2015スタリオンシリーズ競走 種牡馬名鑑 Vol.1 ★★★★★★★ 4/22(水)~ 6/25(木)開催分 ★★★★★★★ 馬産地ライター村本浩平の 4/22(水) 4/29(水・祝) スクリーンヒーロー賞 【北斗盃】 ダンカーク賞【コスモバルク記念】 父グラスワンダー、母ランニングヒロイン(母の父サン デーサイレンス)。初年度産駒は現4歳で、主な産駒には グァンチャーレ(GIIIシンザン記念)、ミュゼエイリアン(GIII毎 日杯)。昨年の種付け頭数は111頭。初年度産駒はトレーニ ングセールで好時計を記録。また地方でも勝ち鞍を量産して 評価を高めていった中、ついに2世代目のグァンチャーレ、 ミュゼエイリアンが中央の重賞を制覇。この世代の産駒数は 僅か44頭であることを考えると、脅威的な産駒成績とも言 える。産駒の活躍を受けて配合された2014年からは種付け 頭数を伸ばしており、更なるブレイクも期待される。 父Unbridled's Song、母Secret Status(母の父A.P. Indy)。初年度産駒は現4歳で、日本では今シーズンからの 繋養。父はアメリカを代表する名種牡馬Unbridled's Song、母はGI2勝馬のSecret Statusという良血ぶりもあ り、1歳時にはセリ市場で370万ドルの評価を受けたのがダ ンカーク。現役引退後はその血統背景も評価され、10年か らアメリカで種牡馬入り。すると、初年度産駒のHavanaが GIシャンペンSを優勝、Dunkin BendもGIIサプリングSを 勝利し、13年の北米ファーストシーズンサイアーの首位に 輝く。文句の付けようの無い種牡馬実績が後押しする形で、 日本への導入早々に配合申し込みは既に満口となった。 5/6(水・祝) 5/21(木) ローズキングダム賞 ヴァーミリアン賞【ヒダカソウカップ】 父キングカメハメハ、母ローズバド(母の父サンデーサイ レンス)。初年度産駒は17年にデビュー。昨年の種付け頭数 は134頭。薔薇一族の名牝系に、サンデーサイレンス、キ ングカメハメハとその時々のトップサイアーを配合。現役時 は仕上がりの早さとスピード能力の高さが求められるGI朝 日杯FS、今や日本最強馬決定戦となったGIジャパンCを優 勝と、種牡馬として余りあるセールスポイントを持っていた のがローズキングダム。マイルからクラシックディスタンス まで幅広い距離で勝ち鞍があるのは、父の産駒の特徴でもあ り、その父と同様に、オールマイティな種牡馬との可能性を 感じさせる。 父エルコンドルパサー、母スカーレットレディ(母の父サ ンデーサイレンス)。初年度産駒は現3歳で、主な産駒には ノットフォーマル(GIIIフェアリーS)。昨年の種付け頭数は 185頭。現役時はGI9勝の全てをダートであげたヴァーミリ アンであるが、産駒活躍の舞台もまた、地方を中心とした砂 の上が中心となっている。昨年は地方競馬の2歳戦で16頭 の産駒が24勝をあげ、NARファーストシーズンサイアーの 首位に輝いた。今後はノットフォーマルのように芝の重賞を 沸かす産駒も現れてきそうだが、基本的にはダート向きと言 える。また産駒成績にも証明されている2歳戦から、その動 向には注目したい。 5/28(木) 6/2(火) 新種牡馬 アドマイヤムーン賞 【赤レンガ記念】 エイシンフラッシュ賞 【北海優駿(ダービー)】 父エンドスウィープ、母マイケイティーズ(母の父サン デーサイレンス)。初年度産駒は現6歳で、主な産駒にはハ クサンムーン(GIIセントウルS、GIII京阪杯、GIIIアイビスサ マーダッシュ)、レオアクティブ(GII京王杯2歳S、GIII京成杯 AH)。昨年の種付け頭数は106頭。祖父のエンドス ウィープは国内では僅か3シーズンの繋養ながら、3頭のGI 馬を送り出した。アドマイヤムーン産駒にスプリントからマ イルでの活躍馬が多く見られるのは、祖父の特徴と言える卓 越したスピード能力が強く遺伝されているのだろう。近年で はアルキメデス(GIII朝日CC)のように、父を彷彿とさせる中 距離の活躍馬も増えてきた。 父King's Best、母ムーンレディ(母の父Platini)。初年度 産駒は今年誕生。昨年の種付け頭数は204頭。父は07年に 日英でダービー馬の父となるなど、世界各国で活躍馬を送り 出しているKing's Best。母の父に名を残すのは、GIジャパ ンCにも出走歴(4着)がある、ドイツを代表する名馬 Platini。まさに芝中長距離の大レースで最高のパフォーマン スを見せるために配合されたエイシンフラッシュは、現役時 にGI日本ダービーとGI天皇賞・秋を優勝と、まさに血統評 価通りの素晴らしい活躍を残した。アウトクロスが作りやす い血統背景から、特に母系にサンデーサイレンスの血を持つ 繁殖牝馬との配合が多く見られる。 6/3(水) 6/18(木) アッミラーレ賞 タイムパラドックス賞 父サンデーサイレンス、母ダジルミージョリエ(母の父 Carr de Naskra)。初年度産駒は現10歳で、主な産駒には ハッピースプリント(JpnI全日本2歳優駿、JpnIII北海道2歳 優駿)、パフォーマンス(北斗盃、道営スプリント)。昨年の 種付け頭数は101頭。それまでは地方を中心に堅実な仔出 しを誇ってきたアッミラーレだが、ホッカイドウ競馬でデ ビューしたハッピースプリントが、産駒初の交流重賞に制覇 に続き、JpnIも優勝。底知れぬ能力を持った種牡馬である ことを証明してみせた。この活躍を受けて配合された15年 世代は産駒数も一気に増加。その中には第2のハッピースプ リントがいるのかも知れない。 父ブライアンズタイム、母ジョリーザザ(母の父Alzao)。 初年度産駒は現7歳で、主な産駒にはインサイドザパーク (東京ダービー)、オウマタイム(京浜盃)。昨年の種付け頭数 は90頭。現役時の活躍から晩成の印象が強いタイムパラ ドックスだが、12年にはNAR2歳リーディングサイアーに 輝くなど、産駒は2歳戦から活躍。特に南関東での活躍が著 しい。今年もオウマタイムが南関東のクラシック戦線の主役 となっており、産駒2頭目の東京ダービー馬となる可能性も 出てきた。一昨年も107頭の繁殖牝馬に配合と層も厚く なっており、ホッカイドウ競馬でも2歳戦、そしてクラシッ クを席巻する日は近いと見る。 6/25(木) エスポワールシチー賞 【グランシャリオ門別スプリント】 父ゴールドアリュール、母エミネントシチー(母の父ブラ イアンズタイム)。初年度産駒は17年にデビュー。昨年の種 付け頭数は110頭。現役時はダートGIで9勝をあげ、そのう ち7勝が1600mの条件。しかも勝利したレースのほとんど が逃げか先行と、近年のダート最強馬でも、スピード能力の 高さが際立っていたのがエスポワールシチーだった。父ゴー ルドアリュールはダート界に君臨する名種牡馬として、後継 種牡馬も次々と送り出しているが、その中でも短距離部門を 一手に背負う存在となりそうだ。また、3歳から8歳まで40 戦を戦い抜いたタフさも、生産者には高く評価されるに違い ない。 「スタリオンシリーズ競走」は、 一般社団法人JBC協会(ジャパン ブリーダーズカップ協会)が 産地の支援を得て、優勝馬の 馬主や生産者に種牡馬の 翌年度種付権利を副賞として 贈呈する競走です。 ※生産牧場が海外の場合は付与対象外 となります。
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