会報 - 金融先物取引業協会

会報
NO.94
平成2 4年9月 ■世界の主要先物取引所の金融・証券先物出来高
……………………………………………………………………………… 1
(2012年上半期)
… ………………………………
■Financial Futuresニュース(23トピックス)
13
■世界の主要先物取引所の金融・証券先物出来高 (2012年上半期)
当協会総務部
1. 概況
2. 米国
3. その他の米州
4. 欧州・アフリカ
5. 日本
6. その他のアジア・太平洋地域
参考1 米国・韓国の店頭FX取引高
参考2 バイナリーオプションに関する海外での規制
1.概況
2012年上半期における世界主要56先物取引所※の金融・証券先物・オプション取引の出来高は97億1,537万
枚で、前年同期に比べ12.0%減少しました。穀物、金属、エネルギー等(その他)は、14億1,502万枚(同4.9%
増)と増加しました。
※ 金融・証券先物・オプションを取引する取引所のみ。
表1 2012年1 ~ 6月出来高の上位20取引所※
取 引 所
(単位:枚)
2012年1 ~ 6月
2011年1 ~ 6月
1,393,952,642
2,123,575,352
2.インド証券取引所(NSEI)
971,832,759
1,047,731,045
3.Eurex
930,840,012
1,043,770,758
4.BM&F BOVESPA
865,556,928
726,567,078
5.シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)
773,485,043
887,578,218
6.シカゴ・オプション取引所(CBOE)
568,207,587
567,396,003
7.NYSE Liffe
509,776,844
630,050,938
8.モスクワ取引所(MICEX-RTS)
506,115,520
457,479,792
9.シカゴ商品取引所(CBOT)
501,726,899
538,402,329
10.Nasdaq OMX PHLX
406,587,414
495,564,739
11.インターナショナル証券取引所(ISE)
331,962,374
377,380,680
12.NYSE AMEX
293,678,957
295,988,134
13.インドMCX証券取引所(MCX-SX)
289,878,238
439,868,523
14.NYSE Arca
210,635,387
234,460,839
15.NASDAQ Options Market
103,768,064
101,188,866
16.大阪証券取引所(OSE)
103,080,701
99,400,936
17.ボンベイ証券取引所(BSE)
97,381,942
22,452
18.南アフリカ先物取引所(SAFEX)
85,578,477
88,836,838
19.BOXオプション取引所(BOX)
80,257,488
58,403,758
20.台湾先物取引所(TAIFEX)
78,308,074
91,753,682
1.韓国取引所(KRX)
─1─
表2 主要グループの出来高
グループ
(単位:枚)
2012年1 ~ 6月
2011年1 ~ 6月
1.CME(CME, CBOT, NYMEX)
1,555,139,920
1,707,753,107
2.Eurex(Eurex, ISE)
1,262,802,386
1,421,151,438
3.N YSE Euronext(NYSE Liffe, NYSE
Arca, NYSE Amex, NYSE Liffe US)
1,025,021,760
1,167,786,515
4.N asdaq OMX(Nordic, PHLX, Nasdaq
Options, Nord Pool, Nasdaq OMX BX,
NFX)
568,302,326
652,846,155
5.CBOE(CBOE, CFE, C2)
605,315,992
595,206,770
6.ICE(US, Europe, Canada)
197,590,264
191,256,204
※ 金融・証券先物・オプションを上場していない取引所を除き、各取引所の出来高には穀物・金属等の非金融・
証券先物・オプションを含みます。
取引所別には、表1のように、上位10位に、韓国、インド、ブラジル及びロシアから各1取引所、米国か
ら4取引所及び欧州から2取引所となっています。1億枚を超える取引所は、16(11年1 ~ 6月は16、10年1 ~
6月は15)ありました。
商品種類別には、表3のように、ほぼ全種類の商品について出来高が減少しました。特に通貨先物は、全
体で24.9%減少し、CMEでは1億610万枚(前年同期比▲5.5%)であったものの、新興市場のインドMCXSXが2億8,987万枚(同▲34.1%)、インドNSEIが2億9,204万枚(同▲20.1%)、インドUSEが348万枚(同▲
97.7%)など、大きく減少しましたが、ロシアMICEX-RTSで1億6,258万枚(同57.2%増)と増加しました。
個別株オプションは、その45.1%を占めるKOSPI200オプションが大きく減少しましたが、それを除くと若
干の増加です。株価指数先物は若干増加、株価指数オプションは、減少しています。一方、その他(穀物、
金属、エネルギー等)は増加しました。
表3 商品種類別の全取引所合計出来高
(単位:枚)
2012年1 ~ 6月
2011年1 ~ 6月
1,281,177,467
1,500,353,162
▲14.6
303,677,981
343,615,718
▲11.6
1,041,772,098
1,387,213,312
▲24.9
101,454,870
125,422,159
▲19.1
株価指数先物
1,201,665,269
1,183,596,891
1.5
株価指数オプション
2,364,693,581
2,982,884,903
▲20.7
621,044,410
668,902,624
▲7.1
金利先物
金利オプション
通貨先物
通貨オプション
個別株先物
増減(▲)率%
個別株オプション
2,799,886,345
2,856,969,801
▲1.9
金融・証券先物・オプション合計
9,715,372,021
11,048,958,570
▲12.0
その他先物
1,322,952,648
1,259,210,034
5.0
92,076,449
89,025,332
3.4
11,130,401,118
12,397,193,936
▲10.2
その他オプション
総合計
─2─
各商品別には、表4のように、株価指数先物・オプションが上位10位中の5商品を、金利先物が3商品(短
期金利2商品、長期金利1商品)、通貨先物が2商品を占めました。
表4 2012年1月~ 6月出来高1億枚以上の商品※
1.KOSPI200株価指数オプション(KRX)
(単位:枚)
2012年1 ~ 6月
2011年1 ~ 6月
1,265,215,495
2,008,082,595
2.S&P CNX Nifty株価指数オプション(NSEI)
422,225,379
403,222,935
3.米ドル・インドルピー通貨先物(NSEI)
287,477,400
350,701,314
4.米ドル・インドルピー通貨先物(MCX-SX)
280,530,825
419,768,829
5.E-Mini S&P500株価指数先物(CME)
249,730,377
270,461,007
6.ユーロドル預金(3 ヵ月)先物(CME)
238,019,219
314,671,103
7.EURO STOXX50株価指数先物(Eurex)
175,401,268
183,401,694
8.銀行間金利(1日)先物(BM&F Bovespa)
175,386,808
154,061,339
9.RTS株価指数先物(MICEX-RTS)
169,447,648
153,328,205
10.T-Note(10年)先物(CBOT)
147,070,139
162,502,559
11.EURO STOXX50株価指数オプション(Eurex)
154,594,357
152,150,133
98,499,621
123,087,847
144,563,646
74,847,134
12.EURO-BUND先物(Eurex)
13.米ドル・ロシアルーブル通貨先物(MICEX-RTS)
※ 商品ごとに1枚あたりの想定取引価額が異なるので、想定取引価額ベースの順位は大きく異なります。例えば、
KRXのKOSPI200オプション1枚の想定取引金額は約11万ドル(KOSPI200オプションの乗数は、6月14日、従来の
10万から50万に引き上げられました。従って、今後枚数ベースでは大きく減少することが予想されています。
)で、
CMEのユーロドル預金(3 ヵ月)先物の約2.1%、大証日経225オプションの約18%です。NSEI及びMCX-SXの米
ドル・インドルピー先物の1枚の取引金額は1,000ドルで、CMEの通貨先物の約1%です。
個別株先物及び個別株オプションを除きます。
オプションは、ミッドカーブ・オプションを含みます。
2.米国
米国の金融・証券先物・オプション取引は、全取引所で32億5,337万枚(前年同期比▲8.2%)と減少しま
した。その他(穀物、金属、エネルギー等)は、4億6,844万枚(同1.1%増)と増加しました。
米 国 で は、2011年10月 のMF Global(MFG)( 指 定 自 主 規 制 機 関 は、CME)、2012年10月 のPeregrine
Financial Group(PFG)(同、全米先物協会(NFA))と多額の顧客資金不正使用事件※が続き、顧客資金
保護制度や監視手続きの検証やNFA規則改正が行われています。(FFニュース参照)
※ MFG事件においては、CMEグループの各取引所に開設されているMFGの顧客勘定には、建玉に見合う十分な
証拠金が預託されていたが、MFGが分別管理すべき顧客資金に不足があることがわかりました。PFG事件におい
ては、銀行からの口座残高報告書の改ざんなどによる顧客分別管理口座の保有額の虚偽報告がありました。
a.CMEグループ
シカゴの3取引所のうち、CMEは取引所全体の出来高が7億7,348万枚(前年同期比▲12.8%)となり、米
国第1位の出来高を維持しました。商品種類別には、短期金利先物・オプションが3億2,530万枚(同▲
20.6%)
、同通貨が1億1,133万枚(同▲5.2%)、同株価指数が3億1,903万枚(同▲7.4%)、同生牛・生豚などの
商品及び気温指数が1,780万枚(同13.0%増)でした。
CBOTは、
取引所全体の出来高が5億172万枚(同▲6.8%)でした。主力商品である2 ~ 30年の米国債先物・
─3─
オプション(全体に占める割合が69.0%)が3億4,659万枚(同▲9.9%)、同フェドファンドが454万枚(同▲
50.1%)
、同株価指数が1,596万枚(同7.7%増)、同穀物・金属などの商品が1億3,413万枚(同4.4%増)などで
した。2010年1月に上場したUltra T-Bond先物・オプション※は、860万枚(同25.3%増)と継続して増加し
ました。CME、CBOT及びNYMEXと合わせて、CMEグループ全体では15億5,513万枚(同▲8.9%)で、
Eurexグループを追い抜くことになります。
CME及びCBOTでの電子取引の出来高の全体の出来高に対するシェアは、合わせて86.7%(前年同期
86.6%)でした。
b.その他の取引所
そのほか、米国の表1に掲げる取引所以外の取引所は、株価指数先物又は個別株オプションを主力商品と
するBATS取引所が全商品で6,190万枚(同▲4.8%)、C2取引所が全商品で2,710万枚(同22.5%増)でした。
主要投資銀行により設立され、2009年7月に米国債先物、2010年6月にユーロドル金利(3 ヵ月)先物の取
引を開始したELXは、79万枚(同▲92.8%)と急減しました。
2011年3月に米国債先物・オプション及びユーロドル金利(3 ヵ月)先物・オプションを上場したNYSE
Liffe USは、1,093万枚(同50.0%増)でした。ユーロドル先物の対CME比は、2.3%でした。
ICE Futures US(旧NYBOT)は、米ドル指数先物360万枚(同▲4.8%)など、通貨先物・オプションが
411万枚(同▲9.3%)と減少しましたが、全商品では5,450万枚(同1.4%増)でした。
※ 25年以上の残存期間がある米国債を受渡し可能とする先物。通常のT-Bond先物は、15年以上の残存期間がある
米国債が受渡し可能。
3.その他の米州
カナダ・モントリオール取引所(TMX)は、BA手形(3 ヵ月)先物・オプションが1,180万枚(前年同期
比3.0%増)
、全商品で3,422万枚(同11.0%増)でした。
ブラジルBM&F BOVESPA(2008年にBM&FとBOVESPAが合併)は、銀行間金利(1日)先物・各種オ
プションなどが増加し、全商品で8億6,556万枚(同19.1%増)、メキシコ・デリバティブ取引所(MexDer)は、
28日物の短期金利が2,204万枚(同46.1%増)並びにペソ/米ドル通貨先物が486万枚(同38.1%増)など増
加し、全商品で3,118万枚(同20.7%増)、アルゼンチンのロザリオ先物取引所(ROFEX)は、通貨先物・オ
プションが2,710万枚(同24.2%増)で、全商品では2,741万枚(同24.4%)でした。
4.欧州・アフリカ
Eurexは、長短ドイツ国債先物・オプションが合計で2億4,639万枚(前年同期比▲26.3%増)で、全体の
26.4%を占めます。長短イタリア国債(2009年~ 2011年上場)及び長短フランス国債(2012年上場)の先物
が合わせて252万枚(同93.5%増)、KOSPI200オプション(2010年上場)が2,101万枚(同13倍増)と最近上
場した商品が大きく増加しています。全商品では9億3,084万枚(同▲10.8%)でした。
NYSE Liffe(ロンドン、パリ、アムステルダム、ブリュッセル及びリスボン)は、EURIBOR先物・オプ
ションが1億4,022万枚(同▲27.0%)、英ポンド金利先物・オプションが7,545万枚(同▲19.5%)などが減少し、
全商品でも5億977万枚(同▲19.0%)となりました。
─4─
ロシアのモスクワ取引所(ロシア取引システム証券取引所(RTS)とモスクワ銀行間通貨取引所(MICEX)
が2011年12月に合併)は、前期のように、通貨先物が増加しましたが、個別株先物、エネルギー、貴金属が
減少し、全商品で5億611万枚(同10.6%増)でした。
南アフリカ先物取引所(SAFEX)において、全商品では8,557万枚(同▲3.6%)でしたが、2006年6月に
上場した配当先物は、全種類で2,511万枚(同19.7%増)でした。
イタリア・デリバティブ市場(IDEM)は、全商品で2,161万枚(同▲20.3%)でした。
スペインMEFFは、全商品で3,686万枚(同1.1%増)でした。
ブダペスト証券取引所は、38種類の通貨ペアの通貨先物とそのオプション225万枚(同▲17.0%)で、全
商品では306万枚(同▲22.5%)でした。
テルアビブ証券取引所は、株価指数オプション等全商品で3,564万枚(同▲22.8%)でした。
トルコデリバティブ取引所(Turkdex)は、株価指数先物等全商品で3,586万枚(同4.8%増)でした。
個別株オプション等を取引するTurquoise Derivatives(旧EDX)は、1,939万枚(同▲1.1%)でした。
5.日本
東京金融取引所(TFX)は、ユーロ円3 ヵ月金利先物・オプションが220万枚(前年同期比▲40.4%)
、取
引所為替証拠金取引3,742枚(同▲49.7%)等、全商品では4,053万枚(同▲48.5%)でした。
大阪証券取引所(OSE)は、日経225先物・オプション(ミニを含む)が9,914万枚(同6.4%増)、取引所
外国為替証拠金取引が382万枚(同▲29.1%)、全商品では1億308万枚(同3.7%増)でした。東京証券取引所
(TSE)は、全商品では1,477万枚(同16.7%増)でした。
6.その他のアジア・太平洋地域
KRXは、KOSPI200株価指数オプション、米ドル/韓国ウォン等通貨先物2,950万枚(前年同期比▲9.6%)
などにより、全商品では13億9,395万枚(同▲34.3%)でした。
インドNSEIは、通貨先物が減少し、株価指数先物が4,936万枚(同2.5%増)、全商品では9億7,183万枚(同
▲7.2%)
でした。2008年10月に通貨先物の取引を開始したMCX-SXは、通貨先物だけを上場しており、2億8,987
万枚(同▲34.0%)となりました。2010年9月に通貨先物の取引を開始したインド統合証券取引所(USE)は、
386万枚(同▲97.5%)でした。アジアで最も古い1875年設立のボンベイ証券取引所は、SENSEX株価指数
オプションなどが増加し、全商品で9,738万枚(同4300倍増)でした。
シドニー先物取引所(SFE)は、長短金利先物・オプションが4,669万枚(同▲1.8%)、全商品では5,231万
枚(同▲1.8%)となりました。オーストラリア証券取引所は、個別株オプション等が増加し、全商品では7,728
万枚(同112.0%増)でした。
香港先物取引所(HKFE)は、全商品で6,069万枚(同▲6.5%)でした。台湾先物取引所(TAIFEX)は、
株価指数先物・オプションが減少し、全商品で7,830万枚(同▲14.6%)でした。
シンガポール取引所デリバティブ市場(SGX-DT)は、各国の株価指数先物が日本1,462万枚(同▲1.0%)、
中国378万枚(同205.0%増)、インド736万枚(同4.1%増)、台湾851万枚(同2.2%増)、シンガポール201万
枚(同2.2%増)
、日経225先物オプションが156万枚(同123.4%増)などと増加し、全商品では3,864万枚(同
11.1%増)でした。
─5─
タイ先物取引所は、株価指数先物取引等全商品で479万枚(同30.0%増)でした。
中国金融先物取引所(CFFEX)は、株価指数先物4,088万枚(同85.8%増)のみの上場です。中国では、
穀物等の非金融商品の取引所が大連、深圳及び上海にありその全商品の取引高合計は、4億5,299万枚(同▲
3.6%)でした。
(各取引所及び各商品の出来高は、各取引所のホームページ及びFutures Industry AssociationのMonthly
Reportを参照しました。)
参考1 米国・韓国の店頭FX取引高
表5は、全米先物協会(NFA)がまとめたNFA会員による店頭外国為替証拠金取引(店頭FX)の取引高
です※1。米国では、店頭FXは、商品取引所法を改正する2000年商品先物現代化法により、他の規制機関に
規制されている業者※2を除き、商品先物取引委員会(CFTC)-NFAの管轄となっています。2012年7月現
在14の外国為替会員がいます。
※1 2012年1月までの数値は7 ヵ月分となっています。2012年2月に店頭FXに係る会費の算出方法を店頭FXの取引
金額に応じたものから注文件数に応じたものに変更したため、それ以後は取引金額を計算していません。
※2 証券会社、銀行等です。表5の取引高には、それらの業者によるものは含みません。
表5 NFA外国為替会員による店頭FX取引高
想定元本
(単位百万ドル)
期間
2008年7月~ 2009年6月
4,530,800
2009年7月~ 2010年6月
2,755,108
2010年7月~ 2011年6月
1,358,520
2011年7月~ 2012年1月
807,512
表6は、韓国金融投資協会(KOFIA)がまとめたKOFIA会員による店頭FXの取引高推移です。韓国にお
いては、店頭FXは、2005年1月に解禁されました。2012年7月現在、19社(先物業者7、証券業者12)(2011
年7月は、それぞれ21社、7社、14社)が同取引を行っています。顧客は、韓国の業者に開設されたオムニバ
ス口座を通して当該業者に発注し、当該業者はその注文を海外の外国為替業者に取り次ぎます。
表6 KOFIA会員による店頭FX取引高
想定元本
(単位:百万ドル)
期間
2006年1月~ 2006年12月
5,900
2007年1月~ 2007年12月
24,200
2008年1月~ 2008年12月
492,000
2009年1月~ 2009年12月
541,676
2010年1月~ 2010年12月
469,920
2011年1月~ 2011年12月
665,362
2012年1月~ 2012年6月
126,749
─6─
参考2 バイナリーオプションに関する海外での規制
1.米国
(1)米国の取引所における上場バイナリーオプション最近の上場
(○は2011年取引高なし、●は2011年取引高あり)
CBOE
○S&P500株価指数バイナリーオプション
○VIX指数バイナリーオプション
●信用事由オプション(BOA及びGS)
CBOT
○フェッドファンド目標金利バイナリーオプション(会報第71号参照)(上場限月は、FOMCの開催最
終日を含む暦月から4限月、ペイアウトは1,000ドル。)
CME
●バイナリー季節ハリケーン
○季節降雪バイナリー
○降雪バイナリー
●季節バイナリー・マキシマム・ハリケーン
NADEX
株価指数(米英日韓等)、外国為替(9通貨ペア)、金属等の商品(金、銀、原油等)、フェッド・ファ
ンド目標金利、欧州中央銀行政策金利、物価指数及び雇用統計のバイナリーオプション。取引期間は、
Intraday(2時間)、Daily(外国為替の場合、午前8時~午後3時、原油の場合は、午前8時~午後2時30
分など)及びWeekly。ペイアウトは100ドル。取引数量は、その日の1日分の取引数量のみを公開(月
次等過去の取引数量は非公開)
。なお、NADEXは、株価指数、外国為替及び商品のスプレッド先物も
上場している。
(2)米国の取引所におけるバイナリーオプションの過去の上場例
a.1997年12月 CBOTが自然災害(天候・地震)保険のバイナリーオプションの上場申請・認可。(当該
商品は、リスク管理手段として設計されており、保険会社にとっては、リスクヘッジ手段となるため。)
b.2004年2月 ヘッジストリート取引所(2007年、IGグループが買収。2009年6月、北アメリカ・デリバ
ティブ取引所(NADEX)に名称変更)がバイナリーオプションの契約市場としての指定を申請・
CFTCが認可。2004年10月、取引開始。
c.2006年7月 CBOTがフェッドファンド目標金利バイナリーオプションを上場。
d.2006年10月 CMEが信用事由(credit event)先物の上場を申請。
e.2007年 Options Clearing Corporation(OCC)が、証券取引委員会(SEC)にバイナリーオプション
本レポートは、各国の規制機関や取引所等のホームページ等を参考にして、当協会総務部で作成しました。
英国については、Gambling Commissionに問い合わせたほか、当協会会員からもご助言をいただきました。
─7─
清算のための規則変更を申請。(SECの結論は、「上記説明に基づき、規則改正案は、法令を遵守してい
るので、認可された。」)
f.2007年4月 U.S. Futures ExchangeがCBOT-ICE合併バイナリーオプション、CME-CBOT合併バイナ
リーオプション、金バイナリーオプションを上場。
g.2008年4月 SECがcash-or-nothingのバイナリーオプションについてOCCの申請を認可。
h.2008年5月 アメリカン証券取引所(AMEX)(現在はNYSE Amex)がETFや取引量の多い株式のヨ
ーロピアンcash-or-nothingのバイナリーオプションを上場、OCCで清算。バイナリーオプションを
「Fixed-Return-Options(FRO)」と、コールを「Finish High」と、プットを「Finish Low」と呼ぶ。
Amexは、株式の相場操縦を防ぐため、決済指数に期日の取引数量加重平均を使用する。この加重平均
決済指数は、特許申請された。平成24年現在取引高はないが、今年第3四半期に再度上場する計画。
i.2008年6月 シカゴ・オプション取引所がS&P500指数及びCBOEボラティリティ指数のバイナリーオプ
ションのコール・オプションのみを上場。
j.2010年4月 メディア・デリバティブが映画からの収入に基づくバイナリーオプションについてCFTC
から契約市場として指定を受けた。
k.2011年3月 CBOEが信用事由のバイナリーオプションを上場。
l.2012年4月 CFTCは、NADEXに対し、政治的事象に係るデリバティブ商品の上場又は清算・取引を
可能とすることを禁止する命令を発出した。商品は、2012年中に行われる米国の各種選挙の結果に基づ
いてペイアウトがあるバイナリーオプションで、CFTCによれば、いくつかの州法で賭博(gaming,
gambling, wager, bet)の定義とされる、ゲームやコンテストの結果への賭けであり、一般的な、辞書
における意味においても賭博に相当し、
また、
公益に反する。ヘッジ目的に利用することも期待できない。
(3)米国商品先物取引委員会(CFTC)の契約市場指定基準・コア原則
商品の種類や取引参加者に制限を設けない市場は、契約市場(contract market)としてCFTCの指定を
受けなければならない。
契約市場・清算機関が新商品の上場・清算、新規則の制定又は規則の変更を行おうとする場合には、商品
取引法(以下「法」)の2000年12月の改正後は、既上場商品の条件に重要な変更を行う場合を除き、新商品
の上場・清算、新規則又は変更後の規則が法の規定に従っている旨の証明書をCFTCに提出することにより
認可される。同改正以前の事前認可の申請手続きを選択することもできる。
a.契約市場指定基準
基準1:取引所が一般的に基準に適合しているか。
基準2:相場操縦の禁止。
基準3:公正かつ衡平な(fair and equitable)取引。
基準4:取引執行施設(電子付合システムに関する規則を含む)。
基準5:取引の財務的安定性(清算・決済を含む)。
基準6:懲戒処分手続き。
基準7:規則、商品の取引条件等の公開。
─8─
基準8:国際的情報共有等の情報入手能力。
b.契約市場の指定を維持するためには、コア原則を遵守しなければなりません。契約市場は、会員による
コア原則遵守について、先物協会(NFA)に委任できます。
コア原則(core principles)
○共通要件:取引所が先物協会に委託するなどしてコア原則を遵守しているか。
○新商品、新規則及び規則改正の法令遵守の証明:CFTCにそれらが法に遵守していることの証明が必要。
事前の認可を要請することもできる。
コア原則1:取引所が一般的にコア原則を遵守しているか。
コア原則2:規則遵守の監視態勢。
コア原則3:相場操縦が容易ではない商品だけを上場すること。
コア原則4:取引の監視態勢(相場操縦、価格の歪み、受渡・差金決済手続きの混乱)。
コア原則5:建玉制限又は建玉情報開示要件。
コア原則6:緊急時の権限(建玉の強制結了、建玉移管、取引停止、緊急証拠金等)。
コア原則7:情報公開(商品の取引条件、取引執行の仕組み)。
コア原則8:毎日の相場情報の公表(取引が活発な商品について、決済価格、取引数量、建玉、始値・終値)
。
コア原則9:競争的、オープンかつ効率的な市場及び取引執行方法の提供。
コア原則10:取引情報の記録作成・保存。
コア原則11:上場商品の財務安定性(清算・決済を含む)、FCM及びIBの財務安定性並びに顧客資金保護。
コア原則12:取引参加者の保護(不正行為から保護するための規則の制定・実行)。
コア原則13:紛争仲裁規則の制定・実行。
コア原則14:役員、懲戒処分委員会委員、会員等の適性に関する基準の制定・実行。
コア原則15:利益相反の最小化及び解決のための規則の制定・実行。
コア原則16:会員組織取引所の場合、役員会の構成が取引参加者の構成を反映すること。
コア原則17:帳簿記録の作成及び5年間の保存。
コア原則18:反トラスト法に反する規則制定や処分の禁止。
(4)米国の店頭通貨バイナリーオプション
米国では、バイナリーオプションの管轄当局を特定する形では定められていない。
一般投資家向け店頭外国為替オプションの取扱いから類推すると、一般投資家向け店頭外国為替オプショ
ンは、証券会社が取り扱う場合は、SEC-FINRAが、銀行が取り扱う場合は、FRBが、その他の業者が取り
扱う場合は、CFTC-NFAが管轄する。店頭通貨バイナリーオプションも同様と思われる。
なお、店頭FXについては、同様の管轄体制であるが、業者処分の件数によれば、CFTC-NFAが主に取扱
っている。SECについては、2008年の法改正(店頭FXに関するCFTCの管轄を明確化)以後、2009年頃以
降は、その関わりは減少し、それ以後の店頭FXに係る処分も多くは、該当違法行為がそれ以前に発生した
ものである(2010年のものもあるが、有価証券を売却させてFXに乗り換えさせたものである)。店頭通貨バ
イナリーオプションも同じくCFTC-NFAが主に取扱うものと思われる。なお、バイナリーオプションに関
連する処分は見当たらない。
─9─
2.EU
(1)MiFID
2007年に、それまでの投資サービス指令(ISD)に代えて施行された金融商品市場指令(MiFID、The
※1
Markets in Financial Instruments Directive)
がそのAnnex 1で金融商品の定義を定めています。
Annex 1のSection Cの抜粋:
「
(4)
有価証券、通貨、金利若しくは利回りに関連するオプション、先物、スワップ、フォワード金利契約
及びその他のデリバティブ契約又は現物若しくは差金(cash)で決済できる他のデリバティブ商品、金融指
標又は金融手段。
(5)
商品(コモディティ)に関連するオプション、先物、スワップ、フォワード金利契約及びその他のデ
リバティブ契約で、差金決済されるか、当事者の一方の選択により(債務不履行又は他の契約解消事由以外
の理由で)差金で決済できるもの。
(6)
規制市場及び/又はMTFで取引される場合、現物決済できる商品(コモディティ)に関連するオプシ
ョン、先物、スワップその他のデリバティブ契約。
(7)
現物決済でき、C.6に該当せず、商業目的ではない商品(コモディティ)に関連するオプション、先物、
スワップ、フォワードその他のデリバティブ契約であり、公認清算機関を通して清算・決済されるか、定期
的な証拠金徴求の対象となるかどうかを考慮して、他のデリバティブ金融商品の性格を有するもの。」
Q&Aによれば、
http://ec.europa.eu/yqol/index.cfm?fuseaction=question.show&questionId=955
「このリストは、明らかに、有価証券、通貨、金利若しくは利回りに関連する全てのデリバティブ(Annex
1のSection Cの(4))及び、他のデリバティブ金融商品の性格を有する場合においては、差金決済される又
は現物決済が可能な商品(コモディティ)に関連するデリバティブ(Annex 1のSection Cの(5)、(6)及
び(7)及び施行規則第38条)をカバーする。」
「バイナリーオプションは、差金決済されるデリバティブ契約であり、金融商品の定義に適合していると
認められる。従って、これらのバイナリーオプションに係る投資サービスの提供及び業務を行う業者は、
MiFIDに基づく投資業者としての許可を受けなければならない。」
※1 ISDからの主な改正点は、①ISDの最小調和と相互認知の代わりに、本籍加盟国の監督に重点を置く最大調和
の考え方を新たに導入したこと。②投資に関する助言の提供について、許可を必要とする投資業務に含めること。
③伝統的な金融商品と同じような規制上の問題を提起するような方法で取引される一定の商品(commodity)デ
リバティブその他の契約を金融商品に含めること。この中には天候、運送料、排出権、インフレ率、公的経済統
計などのオプション、先物、先渡契約などで差金で決済しなければならない又は決済できるものを含む(従来は、
金融・証券及びそれらの先物、スワップ等に限定)。④新しく登場してきた組織化された取引システム(MTF、
multilateral trading facility)も規制市場と同様、規制の対象にすることなど。
3.英国
MiFIDはバイナリーオプションを金融商品と分類するが、英国においては、ギャンブル(バイナリーベッ
ティング)又は金融商品(バイナリーオプション)のいずれかに属するとする。バイナリーベッティングは
2005年ギャンブル法が、バイナリーオプションは2010年金融サービス法が管轄するがその二つの間に商品性
の違いはほとんどない。
─ 10 ─
ギャンブルか、金融商品であるかの判断は、例えば、固定配当率(例えば、賭け金1に対してペイアウト
が1.8など)は、ベッティングであり、また、いくら賭けたいのか問うのがベッティング、いくらの数量・
金額を取引したいのか問うのがオプションとなる。
2005年ギャンブル法又は2010年金融サービス法のどちらの法で許可を受けた商品・業務であるかで、ギャ
ンブルか金融商品かが決定されるが、その違いは、取引の方法に若干の違いが認められることと、税金の取
扱いが異なることである。
(1)バイナリーベッティング
バイナリーベッティングは、顧客が賭けて勝てば、固定金額が支払われる(ペイアウト)、すなわち、外
国為替レートのものも含め、一種の固定配当率(fixed odds)の賭けである。通貨を原商品とする場合、バ
イナリーベッティングでは、顧客が賭けようとする通貨を選択する。
バイナリーベッティングの取引所での上場・取引は、Gambling Act 2005に基づき、ギャンブル委員会か
らの免許が必要である。
バイナリーベッティングに係るサービスを提供するためには、Gambling Act 2005に基づき、ギャンブル
委員会(Gambling Commission)から、①運営免許(operating licence)(サービス提供のための免許)、②
運営免許を必要とする場合で、小規模運営者(small-scale operator)の資格を有さない場合は、個人管理免
許(personal management licence)及び③店舗免許(premises licence)を受ける必要がある。1342社/名
の免許取得者がいる。また、英国内の主要施設(key equipment)からオンライン等によりギャンブルを販
売するには、
遠距離免許(remote licence)の取得が必要である。Young persons(18才未満)やChildren(15
才未満)に対する販売規制などの適合性基準や広告規制などがある。
なお、英国では、バイナリーベッティングからの収益は、課税対象とはなっていない。
(2)バイナリーオプション
バイナリーオプションは、顧客が予め約した通貨とその契約元本(=想定元本)のオプションを取引する。
バイナリーオプションを販売するには、2010年金融サービス法に基づき、金融サービス機構(FSA)か
ら許可(authorisation)を受ける必要がある。
(3)CFD
2005年ギャンブル法第9(1)条(ベッティング-総則)の「ベット」には、2010年金融サービス市場法第
22条(規制業務-業務の種類及び投資商品の種類)の範囲内にある業務を含まない。店頭・取引所CFD
(Contract for Difference)(英国では、「スプレッド・ベッティング」ともいう。)は、同法第22条(2)の付
属規程2の19に投資として掲げられており、FSA管轄である。
4.韓国
韓国においては、店頭バイナリーオプションは、店頭デリバティブ取引であり、金融機関や上場会社など
プロ顧客には販売できるが、一般顧客には、ヘッジ目的である場合を除き、販売できない。(金融投資業及
び資本市場法第166-2条第1項)
─ 11 ─
但し、店頭外国為替証拠金取引(米国及び日本の業者を取引相手とする場合に限る。)などの一部の海外
店頭デリバティブ取引は、取引所デリバティブ取引とみなされ、一般顧客に販売できる。
5.オーストラリア
オーストラリアにおいては、店頭外国為替証拠金取引及び金融商品(financial product)の店頭バイナリ
ーオプションともに、2001年会社法(The Corporation Act of 2001)に基づき、オーストラリア証券・投資
委員会(ASIC)が規制する。オーストラリアで金融サービスを提供するには、オーストラリア金融サービ
ス(AFS)免許が必要である。2011年には、4,883社の免許取得業者がいる。
6.シンガポール
シンガポールにおいては、レバレッジのある外国為替取引(leveraged foreign exchange Trading)は、
証券・先物法に基づき、シンガポール通貨庁(MAS)が規制する。シンガポールで金融サービスを提供す
るには、資本市場サービス免許(capital market services license)を受けること又は同免許の免除を受けた
金融機関であることが必要である。2011年には、22社の免許を受けたレバレッジのある外国為替取引業者が
いる。
店頭バイナリーオプションがレバレッジのある外国為替取引であるかどうかについては、その契約内容
(レバレッジがあること(信用供与、貸付等を伴う、一通貨の他の通貨の価値の変動に基づき支払額が決定
されること、約定した価格で約定した通貨の額を将来支払うこと等)による。
─ 12 ─
FINANCIAL FUTURES ニュース
(平成24年5月~平成24年9月)
1.シンガポール、店頭FXの証拠金率及び自己資本規制を強化へ (PR 5月28日)
シンガポール通貨庁(MAS)は、証券及び先物(財務及び証拠金要件)規制第4スケジュール第18テーブ
ルに定める最低証拠金要件を改正し、外国為替のCFD(contract for difference)(FX)の想定元本に対す
る最低証拠金率を現行の2%から5%に引き上げる旨提案した。また、従来最低証拠金要件の対象ではなかっ
た受渡決済可能FXなどについても、最低証拠金要件2%の対象とする。なお、株式のCFD及びその他の資
産のCFDについては、それぞれ5%~ 20%及び20%のまま据え置かれる。現行では、最低証拠金率は、スト
ップ・ロス制度がある場合は、引き下げることができる。その他の国の店頭FXの最低証拠金率は、香港5%、
日本4%、米国は主要通貨2%、それ以外の通貨5%となっている。(編集注:韓国は10%)
シンガポールにおいては、資本市場サービス免許(CMS license)を受けること又はCMS licenseの免除を
受けた金融機関であることが必要である。
店頭FXを取り扱うCMS license業者の自己資本要件は、従来の取引所の清算会員5百万S $及び非清算会
員1百万S $を一律5百万S $とする。
CMS license業者は、その顧客口座に受け取った資金をシンガポール内の銀行、マーチャントバンク又は
金融会社に開設する分別管理信託に預託しなければならない。顧客資金をCMS license業者のヘッジ取引の
ための証拠金として利用することは禁止されている。
2.NASDAQ OMX、ロンドンに新取引所を開設へ (PR 6月21日)
NASDAQ OMXは、2013年第1四半期、ロンドンに新取引所NLXを開設する。ユーロ及び英ポンド建ての
短期金利及び長期金利を上場する予定。清算は、LCH.ClearnetのSynapseで行う。
3.NASDAQ OMX、米国に株式オプション取引所を開設へ (PR 6月26日)
NASDAQ OMXは、個別株オプションを上場するBX Options Exchange(BXO)を開設する。6月29日に
5社の個別株オプションを上場し、7月10日に50社の個別株オプションを上場する。なお、NASDAQ OMXは、
2008年、ボストン・オプション取引所(BOX)を除くボストン証券取引所を買収し、BOXは、2009年12月
以降、モントリオール取引所(TMX)がその51%の株主となっている。
4.英FSA、米CFTC等、バークレイズ銀行にLIBOR及びEURIBORに関する不正で罰金 (PR 6月27日)
英国の金融サービス機構(FSA)、米CFTC及び米法務省(DOJ)は、バークレイズ銀行に対し、LIBOR
及びEURIBORの不正操作についてそれぞれ59.5百万ポンド、2億ドル、1.6億ドルの罰金を課した。バークレ
イズ銀行の不正操作としては、①バークレイズ銀行の金利デリバティブ・トレーダーの要請を考慮した
LIBOR及びEURIBORの一部を形成する報告を行い、これらのトレーダーは、利益を動機とし、バークレイ
ズ銀行のトレーディングのポジションに有利になるようにしたこと、②金利設定に寄与する他の銀行に
EURIBORの操作を支援するよう依頼したこと、③メディアによるネガティブな意見を懸念する経営者の指
─ 13 ─
示を受けて、金融危機の間に継続的により低いLIBORの報告を行ったこと、などがある。
5.CFTC、米国初のスワップ取引情報蓄積機関を暫定登録 (PR 6月28日)
米国商品先物取引委員会(CFTC)は、商品取引所法第21条及びCFTC規則第49.3(b)条に基づくスワッ
プ取引蓄積機関としてICE Trade Vault, LLCを暫定登録した。ICE Trade Vault, LLCは、米国では初めて
スワップ取引蓄積機関として登録を受け、金利、クレジット、外国為替などの取引データの収集・保存を行
う。
6.Liffe、LCH.Clearnetに清算契約終了の通知 (PR 6月29日)
NYSE Euronextのロンドン・デリバティブ市場であるLIFFE Administration and Management(LIFFE)
は、LCH.Clearnet Ltdから受けている清算サービスを終了させる旨通知した。LIFFEは、LCH.Clearnet Ltd
での清算を2013年6月末に終了し、その後はNYSE Clearingで清算する。NYSE Euronextは、3月28日、ロ
ンドンにデリバティブ清算機関を設立すると発表している。
7.ISE、2つめのオプション取引所を開設へ (PR 7月2日)
International Securities Exchange(ISE)、2つめのオプション取引所を今年末までに開設する。
8.米先物業者、顧客資金の不正使用の疑い (PR 7月10日)
CFTCは、先物業者であるPeregrine Financial Group(PFG)が顧客分別管理口座に510万ドルしか保有
していないにもかかわらず、2億2000万ドルを保有していると虚偽の表示をしていたことで、その経営者と
ともに、州裁判所に提訴した。全米先物協会(NFA)も、PFGに業務の一部停止などの緊急処分を行った。
PFGは、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)等の先物取引所での先物取引の仲介、店頭外国為替証拠
金取引、オプション、バイナリーオプション等を取扱っている。
9.NYSE Liffe US、GCFレポ先物を上場 (PR 7月16日)
NYSE Liffe USは、DTCC GCFレポ指数先物を上場した。DTCC GCFレポ指数は、担保付債券貸借市場
での毎日の平均金利の指数。清算はNew York Portfolio Clearing(NYPC)が行う。
10.NFA、会員監査の自己検証に着手 (PR 7月16日)
NFAは、Peregrine Financial Group(PFG)による1億ドルを超える顧客資金の不正使用事件に関連し、
NFAによる会員監査が適切に行われているかどうか自己検証を開始した。NFAは、PFGの指定自主規制機
関となっている。検証は、NFAの役員会の外部代表者により構成される「顧客資金保護のための特別委員会」
が、弁護士事務所の助けを得て行う。
(編集注:PFGが銀行報告書の改ざんやNFAへの報告書の虚偽記載を
していたことを20年間見抜けなかったことについて、NFAに対して批判が出ている。NFAはまた、2011年5
月に行ったPFGに対する監査でも顧客資金の不足を発見できなかった。また、多額の顧客資金喪失は、昨年
10月のMF Global(CMEが指定自主規制機関)に続くものであり、先物業界の顧客資金保護に関する信頼性
に疑問が生じている。)
─ 14 ─
11.フランス、金融取引税実施 (PR 7月20日、8月1日)
フランス国民議会は、7月20日、10億ユーロ超の時価総額を有する企業の株式のネットの買付取引に対し
金融取引税0.2%を課税する法案を可決した。実施は8月1日。サルコジ前大統領が提案していた0.1%から2倍
の税率とした。但し、Contract for Difference(CFD)には課税しない。今年1.7億ユーロ、来年3億ユーロ
の税収を見込む。(フランスの金融取引税については、会報91号及び92号のF.F.ニュースを参照)
12.インド取引所、通貨オプションを上場へ (PR 8月5日)
インドのMCX-SX取引所は、証券取引委員会(SEBI)及びインド準備銀行(RBI)から通貨オプションの
上場認可を得た。MCX-SXは、2008年に設立され、米ドル・インドルピー、ユーロ・インドルピー、日本円・
インドルピー及び英ポンド・インドルピーの通貨先物だけを取引しており、2011年の出来高は、8億5,012万枚。
13.韓国、デリバティブ取引に課税を提案 (PR 8月10日)
韓国企画財政省は、2012年度の税制改正法案の中で、証券取引税法を改正し、税収増と取引の公正化のた
め、2016年1月から株式デリバティブ取引に課税することを提案した。KOSPI200株価指数先物に0.001%、
KOSPI200株価指数オプション取引に0.01%が提案されている。1000億ウォンの税収が見込まれる。9月18日
ま で 意 見 を 募 集 す る。 韓 国 で は、 現 物 株 の 取 引 に つ い て は、 現 在、KRXの 株 式 市 場 上 場 株 が0.15 %、
KOSDAQ上場株が0.3%、フリーボード上場株が0.5%の取引税が課せられている。
14.NFA、業者の顧客資金分別管理制度を強化へ (PR 8月16日)
NFA理事会は、各先物業者(FCM)が銀行又は信託会社に保有する当該FCMの各顧客資金分別管理口座
の口座情報に、その指定自主規制機関(DSRO)がインターネットを通じて読取専用アクセス(view-only
access)することを可能にするよう求めるNFA財務要件規則の改正を認可した。外国先物取引所での顧客
取引のためのFCMの顧客担保口座にも適用される。DSROがインターネットを通じて読取専用アクセスす
ることを可能にすることをFCMができないとする銀行又は信託会社は、顧客分別口座及び担保口座を保有
するには不適格であるとみなすこととする。この規則改正により、DSROは、その都度FCM又は銀行に依
頼することなく、いつでもFCMの顧客分別及び担保口座をチェックし、当該FCMの毎日の分別管理報告と
突合できることとなる。この規則改正は、MF Global事件後に設置されたNFAと主要先物取引所から構成さ
れるSRO委員会により提案された。今後CFTCの認可を経て実施される。
15.CMEグループ、英国に新取引所設立申請 (PR 8月20日)
CMEグループは、英国の金融サービス機構(FSA)にロンドンに本拠を置くデリバティブ取引所の設立
を申請する。新取引所CME Europe Limitedが公認投資取引所(RIE)としての認可が得られれば、2013年
央に、当初は外国為替先物を上場する予定である。CMEグループの総取引高に占める欧州顧客の割合は、
20%超ある。取引は電子取引システムGLOBEXで、清算はすでに2011年5月に設立済みのCME Clearing
Europe Limitedで行う。
─ 15 ─
16.モスクワ取引所、HFTに対し手数料 (PR 8月21日)
モスクワ取引所は、取引システムに非生産的な荷重を与える高頻度取引(HFT)に対し、追加的な手数
料を課す。対象は、有価証券市場及び外国為替市場で、最終顧客による注文。有価証券の場合、1日当たり
10万件超の注文、外国為替の場合、同じく3万件超の注文をHFTとする。手数料1ルーブル当たりの注文件
数は20件。20件を超える注文1件ごとに0.1ルーブル。各顧客による最大手数料は、市場ごとに1日当たり30
万ルーブル。9月3日実施。
17.香港取引所、人民元先物を上場 (PR 8月22日)
香港取引所・清算会社(HKEx)は、2012年9月17日、米ドル・人民元(USD/CNH)の通貨先物を上場す
る。最終決済は、売り手が米ドルを支払い、買い手が最終決済価値相当の人民元を支払う。受渡決済の人民
元先物としては世界初。最終決済価格は、財資市場協会(TMA)が最終取引日の11:15に公表する価格。限
月は、スポットの暦月、それに続く3暦月及び3四半期限月。取引単位は、10万米ドル、価格の表示方法は、
1米ドル当たりの人民元(例えば、1米ドル当たり6.2486人民元)、価格の最少変動幅は、0.0001人民元。取引
時間は、9:00a.m. ~ 4:15p.m.
(月曜日から金曜日)。最終決済日は、限月の第3水曜日。最終取引日は、最終
決済日の2営業日前。
18.大証、大証FXの取引手数料を割戻し (PR 8月30日)
大証は、FXの市場振興の観点から、取引参加者が大証に支払う大証FXの取引手数料について、月間で3,000
枚以上取引したユーザIDの合計取引枚数に15円を乗じた額を割戻す。実施は、平成24年9月から12月までの
各月。なお、各取引参加者が必ずしも委託手数料を引き下げるというものではない。
19.NFA、スワップ・ディーラー及び主要スワップ参加者に関し、定款変更 (PR 8月31日)
NFAは、
2012年のCFTC規則(会報第87号及び92号F.Fニュース参照)により登録スワップ・ディーラー(SD)
及び主要スワップ参加者(MSP)がNFAの会員でなければならないようになったことを受けて、役員数を
現在の28名から、SP7名及び公益代表役員4名を追加して、計39名とする。先物業者役員を現在の8名から7
名に減らし、登録外国為替業者(RFED)役員を1名とする。また、執行役員数は、SPが2名、公益代表が4
名から5名に増加、FCM/IB/LTM/RFEDが3名から2名に減少、CPA/CPOが2名で変わらず、契約市場が2
名で変わらずで計11名から13名に増加させる。今後役員会の承認を得て、会員投票にかけられる。
20.タイ証取、韓国証券取引所の清算システムを採用 (PR 8月31日)
タイ証券取引所(SET)は、韓国取引所(KRX)と、SETとタイ先物取引所(TFEX)での株式、デリ
バティブ及び債券の取引の清算及び決済システムを開発する契約に調印した。
21.SEC、一部顧客への取引データの優先配信についてNYSE Euronextに罰金 (PR 9月14日)
米証券取引委員会(SEC)は、NYSE Euronextが、2008年から2010年央までの期間、一部の顧客に取引
データを先に提供するという規則(Regulation NMS)違反を行ったことについて、500万ドルの罰金を課し
た。この種の違反について処分を行うのは初めて。
─ 16 ─
22.米下院議員、金融商品取引税を提案 (PR 9月17日)
米下院議員Keith Ellison等民主党下院議員7名は、株式取引に0.5%、債券取引に0.1%、デリバティブ取引
に0.005%の金融取引税をかける法案(HR6411)を提出した。米国では、過去にも幾度か先物取引に対する
課税または手数料賦課が提案されたことがあった(会報第22号56頁、第52号74頁、第68号67頁、第72号63頁、
第92号27参照)が、業界の反対にあって、実現しなかった。
23.CBOT、受渡可能な金利スワップ先物を上場へ (PR 9月18日)
シカゴ商品取引所(CBOT)は、11月13日、受渡可能な金利スワップ先物を上場する。上場限月は、3、6、
9、12月。受渡しは、2、5、10、30年の店頭米ドル建て金利スワップ。呼び値は、価格の表示方法は、取引
所が定める固定金利に基づく価格。期日に、先物の買い手は、CME Clearingで、店頭金利スワップの固定
金利の受取り及び変動金利の払いのポジションを獲得する。
─ 17 ─
〒101-0052 東京都千代田区神田小川町1-3
NBF小川町ビルディング
金融先物取引業協会
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