pdf - 慶應義塾大学 経済研究所

KEIO/KYOTO JOINT
GLOBAL CENTER OF EXCELLENCE PROGRAM
Raising Market Quality-Integrated Design of “Market Infrastructure”
KEIO/KYOTO GLOBAL COE DISCUSSION PAPER SERIES
DP2011-025
最低賃金引上げの経済効果:パネルデータによる分析
樋口美雄*
佐藤一磨**
小林徹***
概要
2007年以降、わが国ではそれ以前に比べ、経済力の強い大都市圏を中心に、大幅な地域
別最低賃金の引上げが行われるようになった。本稿ではこうした変化を擬似実験室におけ
る統御変数の変化として捉え、2004年∼2010年の「慶應義塾家計パネル調査(KHPS)」
を用い、最低賃金の引き上げが非正規労働者の賃金水準や一般労働者も含めた賃金格差に
どのような影響をもたらしているのか、また、雇用喪失を引き起こしているのかを分析し
た。その結果、次の4つの結論を導くことができた。
(1)最低賃金の引上げは、女性の非正規労働者の賃金引上げをもたらし、正規労働者との
賃金格差縮小に寄与し、賃金階層別分析においても20%分位の分位点賃金を大きく引き上
げる効果が確認され、賃金格差縮小に有意な影響をもたらしたことが確認される。
(2)最低賃金の引上げが男性の非正規、正規労働者の賃金にもたらした有意な効果は確認
できないが、賃金階層別分析では上位階層に比べ、20%、40%、60%分位の分位点賃金を
有意に引き上げた。
(3)最低賃金の引上げは、すでに非正規労働者として雇われてきた女性及び男性の労働者
の雇用機会を喪失させることにもなっていないし、新たに就業しようとする女性及び男性
の雇用抑制にもつながっていない。
(4)最低賃金の引上げは、すでに非正規労働者として雇われてきた女性及び男性の労働者
の週平均労働時間を減少させていなかった。
*樋口美雄 慶應義塾大学商学部
**佐藤一磨 明海大学経済学部
***小林徹
慶應義塾大学商学研究科博士課程
KEIO/KYOTO JOINT GLOBAL COE PROGRAM
Raising Market Quality-Integrated Design of “Market Infrastructure”
Graduate School of Economics and Graduate School of Business and Commerce,
Keio University
2-15-45 Mita, Minato-ku, Tokyo 108-8345, Japan
Institute of Economic Research,
Kyoto University
Yoshida-honmachi, Sakyo-ku, Kyoto 606-8501, Japan
「最低賃金引上げの
最低賃金引上げの経済効果
げの経済効果:
経済効果:パネルデータによる分析
パネルデータによる分析」
分析」
樋口美雄*
佐藤一磨**
小林徹***
要旨
2007 年以降、わが国ではそれ以前に比べ、経済力の強い大都市圏を中心に、大幅な地域
別最低賃金の引上げが行われるようになった。本稿ではこうした変化を擬似実験室におけ
る統御変数の変化として捉え、2004 年~2010 年の「慶應義塾家計パネル調査(KHPS)
」
を用い、最低賃金の引き上げが非正規労働者の賃金水準や一般労働者も含めた賃金格差に
どのような影響をもたらしているのか、また、雇用喪失を引き起こしているのかを分析し
た。その結果、次の 4 つの結論を導くことができた。
(1)最低賃金の引上げは、女性の非正規労働者の賃金引上げをもたらし、正規労働者との
賃金格差縮小に寄与し、賃金階層別分析においても 20%分位の分位点賃金を大きく引き上
げる効果が確認され、賃金格差縮小に有意な影響をもたらしたことが確認される。
(2)最低賃金の引上げが男性の非正規、正規労働者の賃金にもたらした有意な効果は確認
できないが、賃金階層別分析では上位階層に比べ、20%、40%、60%分位の分位点賃金を
有意に引き上げた。
(3)最低賃金の引上げは、すでに非正規労働者として雇われてきた女性及び男性の労働者
の雇用機会を喪失させることにもなっていないし、新たに就業しようとする女性及び男性
の雇用抑制にもつながっていない。
(4)最低賃金の引上げは、すでに非正規労働者として雇われてきた女性及び男性の労働者
の週平均労働時間を減少させていなかった。
慶應義塾大学商学部
明海大学経済学部
*** 慶應義塾大学商学研究科博士課程
*
**
1
1
はじめに
最低賃金に対する人々の関心が高まっている。貧困率の上昇が叫ばれる中、「賃金の低廉
な労働者について、事業若しくは職業の種類又は地域に応じ、賃金の最低額を保障するこ
とにより、労働条件の改善を図り、もって、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び
事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的
とする」
(最低賃金法第 1 条)とされる最低賃金が、実際にはたしてその目的を達成してい
るのか、行政担当者や研究者のみならず、企業や国民の関心が集まるようになった。
最低賃金は地域別最低賃金と、産業別最低賃金、労働協約の拡張適用による地域的最低
賃金の三つがある。地域別最低賃金は産業や職種に関わらず、原則すべての労働者と使用
者に適用される最低賃金であり、都道府県ごとに定められる。これに対し、産業別最低賃
金は、特定の産業について、関係労使が基幹的労働者を対象として、地域別最低賃金より
金額水準の高い最低賃金を定めることが必要であると認められるものについて設定され、
各都道府県において合計約 250 の最低賃金が定められている。労働協約の拡張適用による
地域的最低賃金は、一定の地域の同種の労働者および使用者の大部分に、賃金の最低額を
定めた労働協約が提起要されている場合、労使どちらか一方の申請に基づき、その賃金の
最低額がその地域のすべての労働者に拡張して適用される制度であるが、現在のところ、
ほとんどこの制度は適用されていない。
地域別最低賃金額は、まず労使の代表や公益の代表等から構成される国の中央最低賃金
審議会が、厚生労働大臣の諮問を受け、各都道府県における最低賃金額改定の「目安」を
決め、各都道府県において設けられている最低賃金審議会が、これを参考にして毎年決め
ることになっている。中央最低賃金審議会では日本経済全体の状況を考慮に入れながら、
都道府県における生活水準の違いや、使用者の支払い能力の違い、雇用に与える影響度の
違い等に着目する一方、地域間の賃金格差の拡大を避けるために、経済力等に比べ相対的
に大都市圏の最低賃金を抑える傾向があったと思われる。その結果、地域ごとに決定され
る生活保護支給額に比べ、最低賃金によってフルに働いた給与額のほうが低い、いわゆる
「逆転現象」がいくつかの都道府県で見られるようになり、モラルハザードを引き起こす
原因になっているとの批判の声が上がるようになった。
その一方、最低賃金審議会において、とくに使用者側から最低賃金を引き上げるには中
小企業における生産性の向上が必要であり、これなしに最低賃金が引き上げられれば、企
業は倒産し、雇用はむしろ削減されてしまうとの声が上がり、厚生労働諸所管の最低賃金
の引上げと経済産業省所管の中小企業の生産性向上支援をセットとして検討すべきだとの
意見が提起された。そこで政府はこれらを一体として実施するために、官邸に政労使公益
から成る「成長力底上げ戦略推進円卓会議」を 2007 年に立ち上げ、最低賃金の引上げと中
小企業の生産性向上支援を実施するようになった。こうした考え方は、政権が変わった後
も、政労使公から構成される「雇用戦略対話」において受け継がれている。
こうした動きを受け、地域別最低賃金にも大きな変化が見られるようになった。2006 年
2
以前、全国平均 1%前後しか引き上げられなかった最低賃金が、それ以降、2 ケタの伸びを
示すようになった。とくに生活保護との逆転現象を解消するため、また同時に支払い余力
の大きいと言われる都市部を中心に最低賃金が大幅に引き上げられるようになった。はた
して、こうした最低賃金の改定は、非正規労働者の賃金水準や一般労働者も含めた賃金格
差にどのような影響をもたらしているのか、そして最低賃金の大幅な引き上げは、雇用の
喪失をもたらしていないのか。こうした最低賃金の政策変更を一種の社会実験とみなし、
この間の個人の行動を追跡したパネルデータを使って、最低賃金の改定が賃金水準や賃金
格差、雇用に与える影響を分析することが本稿の目的である。
以下の各節は、次のような構成になっている。次の第 2 節では、データに基づき、わが
国における最低賃金をめぐる最近の動きについて述べる。第 3 節では、最低賃金に関する
これまでの先行研究についてサーベイをし、本稿で解決すべき問題点について検討する。
第 4 節では本稿の用いるパネルデータと推計方法について述べ、第 5 節で推計結果を紹介
し、最終節、第 6 節で分析結果に基づき政策含意と今後の課題について検討する。
2
最低賃金制度の
最低賃金制度の変化(
変化(大きな制度変更
きな制度変更と
制度変更と生活保護との
生活保護との関係
との関係)
関係)
前述のように 2007 年以降の地域最低賃金は、特に大都市圏で大幅に、全国的にも継続的
な引き上げが行われている。本節ではその転換の背景にある、これまでの最低賃金の問題
点や転換についての議論を確認するとともに、その前後の実態をデータに基づき確認して
いきたい。これまで開催されてきた「成長力底上げ戦略推進円卓会議」等における議論を
見ると、いま最低賃金に関して、問われている主な論点は以下の 3 点である。
まず、第一は、日本の最低賃金水準そのものが低過ぎるのではないかという点である。
日本の最低賃金の絶対額は国際的にみても低く、市場平均賃金に比べた最低賃金の相対水
準の指標であるカイツ指標においても、2006 年時点では平均 36.5%と、この統計の利用で
きる OECD 加盟の中でも低い値となっている。これを受け、所得格差の問題が注目される
中、円卓会議においても、最低賃金を平均賃金の一定割合にまで引き上げる必要があると
提案された。
第二の論点は、この最低賃金の引き上げ率に関するものであるが、その基準として、何
が用いられるべきかという点である。最低賃金法がスタートした 1954 年、引き上げ額はそ
の時代ごとの「中卒初任給に準拠」して決定されていた。1978 年に前述の目安方式に変更
されてからは、表向きは「中卒初任給に準拠」という方法はとられていないものの、結果
的に当初の決め方に引きずられた決定がされており、高卒進学率が高くなっている現在に
そぐわなくなってきているとの指摘がされた。そして、議論の末、「高卒初任給レベルへの
引き上げを目指すべき」との合意が成立し、最低賃金の引き上げが提案された。
そして第三の論点は、最低賃金と生活保護との「逆転現象」に目を向けたものである。
各地域の最低賃金の引き上げ額は、各都道府県の所得・消費、企業経営状況などから 47 都
道府県を、経済力に基づき A から D ランクに区分し、それぞれの地域の実態を考慮して目
3
安額が考えられ、各地域の地方最低賃金審議会で具体的な引き上げ額が決まっている。こ
の決め方については 2007 年以前もそれ以降も変わっていない。しかし 2007 年以前は、地
域ごとの状況を考慮するとともに、地域格差の拡大を避けることが重視されていたと考え
られ、結果的に大都市圏、すなわち経済力のある A ランクの地域の最低賃金を抑制するこ
ととなっていた。図 2 より、各地域の最低賃金影響率、未満率、カイツ指標1をみると、特
に 19 年度以前の大都市圏の A ランク地域では未満率、影響率、
カイツ指標のいずれも低い。
地域の経済水準や生活費の違いを考慮すると、大都市圏では他地域よりも相対的に低い最
低賃金となっていることが確認できる。
このように A ランク地域ではそこでの生活費に即した最低賃金とはなっていない一方で、
生活保護は地域ごとの生活費に即して決められる結果、生活保護水準と最低賃金との逆転
現象が著しくなっており、ときには就業へのモラルハザードを引き起こしかねないとの懸
念がもたれるようになった。平成 18 年度(2006 年度)の各都道府県の最低賃金と生活保
護を見ると、最低賃金額よりも生活保護水準が上回っている都道府県は、東京都、神奈川
県、大阪府、千葉県、埼玉県、京都府、兵庫県、広島県、北海道、青森県、秋田県となっ
ているが、このうち A ランク地域に属する東京、神奈川、大阪、千葉が特に大きく乖離し
ている。
これらの議論を経て、「最低賃金については、賃金の底上げを図る趣旨から、社会経済情
勢を考慮しつつ、生活保護基準との整合性、小規模事業所の高卒初任給の最も低位の水準
との均衡を勘案して、これを当面 5 年間程度で引き上げることを目指し、政労使が一体と
なって取り組む」ことが、平成 20 年 6 月「成長力底上げ戦略推進円卓会議」の最終合意の
ひとつとして、労働界・産業界、有識者の代表者及び政府関係者の間で交わされた。それ
以降、最低賃金額は大都市圏である A ランク地域を中心に、全体的に大幅に引き上げられ
ることとなった。特に A ランク地域では先の図 2 に見られるように、2007 年以降は未満率、
影響率、カイツ指標ともに大幅な上昇を示している。この転換策は政権交代後も引き継が
れ、平成 22 年 6 月「雇用戦略対話」の第 4 回会議では「出来るだけ早期に全国最低 800 円、
景気状況に配慮しつつ全国平均 1,000 円を目指す」との目標案も示された。
3
先行研究と
先行研究と本稿の
本稿の位置づけ
位置づけ
この大幅な最低賃金の改定は、賃金水準や賃金格差の縮小を期待するものであるが、最
低賃金の引き上げは、同時に雇用縮小を引き起こすことが懸念される。理論的には労働市
場が完全競争市場であり、最低賃金額が市場の均衡賃金水準を越えてしまった場合には「雇
用量」が減り失業者が増えることが考えられるからである。しかし最低賃金審議会におい
て使用者側が要請したように、生産性も同時に高まることで、均衡賃金が最低賃金以上の
1 「未満率」とは改正前の最低賃金を下回っている労働者割合を示す。
「影響率」とは最低賃金を改正した
後に、改正後の最低賃金額を下回ることとなる労働者割合を示す。最低賃金の引上げによって、どの程度
の人に直接的影響が現れるかを示す指標として毎年、各都道府県で調査され、審議会では、これらも含め
た統計を参考にして最低賃金改定率が議論される。
4
状態を維持している場合や、労働市場に買い手独占力が存在しているといった、完全競争
市場ではない状況においては、最低賃金が上昇しても雇用量は減るとは限らない。この場
合、最低賃金の引き上げは雇用を維持したままで賃金を上昇させ、失業を伴わずに格差縮
小に寄与することにある。あるいは時には、賃金の引上げを通じ、供給者の就業意欲を高
め、労働力率を引き上げる可能性さえ考えられる。
はたして実際に最低賃金の雇用や賃金水準に与える影響はどうなっているのか。この問
いに対して、これまでも数多くの実証研究が行われてきたが、分析手法や分析対象の限定
の仕方によって、分析の結果が分かれるなど、必ずしも一致した結論には至っていない。
以下では賃金・賃金格差縮小への効果、雇用喪失効果それぞれについての先行研究の成果
と課題を確認し、本稿の研究意義について、整理することにしたい2。
3.1
最低賃金の
最低賃金の市場賃金引上げ
市場賃金引上げ、賃金格差縮小への
賃金格差縮小への効果
への効果
最低賃金の賃金への効果を分析した先駆的実証研究として、1990 年代のデータを用いた
Card(1992)、安部(2001)、安部・田中(2007)を上げることができる。まず Card(1992)
では、1990 年 4 月に実施された全州同額引き上げの影響が低賃金地域と高賃金地域に分け
て分析されている。個票クロスセクションデータの分析の結果、もともと賃金が低く最低
賃金引き上げの影響が大きかった州では、平均賃金の上がり幅も大きかったことが確認さ
れた。
安部(2001)ではパートタイム労働者総合実態調査 1990、1995 年の 2 年分のデータを
使用し、女性パートタイム労働者の賃金への効果が分析されている。分析の結果、比較的
パート賃金の低い地域では最低賃金がパート賃金を高めている様子が確認できる一方で、
もともとパート賃金の高い大都市圏では最低賃金が引き上げられたとしてもその影響は小
さく、パート賃金は最低賃金の上昇分ほどは上昇しないことが確認されている。安部・田
中(2007)でも、1990~2001 年の賃金構造基本統計調査のデータを使用し、同様に女性パ
ート賃金への効果を分析している。ここでも低賃金地域では効果が確認できるものの、大
都市圏では効果は薄いことが確認されている。また、英国のデータを用いた Dickens and
Manning(2004)では比較的低い賃金分布に対象を絞ったとしても、最低賃金の引き上げ
は、賃金分布を高めていないとされており、日本のデータを使った分析とは結果が異なっ
ている。
2000 年代に入ってからのわが国のデータを用いた研究では、Kambayashi, Kawaguchi
and Yamada(2008) が賃金構造基本統計調査の 1994~2003 年のデータより、都道府県別
のデータセットを作成し、不況下での賃金の下支え効果について固定効果を考慮した分析
を行っている。その結果、1990 年代半ばから 2000 年代はじめにかけての不況期では全体
2 最低賃金に関するサーベイ論文には、米国については明日山(2006)
、欧州については大橋(2007)の
研究がある。また、これ以外にも川口(2009)や堀・坂口(2005)もあり、本節ではこれらの研究を参考
としている。
5
的な賃金低下が生じる中で、低賃金労働者については最低賃金によって賃金低下が抑えら
れていることが確認された。以上のように最低賃金の賃金水準への効果については、地域
や労働者の賃金階層によって効果が異なり、比較的賃金が低く、最低賃金の影響を受けや
すい地域、労働者に限定して賃金を高める、ないしは下支え効果が確認されている。
3.2
最低賃金の
最低賃金の雇用喪失効果
最低賃金の雇用喪失効果を検証する分析は、賃金水準への影響の分析以上に盛んに行わ
れてきた。その火付け役となった代表的な研究が、Card and Krueger(1995)である。この
論文では最低賃金が引き上げられた州と引き上げられなかった隣接する州のファーストフ
ード店のデータを収集することで、自然実験の状態を利用した分析を行っている。具体的
にはこれらの州の境界を隔てて隣接する 2 つのファーストフード店の雇用を、最低賃金引
き上げ前後に分けて比較していく。この 2 つの店舗は、商圏特性や景気変動の状況は同じ
だが、最低賃金引き上げの有無のみが異なることになり、これにより純粋な最低賃金の雇
用への効果を分析するのである。分析の結果は、最低賃金の引き上げがあった店舗では雇
用が増加したが、引き上げられなかった店舗で減少し、買い手独占力の存在がこうした結
果をもたらしていると説明する。
しかしこの研究には批判もある。Neumark and Wascher(2000)では Card and
Krueger(1995)の研究で使用したデータが電話調査によるものであり、観測誤差が大きいこ
とを指摘し、自身でも賃金台帳から Card and Krueger(1995)の研究と同時期のデータセッ
トを再作成し分析した。その結果、最低賃金の引き上げがあった州のほうが、雇用減少が
大 き か っ た と の 結 論 を 得 て い る 。 も と も と Neumark と Wascher は Card and
Krueger(1995)以前に Neumark and Wascher(1992)において、州ごとのパネルデータ分
析により最低賃金の雇用喪失効果を確認している。また近年も Neumark and Wascher
(2007)で、最低賃金が変更された前後の年だけを比較しても、雇用喪失効果がラグを持
って現れる場合は見逃してしまうため、長期のパネルデータを使用し、サンプルの固定効
果、年次の固定効果を識別する必要と、効果が現れるラグを考慮すべきと主張している。
日本の研究では、橘木・浦川(2006)が 2002 年の「就業構造基本調査」を用いたクロスセ
クション分析により、20 代女性の雇用への効果を分析している。結果は、最低賃金が高ま
りカイツ指標が上昇しても雇用喪失効果は確認できないとしている。一方で、勇上(2005)
では都道府県のデータを用いて最低賃金が高いことと失業率が正の相関を持つこと、有賀
(2007)では最低賃金が高い都道府県では高卒の求人倍率が低くなること、Kawaguchi and
Mori(2009)では最低賃金の上昇が 10 代男性と中年既婚女性の雇用を喪失させることが確認
され、複数の研究で雇用喪失効果の存在が示唆されている。しかし、これら研究は Neumark
and Wascher(2007)が求めるようなパネルデータによるものではなく、サンプルの固定
効果、年次の固定効果、効果が現れるラグを考慮したものではない。
日本でのパネルデータを使用した研究は、家計経済研究所の「消費生活に関するパネル
6
調査」1993~1999 年の女性の個票データを使用した Kawaguchi and Yamada(2007)が
ある。ここでは分析対象を賃金が最低賃金に近い水準の労働者に限定し、彼らの中で最低
賃金引き上げの影響を受ける者をトリートメントグループとし、最低賃金に近い水準でも
かろうじて引き上げの影響を受けなかった者をコントロールグループとして分析を行って
いる。その結果、最低賃金引き上げの影響を受けた者は、コントロールグループよりも次
期に継続就業する確率が低いことを確認した。
このように、米国の研究においては意見が分かれている雇用喪失への効果であるが、日
本の研究では、橘木・浦川(2006)の結果もあるものの、複数の研究で 10 代男性、中年女性、
高卒者など一部の層に限定した場合には雇用喪失効果が確認されている。
3.3
本分析の
本分析の意義
これまでの先行研究の結果を整理すると、最低賃金の引き上げは、低賃金層や地域など
一部の市場に限定すると賃金を引き上げるかもしれず、低賃金層や地域など一部の市場に
限定すると雇用を失うかもしれない、というものであった。では高賃金層・地域で主に最
低賃金を引き上げ、低賃金層・地域では引き上げ幅を抑えるなどセグメントごとに異なっ
た操作を行った場合、全体としてどのような影響があるのか。
これはまさに 2 節で見た 2007 年以降の制度転換後の最低賃金政策の効果を問うものであ
る。先行研究で扱われたデータはいずれも 2006 年以前のデータであり、最低賃金引き上げ
率は小さく、また地域間でもあまり差がないものであったため、この点は分析されていな
い。
また多くの研究は最低賃金が持つ効果そのものの存在を確認しようとしたものであるた
め、労働市場全体・低賃金層・高賃金層など複数の市場を対象にそれぞれ個別に検証し、
それらの影響を総括して最低賃金制度全体の効果を検討するといった研究はなされていな
い。
そこで、本稿は 2007 年以降のデータを含んだ 2004 年~2010 年のパネル調査の個票デー
タを用いて、最低賃金の改定が賃金や雇用喪失へ及ぼした影響を多面的に分析する。従来、
わが国の最低賃金に関する実証分析では、都道府県単位の集計データや横断面のミクロデ
ータが用いられてきたが、本稿の用いるパネルデータでは、同一個人が複数年にわたり追
跡調査されることで、個々人について賃金の変化や就業状態の変化を把握することができ、
これを用いることにより、どのような特性を持っている人の賃金が地域別最低賃金の改定
により影響を受けているか、さらには労働時間の変化や就業から失業・無業への移動、逆
に失業や無業状態から新規就業への影響を把握することができる。本稿ではこのパネルデ
ータの特性を活かし、制度転換以降を含む最低賃金の変化が個々人の賃金や就業状態及び
労働時間の変化に与えた影響を総合的に検討していくことにする。
4
本分析の
本分析の用いたデータと推計方法
いたデータと推計方法
7
推計に使用するデータは、
「慶應義塾家計パネル調査(KHPS)
」である。この調査は、第
1 回目の 2004 年 1 月 31 日時点における満 20 歳~69 歳の男女 4005 名を調査対象としてお
り、毎年調査を実施している。現時点では 2010 年調査が最新年度となっており、7 年分の
データが蓄積されている。本稿ではこの 7 年分すべてのサンプルを分析に利用する3。
以下では 2004 年データを KHPS2004、2005 年データを KHPS2005、2006 年データを
KHPS2006、2007 年データを KHPS2007、2008 年データを KHPS2008、2009 年データ
を KHPS2009、そして 2010 年データを KHPS2010 と呼ぶことにする。なお、KHPS2007
では新たに 1419 名が追加サンプルとして調査の対象となっており、これらも用いる。
この KHPS では調査対象者の就学・就業、世帯構成、資産、住居、健康など幅広いトピ
ックをカバーしている。特に初年度の調査では 18 歳以降から調査時点までの対象者の就
学・就業履歴を過去の各年にわたって質問しており、回顧パネル調査としての利用も可能
となっている。さらに、KHPS2005 では 15 歳から 17 歳までの就学・就業状況も聞いてい
るので、初年度調査と合わせると調査対象者の 15 歳時点から各調査時点までの就学・就業
状況を把握することが可能となっている。また、対象者が有配偶である場合、その配偶者
に対しても同一の質問項目が用意されている。
今回の分析では、最低賃金の改定が非正規労働者の賃金水準や一般労働者も含めた賃金
格差にどのような影響をもたらしているのか、そして最低賃金の大幅な引き上げは、雇用
の削減をもたらしていないのか、という点を分析するため次の 4 つの推計を行っていく。
4.1
最低賃金の
最低賃金の改定は
改定は、市場賃金にどのような
市場賃金にどのような影響
にどのような影響を
影響を及ぼしたのか
1 つ目は、最低賃金の改定が非正規労働者や一般労働者も含めた賃金格差にどのような影
響をもたらしているのかを分析するため、非正規労働者及び正規労働者の賃金関数を推計
する。分析対象は非正規労働者と正規労働者の男性及び女性であり、それぞれにサンプル
を分割し、推計を行う。この推計を通して、①最低賃金の引き上げは、非正規労働者、正
規労働者の賃金を引き上げているのか、②最低賃金の引き上げは、非正規労働者と正規労
働者の賃金格差を縮小させて、賃金分布を平等化しているのか、を明らかにしたい。
推計式は Neumark et al. (2004)で用いられた推計モデルを参考に次の(1)を使用する4。
3データの詳細については、樋口・瀬古・慶應義塾大学経商連携
(1)
21 世紀 COE(2004)等を参照されたい。
Neumark et al(2004)は、1979 年から 1997 年までの Current Population Survey(CPS)を用い、最低賃
金の引き上げが賃金、労働時間、雇用量及び労働所得にどのような影響を及ぼすのかを検証している。推
計では、最低賃金の変化率が賃金、労働時間、雇用量及び労働所得の変化率に及ぼす影響を労働者の賃金
階層別に分析している。本稿では正規及び非正規労働者の賃金関数を推計する際、Neumark et al(2004)
で用いられた変化率ではなく、差分を用い、最低賃金の引き上げが及ぼす影響を分析する。
4
8
は観察された個人、は観察時点を示す。
(1)の被説明変数の は、 期から
期の時間当たり賃金率の差分である。(1)の は、各個人の属性を表し、学歴ダミー、
労働市場における経験年数とその 2 乗項、勤続年数とその 2 乗項、派遣・契約社員ダミー
(非正規労働者の分析のみ使用)、都道府県別失業率5、業種ダミー、職種ダミー、企業規模
ダミー、市郡規模ダミー、年次ダミーである。いずれの変数も 期の値となっている。
(1)の分析において最
(1)の は、 期から期の地域別最低賃金の差分であり、
も注目する変数である。最低賃金に個人を示すサフィックス i が付されているのは、その
人が就業している都道府県によって最低賃金額が異なる事を示すためである。6この変数は、
地域別最低賃金の改定額が非正規労働者及び正規労働者の賃金変化額にどのような影響を
及ぼしているのかを検証するために使用する。係数が正の符号であれば、地域別最低賃金
の引き上げが賃金の上昇をもたらしていると解釈できる。また、係数が負の符号であれば、
地域別最低賃金の引き上げが賃金の低下をもたらしていると解釈できる。推計の結果、ど
のような符号を示すのか注目したい。
(1)の は時間を通じて一定である固定効果であり、 は攪乱項である。推計では、 を
考慮した Fixed-Effect OLS 及び Random-Effect OLS を使用する。なお、比較のために
Pooled OLS の推計も行う。
また、最低賃金の引き上げによって雇用喪失が起こっていた場合、継続就業できたサン
プルのみで賃金関数を推計すると、最低賃金引き上げの影響を過大に推計する恐れがある
ため、Heckman の 2 段階推計を用いた賃金関数を推計する。Heckman の 2 段階推計を用
いることによって、最低賃金引き上げを原因とした雇用喪失によるサンプル・セレクショ
ン・バイアスに対処することが可能となる。
4.2
最低賃金の
最低賃金の改定は
改定は、どの賃金階層
どの賃金階層に
賃金階層に影響を
影響を及ぼしたのか
2 つ目は、最低賃金の改定がどの賃金階層に影響を及ぼしているのかを分析するため、
Quantile Regression を用いた賃金関数を推計する。分析対象は非正規労働者の男性及び女
性である。この分析を通して、最低賃金の引き上げは、低い賃金分位点に位置する労働者
に特に影響を及ぼしているのかどうかを明らかにしたい。
推計に関する式は次の(2)及び(3)である。
(2)
"(
!"(
%)*+ ,-. / #$% & % ' $ %)*+ 0-. / #$% & % ' $1
+
+
5
(3)
都道府県別失業率は、総務省統計局『労働力調査』から取得した。
他の推計においても労働者が就業している都道府県によって最低賃金額が異なる事を示すためにサフィ
ックス i を示している。
6
9
(2)は賃金関数を示しており、この賃金関数を用いた(3)の最適化問題を解くことで、
各賃金分位点におけるパラメーターの推計値を得ることができる。(2)及び(3)の#は賃
金分位点を示しており、0 から 1 の間の値をとる。は攪乱項である。
(2)の被説明変数の2は、時間当たり賃金率の対数値である。は、各個人の属性を表し、
学歴ダミー、労働市場における経験年数とその 2 乗項、勤続年数とその 2 乗項、派遣・契
約社員ダミー、都道府県別失業率、業種ダミー、職種ダミー、企業規模ダミー、市郡規模
ダミー、年次ダミーである。
(3)のは、 期から期の地域別最低賃金の差分であり、推計において最も注目
する変数である。この変数は、地域別最低賃金の引き上げが非正規労働者のどの賃金分位
点に影響を及ぼしているのかを検証するために使用する。橘木・浦川(2006)では、分位
点が低いほど、最低賃金の上昇によって賃金の上昇が見られることを示しており、もし本
推計でも同様の結果が得られた場合、最低賃金の引き上げは、賃金分布の平等化に寄与し、
非正規労働者の就業条件を改善していると言える。このような傾向が見られるのかについ
て推計を通して確認していく。なお、今回は 20%分位、40%分位、60%分位、及び 80%分
位について推計を行い、それぞれの結果を見ていく。
4.3
最低賃金の
最低賃金の改定は
改定は、雇用喪失を
雇用喪失を引き起こしたのか
1 つ目、2 つ目の分析では、最低賃金の引き上げが賃金にどのような影響を及ぼしたのか
という観点から分析を行うが、最低賃金の引き上げは、賃金だけでなく雇用にも影響を及
ぼす。労働市場において、最低賃金が均衡賃金以上に引き上げられた場合、労働需要量は
労働需要曲線に沿って減少し、その結果、非自発的な失業を生む可能性がある。このよう
に最低賃金の引き上げは、賃金と雇用の両面に影響を及ぼしているため、その片面だけを
分析することは、最低賃金が労働市場に及ぼす影響を適切に検証できていない恐れがある。
そこで、3 つ目の分析では、最低賃金の改定が既存の雇用者の解雇や新規雇用の抑制につ
ながったのかを見るため、Logit モデルを用いた離職関数及び新規就業関数を推計する。分
析対象は、雇用者の解雇に関する分析の場合、非正規労働者の男性及び女性であり、新規
雇用の抑制に関する分析の場合、失業及び無業の男性及び女性である。この分析を通して、
最低賃金の引き上げは、既存の雇用者の解雇や新規雇用の抑制を通じて雇用喪失を引き起
こしたのかどうかを明らかにしたい。
推計に関する式は次の(4)から(7)である。なお、離職関数及び新規就業関数とも Pooled
Logit モデル及び Random-Effect Logit モデルを用い、推計を行なっていく7。
7 これ以外にも Chamberiain(1980)による Fixed-Effect Logit モデルの推計を行なったが、被説明変数の
変動が少なかったため、パラメーターの推計値を得ることができなかった。このため、ここでは次善の作
として観察できない個人属性を考慮した Random-Effect Logit モデルを使用する。
10
5
%34 (4)
6782 9 678%34 : ;9
678 : 9 <8
9(5)
? 5
=%34 >
(6)
678@ 9 678=%34 : ;9
6785 : >
? 9 <8>
? 9(7)
は観察された個人、は観察時点を示す。
(4)は離職関数を示している。
(4)の被説明変
数の%3 は、 期に非正規労働者であり、期に離職した場合に 18、 期及び期ともに
非正規労働者である場合に 0 となるダミー変数である。
(4)のは、各個人の属性を表
し、学歴ダミー、有配偶ダミー、年齢、勤続年数、派遣・契約社員ダミー、都道府県別失
業率、業種ダミー、職種ダミー、企業規模ダミー、市郡規模ダミー、年次ダミーである。
いずれの変数も 期の値となっている。
(4)の は、 期から期の地域別最低賃金の差分であり、離職関数の推計におい
て最も注目する変数である。この変数は、地域別最低賃金の引き上げが非正規労働者を離
職させたかどうかを検証するために使用する。係数が正の符号であれば、地域別最低賃金
の引き上げが非正規労働者の離職確率を上昇させていると解釈できる。また、係数が負の
符号であれば、地域別最低賃金の引き上げが非正規労働者の離職確率を低下させていると
解釈できる。推計の結果、どのような符号を示すのか注目したい。
次に(6)及び(7)について見ていく。
(6)は新規就業関数を示している。
(6)の被説
明変数の=%3 は、 期に失業及び無業者であり、期に非正規雇用へ就職した場合に 1、 期及び期ともに失業及び無業者である場合に 0 となるダミー変数である。(6)の>は、
各個人の属性を表し、学歴ダミー、年齢、労働市場における総経験年数、都道府県別失業
率、有配偶ダミー、市郡規模ダミー、年次ダミーである。いずれの変数も 期の値とな
っている。
(7)の は、 期から期の地域別最低賃金の差分であり、新規就業関数の推計に
おいて最も注目する変数である。この変数は、地域別最低賃金の引き上げが非正規労働者
への就職を阻んでいるのかどうかを検証するために使用する。係数が正の符号であれば、
地域別最低賃金の引き上げが非正規労働者への就職確率を上昇させていると解釈できる。
また、係数が負の符号であれば、地域別最低賃金の引き上げが非正規労働者への就職確率
を低下させていると解釈できる。推計の結果、どのような符号を示すのか注目したい。
8
定年退職等によって離職した労働者は分析対象から除外している。
11
4.4
最低賃金の
最低賃金の改定は
改定は、労働時間にどのような
労働時間にどのような影響
にどのような影響を
影響を及ぼしたのか
3 つ目の分析では、最低賃金の引き上げがはたして雇用の減少をもたらしているのか、と
いう観点から分析することを考えていた。しかし、最低賃金の引き上げは、今まで就業し
ていた労働者が離職するといった雇用機会の削減という形だけではなく、労働需要の減少
を通じ、労働時間の短縮をもたらしている可能性もある。最低賃金が引き上げられた場合、
労働コストが増加するため、企業は労働需要を減少させ、雇用調整を行うと考えられる。
この際、企業には労働者数の削減、または労働時間の削減といった 2 つの方法があり、ど
ちらの方法をとるかは、それぞれの調整に伴って発生する費用の相対的な大きさによって
決定する。労働時間の削減の方が労働者数の削減よりも費用が少なかった場合、企業は労
働時間の削減を実施すると考えられる。この点について海外では、Zavodny(2000)、Couch
and Wittenburg(2001)、Neumark et al. (2004)、Stewart and Swaffield(2008)等で分析さ
れているが、国内ではまだ分析されていない。
そこで、4 つ目の分析では、最低賃金の改定が労働時間にどのような影響を及ぼしたのか
を見るため、回帰分析を用いた労働時間関数を推計する。分析対象は、非正規労働者の男
性及び女性である。この分析を通して、最低賃金の引き上げは、労働時間を減少させてい
るのかを明らかにしたい。
推計式は Neumark et al. (2004)で用いられた推計モデルを参考に次の(8)を使用する。
A A (8)
は観察された個人、は観察時点を示す。
(8)の被説明変数のA Aは、 期から期
の週平均労働時間の差分である9。なお、この週平均労働時間の値には残業時間も含まれて
いる。
(8)のは、各個人の属性を表し、学歴ダミー、労働市場における経験年数とそ
の 2 乗項、勤続年数とその 2 乗項、派遣・契約社員ダミー(非正規労働者の分析のみ使用)
、
都道府県別失業率、業種ダミー、職種ダミー、企業規模ダミー、市郡規模ダミー、年次ダ
ミーである。いずれの変数も 期の値となっている。
(8)の は、 期から期の地域別最低賃金の差分であり、
(8)の分析において最
も注目する変数である。この変数は、地域別最低賃金の改定額が非正規労働者の週平均労
働時間の増減にどのような影響を及ぼしているのかを検証するために使用する。係数が正
の符号であれば、地域別最低賃金の引き上げが週平均労働時間の増加をもたらしていると
解釈できる。また、係数が負の符号であれば、地域別最低賃金の引き上げが週平均労働時
間の減少をもたらしていると解釈できる。推計の結果、どのような符号を示すのか注目し
たい。
(8)の は時間を通じて一定である固定効果であり、 は攪乱項である。推計では、 を
9
週平均労働時間は、
「あなたは収入を得る仕事を週に平均して何時間しますか。
(残業時間も含めてお答
えください。
)
」という質問項目から作成している。
12
考慮した Fixed-Effect OLS 及び Random-Effect OLS を使用する。なお、比較のために
Pooled OLS の推計も行う。また、雇用喪失によるサンプル・セレクション・バイアスに対
処するため、Heckman の 2 段階推計を用いた推計も行う。
以上が本稿で行う分析である。この分析を通して、最低賃金の改定が非正規労働者の賃
金水準や一般労働者も含めた賃金格差にどのような影響をもたらしているのか、そして最
低賃金の大幅な引き上げは、雇用の削減をもたらしていないのか、という点を明らかにし
たい。なお、いずれの推計においても、分析期間中に引越しを経験したサンプルを除外し
ている。これは、引越しによって居住地の都道府県が変わった場合、最低賃金が大きく変
化してしまう可能性があり、純粋に最低賃金の改定が及ぼす影響を検証できなくなること
を避けるためである。
各推計に用いた変数の基本統計量は表 1 から表 3 に掲載してある。
5
推計結果
5.1
最低賃金の
最低賃金の改定は
改定は、市場賃金にどのような
市場賃金にどのような影響
にどのような影響を
影響を及ぼしたのか
表 4 は、最低賃金の引き上げが非正規労働者の賃金に及ぼす影響を分析している。女性
の結果についてみると、表 4 の(1)から(4)の最低賃金の変化額の係数は、有意に正の
符号を示していた。この結果は、最低賃金が引上げは、女性非正規労働者の賃金上昇をも
たらすことを示している。最低賃金の引上げは、女性非正規労働者の就業条件の改善に寄
与していると言えるだろう。
これに対して、男性の結果についてみると、表 4 の(5)から(8)の最低賃金の変化額
の係数は、統計的に有意な値を示していなかった。この結果は、最低賃金が引き上げられ
ても、男性の非正規労働者の賃金は上昇しないことを示している。
このように男女間で最低賃金の引き上げが及ぼす影響に違いがあるのは、最低賃金付近
で就業している労働者の割合に男女差があるためではないかと考えられる。橘木・浦河
(2006)の分析結果から、最低賃金未満、あるいは最低賃金付近の賃金しか受け取ってい
ない労働者は、男性と比較して女性の方が有意に多いことが指摘されている。このため、
最低賃金の引き上げによる影響は、女性の方が男性よりも受けやすいと考えられる。
以上の分析結果から、最低賃金の引き上げは、女性の非正規労働者の賃金を上昇させる
と言える。それでは次に、最低賃金の引き上げが正規労働者の賃金に及ぼした影響を見て
いく。正規労働者の賃金水準は、最低賃金水準よりも高いため、最低賃金の引き上げによ
る影響は限定的か、もしくは観察されないと考えられる。もし、最低賃金の引き上げが正
規労働者の賃金に影響を及ぼしていなかった場合、最低賃金の引き上げは、非正規労働者
の賃金を上昇させるため、正規-非正規間賃金格差を縮小させ、賃金分布の平等化に寄与
している可能性がある。正規労働者の賃金関数を推計することを通して、この点を確認し
たい。
表 5 は、最低賃金の引き上げが正規労働者の賃金に及ぼす影響を分析している。女性の
13
結果についてみると、表 5 の(9)から(11)の最低賃金の変化額の係数は、統計的に有意
な値を示していなかった。この結果は、最低賃金が引き上げられても、女性の正規労働者
の賃金は上昇しないことを示している。
次に男性の結果についてみると、表 5 の(12)から(14)の最低賃金の変化額の係数は、
統計的に有意な値を示していなかった。この結果は、最低賃金が引き上げられても、男性
の正規労働者の賃金は上昇しないことを示している。
以上の分析結果から、最低賃金の引き上げは、男性及び女性の正規労働者の賃金に影響
を及ぼしていないと言える。これは、正規労働者の賃金が最低賃金よりも高いため、最低
賃金の引き上げの影響を受けないためだと考えられる。この結果と非正規労働者の分析結
果と合わせて考えると、最低賃金の上昇は、女性の非正規労働者の賃金を上昇させる一方、
正規労働者の賃金には影響を及ぼさないため、女性の正規-非正規間賃金格差を縮小させ、
賃金分布の平等化に寄与している可能性があると言える。これに対して男性の場合、最低
賃金の上昇は、正規労働者及び非正規労働者の賃金に影響を及ぼしていないため、賃金分
布の平等化に寄与していないと言える。
以上、非正規労働者及び正規労働者の賃金関数の推計を通して、最低賃金の改定が賃金
に及ぼす影響を分析した結果、次の 2 点が明らかになった。1 点目は、最低賃金の引き上げ
は、女性の非正規労働者の賃金のみを上昇させており、女性の正規労働者及び男性の正規、
非正規労働者の賃金には影響を及ぼしていなかった。2 点目は、最低賃金の引き上げは、女
性の非正規労働者と正規労働者の賃金格差を縮小させ、賃金分布を平等化していたが、男
性ではこの傾向は見られなかった。これらの結果から、最低賃金の引き上げは、女性の非
正規労働者の就業条件を向上させたと言えるだろう。
5.2
最低賃金の
最低賃金の改定は
改定は、どの賃金階層
どの賃金階層に
賃金階層に影響を
影響を及ぼしたのか
表 6 は、最低賃金の引き上げが非正規労働者の各賃金分位点でどのような影響を及ぼす
のかを分析している。女性の結果についてみると、表 6 の(15)から(18)の最低賃金の
変化額の係数は、有意に正の符号を示していた。この結果は、最低賃金が引き上げられる
と、20%分位、40%分位、60%分位及び 80%分位の各賃金分位点において、女性の低賃金労働
者の賃金が上昇することを示している。係数の大きさについて注目すると、20%分位の最低
賃金の変化額と最低賃金変化率が最も大きな値を示しており、低い賃金分位点に位置する
労働者に対して特に影響を及ぼしていることがわかる。この結果から、女性の場合、最低
賃金の引き上げは、低い賃金分位点の賃金を特に上昇させ、賃金分布の平等化に寄与して
いると言える。
次に男性の結果についてみると、表 6 の(19)と(21)の最低賃金の変化額の係数は、
有意に正の符号を示していたが、
(22)の係数は、有意な値を示していなかった。この結果
は、最低賃金が引き上げられると、20%分位、40%分位、60%分位の各賃金分位点において、
相対的に男性の低賃金労働者の賃金が上昇することを示している。係数の大きさについて
14
注目すると、女性の場合と同様に 20%分位の最低賃金の変化額と最低賃金変化率が最も大き
な値を示しており、低い賃金分位点に位置する労働者に対して特に影響を及ぼしているこ
とがわかる。この結果から、男性の場合、最低賃金の引き上げは、20%分位、40%分位、60%
分位といった中間から低い賃金分位点の賃金を上昇させ、賃金分布の平等化に寄与してい
ると言える。表 4 の結果を考慮すると、最低賃金の引き上げは、非正規労働者全体の賃金
を上昇させていないが、中間から低い賃金分位点の賃金を上昇させることを通じて、男性
の非正規労働者の就業条件を改善させていると考えられる。
以上、Quantile Regression を用いた非正規労働者の賃金関数の推計を通じて、最低賃金
の引き上げがどの賃金階層に影響を及ぼすのかを分析した結果、次の 2 点が明らかになっ
た。1 点目は、最低賃金の引き上げは、女性の非正規労働者の各賃金分位点における賃金を
上昇させ、特に低い賃金分位点に位置する労働者の賃金を上昇させていた。この結果、最
低賃金の引き上げは、女性の非正規労働者の賃金分布の平等化に寄与していると考えられ
る。2 点目は、最低賃金の引き上げは、男性の非正規労働者の中間から低い賃金分位点の賃
金を上昇させ、特に低い賃金分位点に位置する労働者の賃金を上昇させていた。この結果、
最低賃金の引き上げは、男性の賃金分布の平準化にも寄与していると考えられる。
5.3
最低賃金の
最低賃金の改定は
改定は、雇用喪失を
雇用喪失を引き起こしたのか
表 7 は、最低賃金の引き上げが非正規労働者の雇用喪失にどのような影響を及ぼすのか
を分析している。女性の結果についてみると、表 7 の(23)から(26)の最低賃金の変化
額の係数は、統計的に有意な値を示していなかった。この結果は、最低賃金が引き上げら
れても、女性の非正規労働者の離職確率が上昇しないことを示している。つまり、最低賃
金の引き上げは、女性の非正規労働者の雇用喪失を引き起こしていないと言える。
次に男性の結果についてみると、表 7 の(27)から(30)の最低賃金の変化額の係数は、
統計的に有意な値を示していなかった。この結果は、最低賃金が引き上げられても、男性
の非正規労働者の離職確率が上昇しないことを示している。つまり、最低賃金の引き上げ
は、男性の非正規労働者の雇用喪失を引き起こしていないと言える。
以上の分析結果を総合すると、最低賃金の引き上げは、非正規労働者の雇用喪失を引き
起こしていないと考えられる。この分析結果は、どのように解釈すべきだろうか。1 つ目の
解釈は、我が国の労働市場が完全競争的ではなく、買い手独占的であるというものである。
Card and Krueger(1995)は、労働市場が不完全で雇い主に買い手独占力がある場合、最低
賃金の引き上げが必ずしも雇用喪失を引き起こすわけではないと指摘しており、本推計結
果と整合的である。しかし、大橋(2009)は、この労働市場の買い手独占モデルに対して
いくつかの問題点10を指摘しており、その理論的基礎に対して疑問を提示している。
10 大橋(2009)は、①地域で労働の買手独占的な地位にある企業は、一般的に大企業であり、賃金は他の
中小企業と比較して総体的に高いため、最低賃金の効果が限定的になる可能性がある、②中小零細企業で
も雇用形態は多様化しており、賃金が最低賃金に近い同労者ばかりではない、③最低賃金の雇用への正の
効果は、労働供給の賃金弾力性が大きいほど、大きくなるが、Cahuc and Zylberberg(2004)によれば、欧
15
2 つ目の解釈は、我が国の労働市場は完全競争的であり、最低賃金の引き上げによって雇
用喪失が発生しているものの、政府の中小企業への生産性向上支援によって、労働の価値
限界生産力が上昇し、労働需要が増加したため、雇用喪失の影響が打ち消されたというも
のである。政府の中小企業への生産性向上支援が有効に働いた場合、最低賃金の引き上げ
による雇用喪失効果が打ち消されていると考えられ、これが推計結果に表れている可能性
がある。
以上、2 つの解釈があるが、いずれの解釈が妥当であるかは今回の推計結果から判断でき
ないため、さらなる検証が必要だと考えられる。この点については本稿の研究課題である。
次に新規就業関数の分析結果についてみていく。表 8 は、最低賃金の引き上げが無業者
及び失業者の新規非正規雇用就業にどのような影響を及ぼすのかを分析している。女性の
結果についてみると、表 8 の(31)及び(32)の最低賃金の変化額の係数は、統計的に有
意な値を示していなかった。この結果は、最低賃金が引き上げられても、女性の新規非正
規雇用確率が上昇しないことを示している。最低賃金の引き上げは、女性の非正規雇用へ
の就職を阻んでいないと言える。
次に男性の結果についてみると、表 8 の(33)及び(34)の最低賃金の変化額の係数は、
統計的に有意な値を示していなかった。この結果は、最低賃金が引き上げられても、男性
の新規非正規雇用確率が上昇しないことを示している。最低賃金の引き上げは、女性と同
様に男性の非正規雇用への就職を阻んでいないと言えるだろう11。
以上の分析結果から、最低賃金の引き上げは、男性及び女性の非正規雇用への就職を阻
んでいないと言える。最低賃金の引き上げは、非正規労働者を雇用するコストを増加させ
るため、新規雇用を抑制すると考えられたが、実際は非正規雇用への就職を阻んでいなか
った。
以上、Logit モデルを用いた離職関数及び新規就業関数の推計を通じて、最低賃金の改定
が既存の雇用者の解雇や新規雇用の抑制につながったのかを分析した結果、次の 2 点が明
らかになった。1 点目は、最低賃金の引き上げは、女性及び男性の非正規労働者の雇用喪失
に影響を及ぼしていなかった。2 点目は、最低賃金の引き上げは、男性及び女性の非正規雇
用への就職を阻んでいなかった。
5.4
最低賃金の
最低賃金の改定は
改定は、労働時間にどのような
労働時間にどのような影響
にどのような影響を
影響を及ぼしたのか
表 9 は、最低賃金の引き上げが非正規労働者の労働時間に及ぼす影響を分析している。
女性の結果についてみると、表 9 の(35)から(38)の最低賃金の変化額の係数は、統計
的に有意な値を示していなかった。この結果は、最低賃金が引上げは、女性非正規労働者
の週平均労働時間に影響を及ぼしていないことを示している。最低賃金の引上げは、女性
米の研究では平均して大きくない、といった 3 つの問題点を指摘している。
11 坂本(2009)は、労働政策研究・研修機構が行った調査を用い、わが国の多くの事業所は地域別最低賃
金額そのものを正確に認識しておらず、 過去の地域別最低賃金額引き上げによる新規雇用の抑制経験のあ
る事業所割合は極めて低いことを指摘している。
16
非正規労働者の労働時間を減少させていないと言えるだろう。
これに対して、男性の結果についてみると、表 9 の(39)から(42)の最低賃金の変化
額の係数は、統計的に有意な値を示していなかった。この結果は、最低賃金が引上げは、
男性非正規労働者の週平均労働時間に影響を及ぼしていないことを示している。女性と同
様に最低賃金の引上げは、男性非正規労働者の労働時間を減少させていないと言えるだろ
う。
以上、回帰分析を用いた労働時間関数の推計を通じて、最低賃金の改定が労働時間にど
のような影響を及ぼしたのかを分析した結果、次の 2 点が明らかになった。1 点目は、最低
賃金の引き上げは、女性の非正規労働者の週平均労働時間に影響を及ぼしていなかった。2
点目は、最低賃金の引き上げは、男性の非正規労働者の週平均労働時間に影響を及ぼして
いなかった。
以上、最低賃金の改定が賃金と雇用に及ぼす影響を明らかにするために、4 つの分析を行
なってきた。これらの分析結果から、最低賃金の引き上げは、非正規労働者の低い賃金分
位点の賃金を上昇させることを通じて、就業条件を改善し、賃金分布の平等化に寄与して
いる一方で、雇用喪失を引き起こしていないと言えるだろう。今回の分析では、労働時間
の変化についても分析したが、労働時間も最低賃金の引き上げによって減少する傾向は見
られなかった。最低賃金の引き上げは、雇用喪失の側面が強調されてきたが、今回の推計
ではその影響は観察されず、賃金の上昇による就業条件改善効果が見られることが明らか
になった。
6
政策含意
政策含意と今後への
今後への課題
への課題
2007 年以降、わが国ではそれ以前に比べ、経済力の強い大都市圏を中心に、大幅な地域
別最低賃金の引上げが行われるようになったが、本稿ではこうした変化を擬似実験室にお
ける統御変数の変化として捉え、個人を追跡調査したパネルデータを活用し、最低賃金の
引上げがどのような個人の賃金変化や就業状態の変化に影響をもたらしているかを、検討
してきた。その結果、次のような結論を導くことができた。
(1)最低賃金の引上げは、女性の非正規労働者の賃金引上げをもたらし、正規労働者との
賃金格差縮小に寄与し、賃金階層別分析においても 20%分位の分位点賃金を大きく引き上
げる効果が確認され、賃金格差縮小に有意な影響をもたらしたことが確認される。
(2)最低賃金の引上げが、男性の非正規、正規労働者の賃金にもたらした有意な効果は確
認できないが、賃金階層別分析では上位階層に比べ、20%、40%、60%分位の分位点賃金
を有意に引き上げた。
(3)最低賃金の引上げは、すでに非正規労働者として雇われてきた女性及び男性の労働者
の雇用機会を喪失させることにもなっていないし、新たに就業しようとする女性及び男性
の雇用抑制にもつながっていない。
(4)最低賃金の引上げは、すでに非正規労働者として雇われてきた女性及び男性の労働者
17
の週平均労働時間を減少させていなかった。
以上の分析結果は、言うまでもなく、本稿が分析の対象とした 2003 年から 2010 年まで
の各都道府県における最低賃金の引上げ範囲についてのものであり、それ以上に、最低賃
金が引き上げられたら、同じ結論が導かれ、雇用が減少しない保証はない。はたして、ど
こまで引き上げられても雇用削減は生じないのか。こうしたことについて検討していくこ
とも今後の研究課題である。
そしてさらに今回の結論が、どのような状況下で導かれたのか、その背景を探っていく
ことも必要である。賃金が上昇しても雇用が減少しない理由は、大きく分けて二つ考えら
れる。一つはもともと労働市場が完全競争の状態にはなく、雇用主の買い手独占により賃
金が生産性以下に低く抑えられていたため、これが多少引き上げられても雇用の削減につ
ながらないケースである。そしてもう一つは、賃金が引き上げられても、同時に労働者の
生産性が向上した結果、雇用が削減されないケースである12。どちらが原因で、雇用への影
響が確認されなかったのか、今後の政策を考える上では非常に重要であり、それを見極め
ることも今後の課題となる。
参考文献
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ート(http://www.ide.go.jp/Japanese/Inter/Report/pdf/asuyama_0612.pdf).
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安部由起子・玉田桂子(2009)「最低賃金・生活保護額の地域差に関する考察」
『日本労働研
究雑誌』593 号 2009 年 12 月.
安部由起子・田中藍子(2007) 「正規-パート賃金格差と地域別最低賃金の役割 1990 年~
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財前善行・鈴木康祐・舟山和男・馬渕晋吾・安原恵子(2009)
「最低賃金が地域の雇用及び
12
Neumark and Wascher(2004)は、積極的労働政策を実施している国ほど最低賃金の引き上げによる雇
用喪失効果が抑制されることを指摘しており、政府の中小企業への生産性向上支援策も同様の効果がある
可能性が考えられる。
18
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20
図 1 カイツ指標
カイツ指標の
指標の国際比較
21
図 2 地域ランク
地域ランク別
ランク別の未満率、
未満率、影響率と
影響率とカイツ指標
カイツ指標の
指標の推移
カイツ指標(最低賃金/労働者全体の時間当たり賃金)
地域別最低賃金額(時間額)、未満率及び影響率の推移(ランク別)
9年度
Aランク地域
11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
Bランク地域
Cランク地域
Dランク地域
0.50
地域別
最低賃金(円)
未
満
率
影
響
率
637
654
659
663
663
664
665
668
673
687
703
713
Aランク
0.8
1.1
1.3
0.7
1.7
1.5
1.3
0.8
1.0
0.7
0.6
1.1
730
1.6
Bランク
1.3
1.3
3.0
1.3
2.0
1.4
1.1
1.1
1.0
1.2
1.3
1.4
1.7
Cランク
1.4
1.8
2.6
1.7
1.6
1.6
1.7
1.9
1.3
1.3
1.6
2.3
1.4
Dランク
1.5
1.7
2.3
1.2
2.6
2.0
2.0
2.1
2.1
1.4
1.8
2.0
1.5
計
1.2
1.5
1.6
1.2
1.9
1.6
1.5
1.4
1.2
1.1
1.2
1.6
1.6
Aランク
1.3
1.3
1.5
1.2
1.7
1.5
1.4
1.0
1.2
1.8
1.9
3.1
4.4
Bランク
1.9
1.6
3.3
1.5
2.1
1.4
1.1
1.3
1.3
1.9
2.8
1.9
3.2
Cランク
2.4
2.4
3.1
2.1
1.6
1.6
1.8
2.2
1.7
2.6
3.2
3.1
4.3
Dランク
2.6
2.4
2.6
2.8
2.7
2.0
2.2
2.4
2.5
3.1
3.7
2.4
4.6
計
2.0
1.9
1.9
1.8
1.9
1.6
1.5
1.6
1.5
2.2
2.7
2.7
4.1
0.45
0.40
0.35
0.30
平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年
資料出所 厚生労働省「最低賃金に関する基礎調査」より筆者作成
(注)1 最低賃金額は、全国加重平均である。
2 「未満率」とは、最低賃金額を改正する前に、最低賃金額を下回っている労働者割合である。
3 「影響率」とは、最低賃金を改正した後に、改正後の最低賃金額を下回る労働者割合である。
4 各ランクは、各年における適用ランクである。
5 各ランクの未満率、影響率については、加重平均である。
出所::厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
※2004年以前は正社員正社員以外の統計を行っていないなど、調査方法の改正前データのため参考値
22
図 3 最低賃金と
最低賃金と生活保護
(円)
最低賃金額(月額・手取換算)[平成18年度]
生活保護水準[平成18年度]
130,000
125,000
120,000
115,000
110,000
105,000
100,000
95,000
90,000
85,000
80,000
東神大愛千埼京兵静三岐滋栃広長奈富茨山群福石和福新岡山北宮香福徳愛青高大秋山鳥島岩佐長熊宮鹿沖
京奈阪知葉玉都庫岡重阜賀木島野良山城梨馬岡川歌井潟山口海城川島島媛森知分田形取根手賀崎本崎児縄
島
道
山
川
出所:厚生労働省調べ
注:1、最低賃金額(月額・手取換算)は、最低賃金額(時間額)に法定労働時間(173.8時間/月)を乗じた。
2、生活保護水準は、生活扶助基準(1類費+2類費+期末一時扶助費)人口加重平均+都道府県の住宅扶助実績値により算出。
23
表1 基本統計量(最低賃金の引き上げが賃金に及ぼす影響に関する分析)
被説明変数
学歴ダミー
子供に関する変数
就業状況等に関する変数
最低賃金に関する変数
業種ダミー
変数
t-1期からt期にかけての時間当たり賃金率の変化額
t-1期からt期にかけての週平均労働時間の変化額
中高卒
短大・高専卒
大卒・大学院卒
有配偶ダミー
5歳以下の子供ありダミー
6-12歳の子供ありダミー
労働市場における総経験年数
労働市場における総経験年数の2乗項
勤続年数
勤続年数の2乗項
派遣・契約社員ダミー
都道府県別失業率
Δ最低賃金(t期からt-1期の最低賃金変化額)
女性:非正規雇用
平均値 標準偏差
-3.43
889.67
0.60
0.23
0.11
0.75
0.08
0.27
18.12
477.39
5.55
66.76
0.19
4.32
11.51
0.01
0.02
0.16
0.35
0.05
0.05
0.31
0.06
0.00
0.44
0.00
0.26
0.01
0.13
0.10
0.06
0.48
0.24
0.25
0.04
0.28
0.58
0.14
農業・漁業・林業・水産業・鉱業
建設業
製造業
卸売・小売業
金融・不動産業
運輸・電気・ガス・水道・熱供給業
医療・福祉・教育・学習支援業・その他
公務
職種ダミー
農林漁業作業・採掘作業者
販売・サービス職従事者
管理的職種
事務職
運輸・通信従事者
製造・建築・保守・運搬などの作業者
情報処理技術・専門的・技術的職業従事者
保安職業従事者・その他
企業規模ダミー
100人未満
100-499人
500人以上
官公庁
市郡規模ダミー
政令市・特別区
その他の市
町・村
観察数
注:被説明変数及び最低賃金に関する変数以外のすべての変数は、t-1期の値を使用している。
0.49
0.42
0.32
0.43
0.28
0.44
10.58
509.69
6.00
244.24
0.39
0.99
7.91
0.07
0.12
0.37
0.48
0.21
0.22
0.46
0.25
0.00
0.50
0.00
0.44
0.08
0.34
0.30
0.24
0.50
0.42
0.43
0.20
0.45
0.49
0.35
1918
賃金分析
労働時間分析
女性:正規雇用
男性:正規雇用
男性:非正規雇用
男性:非正規雇用
女性:非正規雇用
平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差
-22.51
1340.88
52.95
1707.76
90.38
1785.05
-1.39
16.21
-4.31
19.89
0.61
0.49
0.42
0.49
0.47
0.50
0.60
0.49
0.61
0.49
0.07
0.25
0.28
0.45
0.07
0.26
0.23
0.42
0.07
0.25
0.30
0.46
0.22
0.41
0.42
0.49
0.12
0.32
0.31
0.46
0.54
0.50
0.50
0.50
0.84
0.37
0.75
0.43
0.55
0.50
0.02
0.13
0.07
0.26
0.20
0.40
0.09
0.28
0.02
0.13
0.05
0.22
0.13
0.34
0.29
0.45
0.28
0.45
0.04
0.20
28.52
17.16
18.04
10.78
23.50
10.93
17.97
10.64
28.92
17.42
1165.42
918.29
478.69
464.08
719.44
555.60
470.07
507.33
1188.61
926.77
6.45
9.40
11.15
10.08
15.51
11.29
5.53
6.02
6.53
9.74
129.81
373.61
225.82
433.81
368.04
446.69
66.83
238.22
137.39
396.33
0.55
0.50
0.00
0.00
0.00
0.00
0.20
0.40
0.53
0.50
4.42
1.01
4.26
1.10
4.31
0.97
4.34
0.99
4.43
1.00
11.17
7.45
10.16
7.79
11.14
8.33
11.32
7.83
11.08
7.52
0.00
0.00
0.01
0.11
0.00
0.06
0.01
0.08
0.00
0.00
0.07
0.25
0.04
0.19
0.11
0.32
0.01
0.12
0.07
0.25
0.20
0.40
0.16
0.37
0.26
0.44
0.16
0.37
0.20
0.40
0.21
0.41
0.12
0.32
0.11
0.31
0.35
0.48
0.20
0.40
0.04
0.19
0.11
0.31
0.05
0.21
0.05
0.21
0.03
0.18
0.18
0.38
0.02
0.14
0.17
0.38
0.05
0.21
0.19
0.39
0.24
0.43
0.44
0.50
0.17
0.37
0.31
0.46
0.23
0.42
0.08
0.26
0.10
0.30
0.12
0.33
0.07
0.25
0.07
0.26
0.00
0.00
0.01
0.08
0.00
0.05
0.00
0.00
0.00
0.00
0.32
0.47
0.19
0.39
0.15
0.36
0.45
0.50
0.29
0.46
0.01
0.08
0.02
0.13
0.13
0.33
0.00
0.00
0.01
0.10
0.10
0.29
0.40
0.49
0.14
0.35
0.26
0.44
0.10
0.30
0.14
0.35
0.00
0.00
0.08
0.26
0.01
0.08
0.14
0.35
0.27
0.44
0.07
0.25
0.23
0.42
0.13
0.34
0.27
0.45
0.09
0.29
0.25
0.43
0.19
0.39
0.09
0.29
0.10
0.30
0.08
0.28
0.06
0.24
0.08
0.27
0.06
0.24
0.08
0.28
0.42
0.49
0.50
0.50
0.34
0.47
0.48
0.50
0.44
0.50
0.27
0.44
0.19
0.39
0.23
0.42
0.24
0.43
0.27
0.44
0.27
0.44
0.21
0.41
0.33
0.47
0.24
0.43
0.26
0.44
0.04
0.20
0.10
0.30
0.11
0.31
0.04
0.20
0.04
0.20
0.28
0.45
0.23
0.42
0.26
0.44
0.28
0.45
0.28
0.45
0.60
0.49
0.59
0.49
0.61
0.49
0.59
0.49
0.60
0.49
0.12
0.33
0.18
0.38
0.14
0.34
0.13
0.34
0.12
0.33
544
439
1020
3596
2081
24
表2 基本統計量(Quantile Regressionを用いた賃金関数の推計)
被説明変数
学歴ダミー
就業状況等に関する変数
最低賃金に関する変数
業種ダミー
変数
時間当たり賃金率の対数値
中高卒
短大・高専卒
大卒・大学院卒
労働市場における総経験年数
労働市場における総経験年数の2乗項
勤続年数
勤続年数の2乗項
派遣・契約社員ダミー
都道府県別失業率
Δ最低賃金(t期からt-1期の最低賃金変化額)
農業・漁業・林業・水産業・鉱業
建設業
製造業
卸売・小売業
金融・不動産業
運輸・電気・ガス・水道・熱供給業
医療・福祉・教育・学習支援業・その他
公務
職種ダミー
農林漁業作業・採掘作業者
販売・サービス職従事者
管理的職種
事務職
運輸・通信従事者
製造・建築・保守・運搬などの作業者
情報処理技術・専門的・技術的職業従事者
保安職業従事者・その他
企業規模ダミー
100人未満
100-499人
500人以上
官公庁
市郡規模ダミー
政令市・特別区
その他の市
町・村
観察数
注:最低賃金に関する変数以外のすべての変数は、t期の値を使用している。
25
平均値
6.85
0.61
0.22
0.11
18.66
464.78
5.55
66.36
0.20
4.43
11.23
0.01
0.01
0.15
0.35
0.05
0.05
0.29
0.08
0.01
0.46
0.00
0.25
0.01
0.13
0.08
0.07
0.48
0.24
0.24
0.04
0.28
0.58
0.13
女性
標準偏差
0.44
0.49
0.42
0.32
10.80
516.46
5.96
229.88
0.40
1.01
7.85
0.10
0.12
0.36
0.48
0.21
0.21
0.45
0.28
0.08
0.50
0.03
0.43
0.09
0.33
0.27
0.26
0.50
0.43
0.43
0.20
0.45
0.49
0.34
2467
男性
平均値 標準偏差
7.05
0.52
0.61
0.49
0.06
0.24
0.31
0.46
29.51
17.13
1164.09
903.42
6.99
10.11
150.86
414.93
0.56
0.50
4.46
0.95
10.66
7.46
0.00
0.07
0.09
0.28
0.18
0.38
0.19
0.39
0.04
0.19
0.19
0.39
0.21
0.41
0.11
0.31
0.00
0.07
0.28
0.45
0.01
0.11
0.11
0.31
0.15
0.36
0.26
0.44
0.09
0.28
0.10
0.30
0.45
0.50
0.24
0.43
0.27
0.44
0.04
0.20
0.29
0.45
0.59
0.49
0.12
0.33
693
表3 基本統計量(最低賃金の引き上げが雇用喪失に及ぼす影響に関する分析)
学歴ダミー
結婚・年齢に関する変数
就業状況等に関する変数
最低賃金に関する変数
業種ダミー
変数
離職ダミー
新規非正規雇用就業ダミー
中高卒
短大・高専卒
大卒・大学院卒
有配偶ダミー
年齢
勤続年数
労働市場における総経験年数
派遣・契約社員ダミー
都道府県別失業率
Δ最低賃金(t期からt-1期の最低賃金変化額)
女性:離職関数
平均値
標準偏差
0.06
0.23
男性:離職関数
平均値
標準偏差
0.07
0.26
0.61
0.22
0.11
0.76
45.08
5.81
0.49
0.42
0.31
0.43
10.99
6.16
0.62
0.07
0.30
0.57
50.16
6.38
0.49
0.25
0.46
0.50
15.85
8.91
0.20
4.31
11.42
0.01
0.02
0.16
0.35
0.05
0.05
0.30
0.06
0.01
0.43
0.00
0.26
0.01
0.13
0.10
0.06
0.48
0.24
0.24
0.04
0.26
0.59
0.15
0.40
0.99
7.98
0.11
0.12
0.37
0.48
0.21
0.21
0.46
0.25
0.08
0.50
0.00
0.44
0.08
0.34
0.30
0.24
0.50
0.43
0.43
0.20
0.44
0.49
0.35
0.55
4.42
11.19
0.00
0.06
0.20
0.19
0.04
0.19
0.25
0.08
0.00
0.29
0.00
0.11
0.15
0.27
0.09
0.09
0.42
0.27
0.27
0.05
0.29
0.59
0.11
0.50
0.98
7.67
0.00
0.23
0.40
0.39
0.19
0.39
0.43
0.28
0.00
0.45
0.00
0.31
0.36
0.45
0.29
0.28
0.49
0.44
0.44
0.22
0.46
0.49
0.32
農業・漁業・林業・水産業・鉱業
建設業
製造業
卸売・小売業
金融・不動産業
運輸・電気・ガス・水道・熱供給業
医療・福祉・教育・学習支援業・その他
公務
職種ダミー
農林漁業作業・採掘作業者
販売・サービス職従事者
管理的職種
事務職
運輸・通信従事者
製造・建築・保守・運搬などの作業者
情報処理技術・専門的・技術的職業従事者
保安職業従事者・その他
企業規模ダミー
100人未満
100-499人
500人以上
官公庁
市郡規模ダミー
政令市・特別区
その他の市
町・村
観察数
1958
注:被説明変数及び最低賃金に関する変数以外のすべての変数は、t-1期の値を使用している。
26
507
女性:新規就業関数
平均値
標準偏差
男性:新規就業関数
平均値
標準偏差
0.08
0.67
0.19
0.10
0.84
52.07
0.27
0.47
0.39
0.30
0.37
13.91
0.08
0.67
0.03
0.28
0.76
60.99
0.27
0.47
0.18
0.45
0.43
12.73
16.58
13.30
36.58
13.68
4.38
10.70
1.00
7.67
4.32
10.22
1.01
7.33
0.25
0.63
0.12
0.43
0.48
0.33
3245
1064
表4 最低賃金の引き上げが非正規労働者の賃金に及ぼす影響に関する分析
被説明変数
t-1期からt期にかけての
時間当たり賃金率の変化額
推計方法
推計式
学歴ダミー
ref:中高卒
短大・高専卒
大卒・大学院卒
労働市場における総経験年数
労働市場における総経験年数の2乗項
勤続年数
勤続年数の2乗項
派遣・契約社員ダミー
都道府県別失業率
最低賃金に関する変数
業種ダミー
ref:製造業
Δ最低賃金(t-1期からt期の最低賃金変化額)
農業・漁業・林業・水産業・鉱業
建設業
卸売・小売業
金融・不動産業
運輸・電気・ガス・水道・熱供給業
医療・福祉・教育・学習支援業・その他
公務
職種ダミー
ref:事務職
販売・サービス職従事者
Pooled OLS
Heckmanの2段階推計
(1)
-9.095
[62.13]
26.36
[79.69]
-5.237
[7.601]
0.103
[0.144]
-2.201
[8.297]
0.124
[0.315]
-19.55
[79.96]
8.969
[26.83]
7.887**
[3.915]
-65.50
[98.87]
108.1
[155.5]
60.78
[77.46]
-107.0
[126.1]
-4.002
[161.4]
-20.06
[69.35]
-83.08
[87.45]
-119.5
[73.29]
(2a)賃金関数
-5.866
[52.44]
36.99
[73.35]
-3.247
[7.768]
0.0953
[0.151]
-2.009
[6.398]
0.123
[0.148]
-32.82
[58.81]
7.039
[23.84]
7.814**
[3.708]
-45.56
[288.4]
108.3
[175.0]
59.90
[85.04]
-100.6
[119.3]
-5.588
[114.1]
-17.17
[83.23]
-81.20
[120.2]
-116.9*
[62.49]
30.83
[164.3]
17.31
[68.79]
-191.4**
[94.06]
-49.03
[99.74]
-71.50
[54.79]
33.39
[61.68]
208.9
[130.4]
22.38
[278.7]
23.80
[83.32]
-186.8**
[86.24]
-47.94
[98.23]
-74.84
[51.64]
31.28
[54.40]
204.4*
[123.2]
女性
(2b)非正規雇用関数
-0.0680
[0.0497]
-0.227***
[0.0652]
FE OLS
RE OLS
(3)
399.1
[268.5]
-0.695
[0.945]
10.80
[28.74]
-2.447
[1.718]
-180.6
[130.7]
-35.75
[123.9]
15.49**
[7.761]
-174.3
[817.4]
582.2
[472.6]
162.8
[200.0]
104.0
[331.6]
-314.8
[264.9]
-97.10
[188.1]
-138.0
[228.2]
-132.3
[141.7]
(4)
-7.530
[55.46]
29.44
[76.81]
-4.752
[8.002]
0.0941
[0.159]
-2.463
[6.709]
0.128
[0.155]
-23.83
[60.16]
8.488
[25.08]
8.042**
[3.852]
-66.65
[299.3]
111.5
[184.6]
59.99
[88.47]
-112.0
[125.0]
-15.07
[119.2]
-23.49
[86.47]
-83.28
[123.7]
-124.2*
[65.04]
307.7
[556.7]
-20.39
[185.6]
-391.0**
[174.3]
-139.1
[171.4]
84.52
[101.2]
145.5
[123.2]
397.4*
[216.4]
42.67
[287.4]
10.98
[86.65]
-204.6**
[89.09]
-56.72
[100.6]
-68.31
[53.44]
35.50
[56.64]
211.8*
[127.3]
管理的職種
運輸・通信従事者
製造・建築・保守・運搬などの作業者
情報処理技術・専門的・技術的職業従事者
保安職業従事者・その他
企業規模ダミー
ref:99人以下
100-499人
500人以上
官公庁
年齢
有配偶ダミー
5歳以下の子供ありダミー
6-12歳以下の子供ありダミー
市郡規模ダミー
年次ダミー
定数項
逆ミルズ比
Yes
Yes
-84.95
[184.0]
Yes
Yes
-42.43
[166.6]
-89.21
[70.48]
-0.0494***
[0.00192]
-0.126**
[0.0524]
-1.347***
[0.0652]
0.0380
[0.0518]
No
No
2.403***
[0.108]
1918
サンプル数
5083
0.03
R-squared
R-squared:within
R-squared:beween
R-squared:overall
ハウスマン検定
注1:[]内の値は標準誤差を表す。
注2:***は1%水準、**は5%水準、*は10%水準で有意であることを示す。
注3:分析対象は引っ越しを経験していない非正規雇用就業の男性及び女性である。
注4:使用している説明変数は、最低賃金に関する変数及び年次ダミー以外、すべてt-1期の値を使用している。
Heckmanの2段階推計
(5)
-88.03
[204.8]
-184.2
[218.1]
-18.13
[14.68]
0.289
[0.294]
-5.801
[24.83]
-0.0868
[0.562]
91.04
[132.6]
44.52
[91.76]
6.130
[16.88]
(6a)賃金関数
-108.5
[283.1]
-40.11
[200.3]
-11.55
[18.31]
0.367
[0.325]
-1.658
[24.86]
-0.174
[0.613]
108.9
[150.7]
46.73
[77.39]
3.486
[13.15]
-84.08
[223.9]
-418.4
[290.1]
-468.9**
[193.1]
-145.7
[182.1]
-267.0
[226.3]
-29.62
[234.2]
-16.20
[206.7]
-56.81
[293.6]
-33.14
[252.6]
-380.3
[243.4]
-419.2
[324.5]
-88.62
[228.0]
219.6
[180.6]
74.02
[150.4]
54.94
[498.5]
-62.82
[300.3]
-412.0
[260.9]
-466.2
[398.2]
-82.05
[282.2]
-239.6
[237.1]
-1.403
[374.5]
36.89
[265.9]
164.7
[817.0]
-63.69
[318.7]
-355.0
[268.1]
-356.6
[308.9]
-56.25
[313.1]
227.9
[166.4]
83.66
[172.9]
63.03
[448.3]
Yes
Yes
-6,245
[4,135]
Yes
Yes
-85.58
[171.1]
Yes
Yes
389.6
[582.5]
1918
1918
439
0.04
0.04
0.00
0.00
0.03
0.04
0.03
0.54
27
Pooled OLS
Yes
Yes
430.8
[569.1]
-455.9
[287.1]
男性
(6b)非正規雇用関数
0.118
[0.184]
-0.284***
[0.0883]
-0.0400***
[0.00358]
0.119
[0.108]
0.496
[0.576]
2.029***
[0.521]
No
No
1.665***
[0.177]
1518
FE OLS
RE OLS
(7)
-248.5
[2,222]
1.050
[2.603]
47.27
[115.8]
-2.215
[4.700]
-326.0
[401.4]
-282.8
[553.8]
-53.74
[33.06]
(8)
-88.03
[289.2]
-184.2
[184.6]
-18.13
[18.49]
0.289
[0.336]
-5.801
[25.82]
-0.0868
[0.639]
91.04
[156.7]
44.52
[80.60]
6.130
[13.58]
1,081
[1,387]
262.0
[775.4]
-95.88
[1,173]
1,139
[1,020]
678.6
[734.5]
700.6
[944.1]
280.5
[787.7]
14.58
[1,814]
-471.7
[975.9]
-401.1
[842.8]
-573.3
[718.6]
-74.42
[812.2]
562.8
[413.4]
684.8
[440.7]
1,429
[1,399]
-84.08
[312.8]
-418.4
[271.3]
-468.9
[415.9]
-145.7
[290.8]
-267.0
[246.4]
-29.62
[391.2]
-16.20
[275.0]
-56.81
[845.5]
-33.14
[331.1]
-380.3
[279.1]
-419.2
[319.1]
-88.62
[326.1]
219.6
[173.4]
74.02
[179.8]
54.94
[468.8]
Yes
Yes
6,267
[56,408]
Yes
Yes
389.6
[590.9]
439
439
0.07
0.00
0.00
0.01
0.11
0.04
0.94
表5 最低賃金の引き上げが正規労働者の賃金に及ぼす影響に関する分析(最低賃金変化額を利用)
被説明変数
t-1期からt期にかけての
時間当たり賃金率の変化額
推計方法
推計式
学歴ダミー
ref:中高卒
短大・高専卒
大卒・大学院卒
労働市場における総経験年数
労働市場における総経験年数の2乗項
勤続年数
勤続年数の2乗項
性別、学歴別、年齢別失業率
最低賃金に関する変数
Δ最低賃金(t-1期からt期の最低賃金変化額)
業種ダミー
ref:製造業
農業・漁業・林業・水産業・鉱業
建設業
卸売・小売業
金融・不動産業
運輸・電気・ガス・水道・熱供給業
医療・福祉・教育・学習支援業・その他
公務
職種ダミー
ref:事務職
農林漁業作業・採掘作業者
販売・サービス職従事者
管理的職種
Pooled OLS
(9)
30.40
[141.1]
166.9
[172.1]
-8.623
[24.45]
0.291
[0.549]
-13.39
[13.60]
0.129
[0.198]
10.65
[50.70]
1.603
[12.45]
1,782
[1,304]
485.9
[299.5]
202.8
[246.1]
53.15
[223.4]
280.2
[397.5]
288.5
[205.0]
174.7
[249.1]
-1,579
[1,315]
81.88
[168.0]
-139.3
[236.1]
FE OLS
RE OLS
女性
(10)
-1,193
[800.4]
4.000
[3.150]
98.97
[103.7]
-2.420
[3.557]
-219.5
[359.1]
35.70
[24.39]
982.8
[2,046]
150.3
[1,267]
342.8
[751.8]
-738.4
[1,045]
-95.18
[1,495]
-203.4
[772.3]
-412.7
[819.1]
-197.1
[2,469]
-117.0
[435.6]
-440.4
[1,199]
(11)
30.40
[138.2]
166.9
[157.7]
-8.623
[21.89]
0.291
[0.502]
-13.39
[14.07]
0.129
[0.292]
10.65
[54.17]
1.603
[10.72]
1,782**
[723.7]
485.9
[328.4]
202.8
[252.0]
53.15
[255.9]
280.2
[411.8]
288.5
[213.6]
174.7
[266.4]
-1,579
[1,002]
81.88
[174.1]
-139.3
[462.2]
5.472
[590.2]
-710.5
[523.4]
-833.0
[570.9]
-367.6
[465.7]
96.12
[518.2]
-13.51
[482.0]
Yes
Yes
18,031
[12,476]
1020
43.89
[259.7]
-202.5
[169.0]
-381.3
[274.5]
8.231
[148.2]
240.1
[163.9]
109.4
[218.5]
Yes
Yes
-90.72
[403.6]
1020
0.03
0.00
0.00
0.01
0.06
0.03
運輸・通信従事者
製造・建築・保守・運搬などの作業者
情報処理技術・専門的・技術的職業従事者
保安職業従事者・その他
企業規模ダミー
ref:99人以下
100-499人
500人以上
官公庁
居住地域ダミー
年次ダミー
定数項
43.89
[195.7]
-202.5
[182.2]
-381.3
[364.1]
8.231
[132.4]
240.1
[169.1]
109.4
[201.6]
Yes
Yes
-90.72
[466.9]
1020
0.03
サンプル数
R-squared
R-squared:within
R-squared:beween
R-squared:overall
ハウスマン検定
注1:[]内の値は標準誤差を表す。
注2:***は1%水準、**は5%水準、*は10%水準で有意であることを示す。
注3:分析対象は引っ越しを経験していない正規雇用就業の男性及び女性である。
注4:使用している説明変数は、最低賃金に関する変数以外、すべてt-1期の値を使用している。
28
1.00
Pooled OLS
(12)
-110.4
[117.4]
-8.816
[73.86]
-6.591
[13.86]
0.0364
[0.278]
-2.739
[9.928]
0.0534
[0.239]
-12.31
[32.09]
-3.077
[4.896]
-415.6**
[203.1]
-46.32
[122.5]
-97.23
[138.6]
-106.7
[188.7]
-11.52
[101.1]
24.31
[93.94]
120.4
[149.1]
566.7*
[297.0]
207.7
[128.9]
119.3
[112.6]
26.15
[153.6]
52.64
[122.3]
69.14
[107.6]
119.2
[119.1]
47.50
[83.45]
-16.16
[84.70]
-55.42
[127.6]
Yes
Yes
394.7
[249.0]
3596
0.01
FE OLS
RE OLS
男性
(13)
186.0
[749.6]
0.821
[1.338]
-12.42
[38.13]
0.204
[1.158]
-219.9
[177.7]
-6.300
[8.944]
221.9
[1,622]
203.2
[582.3]
-764.7*
[392.1]
-33.44
[778.5]
95.59
[411.5]
597.9
[383.7]
560.8
[445.6]
2,276
[2,207]
128.3
[243.0]
50.85
[232.0]
-265.4
[379.2]
-26.38
[243.9]
29.06
[224.4]
168.8
[270.7]
9.481
[213.3]
97.55
[246.6]
48.93
[338.5]
Yes
Yes
-3,537
[15,698]
3596
(14)
-110.4
[123.8]
-8.816
[73.84]
-6.591
[12.69]
0.0364
[0.250]
-2.739
[9.608]
0.0534
[0.244]
-12.31
[35.07]
-3.077
[5.105]
-415.6
[686.2]
-46.32
[113.0]
-97.23
[132.4]
-106.7
[159.1]
-11.52
[112.2]
24.31
[105.8]
120.4
[149.9]
566.7
[842.3]
207.7*
[125.7]
119.3
[119.9]
26.15
[157.1]
52.64
[116.6]
69.14
[111.8]
119.2
[138.0]
47.50
[85.14]
-16.16
[82.81]
-55.42
[147.5]
Yes
Yes
394.7
[259.4]
3596
0.01
0.00
0.00
0.00
0.02
0.01
0.78
表6 最低賃金の引き上げが非正規労働者の賃金に及ぼす影響に関する分析(Quantile Regresion:最低賃金変化額を利用)
被説明変数
時間当たり賃金率
推計方法
推計式
学歴ダミー
ref:中高卒
短大・高専卒
大卒・大学院卒
労働市場における総経験年数
労働市場における総経験年数の2乗項
勤続年数
勤続年数の2乗項
派遣・契約社員ダミー
都道府県別失業率
最低賃金に関する変数 Δ最低賃金(t-1期からt期の最低賃金変化額)
業種ダミー
ref:製造業
農業・漁業・林業・水産業・鉱業
建設業
卸売・小売業
金融・不動産業
運輸・電気・ガス・水道・熱供給業
医療・福祉・教育・学習支援業・その他
公務
職種ダミー
ref:事務職
農林漁業作業・採掘作業者
販売・サービス職従事者
管理的職種
運輸・通信従事者
製造・建築・保守・運搬などの作業者
情報処理技術・専門的・技術的職業従事者
保安職業従事者・その他
企業規模ダミー
ref:99人以下
100-499人
500人以上
官公庁
市郡規模ダミー
年次ダミー
定数項
Quantile Regresion
女性
20%分位
40%分位
60%分位
(15)
(16)
(17)
0.0218*
0.0336***
0.0294**
[0.0129]
[0.00954]
[0.0128]
0.0721***
0.111***
0.118***
[0.0253]
[0.0161]
[0.0268]
0.00118
0.00126
0.00191
[0.00194]
[0.00147]
[0.00207]
-4.01e-05
-3.40e-05
-3.59e-05
[3.70e-05] [2.96e-05]
[4.40e-05]
0.00223
0.00152
0.00222
[0.00226]
[0.00215]
[0.00283]
-3.03e-05
1.30e-05
3.83e-05
[8.20e-05] [0.000101]
[0.000133]
0.0841***
0.174***
0.195***
[0.0181]
[0.0175]
[0.0214]
-0.0125**
-0.0128**
-0.000962
[0.00549]
[0.00506]
[0.00589]
0.00760*** 0.00540*** 0.00601***
[0.000659] [0.000703]
[0.00104]
-0.197*
-0.144
-0.00695
[0.107]
[0.119]
[0.0962]
0.00616
0.00847
0.0530
[0.0514]
[0.0443]
[0.0858]
-0.000654
-0.0124
-0.0118
[0.0220]
[0.0155]
[0.0182]
0.0142
0.0691**
0.0977***
[0.0366]
[0.0306]
[0.0365]
0.0395*
0.0201
0.0246
[0.0213]
[0.0205]
[0.0295]
0.0162
0.0190
0.0407*
[0.0231]
[0.0166]
[0.0232]
0.0134
-0.0110
0.00757
[0.0284]
[0.0201]
[0.0305]
0.0317
0.0599
-0.0220
[0.121]
[0.144]
[0.111]
-0.0544*** -0.0314**
-0.0282
[0.0178]
[0.0129]
[0.0185]
0.424
1.311**
1.232**
[0.545]
[0.556]
[0.489]
0.0458
0.0249
-0.00740
[0.0494]
[0.0455]
[0.119]
-0.0764*** -0.0741*** -0.0685***
[0.0202]
[0.0146]
[0.0212]
0.0781***
0.143***
0.265***
[0.0280]
[0.0283]
[0.0526]
0.0996***
0.126***
0.170***
[0.0293]
[0.0241]
[0.0529]
0.0220*
0.0300***
0.0403***
[0.0125]
[0.00909]
[0.0124]
0.0664***
0.0741***
0.0828***
[0.0104]
[0.0104]
[0.0139]
-0.0624
-0.0240
-0.0656
[0.0385]
[0.0324]
[0.0517]
Yes
Yes
Yes
Yes
Yes
Yes
6.564***
6.617***
6.593***
[0.0444]
[0.0341]
[0.0478]
2467
0.12
0.15
0.18
サンプル数
R-squared
注1:[]内の値は標準誤差を表す。
注2:***は1%水準、**は5%水準、*は10%水準で有意であることを示す。
注3:分析対象は非正規雇用就業している男性及び女性である。
注4:使用している説明変数は、最低賃金に関する変数以外、すべてt期の値を使用している。
注5:標準誤差の計算にはブートストラップ法を用いており、試行回数は1000回である。
29
80%分位
(18)
0.0433
[0.0267]
0.129***
[0.0396]
-0.000869
[0.00303]
2.88e-05
[6.04e-05]
0.00503
[0.00343]
0.000155
[0.000153]
0.252***
[0.0351]
0.00149
[0.0105]
0.00727***
[0.00173]
-0.0553
[0.0795]
0.131
[0.0808]
-0.0440*
[0.0248]
0.130**
[0.0520]
0.0399
[0.0445]
0.122***
[0.0423]
0.0466
[0.0658]
0.0303
[0.112]
-0.00780
[0.0231]
1.155***
[0.405]
0.399
[0.298]
-0.0642**
[0.0276]
0.296***
[0.0673]
0.279***
[0.0645]
0.0263
[0.0188]
0.0717***
[0.0218]
-0.0491
[0.0836]
Yes
Yes
6.646***
[0.0753]
20%分位
(19)
0.234***
[0.0792]
0.108**
[0.0502]
0.00475
[0.00441]
-7.96e-05
[8.09e-05]
3.51e-05
[0.00762]
8.41e-05
[0.000161]
0.103***
[0.0383]
-0.0185
[0.0215]
0.00811**
[0.00321]
-0.330*
[0.173]
-0.0369
[0.0856]
0.0451
[0.0909]
0.0417
[0.186]
0.0919
[0.0874]
-0.0102
[0.0824]
-0.0436
[0.0943]
0.283
[0.174]
-0.101
[0.0696]
0.00418
[0.272]
-0.0958
[0.0861]
0.0207
[0.0747]
-0.0466
[0.128]
-0.142
[0.0926]
0.00947
[0.0437]
0.0460
[0.0445]
0.0345
[0.165]
Yes
Yes
6.608***
[0.149]
0.21
0.08
Quantile Regresion
男性
40%分位
60%分位
80%分位
(20)
(21)
(22)
0.129**
0.0807
-0.0674
[0.0629]
[0.0621]
[0.0969]
0.0195
-0.0151
-0.130*
[0.0434]
[0.0461]
[0.0709]
0.00382
0.00920*
0.00216
[0.00454]
[0.00491] [0.00692]
-7.57e-05 -0.000166* -1.53e-05
[8.59e-05] [8.99e-05] [0.000142]
0.00770
0.0167** 0.0277**
[0.00648]
[0.00739]
[0.0121]
-0.000115 -0.000312* -0.000659**
[0.000145] [0.000173] [0.000273]
0.124***
0.130***
0.117*
[0.0378]
[0.0432]
[0.0621]
0.000547
-0.00436
0.00437
[0.0208]
[0.0197]
[0.0299]
0.00746*** 0.00772**
0.00702
[0.00281]
[0.00382] [0.00575]
-0.281**
-0.234*
-0.443*
[0.123]
[0.142]
[0.250]
-0.0359
-0.0241
-0.0774
[0.0766]
[0.0832]
[0.114]
0.0244
0.0761
0.138
[0.0819]
[0.0832]
[0.137]
0.331**
0.409***
0.326*
[0.162]
[0.143]
[0.180]
0.0535
0.0986
0.232*
[0.0637]
[0.0771]
[0.135]
-0.00467
0.0638
0.0764
[0.0688]
[0.0703]
[0.115]
-0.0495
-0.0259
-0.0868
[0.0748]
[0.0784]
[0.113]
0.00460
-0.282** -0.589**
[0.142]
[0.144]
[0.265]
-0.244** -0.411*** -0.654***
[0.109]
[0.0889]
[0.139]
0.0908
0.407
0.515
[0.424]
[0.444]
[0.578]
-0.187*
-0.362*** -0.601***
[0.101]
[0.0837]
[0.153]
-0.0985
-0.264*** -0.440***
[0.0999]
[0.0824]
[0.137]
0.0913
0.209
0.227
[0.141]
[0.139]
[0.182]
-0.138
-0.227**
-0.0915
[0.122]
[0.109]
[0.172]
-0.0518
-0.0734* -0.151**
[0.0401]
[0.0444]
[0.0732]
0.0245
0.0378
-0.0374
[0.0398]
[0.0477]
[0.0700]
0.105
0.106
-0.0800
[0.127]
[0.101]
[0.132]
Yes
Yes
Yes
Yes
Yes
Yes
6.878***
7.051*** 7.578***
[0.151]
[0.171]
[0.285]
693
0.11
0.16
0.21
表7 最低賃金の引き上げが非自発的失業に及ぼす影響に関する分析(最低賃金変化額を利用)
被説明変数 1:非正規雇用就業⇒離職
0:非正規雇用就業⇒非正規雇用就業
推計方法
推計式
学歴ダミー
ref:中高卒
短大・高専卒
大卒・大学院卒
有配偶ダミー
年齢
勤続年数
派遣・契約社員ダミー
都道府県別失業率
最低賃金に関する変数
業種ダミー
ref:製造業
Δ最低賃金(t期からt-1期の最低賃金変化額)
Pooled Logit
RE Logit
女性
(23)
(24)
-0.244
[0.267]
0.0769
[0.313]
-0.0942
[0.239]
-0.00707
[0.0109]
-0.00979
[0.0209]
0.173
[0.247]
0.0637
[0.109]
-0.0132
[0.0186]
-0.270
[0.305]
0.0841
[0.373]
-0.154
[0.274]
-0.00710
[0.0115]
-0.00328
[0.0212]
0.149
[0.288]
0.0754
[0.130]
-0.00936
[0.0214]
農業・漁業・林業・水産業・鉱業
建設業
卸売・小売業
金融・不動産業
運輸・電気・ガス・水道・熱供給業
医療・福祉・教育・学習支援業・その他
公務
職種ダミー
ref:事務職
農林漁業作業・採掘作業者
販売・サービス職従事者
Pooled Logit
RE Logit
女性
(25)
(26)
Pooled Logit Pooled Logit
男性
(27)
(28)
-0.288
[0.943]
-0.0929
[0.464]
0.123
[0.491]
-0.00214
[0.0183]
-0.0498
[0.0338]
-0.352
[0.362]
-0.292
[0.232]
0.0252
[0.0330]
-0.288
[0.812]
-0.0929
[0.444]
0.122
[0.511]
-0.00213
[0.0163]
-0.0498
[0.0326]
-0.352
[0.356]
-0.292
[0.225]
0.0252
[0.0348]
RE Logit
RE Logit
男性
(29)
(30)
0.0477
[0.967]
0.276
[0.521]
-0.255
[0.534]
0.00285
[0.0189]
-0.0510
[0.0360]
-0.439
[0.428]
-0.253
[0.250]
0.0465
[0.0389]
0.0476
[0.831]
0.276
[0.496]
-0.255
[0.545]
0.00285
[0.0178]
-0.0510
[0.0345]
-0.439
[0.414]
-0.253
[0.234]
0.0465
[0.0373]
-1.436
[1.236]
-0.436
[0.567]
0.304
[1.371]
0.114
[0.665]
-0.439
[0.683]
0.320
[0.842]
-1.436
[1.138]
-0.436
[0.778]
0.304
[1.255]
0.114
[0.674]
-0.439
[0.703]
0.320
[0.848]
-0.0148
[0.823]
-0.0148
[0.769]
-0.100
[0.877]
0.854
[0.731]
-0.414
[0.970]
-0.365
[0.960]
-0.105
[0.475]
-0.317
[0.498]
0.835
[0.934]
Yes
Yes
-0.593
[1.562]
507
-0.281
[0.265]
0.232
[0.342]
-0.115
[0.240]
-0.0105
[0.0109]
-0.0117
[0.0186]
0.313
[0.269]
0.0569
[0.115]
-0.00822
[0.0183]
2.136**
[0.866]
-0.108
[1.064]
0.470
[0.437]
0.267
[0.612]
0.00455
[0.671]
1.089***
[0.400]
1.305**
[0.548]
-1.113
[1.284]
-0.00351
[0.279]
-0.302
[0.292]
0.231
[0.366]
-0.142
[0.259]
-0.0109
[0.0109]
-0.00773
[0.0203]
0.283
[0.299]
0.0611
[0.124]
-0.00487
[0.0209]
2.264**
[1.074]
-0.0818
[1.149]
0.483
[0.461]
0.275
[0.701]
0.0404
[0.695]
1.125**
[0.443]
1.367**
[0.612]
-1.175
[1.512]
0.00524
[0.311]
0.666
[1.223]
0.630
[0.433]
-0.939**
[0.475]
-0.820
[0.595]
-0.102
[0.272]
-0.0444
[0.292]
-0.719
[0.688]
Yes
Yes
-3.281***
[0.975]
Yes
Yes
-0.177
[1.346]
Yes
Yes
-0.178
[1.331]
-0.100
[0.910]
0.854
[0.747]
-0.414
[0.966]
-0.365
[0.942]
-0.105
[0.515]
-0.317
[0.487]
0.835
[1.005]
Yes
Yes
-0.594
[1.630]
1958
507
507
507
管理的職種
運輸・通信従事者
Yes
Yes
-2.551***
[0.762]
Yes
Yes
-3.096***
[0.934]
0.617
[1.132]
0.600
[0.369]
-0.919**
[0.450]
-0.854
[0.566]
-0.0773
[0.263]
-0.0600
[0.283]
-0.710
[0.675]
Yes
Yes
-2.970***
[0.877]
1958
1958
1958
製造・建築・保守・運搬などの作業者
情報処理技術・専門的・技術的職業従事者
保安職業従事者・その他
企業規模ダミー
ref:99人以下
100-499人
500人以上
官公庁
市郡規模ダミー
年次ダミー
定数項
サンプル数
注1:[]内の値は標準誤差を表す。
注2:***は1%水準、**は5%水準、*は10%水準で有意であることを示す。
注3:分析対象は1期前に非正規雇用就業していた女性及び男性である。
注4:最低賃金以外の説明変数は、すべて1期前の値を使用している。
30
表8 最低賃金の引き上げが新規就業に及ぼす影響に関する分析(最低賃金変化額を利用)
被説明変数 1:無業+失業⇒非正規雇用就業
0:無業+失業⇒無業+失業
Pooled Logit
RE Logit
女性
(31)
(32)
推計方法
推計式
学歴ダミー
ref:中高卒
短大・高専卒
大卒・大学院卒
年齢
労働市場における総経験年数
都道府県別失業
有配偶ダミー
最低賃金に関する変数
Δ最低賃金(t期からt-1期の最低賃金変化額)
市郡規模ダミー
年次ダミー
定数項
サンプル数
注1:[]内の値は標準誤差を表す。
注2:***は1%水準、**は5%水準、*は10%水準で有意であることを示す。
注3:分析対象は1期前に無業及び失業状態の男性及び女性である。
注4:最低賃金以外の説明変数は、すべて1期前の値を使用している。
31
Pooled Logit
RE Logit
男性
(33)
(34)
-0.0531
[0.167]
-0.183
[0.220]
-0.0843***
[0.00670]
0.0332***
[0.00810]
-0.00836
[0.0719]
-0.531***
[0.177]
-0.00497
[0.0123]
Yes
Yes
1.480***
[0.527]
-0.0721
[0.268]
-0.440
[0.360]
-0.123***
[0.0143]
0.0435***
[0.0126]
-0.0633
[0.118]
-0.818***
[0.294]
-0.000750
[0.0186]
Yes
Yes
2.553***
[0.856]
-0.312
[0.674]
-0.224
[0.438]
-0.254***
[0.0491]
0.168***
[0.0479]
0.0536
[0.145]
0.565
[0.553]
0.0415
[0.0269]
Yes
Yes
5.358***
[1.243]
-0.794
[1.182]
-0.162
[0.565]
-0.318***
[0.0640]
0.202***
[0.0598]
0.0182
[0.224]
0.606
[0.714]
0.0479
[0.0393]
Yes
Yes
7.037***
[1.896]
3245
3245
1064
1064
表9 最低賃金の引き上げが非正規労働者の労働時間に及ぼす影響に関する分析(最低賃金変化額を利用)
被説明変数
t-1期からt期にかけての
週平均労働時間の差分
推計方法
推計式
学歴ダミー
ref:中高卒
短大・高専卒
大卒・大学院卒
労働市場における総経験年数
労働市場における総経験年数の2乗項
勤続年数
勤続年数の2乗項
派遣・契約社員ダミー
都道府県別失業率
最低賃金に関する変数
業種ダミー
ref:製造業
Δ最低賃金(t-1期からt期の最低賃金変化額)
農業・漁業・林業・水産業・鉱業
建設業
卸売・小売業
金融・不動産業
運輸・電気・ガス・水道・熱供給業
医療・福祉・教育・学習支援業・その他
公務
職種ダミー
ref:事務職
販売・サービス職従事者
Heckmanの2段階推計
Pooled OLS
女性
(35)
(36a)労働時間関数 (36b)非正規雇用関数
1.639*
0.897
-0.0683
[0.926]
[0.881]
[0.0496]
0.769
1.376
-0.212***
[1.155]
[1.222]
[0.0649]
0.0509
0.114
[0.131]
[0.130]
-0.00162
-0.00261
[0.00264]
[0.00254]
0.217
0.160
[0.149]
[0.108]
-0.00791
-0.00672***
[0.00514]
[0.00250]
-2.845***
-1.266
[1.091]
[0.977]
0.470
0.401
[0.455]
[0.401]
0.0157
-0.0272
[0.0614]
[0.0627]
-4.997
-1.681
[5.344]
[4.851]
-1.996
-3.148
[2.699]
[3.051]
-1.511
-1.496
[1.652]
[1.422]
0.327
0.0416
[2.258]
[2.005]
-0.270
-0.969
[2.635]
[1.945]
-2.991*
-2.528*
[1.668]
[1.396]
-1.708
-0.670
[2.235]
[2.008]
1.376
1.843*
[1.149]
[1.046]
FE OLS
(37)
RE OLS
-9.771***
[2.482]
0.0213
[0.0160]
-0.796
[0.499]
0.0157
[0.0291]
-1.875
[2.224]
0.0455
[2.134]
-0.155
[0.137]
-9.557
[13.51]
-13.07
[8.281]
2.382
[3.433]
2.738
[5.976]
1.871
[4.693]
-5.042
[3.303]
-0.434
[3.929]
1.259
[2.365]
(38)
1.717*
[0.993]
0.895
[1.350]
0.0450
[0.138]
-0.00147
[0.00277]
0.201*
[0.120]
-0.00770***
[0.00283]
-2.872***
[1.045]
0.488
[0.443]
0.00415
[0.0690]
-5.026
[4.912]
-2.375
[3.457]
-1.472
[1.553]
0.474
[2.224]
-0.205
[2.161]
-3.135**
[1.519]
-1.727
[2.155]
1.416
[1.144]
-13.66
[9.214]
0.576
[3.200]
1.828
[3.036]
1.445
[2.923]
-0.907
[1.738]
-2.705
[2.142]
-2.632
[3.849]
0.221
[5.028]
-2.692*
[1.535]
2.609*
[1.585]
2.136
[1.765]
0.691
[0.938]
-0.217
[1.008]
-0.704
[2.242]
管理的職種
運輸・通信従事者
製造・建築・保守・運搬などの作業者
情報処理技術・専門的・技術的職業従事者
保安職業従事者・その他
企業規模ダミー
ref:99人以下
100-499人
500人以上
官公庁
0.556
[3.823]
-2.643
[1.702]
2.526*
[1.479]
2.079
[1.506]
0.729
[0.932]
-0.125
[0.932]
-0.610
[2.187]
2.287
[4.696]
-0.677
[1.413]
1.482
[1.456]
1.564
[1.633]
0.303
[0.866]
-0.398
[0.926]
-1.492
[2.048]
年齢
-0.0495***
[0.00193]
-0.139***
[0.0525]
-1.313***
[0.0645]
0.0635
[0.0514]
No
No
2.408***
[0.108]
有配偶ダミー
5歳以下の子供ありダミー
6-12歳以下の子供ありダミー
市郡規模ダミー
年次ダミー
定数項
逆ミルズ比
Yes
Yes
-1.968
[3.050]
Yes
Yes
-0.283
[2.771]
0.540
[1.190]
サンプル数
2081
R-squared
0.02
R-squared:within
R-squared:beween
R-squared:overall
ハウスマン検定
注1:[]内の値は標準誤差を表す。
注2:***は1%水準、**は5%水準、*は10%水準で有意であることを示す。
注3:分析対象は引っ越しを経験していない非正規雇用就業の男性及び女性である。
注4:使用している説明変数は、最低賃金に関する変数以外、すべてt-1期の値を使用している。
5080
Heckmanの2段階推計
(39)
3.332
[4.017]
-1.093
[2.400]
-0.187
[0.237]
0.00126
[0.00426]
0.351
[0.312]
-0.00852
[0.00811]
-3.134
[2.042]
0.456
[1.135]
-0.125
[0.166]
男性
(40a)労働時間関数 (40b)非正規雇用関数
2.151
0.193
[3.140]
[0.178]
-1.710
-0.238***
[2.198]
[0.0858]
-0.0103
[0.210]
-0.00112
[0.00380]
-0.0681
[0.277]
0.00331
[0.00678]
-1.906
[1.723]
-0.0883
[0.902]
-0.0137
[0.152]
0.652
[3.852]
3.532
[3.078]
9.926**
[3.960]
0.956
[3.740]
3.668
[2.787]
1.851
[4.492]
-2.489
[2.992]
2.105
[8.996]
1.282
[3.788]
0.164
[3.072]
2.389
[3.379]
-2.667
[3.513]
0.590
[2.246]
1.275
[2.394]
1.951
[6.180]
Yes
Yes
149.4***
[39.18]
Yes
Yes
-1.896
[3.005]
Yes
Yes
-6.338
[7.555]
2081
2081
544
0.04
0.05
0.00
0.00
0.01
0.05
0.02
0.00
32
Pooled OLS
-0.935
[3.432]
3.207
[3.012]
6.575
[4.701]
0.823
[3.129]
1.872
[2.759]
-5.334
[4.236]
-2.703
[3.105]
6.226
[8.684]
-1.201
[3.540]
1.676
[3.124]
2.140
[3.534]
-1.781
[3.672]
-2.934
[1.918]
-1.142
[1.979]
8.643
[5.323]
-0.0395***
[0.00352]
0.105
[0.106]
0.562
[0.555]
2.007***
[0.521]
No
No
1.662***
[0.174]
Yes
Yes
0.525
[6.675]
0.740
[3.337]
1543
FE OLS
RE OLS
(41)
1.159
[10.49]
0.0594**
[0.0296]
0.223
[1.323]
-0.0365
[0.0512]
-1.919
[4.738]
2.543
[5.730]
0.114
[0.407]
(42)
3.794
[4.604]
-1.058
[2.797]
-0.244
[0.278]
0.00220
[0.00515]
0.440
[0.375]
-0.0108
[0.00899]
-2.988
[2.239]
0.490
[1.236]
-0.134
[0.199]
-4.700
[17.52]
4.927
[9.437]
15.80
[15.96]
1.869
[12.72]
3.644
[8.740]
-0.625
[11.10]
-6.461
[8.380]
0.459
[19.73]
9.608
[10.48]
6.401
[9.407]
3.650
[8.068]
-5.195
[8.664]
-3.279
[4.636]
3.408
[4.825]
-2.664
[18.91]
-0.491
[4.531]
4.346
[4.007]
10.41
[6.594]
0.944
[4.107]
3.584
[3.642]
1.613
[5.251]
-3.594
[4.021]
2.106
[10.21]
1.117
[4.673]
0.461
[3.969]
2.320
[4.406]
-2.856
[4.636]
-0.0504
[2.480]
1.461
[2.576]
1.594
[6.421]
Yes
Yes
-124.8
[261.6]
Yes
Yes
-6.616
[8.467]
544
544
0.08
0.02
0.01
0.03
0.04
0.04
0.71