ケータイ応用を展望したオープンなWeb地図

　ケータイ応用を展望した
オープンなWeb地図プラットホーム
～SVG
Map の技術開発～
株式会社KDDI研究所
Webコンピューティンググループ
Webコンテンツと地図
～Webのアウトドア化・ユビキタス化に伴い重要に～
• 地図
・実世界（主に屋外）を２次元図形として抽象化
・言語依存性が低い
・総覧性（多くの情報を一度に理解する）に優れる（情報の閲覧に順番が無い）
• Web上の地図サービス
1993年：XEROX PARC Map Viewer （実験的）
⇒　WWWの一般開放と、画像が扱える最初のブラウザMosaicが発表された年と同年
1996年：日本における、商用地図サービス（MapFan web、Mapion etc.)
⇒Internet ExplorerとNetscapeが対決し始めた頃
2005年：google Maps
⇒地図による情報検索・情報提供が重要なWWWの機能として認知
• 携帯電話上の地図サービス
2001年：eznavigation　2003年：QVGA液晶、EZナビウォーク
2007年：EZガイドマップ
⇒　GPS携帯の開始
⇒　大画面高解像度化による地図の実用性向上
⇒　緊急通報位置通知制度の開始に伴い、GPSアプリとしての地図の利用拡大
地図の構成
• 主題情報
主に表現したい情報
情報アイコン、経路情報等
• 背景図
用途に依らず、その地域を識別できる図面
道路・街区・鉄道・河川等
• 重ね合わせて地図が完成
地図のデータ形式
• ラスター　図形をビットイメージに変換して配信
写真と同じソフトウェアを使いまわせる
Web上の標準データ形式が確立　（JPEG, PNG, GIF)
• ベクター　図形のまま配信
高品質な拡大・縮小・回転が可能
地図に機能性を持たせられる
（場所情報、ハイパーリンクなど）
描画性能・データサイズについては、甲乙つけがたい
WWWによる地図配信の現状
• 高コスト
– WWWは、元々文書提供を主目的としているため、地図配信の仕
組みは別立てで開発・提供しなければならない
– 背景地図が高い
• 閉鎖的
– 他の地図情報と連携できない
– Google Maps, Virtual Earth, Yahoo! Maps等の大手サービスプロバ
イダを用いても、背景図やコンテンツ、ビジネスモデル、ルックアン
ドフィールが、そのプロバイダに強く依存して（囲い込まれて）しまう。
コストと閉鎖性を低める　地図配信の共通基盤が求められる
～　HTMLと、そのブラウザのような・・・
現状の地図サービス
Where1.5系サービス
情報発信者
プロバイダG用
コンテンツ
背景図X
プロバイダ間の競争に巻き
込まれ、囲い込まれてしまう
地図サービスプロバイダG
地図サービスプロバイダY
地図サービスプロバイダM
背景図G
背景図Y
背景図M
検索機能
検索機能
背景地図は
プロバイダの
管理下
検索機能
常にプロバイダの傘の下
情報発信者の主体性が低い
サービス内容も
プロバイダの
管理下
プロバイダGのサービス画面
プロバイダYのサービス画面
プロバイダMのサービス画面
オープンな地図配信プラットホーム
情報発信者
位置情報
コンテンツ
場所情報検索サービス
プロバイダ
地図サービスプロバイダの
影響力が低い
どこ？
なに？　背景図
プロバイダA
共通の地図フォーマット
⇒HTMLのような
背景図
プロバイダB
背景地図を自由に
切り替え可能
背景図
プロバイダC
利用者のＰＣ上の
ローカルデータ
PC上のデータも
重ね合わせ可能
↓
オフライン動作
他の情報発信者
共通の地図ビューア
(WWWブラウザが提供)
利用者はコンテンツを
自由に組み合わせ可能
地図配信の共通基盤
• WWWブラウザへの地図ビューア機能拡張
– プロバイダに依存しない共通の地図表示機能
•
•
•
•
拡大・縮小・スクロール
背景地図の自由な選択
複数の地図コンテンツの自由な組み合わせ
文書情報(HTML)との連携
• 共通の地図フォーマット　・　標準化
– 実用性への要件
• 高速・軽量な実装が可能
• 汎用性・応用性が高い
• 既存のWWW仕様と整合
– デファクト標準(W3C,OMA)・デジュール(JIS,ISO)標準
SVGによる地図配信基盤- SVG Map
• 地図フォーマット：SVG Tinyを利用
– W3Cが2003年に勧告した、XMLベースの汎用グラフィックス形式
• ベクタ図形だけでなく、ラスタ画像(JPEG,PNG)にも対応　～　地図・航空写真
• 多くのWWWブラウザが搭載済み(Firefox, Safariβ, Opera)　IEが未対応
– 背景図も、主題情報も同じ形式
• 背景地図も誰でも提供可能、差し替えも自由に可能
– 既存のGIS標準と比べ軽量・高性能な実装が可能
XMLの軽量実装で実現できる (汎用DOMやXML Schema実装省略可)
• 携帯電話、モバイル組み込み機器、カーナビ等への対応
• レガシーGISの大容量データへの対応
• 地図ビューア用拡張プロファイルを規定
– 拡大・縮小・スクロール地図が提供できる
– geoRSS・PlaceXMLといった、標準的な場所属性情報が利用できる
• ハイパーレイヤリング
地図の優れたマッシュアップ性
～ハイパーレイヤリング～
•
•
地図は多くの場所情報を一度に総覧できる
⇒　Web上の様々な情報を地図に載せられれば、
簡単にわかりやすくマッシュアップできる。（文章では困難）
基本特許：ハイパーレイヤリング特許：KDDI Pat. No. 3503397（日）、6107961（米） 1996年
⇒　SVG Mapとして利用する限りロイヤリティーフリーがW3C標準化時に宣言
SVG
HyperLink
Mash-upper
(Search Engine)
I want a guide
map to Station
Landmark content
HyperLink
SVG
HyperLink
SVG
Route Search Service
Base Map Service
SVG browser (Hyper-Layering)
SVG Mapの進捗
•
１９９６年～研究開発、２００１年～標準化　開始　(KDDI)
• 携帯電話
– ２００７年６月：au(KDDI)がSVG Mapを基にしたガイドマップ
サービスプラットホーム、『EZガイドマップ』開始
– 災害時ナビを含め、10個のサービス開始
（世界初）
• 背景地図
– ゼンリン・昭文社・インクリメントP・APLS MappingがSVG Map対応
(うち３社はEZガイドマップ向けに商用化)
– 国土地理院：SVG形式の電子国土(1/25000地図)を無償で実験公開中
• IE/Vista対応 SVG Mapビューア
– SVG Mapコンソーシアム：フリーのビューア開発中。９月初旬公開予定
標準地図配信プラットホーム化を推進

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