通関手続きで発生する 膨大な紙書類を効率的に電子化 オンライン

第一港運株式会社
通関手続きで発生する
膨大な紙書類を効率的に電子化
オンラインストレージによる安全な共有も
導入の狙い
電子書類の共有化
スキャニングした文書の分類・整理作
業の合理化
導入システム
『 たよれーるマネージドネットワーク
サービス(MNS)
どこでもキャビネット』
『Quickスキャン V2』
導入効果
通関手続きに不可欠な商品資料など
の簡単な共有が実現
他拠点や外出先でもデータの共有が
可能に
物理的な管理の不要な共有フォルダ
の獲得
ターミナル事業と海貨事業の両事業を展開。いずれも、顧客から高い信頼を得ており、長年にわたって日本の物流に貢献している
東京港でコンテナを積み下ろしするターミナル事業と、輸出入貨物の通関・輸送手
配をする海貨事業を展開している第一港運株式会社。同社は通関書類などをスキャ
— U S E R P R O F I L E ———————————————————
第一港運株式会社
●
業種:物流事業、コンテナターミナル事業
●
事業内容:輸出入業務、輸出入混載業
務、通関業務、倉庫保管管理業務、各種
梱包業務、定期コンテナ船のターミナ
ルオペレーションと関連業務
●
従業員数:120名(2013年8月現在)
紙資料の電子化と共有
を効率化させた第一港
運株式会社
2013年8月取材
ンした電子書類を効率的に分類・整理する
『Quickスキャン V2』
を導入。スムーズ
なスキャニング体制を構築すると共に、
『たよれーるマネージドネットワークサービ
ス(MNS)
どこでもキャビネット』
を採用し、データの共有体制を強化。業務の迅速
化や顧客満足を実現している。
ターミナル事業と海貨事業の
双方を手がけ日本の流通を支える
をはしけに載せ、沖合に停泊する貨物
船まで運んで積み下ろしする輸送業
者だった。1967年に、同業との対等
第一港運株式会社(以下、第一港
合併によって商号を現在の第一港運
運)は、東京港で海運コンテナの積み
に改称。当時の日本はコンテナリゼー
下ろしを行うターミナル事業と、海運
ション(一定規格のコンテナに物品を
貨物の通関手続きなどを行う海貨事業
積み込んで荷役・輸送すること)の黎
(物流事業)
を展開する企業だ。
創業は1947年。もともとは清洲
(東京・江東区)の隅田川沿いで鋼材
1
明期であり、ターミナルに接岸した貨
物船に直接コンテナを積み下ろしする
役割を担う業者が求められていた。
第一港運株式会社
第一港運は、その先駆けの1社とし
きを行っているが、武藤氏は「どのよう
て、1974年から今日に至るまで、40
な品物でも、確実に手続きや手配を行
年の長きにわたってターミナル事業を
える自信を持っています」
と胸を張る。
続けている。ほかのターミナル事業者
ただ、近年は日本の製造業の海外
に比して規模は決して大きくないもの
移転が加速していることなどから、東
の、業界における同社の貢献と信頼度
京港で積み下ろしされるコンテナの量
は非常に高い。
は横ばいから微増で推移している。
現在は東京港の品川公共コンテナ埠
そのため第一港運は、国内だけでな
頭、青海コンテナ埠頭において、北米、
く海外でも物流業務を拡大する事業
欧州、紅海、地中海、東南アジア、中国
戦略を推進。2010年にはベトナム中
など、世界の主要コンテナ定期航路に
部の国際港ダナンに、2011年には韓
就航している最新鋭コンテナ船のター
国・釜山と中国・華南地区にそれぞれ
ミナルオペレーションを行っており、名
駐在事務所を開設した。
実共に世界有数のコンテナ港である東
京港の発展の一翼を担っている。
一方、輸出入貨物の通関手続きや
総務部 部長の山中 浩亮氏は「釜
山では韓国財閥や船会社、日本の総
ター(倉庫)を運営しています。また、
う海貨事業も、1969年に通関業の
2013年中にはインドネシアのスラバ
免許を取得して以来、40年以上の歴
ヤで現地日系メーカーの貨物を梱包
史を誇る。
する工場も稼働する予定です」と説明
する。
青海埠頭の物流事業部のほか、横浜
支店、松山支店で行っており、長年の
経験とノウハウに裏打ちされたサービ
スの専門性と迅速さ、確実さには定評
がある。
武藤 彰夫氏
「『どこでもキャビネット』
と
『Quickスキャン
V2』
を導入したおかげで、通関書類の作成
作業がますますスピーディーになり、顧客満
足も向上しています。まだ活用しきれていな
い機能もあるので、業務に生かしていきた
いですね」
合商社との共同出資で国際物流セン
積み下ろしの手配、国内輸送などを行
海貨事業は江東区の本社、大井/
横浜支店 取締役 支店長
総務部 部長
山中 浩亮氏
「3年ほど前から拠点ごとにばらばらだったシ
ステムやネットワークの統一を、大塚商会さ
んを窓口にして進めています。ほかのベン
ダーさんとも付き合いはありますが、ITの導
入においては、常に大塚商会さんが中心
的存在になっています」
スキャンした電子書類の
分類・整理作業を合理化
同社では3年ほど前に、総務部主導
「例えばアパレル製品などは、お客
で、全社でのITシステム導入の一元化
様の販売計画やセールの日程などに
を図った。
「それまでは部門ごとにばら
間に合うように、ほかの貨物よりもス
ばらにシステムや複合機を導入してい
ピーディーな通関手続きや国内輸送
ました。しかし全社のITシステムを標
の手配が要求されることもあります。
準化しようと考え、私たちの業務をよ
そうした難 易 度 の 高 いご要 望にも、
く理解したうえでより良いサービスを
横浜支店 業務課 課長代理
しっかりお応えできるように日々努力
提供してくれる大塚商会さんに窓口を
吉岡 真沙樹氏
しています」と語るのは、横浜港に積
一本化しました。これにより、スケール
み下ろしされる輸出入貨物向けにサー
メリットを生かしたコスト削減も実現
ビスを提供する横浜支店 取締役 支
できたのです」
と山中氏は語る。
店長の武藤 彰夫氏。
同社では、アパレル製品だけでな
同社では、基幹系システムやネット
ワークを、大塚商会を通して構築。狙
く、建機、機械、自動車部品、紙など、
いどおりにシステムの一元化を進めて
実にさまざまな輸出入品の通関手続
いる。またその一環として、大塚商会
2
「『どこでもキャビネット』
なら、他拠点にいる
ときや外出先にいるときでも、必要なファイ
ルを思いのままに取り出せるので、非常に
便利です。iPhoneからも利用するようにな
れば、
さらに業務効率が向上しますね」
からスキャン機能付き複合機を導入す
ると共に、スキャンした書類を合理的
に分類・整理できる複合機向けスキャ
ナアプリケーション『 Q u i c kスキャン
V2』を採用した。
新たに複合機とファイルサーバ(Quickス
キャンBOX)
を導入
また第一港運は、
『Quickスキャン
V2 』の導入とほぼ同時期に、大塚商
輸出入手続きでは、税関に提出する
会のマルチデバイス対応型オンライ
通関書類はもとより、植物検疫や危険
ンストレージサービス『たよれーるマ
物取扱関連など、貨物に応じてさまざ
ネージドネットワークサービス
(MNS)
まな書類の作成と提出が求められる。
どこでもキャビネット』
( 以下、
『どこで
そのため、長年の申請業務と共に、第
もキャビネット』)
を導入した。
一港運が控えとして保管する紙の書
そもそもの導入目的は、海貨事業
類も膨大な量になっていた。同社で
の基幹業務システムのクラウドサービ
は、保管スペースの縮小や書類の検
ス化に伴い、システムサーバと兼用し
索性向上を目指して、各種書類の電子
ていたファイルサーバが無くなってし
化に取り組んできた。
まうことへの対応だった。
『Quickスキャン V2』は、複合機で
オンラインストレージサービスはさ
スキャンした書類をサ ーバに保管す
まざまな会社が提供しているが、
『ど
る際に、ファイル名の変更(リネーム)
こでもキャビネット』の大きな特長は、
作業や保存先フォルダの仕分け、保存
データの保存先が大塚商会の管理す
フォルダの指定などが、複合機の操作
る国 内 のインターネットデータセン
画面上で簡単にできるアプリケーショ
ターであり、企業向けサービスとして
ンだ。通常これらの作業はスキャンし
の信頼性が高い点だ。
た書類がサーバに保存されてからクラ
「別の拠点で業務をするときや、外出
イアントP Cの画面上で行うことが多
先で急な問い合わせがあったときも、必
いが、忙しさのあまり作業を後回しに
要なファイルを思いのままに出せるの
したり、作業そのものを忘れてしまっ
で非常に便利ですね」
と横浜支店 業務
たりすることによって、どれが何の書
課 課長代理の吉岡 真沙樹氏は語る。
類なのか、どの書類がどこにあるのか
が混乱してしまうことが珍しくない。
またその操作性も社内で好評だ。
「誰もが手慣れているドラッグ&ドロッ
『Quickスキャン V2』でスキャンと
プ操作だけでファイルを投稿できるの
同時にリネームやファイル分類を済ま
で、非常に使いやすいですね」と山中
せておけば、そうしたトラブルを解消
氏は語る。
できる。
『Quickスキャン V2』
の導入でスキャン作業が効率化された
自由な情報共有によって
迅速な業務と顧客満足を実現
現在、第一港運は、主に物流事業部
「もちろん税関など役所への書類
門で『どこでもキャビネット』を活用し
には必ず紙で提出しなければならな
ている。例えば横浜支店では、通関書
いものがありますし、海外向けの書類
類を作成する際に参考となる過去の申
も紙で送付するのが一般的です。しか
請実績や顧客の商品情報などを蓄積
し、可能な部分は積極的に電子書類に
し、自由に閲覧できるようにしている。
置き換えようというのが基本的な考え
スキャンデータの保存サーバと連携
方です」
と山中氏は語る。
3
させ、スキャンデータが『どこでもキャ
第一港運株式会社
ビネット』に自動的にアップロードされ
「名刺は溜まって
るようにしているほか、スタッフ間の
しまうので、必要な
共有フォルダとしても利用している。
ときにすぐに探 せ
「以前に取り扱ったことのある輸出
れば便 利になりま
入品の書類を作成するときは、過去の
すね。業務の引き
実績を参考にしながら作るほうが作業
継ぎなどが発 生し
は速くなります。それに、商品の情報
た際も、データ化
を社内でしっかりと蓄積・整理しておけ
されていれば引き
ば、お客様に何度も情報を確認して、
継 ぎが 簡 単 です 。
ご面倒をかけることも無くなります。
活用を検討したい
業務の迅速化と顧客満足の二つが実
ですね」
と武藤氏。
現されるのです」
と武藤氏は語る。
同支店では共有フォルダを作成し、
そこに各社内様式などを保存し、ス
タッフで共有している。
iPhoneからの『どこでもキャビネッ
『どこでもキャビネット』
でデータを確実に保存。スタッフ同
士での共有が自在なだけでなく、BCP対策にもなっている
ト』アプリの利用も、活用したい機能
の一つだという。
「 積 み 下ろしの 際に貨 物に異 常が
「共有フォルダだけでなく、各スタッ
あった場合、現場の状況を撮影して直
フ個人のフォルダも作り、それぞれが
ちにお客様に知らせなければなりま
利用しています。互いのフォルダ内の
せん。しかし現状は
“デジカメで撮影し
書類をやり取りし、情報を自由に共有
て、会社に戻って、デジカメからPCに
できるので、業務の属人化がずいぶん
落とす”
という時間のロスと手間が発
解消されたのではないでしょうか」と
生します。ですが『どこでもキャビネッ
武藤氏は評価する。
ト』を活用できれば、現場に居ながら
武藤氏自身は、P C端末の故障や
iPhoneで撮影して直接アップロード
災害でデータを失うリスクを無くすた
できるので、スピード感が全く違うは
め、重要なファイルはすべて『どこでも
ずです。社用携帯電話を入れ替える検
キャビネット』上の個人ファイルに保存
討もしているようなので、iPhoneに
し、安全なデータ保管先として利用し
なればかなり便利になりますね」と吉
ているという。
岡氏は期待を寄せる。
さらに、顧客とサイズが大きなデー
名刺管理やiPhone連携など
機能のさらなる活用を目指す
横浜支店では、今後は
『どこでもキャ
ビネット』の機能をさらに活用したいと
考えている。
タをやり取りすることがあるため、顧
客にI Dを発行して、
『どこでもキャビ
ネット』上でデータを直接共有するこ
とも検討中だ。
業務の拡大に伴い、ますます重要に
なっていく
「電子化」
「データ共有」。シ
例えば、
「名刺管理機能」がその一
ステムの持つ機能を余すことなく活用
つ。これは、
『Quickスキャン V2』で
することで、さらなる効率化が進んで
名刺をスキャンすると、画像からテキ
いくだろう。
ストを読み込み、
『どこでもキャビネッ
第一港運株式会社のホームページ
http://www.daiichi-koun.com/
ト』上で整理・保存できる機能だ。
・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。
・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
・この記事は2013年11月に作成されました。
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