牛乳とホ工イプ口テインの摂取が減量に伴う 血液流動』性の変化 - J-milk

牛乳とホ工イプ口テインの摂取が減量に伴う
血液流動』性の変化に及ぼす影響
筑波大学体育科学系
田 中喜代次
筑波大学大学院片山靖富
中 田由夫
榊
房子
大河原
憲
沼尾成晴
要約
血液流動性の低下は、血栓形成を冗進することから循環器系疾患のリスクファクターになる可能性
があり、その具体例として 1
0
腎 d
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l(
L
D
L
C
) との関係が指摘されている。
D
L
Cの上昇を抑制する、または低下させる効果をもっと
牛乳や乳製品に含まれる乳清タンパクは、 L
報告されていることから、牛乳・乳製品を摂取することで血液流動性が改善できると考えられる。そ
こで、本研究では牛乳・乳製品が血液流動性に及ぼす影響を検討した。対象者は、肥満傾向の中年女
性6
4
名であり、食事制限のみで減量する D (
d
i
et)群 1
7
名、食事制限とウォーキングを併用する DW
k
i
n
g
)群 1
5
名、食事制限に加えて牛乳と乳清タンパク(ホエイプロテイン:明治乳業)を摂
(
d
i
e
t+、四l
d
i
e
t+milk) 群 1
5
名、食事制限に加えて牛乳とホエイプロテインを摂取しウォーキングを
取する DM (
d
i
e
t+mi1
k+w
a
l
k
i
n
g
)群 1
7名に分けられた。教室開始前の食事調査により、牛乳・
併用する DMW(
乳製品から摂取したタンパク質量と血液通過時間(血液流動性)との聞に、有意な負の相関関係がみ
、DMW
群で改善する傾向が示されたごとから、牛
とめられた。また、減量に伴い血液通過時聞は DM
乳・乳製品を摂取することで血液流動性が改善する可能性が示唆された。 L
D
L
C
Iこ関しては、 4
群とも
教室前後で有意な変化はみとめられなかったものの D群以外は減少傾向にあり、牛乳・乳製品の摂取
または運動の影響が少なからずあったものと推察される。
D
L
C、減量、運動
キーワード・血液流動性、牛乳、ホエイプロテイン、 L
緒言
エネルギーの過剰摂取や運動不足による消費エネルギーの減少など、生活習慣の悪化が肥満を引き
起こし、高血圧、高脂血症、糖尿病といった生活習慣病、さらには虚血性心疾忠や脳梗塞などの循環
器系疾忠をも誘引していることは周知の事実である。これまでのところ、動脈硬化や血管狭窄など、
-59-
Jlll奇警に焦点をあてた長奇策がなされ、 1
0
特 d
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出 nむ:
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l (WL
C
) がJlll管墜に吸着する
普賢ブラークの封手足立が動脈綴化や調書JlIi(燃化によるJlll1
僚を覚寺望をもたらすととが切らかにされて
ことや、 2
いる。しかしながら緩近になって、政担主流動燃の低下が l
献金形成や動脈鋭化を促進させるごとが報告
、
号i
まI
血管の機遣をとま畿昔話による理主奪事だけでなく、刷、誌をの機滋と機能による彩撃事も
され 1-3)、書留草話器系疾 I
受けていると指摘されるようになった4,
5)
血液は、細胞(血球)成分と血祭成分によって構成されている。このうち紺l
胸成分の語辞脱線と劇祭
成分が血液の大部分を占めているごとから、赤血縁と[(Il~誕の流動特性がJlll括主流動性 lこ火きな影響撃を与
えると考えられている。語辞Jlll主主に関しでは、数だけでなく設や脱線変形紛の低下(ぷ脱線の機化)や赤
需が含まれ、その中でも
血主主同士の集合が、臨機流動性を低下さぜる。 .11。血援には脳燃やタンパク 1
WL-Cが血竣粘度を上昇させるだけでなく、 i
J
i
;
血主主要E
形露首の低下や岩手刷機の主義ぜ訟をもお滋させる s. S)
ことから、血液流動性に影響を及ぼす聖書闘とされる。との LひしCIま話器い生活苦~tl壁、終 iこ災後パランス
の悪い食習慣と運動不足によって熔加し、動脈液化の一芸書区!となる。したがって、閣総務は室主総僚が
-Cが言語い傾向にある。以上のことから、き主t
務総意還を己主害事't
悪く運動不足である之とが多いため、 W L
-Cを低下させ、血液流効性を改葬することが、綴草費話器系空襲段、の予防 i
ニ効
ることで、肥満を解消し W L
果的であると推察できる。
最近、血液涜動性を改善するべく、運動療法や食事療法についてさまざまな研究がおこなわれてい
る。中でも、政液流動性を改善する可能性があるものとして、牛乳・乳製品に念まれる乳液タンパク
Cの上昇を抑議立するごとや、 W L
Cを主義少
が注目されている。その理由として、乳清タンパクが W L
こしたものでみり、ピト
させる ζ とが挙げられる"叫。しかしながら、これもの級事宅はラットを対象 i
こしたう言、人研究をおこなうことは護者たな総
を対象にした研究結果ではない。したがって、と}を貴重象 i
見を得るうえで意義深い。
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I
.
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盈については、 E
きくから逮動選手の W L
C1
立、一般人と比べて低いことが毅告されている時。緩返
設中に WL-Cが減少すること国や、遂毒与を継続している者は HDL
コレステローんがお
;之、愛許寺隆警の遼5
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1(HDU) I
立、技選3
くなっているごとが報告されているへまた、 h
2
震波化作用がみるだけでなく、議l
語差、流動牲を改善する可告を包i
がるることをお織されるようになった打。
裁選手の盗液、流綴f
伎が良い状態 2
二i/',ったという研究報告もいくつかある出ことから、波数
さちに、霊童5
後金ミ文書事し、議I
H
豪硬化の予訪につながると期待できる。
を緩ま毒することは成議室派議l
そこで本級交では、 s
I
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主
義
傾
向 O)rt竿女性を対象 i
こ、食事事号線および運動実践によってきt
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i'i聖子僚を改
u
D
L
(
ごの上昇が抑えられ、血
獲し、主設えて今季しと事 脅タンパ夕、乳製品を積極的に撲取することで、 L
液波数学会が詩文撃できると考え、之の仮説を検討することを目的とした。
-60
扇 町
方法
A.対象者
4
名であった。減量教室の開催期間は 3ヵ月間とし、対象者 6
4
名を食事制
肥満傾向にある中年女性 6
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:D群) 1
7名、食事制限にウォーキングを併用する群 (
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限のみの群 (
DW
群) 1
5名、食事制限に加えて牛乳および乳清タンパク(ホエイプロテイン:明治乳業社製)を摂
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t+f
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:DM
群) 1
5
名、食事制限に加えて牛乳およびホエイプロテインを摂取し、
取する群 (
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t+m
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k+w
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:DMW
群) 1
7
名の 4
群に分けた。なお、対象者
ウォーキングを併用する群 (
には本研究の目的および測定内容を説明し、研究参加への同意を得た。
B
. 食事指導
2
0
0kcal (
1
0
0
0
1
5
0
0k
c
a
l
)、毎食の平均が約4
0
0kcal (
3
0
0
5
0
0k
c
a
l
)
摂取エネルギー量は、 1日約 1
になるように管理栄養士が食事指導し、対象者が自力で食事を管理できるように導いた。 4群と也、
0k
c
a
l分は採取するように指導した。対象者は、毎日の食事内容を記録すること
牛乳・乳製品を毎食 8
とし、週に 1回、管理栄養士が記録を詳細にチェックし、改善すべき点在個別に指導した。また、減
量教室開始から lヵ月間は減量補助食品としてサニーヘルス社製のマイクロダイエットを、原則とし
6
9
1
7
3kcalと低エネルギー食
て夕食時に摂取するよう勧めた。このマイクロダイエットは、 1食約 1
品であるが、タンパク質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル立どをバランスよく摂取できるため、先
、 2
0
0
行研究でも利用されている,,'。さらに、牛乳およびホエイプロテインを摂取する群は、 1日l回
Mの低脂肪乳にホエイプロテイン 1袋を混ぜて摂取させた。
c
.運動指導
0
分間)笑施した。運動プログラ
ウォーキングを併用した群に対する運動指導は、週 1-2回 (1回9
5
分間のウォーミングアップ、 6
0
分間のウォーキング、 1
5
分間のクールダウンから構成され、教
ムは、 1
室以外でも同様の運動をおこなうように指示した。運動強度は、有酸素性運動能力や脂質代謝の改善が
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) 水準付近川とし、自覚的運動強度 (
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期待できる無酸素性代謝関値 (
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) が1
2
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付近、 AT
に相当する心拍数:t2
0
拍/分を保つように指示した。
D
. 血液流動性の測定
A
2K
入りの真空採血管(2m
e
) にあらかじめ O
.
ll
1
1
e
の
血液流動性を測定するための血液標本は、 EDT
.9
m
eの血液を注入した。血液流動性の測定には、細胞7 イクロレ
へパリンを添加し、そこへ採取した 1
オロジー測定装置 (MC-F.必t 目立原町電子工業社製)を用いた。これは流路深4.5μm、流路I~ffi
7μm
、
0p
f
f
i、流路本数 8
7
3
6
本が並列配置されたシリコン単結晶基盤 (
b
l
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y6
7
) に光学研磨したガ
流路長 3
0C
f
f
i
水中庄で I
血液楳本 100μm
がそれを迎過する
ラス基擦を圧着させて毛細血管モデルを作り出し、 2
ハ
h
υ
Tム
時間(血液通過時間)を測定 1るものである。血液通過時間の測定は採血直後を原則とし、遅くても
1時間以内に終了した。
E
. 血液検査
血液流動性の血液標本を採取する際に、血液検査用の血液標本も採取した。検査の数日前から激し p運
動を控えるよう指示し、 1
2
時間以上の絶食状態で採血をした。血液検査項目は、総コレステロール (
ω凶
c
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沿 町01
)
、 HDL
心、中性脂肪(剖i
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) であり、 F
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巴
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dらの式瑚により LDL
-Cを算出した。
F
. 食事調査
対象者には、教室開始前に日常生活における食習慣を把握するため、平日 2日間と休日および祝日
の 1日、合計 3日間の食事内容を記録させ、教室中にも同様の食事調査をおこなった。対象者には摂
取した内容を秤量によってできる限り詳細に記録させ、これをもとに管理栄養士が面接し、記録内容
を確認した。栄養摂取内容やエネルギ
量は、この記録をもとに管理栄養士が食事療法栄養計算ソフ
ト(第一出版社製)を用いて算出した。そこから、乳製品(普通乳、低脂肪乳、加工乳、チーズ、ヨ
ーグルト;ただし、コーヒー牛乳などの乳飲料、アイスクリームなどの晴好類、菓子類は除く)とホ
エイプロテインによって摂取したタンパク質量の 1日あたりの平均値を求めた。
H
. 統計処理
減量教室開始前の身体的特徴、血液通過時間、 LDL.C、タンパク質摂取量の群間差を検討するため
に、年齢を共変量とする一元配置の分散分析を適用し、有意差のみとめられた項目については、
B
o
n
f
e
r
r
o
n
i
の事後検定を施した。減量前後における平均値の変化には、対応のある t
検定を適用した。
減量に伴う各測定項目の変化に対する群間比較には、時間 (
p
r
e,p
o
s
t
) と介入方法 (D,D W
,DM,
DMW) を要因とし、年齢を共変量とした反復測定の二元配置の共分散分析を適用した。また、 2変
e
a
r
s
o
nの積率相関係数によって表した。各項目の測定値は、すべて平均値:
:
!
:
:
l標準
量聞の相関関係はP
偏差で表した。すべての統計解析には、
S
P
S
S
11
.0
Jを用い、統計的有意水準を 5%に設定した。
結果
対象者の身体的特徴の変化は、表 1に示した。体重、 BMI
、体脂肪率は1べての群で教室開始前から後
p
r
e
.
にかけて有意に減少した。年齢を共変量とする反復測定の二元配置共分散分析を施した結果、時間 (
D
.DW. DM. DMW) の聞の有意な交互作用は、体脂肪率においてのみみとめられ
p
o
s
t
) と介入方法 (
た。血液通過時間は、 4群とも教室開始前から後にかけて有意に短縮したが、時間と介入方法の聞に有意
、DMW
群で
な交互作用はみとめられなかった(図 1)。牛乳・乳製品から摂取したタンパク質量は、 DM
有意に増加し、牛乳・ホエイプロテインを摂取しなかった群と有意な交互作用がみとめられ、教室終了後
nhv
ム
つ
表 1 対象者の身体的特徴
、
v
GroupD
(N~ 1
5
)
GroupD
(N~1η
身長
、り叫 d
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年齢
体重
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GroupDMW
Onc-way ANCOVAt
(N~17)
(N~15)
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士
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DMWく D,D W
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体脂肪率(出)
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標準帽差
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,D附 d
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,DMW:d
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n
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*教室前崎で令主に減少 (P<0
.
0
5
)
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W
WMM
DDDD
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値
凋岨マ司。
IIlli--iri
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A
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(凶)臣官明用側コ冒
50
nrnrnrnr
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口
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55:
30
教室終了後
教室開始前
図 1 減量教室参加に伴う血液遇過時間の変化
企0
(国)咽匪蝶魁あて λ 串
川 J
届出芯毛唱認訴・訴u
H
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nunununununU u
︽ nununU
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︽ A3nMU 苛 , 自uF344目 司ιund-U
ー
口
・
GroupD
GroupDW
GroupDM
GroupD M W
・
・
・
巷
教室開始前
教室終了後
・乳製品から摂取した空ンパク質量の変化
図 2 減量教室参加に伴う、牛宇L
-63ー
において DM
、DMW
群と D、D W
群との聞に有意な群間差がみとめられた(図 2)。減量教室開始前で、
牛乳・手略目品によって摂取した 1日あたりのタンパク質量と血液通過時間との聞に、有意な負の相関関係
がみとめられた(図 3)0 ID
L
Cは
、 4
群とも教室前後で有意な減少はみとめられなかった(図 4
。
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官)霊堂副司蝿幌司
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BO
事ンパウ質摂取量(自)
図3
教室開始前の3日間の食事における牛乳・事L
製品から摂取した宮ンパク質量と血液通過時間との関係
v
、
WMM
DDDD
p
pu
pu
p
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四 回 mm
GGGG
AO-口
2954l口小同ム円,︻己
1
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1
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2
0
1
0
0
80
教室開始前
図4
考
教室終了後
減量教室参加に伴う LDLコレステロールの変化
察
近年、血紫に含まれる脂質、中でも IDL
-Cが血紫粘度を上昇させるとともに、赤血球変形能を低下
させ、赤血球の集合を克進させることが明らかとなった 8. 9) ことから、 L
DL-Cの僧加は血液流動性を
低下させると考えられる。実際、関ら
な正の相関関係が認められたことを報告している。 L
DL-Cは、牛乳・乳製品に含まれる乳清タンパク
によって上昇を抑制されたり、低下したりするととが示唆されている'"叫ことから、牛乳・乳製品を
-64ー
摂取することで LDL-Cが低下し、血液流動性が改苦ーすると考えられる。本研究の目的は、この仮説を
検討することであった。
教室開始前の食事調査によって、牛乳および乳製品から摂取した 1日あたりのタンパク質量を求め、
その摂取したタンパク質量と血液流動性との関係について検討した。その結果、牛乳・乳製品から摂取
したタンパク質量と血液通過時間に有意な相関関係が認められた。このことは、牛乳・乳製品を継続的
に摂取することで、血液流動性が良い状態に保たれることを示唆して L唱。また、減量教室前後で牛乳
とホエイプロテインを摂取させた群(DM、DMW
群)としなかった群 (
D、D W
群)の血液流動性の変
化について検討した結果、 4群とも教室開始前から後にかけて有意に改善したが、 DM、DMW
群のほう
がD、DW
群よりも減少する傾向にあった乙とから、牛乳乳製品を積極的に摂取し減量することで、血
液流動性がより改善する可能性が示唆された。しかしながら、減量教室前後での牛乳・乳製品からのタ
ンパク質摂取量の変化量と、血液通過時間の変化量との聞に有意な相関関係はみとめられなかった。そ
の理由として、乳清タンパクは LDL
-Cだけでなく、 v
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n (VLDL
-C)も減少させる叫
ことや、牛乳・乳製品から得られる乳清タンパクだけでなく、大豆由来のタンパク質(大豆タンパク)
にも血液流動性に影響を及ぼすとされる LDU
の上昇を抑える効果がある泊
2
1
1
ことが考えられる。また、
血液流動性を改善する可能性のある食品が他にもいくつも報告されている沼却ことから、減量教室に参
加することで栄養バランスのよい食事内容が継続し、牛乳・乳製品以外の食品が血液流動性に影響を及
ぼしたとも考えられる。血液流動性を改善する可能性のある食品がいくつか報告されているにもかかわ
らず、減量教室開始前に牛乳・乳製品から摂取したタンパク質量と血液流動性に有意な相関がみとめら
れたことは興味深い結果である。ホエイプロテインや大豆タンパクがL
DL-C
の上昇を抑制する生理的メ
カニズムについては、肝臓でのコレステロール合成が抑制されていることが確認されたのみで、未だ明
らかにされていない部分が多い制うえに、先行研究の多くがラットを対象にしており、ヒトを対象にし
た介入研究はほとんどない。しかしながら、ヒトを対象とした介入研究において、牛乳・乳製品を 1
也統
的に摂取するごとで血液流動性の改善する可能性が示唆されたことは大変意義深いことである。
牛乳・乳清タンパクが LDL
-Cに及ぼす影響については、減量開始前から後にかけて 4群とも有意な
減少をみとめなかった(図4)ことから、その効果は小さかったものと思われる。しかしながら、本
研究の結果は牛乳・乳製品の摂取が L
DL-Cの低下に寄与するごとを否定するものではない。先行研究
ではラットを対象に、 7
0日間乳清タンパクを中心とした食餌を与え続けた結果、肝臓中および血清の
LDL-Cが対照訴と比較して約 50%低下したことを報告している山。本研究における介入期間は約 3ヵ
月間 (
9
0日悶)であるが、ラットにとっての 70日間のほうが相対的な介入期間は長いと考えられる。
また、ヒトが食事によって牛乳・乳製品から摂取する乳清タンパクの割合は、ラットの食餌と比べて
少ないことが予怨される。しかしながら、本研究のように短い期間でも牛乳・乳清タンパクを摂取し
たDM、DMW
群が牛乳・乳清タンパクを摂取しなかった D群と比べて、それぞれ減少傾向を示したこ
とから、牛乳・乳製品を継続して摂取することで L
DL-Cの減弘に及ぼす可能性が推察される。
運動が血液流動性に与える影響については、本研究の結果において運動を併用した群としなかった
RU
FO
群に有意差はみとめられなかったが、運動を継続している者は、血液流動性が良い傾向にあることが
L、くつか報告されている。 MC-FANを用いた研究では、中垣内ら叫が高血圧患者および虚血性心疾患
患者を対象に、 5年以上運動を継続している群としていない群の血液流動性を比較すると、運動して
いる群のほうが総コレステロールや LDL
-C、中性脂肪、 LDL-C/HDL-Cが低く、 LDL
-C/HDL-Cと血液
流動性との問に有意な相関関係を示している。岡崎ら回は、運動している群において赤血球数や Hct
が低く、赤血球変形能が高いことから、血液流動性が良い傾向を示したことを報告している。積極的
に運動を継続することで、血液流動性に影響を及ぼしている血液成分に変化を与え、その結果、血液
流動性が改善することが考えられる。木村ら聞は、 4週間の歩行運動トレーニングを毎日継続するこ
とで、血液流動性の変化率と 1日の平均歩数との聞に有意な相関がみとめられた報告をしている。し
たがって、運動の継続が血液流動性に及ぼす効果が期待されたが、本研究において運動による明らか
な血液流動性の変化はみとめられなかった。しかしながら、図 4が示すように、群間差はみとめられ
なかったものの、運動を併用した D W
、DMW
群が減少傾向を示し、運動も牛乳・ホエイプロテインを
摂取しなかった D群は、教室開始前から後にかけてほとんど変化していなかったことから、牛乳・乳
製品を摂取し運動を併用する乙とで J効果的に LDL-Cを抑えられる可能性が推察された。
まとめ
本研究では、血液流動性の改善と LDL-Cの低下との問に関係がみとめられなかったごとから、 LDL-C
の低下が血液流動性の改善に直接影響を及ぼしたとはいえない。しかしながら、牛乳・乳製品を積極的
に摂取しながら減量することで血液流動性は改善し、革払続的に牛乳・乳製品を摂取することで血液流動
性を良い状態に保てることが示唆された。
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ニングが血液流動性に及ぼす影響について,