環太平洋大学 設置の趣旨等を記載した書類

環太平洋大学 設置の趣旨等を記載した書類
1.設置の趣旨および必要性
(1)教育研究上の理念
わが国がかつて経験したことがない超少子高齢化社会が到来する中で,「持続的に発展可能な社会」
を実現すること,そしてそれをになう人材の育成が国家的,社会的な緊急の課題となっている。少子高齢
社会を活性化し,持続的に発展していくために取り組まれるべきテーマは少なくないが,なかでも,身体能
力や健康状態に応じた健康・体力の維持増進,加えて未来を見据えた子育てや次世代の教育は不可欠
である。
本学の教育研究上の理念は,国民の健康づくりの分野と次世代教育の分野において豊かな人格・個
性と深い専門性・実践力とを兼ね備えた,社会的リーダーや保育者・教育者を育成することであり,そのた
めに体育学,保育学,教育学を中心とした教育研究活動を展開する。すなわち,健康づくりを推進する人
材の育成と,次世代教育に携わることのできる現世代の保育者・教育者を育成することによって,「持続的
に発展可能な社会」の形成に貢献していくことが本学設置の趣旨である。
この趣旨を実現するために次の二学部を設置し,前述の課題を解決できる人材を輩出する。
ひとつは,超少子高齢化社会を背景とした地域社会の急激な構造的変容の中で,健康づくりに寄与で
きる健全な人材を育成し,さらに,体育・健康運動に関する教育研究を通して,体育・運動技能の卓越し
た競技者・指導者の育成を目的とする「体育学部」を置く。
もうひとつは,激変期にある現代社会の教育的諸問題に対して深い理解と展望をもった新しい自律改
革型の保育者・教育者・指導者を育成し,ひいては,そのような理解と展望の裏づけをもとに幼保一元化
や保幼小の連携を視野に入れながら,自らの力で判断し行動できる次世代を育むことを目的とする「次
世代教育学部」を置く。
これらの理念のもとに,「少子高齢化」,「核家族化」,「乳幼児虐待」,「学級崩壊」,「いじめ」,「不登
校」,「教師の不適応」といった現代の教育的問題に対応して,次世代を含む全ての人びとが健全で質の
高い社会を構築していくために,本学では2学部3学科の構成により教育研究を推進する。
これにより,次世代を含む全世代を通じて「持続的に発展可能な社会」の形成に貢献しうる,地球的視
野をもった人材を岡山の地から育み,その教育研究成果を地域社会や教育界さらには産業界へと還元し,
多元的に広く共有しながら,地域の文化や教育に貢献できる高等教育機関としての使命を果たす決意で
ある。
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(2) 体育学部体育学科の設置目的
現代社会においては,体育・健康運動やスポーツに対する需要はますます拡大するとともに,多様化
している。本学部はこのような需要に対応して,体育・健康運動学の教育研究を行い,「競技スポーツ」,
「健康運動」,「健康・スポーツ教育」の専門職分野において,科学的知識と実践力を備えた有能な人材
の育成を目的とする。
① 競技スポーツコース
競技スポーツに関する科学的知識を備えたアスリートを育成するとともに,将来有能なコーチとして
貢献できる人材を育成する。
② スポーツ医科学コース
スポーツ医科学をベースにして競技スポーツ選手のためのトレーナーや,一般人を対象とした健康
運動実践指導者,将来的には健康運動指導士の育成をめざす。
③ コミュニティスポーツコース
各種コミュニティスポーツ事業を始めとして,健康スポーツ教室,スポーツ用品製作・販売,スポー
ツメディア,スポーツイベント企画等のスポーツ関連産業で活躍できる人材を育成する。
④ 健康・スポーツ教育コース
学校教育現場では,豊かな実践的経験を積んだ有能な教員が求められている。学校体育の分野
において保健体育授業のフィールド・ワークを重視し,計画・実践・反省のサイクルによって実践力の
向上をめざすものとする。
(3) 次世代教育学部の設置目的
急激な社会変動に対応し,自らの力で判断し行動できる子どもを育てることは,現代の切実な社会
的・教育的課題である。そのためには,わが国の未来を切り拓く健全な子どもを育成する新しい教育学の
構築が要請される。
本学部では,次代の社会をにない,自律して課題解決能力をもった子どもを育てることのできる,資質
と能力を具備した保育者・教育者・指導者を養成する学問を「次世代教育学」ととらえ,教科教育能力と
ともに,とりわけ以下の四能力の育成を新しい「次世代教育学」構築のための中心的な教育目標とする。
学科構成としては,次世代教育の人格形成における基盤となる段階の乳幼児期に焦点をあてた乳幼
児教育学科と,前思春期の「学級」の重要性に着眼した学級経営学科の2学科とする。
<次世代教育の概念>
次世代教育学部の基盤となる「次世代教育学」とは,これまでの教育学や保育学の研究成果とその
学問的功績を継承しつつ,なおかつ今日の社会が要求する教育の諸課題と向き合った健全な次世代
育成のための教育科学をめざすものである。すなわち持続可能な社会の構築に貢献できる地球的視野
をもった人材を養成するために,次世代教育学は従来の子どもの発達課題に沿った乳幼児・児童教育
論にとどまらず,次世代教育学の中核的要因として四つの主要な側面を位置づけた。(1)自己を的確に
表現し,他者と豊かなコミュニケーションができる能力 (2)異質なものを排除することなく,受容する中で
共通点と相違点を見出し,新たな視点を創り出す能力 (3)地域や家庭の子育て文化の継承とそれを
支援する能力 (4)実践を介して物事を判断し,意思決定できる能力の育成,である。
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以上の視点から「次世代教育学」を簡潔に定義するならば,「次代の社会をにない,自律して課題解
決能力をもった子どもを育てることのできる,資質と能力を具備した保育者・教育者・指導者を養成する
学問」である。したがって次世代教育学は,現行の教育学や保育学を尊重しながら,地球的視野からと
らえなおし,なおかつ持続可能な社会の発展と構築へ向けたシチズンシップ形成の教育学であり,教育
の質的向上をめざす教育実践の科学でもある。
① コミュニケーション能力の育成
保育者・教育者が,子ども・保護者・同僚および学校を取り巻く地域の人々と円滑にコミュニケーショ
ンできる能力を身につけることは現代的教育課題となっている。価値観が多様化し変動する現代社会
においては,他者の意見を冷静かつ的確にとらえ,自分の考えを含めた適切な対応のできるコミュニケ
ーション能力の育成は重要である。
② 異質なものを受容する能力の育成
現代社会は,情報化や国際化,ボーダレス化により,自分とは異なる異質なものとの共生が求めら
れる社会となってきた。そのなかで,子どもや保護者等が異質なものを受容する能力に欠ける場合,そ
れらを排除しようとする「いじめ」の問題や,自分自身を社会から隔離しようとする「不登校」「引きこも
り」といった問題へと発展する可能性がある。だからこそ,異質なものを排除することなく,受容する過
程のなかで共通点や相違点を見出し,新たな視点を創出する能力を育成していくことが重要である。
③ 地域・家庭文化の世代間継承支援能力の育成
近年,少子化,核家族化に伴って家庭内での子育て文化の継承がひずんだことにより,保護者の
育児ノイローゼや乳幼児虐待,非行が社会的解決課題となってきている。このような社会的現象は,
地域における子育て文化の継承が断絶されてきたことや,その断絶によって子どもと保護者が孤立し
てきたことによるものとして捉えることができる。
したがって,世代間で継承されるべき家庭・地域の優れた子育て文化を支援し,それを保育所・幼
稚園・学校の教育と相互補完的に結合させることは,次世代の教育を構築する上で欠かすことのでき
ない重要な視点である。
④ 教育実践力の育成
教育における実践力とは,与えられた知識をただ単に受け入れ,それらを子どもの教育に応用する
ことではなく,目の前にいる生きた子どもたちとの交流を通していま必要な教育的活動や配慮は何かを
確かな形で分析・把握し実践に移す能力である。
急激な社会変化に対応できるよう子どもたちが自ら意思決定をし,行動を選択することができるよう
援助するためには,教師自らがそのような実践的思考方法を修得することが重要である。そこで,地域
と密着した実習活動や企業における実習活動,そして国際的な実習活動を編成し,子ども,保護者,
地域での多様な体験的な学習を行うことにより教育実践力を修得させる。
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(4) 次世代教育学部・乳幼児教育学科の設置目的
従来の乳幼児期からの子どもの基本的な発達課題に沿った幼児教育論にとどまらず,わが国の未来
をになう健全な次世代を育てることができる保育者・教育者の資質形成をめざす。さらに現代的な子ども
の発達課題ともいえるコミュニケーション能力や異質なものを受容する能力を育成し,加えて,教育実践
力をもち,家庭や地域における子育て文化の世代間継承を支援することができる保育者・教育者の育成
をめざす。
(5) 次世代教育学部・学級経営学科の設置目的
児童期における「学級」という「場」での適応・関係形成力は,その後の人生の集団における適応の基
礎となる。しかし,少子化,核家族化,情報化という急激に変動する社会の中で,子どもたちは前思春期
としての児童期に,人生の新しい社会制度の一場面である学校でさまざまな問題に直面している。一方で,
保護者,学校,地域・社会も「新しい不適応(学級崩壊・不登校・いじめ・非行・教師の不適応等)」という
問題を抱える状況にある。
「次世代教育学」においては,このような新しい課題に対する問題意識を基礎に,これらを実践的に解
決できる「教育者・指導者としての力量」をいかに形成するか,そしてこの「力量」が単に当面の問題解決
力だけではなく,次代のわが国の持続的な発展を支える力としていかに整合的に形成しうるかを理論的・
実践的に探求する。
そこで,持続的な社会発展を展望した新しい実践的課題(不適応問題等)に真正面から取り組む「学
級経営学科」を設置し,変化の激しい時代に対応しうる柔軟で輝きのある学校・学級を創造する実践教
育力と学級経営力(認識・判断とスキル)の獲得をめざす。
また,学校を取り巻く人間・社会・家庭・自然との諸関係を新しいフレームとして再構築するため,特に
教育者に必要な「関わる力」を理論的・実践的に鍛え,もって次代をになう主体的な「個」としての子ども
の成長と自立を支援できる教育者の育成をめざす。併せて,教員免許を取得する上で必要な科目の教
科の指導法に関する科目等の実践的な教育指導・研究を推進し,基礎・理論系科目と応用・実務系科
目とが有機的に連携をもって教育効果をあげる。
<学級経営学科における英語教育の必要性>
次代をになう子どもたちが広い視野を持ち,また国際交流や異文化理解のために国際的共通語であ
る英語のコミュニケーション能力を身につけることは非常に大切である。また,文教施策として「『英語が使
える日本人』の育成のための戦略構想」による様ざまな取り組みが実践されており,そのためにも実際に
次代をになう子どもたちに生きた英語を教授していく資質をもった英語教員の育成は重要である。特に,
小学校における外国語学習や,英語教育に重点的に取り組む「スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハ
イスクール」も計画的に増大していることから,学習者のモティベーションを高揚させる能力をもち,さらに
「国際感覚があり,英語が話せて,文化背景を理解したうえで英語をきちんと教えられる」英語教員はま
すます求められる状況にあるといえる。 そこで将来の児童英語の教育の場の拡充を見据えて,英語教
育に従事することをひとつの進路として選択させる。
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2.大学,学部,学科等の特色
(1) 大学の教育目標
次代をになう若者たちに教育面・社会面で日本が果たす役割を考えさせていくためにも,本学の全学
科にわたる専門基礎科目として国際性を育む教育科目群(国際性の理解)を配置し,生きたコミュニケ
ーション能力とイングリッシュリテラシー能力を修得させることで,現代人としての国際感覚を涵養する(国
際教育)こと,あわせて豊かな人格と個性を磨き(個性教育),専門領域の基礎となる教育研究分野や
取得資格や職業に必要な専門分野の学修・実践的な教育研究を通して,深い専門性と実践力を修得
する(実学教育)ことで,バランス感覚をもった実践力のある国際人・専門職業人を世に送り出す。
また本学では,本法人の組織として海外で直営するインターナショナル・パシフィック大学(在ニュージ
ーランド)との強固な連携のもとで,学生の海外インターンシップやクラブ活動の遠征時,海外研修等の
積極的な取り組みや,地域住民との国際交流の促進,公開講座の実施等,地域交流を含めた幅広い
範囲での活動も視野に入れる。
<教育目標>
バランス感覚をもった実践力のある国際人・専門職業人の育成
A.国際教育:地球的視野の醸成目標
①グローバルマインド ②コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能力 ③協働の精神 ④立脚点のある国際人
B.個性教育:豊かな人格と個性を磨く育成目標
①多面的なアプローチ ②豊かな教養 ③知識と技術のバランス ④自立と自律
C.実学教育:深い専門性と実践力の養成目標
①本質を見抜く力
②質の高い教育専門力 ③「生きる力」を育む実践力 ④対話力
(2) 体育学部 体育学科の特色
本学部本学科では,スポーツ界の国際化,超少子高齢化社会の到来による健康・スポーツに対する
社会的ニーズに応えるために,豊かな科学的知識と実践力,コミュニケーション能力や国際感覚を身に
つけ,社会のリーダーとして活躍できる体育・スポーツの専門家を育成する。とりわけ,就職を意識した人
材を育成するために以下の4つのコースを設けることとする。
① 競技スポーツコース
このコースでは,トップアスリートの育成を目指すとともに,将来コーチとして活躍するための資質と能
力の育成を目指す。特にコーチの育成に関しては,コーチングの科学的知識を実践に生かすことがで
きるようにフィールド・ワークでの臨床的実践を徹底的に重視する。
② スポーツ医科学コース
このコースでは,スポーツ医科学的知識を実践に移して活動する有能なトレーナーや健康運動指
導士を育成する。特に前者は競技スポーツとの関連が深いため,「競技スポーツコース」との関わりを
重視する。また,後者は,地域での多世代の人びとを対象としたスポーツ指導との関連が深いため,
「コミュニティスポーツコース」との関わりを重視する。
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③ コミュニティスポーツコース
このコースでは,各種のコミュニティスポーツ事業をはじめとして,健康スポーツ教室,スポーツ用品製
作・販売,スポーツメディア,スポーツイベント企画等のスポーツ関連産業で活躍する有能な人材を育
成する。主としてスポーツインストラクター,スポーツジャーナリスト等がターゲットとなる領域である。
④ 健康・スポーツ教育コース
健康・スポーツ科学を学校での保健体育指導に統合して実践できる有能な教師の育成をめざす。
今日,専門科学志向の教師教育のあり方が問題視されているが,このコースでは,計画・実践・反省
のサイクルによって実践力を備えた有能な教師を育成する。
(3) 次世代教育学部 乳幼児教育学科の特色
本学部は,現代社会と次世代とを結ぶ諸問題への深い理解と展望をもち,社会改革に貢献できる自
立した教育者,保育者,指導者を育成することを目的とする。とりわけ,幼保一元化,保幼小の連携を視
野に入れ,保護者・地域支援を重視しながら,乳幼児,児童一人ひとりの心身の発達に応じた保育,教
育,心理を統合的に教育研究する。
このような次世代教育の基本理念・目的に立脚して,異質なものを受容し,家庭・地域における世代
間継承を実現させることで,保育者・教育者と子ども,保護者,高齢者等を含めた,今を生きる人びとと
のコミュニケーションを豊かにし,次世代を育む教育科目を編成する。
① 国際的な視野からの教育実践力の修得
次世代の教育に携わる保育者・教育者・指導者は,わが国の社会が抱える教育諸問題を的確に理
解し,同時に国際社会の乳幼児教育の現状や課題に柔軟に対応することが必要である。
そこで,ニュージーランドのキンダーガーテンやプレイセンターでの海外研修等を通して,その実態を
認識・把握することにより多様な教育文化を理解し,それらの国々の子どもたちと触れ合う機会を準備
した実践的・科学的カリキュラムのもとに,次代の新しい乳幼児教育の構築をめざす。
② 次代をになう子どもの育成をめざしたカリキュラム
次代をになう子ども像として,自らの力で判断・行動できる課題解決能力のある子どもを育てることを
目標とする。そのために,自律した課題解決能力のある子どもの育成にあたる資質と能力を形成するこ
とのできるカリキュラムを構成し,「コミュニケーション能力」や「異質なものを受容する能力」を育成する
とともに実践的能力の涵養をはかる。
③ 保幼小の連携教育をめざすカリキュラム
次世代の教育に携わる保育者・教育者・指導者は,近年の乳幼児教育と義務教育とのカリキュラ
ム構成の段差に対応する能力が必要である。
そこで本学科では,乳幼児教育の分野だけでなく前思春期の発達課題までも一貫してサポートでき
るような幼児教育者と,同時に小学校教師の育成を図るため,各種実習系科目を通して,保幼小連
携教育の強化をめざす。
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④ 地域・家族への子育て支援をコーディネートできる力を育成
次世代の教育に携わる保育者・教育者・指導者は,保育所や幼稚園での子どもや保護者へのサポ
ートにとどまらず,地域社会の人的資源や社会資源を活用できるコーディネーターとしての能力が不可
欠となる。そこで,地域・家庭文化の世代間継承支援能力の育成を図るとともに,多様な社会変化に
適切に対応できる教育実践力の育成を図る。
(4) 次世代教育学部 学級経営学科の特色
学校は,いま新しい時代の渦中にあっていかにその機能を発揮できるかという深刻な課題に直面して
いる。とりわけ,実践指導力のある教師を,との願いは現代社会に拡がっている。
そこで本学科では,この課題を真摯に受け止め,教育者に必要な,子ども,家庭,社会に開かれた「関
わる力」を重視した実践教育力・学級経営力の獲得を追究する。そのため,本学科は次の三つの角度か
ら「関わる力」,すなわちコミュニケーション力を備えた教育力・学級経営力を育成する。
① 発達論的アプローチ
児童をとりまく急激な環境変化(少子化,情報化,国際化,環境問題等)との関係のなかで学校の
存在価値を再編・再構築していく必要に迫られている。児童の成長・発達と環境変化との関係を結ぶ
中核的な場としての「学級」において,教師として児童と環境の双方と「関わる力」「コミュニケーションで
きる力」を本質的理解とスキルの両面から育成する。
② 臨床心理学的アプローチ
前思春期としての児童期の発達は,いわゆる「学級崩壊」「不登校」「いじめ」等,現代日本社会は深
刻な課題に直面している。今日の急激な環境変化のなかで児童の心が前思春期の段階ですでに新し
い「揺れ」のなかにあることをふまえ,大学内外の教育・研究と体験的学習により,思春期と青年期の
個としての自立過程を見通した児童期の心の発達,とりわけ児童の感情やものごとの理解を表現し,
他者と関わるコミュニケーションの本質とスキルの獲得をめざす。
③ 社会システム論的アプローチ
これまでの学校は,家庭・地域との連携が重要な課題であるとされながらも,その関係性の再構築
はしきれていない。
そこで,今日の学校を取り巻く環境変化に対応して,いかに新しい学校・学級内外との関係を再構
築できるかという教育学的・社会学的課題の解決をめざす。さらに,学校・家庭・地域・世界という「場と
してのつながり」および学校・福祉・司法・医療等「機能としてのつながり」という学校と社会の関係性を
学び,それらが交錯する「学級」を中核として,それら「場」・「機能」の双方と情報のみならず行動連携
ができるような「関わる力」「コミュニケーションできる力」の理論的・実践的理解とスキルの獲得をめざ
す。
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3.大学,学部,学科等の名称および学位の名称
(1) 大学名称
本学の設置には,次のような構想が背景にある。1989(平成元)年 8 月,環太平洋圏各国の大学や
教育機関等で活躍している識者が集い,ハワイ(ホノルル)にて「International Pacific University(以下「I
PU」と称する)カリキュラム委員会」が開催された。これは,環太平洋圏各国の青年達に国際的な教育
の機会を提供することを目的に,太平洋圏各国の大学で傑出した教育に係わる制度と技術,思想と知
識を組織的に凝縮した大学をめざし,国境を越えた教育ネットワークの重要性が再確認されたものである。
また,同委員会では,人種や国境を越えた「太平洋・人」,さらには「地球・人」として,教育・スポーツ・ビ
ジネス・文化等の領域を通して,お互いを深く理解し合える若者の育成を基本理念に掲げた。
この理念を実現するため,各国でのインターナショナル・パシフィック大学の開学に対する支援や各大
学との共同体制の確立を促進し,域内における学生交流,教員交流,海外インターンシッププログラム等
を促進し,ひいては大学間の単位互換を可能にする体制を速やかに構築していくことを目標にしている。
大学教育のネットワーク化を推進する「IPU構想」の先駆けとして,環太平洋のなかでも特筆できる高い
教育水準を誇り,加えて教育・自然環境ともに恵まれたニュージーランドで 1990 年に同国内初の私立
大学として設立されたのが,インターナショナル・パシフィック大学(IPC)である。
次いで,本学の開学により,「IPU構想」は第2ステージへと突入し,環太平洋地域における大学の更な
るネットワーク化により,各国大学間の教育研究に関する相互交流も促進され,大学教育の質的グロー
バルスタンダードをカリキュラムとして構築していくことで,大学における真の国際教育の実現をめざす。
この連携推進の目標を明確にするために,大学名称を「環太平洋大学」とし,英語表記を
「International Pacific University」とする。
(2) 学部,学科,学位名称
① 体育学部 体育学科
「 体育学部 」 〔英語表記 ( Faculty of Physical Education ) 〕
「 体育学科 」 〔英語表記 ( Department of Physical Education ) 〕
学位に付記する専攻分野
「 学士 ( 体育学 ) 」〔英語表記 「Bachelor ( Physical Education ) 」 〕
② 次世代教育学部 乳幼児教育学科・学級経営学科
「次世代教育学部」〔英語表記 「Faculty of Education for Future Generations」 〕
「乳幼児教育学科」〔英語表記「Department of Early Childhood Education」〕
「学級経営学科」〔英語表記「Department of Classroom Management」〕
学位に付記する専攻分野
「学士(次世代教育学)」〔英語表記 「Bachelor ( Education for Future Generations)」〕
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4.教育課程の編成の考え方および特色
(1) 教育課程の編成の考え方および特色
教育課程は,両学部において共通する「教養科目」と,各学科でそれぞれ編成する「専門科目群(専
門基礎科目,コア科目,実技・実習,インターンシップ,ゼミナール)」とによって構成される。
① 教養科目
ア.教養科目は,全学部共通とし,「語学と基礎技能の理解」,「人間の理解」,「自然の理解」,「社会
の理解」の4区分で編成する。
イ.教養科目は,語学・基礎技能と人文・自然・社会に関する諸科目で構成し,人間とそれを取り巻く
文化的・自然的環境への理解を深め共感を抱くこと,また自己啓発意識を育てることを目標とする。
ウ.以上により,基礎となる理論,技術の修得を通じて今後の学修の基礎を涵養する。
② 専門科目群
ア.体育学部体育学科の専門科目群は,「専門基礎科目(体育学,指導・教育に関する理解,国際
性の理解)」,「コア科目(競技スポーツ,スポーツ医科学,コミュニティスポーツ,健康スポーツ教
育)」,「体育実技」,「教育実習」,「インターンシップ」,「ゼミナール」の6区分で編成し,設定された
4コースごとにコア科目を設定する。
イ.次世代教育学部乳幼児教育学科の専門科目群は,「専門基礎科目(次世代教育学,指導・教
育に関する理解,文化に関する理解,心理・社会学,国際性の理解)」,「コア科目(子どもと環境,
子どもの発達,保育・幼児教育に関する理解)」,「保育実習・教育実習」,「インターンシップ」,「ゼ
ミナール」の5区分で編成する。
ウ.学級経営学科の専門科目群は,「専門基礎科目(次世代教育学,指導・教育に関する理解,文
化に関する理解,心理・社会学,国際性の理解)」,「コア科目(子どもと環境,学級経営に関する
理解,教育実践の理解)」,「教育実習」,「インターンシップ」,「ゼミナール」の5区分で編成する。
エ.特に全学科にわたる専門基礎科目として「国際性の理解」に関する科目区分を設定し,「時事英
語」,「国際関係論」,「多文化教育論」,「異文化コミュニケーション論」,「比較文化論」,「上級英
語」,「上級オーラルコミュニケーション」等の科目を配して専門科目の基礎を築くとともに,地球的な
視野と国際感覚を涵養する。
オ.教育課程は,各授業科目を必修科目,選択科目に分け,これを各年次に配当して編成する。
③ 教職課程
教職課程を学科ごとに別置し,教員免許の取得を希望する学生に対して選択履修させる。
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(2) 特色ある科目構成
① 国際的,社会的,次世代教育的側面から人間をとらえる科目群
「国際体育論」,「異文化コミュニケーション論」,「多文化教育論」,「地球環境問題」,
「次世代保育・教育学総論」,「保育・教育実践学総論」,「教師コミュニケーション論」,
「健全育成論」,「子どもの成長と社会システム」,「キャリアデベロップメント」等
この科目群は,現代の日本が置かれている国際的な立場を理解し,次世代をになう若者に社会面,
教育面で日本が果たせる役割を考えさせる科目群である。
② 心理的・環境的な側面から人間,教育をとらえる科目群
「母性と父性の心理・社会学」,「子どもと多文化環境論」,「世代間継承と家族支援」,
「子どもの心を開くコミュニケーションスキル」,「家族関係の教育力」,「保育士・教師のための心理学」,
「子どもの表現と発達」,「子どものこころ(乳幼児発達心理学)」,「子どものこころと絵本」等
この科目群は,心理面から児童・生徒を把握させる科目群であり,教育相談を行う際においても
必要な科目群である。
③ 学級経営的側面から学校教育をとらえる科目群
「学校と社会」,「学校と多文化理解」,「学級経営実践論」,「学級経営実践問題」,「学校・学級文
化の受容力」,「家族病理論」,「学級行事運営実習」,「教育経営理論・実習」等
この科目群は,学級崩壊やいじめ,不登校等さまざまな問題を抱えている現在の教育現場において
子どもの成長を支える教育者の「関わる力」を重視した,実践的教育力と学級経営力(認識・判断と
スキル)を修得するために必要な科目群である。
④ 地域社会との交流を深めるための科目群
「岡山学」,「生涯学習と地域づくり」,「地域ボランティア実習」,「地域社会学」,「家庭・地域間コミ
ュニケーション論」,「コミュニティスポーツ論」,「生涯学習論」等
この科目群は,地域特性の理解,地域づくり,地域参加向上をはかる取り組み等について積極的に
参画し,地域社会との交流を深めるために設定したものであり,この講義,演習ならびに実習によって
大学・地域間交流の実をあげる。
⑤ 地域住民の健康増進ならびに生活の質向上に貢献する科目群
「スポーツイベント運営実習」,「ボディコンディショニング」,「健康管理概論」,「サプリメントと健康」,
「幼児スポーツ論」,「スポーツ障害論」,「食育論」,「子育て論」,「余暇論」等
この科目群は,地域,住民の健康増進,生活の質ならびに体力向上をはかる取り組み等に参加す
ることによって地域の住民福祉への一助とするために設定したものである。
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5.教育方法,履修指導方法および卒業要件
(1) 教育方法
① 理論と実践の統合
ア.講義―演習―実習 の系統化と反復による定着化
イ.科目内での理論と実践の統合
ウ.実践を重視した,各論から入って総論でまとめ上げるというアプローチ
エ.教育研究をとおした地域社会への還元
② 演習および実習等における少人数教育
「上級英語 A・B」や「上級オーラルコミュニケーションⅠ(発展)・Ⅱ(実践)」やゼミナール等演習科
目や各実習科目,および教育実習の事前事後指導等については,個々の学生のレベルに応じた少
人数クラス編成による教育を行うことで,教育効果を高める。
③ シラバスの作成と授業研究の自己点検
シラバスの作成においては,授業科目の主題とその目標を明確にし,授業の目的,内容,方法が
学部設置の趣旨,学科の教育目標,教育課程のねらいと合致するように構成されているか否かに
ついては,前述の「実践教育研究センター」にて等の一環として定期的に点検・指導を行う。特に,
オムニバス形式で授業を実施する場合は,担当教員間で授業計画・方法・評価等の全体にわたり
確認を行うことで指導ポイントを明らかにし,共通認識をもって指導にあたるものとする。
このような観点から,授業に対する自己評価・相互評価を行い,評価の結果を次年度の授業計
画・内容・方法に反映させ,教員が相互に他科目の授業と関連付けて講義をすることで,全学あげ
て授業の改善を推し進めるものとする。
(2) 履修指導方法
① 履修方法 (二学期制による単位の授与)
本学では教育効果の観点から,前期・後期の二学期制を採用し,各期の終わりに学修内容を確
認し,それぞれ成績を評価する。なお,履修科目として年間に登録することができる単位数の上限
は,免許および資格科目を除き,48 単位とする。ただし,上限を超えて科目を履修する特別な事
情がある場合は,教授会の議を経て,学部長がこれを認める。
② 単位時間数
ア.講義,演習および講義・演習については,15 時間の授業をもって 1 単位とする。
イ.実験,実習および実技については,30 時間の授業をもって 1 単位とする。
ウ.学外実習等については,1 週間の授業をもって 1 単位とする。
エ.面接授業の講義および演習については,15 時間の授業をもって 1 単位とする。
オ.面接授業の実験,実習および実技(メディアを利用して行う授業を含む)については,30 時間を
もって 1 単位とする。
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③ 授業時間
授業の形態は,1 コマ・90 分(2時間)を原則とする。
(3) 卒業要件
① 体育学部体育学科
教養科目より必修科目を含む 26 単位以上を修得し,専門科目群である専門基礎科目から必修
科目を含む 34 単位以上,コア科目から 36 単位以上,体育実技から 8 単位以上,教育実習,インタ
ーンシップおよびゼミナールから 8 単位以上を修得し,合計 124 単位以上修得する。なお,自由科目
のうち 12 単位までを修得単位として卒業要件単位に繰り入れることができる。
② 次世代教育学部乳幼児教育学科
教養科目より必修科目を含む 38 単位以上を修得し,専門科目群である専門基礎科目から必修
科目を含む 42 単位以上,コア科目から必修科目を含む 36 単位以上,保育実習・教育実習,インタ
ーンシップおよびゼミナールから 8 単位以上を選択し,合計 124 単位以上修得する。
③ 次世代教育学部学級経営学科
教養科目より必修科目を含む 38 単位以上を修得し,専門科目群である専門基礎科目から必修
科目を含む 42 単位以上,コア科目から 36 単位以上,教育実習,インターンシップおよびゼミナール
から 8 単位以上を選択し,合計 124 単位以上修得する。
④ 次世代教育学部学級経営学科(通信教育課程)
教養科目より必修科目を含む 38 単位以上を修得し,専門科目群である専門基礎科目から必修
科目を含む 30 単位以上,コア科目から 56 単位以上を選択し,合計 124 単位以上修得する。
(4) 学位の授与
学部を卒業した者に対して,学士(体育学),学士(次世代教育学)の学位を授与する。なお,学位が
授与された者が学位の名称を用いるときは,本学の大学名を付記する。
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6.施設,設備等の整備計画
本学は2つのキャンパスから構成し,施設・設備は,年次整備計画に基づいて逐次進める。
(1) 校地,運動場
校地面積 203,949.52 ㎡ (うち運動場は 27,569.00 ㎡)
① 岡山第1キャンパス (岡山市瀬戸町観音寺 721 番地)
校地面積: 68,743.80 ㎡ (運動場[第 1 グラウンド]:17,897.00 ㎡)
② 岡山第2キャンパス (岡山市矢津 2050 番地 13)
校地面積: 135,205.72 ㎡ (運動場[第 2 グラウンド]: 9,672.00 ㎡)
なお,学生の休息施設については,屋内施設としてカフェテリア3か所(第 1 キャンパスに2か所,
第2キャンパスに1か所)を有するほか,クラブハウス,寄宿棟がキャンパスに隣接して整備されている。
(2) 校舎等施設
校舎面積 13,385.18 ㎡
教室については,大講義室2室と 16 室の講義室,演習室 8 室,その他,実験室 3 室,実習室 12 室,
情報処理技術習得のための情報実習室 2 室の整備を計画し,年次を追って改装を行う。
① 岡山第1キャンパス
建物面積: 11,444.55 ㎡ (校舎・食堂,うち体育館[第 1 体育館]:1,714.48 ㎡)
実習・研修棟建物面積:1736.71 ㎡
実習棟:1,012.62 ㎡ [実習室4室・ダンス室] 研修棟(附属建物):724.09 ㎡
② 岡山第2キャンパス
建物面積:
4,317.91 ㎡ (校舎・食堂,うち体育館[第 2 体育館]:1,394.92 ㎡)
(3) 図書館等の資料および図書館の整備計画
図書館については,各キャンパスにそれぞれ整備し,本学として2か所を設置する。
第 1 キャンパスにおいては,本館1階の既存図書館の閲覧室を拡張し,通信教育課程の学生を含め利
用に供することができるよう整備する。また,第2キャンパスにも図書館を設置し,閲覧室を確保する。
蔵書は,開設当初には,教養・一般,体育,英語系図書を基本に約 30,000 冊が整備されており,こ
れに加えて,図書 6,000 冊,学術雑誌,電子ジャーナル合わせて 32 種,視聴覚教材 680 点の架蔵を
計画している。以降,年次整備分として,第2年度 2,000 冊,第3年度に 2,000 冊を増置し,最終年度
開始時までに,蔵書 40,000 冊,雑誌 60 種,視聴覚教材 800 点を整備する。
特に,図書館業務については,専任の図書館司書を配するとともに,検索機能を有する蔵書管理シス
テムを導入し,学生,教員等,来室者のレファレンス・研究の便をはかる。
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7.入学者選抜の概要
(1) アドミッションポリシー
本学が掲げる教育理念の実現にむけ,各学部学科の教育目的に応じた入学者選抜方針に基づいた
選抜を行う。とりわけ,現代社会において,人間に生きるエネルギーと意欲を与えるのは,「夢」や「希望」
であり,これにより人間は向上心をもって前向きに生き,社会に参画することができる。次代をになう若者
として,「夢」や「希望」を強くもち,周囲の人々にも「夢」や「希望」を与えられる人材を受け入れる。
<入学選考における重点項目>
① 教育者・指導者としての資質
・教育者としての情熱・意欲・品性にあふれ,明朗活発かつ素直で謙虚な姿勢をもった,改善・改
革を率先垂範できる者
・一定のレベルの学力を有し,教育・保育に対する目的意識や問題意識が明確な者
② 指導経験・達成経験
・努力して目標を達成した経験をもち,その価値を語れる力,あきらめずに難題・トラブルを克服した
経験,チームリーダーとしての経験をもった者
・一定の基礎学力を有し,次世代教育に対する高い関心を有し,幅広い視野にたって社会活動に
携わりたいという志をもつ者
③ 国際理解力
・学習習慣,基礎学力を備え,目的意識が明確で,かつ国際的な視野を備えた者
・独創性があり,自律的に学習し,国際的な視野を備え,語学力に秀でた者
④ スポーツ競技力
・特定の運動種目に秀でているとともに,スポーツの分野で特徴を生かした活躍が期待できる者
・国際的なセンスや行動力をもち,優れた学力と運動能力をもち,将来国際舞台での活躍とともに,
本学の活性化への貢献が期待できる者
(2) 学生募集方法
ア.本学を拠点に,北海道・東北エリア,関東・北信越エリア,東海エリア,関西エリア,中四国エリア,九
州エリアに区分し,入試広報スタッフおよび監督らによる学校訪問やリクルーティングを実施する。
イ.メディア媒体を使ったプロモーション活動により,オープンキャンパスや全国に拠点を置く本学園の設
置校での大学説明会・個別相談会を実施する。
ウ.本学および地方入試を実施する。
(3) 入学選抜方法
① 一般入試
② AO(アドミッショオフィス)入試
③ 指定校推薦入試
④ スポーツ特別入試
⑤ センター試験入試 (平成 20 年度より)
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8.自己点検・評価の実施に関する対応
本学では,自己点検・評価の実施を教育研究活動等の個性化や質的充実に向けた主体的な取り組み
として位置づけ,教育水準の向上や活性化に努めるとともに,その社会的責任を果たすものとする。このため,
開学年度より次の基準を考慮した大学運営を行うものとする。
(1) 大学評価基準に基づく評価
大学評価基準に基づき,本学の教育研究活動等の総合的な状況について,次の各項目に応じた評
価基準に達しているかのチェックを年度末に行い,整備・改善を行う。
①本学設置の構想,趣旨および学部・学科の教育目的
②教育研究組織(実施体制)
③教員および教育支援者
④教育内容および方法(教育課程編成上の課題,教養科目と専門科目の相互浸透性)
⑤教育の成果
⑥教育の質の向上および改善のためのシステム
⑦学生の受入
⑧学生支援
⑨施設・設備
⑩財務
(2) 教育活動を中心とした評価
教育活動を中心とした評価にも重点を置き,学生の授業アンケートや教員相互間での授業技術の研
究と改善状況を勘案しながら,教育活動の質の向上をはかることできるように,教員一人ひとりに自己点
検を促し,学期ごとでの整備・改善を行う。
(3) 各学部の個性の伸長に資する評価
本学の個性や特色が十分に発揮できるよう,教育研究活動等に関して各学部が掲げる養成する人材
像や教育目的を踏まえた評価ができるよう整備・改善を行う。
(4) 自己評価に基づく評価
第三者評価機関が示す大学評価基準,および別に定める自己評価実施要項に基づき,本学の自己
点検・評価機関である大学経営会議が評価を行う。
(5) ピア・レビューを中心とした評価
本学の教育研究活動等を適切に評価するため,本学の教育研究分野に関して識見を有する学識者
らよるピア・レビューを中心とした評価に対応できるよう整備・改善を行う。
(6) 評価結果の報告と学内外への発表
自己点検の結果を踏まえて毎年度末に自己点検評価を行い,その結果を本学の充実・向上に結実
させるとともに,社会の期待に応えるため,その具体的な方策を検討し,年次報告等を公表する。
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9.情報の提供
(1) 教育・研究情報の提供・実施方法
ア.本学教員の研究活動について,各自の所属する学会の学会誌への論文投稿を推奨し,掲載分に
関しては研究業績として評価する。
イ.本学における紀要『研究・創志』(仮称)を発刊し,本学教員の研究成果の発表の場を確保するとと
もに,全国にある同分野を持つ各大学・各図書館等関係機関へ送付する。
ウ.大学のホームページを開設し,大学の教育・研究活動の状況や課外活動について発信する。
エ.教員の教育・研究活動について,自己点検・評価を実施し,その結果を年次報告として公表する。
(2) 情報提供項目
① 大学情報
ア.大学ニュース
イ.大学企画行事
ウ.地域交流イベント,スポーツ教室
② 体育会活動情報
ア.体育会各部の活動
イ.クラブ試合予定・結果
ウ.スポーツクリニック・教室の案内
③ 生涯学習講座・公開講座情報
ア.公開講座情報を提供
イ.開放講座の紹介
ウ.科目等履修生用の大学授業科目・通信教育科目の紹介
④ 入試情報
ア.入試広報担当者によるリクルート活動
イ.市販入学情報誌による入学情報広告,本学による入学情報誌の発刊
ウ.大学ホームページ上での入学情報・入学結果の公開
⑤ 就職情報
就職情報に関しては,以下の方法にて,学生の就職の受け入れ先を開拓する。
ア.企業へのインターンシップ制を導入し,企業の職場,職務内容を事前に熟知させる
イ.ホームページ上での求人募集と求人申し込み受付
ウ.ホームページ上での求人結果と就職結果の公開
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10.ファカルティ・デベロップメントの推進
本学の教員の資質の向上にむけて「実践教育研究センター」を設置し,以下のFD施策を推進する。また,
同センターでは,定期的に授業技術の改善と新技術の開発に取り組み,結果を全学的なものとするため,
その度講習会や研修会等を開催することにより定着を促す。
(1) シラバスの精度向上
シラバスは,学生が授業科目の学修を主体的に進めるうえで必要な情報をまとめた“学習の手引き”
である。そこで本学では,学生への説明責任と結果責任を果たすという視点から,全教員が高いレベルで
シラバス作成にあたることができるように「実践教育研究センター」で指導・点検し,その精度を高める。
(2) 学生による講義評価
年に 2 回,各期の終期にすべての講義ごとに学生による当該講義アンケート調査(無記名)を実施し,
学生の満足度をはかる。その結果を教員の教育業績にも反映させ,教員本人にもフィードバックする。
ただし,その精度や統計上の問題点については十分考慮するものとする。
(3) 教員の自己点検,自己評価
全教員が各講義や研究および学務分掌等について,毎年度初めに,研究業績目標等を自己申告し,
学部長または学科長との個別面談において年間の教育目標を定めたうえで年度ごとの達成度をはかる。
(4) 教員の個人評価
教員の個人評価については,「大学個人評価委員会」において全学的視野にたった評価を行う。教員
個人はもちろんのこと,本学全体の教育力を総合的に評価するものとし,これを受けて,次年度に向けた
具体的な改善策を講じていく。 なお,個人評価は,教員の活動を「教育」,「学術・研究」,「組織運営」
および「社会貢献」の4領域に分類し,それぞれの領域における活動について総合的に行うものとする。
(5) 講義技術向上ワークショップ
年間 2 回,指導技術の向上に焦点を絞ったワークショップを開催し,講義評価の高い教員や,民間教
育機関の人気講師を招く等して,学修意欲を促進させる講義の技術について定期的に研鑽を行う。
(6) 他大学,教育機関,企業との連携,交流活動
他大学,教育機関の FD 活動について情報収集・情報交換しながら,学内活動に反映させていく。また,
教員が率先してインターンシップ先の開拓や地元企業・団体との連携等に取り組み,教員側もより高度の
社会性・社交性を身につけ,結果的に学生との深い信頼関係が構築できるよう取り組む。
(7) 海外教育機関との人材・学術交流
ニュージーランドのインターナショナル・パシフィック大学を中心に,カナダ,オーストラリア,アメリカ,中
国等の諸地域との連携を強め,人材・学術交流を推進する。
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