プロジェクト&プログラム・アナリシス研究部会 プロジェクト・マネジメントの 教育について 2014年1月16日 日揮(株) 佐藤 知一 内 容 • 前半: 大学におけるPM教育の実践例から – 授業で問いかける質問 5つ – コミュニケーションの練習 – 品質とテストについて • 後半: PM教育のあるべき仕組みを考える – プログラム・マネジメントとしての教育 – 日揮におけるPM教育とキャリアパス – PM教育をシステム(仕組み)とするために • ディスカッション © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 2 プロジェクトマネジメント 合格テスト • 問題1 – あなたは同期30人の集まるパーティの幹事をすることになった。 あなたがまず最初にするべき事は何か。 • 問題2 – WBSとは何か? Scopeとはどう関係するか答えなさい。 • 問題3 – Float日数=0 のActivity 系列を何と呼ぶか? Float日数=30日のActivity が15日遅れてしまった。あなたは Project Manager として、どうすべきだろうか。 © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 3 現代 Project 理論の三大技法 PERT/CPM EVMS Cost Schedule Scope (役務範囲) WBS • Scope(役務範囲) • Cost • Schedule(納期) はProject の制約条件。 •WBS •EVMS •PERT/CPM はそのManagement technology © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 4 どちらのProjectが成功か? • Project A – 仕様に定められた品質・機能を持つシステムを、納期通りに完成 し、予算も予定以内におさめた – ただし、ユーザはそのシステムをほとんど使用しなかった • Project B – 不明確な仕様(というよりも要望)から出発し、プロトタイプ開発を 繰り返し、納期は半年遅れ、費用も予算の2倍をつかって、よう やくシステムを完成した – しかし、顧客はそのシステムを15年以上にわたって使い続けた © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 5 英仏海峡トンネルを考える • • • • • • • 英国とフランスをむすぶ海底トンネル (全長50 Km) 1986年に英仏両政府の事業認可・工事着工 1994年、開通式。 「もはや英国は島国ではない」と言われた ただし、費用は予定の6倍の予算超過 同年、列車「ユーロスター」開業 しかし、旅客数は当初予想の1/3。事業会社ユーロトンネルは1兆 5000億円の債務で倒産状態に陥る 巨額の借金棒引きにより、開通後14年後の2008年になって、ようやく 単年度黒字に転じた・・・ このプロジェクトは成功か失敗か? © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 6 Project計画について 1 あなたは、2人の副幹事と協力しながら、同期90人の集 まるパーティの主幹事をすることになった。 2 あなたは、2人の勇者とともにパーティを組み、地底の迷 宮のどこかに隠されている秘宝を求めて探検に出発する ことになった。 • 上記の二つの『Project』の最大の違いは何か。 © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 7 Scope記述の意義 同期会のパーティをやろう! • Project目的:皆で楽しくクリスマスの時間を過ごす • 要求事項(制約):参加者30人以上。費用は4千円。12月中にやる。 • Scope概略記述:持ち込み可能なあの店で、料理を出してもらう。個 室を借りて、ビンゴゲームもやろう。ビンゴははずれなしで、景品のプ レゼントは各自が持参する。希望者は仮装。 • 明確なScope記述からは、具体的にやるべきActivityが芋づる式に 展開されて出てくる – – – 店の予約、参加者数の確定 司会のプログラム作り 持ち込む材料調達 • 飲料 • 飾りつけ – ビンゴゲームの借り出し etc… © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 8 演習:Activityの拾い出し • あなたは同期30人の集まるクリスマス・パーティの幹事をやることに なった。 • あなたが幹事としてやるべき作業(Activity)を、すべて拾い出し、 カード(最大20枚以内)に記入してください。【二人一組】 • Activityは、動詞を使って簡潔に書くこと。 – 例: 「ビンゴゲーム」→「ビンゴゲームを借り出す」 • 必ず1枚のカードには1つのActivityのみを書くこと – 例:「店の予約、参加者数の確定」 →「店を予約する」、「参加者集を確定する」の2枚にする © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 9 このプロジェクトはうまく進んでいるか? • 実績出費が計画線を下回っていたら、予算に問題はないと考えていいだろうか 計画 金 額 実績出費 → 期 間 © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 10 費用のSカーブと進捗の見方 • • 実績出費が計画線を下回っていたら、予算は超過していないと考えていいか? →NO。もしかすると、計画より作業の進捗が遅れているだけなのかもしれない そのためには、「完了したアクティビティの見積金額合計」(=出来高)のカーブを書 き加えてみればわかる。 計画 金 額 計画よりも出来高は 小さい(進捗遅れ) かつ 見積より実績出費は 大きい(予算超過) 実績出費 出来高(アーンド バリュー) Sカーブには3本の線が 必要である (アーンドバリュー分析 EVA) → © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 期 間 11 ケーススタディ 2 • あるガレージ・カンパニーのケース −− 新製品開発 Project – 発明家(技術者)と実際家(セールスマン)の2人が会社をつくる – まず発明家が、20万円の部品・材料を使って、画期的新製品を 作る。ただし、失敗の確率は50% – つぎに、実際家がその新製品を100万円で買ってくれる顧客を 見つける。その失敗確率は10% – たった2つのActivityからなる「Project」 新製品製作 販売 失敗確率 50% 失敗確率 10% -20万円 100万円 © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 12 ケース2−−問題 新製品製造 販売 失敗確率 50% 失敗確率 10% -20万円 100万円 • 以下の問題にどう答えるか? – (1)無事に新製品を作り、顧客に売れた場合、技術者とセール スマンの貢献は、どちらがどれだけ大きいか – (2)新製品を作り終えた段階で、このProjectの進捗率は何%だ と言うことができるか – (3)このProjectの価値はいくらか? このProjectの価値をさらに 上げる方策はあるか © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 13 講義日程(2013年後期・法政大学) • • • • • • • • • • • • • • • • 第1回:9月19日 Projectとは何か、Managementとは何か 第2回:9月26日 ゴール・目標・目的 (10月3日は海外出張のため休講) 第3回:10月10日 Scope 第4回:10月17日 WBS 計画 第5回:10月24日 組織と要員 第6回:10月31日 スケジューリング 第7回:11月 7日 コスト 第8回:11月14日 進捗とEVMS / ミニテスト 第9回:11月21日 時間管理 第10回:11月28日 品質と問題解決 / グループ課題出題 遂行 第11回:12月 5日 契約と交渉 第12回:12月12日 プロジェクト評価 第13回:12月19日 コミュニケーション(村上講師) 第14回:1月 9日 リスク 第15回:1月16日 グループ課題 最終発表会 © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 14 コミュニケーションの練習 • あなたの知人が、あなたを訪ねて法政大学市谷田町校 舎まで来ることになりました。 • 知人から電話があり、「今、JRお茶の水駅にいます」との こと。知人に、校舎までの道順を教えてあげてください。 復唱してもらう © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 15 コミュニケーションの練習 「質問競技」 • • これは一種の推理クイズ(あるいは当てものゲーム)です。 A∼G班のうち、1班だけは「回答班」、他の5班は「質問班」になります。 • • 回答班は、あるモノの名前を紙に書いて持っています。それは目に見え て手で触れる、形のあるモノです。 質問班は順番に質問を出します。その質問は必ず、「Yes」「No」または 「どちらでもあり得る」の三種類のどれかで答えられる問いに限ります。 決して、すでに出た同じ質問を繰り返してはいけません。 • • • 質問も、回答も、必ず班の全員で合議して決めて下さい。 答えを当てた班が勝者です。制限時間は20分。 班編制 • – – – – A班: 11N3002 ~ 11N3014 C班: 11N3032 ~ 11N3042 E班: 11N3055 ~ 11N3067 G班: 11N3079 ~ 11N3087 B班: 11N3015 ~ 11N3031 D班: 11N3044 ~ 11N3054 F班: 11N3070 ~ 11N3077 © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 16 打合せ覚書の練習 • 漫画家ヤマザキマリと奥村編集長のTV電話会議 • http://natalie.mu/comic/pp/thermaeromae • http://www.youtube.com/watch?v=Wpg3_qAmJEU © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 17 説得と交渉の練習(班対抗) みなさんは、次の事件のいずれかの当事者になり、自らに有利になるよう相 手を説得してください(班対抗) 状況 ある住宅の建設中に、大地震が発生した。発注者・請負人双方は、次のように主張したい。 ●請負人の主張: ・契約納期の3ヶ月の延長(内訳:作業中断2ヶ月、震災による破損個所の手直し1ヶ月) ・700万円の追加支払い(内訳:破損個所の修復400万円、中断期間中の従業員への支払い300万円) ●発注者の主張: ・契約納期どおりの完成 ・それができない場合は800万円の追加支払い (内訳:3ヶ月分の家賃100万円、断念せざるをえない子供の 進学先に支払った費用200万円、その学校に入れるためにこれまでかかった家庭教師代、塾代500万円) ●検討の条件 ・契約書は次のページのとおり。 ・契約納期どおりに完成させるには、契約金にプラス1000万円が必要。 ・各費用の額及び期間それ自体の妥当性については、十分な証拠がある。 ●他の班は、交渉中の班の各人を観察し、改善すべき点をアドバイスすること (注:本事案は、日揮の秋山聡氏の創案による) © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 18 グループ演習:課題の説明 • あなたは「インターネットを活用した新しい『協業』のためのシステム製品」の 開発を社長から指示されました。 • 新製品がそなえるべき機能イメージを提案してください(必要ならば、ソフトだ けでなくハード(ガジェット)を考案しても良い) – – – – • 誰が使うのか(対象ユーザ) どんな目的・用途・場面で使うのか それを使うとどんなメリットがあるのか、今までできなかった新しいことができるか その商品はいくつ売れると思うか、あるいは広告収入モデルが成り立つか アクティビティの期間・人数やスケジュールを調整して、52週間・7000万円以 内の人件費におさえるプロジェクト計画を立ててください。予算には、上記で 想定した売上収入と、開発の人件費の両方を書くこと © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 19 品質とテスト © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 20 どちらの会社の方が品質が上ですか? • わたしの工場から出荷する製品は、 すべてきちんとした品質です。 なぜなら、テストの結果はA(優良品)~ E(不良品)まできちんと正規分布に したがっているからです • わたしの工場から出荷する製品は、 すべてきちんとした品質です。 なぜなら、すべてテストした上で、良品 のみを出荷しているからです © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 21 品質検査(テスト)の目的 • 品質検査(テスト)の目的は、 – (1)作られた成果物が、意図したとおりできたか(=品質)を確認し、 – (2)不具合がある場合は修正に回し、 – (3)「作り込み」の工程を改善するためのフィードバックを得る • 上記(3)のフィードバックを得るためには、 – 製作者自身がテストを行う方が良い – いろいろな工程を経た最後に総合的なテストを1回だけ行うよりも、各工 程の内部あるいは直後に毎回、個別テストを組み込む方が効率的 工程 工程 工程 (非効率的) • 工程 工程 工程 (効率的=フィードバックが効きやすい) 品質検査(テスト)の評価方法は、 – 良品としての出荷基準を満たすような、絶対評価が望ましい © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 22 品質工学から見た教育 • 品質工学の要求: – – – – – • テストは、製作した当事者が実施する 良品以外は出荷しない(すなわち出荷品はすべて優良品) テストは、各工程単位に小刻みに行う テストは、絶対的基準で評価する 「品質は工程で作り込む」 現代の教育制度の不思議: – 授業の評価は、A∼Eの人数比率が正規分布に従うべき – したがって、テストは相対的基準で評価する – 高校の教育成果は大学が、中学の成果は高校が、小学校の成果は中 学が、入試で評価する(教育者が自分で評価しない) © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 23 PM教育のあるべき仕組みを考える 人は石垣、人は城・・・ © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 24 なぜ質問を多用するのか 感情 読む 知る 伝える 読まない 思考 覚える 忘れる 分かる 考えない 本当に よく分かる 使える 使わない 使わない 伝えない 練習しない 人を教えない • 知ることと分かることとの間には、大きなギャップがある – 「知識を伝える」という行為から、「本当によく分かる」までは、歩 留りがきわめて低いプロセスになっている © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 25 いつ、「自分は成長した」と実感したか • 『教わった』ときではない • 未経験のことを、自分でやり 遂げたとき 教育とは 成長を支援するプログラムの マネジメントである © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 26 成長を支援する4つの要素 良い教師 先生、手本になる人 基本的な原理原則 実戦と研鑽 の場 練習の繰り返し 学びの途中で、まだ成果の出な い者を、待って支える報奨系 テキスト プログラム・マネジメントのステップ Step 1: ミッション・プ ロファイリング あるべき 姿 Step 2: プログラム・ アーキテクチャ設計 Step 3: プログラム実 行のマネジメント Step 4: 価値実現の チェンジ・マネジメント 価値実現 あるがまま の姿 PM教育(育成の支援プログラム)の場合: • 「持つべきPM能力」を考える • どういうステップで育つかを考える • 支援の『仕組み』を作って(システム化)、回す • 成長の成果を生かす © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 28 教育の対象(成長する人材)はだれか • 年齢・経験 – 学生、院生 – 社会人(若手、中堅) – マネージャー • 知識レベル – PMP – Post-PMP • 資質 – 技術者(スペシャリスト)志向 – マネージャー(PM)志向 – PMO志向 © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 29 PM能力とは何なのか? • それは知識なのか、資質なのか、スキルなのか 獲得方法 測定方法 知識 座学で学べる ペーパーテストで測 れる スキル 師匠について繰り 返し練習することで 身につく (座学で促進できる 部分はある) ポイントをしぼった 実技テストで測れる (手間はかかる) 資質 持って生まれるしか ない パフォーマンス全体 の結果から想像す るしかない © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 30 プロジェクト・マネジメントは組織の能力 である • PM能力のピラミッド – プロジェクト・マネージャ個人のスキル • ハード・スキル(知識中心) • ソフト・スキル(「人間力」) プロマネ 個人スキル – プロマネを支えるツールとデータ • WBS体系・標準手順書 • PMソフトウェア • 過去データ – プロジェクト遂行に向けた組織のあり 方 業務手順 情報 過去 WBS体系 システム データ 企業の組織体制・権限 • 組織体制・権限関係 © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 31 Projectの種別 大型 (多分野の技術が関わる) 専門的PJマネ ジメント技術が 必要な領域 プログラム・マネ ジメントの領域 自発型 受注型 (Scopeは顧客が決める) (Scopeは自分で決める) 基礎的PJマネ ジメント技術が 必要な領域 リーダーシップ だけでもカバー 可能な領域 小型 (技術分野は単一に近い) © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 32 わたしが教えていること − Project Management for Everyone 大型 (多分野の技術が関わる) PMBOK Guide® 受注型 (Scopeは顧客が決める) MSP(英国) P2M(日本) Project Management for Everyone 各種リーダー シップ論 自発型 (Scopeは自分で決める) 小型 (技術分野は単一に近い) © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 33 簡単に自己紹介−−日揮とは ●名称 日揮株式会社 (JGC Corporation) ●所在地 [本社] 横浜市西区みなとみらい2-3-1 [海外子会社] 10ヶ所(ヒューストン、ミラノ、上海、ジャカルタ、 シンガポール、マニラ、アルジェ 他) ●主たるビジネス エンジニアリング (工場の設計・調達・建設) ●創立 1928年10月25日(創立83周年) ●売上高 6,250億円 ●海外受注比率 ●従業員 (2012年度・連結) 84 % (2012年度・単体) 10,000 名 (2013年2月現在) 日揮: 2,200 国内関連会社: 3,200 海外関連会社: 4,600 © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 横浜本社 34 エンジニアリング会社とは 工場作りのプロフェッショナル集団 顧客(製造業)のために、工場の設 計・機械資材の調達・建設工事を請 負う 自らは工場も持たず、建設労働者も 抱えないーー 純粋なProject Management 企業 日揮が設計・建設したHawiyah Gas Project Project Management Institute(PMI)の 「Project of the Year」受賞(2002年) © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 35 日揮社内でのPM教育とキャリアパス • • • • PM教育は、社内の座学コースもあるが、その主体はOJTによる PMPなどの資格は要求しない プロマネになるためには、『プロジェクト・エンジニア』という専門職種 を経る必要がある プロジェクト・エンジニアとは: – プロマネのスタッフとして、プロジェクトの中の様々なコーディネーション 業務を担当する、一種のジェネラリスト – 大学の専門は問わない(工学部出身者が多い) – 最初からプロジェクト・マネジメント部門に配属する – ただし、固有分野の技術をある程度身につけるために、専門部に2~3年 ローテーションすることは多い – 専門部出身で、中堅になってからプロジェクト・エンジニアに転身する人 間もいる(わたし自身もその一人) © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 36 プロジェクト組織(3) マトリクス型組織 役員 機能部門長 (設計) 機能部門長 (調達) 機能部門長 (建設) Project 部門長 部員(設計) 部員(調達) 部員(建設) Project Manager A 部員(設計) 部員(調達) 部員(建設) Project Manager B 部員(設計) 部員(調達) 部員(建設) Project Manager C Project(案件)C に関与するメンバー (Projectの連絡・調整はProject Managerと担当者間で直接、行われる) © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 37 教育をシステム(仕組み)とするために • 人 – 学ぶ人、教える人 • カリキュラム・コンテンツ – テキスト、e-Learning System、Trainer’s training(教師の教育) • 場 – 座学の場、定期的メンタリングと交流の場 • 報酬系 – 資格認定制度(?) • PMの資格には強い意味はない(法的強制力が無い)。求職・転職用。 • 教師の資格と、アナリストの資格は意味がある • 財政基盤 – 参加費、スポンサー、奨学金・補助金制度など © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 38 PM教育のカリキュラム(私案) • 知識教育でも資質選別でもなく、能力育成を • 最低限の知識教育は必要:Project Management for Everyone – インプット学習: 入門書・テキスト・e-Learning(ミニテスト付き) – アウトプット学習: 座学(グループ演習) • 正解のない問題を考える練習が必要 – 勉強(知識教育)は短期集中で • 能力育成には実戦の場(OJT)が必要 – – – – メンタリングが重要 定期的な自己確認(リフレクション)を共有できる場を作る 知識教育の場で、後輩を教えてもらう 評価制度との結びつき、ならびに組織自体の能力評価方法を © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 39 プロジェクト・マネジメント能力の スコアカード • 組織のプロジェクト・マネジメント能力レ ベル (習熟度)を簡単に計測する – プロジェクト・マネージャ個人のスキル – プロマネを支えるツールとデータ – プロジェクト遂行に向けた組織のあり方 • 上記の6評価尺度を約100の質問項目 から数値化し、改善のロードマップとす る – (プロマネのスコープに従って配点を 調整する) © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 40 本研究部会のテーマ • プロジェクトの価値とは何か。それをどう測るか? – – – – 人材の成長 組織の能力の拡大 新マーケットの開発 業務の改善・活性化 非金銭的(定性的)な価値 – キャッシュフローの増大 (価値の反対概念として) – リスクの発生 金銭的(定量的)な価値 *Risk-based Project Valueの提案 プロジェクトの価値を客観評価できる『アナリスト』を確立する © Tomoichi Sato, JGC Corp. (2014) 41
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