【「消費者へのアドバイス」「実事例の紹介」を記載】(PDF/351KB)

平成21年度
◎
◎
◎
西播磨生活科学センターの消費生活相談状況
相談件数は平成16年度をピークに5年連続で減少
インターネット情報サービス(出会い系サイト、アダルトサイト等)の
苦情が最多
年代別では、60歳代の苦情相談がトップ
1 相談受付状況
<相談件数は平成16年度をピークに5年連続で減少>
全国の傾向と同じく、相談件数は平成16年度をピークに年々減少しており、平成21年度に
西播磨生活科学センターで受け付けた消費生活相談の総件数は932件(苦情799件・問合せ
133件)で、前年度の相談件数1,152件(苦情1,022件・問合せ130件)に比較し
て220件減と、5年連続で減少した。(図1)
これは、不当請求に関する苦情相談件数が108件と昨年度(221件)の約半数に減少した
ことが主な要因と考えられる。特に架空請求はがきによるものは15件(前年度70件)で対前
年度比21.4%と大幅に減少した。(表2)
図1 【相談件数の年度別推移】
2,771
3,000
2,500
2,135
2,000
1,627
1,350
1,500
1,328
1,152
932
1,000
500
0
15
問合せ
苦情
16
17
18
19
20
310
250
239
201
195
130
1,825 2,521 1,388 1,149 1,133 1,022
21年
度
133
799
【参考】全国の消費生活相談受付件数の推移
2,500,000
1,919,673
2,000,000
1,509,887
1,500,000
1,302,182
1,111,894
1,000,000
1,050,124
873,665
547,138
949,596
814,474
655,899
500,000
0
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
年度
※21 年度は2月末の数値
-1-
表1 【相談方法別受付件数】
区 分
苦
情
来
電
文
所
話
書
計
(件)
問
19 年度
20 年度
21 年度
138
991
4
1,133
149
871
2
1,022
77
722
0
799
合
せ
計
19 年度
20 年度
21 年度
19 年度
20 年度
21 年度
33
162
0
195
33
97
0
130
31
102
0
133
171
1,153
4
1,328
182
968
2
1,152
108
824
0
932
表2 【不当請求手段別内訳件数】
(件)
対前年度比(%)
48.9
不当請求 請求手段内訳
不当請求
19年度
348
20年度
221
21年度
108
うち葉書によるもの
159
70
15
21.4
う ち携帯 電話 による
もの
う ちパソ コン による
もの
117
115
69
60.0
72
36
24
66.7
2 商品・サービス別苦情相談
<インターネット情報サービスの苦情が最多>
商品・サービス別に見ると、最も多かったのは昨年と同じで「インターネット情報サービス」
の116件で、身に覚えのないアダルトサイト等の有料サイトの料金請求やワンクリック料金請
求、悪質な出会い系サイトに関する相談が多く寄せられた。2位は「フリーローン・サラ金」の
46件で多重債務者などから返済についての相談が多く寄せられた。3位の「工事・建築」は2
8件で訪問販売による高額な外壁や屋根のリフォーム契約の苦情が多かった。「商品一般」は2
5件で、「総合消費料金が未納で訴訟になっている」といった、商品を特定しない架空請求はが
きについての相談が多くを占めるが、対前年度比37.3%と大幅に減少した。
昨年度より増加した「リースサービス」は19件で、電話機やFAX、節電器などのリース契
約に関する苦情が多く寄せられた。「集合住宅」は14件で、電話勧誘による執拗な投資型マン
ションの販売に関する苦情が多く寄せられた。(表3)
-2-
表3 【商品・サービス別苦情相談件数】(上位10位)
順位
商品・役務
20年度
(件)
1
インターネット情報サービス
189
2
フリーローン・サラ金(多重債務
82
含む)
3
工事・建築
30
4
商品一般
67
5
新聞
21
6
ふとん類
32
7
リースサービス
5
7
健康食品
20
9
集合住宅
8
9
不動産貸借
19
9
四輪自動車
16
21年度
(件)
116
46
28
25
21
20
19
19
14
14
14
対前年度比
(%)
61.4
56.1
93.3
37.3
100.0
62.5
380.0
95.0
175.0
73.7
87.5
3 年代別苦情相談
<60歳代の苦情相談がトップ>
苦情相談における契約当事者の年代別構成では、60歳代が116件と最も多く、全体の14.
5%を占め、次いで40歳代111件(13.9%)となっている。(表4)
年代別の商品・サービス別では、「インターネット情報サービス」及び「フリーローン・サラ
金」に関する相談が60歳代までのいずれの年代においても上位を占めている。
その他20歳代では「エステティックサービス」や「不動産貸借」、30歳代では「内職・副
業」、40歳代では「集合住宅」
「学習教材」、50歳代では「四輪自動車」、60歳代では「工事・
建築」が上位となった。また、50、60歳代で多かった「油脂・調味料」は、全て安全性に問
題があると報道された食用油の関連商品に関する相談であった。(表5)
【苦情契約当事者の年代別件数】
代
20年度
件 数(件) 構成比(%)
20歳未満
34
3.3
20歳代
113
11.1
30歳代
143
14.0
40歳代
150
14.7
50歳代
136
13.3
60歳代
118
11.5
70歳以上
144
14.1
不明・その他
184
18.0
合計
1,022
表4
年
件
-3-
21年度
数(件) 構成比(%)
24
3.0
67
8.4
104
13.0
111
13.9
96
12.0
116
14.5
108
13.5
173
21.7
799
対前年度(%)
70.6
59.3
72.7
74.0
70.6
98.3
75.0
94.0
78.2
表5 【苦情契約当事者の年代別の商品・サービス別件数】(上位5位)
年 代
計
1位
2位
3位
(件)
5位
4位
イ ンターネ ット
20 歳
未満
24
情報サービス
(16)
イ ンターネ ット
20 歳代
67
情報サービス
(23)
フリーローン・サラ金
エ ステテ ィック サー ビス 不動産貸借(4)
(各 5)
内職・副業
移動通信サービ
ス(各 3)
フリーローン・サラ金
(9)
教室・講座
工事・建築
(各 4)
健康食品
学習教材、新聞
(各 3)
学習教材(5)
健康食品
不動産貸借
(各 4)
イ ンターネ ット
30 歳代
104
情報サービス
(25)
イ ンターネ ット
40 歳代
111
情報サービス
(16)
フリーローン・サラ金
(8)
集合住宅(7)
四輪自動車
紳士洋服(各 4)
商品一般、
油脂・調味料
工事・建築
リースサービス
(各 3)
イ ンターネ ット
情報サービス
50 歳代
96
フリーローン・サラ金
(各 8)
内職・副業 (6)
イ ンターネ ット
60 歳代
116
情報サービス
フリーローン・サ
ラ金
新聞、医療用具、
工事・建築(5)
(各 10)
商品一般
預貯金・証券等、
油脂・調味料
デリバディブ取引、
(各 4)
医薬品 (各 3)
フリーローン・サ
70 歳
以上
108
ふとん類(15)
健康食品(7)
新聞(6)
預貯金・証券等
宝くじ(各 5)
ラ金
書籍・印刷物
生命保険
工事・建築(各 4)
注)各年代において3件以上の相談があった商品・サービス名を掲載しました。
<70歳以上の相談の特徴>
商品・サービス別の件数では、訪問販売等で契約する「ふとん類」が最も多く、次いで「健
康食品」「新聞」などの苦情が目立っている。(表7)
なお、70歳以上の苦情相談件数が総件数に占める割合は13.5%で、昨年度からはやや
減少したものの、依然として高い割合となっている。(表6)
高齢者に被害が多い販売方法として、判断能力が不十分な高齢者を狙った勧誘や、虚偽説明
により次々と支払いが難しい高額な契約を結ばせる「次々販売」、点検と偽って家に上がり込
み布団の購入や不要なリフォームの契約を結ばせる「点検商法」などがある。(表8)
また、契約購入金額は、10万円以上50万円未満の20件が最多となっており、最高金額
3,300万円(不動産物件契約)、平均金額は約136万円であった。昨年度の最高金額
2,000万円、平均金額(810,317円)と比べると高額化していた。(表9)
-4-
表6 【70歳以上の苦情相談状況】
17年度
苦情総件数(件)
高齢者の苦情(件)
1,388
187
苦情総件数に占める割合(%)
13.5
18年度
19年度
20年度
1,149
160
13.9
1,133
129
11.4
1,022
144
14.1
表7 【70歳以上の商品・サービス別苦情相談件数】(上位10位)
順 位
商品・役務
20年度
(件)
1
ふとん類
21
2
健康食品
4
3
新聞
7
4
4
6
6
6
9
9
預貯金・証券等
宝くじ
書籍・印刷物
フリーローン・サラ金
生命保険
医療用具
商品一般
21年度
21年度
(件)
15
7
6
3
9
5
0
1
5
10
対前年 度比
(%)
71.4
175.0
85.7
5
5
4
4
4
3
3
166.7
55.6
80.0
-
400.0
60.0
30.0
表8 【70歳以上の販売手口等キーワード別苦情相談件数】
(件)
平成17年度
平成18年度
次々販売
20
17
8
9
4
点検商法
SF 商法
4
4
6
19
57
77
187
5
3
5
17
55
58
160
4
16
1
11
32
57
129
5
2
2
17
31
78
144
3
0
4
18
20
59
108
ネガティブオプション
判断不十分者契約
高価格 ・料金
その他
計
表9 【70歳以上の契約購入金額】
契約購入 1 万円 ~5 万円 ~10 万
金
額 未満
未満
円未満
21年度 14
9
4
平成19年度
799
108
13.5
~50 万
円未満
20
平成20年度
~100 万 ~500 万
円未満
円未満
5
4
平成21年度
~1 億円
未満
5
備
(件)
考
最高 3,300 万円
平均額 1,361,939 円
20年度
7
9
8
36
11
6
4
最高 2,000 万円
平均額 810,327 円
-5-
4 販売購入形態別苦情相談
<店舗購入の苦情相談割合が増加>
訪問販売や通信販売などの特殊販売に関する苦情相談が594件で、全苦情相談(799件)
の74.3%を占めている。
通信販売は、携帯メールを悪用した架空請求やワンクリック請求、またインターネットオーク
ションなどのトラブルが主で249件(31.2%)、訪問販売は工事・建築やふとん類、新聞
などの販売が主で135件(16.9%)で、合わせると全体の約50%近くを占める。
また、店舗購入では、フリーローン・サラ金に関する相談が主で、全体に占める相談件数の割
合がわずかであるが増加した。(表10)
【販売購入形態別苦情件数】
表10
〔件、(
)内は%〕
対前年度比
購
入
形
態
19年度
20年度
21年度
(%)
訪問販売
203 (17.9)
179 (17.5)
135 (16.9)
75.4
特 通信販売
416 (36.7)
374 (36.6)
249 (31.2)
66.6
マルチ・マルチまがい
18 (1.6)
21 (2.1)
8 (1.0)
38.1
電話勧誘販売
64 (5.7)
68 (6.7)
58 (7.2)
85.3
1 (0.1)
4 (0.4)
7 (0.9)
175.0
220 (19.4)
132 (12.9)
137 (17.1)
103.8
922 (81.4)
778 (76.1)
594 (74.3)
76.3
211 (18.6)
244 (23.9)
205 (25.7)
84.0
1,133(100.0)
1,022(100.0)
799(100.0)
78.2
殊
販
ネガティブ・オプション
売 その他無店舗
・不明
計
店舗購入
合
計
-6-
相談事例別消費者へのアドバイス
1 電話・インターネット・はがき・封書による架空請求への対処法
(1)
絶対にこちらから業者に連絡しないこと!
(2)
毅然と断り、話に応じないこと!
(3)
自宅の住所、電話番号、勤務先などの個人情報を言わないこと!
(4)
たとえ少しの金額でも、支払ってはならないこと!
事例1:アダルトサイト利用料の請求
パソコンで無料のアダルトサイトを閲覧中、メニューをクリックした途端、
「登録完了」となり5万8千円の請求画面になった。慌てて、書かれていた
連絡先に電話をかけ、聞かれるまま自宅の電話番号や氏名、年齢を教えてし
まった。取消は不可能なので料金を支払うように言われた。
( 40歳代 男性 )
〈アドバイス等〉
ワンクリック請求について情報提供した。
電子商取引に伴う契約の成立について説明し、確認画面もなく取消ボタンもな
かった場合は、正式な契約には至っていないと判断されること、また錯誤無効が
主張できることを伝え、請求は無視・放置するよう助言した。
事例 2:民事訴訟裁判通達書
「民事訴訟裁判通達書」と書かれたはがきが届いた。裁判所が訴状を受理した
と書いてあり、裁判終了後は財産の差し押さえや給料、口座の凍結を強制執行す
るとある。裁判の取り下げ期限は今日になっている。身に覚えがない。
(40歳代 女性 )
〈アドバイス等〉
架空請求はがきの情報を提供し、無視・放置するよう助言した。
2 多重債務(サラ金、クレジットなどの借金)で悩んでいる方へ
(1) 解決の道は必ずあります。1日も早くご相談ください!
(2) 債務整理の4つの方法~『自己破産』『任意整理』『民事再生』『特定調停』~
相談者にあった解決方法を一緒に考えます。
(3) 弁護士、司法書士等の法律専門家を紹介します。
事例3:多重債務相談
2年ほど前に金融業者3社から計80万円の融資を受けた。毎月2万5千円の
返済をしているが、高金利(15%~29%)で返済が困難になった。
良い解決方法があれば教えてほしい。
( 30歳代 男性 )
〈アドバイス等〉
利息制限法に基づき引き直し計算することにより、返還請求が可能になるこ
とがあると伝えた。相談者の希望により、無料法律相談を案内した。
-7-
事例 4:ヤミ金
数年前に電柱の貼り紙を見て電話をかけ、お金を借りたことがある。
半年前に、「お金を借りてくれ」と携帯に電話がかかり、5万円借りたが、
1ヶ月で返済した。その後、何度もお金を借りるよう電話がかかり、やむを得
ず8万円借りた。毎週返済してきたが、勤め先が倒産し返済できなくなった。
何をされるかわからず怖い。どうしたらよいか。
( 40歳代 男性 )
〈アドバイス等〉
ヤミ金は違法であり、返済する必要はないので、毅然とした態度で拒否する
よう助言した。電話の着信拒否や番号の変更で相手方と一切連絡を絶つこと、
また脅しがあればすぐに警察へ届け出るよう助言した。
3 訪問販売で購入する場合の心得
(1) 本当に必要なものか、もう一度考えること!
(2) 不要なときは、いりませんとハッキリ断ること!
(3) 契約を急がせる業者は、とくに注意すること!
(4) その場で契約したり、お金を支払ったりせず、家族や友人などに相談すること!
(5) もし不要なものを契約してしまった場合は、クーリング・オフ制度を活用すること!
事例 5:新聞契約の中途解約
妻が10年前に平成20年10月から2年間の新聞購読契約をし、購読してい
た。半年経過後の21年3月に妻が入院し、経済的に支払いが困難なため解約を
申し出た。解約違約金の代わりに、契約時に受け取ったビール券2年分を月割り
で金額換算し、請求を受けた。支払わなければいけないのか。
( 50歳代 男性 )
〈アドバイス等〉
新聞の中途解約は違約金が発生すること、算出根拠はないため業者との交渉に
なること、また違約金の代わりにサービス品の返還請求を受ける場合もあること
を伝えた。
契約者の入院に伴い、購読不要を理由に解約を申し出て、違約金の減額交渉を
してみるよう助言した。
事例 6:点検商法による浄水器の販売
一人暮らしの大学生の娘の家に、水回りの点検と言って業者が訪問してきた。
業者に、試薬を入れて黄色くなった水を見せられ、このままでは身体を壊す、
親には相談する必要はないと言われ、すぐに浄水器を取り付けられたようだ。
解約したい。
( 40歳代 女性 )
〈アドバイス等〉
クーリング・オフの期間内であったので、手続き方法を助言した。
-8-
4 高齢者の消費トラブルを未然に防止するために
(1) 家庭や地域での早期発見や地域全体での見守り、声かけが効果的であること!
(2) 早めに相談すれば、被害を未然に防止できることがあるので相談すること!
(3) 不安なときは一人で悩まず、最寄りの消費相談窓口に相談すること!
事例 7:強引なふとんの販売
突然訪れたふとんの業者から、高額なふとんを買うように迫られた。業者は、
家に上がり込み、現在使っているふとんを見て、「こんなん使ってたらあかん」
と言い、勝手にふとんを持ち出した。お金がないと断ったが、怖くて仕方なく承
諾し頭金を支払った。残金は後日集金に来る予定だが解約したい。
(
80歳代
女性 )
〈アドバイス等〉
同居の息子さんに、強引な販売を根拠に業者に解約を申し出るよう助言した。
息子さんが電話で解約を申し出たところ、既払い金放棄を条件に、持ち帰られた
ふとんは返却され、解約となった。
事例8:判断不十分者の契約
数年前から認知症に罹っている高齢の母が、高額なメガネや健康食品等を大量
に購入しているようだ。銀行口座の預金がなくなっていることに気が付き、父親
に確認してわかった。返金請求したい。
(
50歳代
女性 )
〈アドバイス等〉
事業者との交渉を効果的にするため、認知症で受診している医師の診断書を取
り寄せること、また銀行で振込先の業者の確認をすることを助言した。
業者がわかり次第、センターに再度相談するよう伝えた。
-9-
消費生活と食や製品の安全・安心に関する相談は・・・・
◆西播磨生活科学センター
たつの市新宮町宮内 458-7
TEL :0791-75-0999
受付時間等 :月曜日~金曜日
9:00~12:00
13:00~17:30(電話は16:30まで)
※ 土曜・日曜・祝日と年末年始(12/29~1/3)は休み
◆週末消費生活相談ダイヤル
◇T E L
0120-511-103
◇相談日時
土・日曜日(年末年始を除く) 午前10時から午後4時
◇相談方法
電話でご相談をお受けします(携帯電話からのご相談はお受けできません
ので、ご注意ください)。
西播磨地域の消費生活相談窓口
消費生活相談窓口
電
話
番
号
相生市市民福祉部まちづくり推進室
0791-23-7130
たつの市市民生活部なんでも相談課
0791-64-3250
赤穂市市民部市民対話室
0791-43-6818
宍粟市生活環境部市民課
0790-63-3100
太子町生活福祉部生活環境課
079-277-1015
上郡町住民課
0791-52-1115
佐用町商工観光課
0790-82-0670
西播磨生活科学センター
0791-75-0999
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