H27年度臨床検査技師技能研修会 心電図検査と 心エコー図検査 仙台西多賀病院 臨床検査部 三上秀光 身体症状・主訴 BNP ・既往歴 MRI 心電図 心エコー図検査を始める前に • 心電図を確認することで対象となる疾 患・形態などを推定でき、心エコー図検 査を効率よく行う。 • 注意を要する病態の見逃しなどを減ら す。 P波 胸部誘導(V1・5)における P波の形成 P波の異常 心尖部4腔像 RV RA QRS波~T波 QRS波の原則 QRS波 V1誘導 V5・Ⅱ誘導 心筋梗塞 Myocardial Infraction • 心筋梗塞は左心室に多い ※心室内圧は右心室<左心室 → 冠状動脈内の流れやすさ 右心室>左心室 ・多くの場合、粥状動脈硬化+血栓形成で発症 ・壊死した心筋は再生しない ・発症1か月以内のMI→ 急性心筋梗塞(AMI) 発症1か月以降のMI→ 陳旧性心筋梗塞(OMI) ・心筋壊死の範囲次第で、軽傷から重傷までさまざま な病状 心筋梗塞の心電図変化 心筋梗塞部位と心電図波形異常の出現誘導 冠状動脈 ・冠状動脈は上行大動脈から分枝する ・心臓は冠状動脈によって酸素・栄養の供給を受ける ・心拍出量の約5%が冠状動脈へ流れる 3本の主要分枝: RCA(右冠状動脈)、LAD(左冠状動脈前下行枝)、LcX(左冠状動脈回旋枝) AO V1 V2 V3 V4 V5 V6 断層像 短軸(僧帽弁レベル)正常 短軸(乳頭筋レベル) 短軸(心尖部レベル) 冠状動脈と支配領域 心エコー図検査により • 心筋虚血・梗塞の 部位 梗塞範囲 支配する冠状動脈の推定 (慣れてくれば#6の閉塞などの推定も可能) 練習 V1 V2 V3 V4 V5 V6 心エコー図検査 1 短軸(僧帽弁レベル) 短軸(乳頭筋レベル) 短軸(心尖部) 2 短軸(僧帽弁レベル) 心尖部断層像による推定 心尖部 四腔像 二腔像 LAD領域 LAD領域(出来上がったOMI) VSP HCM (心尖部肥大型心筋症) • 無自覚 • 心電図にて巨大陰性T波がみられる場合 Ⅰ Ⅱ Ⅲ aVr aVl aVf 心尖部肥厚 2腔像 4腔像 2 1 同じ症例です 1 2 • 心電図にてV3~V5あたりに 巨大陰性T波がある場合、 心尖部肥大型心筋症も考慮し 観察する。 完全左脚ブロック shuffle motion 3Dスペックルトラキング法による心不全患者に おけるdyssynchronyの評価 Tanaka,H J Am Coll Cardiol img 3:461-471、2010 ◆左室最早期収縮部位と最遅延収 縮部位の評価 左脚ブロック ○最遅延収縮部位(緑矢印)両者に 差がない ○最早期収縮部位(赤矢印) 右室ペーシング:心尖部 左脚ブロック:心基部前壁中隔 2Dスペックルトラッキング法では検 出できなかった。 右室ペーシング CRT後 不整脈 • • • • • • 心室性期外収縮 上室性期外収縮 心房細動 心房粗動 心室細動 … 不整脈 • 心室性期外収縮 • 上室性期外収縮 •心房細動 • 心房粗動 • 心室細動 • … 心エコ図検査で 確認すると場所 左心耳内の櫛状筋 左心耳内血栓(経食道心エコー) 左心耳内に出来た血栓 経胸壁心エコー図検査 胸骨左縁短軸像 血栓 大動脈 左心耳 左房 ご清聴ありがとうございました。
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