学教育・学生支援機構

報告のレジュメ
1. 交流協定校からの留学生を雇用して、初修外国語の授業補助にあたらせ
る試みを、実験的に平成20年度の第2学期に開始しました。
留学生を活用した授業改善の試み
2. 平成20年11月半ばから平成21年1月末までの約2ヶ月間、フランス語
の初級・中級クラスに、ボルドー第3大学からの留学生に来てもらいま
した。
3. チューターの教育的効果をはかるために、主観・客観評価を行いました。
報告:駒形千夏
4. 平成21年度第1学期には、チューター導入クラスを拡大して、引き続
き取り組んでいます。
総合大学における外国語教育の新しいモデル
留学生を活用した授業改善の試み  Page 2
1. 実験的取組を始めるにあたって (1/3)
1) 目的
・留学生を雇用して初修外国語の授業補助にあたらせることによって、
外国語コミュニケーション能力の教育効果を上げようとするものです。
・さらに、留学生との会話を通して、外国語語学習および異文化理解へ
の動機付けとなることを目指しています。
2) 背景
総合大学における外国語教育の新しいモデル
1.実験的取組を始めるにあたって (2/3)
3) 特色GP申請書の内容との関連
平成19年度特色GP申請書では「今後の実施計画」として
「日本人学生の送り出しと外国人留学生の受け入れを有機的に連関させ、
留学生をTAとして雇用して授業の中に組み込むことによって、初修外
国語教育の一層の改善を進める」
母語話者の留学生を授業補助に用いて初修外国語教育の効果をあげたい
という要望は以前からもありましたが、初修外国語の授業にはティーチ
ことを謳っています。
ング・アシスタントを認めないという申し合わせが存在していました。
特色GP初修外国語チューターの導入は、国際交流の観点から、大学
間・学部間での学生交流の実績を外国語教育にも活かそうとする試みで
もあります。
そこで平成20年度に「新潟大学特色GP初修外国語チューター取扱要項」
を設定してこの問題を解決しました。
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総合大学における外国語教育の新しいモデル
留学生を活用した授業改善の試み  Page 4
総合大学における外国語教育の新しいモデル
1.実験的取組を始めるにあたって (3/3)
2. 平成20年度フランス語クラスでの取組
4) 初修外国語チューターの業務
「新潟大学特色GP初修外国語チューター取扱要項」の中で、初修外国
語チューターの業務をつぎのように定めました。
 実施期間:
平成20年11月第3週〜平成21年1月最終週
(1) 初修外国語の授業における補助
(2) 初修外国語を学修している学生の自主学習に
対する補助
(3) その他、必要な初修外国語教育補助業務
平成20年度においてはまず(1)の業務を施行し、その効果の評価をおこ
なうことになりました。
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 実施クラス:
1) フランス語コミュニケーションE
2) フランス語インテンシブII
3) フランス語スタンダードII
4) フランス語ベーシックII
(週1コマ、聴講学生数 9人)
(週4コマ中の2コマ、25人)
(週3コマ中の1コマ、35人)
(週3コマ中の1コマ、10人)
・チューター:
平成20年10月から1年間の予定で来日した4人の留学生(大学院生2人、
学部生2人)にそれぞれ1コマづつ担当させた。
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1
3-1. チューター導入評価 (1/2)
3-1. チューター導入評価 (2/2)
主観的評価と客観的評価を組み合わせて総合的に評価しました。
2)
1) 主観的評価
・チューターを導入したすべてのクラスで、特色GP初修外国語チュー
ター導入に関するアンケートを授業最終日に実施し、達成度、満足度な
どについて調査しました。
・アンケートは聴講学生の他に、チューターと担当教員にも実施し、
チューター導入の教育効果に関する総合的な評価を集めました。
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客観的評価
・チューターを導入したすべてのクラスにおいて、導入前(11/14)・実
施期間中(12/19)・授業最終日(1/30)に各回10分程度の共通聞き取り
テストを実施し、チューター導入の教育効果を検討しました。
・共通テストは、「欧州共通参照枠(CEFR)」に準拠したフランス語検
定試験である「デルフ(DELF)」A1レベルと、日本でのフランス語教育
評価で定評のある「実用フランス語技能検定試験(仏検)」5級および
4級を組み合わせて作成しました。
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3-2. 評価結果 (1/4)
3-2. 評価結果 (2/4)
客観的評価:共通テストで8割以上正解した学生
 主観的評価結果:聴講学生には次の3つの問いに対して5段階で自己評
価させ、「とてもあてはまる」「ややあてはまる」と回答した学生の割
合を算出しますと下の表のようになりました。
導入前
授業最終日
コミュニケーション
8人
88.9%
9人
100%
インテンシブ
3人
12.5%
7人
30.4%
スタンダード
2人
5.7%
6人
17.1%
ベーシック
0人
0%
5人
50%
ただしベーシック・クラスのみ、3問以上正解した学生数とその割合
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3-2. 評価結果 (3/4)
話す意欲が
あがった
文化的な知
識を得た
コミュニケーション
100%
88.9%
88.9%
インテンシブ
61.5%
73.1%
88.5%
スタンダード
54.8%
71.0%
87.1%
ベーシック
70.0%
80.0%
100%
 2年次生以上を対象としたコミュニケーション・クラスで、ほぼすべて
の学生が学習成果を実感していることが伺われます。学習期間が最短の
ベーシック・クラスでも、特に文化的知識の修得に関して満足度が高く
なっています。
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3-2. 評価結果 (4/4)
留学生アンケート:4名には次の3点について記述式アンケートを行い
ました。まとめると次のようになりました。
1) この取組の評価できる点
学習言語を母語とする学生と直接話すことができる環境が作り出される
という日本人学生へのメリットの他に、日本人学生に自国の文化が興味
深く受け入れられたことへの喜びが挙げられ、留学生自身にもよい影響
があったことが伺われます。
2) 改善を要すると思う点
チューターを一人で担当するよりも二人で担当する方が、できることの
幅も広がり、かつ相談できるのでやりやすいという回答を得た。
3) 自分にできると思うこと
授業の枠外でのフランス文化ワークショップが提案されました。
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聞き取る力
がついた
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担当教員アンケート:授業終了後にこの取り組みの長所と短所について
メールで回答を得ました。
1) 長所
日本人学生へのメリットについて、授業でフランス人学生との会話に
慣れると、授業外でのコミュニケーションにも躊躇しなくなることが挙
げられている。
2) 短所
教科書の内容を進めながら、チューターの利点をうまく活用するように
授業内活動を用意するためには、教員が1人で行う授業よりも教員の側
により強いモチベーションが必要なことが指摘された。
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4. 平成21年度第1学期の取組
4. 平成21年度第1学期の取組
今学期に実施したのはつぎのクラスです。(敬称略)
 コミュニケーション・フランス語B(C.ヴィアト)
留学生2人が毎週出席、グループワークの補助
 フランス語インテンシブI-1(C.ヴィアト)
留学生2人が毎週1回出席、フランス語クイズやペアワークの補助
 フランス語スタンダードI-1(岡崎まり子)
留学生1人が1回出席、留学生の住む街の紹介、日本人学生の自己紹介
 フランス語スタンダードI-2(八木瑞香)
留学生1人が1出席、日本人学生の自己紹介、グループワークの補助
 フランス語スタンダードI-3(高田晴夫)
留学生1人が週2回・計13回出席、発音矯正や作文添削
 フランス語オプショナルA(駒形千夏)
 今学期は客観的評価は行いませんでしたが、すべてのクラスで聴講学生
を対象に、取組についてどう思うか、よかったと思う活動、困ったこと
などについて、自由記述形式でアンケート調査を実施しました。
 留学生には個別に聞き取り調査を行い、授業内で行ったこと、直面した
問題点、次のチューターへのアドバイス、などについて回答してもらい
ました。
 授業外の自主学習を補助する業務に関連して、留学生の方から申し出が
あり、フランス文化ワークショップ「フランス・アワー」が5月28日
(木)午後6時から8時まで、新潟大学国際交流会館で行われ、30名ほ
どの参加者がありました。
留学生1人が毎週出席、ペアワーク補助、フランス文化の紹介
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総合大学における外国語教育の新しいモデル
留学生を活用した授業改善の試み  Page 14
総合大学における外国語教育の新しいモデル
今後の展望として
 習い覚えた表現を使って留学生と対話することで、学生は外国語でコ
ミュニケーションする喜びを少しでも感じ取っているものと思われます。
留学生の存在が学習の動機付けや意欲の向上にどの程度役立っているの
か、調査してみたいと思っています。
 これまで授業の中でチューターが作成したクイズや練習問題などを記録
してアーカイブし、今後に役立てようと思います。次からは活動日誌を
書いてもらってもいいかもしれません。
 学習意欲が高まった学生に向けて、日本人学生と留学生との交流機会を
さらに設けることができないかと考えています。中級・上級へステップ
アップしたい学生に役立つよう、留学生に会話の練習相手になってもら
えるような授業外活動を工夫していきたいと思っています。
以上です。ありがとうございました。
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「留学生を活用した授業改善の試み」参考資料:学生アンケートから
平成 20 年度
1) コミュニケーション・クラス
・フランス人がいることでフランス語で話す機会と時間が増えた。先生よりも年齢が近いので友達として接することができた。(人文3年)
・質問したいときにたくさん聞ける人たちがいるととても気軽に質問することができてよかったです。(人文2年)
2) インテンシブ・クラス
・分からないことがあっても気軽に質問できる存在だったので安心しました。授業の中で会話することも多々ありましたが、フランスの文化など
を知れてよかったです。明るくおもしろい方ばかりだったのでとても楽しかったです。(人文1年)
・授業という短い時間では話す機会なんてほとんどないし(よくしゃべる人もいるけど)、授業の他に仲良くなれる時間があれば、日常会話での
フランス語を肌で感じられたと思う。(法1年)
3) スタンダード・クラス
・実際にフランスの人がいることで、生活、文化などの違いについてよりよく知ることができたし、テキストの会話なども、臨場感があった。(医1
年)
・授業が1学期よりもおもしろくなった。(経済1年)
4) ベーシック・クラス
・ネイティブがいると、本当に使われているフランス語の発音を聞くことができるし、教科書など型にはまったものばかりでなく、様々な表現を聞
くことができた。(農1年)
・最初は緊張したけど、落ち着いてきた。休もうと思ったときに、チューターも来てくれるから申し訳ないと思ってやっぱり行こうと思った。(工1
年)
平成 21 年度
1) コミュニケーション・クラス
チューター制は、諸事情により留学出来ない私にとって、とても有り難い制度です。授業の中で簡単に本場のフランス語に触れられることは素
晴らしいことだと思うし、それは普通のことではないと思います。 一人の先生では、なかなか上手く学生全員とフランス語でコミュニケーション
することは難しく、学生にとってもフランス語コミュニケーション能力の向上は難しいです。 しかしチューター制によってフランス語で会話をす
る機会が増えて授業もスムーズに行われるし、学生にとっても嬉しいことです。 チューター制は続けるべき制度だと私は思います。(人文2
年)
2) インテンシブ・クラス
・いろんなゲームとかをしてくれてすごい楽しかった。わからないところの質問にも答えてくれたのでとてもたすかった。(人文1年)
・フランス語たけでなく、フランスの文化なども教えてくれて、楽しく授業を受けることができました。(人文1年)
3) スタンダード・クラス
・フランス語で詳しく自己紹介をしてくれて、フランスのことを色々と聞くことが出来た。フランスを身近に感じることが出来た気がする。授業のや
る気も出た。(法 1 年)
・もっと授業に参加してもらって、交流が深められたらいいなと思いました。フランスの大学の話を聞けて、よりフランスへの興味が高まりました。
それによって、フランス語への勉強意欲もあがったと思います。外国人留学生との交流は語学の意欲をあげるのにいいと思います。(医1年)
4) オプショナル・クラス
・各人がペアとなって練習をする際に先生とともにグレゴリーさんも回って聞きにきてくれたことです。先生一人では全員を回れないくても、グ
レゴリーさんが来てくれることで、発音の違いを指摘してくれることによって、誤りをなく練習をできました。 あと母国の生活や風習などを話して
くれたことがよかったです。それにより(1)にも述べましたが、より、フランスに興味を持つことができました。(理3年)