『アクティブラーニング』 この言葉に注目

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『アクティブラーニング』 この言葉に注目!!
まなぶくん
最近、よく「アクティブラーニング」という言葉を耳にしたり、目にしたりしませんか?
先月号で報告させていただきました水戸部修治 教科調査官による「小学校教育実践研修(国語)」の中でも、
『課
題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習(いわゆる「アクティブ・ラーニング」)のための指導方法等
を充実させていく必要がある』というお話が出ました。
教育用語として注目されている「アクティブ・ラーニング」ですが、もともとは、高等教育において導入された
用語です。
以下は、平成24年8月に出された『新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体
的に考える力を育成する大学へ~(答申)』からの抜粋です。
「生涯にわたって学び続ける力、主体的に考える力を持った人材は、学生からみて受動的な教育の場では育成する
ことができない。従来のような知識の伝達・注入を中心とした授業から、教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒に
なって切磋琢磨し、相互に刺激を与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に問題を発見し解を見いだして
いく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要である。すなわち個々の学生の認知的、倫理的、社会的
能力を引き出し、それを鍛えるディスカッションやディベートといった双方向の講義、演習、実験、実習や実技等を
中心とした授業への転換によって、学生の主体的な学修を促す質の高い学士課程教育を進めることが求められる。学
生は主体的な学修の体験を重ねてこそ、生涯学び続ける力を修得できるのである。」
アクティブ・ラーニングに関する書籍がたくさん出版されてきていますが、今回は、その「アクティブ・ラーニ
ング」の定義とは何か、またどのような学習なのかについて紹介された書籍を紹介します。
・“Active Learning-Creating Excitement in
・
『アクティブラーニングと教授学習パラダイム転換』
溝上慎一(2014)東信堂
「大学教育におけるアクティブ・ラーニングの実践
的な専門書」としての書き出された本書ですが、アク
ティブ・ラーニングについての歴史的流れや、溝上氏
の定義を解説してくれる書籍となっています。専門書
ではあるものの、アクティブ・ラーニングについての
拠り所となり、全体像を掴むことが出来る一冊です。
・
『ディープ・アクティブラーニング』
松下佳代編(2015)勁草書房
「教育から学習への転換」のキーワードとして、アク
ティブ・ラーニングが注目されている中、授業形態や
学習の形態に焦点をあてるのではなく、学習の質や内
容に切り込んでいるのが特徴です。
「主体的な学びが、
必ずしも質の高い学びにつながるとは限らない」とし
た上で、質の高い学びにつながるための付加的条件を
探る一冊です。
the Classroom-”
Charles C. Bonwell and James A. Eison (1991)
ASHE-ERIC Higher Education Reports
・
『授業を磨く』
田村学(2015)東洋館出版社
著者は、これからの社会が求める人材は大きく変化
し、実社会で活躍できる汎用的能力の育成を図るため
には、アクティブ・ラーニングが必要であると説いて
います。
「全く新しい方法や手法を取り入れていこう
とするのではない」とした上で、授業の質的転換や授
業改善に向けて取り組む必要性が分かる一冊です。
・
『アクティブラーニング入門―アクティブラーニン
グが授業と生徒を変える―』
小林昭文(2015)産業能率大学出版部
公立高校の物理の教諭であった著者が、高等学校で
実践してきたアクティブラーニング型授業について
詳しく、わかりやすく、具体的に書き下ろした書籍で
す。
「安心安全の場づくり」や「目的・目標・ルール
の設定」等、授業づくりについても解説している一冊
です。
多様性を認め合うこ と
国内外ともに社会情勢が変化し、以前と比較すると様々な面において、多様化は進
んでいます。そのような中で、様々な人たちが、共に認め合いながら生きていける場
も増えてきつつあります。しかし、高齢者の方が一方的に「弱者」として扱われたり、
発達障害のある方が突然大きな声を出して暴れると「異常な行動、問題行動をとる人」
として見られたりすることも、まだまだあるように思います。
千葉県在住で、会話のできない重度の自閉症である東田直樹(ひがしだなおき)さ
んは、13歳の時に『自閉症の僕が跳びはねる理由』という書籍で自分の経験や思い
を綴り、自閉症者の内面を伝えたことで、注目を集めています。東田さんが出演した
NHKのドキュメンタリー番組 は、平成 26 年度文化庁芸術祭テレビ・ドキュメンタ
リー部門で、大賞を受賞しました。東田さんの本は自閉症の理解などというレベルで
はなく、私たちの心の中に素直に染み透り、勇気を与えてくれます。自閉症を多様性
の一つとして、また人間は同じだということをあたりまえのように実感することがで
きます。
多様化している社会が、真に多様性を認め合える社会になるよう、教育者としてで
きることを考えていきたいものです。
副所長 中元 晶子
自閉症とは、さまざまな研究から、現在では先天的な脳機能障害だと考えられています。
障害があるから不幸ではないのです。けれども、自閉症だから、普通の人にはない感性が備わっているのは事実で
しょう。ただし、一口に自閉症といっても、ひとりひとり違います。全ての自閉症者が僕と同じではありません。
僕がエッセイの中で伝えたかったのは、その人にしかわからない世界があるということです。
物事は、少し見方を変えれば、全く違ったとらえ方ができるのではないでしょうか。
<抜粋>『跳びはねる思考』著者:東田直樹 (株)イースト・プレス発行
学びの丘 四季の便り ♯1 ~晩夏を迎えて~
サルスベリ
ハギ
サルスベリ
学びの丘のあるビッグ・ユーへ向かう坂道。よく見ると、そ
の時々で、季節を感じる発見があります。
晩夏の今頃が、実は、最も華やかな季節。街路樹の百日紅(サ
ルスベリ)の花が、ちょうど今、満開を迎えています。8月に
研修講座などで、ビッグ・ユーを訪れた方は、ご覧になったで
しょうか。ピンクと白の花が、色濃い葉の緑と、夏の青空に映
えて、朝から、すがすがしい気分にさせてくれます。木の足も
とに目を移すと、萩(ハギ)が、小さな紫の花を咲かせていま
す。萩は、
「万葉集」で最もよく詠まれた花で、中秋の名月、
“お
月見”のお供え物としても親しまれてきた、日本の文化と関わ
りの深い花です。
残暑厳しい毎日が続きますが、季節は少しずつ、秋へと変わ
っていきます。その小さな変化に目を向けてみてください。
さまざまな発見が、目を、心を、楽しませてくれます。