第 12 回日本スペイン法研究会 「民主化後スペインにおけるスペイン・ナショナリズム―― 民主化後スペインにおけるスペイン・ナショナリズム――研究動向 ――研究動向」 研究動向」 2010 年 11 月 20 日 加藤 伸吾 早稲田大学文学学術院等非常勤講師 1 2 3 4 1 はじめに――ナショナリズム研究について 1.1 ナショナリズム研究の学際性 1.2 近年の傾向 1.3 ナショナリズム研究における多様な二項軸 スペイン・ナショナリズム研究 2.1 スペイン・ローカルな文脈 2.2 対ナポレオン戦争~フランコ体制とスペイン・ナショナリズム 民主化以降のスペイン・ナショナリズム 3.1 民主化以前とのスペイン・ナショナリズムとの連続性 3.2 「二重のアイデンティティ」 3.3 スペインの民主主義とスペイン・ナショナリズム 3.4 歴史的経験とスペイン・ナショナリズム 3.5 類型論 3.6 方法論上の論点 おわりに―― 理論的知見を目指して はじめに――ナショナリズム研究について 1.1 ナショナリズム研究の学際性 「政治学、社会学、歴史学、社会言語学、カルチュラル・スタディーズ、文学研究、哲学などの非常に 多くの分野にわたっている」 (大澤 2002, 4) 1.2 近年の傾向 1.2.1 20 世紀→21 世紀の質的変化(大澤 2002, 5) 1.2.1.1 冷戦崩壊 ネーションやナショナリズムの「終焉」 (Hobsbawm 1992) 、しかしエスニック・ナショナリ ズム(後述)の「復活」へ 1.2.1.2 グローバリゼーション(Smith 2005) 国際移動、環境等グローバル・イシューとの関連 1.3 ナショナリズム研究における多様な二項軸 1.3.1 ナショナリズム研究における論争(1980 年代以降) (吉野 1997, 24) 原初主義(primordialism)―境界主義(boundary approach) →民族の「復活」の説明に際し、時間/空間を強調。 1/8 表出主義(expressivism)―道具主義(instrumentalism) →民族の「復活」の説明に際し、機能的側面を強調。 歴史主義(historicism)―近代主義(modernism) →ネーションの起源を近代以前に求めうるか 1.3.2 ネーション(ナショナリズム)の類型論 ・ シヴィック・ネーション―エスニック・ネーション(スミス 1999)1 シヴィック・ネーション(領域的ネーシ エスニック・ネーション ョン) ・安定した領域の重視 ・法典と法制度の重視 ・民族的血統の強調 ・慣習と方言の重視 ・法典と法制度によって規定される市民 権を基礎とする「市民」間における連帯 と友愛 ・市民的連帯と友愛の表出としての共通 文化、 「市民文化」の存在 ・ポピュリズム、民衆からの視点の重視、 あるいは明示的な民衆動員戦略 ・あるエスニック・ネーションが救世的 性質とユニークな精神性を持っているこ とについての信条 図 1:シヴィック・ネーションとエスニック・ネーション(スミス 1999) ※概してエスニック・ネーションは暴力と結びつきやすく、シヴィック・ネーションはより穏健で あるとの共通認識(?) (Muro y Quiroga 2007) ・ 「フィヒテ(とウナムーノ(加藤 2011) )型」―「ルナン(とオルテガ(Bastida 1998) )型」 (ル ナン、フィヒテ他 1997) 「民族精神(Volkgeist) 」か「日々の国民投票」か 過去志向か未来志向か ・ 政治的ネーション―文化的ネーション マイネッケ以来の古典的区分 「想像の共同体」 (Anderson 1983)の指向性 政治的現実性の獲得か文化的現実性の追及か ・ 創造型ナショナリズム―再構築型ナショナリズム(吉野 1997) 1.3.3 その他(高原 2010) ナショナリズム一般の研究と個別事例研究(特に個別事例研究からの理論的知見抽出が課題) その橋渡しの必要性と、方向性のひとつとしての規範的ナショナリズム研究構築の可能性 2 スペイン・ナショナリズム研究2 2.1 スペイン・ローカルな文脈――内戦⇒フランコ体制⇒民主化(32 年前) 2.1.1 スペイン・ナショナリズム研究の新しさ アンソニー・スミスが「シヴィック・ネーション」の語を用いたのは、スペイン語で書かれた Smith 1999。ス ミス 1999(原語 1986)では、 「領域的ネーション」の語が用いられていた。 2 以降、 本報告ではネーションとしてのスペインを志向するナショナリズムをスペイン・ナショナリズムと呼び、 カタルーニャ、バスクなどの地域ナショナリズム(地域主義)とは区別する。 1 2/8 ・ フランコ体制時は言論の自由なく、史資料入手が困難、実証的研究が民主化後以降可能に ・ 自治国家体制成立とともに、カタルーニャ、バスクの地域ナショナリズムに研究が集中 ・ 90 年代以降今まで、 スペイン・ナショナリズム研究の不足が一貫して指摘 (Blas 1989, 1991, 1994; ・ ・ 2.1.2 ・ Álvarez 1997, 2001; Bastida 1998; 2007, Muro y Quiroga 2004, 2005; Balfour y Quiroga 2007; Núñez 1999, 2001, 2005) 蓄積は進んでいるが、フランコ体制以前ものが圧倒的(2.2 節参照) 民主化以降のスペイン・ナショナリズムに関しては 2000 年以降本格化(3 節参照) 日本におけるスペイン・ナショナリズム研究 立石・中塚 2002 に、スペイン・ナショナリズムと地域ナショナリズムの研究成果が集約 ・ スペイン・ナショナリズムを扱ったもの:新田 2009(政治史) 、加藤 2011(歴史社会学) 2.2 対ナポレオン戦争~フランコ体制とスペイン・ナショナリズム(Álvarez Junco 1997, 2001; Balfour y Quiroga 2007; Blas 1989, 1991; Fox 1999; Mercadé 1989; Muro y Quiroga 2004, 2005; Núñez 1999; Taibo 2007; 立石・中塚 2002; 新田 2009) ・ 近代的スペイン・ネーションの基点としての対ナポレオン戦争とカディス憲法 ・ 19 世紀末の「内憂外患」 :外:アメリカ(米西戦争)⇒98 年世代 ・ 19 世紀末の「内憂外患」 :地域ナショナリズム(カタルーニャ、バスク) ⇒中央集権と地域分権の軸が発生、 「弁証法的」関係へ(Muro y Quiroga 2004) ・ 政治体制の変遷とナショナリズム 復古王政⇒第一共和政⇒復古王政⇒プリモ・デ・リベーラ体制⇒第二共和政⇒フランコ体制 ・ スペイン・ローカルな二項軸 中央集権と地域分権3/自由主義と絶対主義/王政と共和政/欧州主義とスペイン主義 中央集権 地域分権 シヴィック・ 穏健派自由主義 進歩派自由主義 ナショナリズム (liberales moderados) (liberales progresistas) 再生主義運動 共和主義 (regeneracionismo) (republicanos) エスニック・ ナショナリズム オルテガ・イ・ガセット カタルーニャ同盟 (Bastida 1998、加藤 2011) (Lliga Catalana) 王党派 カルリスタ 伝統主義者(tradicionalistas) (carlistas) 「98 年世代」4 カタルーニャ共和左派 プリモ・デ・リベーラ フランコと国民カトリック主義 (nacionalcatolicismo) 図 1:19 世紀~フランコ体制までのスペイン・ナショナリズム類型(Muro y Quiroga 2005; Núñez 1999; Balfour y Quiroga 2007 を元に報告者作成) スペイン語の descentralización に報告者が独自の訳を当てたもの。本来であれば「地方分権」 、ないし原語に 忠実に「脱中央集権化」とでもすべきだが、主体となるカタルーニャとバスクを、 「地域」と呼ぶことに鑑みこの 訳語とした。なお、スペインの地域ナショナリズムに言及する際の「地域」は、 「地方」より地理的に大きな単位 であるとの暗黙の合意があるように思われる。 4 この 98 年世代に属するミゲル・デ・ウナムーノについては、加藤 2011。 3 3/8 3 民主化以降のスペイン・ナショナリズム 3.1 民主化以前とのスペイン・ナショナリズムとの連続性 ・ 政治的言説におけるオルテガの巨大な影響力(Bastida 1998) ・ シヴィック・ナショナリズムかつ地域分権的⇒従前の共和主義に近接(Muro y Quiroga 2005; Balfour y Quiroga 2007) 3.2 「二重のアイデンティティ」 (dual identity) スペインに限らず、欧州では「欧州―国家―地域」の三層アイデンティティが政治学・社会 学・歴史学などでの共通認識 欧州―スペイン(Balfour y Quiroga 2007) スペイン―地域(Coller y Castelló 1999; Díez y Gutiérrez 2001) 最近の自治州議会選挙直前の世論調査(CIS) 「貴方は次の文章のうちどれが最も自分と同じであると思いますか?」 スペイン人であるとのみ感じる 9.9 (%) カタルーニャ人であるよりもスペイン人であると感じる 6.7 スペイン人でもありカタルーニャ人でもあると感じる 43.9 スペイン人であるよりカタルーニャ人であると感じる 22.5 カタルーニャ人であるとのみ感じる 14.5 分からない・無回答 2.5 図 3-a:スペインとカタルーニャのアイデンティティ(2010 年 10 月)5 スペイン人であるとのみ感じる 4.8 (%) バスク人であるよりもスペイン人であると感じる 5.5 スペイン人でもありバスク人でもあると感じる 36.4 スペイン人であるよりバスク人であると感じる 24.3 バスク人であるとのみ感じる 23.6 分からない・無回答 5.4 図 3-b:スペインとバスクのアイデンティティ(2009 年 1 月)6 ⇒バスク、カタルーニャ双方の約 7 割が「二重のアイデンティティ」 3.3 スペインの民主主義とスペイン・ナショナリズム 3.3.1 「神話」としての民主化 ・ スペイン・ナショナリズムの中核としての民主化成功の神話(Balfour y Quiroga 2007) ・ スペイン・ナショナリズムとは別に歴史解釈として民主化「神話」解体の試み(Gallego 2008) 5 Centro de Investigaciones Sociológicas (CIS), Estudio nº 2852: Preelectoral de Cataluña. Elecciones autonómicas 2010, Pregunta 24. 質問原文:“¿Con cuál de las siguientes frases se identifica Ud. en mayor medida?” Centro de Investigaciones Sociológicas (CIS), Estudio nº 2784: Preelectoral de País Vasco. Elecciones autonómicas 2009, Pregunta 22. 質問原文:“¿Con cuál de las siguientes frases se identifica Ud. en mayor medida?” 6 4/8 3.3.2 「合意」と与野党対立 ・ 多面的な「合意」 「神話」としての民主化の主要構成要素としての「合意」の精神、特に憲法交渉過程(Kato 2009) 政治階層における行動拘束要因としての「合意」 (Balfour y Quiroga 2007) ・ 「合意神話」の参照先の一つである憲法(特に第 2 条)交渉過程で、スペイン・ネーション言説 が斉一化、社労党と国民党で大差なし(Bastida 1998, 2007; Balfour y Quiroga 2007) ・ アスナール政権期以降の与野党対立の影響は? 3.3.3 自治国家体制と連邦制 ・ 地方への権限委譲、連邦制、分離独立(Guibernau 2006) 、それをめぐり二大全国政党間で差異 (Balfour y Quiroga 2007) ・ 二系統の自治州:自治州間の権限の差異の維持拡大を求める 151 条自治州( 「歴史的自治州」 )と、 均等な権限配分を求める 143 条自治州(Balfour y Quiroga 2007) ・ 連邦制研究・地方自治研究との関連 3.4 歴史的経験とスペイン・ナショナリズム 3.4.1 「憲法パトリオティズム」 (patriotismo constitucional/constitutional patriotism7) ・ オリジナルのハーバーマス論文(ハーバーマス 2000)は、ドイツの歴史認識論争に発展しその 後各国の学界・言論界に流布 ・ ドイツ・ネーションの中核として、修正主義的歴史観と歴史解釈に基づき過去の歴史を強調する、 当時の歴史主義的な流れに対し、憲法に謳われた精神とその尊重を基盤として対置 ・ ・ ・ ・ 3.4.2 ・ スペインでは、逆に歴史に重点を置く憲法パトリオティズムとして現象(Núñez 2001, 2005) 憲法制定時に至るプロセスが「神話」化しているスペインにおいては独自の意味(報告者の解釈) 類型論としては典型的なシヴィック・ナショナリズム(報告者の解釈) 規範的ナショナリズム研究の一つの基点となる概念(報告者の解釈) 歴史研究とスペイン・ナショナリズム(Balfour y Quiroga 2007) フランコ体制の終焉から日が浅い スペインでは科学的研究の環境が整ってから 32 年「科学的な」民族の自画像を描けない 知識階層及びそれ以外の階層一般の心理(?)として、過去に向き合う準備が出来ていない 内戦の記憶と「国民的和解」 (Juliá 2005, 2006; Aguilar 2008; Kato 2009)が未だ支配 的(報告者の解釈) 「歴史的記憶法」は時期尚早?(加藤 2009) ・ 90 年代後半以降、アカデミズム内外からの修正主義的歴史解釈(第二共和政、内戦、フランコ体 制)の出現(Real Academia de Historia 1997, 2000; Moa 2010)とそれへの反論(Reig 2006) 3.5 類型論 ・ シヴィック・ナショナリズムかエスニック・ナショナリズムか (概ね)シヴィック:Muro y Quiroga 2005 エスニックな側面の顕著化:Balfour y Quiroga 2007 Bastida 2007 は「憲法ナショナリズム(nacionalismo constitucional) 」の語を用い、それを民主化以降のスペ イン・ナショナリズムにおける特徴とし、 ハーバーマスの憲法パトリオティズムとは似て非なるものとしている。 他方、Balfour y Quiroga 2007 は、ナショナリズムとパトリオティズムの区別の困難を指摘している。 7 5/8 国家によるナショナリズム(政治ナショナリズム、シヴィック・ナショナリズム)から文化 本質主義へ(Bastida 1998; Pérez Garzón 2007) ・ 政治ナショナリズムか文化ナショナリズムか(報告者の見解) 従来は政治的共同体であるところの国家が推進する政治ナショナリズムだったが、近年自民 族独自論の形で文化ナショナリズムが出現 シヴィック―エスニックとのオーバーラップ 3.6 方法論上の論点 3.6.1 国際比較 ナショナル・アイデンティティ、地域への権限委譲及び連邦制につき、カナダを中心に、イギリ ス、スペインを比較した Guibernau 2006 3.6.2 計量分析 Muñoz 2009 がほぼ唯一(Balfour、Quiroga、Núñez らの先行業績を実証) 3.6.3 社会学的分析 ・ 地域ナショナリズムを社会学的観点から捉えるものは多数、スペイン・ナショナリズムは少数。 例外として Herranz de Rafael 1996 ・ 地域ナショナリズムが社会運動として表出する一方、スペイン・ナショナリズムの主たる表出経 路は立法行動(二大全国政党)及び政治的言説(Mayor 2007) ・ 近年の傾向として、スペイン人独自論の生産と消費(Sánchez-Dragó 2008) ⇒言説分析、吉野 1997 による自民族独自論の分析枠組み援用という可能性 4 おわりに―― 理論的知見を目指して ・ スペイン・ナショナリズム研究の深化の方向性としての一般的・理論的知見の抽出 ・ 問題意識:冒頭の大澤の指摘:世紀の変わり目に前後するナショナリズム現象の質的変容という 観点からのスペインという事例の位置づけ グローバルな文脈との関連の実証 スペイン・ローカルな文脈 過去:内戦、フランコ体制、民主化 近年:与野党対立、歴史認識論争 ・ 方法論:国際比較と言説分析による理論的知見の抽出 憲法パトリオティズム(ナショナリズム) :国際比較、規範的研究(ナショナリズムのあり 方)の基点の一つ 近年の歴史修正主義的文化ナショナリズムの分析ツールとしての言説分析 比較対象国の選定⇒日本との比較?(日西比較の根拠につき科学的洗練の必要性) ・ 類型論 規範的研究のもうひとつの基点としてのシヴィック―エスニック二項軸 近年の歴史主義(修正主義的歴史観) 、文化本質主義、過去志向回帰と民衆レベルでの スペイン人独自論支持⇒エスニック・ネーションとしてのスペイン・ナショナリズム 追求の動き? 排他的、暴力的とされるエスニック・ナショナリズムをいかに制御するかにつき、ま ずは位置づけとその生成過程の跡付けを実証的に行う必要 シヴィック―エスニック以外の二項軸からの位置づけ 6/8 参考文献一覧 大澤真幸(2002) 「編者まえがき」大澤真幸編『ナショナリズムの名著50』平凡社、pp. 3-6。 加藤伸吾(2009) 「スペイン『歴史記憶法』の成立過程(2004~2008 年) 」 、 『外務省調査月報』2008 年度第 4 号、pp. 1-28。 加藤伸吾(2010) 「スペイン学界の『流動性』 」 、 『社会学系コンソーシアムニューズレター』第 3 号、pp. 8-9。 加藤伸吾(2011 公刊予定) 「ウナムーノとオルテガの自民族独自論――現代のスペイン・ナショナリズムの源流としての類型の試み」 、AGLOS Journal of Area-based Global Studies, Vol. 2. スミス、アンソニー・D.(巣山靖司監訳) (1995) 『20 世紀のナショナリズム』法律文化社。 スミス、アントニー・D.(巣山靖司・高城和義他訳) (1999) 『ネイションとエスニシティ――歴史社会学的考察』名古屋大学出版会。 高原基彰(2010) 「テーマ別研究動向(ナショナリズム) 」 、 『社会学評論』 、61(2) 、pp. 206-15。 立石博高・中塚次郎編(2002) 『スペインにおける国家と地域』国際書院。 新田増(2009) 「スペイン民族主義と周辺民族主義――対立の構造(1) 」 『PROBLEMATA MUNDI』18、pp. 21-56。 ハーバーマス、ユルゲン(三島憲一編訳) (2000) 「一種の損害補償――ドイツにおける現代史記述の弁護論的傾向――」岩波現代文庫、pp. 49-77。 吉野耕作(1997) 『文化ナショナリズムの社会学――現代日本のアイデンティティの行方』名古屋大学出版会。 ルナン、エルネスト、ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ、ジョエル・ロマン、エティエンヌ・バリバール、鵜飼哲(鵜飼哲、大西雅一郎、細見和之、上 野成利訳) (1997) 『国民とは何か』インスクリプト。 Álvarez Junco, José (1997), “El nacionalismo español como mito movilizador. 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