平成27年度 倉敷科学センター協議会 議事録

平成27年度
倉敷科学センター協議会
【日
時】平成27年4月22日(水)18:00~20:30
【会
場】科学センター研修室
議事録
【出席委員】森分委員,三島委員,佐藤委員,松岡委員,近末委員,八幡委員,
大﨑委員,野稲委員,中園委員
【欠席委員】富岡委員,片山委員
【事 務 局】藤原所長,藤田館長,河村主幹,三島主任,石井主任,樋口事務嘱託員
【傍 聴 者】3人
1 開会
(1) 挨拶
【事務局】平成27年度倉敷科学センター協議会を開会いたします。本日,片山委員か
ら御欠席の連絡をいただいております。また,他にまだ来られていない委員は遅れて
お見えになります。
協議会は現在11名の委員で構成されており,過半数6名以上が定足数となります。
ただいま,7名の御出席をいただき,定足数を満たしていることを御報告いたします。
また,充て職の交代による委員の交代が4件ありました。
なお,本日3人の傍聴者が来られています。
【会長】会長を務めさせていただきます,倉敷芸術科学大学の松岡と申します。よろし
くお願いいたします。
【所長】委員の皆様には,大変お忙しい中お集まりいただきまして,ありがとうござい
ます。この協議会は,今年度の倉敷科学センターの事業の大枠を決める大変重要な会
議ですので,皆様方の御意見をもとに進めていきたいと思っております。どうぞよろ
しくお願いいたします。
(2) 委員紹介
(3) 事務局紹介
2 報告および協議
(1) 役員選出について
(松岡会長及び富岡副会長が留任,議事録署名人に三島委員及び中園委員を選出)
(2) 平成27年度夏休み企画展の選定について
【事務局】今年の2月,株式会社林原様および株式会社林原メセナセンター様より市へ
貴重な標本を多数御寄贈いただきました。実際に寄贈を受けたのは,自然史博物館で,
335点と,トリケラトプス1点と聞いております。これらの寄贈標本には三葉虫や
アンモナイト,始祖鳥,昆虫などの化石,さらには,チンパンジーやジュゴン,カバ
の骨格など過去に限らず現生の動植物が含まれており,生命の誕生や進化についての
展示を構成することができる,たいへん価値の高いものです。夏休みの企画展には,
これらを展示したいと考えております。
また,大型恐竜ティラノサウルスの全身骨格組み上げ標本,竜脚類の大腿骨の実物
や足跡,プラテノドン全身骨格組み上げ標本,世界最大のアンモナイト,恐竜絶滅直
後に出現した大型鳥類,ガストルニス・ディアトリマの全身骨格組み上げ標本など,
誰でもいちどは名前を聞いたことがあるような標本6点も株式会社林原様より購入し
ます。
これらの貴重な標本を,今年の夏休みに展示を行い,市民の皆様をはじめ多くの方々
に御覧いただきたいと考えています。まず自然史博物館での展示が考えられますが,
自然史博物館の展示スペースに入りきらないものがあるため,科学センターの特別展
示室を会場とするとともに,エントランスホールにもいちばん大きなティラノサウル
スの全身骨格を展示することを検討しています。
展示案としては,メインテーマは「生命」とし,絶滅してしまった生命として恐竜
やアンモナイト,始祖鳥などを,今を生きている生命としてチンパンジーやオラウー
タン,カバなどの骨格標本を展示します。
併せて,生命の起源への探求として,惑星探査衛星などの話題の展示も行います。
この夏の企画展は,倉敷科学センターと倉敷市立自然史博物館の共催で行い,主会
場をライフパーク倉敷のエントランスホールおよび倉敷科学センターの特別展示室に
て開催する予定です。
昨年夏,倉敷科学センターでは,
「恐竜パーク2014」を開催しました。科学展示
室の入館者数としては記録を更新しています。その時大人気だったティラノサウルス
の動き鳴く模型を今年度も展示したいと考えております。今年度はティラノサウルス
の全身骨格組み上げ標本と併せて展示しますので,さらに相乗効果が期待できると考
えます。
今年度の企画展の選定につきましては,このような内容で御承認いただきたいとい
う形で提案をさせていただきます。よろしく御協議お願いします。
【会長】何か御質問,御意見等ございましたらお願いします。
【委員】資料1の恐竜の長さと高さが,他の資料と異なりますが,何か意味があります
か?
【事務局】これについては,確認がもれていました。どちらかが正しく,どちらかが誤
記となっていると思われます。確認して訂正いたします。
(長さ約12m,高さ4.1
m)
【会長】他に何か御質問等ございますか?
【委員】このような標本を御寄贈いただき,展示できるということはすばらしいことで
すし,子どもたちはすごく楽しみだと思います。
【委員】子どもたちは恐竜が大好きなので,すごく喜ぶと思います。泣いている子ども
も恐竜を見ると,泣きやむくらいです。
【会長】それではみなさん賛成ということでよろしいでしょうか?
【全員異議なし】
【事務局】ありがとうございました。まだ,こちらの案は自然史博物館と相談しながら
素案の段階を進めているところです。もっと良い展示の仕方や,来館者の方に対して
できることを増やしていき,より良いものにしていこうと考えています。みなさんか
ら御意見等ございましたら,ぜひ頂戴いたしまして最高の企画展を作っていこうと思
いますのでよろしくお願いいたします。
(3) 平成26年度倉敷科学センター事業報告について
【事務局】資料2以降,昨年度の事業実績の報告をさせていただきます。
資料2につきましては,具体的な入館者数等を挙げています。
まず資料2-1には,平成26年度の4月から3月までのそれぞれの展示室,プラ
ネタリウム,全天周映画の月ごとの入場者数を挙げています。昨年度の来館者数の合
計は178,411人でした。例年の平均が16万人前後なので,夏の企画展のおか
げもあり,非常に人数が伸びた年度となりました。
資料2-2には,特に平日は学習投映があり,学校団体が多く来られます。その内
訳を挙げています。傾向としては市内の小学校が概ね半分,県内の他の市町村の小学
校が半分,それから高知県や福山方面の小学校など,県外の入館者が例年通りあった
という結果がでています。昨年度は大学生の利用が伸びており,人数が450人と,
過去10年間と比べても多くなっています。このようなニーズが増えてきている分,
対応できるような講演会や講座ができればと考えています。
資料2-3には,展示室・宇宙劇場の開館以来の人数の推移を挙げています。夏の
企画展の記録が更新されたこともあり,例年に比べて多い年となりました。特に夏休
み企画展中の8月の入館者数については,46,903人と多くなっています。やは
り夏に来ていただけるかどうかが,年間を通しての入館者数の多少を左右しています。
いきいきパスポートは,市内の小学生が全員持っていて,パスポートを提示すると,
科学センターの展示室もプラネタリウムも無料で入館できます。平均して毎年約1万
人の児童が利用しています。あわせて今年度は,流域パスポートが配布されているの
で,倉敷市外からの利用も期待できる年だと考えています。
続きまして資料3は,各講座やイベントの人数の集計です。科学センターの事業は,
大きく分けて展示室,プラネタリウムや全天周映画を含む宇宙劇場,イベントやさま
ざまな講座,という3つの柱でできています。昨年度は展示室の利用が9万人を超え,
90,556人でした。宇宙劇場の利用が58,793人でした。そして,講座・イ
ベント等で来ていただいたのは29,062人でした。合わせて178,411人と
なっています。特に,毎年行っているイベントの中で大勢来ていただいているのは,
ゴールデンウィークに行うこどもの日スペシャルが2日間で6,730人,ライフパ
ークの集いのうち科学センターの催しの参加者が2,271人,岡山県内の学校や企
業,ボランティアの方にご協力をいただきながら行っている青少年のための科学の祭
典が2日間で8,786人,そして生涯学習課が行っているこどもまつりが692人
の方にご利用いただいています。
また,できるだけ幼いお子様にも科学の体験をしていただこうと行っているのが,
毎月第2土曜日と第4土曜日に行っているわくわく実験室,わくわく工作室です。毎
回概ね100人~200人,家族連れで幼いお子様が来られて,楽しんでいただいて
います。こちらの人数も少しずつ伸びてきていて,しっかり充実させていきたいと思
っています。天体観望会につきましては,概ね月に1回行っています。また移動プラ
ネタリウム・出前講座では,直接学校などへ出向き,解説をしながら科学の不思議さ
について学んでいただいています。
資料3-2ですが,夏休み企画展は35,747人の入館者がありました。ありが
たいことですが多い日は3,000人を超えることがあり,受付が大変なこともあり
ました。また,昨年度上映した番組などについて挙げています。
【会長】何か御質問,御意見等ございましたらお願いします。
【特に質問なし】
(佐藤委員が到着)
(4) 平成27年度倉敷科学センター事業計画について
【事務局】昨年度取り組んできたさまざまなイベントや講座などを,さらにしっかりと
充実させるべく,計画を立てております。去年,大勢来ていただき,
「初めて科学セン
ターを訪れました」という方が大勢いらっしゃったので,しっかりとリピーターの方
にも満足していただけるように,さらには新しい方にも広げていこうと思います。今
年度から備中地区を対象にした高梁川流域パスポートが配布されて新たに来ていただ
けるチャンスを得るので,しっかり満足して帰っていただき,また来たいと思ってい
ただけるよう,いろいろな科学講座やイベント,展示室やプラネタリウムを充実させ
ていこうと考えております。
年間入場者数は,過去平均して16万人台ですので,それを超える17万人には来
ていただこうということで,計画を挙げさせていただいております。
【会長】何か御質問,御意見等ございましたらお願いします。
【委員】今年度の事業で,例えば美星や鴨方との連携を具体的にどのように進めていく
か。平成27年度の具体的なプログラムを積極的にどんどん出していただいて,もっ
と大勢の方に来ていただけるよう提案していくべきだと思います。
いま大学生向けのプログラムがいろいろ計画されていると思うのですが,高校生と
も一緒にできるようなプログラムもあればおもしろいのではないかと感じました。
【事務局】ありがとうございます。ネットワークをしっかり組みながらやっていけたら
と思います。過去の実績からすると,やり方次第では20万人を超える方にも来てい
ただけるのではないかと思っております。先ほど言われました,高校生,学生の方が
しっかり関われる科学館が私も理想だと思っております。最近,いろいろな高校から
もインターンシップとして科学館の利用も増えておりますので,できる限り受けてい
くよう調整をしています。
【会長】他に何か御質問等ございますか。
【特に質問なし,承認】
(5) 平成27年度全天周映画上映作品の選定について
【事務局】全天周映画の選定につきましては、これから候補作品2作品を御覧いただい
てから,御協議をお願いします。職員の誘導に従って移動をお願いいたします。
(宇宙劇場に移動)
-宇宙劇場で全天周映画候補作試写-
(近末委員が到着)
(上映終了後,研修室に移動)
【会長】御覧いただいた2作品の中から,平成27年度全天周映画上映作品を決めたい
と思います。事務局の方お願いいたします。
【事務局】長時間にわたり,2本の映画を御覧いただきありがとうございました。今回
選定をお願いするのは,今年の7月から1年間上映する作品です。候補になる作品は
2社の業者から選ばせていただいています。資料5-1を御覧ください。
『ジャイアン
トパンダ』をはじめとするグループAと,『タイニー・ジャイアント』をはじめとする
グループBのセットどちらかを選んでいただきます。先ほどは夏休みに上映されるメ
インの作品,一日3回上映のうちの2回上映することになる作品の候補を御覧いただ
きました。全天周映画では,7月と8月で年間の観覧者の半分ほどを占めますので,
どちらを選ぶかが,年間の入場者数を大きく左右します。また,資料5-1から5-
2にかけては今回御覧いただいた作品の概要,科学センターの職員を対象に試写をし
た際の感想をまとめたものです。資料5-2の下側の表は,試写した作品の評価のラ
ンキングです。資料5-3は,近年の上映作品一覧です。全部試写したいところです
が,時間も限られていますので,御覧いただいた2本でどちらが科学センターで上映
するに相応しいか御協議をお願いしたいと思います。
【会長】それでは,順番に御意見をお願いします。
【委員】A番組,B番組について教えてください。
【事務局】夏休み中は一日に3回の上映がございますので,同じ期間に2作品を平行し
て上映します。そのうちどちらか1本が2回,もう1本は1回上映します。A番組と
いうのは2回上映する方,私が先ほどメインの作品と呼んだものです。
【委員】
『ジャイアントパンダ』はいろいろなテレビ番組で見ている気がする。動きも静
かな作品。『タイニー・ジャイアント』はあまり見たことがない映像で,動きもある。
後者の方が良いのではないかと思いました。
【委員】率直に言って今回驚きました。『タイニー・ジャイアント』は,まさにサバイバ
ルで激しいですね。小学生が見るには,保護者がハラハラドキドキしてしまうのでは
ないかと心配になってしまいました。ただ,
『ジャイアントパンダ』の野生保護という
言葉には,少し難しい概念が入っているので,それよりはサバイバルの方が直感的な
ので,分かりやすさからすると『タイニー・ジャイアント』だと感じました。
【委員】個人的には,
『タイニー・ジャイアント』はいろいろな角度から動物を捉えてい
ていい作品だと感じました。たくさんの方に来ていただくためには,パンダは,子ど
もたちが大好きでかわいいと思うだろうし,他の作品を並べてみたときに『アニマル
ライフ』は子どもたちが見たい作品なのではないかと思います。グループAの作品は
家族連れで楽しめるのではないかと感じました。
【会長】どちらかを選ぶとなるとどちらですか?
【委員】何を伝えたいかによって選ぶ作品は変わってきますね。作品の出来からすると
『タイニー・ジャイアント』だと思いますが,たくさんの方に見ていただくという視
点から考えると『ジャイアントパンダ』だと感じました。
【委員】『ジャイアントパンダ』は少し画質が悪いように感じました。『ジャイアントパ
ンダ』は,環境問題に対する主張が中途半端で,大事なところを避けてパンダだけを
全面に押し出した環境への取り組みなので,いまいちという気がしました。圧倒的に
『タイニー・ジャイアント』の方が,実写できちんとした映像であると感じました。
画面が全体的にすごく暗かったのが残念でしたが,どちらかを選ぶとなると圧倒的に
後者です。
【委員】
『ジャイアントパンダ』は残念ながら見てないので,コメントのしようがないの
ですが,かわいらしさを強調しているように思えます。
『タイニー・ジャイアント』は
途中から入らせていただいたのですが,引き込まれるような映像だと感じました。全
天周映画の効果的なところを上手く使われているような気がして,撮影技法もすごい。
引き込まれたので良いなと感じました。
【委員】私は圧倒的に『タイニー・ジャイアント』です。
『ジャイアントパンダ』は人間
主体の映像だったが,『タイニー・ジャイアント』は自然が主体。映像的に,とても貴
重なものだと思います。しかし,小学生の団体が多く来られることから考えると,『ジ
ャイアントパンダ』のパンフレットは,誰もが知っているパンダの作品だと分かりや
すい。
『タイニー・ジャイアント』のパンフレットは,見ただけで内容が理解できない
と思います。入館者の年齢構成から考えると,人を呼ぶには『ジャイアントパンダ』
にせざるを得ない。
【委員】丸いドームに映す全天周映画の特徴を生かしているのは,
『タイニー・ジャイア
ント』だと感じました。動物たちを実写であそこまで捉えているのはすごい。個人的
に見ていて楽しいのは『タイニー・ジャイアント』
。しかし,上映プランを見ると半年
しかないのがもったいない。今回は夏休みの企画展で恐竜など絶滅した動物を取り上
げていて,パンダも絶滅の危機に瀕している。掘り下げ方がもう少しかもしれないが,
企画展と通じる部分がある。科学館としては,パンダの方が人が入りやすいと思う。
『タ
イニー・ジャイアント』はもし今年上映できなくても,来年度以降に上映してほしい。
【委員】どちらにするかすごく揺れている。どちらも迫力があってよかったと思います。
幼児は集中力が短い。パッと見たときにパンダには,惹かれると思います。
『タイニー・
ジャイアント』については,じつは『ヒッコリーのきのみ』という絵本があって,リ
スがどんぐりを集めて冬を越すという,襲われたりはしないけれど,映画と同じよう
なお話がある。だから,興味のある子どもは『タイニー・ジャイアント』もしっかり
観てくれると思います。ワクワク,ハラハラ,ドキドキする映像で,家族で楽しむこ
とを考えると『タイニー・ジャイアント』の方が良いと思います。パンダは,テレビ
で見たことがある映像のような気がします。
【会長】
『タイニー・ジャイアント』はかなりレベルが高く,2年半かけて作成していて,