新型インフルエンザ対策と事業行動計画について

ノードソンの新型インフルエンザ対策と事業行動計画
ノードソン株式会社
新型インフルエンザ対策本部事務局

新型インフルエンザについて国内感染が確認され、関西地区では感染の広がりをみせています。政府では、
今回は想定されていた強毒性とされるH5N1インフルエンザではなく、弱毒性とされるH1N1インフルエンザ
のため、対策の再検討がされているところです。当社は企業としての新型インフルエンザ基本方針を新たに
作成し、パンデミック(全世界流行)に対処する体制の整備を行いました。
新型インフルエンザ対策での基本方針は次の通りです。
1.
人命を最優先とする。
2.
国・地方自治体の指導・勧告に従い、社会全体へのパンデミックに対する取り組みに協力する。
3.
安全を確保しながら事業の継続・再開を行う
¶ 新型インフルエンザ対策本部構成
本部長
社長
本部長補佐
ジェネラルアフェアーズ
内田取締役
事務局
安全確認班
人事・総務部門
健康管理・安全確保
緊急連絡先を基に
連絡体制を整備する
社内業務班
顧客対応班
ADM
(Fin・IS・OPR)
各事業部長
及び副事業部長
社内業務関連対応推進、
在宅勤務推進、
社内外情報収集・発信
顧客システム保守、
運用サービスの対応
ノードソン株式会社としての方針は、WHO(世界保健機構)が定義するフェーズに従い次のように規定しています。
(1)事前の対策
各組織において、フェーズ 4 となった場合に備えて対策を進めます。

本部メンバーの連絡手段の確保

継続必須業務の洗い出し・絞込み(医療従事者・社会機能の維持に関わる事業者(顧客)向け供給、財務、
給与支払い等)

緊急連絡先に基づく流行時の連絡体制の整備
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
オフィス内備品・備蓄の確保

在宅勤務の推進

各事業部による顧客、サプライヤーへの当社方針説明 (HPにてお知らせすると共に、一部の顧客には、
電話またはファックスを入れる) ・・・ 具体的な文書を事前に準備する。

業界・他業界企業との情報交換と対策の共有化

ノードソンコーポレーションへの連絡

全社員、役員を対象としたインフルエンザ・ワクチン接種促進
(2)フェーズ 4(小さな集団でヒトからヒトへの感染が確認される状態)が宣言されたら
ノードソン株式会社のマネジメントコミッティ内に「新型インフルエンザ対策本部」(以降、対策本部と呼びます)が設置
されます。これ以後は、対策本部から対策が発令されますので、全社はこれにしたがいます。
フェーズ 4 では以下の内容が発令される可能性があります。 随時対策本部決定事項を連絡致します。

海外出張者の従業員・役員本人・家族のできるだけ早い帰国(帰国時の自宅待機などは別途発
令)

在宅勤務への移行開始

出社する場合の手洗い、マスク着用、うがい、「咳エチケット」の励行

出社・退社時、勤務中のマスク着用

研修、会議、セミナー、展示会の開催、参加中止
徹底指示

国内出張制限(事業部長承認事項)
の発令

本人あるいは同居家族が発症した(あるいは疑わしい)場合は、発熱相談センターに連絡後、診
察を受け、その指示内容を上司へ連絡、一定期間の出社禁止 。連絡を受けた上司は、速やかに
対策本部事務局に連絡を入れる。

発症国から帰国者は、3 日間自宅待機。その間に発症の場合は、発熱相談センターに連絡後診
察を受け、その指示内容を上司へ連絡、一定期間の出社禁止 。連絡を受けた上司は、速やかに
対策本部事務局に連絡を入れる。
(3)フェーズ 5(大きな集団でヒトからヒトへの感染が確認される状態)が宣言されたら
フェーズ 4 での発令・指示に加えて以下の内容が追加される可能性があります。日本政府の行政指導を鑑みて、対
策本部より随時連絡致します。
徹底指示
の発令

出社する場合の手洗い、マスク着用、うがい、「咳エチケット」徹底指示

各事業部による顧客、サプライヤーへの当社方針説明(HPにてお知らせすると共に、一部の顧
客には電話またはファックスを入れる) ・・・ 具体的な文書を事前に準備する。
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
在宅勤務への移行強化

感染者社員リストの管理

不要不急の外出禁止、集会開催・参加禁止

海外出張・国内出張禁止

時差出勤(公共交通機関利用者)8:00 出勤者・11:00 出勤者のグループ分け

毎朝、出社前に必ず本人および家族の検温とインフルエンザ症状(体温 38 度以 上、インフルエ
ンザ症状の咳・喉の痛み、全身倦怠感)の有無確認・上司への報告

本人あるいは同居家族が発症した(あるいは疑わしい)場合は、発熱相談センターに連絡後診察
を受け、その指示内容を上司への連絡、一定期間の出社禁止。連絡を受けた上司は、速やかに対
策本部事務局に連絡を入れる。

外出、集会への参加中止勧告

顧客、取引先との対面を出来る限り回避(顧客の安全も考慮)
(4)フェーズ 6(パンデミック、世界的大流行)が宣言されたら
フェーズ 5 での発令・指示に加えて、以下の内容が追加される見込みです。なお、政府・自治体の要請・勧告や世の
中の状況によっては、最悪の場合、対策本部は「全事業所封鎖、全業務停止」を宣言することがあります。

継続必須の業務以外の業務を担当する従業員は、健康であっても自宅待機(継続必須の業務
は各組織で定義)
徹底指示
の発令

継続必須業務従事者は、社用車又は私用車通勤とする。(公共交通機関の利用禁止)

国や自治体の要請・勧告にしたがう

状況によっては、全業務を停止し、全事業所を立ち入り禁止

各事業部による顧客、サプライヤーへの当社方針説明(HPにてお知らせすると共に、一部の顧
客には電話またはファックスを入れる) ・・・ 具体的な内容を事前に準備する。
(5)ポスト・パンデミック期
完全な終結までは、再度流行することを前提に対応します。即ち、ポスト・パンデミック期には、フェーズ 4 の状態へ
の対応を行うことになります。
徹底指示
の発令

対策本部から「業務再開宣言」発令。既感染・現在快復の従業員から業務復帰

フェーズ 4、あるいはフェーズ 5 の対応を継続

社員・役員の罹患履歴を整備(次の流行に備えるため)
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
政府による「完全終結宣言」が出された場合、対策本部を解散

終結の判断基準は別途規定
また、社員個人に対しては次のようなガイドラインを提示しています。
(1)事前の対策
インターネット、ノードソンのイントラネットなどの社内外情報により、新型インフルエンザ
情報入手
に関する知識を収集し、自衛力を高めることが重要です。
手洗い、マスク着用、うがい、季節性インフルエンザ・ワクチン接種、人ごみへの外出を
通常のインフルエンザ対
避ける、栄養のある食事の摂取と充分な睡眠など、通常の季節性インフルエンザ対策の
策の励行
励行を心がけてください。
新型インフルエンザは、1 回の流行が数週間~8 週間程度続き、それが終息しても、2
回、3 回と繰り返し流行することが予想されています。流行の間、社会的な大混乱(店舗
食料・日用品の備蓄
の閉鎖や機能低下、物流機能の低下など)と、交通規制により個人活動が制約される可
能性があるため、日頃から食料、生活用品の備蓄を進めることが重要です。
予防としては、新型インフルエンザ・ワクチン注射の摂取が最適ですが、ワクチンが製造
され流通するには、新型インフルエンザが発生後、半年以上もかかるとされています。一
方、通常の季節性インフルエンザ・ワクチンを接種しておくと、季節性インフルエンザには
季節性インフルエンザ・
罹りにくくなりますので、インフルエンザの症状がでた場合、新型インフルエンザである確
ワクチン注射の接種
率が高いと判断できます。また、通常のインフルエンザ・ワクチンが新型インフルエンザ
にも一定の効果があるとの報告もあるので、新型インフルエンザ対策の一環として医療
機関にて季節性インフルエンザ・ワクチン注射を接種しておくことが望まれます。(アレル
ギーなどについては医師にご相談ください)
(2)フェーズ 4(小さな集団でヒトからヒトへの感染が確認される状態)が宣言されたら

新型インフルエンザ向け備蓄の状況を点検し、不足のものを調達してください。

不要・不急の外出・集まりへの参加などをできるだけ控えてください。

外出時は手洗い、マスク着用、うがい、「咳エチケット」を励行してください。帰宅時は、洗顔、洗髪して付着し
た可能性のあるウィルスを落としてください。

帰国できなくなる可能性がありますので、海外渡航を中止し、国内旅行も控えてください。

新型インフルエンザ・ワクチン注射が開始された場合は、できるだけ接種するようにしてください。(ただし、社
会的な役割、年齢などで優先度付けされる見込みであり、その方針に従って接種を受けることになります。) 接
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種時に副作用について確認する必要があります。

ひとり住まいの肉親がいる場合は、あらかじめ連絡方法を確認しておきましょう。
(3)フェーズ 5(大きな集団でヒトからヒトへの感染が確認される状態)が宣言されたら

必須・緊急の場合以外、外出・集まりへの参加など控えてください。

海外渡航・国内旅行を中止してください。

外出時は手洗い、マスク着用、うがい、「咳エチケット」を励行してください。帰宅時は、洗顔、洗髪して、付着
した可能性のあるウィルスを落としてください。

ひとり住まいの肉親がいる場合は、定期的な連絡を保ってください。
(4)フェーズ 6(パンデミック、世界的大流行)が宣言されたら

できるだけ外出を控えてください。

国、自治体の要請、勧告にしたがってください。
(5)ポスト・パンデミック期

まだ完全終息かどうか分かりませんので、フェーズ 4 と同等の対応をとることが望ましいでしょう。
また参考として次のような情報を提示しています。
【参考情報1】WHO による新型インフルエンザのフェーズ定義概要(詳細:新型インフルエンザ対策行動計画)
ヒトから新しい亜種のインフルエンザは検出されていないが、ヒトへ感染する可能性をもつウィルス
フェーズ 1
が動物に検出
ヒトから新しい亜種のインフルエンザは検出されていないが、動物からヒトへ感染するリスクが高い
フェーズ 2
ウィルスが動物に検出
ヒトへの新しい亜種のインフルエンザの感染が確認されているが、ヒトからヒトへの感染は基本的に
フェーズ 3
ない
ヒトからヒトへの新しい亜種のインフルエンザの感染が確認されているが、感染集団は小さく限られ
フェーズ 4
ている
フェーズ 5
ヒトからヒトへの新しい亜種のインフルエンザの感染が確認され、大きな集団発生が見られる。パン
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デミック発生のリスクが高まる。
フェーズ 6
パンデミック発生、世界の一般社会で感染拡大
ポスト・
パンデミックが終息して、発生する前の状態へ回復する時期
パンデミック期
(注)フェーズ 4 あるいはフェーズ 5 から世界的なパンデミックへの移行が 1 週間程度で行われると指摘する専門家も
います。ポスト・パンデミック期は WHO では定義していませんが、ノードソン株式会社の対策としては、完全終息では
ない(再流行が起こるかもしれない)期間の定義は有効と考え追加しています。
【参考情報 2】スペイン・インフルエンザの被害
スペイン風邪 とも呼ばれているスペイン・インフルエンザは H1N1 ウィルスによる新型インフルエンザでした。第 1 次
世界大戦のあった 1918 年 3 月にアメリカで始まった流行は、4、5 月にはヨーロッパに広がり、その後世界中に広がり
ました。ウィルスの毒性は、第二波では第一波に比べて比較にならないくらい高くなり、場所によっては致死率 20%
を超え、最悪の事態となった米国都市フィラデルフィアでは、1 週間の死者が 5000 人を数えたとのことです。流行の
期間、社会は大混乱、文字通りのパニックとなったとのことです。通常のインフルエンザでは致死率は乳幼児と高齢
者が高くなりますが、スペイン・インフルエンザでは 10 代、20 代、30 代といった年齢層で高くなっていました。これは、
免疫機能が高い若年層が過剰にウィルスに反応して自らの体を傷つけたもの(サイトカイン・シンドロームと呼ばれま
す)といわれています。1919 年(一部地域は 1920 年)まで続いたスペイン・インフルエンザによる死亡者は世界で 4800
万人から(研究者によっては)1億人と推定されています。
日本では流行の第一波は 1918 年、第二波は 1919 年、そして第三波が 1920 年と、3 年に渡り繰り返されました。当
時の総人口 5500 万人に対し、43%が感染し、39 万人が死亡しました。平均では、死亡率 0.7%、致死率 1.6%になり
ます。第二波の流行では重症度が高く、致死率は 10%となった時期もあったようです。1923 年の関東大震災による
死亡者は 10 万人ですから、それの 4 倍近い犠牲が強いられたわけです。スペイン・インフルエンザのほかに、20 世
紀では 1957 年~58 年 H2N2 ウィルスによるアジア風邪、1968 年~69 年 H3N2 ウィルスによる香港風邪が新型イン
フルエンザとして流行しています。前者は感染の広がりはスペイン・インフルエンザよりも大規模でしたが、症状は軽
かったとされています。後者は、さらに穏やかな症状で、致死率も低かったとのことです。
参考:「新型インフルエンザ」山本太郎著(岩波新書)
【参考情報 3】個人備蓄の例(出典:WHO ガイド)
家庭において数週間分の備蓄があると望ましい品目例
食料等
米、乾燥麺(そば、そうめん、うどん、パスタ等)、切り餅、コーンフレーク・シリアル類、カンパン、各種
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調味料、レトルト、フリーズドライ食品、冷凍食品(温度管理・停電に注意)、缶詰、菓子類、インスタ
ントラーメン、ミネラルウォーター、ペットボトル・缶入り飲料 など
常備薬(胃薬、痛み止め、持病の処方薬)、絆創膏(大・小)、ガーゼコットン、解熱鎮痛剤(アセトアミノ
フェンなど。薬の成分によってはインフルエンザ脳症を助長するものがあるので、医師・薬剤師に確
医療品・日用品
認のこと)マスク(サージカルマスク、N95 等)、ゴム手袋、水枕・氷枕、消毒用漂白剤(次亜塩素系)、
消毒用アルコール、ペットフード など
懐中電灯、乾電池、携帯電話充電キット、ラジオ、携帯テレビ、カセットコンロ、ガスボンベ、トイレッ
災害時備品
トペーパー、ティッシュペーパー、キッチン用ラップ、アルミフォイル、洗剤(衣料・食器用等)石鹸、シ
ャンプー・リンス、保湿ティッシュ、生理用品(女性)、ビニール袋(汚染されたゴミの密封に利用) など
【参考情報 4】咳エチケット
厚生労働省が呼びかけているマナーで、人前で咳やくしゃみをする場合には以下を注意する

咳・くしゃみの際には、ティッシュなどで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけ 1m以上離れる。

呼吸器系分泌物(鼻汁・痰など)を含んだティッシュをすぐに蓋付きの廃棄物箱に捨てられる環境を整える。

咳をしている人にマスクの着用を促す。

マスクの着用は説明書をよく読んで、正しく着用する
【参考情報 5】参考サイト・文献

鳥・新型インフルエンザ最新情報

厚生労働省

WHO

国立感染症研究所 感染症情報センター

全国保健所長会

米国政府 Pandemic Flu

ML インフルエンザ流行前線情報 DB

山本太郎著「新型インフルエンザ-世界がふるえる日」(岩波新書、ISBN-13: 978-4004310358)(新書)

岡田晴恵著「H5N1-強毒性新型インフルエンザウィルス日本上陸のシナリオ」(ダイヤモンド社、ISBN-13:
978-4478002407)

J.M.Barry 著「グレート・インフルエンザ」(共同通信社、ISBN-13: 978-4764105508)
以上
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