感謝の心を持って、人生を送りたい

10 月 16 日(日)日本語スピーチコンテスト原稿(足利市民会館)
感謝の心を持って、人生を送りたい
関東学園大学
経済学研究科
1年
龔秋梅(キョウ シュウバイ)
皆様、こんにちは
私は来月で、日本に来て、ちょうど一年になります。この一年間で、異なる国々の留学
生たちと知り合い、日本人の友達もできました。お陰様で、日本で、楽しく生活してきま
した。本日、この場をお借りして、日本は感謝の国だと自分が強く感じていることを皆様
にお伝えしたいと思っております。
まずは日本語に感謝の気持ちがあふれている言葉から見ていきましょう。
最初の言葉は「お陰様で」です。
例えば
「お陰様で、元気になりました。」
「お陰様で、息子は合格することができました。」
「お陰様で、何々をいたすことができました。
」
などと言います。普段の生活の中で、聞かないことがないでしょう。他人に対する感謝の
気持ちがこの言葉を口にさせます。
自分自身が今ここにいることも親のお陰様であり、一つも自分のお蔭ではないことに気
づかされるでしょう。「お陰様で」という気持ちは、感謝、謙虚の気持ちからしか出てこ
ないのだと思います。
次は食事の挨拶の「いただきます」と「ご馳走様でした」です。
「いただきます」という言葉は食材である生き物の植物や動物の命を絶ち、調理
し、それらの命をもらって、人間が自分の命を維持していくことへの感謝の気持
ちを表しているのだと思います。
また、
「ご馳走様」は、私のために、あちこち動き回って食事の準備をして下さっ
てありがとうという感謝の言葉です。日本人が手を合わせて、いただきますと言う場
面を初めて見た時に、そういう気持ちは食べられてしまう魚達がわかるのかなと不思
議に思いました。自分の国ではそういう習慣はなかったからです。面白いことには英
語にもそういう表現が存在しないそうです。
「let’s eat 」は「さ-食べるぞー」
「I’m finished」は「食べ終わったわ」
自分の行動をそのまま言っているだけじゃないですか。この日本語との違いがとて
も興味深いと思います。
次に日本では感謝の気持ちが込められている祝日が法律により、定められているこ
とも面白いと思います。
例えば「海の日」は、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」
ことを趣旨として、祝日法により、7月の第3月曜日となっています。
「世界の国々
の中で『海の日』を国民の祝日としている国は唯一日本だけ」だそうです。
我が国の中国では、自然と言えば、山でしょう。しかし、残念ながら、山の日
という祝日はないです。
最後に、今年の日本は災害が多い年となりました。震災、台風でたくさんの人々がなく
なりました。災害救助や復旧活動の中で、「お陰様で、私がまだ生きているから、被災し
た方々の為に、自分の力を尽くしたい」と語った方がいらっしゃいました。職業的な倫理
感や使命感から、自らの恐怖を抑え、きちんと役割をはたし、他の人を助けようとして、
亡くなった人たちが多かったようです。
震災復旧がまだまだ大変でしょうが、みんなの力を合わせば、きっと乗り越えられると
私は固く信じております。
以上、まとまった話ではなかったかもしれないですが、これらのことは私が日本に来て、
心を打たれたことです。毎朝の太陽、毎日の生活、世の中の様々のことに感謝の気持ちを
盛り込んで、これからの人生をお送りしたいと思います。
以上、ご清聴ありがとうございました。