頻脈性不整脈

循環器内科
小河清寛
頻脈性不整脈
症状
脈の乱れの自覚、動悸、息切れ、たちくらみ、倦怠感、意識消失
原因
心臓弁膜症
先天性心疾患
虚血性心疾患
高血圧症
心筋症
心筋炎、心膜炎
心臓手術後
COPD
内分泌疾患(甲状腺疾患、副甲状腺疾患、褐色細胞腫)
電解質異常
疲労、ストレス、喫煙、飲酒、カフェイン飲料、薬剤など
頻脈性不整脈
心房細動(AFib)
心房粗動(AFL)
心房頻拍(AT)
発作性上室性頻拍(PSVT)
WPW症候群
房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)
房室リエントリー性頻拍(AVRT)
心室頻拍(VT)
心室細動/Torsade de Pointes
抗不整脈薬
心房細動
心房粗動
心房粗動
発作性上室性頻拍(AVNRT)
心房細動(W.P.W.症候群)
禁忌!!
ジギタリス
非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬(ワソランなど)
心室細動/Torsades de pointes
持続性心室頻拍
His束の分岐部以下を起源とするwide QRS頻拍で30秒以上持続するか、
それ以内でも停止処置を必要とする心室頻拍
拡張期の短縮による心室充満の不足、先行する心房収縮の欠如などに
より拍出量が減少する
持続性心室頻拍は不整脈による突然死の主因で、突然出現する。
頻拍レートが200拍/minを超えると高率に失神を来す。心機能低下例で
はより低い頻拍レートでも重症となる。
基礎疾患は心筋梗塞、心筋症、催不整脈性右室心筋症、心臓手術後、抗
不整脈による催不整脈作用によるもの、原因不明のものなど多彩。
持続性心室頻拍
治療: まずは停止!!
基礎心疾患がある場合(不明の場合も含む)
アミオダロン、ニフェカラント、プロカインアミド
基礎心疾患がない場合
右脚ブロック・左軸偏位(RBBB+LAD)
ベラパミルが奏功することが多い
左脚ブロック・右軸変位(LBBB+RAD)
ATP、β遮断薬、CCB、Naチャネル遮断薬
血行動態が不良
直流通電(DC)
持続性心室頻拍
再発予防
薬物療法
アミオダロン、ソタロール、ベプリジル、β遮断薬
血行動態が不安定な持続性心室頻拍ではICD
安定であっても基礎心疾患がある場合もICD
アブレーション治療
心室頻拍
Wide QRS頻拍の鑑別診断
(心拍数≧100bpm、QRS幅≧0.12sを示す頻拍)
・心室頻拍
・既存あるいは機能的脚ブロックを伴う上室性頻拍
・副伝導路を順行性に伝導する頻拍
心室頻拍
VT: 12誘導心電図での鑑別の補助
①房室解離
②QRS幅
③QRSの電気軸
④QRSの波形(V1, V6)
など・・・
心室頻拍
VT: 12誘導心電図での鑑別の補助
①房室解離
心室頻拍
VT: 12誘導心電図での鑑別の補助
②QRS幅
0.14sec以上を示した場合心室頻拍の可能性は高い
(特に
右脚ブロック型では0.14 sec以上
左脚ブロック型では0.16sec)
心室頻拍
VT: 12誘導心電図での鑑別の補助
③QRSの電気軸
左軸偏位(特に-30°以下を示す場合)は心室頻拍の頻度が高い
さらに右脚ブロック、左軸偏位を示す場合は心室頻拍の頻度は高い
心室頻拍
VT: 12誘導心電図での鑑別の補助
④QRSの形(特にV1, V6)
心室頻拍
不整脈でお困りの際は循環器内科までご連絡ください
ご清聴ありがとうございました