近森病院 クリニカルパス委員会 ☆腹痛時の対応 痛みは排液がきれいになるまで続きます。排液をきれいにするため バッグ交換の回数を増やします。痛みが強ければ、病院に来てもら って施行します。またそれでも改善がなければ生食洗浄に移行します。 ★ 生食洗浄:看護師が特別な回路を使って生理食塩水で お腹の中を洗浄します。生食洗浄は朝、夕で行ない、 腹痛が改善しなければお昼も行います。 ☆食事について 腹痛/腹部膨満感など不快感があるので、消化の良い食品・補助 食品などをお薦めします。 腹膜炎では下痢する場合があります。状態に応じてお薬を調整しま すので看護師に相談して下さい。お刺身などは症状が落ち着くまで 控えましょう。 ☆日常生活や運動について 基本的に制限なく、筋力低下を予防するために普通に動いてもらう ことが基本です。出来ることは自分で行なうようにしましょう。 生食洗浄では充分な透析効果が得られないため 血液透析を行う場合があります。 ☆発熱時の対応 解熱剤は血圧低下・食欲低下などの副作用が起きるため使用でき ません。身体を冷やすことと、冷ました透析液を使用することで解熱 効果が得られます。 ☆清潔ケアー 腹痛の状態、カテーテル出口部に問題がなければ、毎日または隔日 で計画的に行なって下さい。シャワー浴・下半身シャワー・足浴 など。 ☆カテーテル出口部ガーゼ交換 カテーテル出口部に問題がなければ、毎日または1日おきに行ってください。 ☆患者さんへの指導や説明 病状の経過をみながらバッグ交換の手技やカテーテルの処置など の再指導を行います。自宅訪問で確認することもあります。 お食事やお薬についても経過を見ながら再指導を検討します。 ☆在宅支援関係者 訪問看護・ヘルパーステーションとの連携 退院後の治療経過が円滑に進むように情報の提供、交換を 密にします。 ☆治療費について 総医療費は約250~60万です。 腹膜透析の方は特定疾病・身体障害者手帳及び更生医療の適応 のため申請された方は負担金はありません。なお、保険適応外の 材料は自己負担になります。 近森病院 透析外来 CAPD室 高知市大川筋1丁目1-16 ℡ 088-822-5231 20 年 月 日 透析外来 主治医: 近森正昭 CAPD専任Ns: 後藤 ・光平 ・ 下元 患者・家族 近森病院 クリニカルパス委員会 #CAPD腹膜炎について 1)現時点で考えられる病名と病状 病名:腹膜炎 病状: 白血球が増えるのは お腹の感染症が考えられます。 腹痛・吐き気・嘔吐・下痢・発熱 を起こすことがあります。 2)主な治療法の説明 方法: 抗生剤投与(ばい菌をたたく薬を投与します) 予定日時: 年 月 日から2週間を予定しています。 内容: 点滴と筋肉注射の抗生剤を2種類投与します。 アレルギーのある薬剤がありましたらお知らせください。 腹痛が強い場合、ばい菌の種類によって腹腔内の生食 洗浄を行なうことがあります。 その場合、一時的に血液透析を行うこともあります。 結果予想:細菌による腹膜炎は1週間から10日で安定した状態になり ます。 まれに起こりうる合併症:セフェム系抗生剤による吐き気、けいれん アミノグリコシド系抗生剤によるめまい、難聴、 手足のしびれ など ☆CAPDバッグ交換と記録について 腹膜炎発生時、まずは2~3回洗浄を兼ねてバッグ交換を行います。 その後3時間毎に行います。 例: 13時、16時、19時、23時 混濁の状態によってバッグ交換の回数を調整します。 入院の場合: 病院では看護師がバッグ交換を行いますが、患者様ができる 状態の時にはご自身で実施していただきます。 入院中は入院カルテに記入しますので、ご自身の記録用紙には 体重・血圧のみ記入して下さい。 通院の場合: 翌日からは5時と9時にバッグ交換を行い、病院に来て頂きます。 病院では看護師がバッグ交換を行いますが、ご自宅ではご自身 またはご家族の方に実施して頂きます。 普段のバッグ交換より回数が増えること・透析液の種類の調整も 必要なので記録用紙を持ち帰り、排液・量・血圧 体重 などを 記入して翌日病院に持参して下さい。 3)検査 朝1回目の排液を検査します。 透析液の検査・・・治療経過の目安にするため毎日検査します。 ☆インスリンの調整 腹膜炎の時は血糖の変動が起きるため、朝夕測定し専任看護師 に連絡して下さい。 それによりインスリンの量を決めます。 細菌検査と感受性試験・・・腹膜炎の原因菌を調べ抗生剤の 効き目の検査をします。 3日目からは朝の透析液排液で 検査します。 ☆血圧の調整 体重の増減で血圧が変動します。お薬を服用する前に血圧を測定しま す。透析液の処方によっても血圧が変動しますから、バッグ交換の前 に血圧測定が必要です。 状態によって透析液や降圧剤の調整をしますので、専任看護師に ご連絡下さい。 また、腹膜炎発生時はバッグ交換を3回続けてするため、血圧低下 予防の点滴をしながら行います。 レントゲン検査・・・胸の写真は透析液の種類を決めるために、 お腹の写真は腹膜カテーテル位置確認のため 検査します。お腹の症状が強いとき、排液に問題 があるときにも検査します。 血液検査は副作用や合併症を早期に発見するために適時行います。
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