2行要素データ 定常運用を終了し停波したSEMは自ら電波を発していないため、従来の電波追跡 手段である新GNネットワークによる追跡では軌道状態の把握は不可能です。この方 法に代わって、地上(あるいは宇宙)をベースとした宇宙物体/スペース・デブリの計 測がいくつかの機関でなされており、それらの情報を収集して軌道情報を把握しま す。 個別の宇宙物体に関する情報に関しては、米国宇宙防空司令部の衛星カタログに 基く2行要素データ(Two Line Elements ; TLE)の情報を提供するデータベースが NASA GFSC等を始めとするいくつかの機関から提供されております( http://www.celestrak.com/,http://www.space-track.org/perl/login.pl 等を参照)。最 も信頼のおける情報はNASA GFSCの提供するもので、約8000件の宇宙物体情報の うち約4500件がインターネット等で情報公開されております。 2行要素データのフォーマットを図に示します。 2行要素データは3行から成り、 1行目 : 衛星名(11文字以内) 2行目 : 01 カラム : 2行要素データの行No. (1) 03 - 07 カラム : 衛星番号 08 カラム : 分類(u = 非識別) 10 - 11 カラム : 国際識別番号(打ち上げ年の下2桁) 12 - 14 カラム : 国際識別番号(その年の打ち上げ数) 15 - 17 カラム : 国際識別番号(打ち上げ順記号) 19 - 20 カラム : エポック年(西暦年の下2桁) エポック(年初からの通算日 + 日の初めからの経過時 21 - 32 カラム : 間(日) 34 - 43 カラム : 平均運動(mean motion)の1階時間微分 平均運動(mean motion)の2階時間微分(小数点以下 45 - 52 カラム : を表現) 54 - 61 カラム : 大気抵抗項(小数点以下を表現) 63 カラム : エフェメリス・タイプ 65 - 68 カラム 69 カラム 3行目 : 01 カラム 03 - 07 カラム 09 - 16 カラム 18 - 25 カラム 27 - 33 カラム 35 - 42 カラム 44 - 51 カラム 53 - 63 カラム 64 - 68 カラム 69 カラム : エレメント No. : チェックサム (mod 10) : : : : : : : : : : 2行要素データの行No. (2) 衛星番号 軌道傾斜角 i (deg) 昇交点経度 Ω (deg) 離心率 e (小数点以下を表現) 近点引数 ω (deg) 平均近点離角 M (deg) 平均運動 n (周回数/日) エポックでの周回数(回) チェックサム (mod 10) と表現されます。軌道要素は、真の赤道面(true equator of date)と平均春分点 (mean equinox of date)からなる地球中心慣性座標系で表現された平均軌道要素で す。2行要素データは、特に決められた時間間隔でなく、宇宙物体の状態に関連して 必要に応じて随時更新されております。すなわち、大気抵抗も小さくマヌーバも実施し ていない宇宙機については週に1~2回程度、スペースシャトルのように高度変化が 大きく大気抵抗が予測しがたくまたマヌーバを行う宇宙機については日に数回、更に 再突入する大型物体のような特別な興味対象については特別な措置をとっておりま す。 以上 (c)Institute for Unmanned Space Experiment Free Flyer(USEF)
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