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2014 年
6月
ESCAPING THE COMMODITY TRAP - コモディ
ティ化の回避
イノベーション拠点を設け、製造業の
変革を加速
「腕力」ではなく「頭脳」 : 多くの企業が、わずかな利幅で製品を大量生産するという
量産がもたらす過酷な状況から脱却しています。製造業者は、次の大きなアイデアを
模索しています。
このアイデアの革命を後押ししているのは、プロセスの自動化、いつでも使用可能な
新技術の登場、研究開発部門のコストと貢献に対する企業の深い理解などです。
大勢で協力し合うことで、高い効果を得られることを認識した企業は、重要なパート
ナー企業との間で仮想的なイノベーション拠点を設置したり、業界のコンソーシアムに
参加したり、製品開発にクラウドソーシングを取り入れています。
これらの企業に共通しているのは、人材、需要、供給のニーズに近い拠点へと移り、
優れたアイデアをより迅速に実用化へと移す体制を構築していることです。
準備はできていますか?
スポンサーおよび共同著者:
Issue Brief
コモディティ化の回避: イノベーション拠点を設け、
製造業の変革を加速
多くの企業が過酷な労働集約型のプロセスを廃止する中、製造業ではアイデア
の革命が起きようとしています。多くの企業は、この変革を促進するために顧客
や重要なパートナー企業との距離感を縮めたり、新しい製品やプロセスの早期
実用化にむけてイノベーション拠点 (イノベーションを促進するための拠点) を設
置しています。
継続的な模索、分析、実践から成るこの新たな世界では、全世界が 1 つの
ホワイトボードとなります。ビデオ会議、音声会議、およびコンテンツ共有技術に
より、コラボレーションは迅速かつ継続的に行われます。
イノベーションを促進する拠点を整備
今日の製造工場は驚くほど近代的です。先進技術と継続的改善プログラムの
導入により、重要な業務から無駄が省かれ、プロセスやサプライチェーンが統合
され、生産現場の労働者は大幅に削減されました。企業は数十年の間、価格
競争を戦ってきましたが、今ではコモディティ化を回避するのに必死です。それに
は、高価値で革新的な製品やサービスが必要です。
Issue Brief
コラボレーション パートナー
研究開発部門は、今まで投資回収率が不確かなコストセンターとされていまし
たが、現在は企業の価値創造を担う部門となっています。また、企業は、自社
だけの力では不十分であることを認識しています。多くの企業は、生産拠点を
需要の近くへと移し、サプライヤー、消費者、専門家などとの距離の問題を解消
して、仮想的なイノベーション拠点を設けています。シリコンバレー、ボストン、ロン
ドン、パリ-サクレー、東京、バンガロール、北京、スコルコボ イノベーション シティ、
イスラエルなど、世界中に大規模なイノベーション拠点が登場しています1。これら
の拠点の力を活用し、距離の制約を受けることなくの拠点の力を活用し、距離
John Paul Williams 氏
ポリコム、エンタープライズ
ソリューションズ ディレクター
1
『World Innovation Clusters』インフォグラフィック、 MIT Technology Review、2013 年 7 月
30 日、http://www.technologyreview.com/news/517626/infographic-the-worldstechnology-hubs/、2014 年 4 月 23 日参照
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の制約を受けることなく、小さな活動拠点から大規模な思考の拠点へと会社を
発展させられることを想像してみてください。
以下に、収益を生み出すプロセス、製品、サービスの円滑かつ継続的な構築を
可能にする、仮想的なイノベーション工場を整備するための 9 つの戦略について
説明します。
1. 需要と供給との距離感を縮める
製造業には多様な企業が存在します。低い人件費と安価な材料に対するニー
ズがあるため拠点を自由に配置できない企業がある一方で、新たな需要源や
供給源の近くへ簡単に拠点を移転できる企業もあります。その結果、多くの新
興市場が登場しています。2010 年から 2025 年の間で、世界の消費者人口
に 18 億人が新たに加わることが見込まれています2。
2. パートナー企業にも同等のアクセスを提供する
企業は、業界の流れを変える革新的なアイデアを求めて外部に門を開き、これ
までは機密扱いであったデータ、プロセス、技術などを、重要な顧客、サプライヤ
ー、ビジネスパートナーと共有しています。また、新しい技術の開発を迅速化させ
るために業界のコンソーシアムや政府機関との間で協力関係を築いています。
3. 生産性の向上を継続する
製造業務のほとんどはすでに自動化されています。企業は、ロボット工学やセン
サー技術などを取り入れることにより、労働生産性をさらに高めています。ビデオ
および音声コラボレーションソリューションにより、プロダクションチームは、タブレット
やスマートフォンなどを使用して、どこからでも、業務上の意思決定レビューを行え
ます。また、故障の根本的原因の分析を、遠隔地の専門家や仮想研究拠点
のメンバーと共同で行うことで、迅速なトラブルシューティングが可能です。
労働集約型産業から知識集約型産業への移行により、工場内の製造ライン
労働集約型産業から知識
集約型産業への移行により、
工場内の製造ラインだけで
なく、工場内の会議室も生産
性の向上を実現できるように
なります。
だけでなく、工場内の会議室も生産性の向上を実現できるようになります。
コラボレーティブな意思決定環境では、チームがフェース to フェースの会議を行
い、製品モデルやプロセスの改善などをレビューすることができます。また、録画
2
Katy George、Sree Ramaswamy、Lou Rassey、『Next-shoring: A CEO’s Guide』
McKinsey Quarterly、2014 年 1 月、オンライン記事
http://www.mckinsey.com/insights/manufacturing/next-shoring_a_ceos_guide 2014 年
4 月 16 日参照
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されたビデオ会議や注釈のついた文書により、会議後もオフラインで引き続き
作業を行えます。
4. 製品開発を現地で行う
新興市場では、言語的、文化的、民族的、およびその他の違いにより、多くの
カスタマイズが必要になります。企業は、これらの多様な市場に対応するために、
在庫の厳密な管理、開発サイクルの加速、新製品やさまざまな製品の開発が
必要となるため、サプライチェーンに大きな負担がかかります。
コラボレーションツールにより、パートナー企業とサプライチェーンを統合し、ミッショ
ンクリティカルなプロジェクトを効率的に管理することができます。
また、同じツールを使用して、パートナー企業は顧客のデータや情報を分析し、
新たな需要源や現地用の製品をグローバル化や地域化し、影響力を高める
機会を見つけることができます。
5. 社外のイノベーションを活用する
今日の企業の研究開発チームは、数千人規模に及ぶことも多くあります。あらゆ
る産業の企業が、新たなアイデアを発掘するためにクラウドソーシングを活用し始
めています。Gartner は、2017 年までに消費財メーカーの半数以上が、自社
チーム以外で技術革新と研究開発ニーズの 75% に対応するようになると予想
しています3。
Quirky という会社では、クラウドソーシングを利用し、わずか 5 年間で 5000 万
米ドルの事業を生み出しました。この消費財企業は、オンラインコミュニティを活
用し、毎週提出される 2,000 のアイデアから有力なものを選出するだけでなく
オンラインコミュニティでそれらのアイデアを承認し4、小さな工場の 3D プリンターや
その他の機械を使って迅速に生産が進められます5。
3
Richard M. Marshall Ph.D.、『 Gartner’s Top 10 Strategic Predictions: A Disruptive and
Constructive Future』、 SlideShare、2013 年、http://www.slideshare.net/sebrose/gartner-top10-predications-2014、2014 年 4 月 24 日に参照
4
Nancy Pardo、 PTC、『Meet the Company Manufacturing Crowdsourced Inventions for
Places Like Target』、 ForbesBrandVoice、2013 年 12 月、
http://w7ww.forbes.com/sites/ptc/2013/12/02/meet-the-company-manufacturingcrowdsourced-inventions-for-places-like-target/print/、2014 年 4 月 24 日参照
5
『All Together Now: The Advantages of Crowdsourcing』、Collaborative Manufacturing、
The Economist、2014 年 4 月 21 日、http://www.economist.com/node/21552902、 2014 年 4
月 24 日参照
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製造業者は、ビジネスニーズやデータの共有、コンペティションの主催、提出物の
評価などを行い、最良のアイデアを共有するためのオンラインプラットフォームを
構築する必要があります。また、コラボレーション技術は、前途有望な人材に
対する社内データやツールへのアクセス、採用面接時などにも、重要な役割を
担います。
6. バーチャル (仮想化) を活用して有能な人材を探す
有能な人材の近くに拠点を置くことは、企業にとって不可能であったり、優先
事項でない場合があります。顧客のニーズや意見を引き出し、世界中で情報を
共有できるようにするためには、仮想研究拠点を設置します。これらの拠点は、
新しい人材のトレーニングにも使用でき、将来のリーダーの育成に役立ちます。
コラボレーション技術により距離の問題を解消し、ソートリーダーである世界中の
専門家の意見を収集することができます。参加者は、役員室、会議室、研究
ラボ、工場など、どこからでも顔を合わせて話すことができます。また、任意のデバ
イスを使用してコラボレーションできるので、外出中の意思決定者の意見も簡単
に確認できます。
7. より良い結果を得るためにプロセスを変更する
革新的な製品を生み出すためには、振り出しに戻ってプロセスを見直すことが
必要になります。多くの企業は、ビデオコラボレーションを使用することにより、
研究開発や製品設計の迅速化、サプライ チェーン プロセスの調整、業務効率
の向上などの目標を達成しています。
近年では、持続可能性に関するさまざまな機会が見出されています。大手製造
業者は、パートナー企業と共同で、原材料の削減、耐久性の高いコンポーネン
トの回収、リサイクル、リユースに取り組んでいます。Dame Ellen McArthur 氏
は、企業と顧客が緊密に連携を取り、製品を最大限に活用し、廃棄物を貴重
な資源として扱うこのモデルを 「the circular economy」6 と命名しています。
8. 市場投入スピードさらに迅速化させる
製造業者は、1 日 24 時間、週 7 日、365 日休むことのない世界で事業を
6
『Navigating the Circular Economy: A Conversation with Dame Ellen MacArthur』 イン
タビューの記録、McKinsey Web サイト、
http://www.mckinsey.com/insights/manufacturing/navigating_the_circular_economy_a_
conversation_with_dame_ellen_macarthur、2014 年 4 月 23 日参照
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行っています。需要の変化は突然に起こり、その影響は広範囲に及ぶ場合が
あります。新たな政府による規制、貿易障壁の撤廃、消費者行動の変化など
により新製品やサービスに対するニーズが加速する場合があります。
消費者がより裕福になり、知識を身に付けたことによりニーズも変化しています。
マスカスタマイゼーションに対するニーズが急増し、新興市場では 2 桁の成長率
が見込まれています。
競争を勝ち抜くために企業は、
サプライチェーンを短縮し、高
高価値製品のパーソナライゼーションに対するニーズも増えています。競争を
度な分析技術とビジュアライゼ
勝ち抜くために企業は、サプライチェーンを短縮し、高度な分析技術とビジュアラ
ーション技術を使用してビッグ
イゼーション技術を使用してビッグデータを分析し、意思決定を迅速に行う必要
データを分析し、意思決定を
があります。つまり、リアルタイムでのコミュニケーションと情報モデリングが成功の
迅速に行う必要があります。
鍵を握ります。
9. 共同研究開発で利益を共有する
研究開発には多大なコストがかかるため、単独で行うことは効率的でない場合
があります。多くの企業は、別の企業と提携を結んだり、コンソーシアムに参加
したり、政府と民間のパートナーシップを形成することによって、新たなアイデアの
開発と試験のための資金を調達しています。企業、学術機関、政府機関は
協力して、技術革新の促進、学生や従業員へのトレーニングの実施、小~大
規模な製造業者が資産やその他のリソースを共有して新しい製品やプロセスの
開発に取り組めるようにしています。
十分な効果を生み出すためには、これらの活動を単一の拠点だけではなく、
幅広く実施する必要があります。コラボレーションツールを使用することにより、
各拠点の専門家は、リソースや知識を相互に、または製造業コミュニティの他の
メンバーとの間で共有することができます。
コラボレーティブな意思決定環境により、アイデアから実践
への橋渡しを行う
イノベーション拠点を成功させるために、製造業者はすべての業務プロセスにコラ
ボレーションを取り入れる必要があります。ブレインストーミングだけでは不十分で
す。キーとなるコンセプトを継続的にテストし、改善していく必要があります。
従業員、サプライヤー、その他の協力者に対し、高性能なビデオ、音声、および
コンテンツ コラボレーション ツールを提供することにより、以下を含むさまざまな
利益を享受することができます。

より広範囲にわたる協力者が参加することで、より良いアイデアを創出
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
継続的な研究開発と製品開発において、クラウドソーシングと 「試
して習得する (test-and-learn)」 マーケティングを活用し、投資効
果 (ROI) を向上

1 日 24 時間、週 7 日体制のプロジェクトチームが、継続的に情
報を共有し設計を繰り返すことで、市場投入期間を短縮

3D モデリング、専門家による分析、知識の共有により製品品質を
向上

パートナー企業との間でリアルタイムに意思決定を行い、サプライ
チェーン プロセスを合理化

特定地域やニッチ市場レベルも含む、具体的な顧客のニーズを
満たす製品を開発

最も優秀な人材を確保・維持し、仮想トレーニングルームを利用
して新規雇用者のトレーニングを実施

営業活動からサポートセンターや遠隔地の専門家によるトラブル
シューティングまであらゆる領域でビデオベースのサービスを提供し、
顧客満足度を向上
図 1. コラボレーティブ意思決定環境 (CDE) の利点
コラボレーティブな意思決定環境が製造業者にもたらす利点の概要
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イノベーション拠点を設けることにより、全員が業務の向上を目指すようになりま
す。企業は、この新しいアイデア工場によって、業界の破壊的変化の中で存続
できるだけではなく、変化を予測し、自ら変化を引き起こすことになります。その
結果、行動が遅い企業は置き去りにされるか、コモディティ化した製品提供企業
へと格下げされるでしょう。
コラボレーティブな意思決定環境により、企業は距離の問題を解消し、変化し
続けるイノベーションのエコシステムを構築できます。イノベーションをオープンソー
ス化しなければ、競合企業に後れを取ってしまいます。 今後は、知的財産が
新たな、そして最も重要な差別化要因となるでしょう。
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Issue Brief のコラボレーションパートナー
ポリコム エンタープライズソリューションズ ディレクターの John Paul Williams 氏は、電気通信、プロセス管理などの分野
で、製造、品質、およびエンジニアリングにおける世界的なイノベーションの推進を行ってきました。ポリコム入社前は、プロ
セス管理会社の統括マネージャーを務め、エネルギー産業用の制御システムの設計と開発を担当。カスタム設計の製品
を 24 時間で製造する Hunter Douglas 内の部門では、オペレーションと品質のバイスプレジデントを務めました。また、
欧州、アジア、および米国の工場を管理し、それらの地域のコスト優位性を活用しながら、現地の顧客および市場を
サポートしました。
ポリコムについて
ポリコムのセキュアなビデオ、音声、およびコンテンツソリューションにより、あらゆる “距離” の問題を解決し、組織における
生産性の向上および新しい価値の創造、教育・医療環境の拡充などを実現しています。ポリコムは、世界中のパートナー
企業と共に、高品質なユーザーエクスペリエンス、多くの UC 環境との高い相互運用性、投資の保護、あらゆる環境で
使用可能な柔軟なコラボレーションソリューションを提供します。
Obzervant について
Obzervant は、関連性の高い価値のあるソートリーダシップ資料を作成し、統合された複数チャネルのキャンペーン戦略と
して、買い手の購入サイクル全体を通して読者に有用な情報を提供するコンテンツ制作業者です。
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