入院診療計画書 2004.2 月改訂 前立腺肥大症について どんな病気? 加齢に伴い肥大した前立腺が尿道を圧迫し排尿障害を生じさせ る病気です。症状としては頻尿、残尿の増加の他、尿路感染症な どの原因となり、ひどい場合は腎不全を生じることがあります。 薬物療法で効果が不充分であれば手術の適応となります。 どんな手術? 腰椎麻酔で尿道より内視鏡を入れ、電気メスで肥大した前立腺を 切除します。術後は止血のために膀胱留置カテーテルを置き、カ テーテルを脚に固定して牽引します。術当日はベッド上安静とな ります。血尿が強くなければ、翌日牽引を解除し歩行可となりま す。手術時間は約 1 時間です。切除した前立腺で悪性腫瘍の有無 などを検討します。 手術の後は? 手術日は絶食で点滴を行います。通常翌日より食事開始しますが、抗生剤などの点滴は術後1~2日目まで おこないます。術後2~3日で膀胱留置カテーテルを抜去します。 手術の合併症は? 前立腺は血流が豊富であるため、手術終了時には充分に止血を行いますが、術後再出血し、輸血が必要とな る場合があります。 数日の血尿は全例に認められますが、数週間は続く事もあります。発熱が生じることがありますが、通常は 数日で改善します。カテーテルの牽引による膀胱刺激がある場合、カテーテル抜去後の排尿痛が強いことも あります。 カテーテル抜去後は一時的に失禁が見られることがあり、神経因性膀胱のある場合は薬物療法が必要となる 事があります。 入院期間は?退院後は? カテーテル抜去後(術後 2 日目)に自然排尿可能なら退院できます。退院後は外来通院にて症状や血尿の改 善を確認します。 検査は? 膀胱尿道、腎臓の形態検査や採血検査、肺機能の検査を行います。 その他、心、脳血管系疾患や糖尿病、呼吸器疾患等のある場合は追加検査が必要となります。 また、退院前に膀胱尿道造影を行い術後の形態を確認します。 費用は? 平均総医療費 約 370,000 円 健康保険・国保 3 割 約 111,000 円 高齢・老人医療 1 割 約 40,200 円(1 ヶ月限度額) 2 割 72,300 円(1 ヶ月限度額)+総医療費の 1% 他に食事負担金 1 日 780 円、病衣代 1 日 100 円が御負担となります。高額医療の手続きをされますと、72,300 円と総医療費の 1%が差し引かれた金額が払い戻しされます。 医療費に御不明な点がある方は、新館 2 階医療相談室に御相談下さい。 病名は現時点で考えられるものであり、検査を進める上で変わることがあります。 20 年 月 日 近森病院 泌尿器科 高知市大川筋 1-1-16 TEL 822-5231 担当医師 担当看護師 患者・家族 近森病院 クリニカルパス委員会
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