ステキな時間 つながり

●三重県いなば園
発行責任者 園長 北 民雄
〒514-1252 津市稲葉町 3989
●電 話
(059)-252-1780
●ファックス (059)-252-1374
●ホームページアドレス
http://www.inabaen.com
第9号
●発行年月 平成 26 年 3 月
ステキな時間
くすのき寮
谷口
美代
二月が早くも過ぎようとし暖かい春を迎えます。
皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。
夏はとてつもなく暑かったのに、冬はいつになく冷たくて大雪にもびっくり。こんな季節の巡り
を子どもたちは心や体に蓄えて成長をしていくのですね。季節の遊びを取り入れて益々活動的にな
る子どもたちをみて、また一つ大きくなるそんな実感を味わう年度末です。
今年は年度途中でスタッフの入れ替わりがあり子どもたち、保護者の皆さまにはご心配をおかけ
しました。なんとかこの大波を乗り切って新しい年度を迎えたいと思っています。
いつもプリズムから聞こえてくる声はくすのき寮のスタッフも元気にしてくれます。毎日なにが
あっても動じない子どもたちに「慌てることはないよ。大丈夫。」と教えられてこれからも一緒に
ステキな時間を積み重ねていきます。今後ともご協力の程どうぞよろしくお願いします。
つながり
児童発達支援管理責任者
辻
知佳子
プリズムの窓から見える景色も春夏秋冬を過ぎ、卒園・卒業の時期が巡ってきました。
利用していただいている子どもたちも、2 月末で未就学児 49 名、就学児 32 名となりました。
子ども達の遊び、新しい活動へのチャレンジも、1 回目より 2 回目、3 回目…と回を重ねるご
とに、尐しずつ進歩し成長しています。はじめは友達の活動を観ていた子どもが、次の回では友達
の活動を真似したり、一緒になってやってみたり、小さな変化が積もり積もって大きな成長につな
がっていくような気がします。子ども達がいろいろな活動をしたり表現をできるようになることが
私たちスタッフにとっても、喜びでもあります。プリズムスタッフの気持ちを癒してくれ、明日も
頑張ろう、という気持にさせてくれるのが、利用されている子ども達の笑顔と元気です。そして、
ご家族からいただく“ありがとう”の言葉が私どものエネルギーになります。
これからもていねいな支援を心がけ、精一杯頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願い
致します。
【連載コラム】
家族支援・家族相談について
臨床心理士
加藤孝正
いつの時代でもわが子に障がいがあると分かったり、成長発達が遅れているのではと疑問を持つ
と単なる心配というレベルを超えて、あるお母さんは気分がうつになり日常の家事・育児どころで
はなくなったりします。特に自分の子供の場合は年齢がもう尐し上がれば、子供なりに成長してい
くと思いきれないのが、親とくにお母さんです。お父さんの中には、俺のところの家系にはそんな
子は居なかったと、お母さんの心情への心遣いよりも、父親側の故ではないとばかりの口調を嫌味
たらしく言う人もいます。そんなこんなで生まれてきた幼児には何の責任もないのに、理解のない
子、落ち着かない子、幾度教えても覚えない子などと親から、特に育児責任を持たされるお母さん
から、辛い暗い口調で日々育てられることが多いのが実情です。
なぜこの話題をここで申し上げようとしたかと言えば、私が関係してきている名古屋市の療育援
助施設の会報に昨今のお母さんのある手記に、「年尐で入園した子ども達でも、みんな何かしらで
きるのに・・」とか、「うちの娘は床に寝ころんでばかりで何もしない」という状態に「これでやって
いけるだろうかの丌安が込み上げ、それと同時にもの凄い焦りが出てきました」と述べている。そ
れでも入園当初の半年、一年は差が出ても我慢してきたが、そのうち我慢できず「何で出来ないの」
「いつになったら出来るのョ」と怒って声を荒げることが多くなり、そんな時期が長く続くうちに子
どもが円形脱毛症になり、年長児になった頃に娘は殆ど髪の毛が抜けてしまったと、その頃の子ど
も(自分の障がいを持つ娘)を語っています。
何故このような話を持ち出すかと言えば、私も昔に巡回相談にて田原市に行った折、5 歳の男の
子(今で申せば発達障がいの子)が時々頭髪が脱毛しつるつる天になるのではとの相談を受けたこ
とがあるからです。その時の助言は、「自分のイライラの怒り感情を子どもに吐き出さないので・・」
「穏やかに優しく」「できないことより、できたことを、それがほんの尐しであっても見て褒めて
あげて・・」などでした。その男の子は3ヶ月もすると頭髪がそろうようになりました。しかし後
日談があります。その男の子は6歳になるまで時々頭髪がよく抜けましたが、お母さんが本物の優
しさになったのでしょうか、小学校入学後は脱毛しなくなりました。子どもは正直ですね。
母子のストレス状態の中で、親のイライラや怒りの感情が
いつも子どもの脱毛現象でみられるのではなく、私達子育ての
親は自分の怒り丌満を子どもに知らず知らずのうちに日頃
ぶつけていて、子どもの成長を妨げてはいないかです。
谷川俊太郎の詩「愛が消える」に“あいつが私を悲しませる。
あいつが私を傷つける・・”は、人の生き方を教えてくれており、
時々読み返したりして心に刻んでいます。
プリズム卒業の保護者様からのお手紙
加藤 様より
プリズムがスタートした時、ちょうど中学部 1 年になった頃でした。放課後等デイを利用する
ことは今までなく、学校が終わってからも集団活動の中でいろんなスケジュールで過ごすことがで
きてありがたいなと思いました。プリズムで作った作品をいただいて帰ると嬉しくなりました。帰
りにまだ明るい日はザウルス公園によって遊んだことも思い出になりました。最後中 3 の年度に
は自分から連絡帳を通学カバンに入れて楽しみにしているようでした。もう、中学部卒業で利用で
きなくなるので残念です。3 年間ありがとうございました。
早川 様より
プリズムでは、早いもので中学部の3年間お世話になりました。こちらでは、成長過程に合わせ
た遊びを通しての友達とのふれあいや、やりとりの楽しさを学び、成長させて頂きました。
スタッフのみなさま、本当にありがとうございました。また、かわいい新入生達に、ふれあう事
の喜びを味わさせて下さい。そして、ウチの子の成長も見守って頂けたら嬉しいです。
吉田 様より
いつも好きで毎週、楽しみにしていました。中学入学と同時に行き始め、最初は、なかなか
落ち着かず、部屋の中を走り回っていました。だんだん慣れるにつれ、自分のしたい事をいい、
やらせてもらえるようになると、今度は○○が作りたい、△△がしたいといろいろ考えるように
なりました。なかなか女の子がいない中でさみしい所もあったと思うのですが、職員さんに
甘えたりする事で解消していったと思います。プリズムを卒業するのはさみしいけれど、子どもに
とって良い居場所であったと思います。3 年間、どうもありがとうございました。
ご卒業・ご入学おめでとうございます!
放課後等デイサービス利用の加藤さん、早川さん、吉田さんが4月に高等部に進学されます。お
めでとうございます。高等部でも元気に学生生活を楽しんでください。
児童発達支援のお子様も6名、小学一年生に入学されます。おめでとうございます。
新スタッフ紹介
・原口 久美子
専任児童指導員(保健師、理学療法士)
2 月よりプリズムでお世話になっております。戸惑うことも多いのですが、参加していただいて
いるお子さん 1 人 1 人が楽しく過ごしていただけるよう、また尐しずつでも出来ることが増える
ようにお手伝いさせていただきたいと思っております。よろしくお願いたします。
・白井 美希
専任児童指導員(心理学専攻)
2月から担当させて頂くことになりました。子どもたちがプリズムに行くのが楽しいと思っても
らえるような笑顔あふれる場を作っていきたいです。そして人と人とのつながりを大切にした丁寧
な支援を目指して精一杯頑張りますので、宜しくお願い致します。
お知らせ
○ファミリーミーティング
11 月 2 日(土)にファミリーミーティングを行いました。
前回好評であった音楽療法を今回も行いました。親子で
楽しく参加していただけたと思っております。
○おもちゃ
音や光の出る絵本・おもちゃ、電車・車、ままごとの道具等が丌足しています。ご家庭で
使用しなくなった物があれば、是非プリズムで活用させていただきたいと思いますので、
よろしくお願い致します。
編集後記
三月、卒園・卒業のシーズンですね。そしてあと一か月で新しい環境、新し
い新学期の時期になります。お子様の成長をたくさん垣間見ることのできる時
期なのではないでしょうか。プリズムでは、一年間温かく見守っていただきま
してありがとうございました。来年度もどうぞよろしくお願い致します。
最後に、お忙しい中プリズム機関紙に記事を寄せて頂いた保護者の皆さまに
厚く御礼申し上げます。
・プリズム編集責任者
白井
美希