外国為替取引約定書説明書 (お客様用)

外国為替取引約定書説明書
(お客様用)
平成17年4月
目次
はじめに ……………………………………………………………………………1
Ⅰ.外国向為替手形取引約定書 ………………………………………………………1
Ⅱ.信用状取引約定書 …………………………………………………………………………4
Ⅲ.外国為替先物取引約定書 …………………………………………………………………7
はじめに
この外国為替取引約定書説明書は、お客様に外国為替取引に係る約定書をご理解いただ
くために作成したものです。
ここに記載されている約定書はそれ自体で独立の体系をもつ基本的な約定書ではなく、
信用金庫取引約定書を補完する役割を果たしている約定書です。したがって、本約定書の
規定と信用金庫取引約定書の規定が競合する場合は、本約定書の規定が優先して適用され
ることになります。
Ⅰ.外国向為替手形取引約定書
1.対象取引
輸出貨物代金をはじめ外国からの金銭の支払を受けるために用いられる為替手形、小
切手、受領書など買取依頼の際に、お客様から差入れていただく包括的な約定書です。
2.約定書の内容
第 1 条(定義)
本約定書で使用される用語の定義を記載しております。
【用語説明】
○信用状確認銀行(Confirming Bank)
信用状に確認を加えた銀行のことで、信用状発行銀行の信用のみでは輸出者が不
安であるとか、戦乱・騒動などで支払に懸念のあるとき、あるいは発行銀行が自
行発行の信用状の信用を高めるために、有力な他銀行の副保証的な意味で確認を
求める場合があります。確認を加えた銀行は発行銀行と同様に、かつ独立して信
用状上の責任を負うことになります。
○補償銀行(Reimbursing Bank)
手形の買取や支払の代金を求償すべき相手方の銀行で、補償支払銀行のことです。
第 2 条(適用範囲)
本約定書が適用される取引は、信用状の有無、輸出貨物の有無、運送書類の有無を
問いません。
第 3 条(担保)
外国向為替手形買取に伴う手形上または手形外の債務ならびにこれに付随する利息、
割引料、損害金、手数料及び諸費用の担保として、付帯荷物と付属書類は当金庫へ差
し入れていただくことを規定しております。
第 4 条(保険金)
物品輸送中に保険事故が発生した場合には、付帯荷物に対する保険金請求権を当金
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庫へ譲渡していただくことを規定しております。
第 5 条(外国向為替手形および付属書類の真正等)
為替手形または付属書類の真正性・有効性についてお客様が保証することを規定し
ております。
第 6 条(為替相場)
為替手形代り金の支払を円貨で行う場合の適用為替相場は、買取実行時の当金庫所
定の為替相場を適用させていただきます。
第 7 条(前貸債務の弁済)
輸出前貸による貸付がある場合には、その弁済期限にかかわらず手形代り金を当該
貸付金の弁済に充当させていただくことを規定しております。
第 8 条(利息、割引料、費用等の負担)
外国向為替手形にかかわる利息、割引料、損害金、手数料、郵送料および付帯荷物
にかかわる運賃、保管料、保険料などはお客様のご負担になります。
第 9 条(為替取引先等および輸送方法の選定)
為替手形の取立受託銀行(為替取引先)、輸送方法の選定は当金庫の任意とさせてい
ただくことを規定しております。
第 10 条(付属書類の引渡し)
為替手形の付属書類の引渡しは信用状条件によるものとすること、信用状なしの場
合は買取依頼書記載の引渡条件によるものとすること、等を規定しております。
第 11 条(付帯荷物の保全等)
為替手形の支払義務者が手形の支払または引受を拒絶した場合には、当金庫または
為替取引先等は荷物の保全に必要な処置を取ることができ、これにより生じた損害は
お客様のご負担となります。
第 12 条(支払等の猶予)
為替手形の支払義務者が手形の支払または引受の猶予を申し出た場合は、当金庫は
お客様へ事前の通知を省略して承諾することができます。
第 13 条(参加引受等)
為替手形について第三者が無条件で参加引受、参加支払または債務引受を申し出た
ときには当金庫はお客様へ事前の通知を省略して承諾することができます。
第 14 条(拒絶証書)
拒絶証書に関する条項で、国内の手形と同様、拒絶証書不要の扱いにしております。
第 15 条(買戻債務)
お客様の手形買戻債務について、第 1 項で買戻債務が当然に発生する場合を、第 2
項でそれが当金庫からの請求によって発生する場合を、第 3 項から第 7 項で前記 2 項
を補足する形で詳細を規定しております。
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【用語説明】
○再買取(再割)
当金庫がお客様より買取した船積書類を国内他行に買取依頼し、資金化すること
です。
第 16 条(弁済金額の為替相場)
第 15 条により為替手形の買戻債務または求償債務を円貨で弁済する場合に適用す
る為替相場は、弁済時における当金庫の直物電信売相場となります。
第 17 条(外国向為替手形等の返還)
当金庫が相殺等を行う場合とお客様が相殺を行う場合、為替手形、付属書類、付帯
荷物について、返還方法を規定しております。
第 18 条(外国向為替手形等の事故)
為替手形および付属書類がやむをえない事情によって紛失、滅失、損傷、延着した場
合、法律上の手続を待たずに債務を弁済していただくことを規定しております。
第 19 条(署名等の照合)
為替手形買取依頼書の署名または印影について、当金庫が相当の注意をもって照合
した上で取引したときは、偽造、変造、盗用等の事故があっても、生じた損害はお客様
のご負担となることを規定しております。
第 20 条(保証状)
信用状条件との不一致等により当金庫または為替取引先等が必要と認めた場合に、
お客様への通知を省略して信用状発行銀行、補償銀行等に保証状を差入れることにつ
いて規定しております。
【用語説明】
○信用状条件との不一致(Discrepancy)
瑕疵、ディスクレといわれ、手形および書類に信用状条件違反や書類相互間の不
一致があることをいい、このような場合には信用状の保護機能を受けられないこ
とがあるので注意を要します。
第 21 条(信用状統一規則等)
この約定に定めのない事項については、国際商業会議所制定の「荷為替信用状に関
する統一規則および慣例」および「取立統一規則」の定めに従い取扱うことを規定し
ております。
【用語説明】
○荷為替信用状に関する統一規則および慣例(Uniform Customs and Practice for
Documentary Credits)
世界各国で幅広く利用されている信用状について、その取扱いや用語の解釈など
共通のルールを国際商業会議所が制定したものです。現在使われているものは
1993 年改訂版で、一般的には信用状統一規則あるいは「UCP500」などと呼ばれ
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ています。
○取立統一規則
書類の取立に関する共通のルールを国際商業会議所が制定したものです。
第 22 条(第三者名義の外国向為替手形の買取)
委任状などにもとづく第三者名義の手形買取についても、本約定書の規定が適用さ
れます。
以
上
Ⅱ.信用状取引約定書
1.対象取引
輸入貨物代金の決済を荷為替信用状ベースによって行なう際に差入れていただく約定
書で、荷為替信用状に関連する一切の取引、すなわち、信用状の発行、信用状にもとづ
いて作成され呈示される輸入荷為替手形の決済、輸入ユーザンスの取扱いと決済、なら
びにこれらに関連する取引などです。
2.約定書の内容
第 1 条(定義)
本約定書で使用される用語の定義を記載しております。
【用語説明】
○受益者(Beneficiary)
物品の売主(輸出者)のことです。
○クリーン信用状
船積書類の呈示を伴わなくても支払または引受を約する信用状のことで、輸入信
用状あるいは荷為替信用状に対することばです。
第 2 条(適用範囲)
本約定書が適用される取引についての記載で、信用状の発行、輸入荷為替手形の決
済、輸入ユーザンスの取扱いとその決済、ならびにこれらに関連する取引などです。
第 3 条(担保)
信用状発行に伴う債務ならびに付随する利息、割引料、損害金、手数料、保証料お
よび諸費用の担保として、付帯荷物と付属書類は当金庫へ差し入れていただくことに
なります。
第 4 条(保険金)
付帯荷物に対する保険金請求権を当金庫へ譲渡していただくことを規定しておりま
す。
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第 5 条(外国向為替手形および付属書類の真正等)
輸入為替手形または付属書類の真正性・有効性についてお客様が保証することを規
定しております。
第 6 条(危険負担)
付属書類の記載と付帯荷物の不一致、売買契約書との契約違反など、お客様の責
任となる事項について規定しております。
第 7 条(利息、割引料、費用等の負担)
信用状、輸入為替手形および付属書類にかかわる利息、割引料、損害金、手数料、
郵送料その他費用および付帯荷物にかかわる運賃、保管料、保険料などお客様のご
負担となる事項について規定しております。
第 8 条(為替取引先等および通知方法の選定)
当金庫が信用状を発行する場合に、通知のために利用する銀行の選定および通知方
法は当金庫の任意とさせていただくことを規定しております。
第 9 条(輸入為替手形の取扱い)
当金庫が輸入為替手形および付属書類を点検後、支払、引受等を当金庫の判断で行
うことについて規定しております。
第 10 条(信用状条件との相違等)
当金庫が輸入為替手形および付属書類を点検し、信用状条件と相違していると判断
した場合に、当金庫はお客様への事前通知を省略して通知銀行あるいは買取銀行に対
して支払、引受等を拒絶できることを規定しております。
第 11 条(償還債務)
当金庫が信用状条件に従って補償債務を履行し対外決済を行なった場合には、お客
様はその金額による償還債務をご負担いただくこと、また、荷物引取保証等により付
帯荷物の引渡を受けている場合には、輸入為替手形および付属書類が信用状条件と相
違していても償還債務をご負担いただくこと等を規定しております。
第 12 条(為替相場)
償還債務を弁済いただく際の適用為替相場は、弁済時の当金庫所定の為替相場を適
用させていただくことを規定しております。
第 13 条(付帯荷物の保全等)
付帯荷物について、当金庫が債権保全上必要と判断した場合は臨機の処置ができ、
また、付帯荷物に生じた損害はお客様にご負担していただくことを規定しております。
第 14 条(信用状の取消、条件変更等)
信用状の取消、条件変更等は信用状関係当事者全員の同意が必要なこと、債権保全
が必要と当金庫が判断した場合は、お客様への事前通知を省略して信用状の取消、条
件変更等ができること等を規定しております。
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【用語説明】
○信用状関係当事者全員
発行銀行、確認銀行(確認信用状の場合)、受益者のことです。当金庫が発行す
る信用状は取消不能信用状であり、原則として、発行銀行(当金庫)および受益
者の同意がなければ条件変更はできません。特に、受益者が不利となる条件変更
(取消、金額減額、期間の短縮等)の場合は、受益者の同意書が必要となります。
第 15 条(事前の償還請求等)
お客様が期限の利益を喪失した場合の弁済条項で、国内の取引と同様にお客様が信
用金庫取引約定書第 5 条第 1 項に該当した場合には、当金庫から事前通知等がなく
ても償還債務を弁済していただくこと、信用金庫取引約定書第 5 条第 2 項に該当し
た場合には、当金庫の請求によって償還債務を弁済していただくこと等を規定して
おります。
第 16 条(事前の償還請求等の為替相場)
第 15 条履行の際の適用為替相場は、弁済時における当金庫所定の為替相場を適用
させていただくことを規定しております。
第 17 条(通知義務)
クリーン信用状の取引がある場合、当金庫の補償債務に影響があるような事由が発
生した場合には、お客様は直ちにその旨を当金庫に通知する義務があることを規定し
ております。
第 18 条(取次および第三者名義の信用状)
当金庫は信用状の発行を他の銀行に取り次ぐことができ、その選定は当金庫の任意
であること、第三者名義の信用状発行の場合も同様であることを規定しております。
第 19 条(署名等の照合)
お客様の署名または印影を当金庫がお客様の届出た署名印鑑届、印鑑紙等と相当の
注意をもって照合した上で取引したときは、偽造、変造、盗用等の事故があっても生
じた損害はお客様のご負担となることを規定しております。
第 20 条(事故等の責任)
当金庫の責によらない事由による信用状の発行・条件変更、輸入荷為替手形・付属
書類等に関する不着、未着、延着、紛失等の事故があっても、生じた損害はお客様の
ご負担となることを規定しております。
第 21 条(信用状統一規則等)
この約定に定めのない事項については、国際商業会議所制定の「荷為替信用状に関
する統一規則および慣例」および「取立統一規則」の定めに従い取扱うことを規定し
ております。
【用語説明】
○荷為替信用状に関する統一規則および慣例(Uniform Customs and Practice for
6
Documentary Credits)
世界各国で幅広く利用されている信用状について、その取扱いや用語の解釈など
共通のルールを国際商業会議所が制定したものです。現在使われているものは
1993 年改訂版で、一般的には信用状統一規則あるいは「UCP500」などと呼ばれ
ています。
○取立統一規則
書類の取立に関する共通のルールを国際商業会議所が制定したものです。
以
上
Ⅲ.外国為替先物取引約定書
1.対象取引
輸出入取引の為替リスクを回避するための為替先物予約に限ります。したがって、実
需が伴わない予約の取扱いはできません。
2.約定書の内容
第 1 条(定義)
外国為替先物予約取引の定義を記載しております。
第 2 条(自己責任の原則)
お客様の自己責任において予約を申込んでいただきます。
第 3 条(取引内容の確認)
予約が成立した場合の予約内容確認方法を規定しております。
【用語説明】
○Contract Slip(予約取引確認書)
予約締結後、当金庫が発行する予約内容の確認書で、お客様が内容を確認後、署名
または記名捺印した確認書の1部を当金庫へ返却していただきます。
第 4 条(取引の独立性)
この予約の成立によって、他の取引(外国向為替手形の買取、L/C 開設等)を応諾し
たことにはならいことを規定しております。
第 5 条(履行)
予約は期日に履行していただき、万一、予約の全部または一部を履行できなかった場
合はこれによって生じた損害金、手数料等はお客さまのご負担となります。
第 6 条(解約・期日の変更)
やむを得ない事情により予約の解約、延長、期日前履行等を依頼する場合は当金庫の
承諾を要し、これにより生じた損害金、手数料等はお客様のご負担となります。
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第 7 条(債務不履行による損害等の負担)
お客様が期限の利益を喪失した場合の予約解除について規定しており、信用金庫取
引約定書第 5 条第 1 項に該当した場合には、当金庫から事前通知等がなくても当然に、
信用金庫取引約定書第 5 条第 2 項に該当した場合には、当金庫の請求によって先物予
約が解除されることになり、このことによって生じた一切の手数料、費用、損害等はお
客様のご負担となることを規定しております。
第 8 条(手形の差入)
予約の支払を確保するため、当金庫からの請求により約束手形を差入れていただく場
合があります。
第 9 条(手数料等)
予約にかかる手数料、損害金等は、当金庫所定の料率、計算方法によります。
第 10 条(譲渡・質入の禁止)
予約の権利は、他に譲渡、質入できないことを規定しております。
第 11 条(署名等の照合)
お客様の署名または印影を当金庫がお客様の届出た署名印鑑届、印鑑紙等と相当の注
意をもって照合した上で取引したときは、偽造、変造、盗用等の事故があっても生じた
損害はお客様のご負担となることを規定しております。
以
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上