博報堂生活総研 消費ショートレポート10月

株式会社博報堂 広報室
2012.10.05
博報堂生活総合研究所 「消費ショートレポート」
47.4 点
欲しいモノ・サービスのある人は 32.3 %
10月の消費意欲指数は
先月(51.9点)より4.5点減少
先月(26.4%)より5.9ポイント増加
[全体概要]10月の消費意欲指数は今年5月の調査開始以来最低となりました。10月はセールもなく、ボーナスもまだ先と
いうこともあるためか、「消費意欲を刺激するものがあまりない」という声もあり、全体的にみて消費を積極的に広げたいとい
う声は少なくなっています。一方、「欲しいモノ・サービスがある人」の割合は、先月は夏消費の反動で大幅に減少しました
が、今月は平均的なレベルに戻り、上昇傾向をみせました。ただ、その内容をみると、女性を中心に、「秋服」や、味覚の
秋ということで「食品」や「外食」などが、また、年配層中心に「一泊旅行」や「紅葉狩り・果物狩り」などがあげられましたが、
身近で、手軽に秋を楽しみたいということで、比較的小粒な消費がほとんどでした。ここでも、消費を積極的に広げたいとい
う傾向は、あまりみられませんでした。
消費意欲指数:「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(10
月)の消費意欲は何点ぐらいですか。」(点数とその理由)
欲しいモノ・サービス:「あなたが来月(10月)、特に買いたいモノ・利用したいサービスはありますか。」(SA/あると回答した方には具体的なモ
ノ・サービスを自由回答で聴取)
1. 消費意欲指数について
■消費に対して積極的な理由
女性中心に「秋服を買いたい」、「秋の味覚を楽しみたい」という声や、男女の年配層で「季節もよくなるので旅行や行楽に
行きたい」という声があげられました。
<生活者の声・男性>
<生活者の声・女性>
・秋物の服が欲しくなる時期なので
(80点・20代・奈良県)
・食欲の秋で外食が増えそう
(90点・50代・大阪府)
・季節的に旅行、趣味の山に出かける機会が増えそう
(80点・60代・愛知県)
・季節の変わり目で秋冬の服欲しいし、ヘアスタイルも変えたい
(80点・20代・大阪府)
・秋だしおいしいものがたくさん出るので
(80点・50代・愛知県)
・秋になると美味しいもの、ファッション、旅をしたくなる
(100点・60代・神奈川県)
■消費に対して消極的な理由
「欲しいものがない」という声が男女ともに多く聞かれます。また、「景気不安」をあげる人が再び増えてきました。「これから
に備えて消費を抑える」や「セールもなくボーナスもまだなので」という声も聞かれました。
<生活者の声・男性>
<生活者の声・女性>
・夏に出費したし、年末年始にお金を使いそうなので抑える
(30点・30代・千葉県)
・特に買いたいモノ、受けたいサービスもない 出費も減らしたい
(10点・40代・大阪府)
・消費税が上がるし、諸経費も上がるので購買意欲も落ちる
(5点・60代・愛知県)
・特にこれといって欲しいモノが見つからない
(30点・20代・埼玉県)
・バーゲンもなく、年末に備えて落ち着く月なので
(40点・30代・千葉県)
・これからの増税生活に慣れていけるよう消費を控え老後に備える
(40点・50代・愛知県)
《お知らせ》 消費意欲指数が変わりました。
2011年5月から、3ヶ月に一度ご報告していた「消費意欲指数」が2012年5月にリニューアルしました。
調査が3ヶ月に一度から毎月に、調査エリアは全国から首都圏、名古屋圏、阪神圏になりました。詳細は5ページの調査概要をご確認ください。
1
■ 性年代分析
男女別 消費意欲指数
男女別の消費意欲指数をみると、男性が先月比4.7点減少
[全体
の44.4点、女性が4.5点減少の50.4点で、ともに今年5月の調
47.4 点 (先月51.9) ]
査開始以来最低となりました。男女年代別で先月より増加し
たのは女性20代のみでした。
44.4点
男性をみると、全年代で指数が先月よりダウンし、いずれも
50点に届きませんでした。30代、40代、60代では今までで最
50.4点
(49.1)
低となりました。中でも40代は39.8点と40点割れです。消費
(54.9)
意欲が低い理由をみると、「欲しいものがない」という人が40
代、50代、60代で多くなっています。また、「景気不安」をあ
げる人も40代以上で増えました。高い理由では、特に目立
男 性
つものはなく、年配層で「旅行や行楽に行きたい」がやや多
くなっています。
49.0点
女性では、20代が先月を若干上回りましたが、他の年代は
(51.9)
ダウン、30代、40代、60代は今年5月の調査を開始して以来
最低でした。特に、40代と60代は女性年代別で50点を割り
ました。消費意欲が低い理由をみると、男性同様「欲しいも
「年末に備えて抑える」という人や「セールもボーナスもまだ
なので、消費はちょっと一休み」という人も各年代でみられま
54.5点
43.3点
30代
52.7点
39.8点
(44.2)
40代
47.3点
46.0点
50代
50.6点
60代
48.2点
(50.3)
す。一方、高い理由では、20代、30代、50代で「季節の変わ
女 性
20代
(49.7)
のがない」という人が、30代、40代、60代で目立ちます。また、
年 代
り目なので秋ものを買いたい」という声が多くなっています。
45.5点
また、季節を反映して「秋の味覚を楽しみたい」という声や、
(50.4)
(54.3)
(56.8)
(52.9)
(54.4)
(55.5)
年配層で「旅行や行楽に行きたい」という声も聞かれます。
*( )内の数値:前回調査(9月)の点数。↑は前回比較でプラス、↓はマイナス、→は
変わらず、を示す。
※データの詳細については4p目「参考データ」をご参照ください。
2. 欲しいモノ・サービスについて
Q.「あなたは来月(10月)、特に買いたいモノ・利用したいサービスはありますか。」(SA)
「あなたが来月(10月)、特に買いたいモノ・利用したいサービスとは何ですか。」
(買いたいモノ・利用したいサービスがあると回答した人のみ/思いつくものを全て自由回答で記述)
欲しいモノ・サービスの有無
モノとサービスの割合*
1人当たりの
欲しいモノ・サービス個数
[ 該当者(485人)ベース ]
来月、特に
買いたいモノ・
利用したい
サービスはない
[1,015人]
来月、特に
買いたいモノ・
利用したい
サービスがある
[485人]
32.3%
(+5.9pt)
モノ・サービス
2.35個
モ ノ
[832個]
72.9%
(-4.9pt)
(+0.12個)
モノ・サービス
(延べ数*)
1,141個
(+259個)
67.7%
(-5.9pt)
1.72個
(-0.01個)
サービス
サービス
[309個]
27.1%
※[ ]内は今回の該当者人数。
※( )内の数値は先月比の差分。
モ ノ
*モノとサービスの割合:自由回答をモノ
とサービスに分類して、カウント。
*延べ数:自由回答で、1人が複数個回
答してる場合も全てカウントしています。
※[ ]内は今回の個数
※( )内の数値は先月比の差分。
0.64個
(+0.15個)
※( )内の数値は先月比の差分。
2
■ 「モノ」について
「欲しいモノ」の数は、過去最低だった先月に比べ増加し、平均的なレベルに戻りました。男性に比べ女性の増え方が目立ち
ます。季節の変わり目ということで、女性を中心に「服」や「靴」などファッション関連が増えています。また、「食品」も女性で増
えました。「家電」や「PC」「携帯電話」「カメラ」など、男性で多くあげられるメカ関連は横ばいです。
■ 「サービス」について
「欲しいサービス」の数も、「モノ」と同様に平均的なレベルに戻りました。夏休みの反動で先月半減していた「旅行」が、秋の行
楽シーズンということもあり年配層を中心に増えました。国内の一泊旅行や紅葉狩りなど、身近で手軽な旅があげられています。
また、「外食」も女性中心に回復しました。「食品」をあげた女性の多さとあわせると、食欲の秋は女性が引っ張っているようです。
■ 性年代分析
男女別 欲しいモノ・サービスがある
「欲しいモノ・サービスがある」と答えた人は全体で32.3%と
[ 全体
過去最低だった先月より増加し、平均的なレベルに戻りまし
32.3
% ]
(2.35個↑)
た。男性が先月比4.1ポイント増加の29.5%、女性が7.8ポイ
ント増加の35.3%でした。「欲しいモノ・サービス」の一人当
たり個数は男性が2.03個で先月より0.02個増加、女性が2.63
個で0.20個の増加でした。
29.5%
35.3%
(2.03個↑)
(2.63個↑)
性年代別の特徴をあげると、男性では「欲しいモノ・サービ
スがある」人の割合が、横ばいだった30代を除き各年代で
増加しました。しかし、「欲しいモノ」をみると、主要な「モノ」
では目立った動きはありません。「家電」や「PC」「携帯」「カメ
ラ」などメカ関連は先月と同じレベルです。20代、30代で
男 性
「服」をあげる人が他の年代より多くなっていますが、その数
40.7%
は先月とあまり変わりません。また、「欲しいサービス」では、
(2.16個↑)
「旅行」で50代、60代の増加が目立ちますが、先月、夏休み
の反動で大きく減った20代から40代では減少傾向が続いて
います。
女性をみると、「欲しいモノ・サービスがある」人の割合は、
全年代で増加しました。先月大きく減った20代と50代は、そ
れぞれ15.4ポイント増、13.0ポイント増と回復しました。「欲し
いモノ」をみると、20代、30代に加え50代で「服」や「靴」など
ファッション関連が増えています。「食品」は全年代であげら
れ、先月に比べ大きく増えました。「欲しいサービス」では
「旅行」が男性同様、50代、60代で多くあげられています。
「エステ」「美容院」も20代から40代で増加しています。夏も
25.1%
(1.84個↓)
25.0%
(2.17個↑)
28.0%
(1.81個↓)
31.3%
(2.10個↑)
年 代
女 性
51.3%
20代
(2.72個↓)
30代
(2.56個↑)
40代
(2.49個↓)
50代
(2.98個↑)
60代
(2.47個↓)
35.5%
32.7%
31.5%
29.2%
*( )内の数値:1人当たりの欲しいモノ・サービスの個数
終わって肌のケアを、ということでしょうか。また「外食」も20
代、60代を中心に多くあげられています。
.
※データの詳細については4p目「参考データ」をご参照ください。
3
参考データ
1.消費意欲指数 性年代別時系列表
調査月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
全体
49.6
51.4
54.6
52.4
51.9
47.4
男性計
45.8
48.8
51.0
50.9
49.1
44.4
男性20代
47.3
53.4
55.9
55.2
51.9
49.0
男性30代
47.1
48.4
50.9
50.1
49.7
43.3
男性40代
44.0
45.1
50.0
50.9
44.2
39.8
男性50代
40.8
45.8
49.4
49.4
50.3
46.0
男性60代
49.1
52.0
49.8
49.6
50.4
45.5
女性計
53.5
54.0
58.2
54.0
54.9
50.4
女性20代
56.4
56.7
66.9
57.7
54.3
54.5
女性30代
55.3
57.9
58.4
54.9
56.8
52.7
女性40代
50.7
51.2
57.4
52.9
52.9
47.3
女性50代
53.6
50.6
55.6
53.5
54.4
50.6
女性60代
52.4
53.8
54.8
51.9
55.5
48.2
(単位:点)
2.欲しいモノ・サービスのある人の割合および個数の推移
調査月
全体
4月
欲しいモノ・サービスがある人の割合
モノ・サービス計
一人当たりの個数
(単位:%)
(単位:個数)
(単位:個数)
5月
31.6
31.3
6月
39.0
7月
31.1
8月
26.4
9月
4月
5月
6月
7月
32.3
1123
1209
1455
1112
8月
882
9月
1141
4月
2.37
5月
2.57
6月
2.49
7月
8月
9月
2.38
2.23
2.35
2.03
男性計
26.7
29.3
36.1
30.3
25.4
29.5
414
526
602
478
386
452
2.05
2.37
2.21
2.09
2.01
男性20代
28.5
40.7
51.2
40.7
37.4
40.7
58
131
137
121
95
108
1.66
2.62
2.17
2.42
2.07
2.16
男性30代
31.6
31.0
41.5
34.5
25.1
25.1
112
115
162
121
92
79
2.07
2.17
2.28
2.05
2.14
1.84
2.17
男性40代
22.6
27.4
39.9
35.7
19.0
25.0
83
107
135
129
64
91
2.18
2.33
2.01
2.15
2.00
男性50代
21.2
24.2
25.0
24.2
23.5
28.0
51
68
76
52
67
67
1.82
2.13
2.30
1.63
2.16
1.81
男性60代
28.8
25.2
23.9
17.2
24.5
31.3
110
105
92
55
68
107
2.34
2.56
2.36
1.96
1.70
2.10
女性計
36.6
33.4
42.0
32.0
27.5
35.3
709
683
853
634
496
689
2.61
2.75
2.73
2.66
2.43
2.63
女性20代
53.0
48.7
66.7
49.6
35.9
51.3
162
166
232
173
117
163
2.61
2.91
2.97
2.98
2.79
2.72
女性30代
47.0
41.0
45.2
38.0
31.3
35.5
229
207
194
178
118
151
2.94
3.04
2.59
2.83
2.27
2.56
女性40代
30.2
24.7
39.5
27.2
30.2
32.7
118
90
177
115
123
132
2.41
2.25
2.77
2.61
2.51
2.49
女性50代
30.0
25.4
33.8
29.2
18.5
31.5
103
89
125
87
46
122
2.64
2.70
2.84
2.29
1.92
2.98
女性60代
26.2
29.8
30.4
20.8
22.0
29.2
97
131
125
81
92
121
2.20
2.62
2.45
2.31
2.49
2.47
4
調査概要
質問項目
消費意欲指数
消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった
状態を100点とすると、あなたの来月(10月)の消費意欲は何点ぐらいですか?
(点数とその理由)
欲しいモノ・サービスの有無
あなたが来月(10月)、特に買いたいモノ・利用したいサービスはありますか。(SA)
あなたが来月(10月)、特に買いたいモノ・利用したいサービスとは何ですか。(OA
思いつくものをいくつでも記入)
調査地域
首都40km圏、名古屋40km圏、阪神30km圏
調査手法
インターネット調査
調査対象
20歳から69歳までの男女1,500サンプル(有効回収数)
人口構成比を反映するよう、エリア別に性年齢10歳刻みで割付
合計
男性
20代
30代
40代
50代
60代
女性
20代
30代
40代
50代
60代
1500
757
123
171
168
132
163
743
117
166
162
130
168
合計
1500
調査時期
首都
40km圏
500
名古屋
40km圏
500
阪神
30km圏
500
2012年9月6日(木)〜10(月)
企画・分析 博報堂生活総合研究所
実施・集計 株式会社 東京サーベイ・リサーチ
問い合わせ先 株式会社博報堂 博報堂生活総合研究所(小原・吉川) TEL.03-6441-6450
株式会社博報堂 広報室(山野・大野) TEL.03-6441-6161
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