*これは問題用紙です。答えは解答用紙に記入してください。 *用紙が配布されても合図があるまで開かないでください。 *「アルファベット」や「ひらがな」と指定のない場合は、一般的な日本 語の表記をしてください。 *試験終了後、問題用紙も回収しますが、メモなどは消さなくてもかま いません。 Ⅰ-1 次の説明の空欄に語群から適切な語句を選び、記号を記入しなさい。 (1) ( ① )デシベルとは、20 歳前後の聴者の( ② )を基準に決められた値である。 (2) 聞こえ始める最小音からうるさく感じるまでの幅を( ③ )といい、これが極端に狭 く、大きな音に対する( ④ )が弱い状態を( ⑤ )という。 (3) 聴覚障害により低下した聞こえを、補聴器や( ⑥ )で( ⑦ )して聞こえを補う ことを( ⑧ )という。 (4) 人工内耳は手術1~3週間後に( ⑨ )をする。 ( ⑩ )をコンピュータにつなぎ、 それぞれの( ⑪ )を刺激するための情報を決める。 (5) トータルコミュニケーションとは 1970 年代の( ⑫ )の( ⑬ )で使われた。音声 言語に( ⑭ )を併用することが聴覚障害児の教育にとって大切だという( ⑮ )を示 す言葉である。 ア オ ケ ス チ ナ リクルートメント現象 アメリカ ダイナミックレンジ スピーチプロセッサ 手話 読話 イ カ コ セ ツ ニ 音入れ フランス 特別支援教育 反発力 Tコイル 理念 ウ キ サ ソ テ ヌ 語音明瞭度 マッピング 人工内耳 0(ゼロ) 抵抗力 電極 エ ク シ タ ト 閾値 平均聴力 聴覚補償 ろう教育 増幅 Ⅰ-2 次の文を読んで該当するものをア~エのなかから選び、記号を記入しなさい。 (1) 次の聴覚障害者に関わる組織の中で、一番遅くに設立された組織はどれか。 ア みみより会 イ 全日本ろうあ連盟 ウ 新光会 エ 全国難聴者連絡協議会 (2) 「耳マーク」がアピールしているものとして正しい組み合わせはどれか。 A: 「聞こえないこと」 「聞こえにくいこと」を周囲に知ってもらう B:全日本難聴者・中途失聴者団体連合会のマーク C:補聴援助装置が設置されている施設 D:難聴者自身が、筆談など聞こえの保障を求める ア AとB イ AとC ウ AとD エ BとC (3) 感音難聴の原因に最も関係のあるものはどれか。 ア 耳硬化症 イ 耳小骨離断 ウ 騒音 1 エ 中耳炎 (4) 補聴器や人工内耳の効果の最も得られやすい環境はどれか。 ア 早口の人との会話 イ 機械を介した音声 ウ 1対1の会話 エ 距離のある場所での会話 (5) 身体障害者福祉法別表による聴覚障害の認定基準に示されていないものはどれか。 ア 両耳の聴力レベルがそれぞれ 70 デシベル以上 イ 両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が 50%以下のもの ウ 高齢難聴による低音の聞き取りが日常的にできないもの エ 一耳の聴力レベルが 90 デシベル以上、他耳の聴力レベルが 50 デシベル以上のもの Ⅰ-3 図について以下の問いに答えなさい。 (1) 図に関連する①~⑤を書きなさい。 ① ② ③ ④ ⑤ 図の縦軸は( 図の横軸は( ( ( ( )レベルという。 )を表す。 )Hz )声の領域 )音の領域 ( ⑤ )音 ( ④ )声 有声子音 母音 レ ベ ル 2 Ⅱ-1 次の問いに合うものをア~エから選び、記号を記入しなさい。 (1) 日本国憲法第 99 条には、 「憲法尊重擁護義務」の規定が置かれている。憲法を尊重し擁 護する義務を負うべき人に含まれない人が入っている組み合わせ。 ア 天皇、摂政 イ 国会議員、国民 ウ 裁判官、公務員 エ 国会議員、公務員 (2) 1980 年にWHOから出された国際障害分類での障害のとらえ方にないもの。 ア 社会的障害(不利) イ 機能障害 ウ 相互作用 エ 能力障害(不全) (3) 2013 年 4 月に障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総 合支援法)が施行されるまでの記述として適切でないもの。 ア 障害者自立支援法制定時は「応益負担」の仕組みが打ち出されていた。 イ 障害者自立支援法の「自立支援給付等」や「地域生活支援事業」の枠組みは障害 者総合支援法にそのまま移行されている。 ウ 支援費制度から障害者自立支援法までは、措置制度の仕組みであった。 エ 障害者総合支援法の「意思疎通支援事業」とは障害者自立支援法の「コミュニケ ーション支援事業」から改称したものである。 (4) 障害者福祉の理念として示される言葉で適切でないもの。 ア 生活自助 イ 自己決定 ウ ADLからQOLへ エ 当事者主権(主義) (5) 2010 年6月に「障がい者制度改革推進会議」が出した「第一次意見」で、今後の法整備 の方向性として目指した3つに含まれないもの。 ア 障害者差別禁止法制定 イ 障害者基本法改正 ウ 障害者権利条約批准 エ 障害者総合福祉法制定 Ⅱ-2 次の文が正しければ○、間違っていたら×をつけなさい。 (1) 一般に人権の分類としてあげられているのは、受益権、自由権、生活権、社会権の4つ である。 (2) 社会福祉という言葉が日本の法律にはじめてつかわれたのは、社会福祉法である。 (3) 2000 年に改正された社会福祉法では、第2種社会福祉事業として5つの事業が追加され た。 (4) 2005 年に成立した障害者自立支援法は、2008 年に多くの障害者が原告となって違憲訴訟 を起こし、2010 年1月に原告団は勝訴した。 3 (5) 障害者虐待の防止、障害者の擁護者に対する支援等に関する法律(障害者虐待防止法) は超党派の議員立法により 2011 年に成立した。 (6) 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)は、2013 年に成 立し、2014 年に施行される。 (7) エンパワーメントの概念は、1970 年代のアメリカの生活困窮者への対応実践から 生まれた。 (8) 障害者総合支援法の福祉サービスでは、 「自立支援給付」と「地域生活支援事業」が あり、要約筆記事業は後者に含まれる。 (9) 古代社会においては、相互扶助という救済が共同体を維持する形態があった。 (10) 朝日訴訟とは、生活保護の支給基準を巡って争われた訴訟について朝日新聞が追及した ことからこのように呼ばれている。 Ⅱ-3 次の文中の( )の中に適切な語句を記入しなさい。 (1) 2013 年に国会で障害者権利条約の( ① )が承認され、2006 年の国連での( ② ) 、 2007 年の日本政府の( ③ )から一歩前進したといえる。 (2) 障害者権利条約第2条では、5つのキーワードが定義されている。 「 ( ④ ) 」 、 「言語」 「障害に基づく( ⑤ ) 」 「合理的配慮」 「 ( ⑥ )デザイン」の5つである。 (3) 精神障害者の社会参加と自立した生活のために、 専門的知識と技術をもちいて、 ( ⑦ ) と福祉の両面から必要な相談を行うのが、 ( ⑧ )で、アルファベットでは、PSWで表 わされる。聴覚障害者のメンタルヘルスのキーポイントは、 「 ( ⑨ )心をいかに保つか」 に尽きるともいわれている。 (4) 2013 年 4 月から障害者の法定雇用率が引き上げられ、民間企業が( ⑩ )%、国や地 方公共団体が( ⑪ )%になった。また、従来の従業員が 56 人以上から、事業主の範囲 も 50 人以上に改正された。 (5) 2012 年7月に発足した「障害者( ⑫ )委員会」は、 障がい者制度改革推進会議の 差別禁止部会での議論の蓄積をもとに差別禁止に関する「部会意見」を出した。ここでは、 障害に基づく差別が「不均等待遇」と「 ( ⑬ )の不提供」とに分類されている。 (6) 1970 年代、欧米では大規模施設より、 ( ⑭ )社会での自立した生活が求められるよ うになっていたが、 ( ⑮ )では好景気に後押しされた施設施策が中心だった。 4 Ⅲ-1 次の文に合うものをア~エから選び、記号を記入しなさい。 (1) 障害者総合支援法において、市町村の必須事業になっていないものはどれか。 ア 要約筆記者の派遣 イ 手話奉仕員の養成 ウ 要約筆記者の養成 エ 手話通訳者の派遣 (2) 障害者総合支援法において、都道府県の必須事業になっていないものはどれか。 ア 複数市町村の住民が参加する障害者団体等の会議に、特に専門性の高い意思疎通を行 う者の派遣 イ 意思疎通支援を行う者の派遣に係る市町村相互間の連絡調整 ウ 要約筆記者養成ステップアップ研修 エ 要約筆記者の養成 (3) コミュニケーションについて正しく述べた組み合わせは、ア~カのどれか。 A:コミュニケーションの成立には、共通のことばが必要である。 B:コミュニケーションは、送り手の意思ではなく受け手の反応から始まる。 C:コミュニケーションの成立には、受け手と送り手双方の近似的な合意形成の意志 が大きな役割を果たす。 D:バードウィステルによると二者間の対話で、言語コミュニケーションと非言語コ ミュニケーションでのメッセージの伝達率は言語コミュニケーションの方が高い。 ア AとB イ AとC ウ AとD エ BとC オ BとD カ CとD (4) 「情報保障に対する考え方」で適切でないものはどれか。 ア 送り手も自分のメッセージをできるかぎり、自分の発した意図にそって受け手が理解 できるよう心がける。 イ 聞こえない人がいる場では、その場のすべて人の意思、配慮、方法等が必要である。 ウ 要約筆記者が要約筆記の持つ制約の上で、その場で可能な補完の方法も提起する。 エ 字幕のない映像場面での要約筆記は、著作権の侵害になるので行ってはならない。 (5) 要約筆記奉仕員養成事業が始まる前の出来事はどれか。 ア 全国要約筆記関係者懇談会開催 イ 要約筆記奉仕員養成カリキュラム通達 ウ 全国要約筆記問題研究会発足 エ 要約筆記奉仕員派遣制度 Ⅲ-2 次の文の空欄に入る言葉を漢字で記入しなさい。 (1) 要約筆記者養成カリキュラムの到達目標では、 「聴覚障害、聴覚障害者、とりわけ中途失 聴・難聴者の( ① )および関連する( ② )や権利擁護、 ( ③ )等についての理 解と認識を深めるとともに、難聴者等の( ④ )なニーズに対応できる要約筆記を行うに 必要な知識及び( ⑤ )を習得する」とある。 5 (2) 要約筆記者が、要約筆記した情報(内容)は、本来その発言者や( ⑥ )者に帰属す る。そこでの情報を外部に( ⑦ )させないことは( ⑧ )であり、要約筆記という通 訳行為の( ⑨ )性が保たれるだけでなく、派遣事業を機能させる意味での( ⑩ )的 責任でもある。 (3) 共有情報の活用の延長線上に背景知識がある。人の話を理解するためには、語彙情報だ けでは不足であり、言語通訳でも「通訳は言語能力半分、 ( ⑪ )が半分」といわれる。 (4) 要約筆記者養成カリキュラム策定の経緯のなかで、2つの( ⑫ )と5つの到達目標 が検討された。前者で「権利擁護のための要約筆記」 「 ( ⑬ )としての要約筆記」が示さ れ、後者で新しい要約筆記者像が描かれた。 (5) 話しことばの特徴として、その場で考えて話すということがあげられる。そのために ( ⑭ )の関係が整っていない、無意味な( ⑮ )などがある。 Ⅲ-3 次の文が正しければ○、間違っていたら×をつけなさい。 (1) 岩波書店発行の「音から隔てられて」は昨年重版された。 (2) 障害者総合支援法における意思疎通支援関連事業では、障害者自立支援法と比べると市 町村と都道府県の役割が明確になった。 (3) 要約筆記での「読みやすさ」とは、画面に表示された文字が少ないことである。 (4) 要約筆記における同時性とは、 「参加の保障」と「記憶の保持」を保つものである。 (5) 要約文を作成するときの手法として、 「省く」 「縮める」 「換える」だけでなく、 「補う」 ことも含まれる。 (6) 文章要約の型を「骨格法」と「凝縮法」に分けると、要約筆記での要約は、 「凝縮法」に 近い。 (7) 全体投影場面とノートテイク場面における利用者の視線移動の負担は、一般に全体投影 の方が大きい。 (8) ノートテイク場面では、利用者に合わせた個別の対応とともに派遣事業を支える普遍的 な対応も求められる。 (9) 要約筆記者が現場で十分な仕事を遂行するためには、要約筆記派遣事業体やコーディネ ータの役割も重要であり、依頼者との連携も求められる。 6 (10) 要約技術の「文末処理」の 1 つに助詞止めがあり、発言内容が確定・断定していたり、 強調の要素が表されているときには有効な方法である。 Ⅲ-4 以下の設問に答えなさい。 (1) 職場研修でのノートテイク場面。休憩中に隣席の人が利用者に話しかけてきた。利用者 が聞き返した後で、話しかけてきた人に筆談を頼んで書いてもらおうとしたので、即座に 「要約筆記に来ているので、ノートテイクします」と割って入った。 ア.この対応は適切か、不適切か。 イ.理由を 80 字以内で書きなさい。 (2) 要約筆記に適さないその場の音声情報にはどんなものがあるか、3つあげなさい。 また、そのときの最善の対応として考えられることを3つあげなさい(3項目は対応して いる必要はない) 。 Ⅳ-1 次の説明の正しいものに○、間違っているものに×をつけなさい。 (1) 世界には多数の言語が存在するが、現在ではすべての言語の系統的なつながりが解明さ れている。 おん (2) 言語として人間が発する実際の音のことを「音声」というが、標準的な日本語で 「しⅰんぶⅱん」を発音すると、 「ⅰん」と「ⅱん」の音声は異なる。 (3) 「ここは 東京。 」という文は、イントネーションの違いで平叙文になったり疑問文にな ったりすることがある。 (4) 「漢語」とは、漢字で表記されているものすべての単語のことである。 (5) 「現代仮名遣い」 (1986 年内閣告示)によれば「通る」は「とおる」と表記するのが普 通である。 (6) 「外来語の表記」 (1991 年内閣告示)によれば、 「ベートーベン」 「ベートーヴェン」の どちらの表記も許容されている。 (7) 「廊下(ろⅰうか)を 走っては いけません。 」と「あそこに かわいい 子牛 ⅱ ⅰ ⅱ (こ うし)がいる。 」において、 「 う」と「 う」の発音は異なっている。 7 (8) 「音」という漢字の読み方で「オン」と読むのを訓読み、 「オト」と読むのを音読みとい う。 (9) 日本語で「挨拶」という単語は4音節である。 (10) 現在わが国で単語は、その出自の違いにより、和語、漢語、膠着語の3つの語種に分け ることができる。 Ⅳ-2 つぎのかっこに当てはまる言葉を記入しなさい。 1.子音とは、口腔のどこかで息が妨げられて発せられる音で、 ( ① )の振動の有無、調 音の位置、息の流れの妨げ方の3点で分類される。 2.英語のアクセントは強弱アクセントであり、日本語のアクセントは( ② )アクセント である。 3. 「犬が 歩く。 」の「歩く」は動詞であり、 「あの 犬の 歩きは 速い。 」の「 歩き」は ( ③ )である。 4. 「母」を、 「おかあさま」と表現したり、 「おふくろ」と表現することで、そこに独特の語 感・ニュアンスが生まれる現象を、単語の( ④ )という。 5.日本語の表記において、ごく一般に、ひらがなに漢字・カタカナをまじえて使用する文を ( ⑤ )という。 Ⅳ-3 次の文に適切な言葉をア~エのなかから選びなさい。 (1) 「南向きの 縁側に 日が ぽかぽか 当たっている。 」の ぽかぽか は、 (ア 南向き の イ 縁側に ウ 日が エ 当たっている)を修飾している。 (2) 「公用文における漢字使用等について」 (2010 年内閣訓令)によれば、 ( )の表 記が望ましい。 ア 従って、今後の財政負担がさらに増えていく事が予想されるため、私どもの要求が 直ちに受け入れられることを望みます。 イ したがって、今後の財政負担がさらに増えて行くことが予想されるため、私共の要 求が直ちに受け入れられることを望みます。 ウ したがって、今後の財政負担がさらに増えていくことが予想されるため、私どもの 要求が直ちに受け入れられることを望みます。 エ したがって、今後の財政負担がさらに増えていくことが予想されるため、私どもの 要求がただちに受け入れられることを望みます。 8 (3) 「常用漢字表」 (2010 年内閣告示)の表中には、次の下線部(ア 皮膚 ウ 語彙 エ 障碍)の漢字は含まれていない。 イ 憂鬱 (4) 「送り仮名の付け方」 (1973 年内閣告示、1981 年に一部改正)によれば、 「うけたまわる」 は(ア 承る イ 承わる ウ 承まわる エ 承たまわる)と表記されるのが普通であ る。 (5) 「暴風雨で 船が ⅰ沈む。 」と「試験に 落ちて 気持ちが ⅱ沈む」の「ⅰ沈む」とい う単語と「ⅱ沈む」という単語の関係は、 (ア 多義語 イ 同音語 ウ 反義語 エ 類 義語)である。 9
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