研究・開発の取り組み

研究・開発の取り組み
ニッポンハムグループでは、
食の安全・安心を守り、
食の新たな可能性を追求するため、
積極的に研究・開発を行っています。
健康に役立つ機能性食品素材の研究・開発
ニッポンハムグループでは、
食の安全・安心を守り、
食の新たな可能性を追求する
ため、
積極的に研究・開発を行っています。
日本ハム(株)中央研究所がニッポンハムグループの中核研究機関として、掲げる
ビジョンには、
「豊かな未来をもたらす食糧生産への挑戦」
「食を通した健康と楽し
さの実現」
「世界をリードする食の安全の追求」
「生命の恵みからの新たな価値の
創造」
があります。現在では、
「未解決の課題に挑戦すること」
「研究成果を新しい
価値に変えること」
を念頭に新分野の研究・開発を進めています。これからの10 年、
20 年先を見据えた基礎研究にも取り組んでいます。
日本ハム(株) 中央研究所 藤原 寛英
■機能性食品素材の商品開発
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花粉症患者は、年々増加傾向にあります。日本
そのほか、
鶏の軟骨から
「Ⅱ型コラーゲンペプチド」
、
Nipponham Group CSR Report 2016
ハム(株)中央研究所では約2000 株の乳酸菌から
豚の軟骨から
「コンドロイチン硫酸」
を抽出していま
アレルギー緩和効果の高い乳酸菌(HSK201)を選
す。ヒトのからだにも含まれる成分ですが、年齢とと
抜し、ニッポンハムグループの日本ルナ(株)が製造
もに減っていきます。そこで、
これらの成分を手軽に
する乳酸菌飲料への活用と、サプリメントなどの健
摂取できるよう、サプリメントを開発しました。生命
康食品として商品化しています。
の恵みを大切に、付加価値のある商品開発を行って
います。
■再生医療分野への応用
NMPコラーゲンPSを用いた神経再生誘導チューブによる
神経再生の模式図
日本ハム
(株)中央研究所ではコラーゲンの研究
を応用し、医療用コラーゲン素材「NMPコラーゲン
PS」
を開発しました。その品質と性能が評価され、
神経再生誘導チューブの原料として医療分野で活用
されています。病気・けがなどで神経が損傷した場
合に、このチューブをその部分に装着することで、神
経の再生を促して治癒させる機能を持っています。
自己神経
神経損傷
(病気、
けがなど)
中枢側
末梢側
装着
神経の再生過程
神経の治癒
→知覚回復
→痛み消失など
分解・吸収
回復
■食品検査キットの研究・開発
近年、消費者の食品に対する安全・衛生に対する
そして、2014 年9月には食中毒菌検査キットの
要求が高まっており、
「HACCP ※」
の重要性が増して
「NHイムノクロマトO157」
が、検査キットの性能に関
います。それを受けて、食品企業では製品製造工程
する国際的な認証機関「AOAC International」
の管理に手軽に利用できる検査ツールや情報を求
より国際認証
(AOAC-RIP TM認証)
を受けており、
めています。
信頼性の高いキットであることが証明されました。
日本ハム
(株)
中央研究所では、
食の安全・安心を
また、2015 年度には、食品検査の最新情報や技
守るため、食品の食中毒菌、カビ毒の検査や食物ア
術情報をお届けするための情報誌「FAST NEWS」
レルゲンを検査する検査キットを開発・販売し、
食品
を発刊しました。毎号食品検査に関する特集記事
メーカーや流通企業、外食企業、行政機関等で広く
を掲載し、食品企業の品質保証や製造の担当者に
ご利用いただいています
(→関連P.21)
。
対して、食品検査に関する有
益な情報の発信源としてお役
立ていただいています。
食中毒菌の検査キット
「NHイムノクロマトシリーズ」
カビ毒の検査キット
「Myco Jude®トータルアフラトキシン」
『FA S T NE WS』
創刊号
■共同研究による新たな育種技術の研究・開発
2015 年には、この系統の豚が、免疫に関連する
内の研究機関、県の試験場、大学と共同で豚の生
遺伝子の中に特有の遺伝子配列を持っていること
産効率を高める新たな育種技術の研究・開発を
を特定し、この配列が豚の免疫力を高めている可
行っています。豚の複数の免疫力を指標として、
能性を示しました。この配列については特許を出
親豚を選抜し、6 世代の育種改良を重ねた結果、
願中です。現在、免疫力の高い豚を正確に育種選
免疫力の高い豚の系統を作ることができました。
抜できるように、この配列の有無を調べる検査方
さらに研究を進めたところ、この豚の系統は伝染
法の研究・開発を進めています。
病にも強いことが確認できました。
6.0
免疫力の推移
5.0
選抜を繰り返すごとに免疫力が上昇
免疫力
4.0
3.0
2.0
1.0
0
1
2
3
4
5
6(世代)
※ HACCP : 危害分析重要管理点方式。食品製造段階で起こる衛生上の危害を防止するために最終製品だけでなく、生産工程全般を管理するもの
です。
「Haz ard A naly sis and Critic al Contr ol Point」
の頭文字をとったもので、
“ハセップ ”と発音します。
Nipponham Group CSR Report 2016
日本ハム(株)中央研究所では2007 年より、国
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