この証言書は、公聴会で提示 - Canterbury Earthquakes Royal

WIT.JACKSON.0001.1
この証言書は王立事実調査委員会の公聴会にて提示公開される。この証言書は、公聴会で提示公
開され同時に王立事実調査委員会の一般ウェブサイトに掲載されるまで、機密文書であるとする。
この証言書の翻訳は、特に専門技術用語において、直訳では無く、翻訳者の最大限の努力を尽く
した原文の解釈であるとする。
1908 年制定事実調査委員会法令に基ずく
王立事実調査委員会のカンタベリー地震による建造物倒壊原因事実調査
KOMIHANA A TE KARAUNA HEI TIROTIRO I NGA WHARE I HORO I NGA RUWHENUA
O WAITAHA(上記マオリ語訳)
マリアン
ジャクソン(Maryanne Jackson)の
CTVビルに関する証言書
公聴会:2012 年 6 月 25 日開始
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マリアン
ジャクソン(Maryanne Jackson)の
CTVビルに関する証言書
1.
私の名前はマリアン ジャクソンです。クライストチャーチ在住です。
2.
生まれてからずっとクライストチャーチに住んでいます。1991 年から(1997 年の前後四年
間を除き)現在まで、CTV(Canterbury Television)の受付として務めています。
CTV
3.
2011 年 2 月 22 日まで、CTVは、249 マドラス通り(Madras Street)のCTVビル(ビル)
の一階とニ階を使用していました。CTVへの入り口はビル全体の入り口とは別に、一階の
南東角にありました。
4.
受付デスクは一階にあり、CTV入り口の扉から約 6 メートル、南壁に面し東のマドラス通
りに向かって設置されていました。
2011 年 2 月 22 日以前
5.
2010 年 9 月の地震以後、ビルの中にいて安全だとは決して感じませんでした。一階にしか
いたくはありませんでした。二階にいる時は安心できませんでした。
6.
CTVの二階に続く屋内階段が受付からすぐ右に位置していました。余震があると、その階
段は内へ外へと振動しました。窓も内へ外へと振動しました。私は、大きな余震が発生した
時には必ずビルの外へ走り出ました。安全だと思えなかったからです。
7.
私以外にも、CTV職員の多くがビルの安全性を懸念しており、大きな余震があると外に出
るようにしていました。ジョー ギルズ(Jo Giles)は、2010 年 9 月の地震後、非常出口の方
角にある彼女の部屋の扉を、寒い日でも開けたままにしてありました。二階の販売部の若い
女性たちも安心できず、定期的にビルの安全性について不平を言っていました。また、2010
年 9 月の地震の後ビルに視察が入りましたが、各部屋ごとの視察が入っていないと皆が言っ
ていました。
8.
トラックがビルの前を通る度にビルは振動しました。このような振動は、9 月とボクシング
デー(12 月 26 日:Boxing Day)の地震後、特に二階でより顕著に感じられました。誰かが二
階の廊下を歩いている時、その床が震動するのが明らかにわかりました。
2
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9.
9 月とボクシングデーの地震の後、スタジオと販売部の部屋の壁に亀裂ができていました。
販売部の西壁にも亀裂があり、5mm程の大きさで隙間から外光がみられました。また、資
料保管部屋にも同じような亀裂があったと聞いていました。
10. 2010 年ボクシングデ―以後、ビルの窓三つが破損していました。これらの窓は、ビルの東側
のシェリー ワード(Sheri Ward)、ショーン ルーカス(Shawn Lucas)の部屋と、南側のド
ナ マニング(Donna Manning)の部屋の窓でした。私が知っている限りでは、CTVの職員
で、ボクシングデー後のビルの視察の事を知っている人は誰もいませんでした。CTVはこ
の時期(年末)休業しており、新年の仕事始めの時には視察を実施しているような人は誰も
見られませんでした。
11. 2011 年 2 月 22 日の地震の約一週間前、
ビルの管理者のジョン ドリュー氏(John Drew)が、
マリー ウッド(Murray Wood)との面会のため受付で待っていました。私は、ジョンに、ビ
ルの安全性を尋ね、数人の職員がビルが安全だと感じていない事を伝えました。ジョンが指
をさすような仕草をしながらこう答えました、「ドリルで穴を開けて、あちこちにコンクリ
ートをちょっと入れなきゃならない」。彼は非常に無関心な様子で、何も具体的な答えは返
ってきませんでした。私は、ビルの西側の壁の事を言っているのだろうと思いました。
隣接ビルの解体工事
12. フリューズ コントラクティング(Frews Contracting)による隣接ビルの解体工事中、CTV
ビルは振動しました。建物解体用の鉄球が使用され、鉄球が落とされる度にビルはひどく振
動しました。破損したコンクリートをトラックに投げ入れる時にもまたビルは振動しました。
スタジオは防音効果がなされているにも関わらず、工事の騒音が聞こえました。
13. 数人の職員がこの解体工事がビルを不安定にすると懸念していました。2011 年 2 月 21 日月
曜日、CTVの会長のニック スミス氏(Nick Smith)が外に出て、ビルの西壁の掘削作業を
している人たちに停止するよう言いました。ビルの振動の様子を懸念したからです。この場
面は、当日夜のCTVニュース番組のため録画されました。
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2011 年 2 月 22 日
14. 2011 年 2 月 22 日の地震が発生した時、私は受け付けデスクの横に立っていました。一階に
いたのは私だけでした。他のCTV職員は全員ニ階にいました。私はとっさに受付デスクの
上の棚の上部に摑まろうとしました。窓は内に外に揺れ、CTVのニ階への屋内階段も内に
外に揺れていました。騒音は恐怖極まりなく、ジェット航空機がビルの屋根に着陸するかの
ようでした。ビルが崩壊しようとしている感覚がありました。
15. 七から八秒の振動の後、外に出なければいけないと悟り、正面扉まで走りました。走り出す
前に私の鞄に目をやりましたが、取りに行く時間は無いとわかっていました。私が扉に向け
て駆け出すのと同時にすべての窓が内側に倒れはじめ、外に飛び出ながら、ビルが私の上に
倒壊すると思いました。私は、扉の端で打ったかもしくは扉を通り抜ける時に何かが落下し
てきたかで頭を負傷しました。
16. 私はマドラス通り(Madras Street)を真っ直ぐ渡りました。通りを四分の三ほど渡った時にわ
ずかに後ろを振り返りました。私の背後でビルが崩壊していくのが見えました。ビルが走る
私の背後から追いかけてくるかのように感じました。マドラス通りの反対側のブラックウェ
ルズ モーターズ(Blackwells Motors)の前で止まりました。おそらく数秒で道路を渡り切っ
たと思います。振り返るとビルは完全に倒壊していました。六階すべての階が落ち、瓦礫と
化し、ビルはぺしゃんこになっていました。
17. ブラックウェルズ モーターズの所で立っている間、大きな余震があり、マドラス通りとキ
ャッセル通り(Cashel Street)の南東角にあった教会(St.Paul’s Trinity Pacific Presbyterian
Church)の壁がマドラス通り側に倒壊しました。
18. その後、トム ホーカー(Tom Hawker)とペネロペ スペンサー(Penelope Spencer)がビルの
駐車場に立っているのが目に入りました。私は彼らに駆け寄りました。トムとペネロペはC
TV職員の誰がビル内にいたのか、停めてあった車で確認しようとしていました。ジョー
ギルズ(Jo Giles)、トム ホーカー(Tom Hawker)、そして私の車がビルの南壁沿いに停めて
ありました。車に大きな損傷はなく、多少のガラスや瓦礫をかぶっているだけでした。ジョ
ー ディダム(Jo Didham)の車は瓦礫の下に埋もれ、車両が見えなくなっていました。
19. 地震の時にビル内にいたもので生き残ったのは私だけです。二階にいた他の職員が生き残る
可能性は無いと察していました。瓦礫の後から職員皆が救出される事を願いましたが、誰も
救出されることはありませんでした。
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[署名]
マリアン ジャクソン(Maryanne Jackson)
[日付]2012 年 5 月 15 日
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