年報全文 - 大阪府立公衆衛生研究所

平 成 1 9 年 度
大阪府立公衆衛生研究所
年
報
大阪府立公衆衛生研究所
ま
え
が
き
平成 19 年度(2007 年度)は菓子類の賞味期限偽装、食肉の偽装、老舗料亭の偽装表示など多くの不正が発覚し、食品
に対する消費者の不信が高まった年でありました。また、平成 20 年 1 月 5 日兵庫県高砂市で、1 月 22 日千葉県浦安市で
中国の工場で作られた冷凍餃子を食べた家族に有機リン系農薬メタミドホス中毒が発生しました。1 月 30 日に千葉県が報
道提供したことを受け、大阪府は広報活動を進めると共に、保健所を窓口として当該商品を購入あるいは喫食した府民から
の相談や情報提供あるいは商品の検査を受付けました。当所食品化学課では総計 39 検体の検査を行いましたが、当所で検
査した商品からは農薬は検出されませんでした。
この例のように、大阪府内の食品に関する相談や苦情の受付、食品衛生法に基づく理化学的、微生物学的検査では、保健
所が食品製造所や販売店から収去し、当所で違反食品がないか検査しています。また、食中毒が発生した場合は患者を診察
した医師からの届け出に応じて調査し、推定した原因食品や患者さんの便や嘔吐物などの検体を当所に搬入します。
一方、感染症の発生では、患者さんを診断した病院(定点病院あるいは全ての病院)から保健所を通じ、当所に設置され
た大阪府感染症情報センターを経て国の感染症情報センターに患者数を報告しています。大阪府の場合は、他の府県と異な
り、大阪市、堺市、東大阪市、高槻市と協力して府域全体の患者数の発生状況を毎週解析し、まとめたものを当所のホーム
ページで報告しています。また、病院の一部からは患者さんの検体や、分離された微生物が送られてきます。インフルエン
ザの場合にはこのウイルスを解析することにより、平成 19 年から 20 年にかけた冬には大阪では A ソ連型が流行したこと
が判りました。この調査が次シーズンのワクチンをつくる株の選定に役立ちます。
大阪府には政令指定都市である大阪市と堺市、中核市の東大阪市と高槻市があり、それぞれに地方衛生研究所あるいは保
健所を設置しています。互いに情報を連絡しあってはいますが、感染症の患者さんから分離した病原体の詳細な情報などは
連絡していないのが通例です。そこで平成 19 年度から、結核患者さんから分離した菌の遺伝子解析情報を大阪市立環境科
学研究所と共同して解析し、日本で飛びぬけて高い結核有症率の原因を探り、対策に役立てるための研究を開始しました。
また、府市民向け公開講座も共同して開催し、より多くの方々にご参加いただくことができました。
平成 19 年度は 3 回の健康危機に関する模擬訓練を行いました。1 つは新型インフルエンザ対策総合訓練で、大阪府内の
関係する全ての機関が参加しました。もう 1 つは、京都府保健環境研究所が主催し、近畿の 14 の地方衛生研究所が参加し
たもので、仮想事件に対応した検査と研究所間の協力を行い、これらを実行するための所内の体制つくりを目的としました。
この模擬訓練の経験は、前述の冷凍餃子事件に対する素早い検査態勢つくりに役立ちました。
一昨年度「健康危機発生時における近畿2府7県地方衛生研究所の協力に関する協定書」を福井県、三重県、徳島県を含
む 17 の自治体間で締結しました。平成 19 年度は、これを実効的なものにするために 17 の地方衛生研究所で「連携マニュ
アル」を策定しました。これらは模擬訓練などによって次第に充実されるものと考えています。また、当所はこの協定にお
ける「ブロックセンター」としての役割を果たしていきたいと考えています。
本年報は平成 19 年度に当研究所が実施した全業務の要約です。別途発行しております研究報告とあわせてご高覧いただ
きご批判を仰げれば幸いに存じます。
平成 20 年 10 月
大阪府立公衆衛生研究所
所
長
織
田
肇
沿
革
明治 13 年 12 月、大阪府警察部衛生課の所管として細菌検査薬品試験室が設置され、以来、永年にわたり大阪府におけ
る細菌検査等の試験研究業務を実施してきたが、昭和 24 年 10 月大阪市東成区森の宮に設置された府立衛生研究所に発展
解消し、公衆衛生に関する試験、検査、研究を行うこととなった。
一方、戦後、産業医学・労働衛生に関する調査、研究機関として、昭和 21 年 9 月、大阪市大淀区本庄中通りに府立産業
医学研究所が設置され、昭和 23 年 4 月に労働部所管の府立労働科学研究所に引継がれた。
その後、両研究所の機能拡張のため庁舎改築の必要性が生じ、それを契機として両研究所を機構的に統一し、府民の健康
と生活衛生の向上に寄与するため、昭和 35 年 7 月 1 日に大阪府立公衆衛生研究所が設置された。
査所を廃止)
旧大阪府立衛生研究所
昭和 27 年 10 月
明治 13 年 12 月
大正 15 年 11 月
衛生部公衆衛生課乳肉検査室と薬務
大阪府警察部に衛生課を設置、その
課化学試験室とを府立衛生研究所に
付属機関として細菌検査を主体にし
統合、府立衛生研究所は、総務、細菌、
た検査室を設置
化学、獣医の 4 部制(8 課)となる。
大阪府庁舎の大手前移転に伴い 2 階
昭和 35 年 1 月
研究所を新築の現庁舎に移転
に化学試験室、乳肉検査室、地下に細
旧大阪府立労働科学研究所
菌検査室を設置(警察部衛生課所管)
昭和 17 年 11 月
衛生行政の警察行政からの分離に伴
い、上記各室は内政部衛生課の所管
昭和 21 年 9 月
となる。
大阪府立産業医学研究所を大淀区本庄
中通に設置(衛生部所管)
昭和 20 年 3 月
教育民生部衛生課に所管換え
昭和 20 年 10 月
大阪府立血清製造所を、北河内郡水
医学研究所を廃止し、労働部に所管換
本村(現寝屋川市)に設置
え)
昭和 21 年 5 月
昭和 23 年 4 月
衛生部の創設に伴い、細菌検査室は防
昭和 28 年 8 月
研究所を旭区大宮北之町に移転
疫課に、化学試験室は薬務課に、乳
昭和 35 年 1 月
研究所を新築の現庁舎に移転、庶務、
肉検査室は公衆衛生課に所属
昭和 22 年 5 月
研究第 1、研究第 2 の 3 課制
衛生部防疫課細菌検査室を東区法円
大阪府立公衆衛生研究所
坂町の旧陸軍の建物に移転
昭和 23 年 12 月
同細菌検査室を大阪府細菌検査所と
改称
昭和 24 年 1 月
昭和 24 年 5 月
昭和 24 年 10 月
大阪府立労働科学研究所を設置(産業
昭和 35 年 7 月
旧大阪府立衛生研究所と旧大阪府立労
大阪府立血清製造所を大阪府立細菌
働科学研究所とを統合し、大阪府立公
検査所の支所とする。
衆衛生研究所を設置し、総務部(庶務
大阪府立細菌検査所を現在地(東成
係、調査係)
、公衆衛生部(微生物課、
区中道 1 丁目)に新築移転
化学課、食品衛生課)
、労働衛生部(労
大阪府立衛生研究所を設置(細菌検
働衛生課、
環境衛生課)の 3 部をおく。
昭和 36 年 10 月
昭和 37 年 7 月
精神衛生部(環境精神衛生課、成人精
健文化賞を贈られ、厚生大臣より表彰
神衛生課、児童精神衛生課)を設置
される。
総務部に経理係を、公衆衛生部にウイ
昭和 57 年 11 月
ルス課を設置
昭和 38 年 8 月
研究機関に指定される。
昭和 60 年 3 月
公害部を設置し、新たに設置した水質
課と、労働衛生部より移管した環境衛
平成 5 年 4 月
課庶務係及び調査係を総務課総務係及
業務を公害部で実施することとなる。
び調査係に名称を変更
平成 6 年 4 月
一課制となる。
精神衛生部を大阪府立こころの健康総
合センターに移管
平成 8 年 4 月
総務部に庶務課を設置し庶務係、経理
研究所業務の総合企画、調整及び情報
係、調査係で組織
機能強化のため、総務課調査係を総務
薬事指導部を設置し、府薬務課で行っ
課企画情報室に改める。
平成 9 年 4 月
ていた指導業務の技術的部分を主体に
した指導係と、公衆衛生部化学課に属
食品衛生検査の信頼性確保部門責任者
として総務部に検査管理室長を設置
平成 11 年 4 月
していた薬品化学部門を母体にした試
験係との 2 係を設置
昭和 43 年 9 月
総務部庶務課を総務部総務課に、庶務
衛生部とにまたがって処理されていた
これにより、労働衛生部は労働衛生課
昭和 41 年 4 月
WHO 基 準 に 準 拠 し た 安 全 実 験 施 設
(P3 レベル)竣工
生課の 2 課制とし、公衆衛生部と労働
昭和 39 年 5 月
文部大臣より文部省科学研究費補助金
感染症予防法に対応して感染症解析プ
ロジェクト担当総括研究員を設置
府公害監視センターの設置にともな
平成 12 年 4 月
い、公害部(水道課、環境衛生課)の
総務部が総務課、検査管理室、企画情
報室の 1 課 2 室制になる。
一部で実施していた公害関係調査業務
平成 15 年 4 月
5 部7課 3 室を 4 部8課に組織再編
が同センターに移管され、両課を再編
総務部を企画総務部と名称変更
成して環境衛生部・環境衛生課(1 部
検査管理室と企画情報室を統合して企
1 課制)を設置(公害部廃止)
画調整課とする。
食品衛生部を新設し、公衆衛生部の化
公衆衛生部、食品衛生部、労働衛生部、
学課と食品衛生課をそれぞれ食品化学
薬事指導部、公害衛生室の 4 部 1 室
課と食品細菌課として移管。また、環
を感染症部、食品医薬品部、生活環境
境衛生部を廃止して同部の環境衛生課
部の 3 部とする。
を公衆衛生部に移管すると共に、公衆
感染症部には、細菌課(旧微生物課と
衛生部に病理課を新設
旧食品細菌課の統合)とウィルス課(旧
昭和 46 年 5 月
公害衛生室を新設
ウィルス課と旧病理課の統合)の2課
昭和 49 年 4 月
薬事指導部の指導係及び試験係を廃止
を、食品医薬品部には食品化学課と薬
し、新たに薬事指導課を設置
事指導課(旧薬事指導部)の2課を、
労働衛生部と薬事指導部の課制(1 部
生活環境部には、環境水質課(旧環境
1 課)を廃止
衛生課)と生活衛生課(旧労働衛生部
環境汚染物質の人体影響調査及び研究
と旧公害衛生室の統合)の2課を置く。
昭和 45 年 4 月
昭和 50 年 12 月
昭和 51 年 9 月
平成 18 年 4 月
に貢献した業績に対して、第 28 回保
健康福祉部健康づくり感染症課から大
阪府感染症情報センターの業務を移管
ii
目
次
まえがき
沿
革
事業概要
1.組織と業務…………………………………………………………………………………………………………………
1
2.施設の状況及び庁舎の維持管理…………………………………………………………………………………………
3
3.歳入及び歳出………………………………………………………………………………………………………………
4
4.所内委員会の運営…………………………………………………………………………………………………………
5
5.研究備品整備状況…………………………………………………………………………………………………………
6
6.広報、見学、報道…………………………………………………………………………………………………………
6
7.教育、研修…………………………………………………………………………………………………………………
9
8.試験実施件数………………………………………………………………………………………………………………
10
9.調査、研究実施状況………………………………………………………………………………………………………
12
10.組換え DNA 実験、安全実験室の運用…………………………………………………………………………………
18
11.所内研究発表会、公開セミナー………………………………………………………………………………………… 19
12.図書及び資料の刊行……………………………………………………………………………………………………… 20
課別事業内容等
企画調整課
1.所全体に係わる企画、調整………………………………………………………………………………………………
21
2.地研全国協議会関連の活動………………………………………………………………………………………………
23
3.情報の公開と情報化の推進………………………………………………………………………………………………
23
4.食品衛生検査の信頼性確保業務…………………………………………………………………………………………
23
5.大阪府感染症情報センター………………………………………………………………………………………………
24
細
菌
課
1.試験、検査…………………………………………………………………………………………………………………
25
2.調査、研究…………………………………………………………………………………………………………………
43
3.教育、研修等………………………………………………………………………………………………………………
45
ウイルス課
1.ウイルス試験・検査………………………………………………………………………………………………………
48
2.調査、研究…………………………………………………………………………………………………………………
51
3.会議、委員会、研修、特許等…………………………………………………………………………………………… 54
iii
食品化学課
1.行政検査……………………………………………………………………………………………………………………
55
2.依頼検査……………………………………………………………………………………………………………………
64
3.調査、研究…………………………………………………………………………………………………………………
64
4.教育、研修…………………………………………………………………………………………………………………
68
5.会議、委員会、研究
会等の出席…………………………………………………………………………………………
68
薬事指導課
1.薬事申請等に関する相談指導及び試験検査技術の指導………………………………………………………………
69
2.行政試験……………………………………………………………………………………………………………………
69
3.依頼試験……………………………………………………………………………………………………………………
70
4.調査、研究…………………………………………………………………………………………………………………
70
5.教育、研修、指導等………………………………………………………………………………………………………
74
環境水質課
1.依頼試験・検査……………………………………………………………………………………………………………
75
2.調査、研究…………………………………………………………………………………………………………………
76
3.教育、研修、講演、会議、派遣、指導、協力…………………………………………………………………………
80
生活衛生課
1.試験、検査…………………………………………………………………………………………………………………
82
2.調査、研究…………………………………………………………………………………………………………………
82
3.教育、研修、講演、会議、派遣、指導、協力…………………………………………………………………………
84
府 ・ 国 ・ 地 研 関 連 業 等 ………………………………………………………………………………………………………… 86
業
績
集
誌上発表等………………………………………………………………………………………………………………………
89
学会発表等………………………………………………………………………………………………………………………
95
iv
事 業 概 要
事
業
概
1.組織と業務
(平成20年3月31日現在)
総
・研究所業務の総合調整、職員の人事・給与、施設の維持管理
務 課
(15名)
企画総務部
・所の運営に係る予算、決算及び金銭や物品の出納、経理事務
・公文書の管理、依頼検査結果の発行、公衆衛生関係者の教育及び
訓練に関する事務
(23名)
・研究所業務の総合的な企画・調整
企画調整課
・健康危機管理体制の整備・推進、公衆衛生に関する情報の提供、
(7名)
情報ネットワークの管理運営
・食品衛生に係る試験検査の信頼性確保業務
・大阪府感染症情報センターに関する事務
細
・市販食品の安全性に関する試験・検査
菌 課
(17名)
感 染 症 部
・各種ウイルス性疾患の確定診断と感染症発生動向調査
ウイルス課
(20名)
長
・感染症、食中毒起因菌の疫学解析、病原因子の研究
・輸入感染症の原因菌検索、食品中の真菌、魚介毒の研究
(38名)
所
・感染症と食中毒の原因因子の検索・同定
(118名)
・リケッチア症、原虫症、寄生虫病の診断、及び、蚊、ダニ、ネズ
ミ等の検査
・ウイルス性疾患、リケッチア症、原虫症、寄生虫病の診断法の開
発と発症メカニズムの研究
副所長
・エイズ、麻疹等の疫学調査、予防法、治療法及び病理学的研究
・食品添加物、残留農薬、PCBs、動物用医薬品、カビ毒、遺伝子
食品化学課
組換え食品、アレルギー物質、重金属、器具・容器包装、おもち
(20名)
ゃ等の規格基準に基づく試験検査
・食品中残留農薬、食品添加物、動物用医薬品等の各種分析法の開
食品医薬品部
発及び実態調査
(31名)
・微量有害物質の実態調査及びヒトに対する曝露評価
・医薬品等(医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器)の承認に
薬事指導課
(10名)
係る調査、製造や輸入に関する相談指導
・医薬品等の薬事法に基づく試験検査
・医薬品等の品質評価に係る調査研究
・水道原水及び浄水中の微量有害物質や環境微生物の検査
環境水質課
(13名)
生活環境部
・プール水、浴槽水、温泉、生活排水及び下水の検査
・水環境中の未規制有害物質及び環境微生物に関する研究
・生活排水等の効率的な処理法に関する研究
(25名)
・環境中の放射能調査
生活衛生課
・職場の作業環境測定と特殊健康診断の実施
(11名)
・家庭用品及び住居環境中の化学物質の測定
・職場、家庭内の有害因子による健康影響評価
・大気汚染による生体影響評価に関する研究
図 1.1
組織と業務
要
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 1.1
部課別 • 職種別現員表
(平成20年3月31日現在)
一
職
医
薬
獣
化
農
応
生
経
環
種
般
芸
用
営
境
医
事
部
化
化
学
学
工
工
学
学
課
課
務
企画
総務部
感染症
部
薬品部
生活
環境部
合
師
学
物
食
生
床
品
検
検
査
査
技
技
師
師
電
動
衛
車
生
運
監
転
視
員
自
気
手
電
汽
機
缶
器
操
換
手
合
療
話
交
医
作
士
手
計
1
1
所
長
1
1
総
務
課
9
企画調整課
1
細
菌
2
1
課
1
1
1
1
10
1
17
薬事指導課
10
環境水質課
8
1
生活衛生課
4
1
10
3
41
1
2
2
1
16
1
1
食品化学課
計
1
14
ウイルス課
食品医
学
臨
長
所
副
師
衛
7
1
2
17
2
5
20
3
21
10
25
4
3
6
1
1
1
3
14
1
1
2
3
1
2
6
11
1
2
2
2
1
7 118
注)
(1) 感染症部長(兼務)は副所長の項に掲出。企画総務部長、食品医薬品部長、生活環境部長は、それぞれ総務課、食品化学課、環境水質課の項に掲出
(2) 一般事務の職名は事務吏員、他は技術吏員である
(3) 行政職は、一般事務、経営工学、食品衛生監視員、医療機器操作手、総務課の他の職種、企画調整課の化学である
(4) 研究職は、(3)以外の職種である
事
業
概
2.施設の状況及び庁舎の維持管理
至大阪駅
本 館
2
3
大阪城公園
動
物
舎
大阪がん予防
検診センター
1
阪神高速道路
至
本
町
駅
別
地下鉄森ノ宮駅
地下鉄中央線
館
環境情報センター
大阪府立健康
科学センター
J
R
森
之
宮
駅
地
鶴下
見鉄
緑長
地堀
線
大阪府立公衆
衛生研究所
至天王寺駅
1.ボイラー機械室・監視室
2.特定屋内貯蔵所
3.高圧ガス容器置場
図 1.2
建物の配置および付近の見取図
表 1.2
建物の概要
(平成20年3月31日現在)
名
称
構
造
建面積
延面積
備
考
S34.12 竣工
本
館
鉄筋コンクリート造4階建
1,660.29
6,867.52
別
館
鉄筋コンクリート造6階建
643.25
4,272.18
S49.10 竣工
ボ イ ラ ー 機 械 室
鉄筋コンクリート平屋建
233.27
260.97
S49.10 竣工
動
鉄筋コンクリート2階建
202.50
405.05
S45.3 竣工
物
舎
S37.2 増築
ボ イ ラ ー 監 視 室
軽量鉄骨造平屋建
9.69
9.69
S51.2 竣工
特 定 屋 内 貯 蔵 所
鉄筋コンクリート平屋建
8.99
8.99
H4.3
竣工
高圧ガス容器置場
鉄筋コンクリート平屋建
8.25
8.25
H20.2
竣工
2,766.24
11,832.65
合
計
(m2)
敷地
5,790.91
至
長
田
駅
要
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
3.歳入及び歳出
表 1.3
科
総
歳入決算
目
決算額(円)
額
70,159,713
使用料及び手数料
36,377,760
国 庫 支出金
諸
収
8,305,000
入
25,476,953
表 1.4
科
総
歳出決算
目
決算額(円)
額
1,299,264,080
健康福祉総務費
908,289,807
報
酬
4,775,880
給
料
530,658,252
手当
372,091,850
職
共
員
済
旅
費
656,225
費
107,600
衛生研究所費
共
済
賃
報
261,306,077
費
19,776
金
償
旅
4,263,150
費
240,674
費
5,338,556
需
用
費
116,265,568
役
務
費
1,717,452
委
託
料
72,523,192
使用料及び賃借料
42,351,936
工事 請負 費
4,725,000
備品 購入 費
13,038,427
負担金、補助及び交付金
822,346
総務管理費(一般管理費)
9,104,959
公衆衛生費(予防費等)
20,724,563
環境衛生費(食品衛生費)
77,436,230
医
13,031,629
薬
費(薬務費)
商工業費(商工業振興費)
7,221,071
農業費(環境農林水産総合研究所費)
工業高等専門学校費(学校管理費)
300,000
1,849,744
事
業
概
要
4.所内委員会の運営
表 1.5
委
員
会
所内委員会一覧
委員長・議長
委員
緊急対策特別委員会
織田
肇
15名
所外学識経験者2、地域代表者9、所内委員4
病原体等取扱安全管理委員会
織田
肇
11名
所外学識経験者5、地域代表者1、所内委員5
組換えDNA実験安全委員会
織田
肇
9名
所外学識経験者3、所内委員6
調査研究評価委員会
近藤雅臣(所外) 10名
所外学識経験者7、所内委員3
倫理審査委員会
赤阪
所外学識経験者3、所内委員3
進
6名
備
考
労働安全衛生法(昭和47年法57)及び大阪
安全衛生委員会
織田
肇
17名
府職員安全衛生管理規程(昭和55年訓職140)
による安全衛生管理に関する委員会
感染症防止対策委員会
高橋和郎
9名
病原体等取扱安全管理運営委員会 高橋和郎
12名
動物実験委員会
加瀬哲男
9名
放射性同位元素等による放射線障害の防止に
放射線運営委員会
渡邊
功
5名
関する法律(昭和32年法167第21条)による
管理運営の組織
感染症情報センター運営委員会
高橋和郎
12名
バイオサイエンス委員会
高橋和郎
6名
感染症解析プロジェクト委員会
高橋和郎
6名
公衆衛生情報委員会
薬師寺積
10名
図書運営協議会
田中之雄
10名
研究発表会運営委員会
山本丈雄
9名
化学薬品安全対策委員会
岩上正藏
8名
所報編集委員会
井上
清
9名
化学安全実験室運営委員会
熊谷信二
5名
公衛研ニュース編集会議
田口修三
8名
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
5.研究備品整備状況
表 1.6
備
品
新たに取得した主要研究備品
名
形
式
超低温フリーザー
日本フリーザー
CLN-35C、自動冷却補助装置CO2
ガスクロマトグラフ
島津製作所
GC-2010AF/AOC
GPCクリーンアップ装置
日本ウォーターズ
717PLUSオートサンプラー他
6.広報、見学、報道
表 1.7
インターネットによる情報発信
研究所の紹介、研究活動、健康危機事例データ、トピックス等
Webによる情報発信
【感染症情報センター】
感染症発生動向情報(週報、月報、年報:事業報告書)、感染症
ものしり講座
メールマガジンの配信
44号〜55号を配信
定期購読者:約650名
表 1.8
号数
発行日
タ
公衛研ニュース
イ
ト
ル
結核菌の多剤耐性について
第34号
H19.8.27
第36号
菌
著
者
田丸亜貴
企画調整課
足立伸一
インフルエンザとは?
ウイルス課
森川佐依子
医薬品類による水環境汚染
環境水質課
安達史恵
HIV/エイズの現状
ウイルス課
森
生薬・漢方薬の品質
薬事指導課
山崎勝弘
生活廃水処理系汚泥のコンポスト化に
細
属
課
ついて
第35号
所
H20.1.23
治代
H20.3.17
事
表 1.9
年月日
H19.4.2
H19.5.30
担
当
課
細
菌
課
ウ イルス 課
区
環 境水 質課 見
学
概
見学等の受入れ
分
講義・見学
業
テーマ
見
学
者
平成18年度(中国国別研修)
中国衛生部等感染
「予防接種行政」に係る研修
症行政専門官ほか
分析室等の見学
ベトナム環境関係
研究所職員
人数
8
10
企 画調 整課
ウ イルス 課
H19.6.28
食 品化 学課
薬 事指 導課
講義・見学
公衆衛生研究所について
大学生
36
大学生
20
感染症の予防について
小学校教諭
90
公衆衛生研究所について
専門学校生
20
大学生
9
大学生
8
環 境水 質課
生 活衛 生課
企 画調 整課
食 品化 学課
H19.7.10
薬 事指 導課 講義・見学
環 境水 質課
公衆衛生研究所における薬剤師の
仕事について
生 活衛 生課
企 画調 整課
H19.8.22
細
菌
課 講義・見学
ウ イルス 課
企 画調 整課
H19.9.19
細
菌
課
食 品化 学課
講義・見学
環 境水 質課
企 画調 整課
H19.10.10
ウ イルス 課
環 境水 質課
講義・見学
・公衆衛生研究所について
・アスベスト問題について
生 活衛 生課
・結核の調査結果について
細
菌
課
ウ イルス 課
H19.10.17
食 品化 学課 講義・見学
薬 事指 導課
環 境水 質課
・輸入感染症について
・HIV検査について
・フグ毒の毒性について
・食品の安全検査について
・食品アレルギーについて
・医薬品の承認について
・大阪府の上水道水について
要
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 1.10
掲載日
新
H19.4.21
毎日新聞
H19.5.18
朝日新聞
H19.5.22
H19.5.31
聞
社
新聞報道
取
材
内
容
関係部署
清涼飲料水から医薬品成分検出
薬事指導課
家庭で起こる食中毒としての腸管出血性大腸
菌の実態とその防止法について
産経新聞
大阪市東淀川区の井戸水中のPFOS(パーフル
共同通信社
オロオクタン酸)の検出について
サンケイリビン
グ新聞社
家庭での食中毒防止について
透過型電子顕微鏡写真「Bacillusとアゾ染料分
細
菌
課
環境水質課
細
菌
課
H19.9.15
技術評論社
H19.9.21
日刊現代
シックカーについて
生活衛生課
H19.10.11
産経新聞
公衛研の建て替えについて
総
HIV/AIDSの現状および感染予防について
ウイルス課
H19.11.25
朝日中学生
ウィークリー
解酵素を用いた抜染例」の借用依頼
ウイルス課
務
課
H19.12.11
日本経済新聞
ノロウイルスの流行状況と予防方法について
ウイルス課
H20.2.7
読売新聞
ギョウザ中のメタミドホスの分析状況
食品化学課
H20.2.9
読売新聞
ジクロルボス(試薬)の写真撮影
食品化学課
H20.2.10
読売新聞
ギョウザ中のメタミドホスの検出について
食品化学課
表 1.11
掲載日
放
H19.4.18
ラジオNIKKEI
ノロウイルス感染について、一般開業医むけ
ウイルス課
H19.4.19
毎日放送
麻疹の流行について
ウイルス課
H19.4.27
読売テレビ
麻疹の流行について
ウイルス課
H19.5.7
読売テレビ
日本脳炎及び日本脳炎ワクチンについて
ウイルス課
H19.5.15
関西テレビ
麻疹の現状とその予防方法について
ウイルス課
H19.5.16
読売テレビ
麻疹の現状とその予防方法について
ウイルス課
H19.5.19
毎日放送
麻疹の現状とその予防方法について
ウイルス課
H19.5.31
読売テレビ
H19.8.7
送
局
電波報道
毎日テレビ
NHK
取
材
内
容
輸入土鍋からの鉛の溶出報道に関連して試薬
の金属鉛を撮影
関係部署
食品化学課
O157感染症について
細
菌
課
H19.8.7
関西テレビ
O157の食中毒予防について
企画調整課
H19.12.4
NHK
インフルエンザの流行と予防について
ウイルス課
インフルエンザの流行と予防について
ウイルス課
H19.12.7
読売テレビ
朝日放送
H19.12.10
読売テレビ
インフルエンザの流行と予防について
ウイルス課
H19.12.27
NHK
インフルエンザの流行について
ウイルス課
H20.2.2
NHK
ギョウザ中のメタミドホスの分析状況撮影
食品化学課
H20.2.4
読売テレビ
ギョウザ中のメタミドホスの分析状況撮影
食品化学課
事
業
概
7.教育、研修
開始日
期
間
表 1.12
国内からの研修の受入れ
担当部課
研修内容
菌
人数
公衆衛生学実習
学生
2
H19.5.10
6ヶ月
細
H19.6.18
1ヶ月
環境水質課
温泉成分分析
民間
1
H19.8.24
1ヶ月
食品化学課
亜硫酸塩の分析法
民間
1
H19.9.3
1ヶ月
細
細菌学
学生
1
H19.9.7
7ヶ月
ウイルス課
感染症学
学生
1
H19.10.1
6ヶ月
ウイルス課
ウイルス学
学生
1
H19.10.9
1ヶ月
細
菌
課
ノロウイルスの検出方法
民間
1
H19.11.1
4ヶ月
細
菌
課
食中毒菌の分析技術の習得
民間
1
派遣国
人数
菌
課
研修者
課
表 1.13
研修期間
海外からの研修の受入れ
担当部課
研修内容
該当なし
表 1.14
所
属
副所長
ウイルス課
研究者
高橋和郎
加瀬哲男
森川佐代子
期
研究職員の国際会議、学会等への派遣
間
H19.6.16〜H19.6.27
第6回インフルエンザ制圧のための国際会議(カナダ)
H19.6.16〜H19.6.24
〃
表 1.15
所
属
ウイルス課
学会名及び国名
研究者
大学等教育機関名
宮川広実
国立大学法人大阪大学
大学等の講師
期
間
H19.4.1〜H20.3.31
講
義
ウイルス性疾患
と予防接種
回数
1回
要
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
8.試験実施件数
表 1.16 (1)
衛生検査実施件数
依頼によるもの
保健所
住民
保健所
以外の
行政機関
98
316
分離・同定・検出
結
核
核酸検査
91
化学療法剤に対する耐性検査
性
梅
病
172
23
3
その他
(医療機
関、学校、
35
2
その他
134
1
ウイルス
リケッチア
クラミジア・マイコプラズマ
ウイルス・リケッチア等検査
52
1
ウイルス
抗体検査
リケッチア
551
148
4
774
24
もの
計
事業所等)
毒
分離・同定・検出
依頼に
よらない
912
15
21
2
98
196
4,975
24
1
4
307
341
94
98
196
6,572
173
19
848
29
クラミジア・マイコプラズマ
病原微生物の動物試験
原
原虫・寄生虫等
125
虫
39
5,918
寄生虫
4
そ族・節足動物
989
125
39
6,911
20
1,421
662
1,509
1,674
69
1,674
真菌・その他
細
病原微生物検査
1,421
662
1,489
菌
ウイルス
核酸検査
食中毒
理化学的検査
動物を用いる検査
その他
69
血液検査(血液一般検査)
エイズ(HIV)検査
血清等検査
HBs抗原、抗体検査
その他
臨床検査
生化学検査
先天性代謝異常検査
その他
尿一般
尿検査
85
118
29
114
118
162
2,504
423
810
2,666
423
929
2,570
神経芽細胞腫
その他
アレルギー検査(抗原検査・抗体検査)
その他
2,526
微生物学的検査
食品等検査
理化学的検査(残留農薬・食品添加物等)
動物を用いる検査
44
1,095
3
114
66
256
376
23
218
607
54
235
173
119
412
1,621
69
その他
分離・同定・検出
(上記以外)
細菌検査
核酸検査
2
抗体検査
化学療法剤に対する耐性検査
医薬品・家庭用品等
医薬品
検査
医薬部外品
10
151
2
474
281
203
91
46
463
5
225
231
1,800
716
688
713
197
2
事
表 1.16 (2)
業
概
衛生検査実施件数
依頼によるもの
保健所
住民
保健所
以外の
行政機関
関、学校、
依頼に
よらない
もの
計
事業所等)
16
化粧品
16
3
医療機器
医薬品・家庭用品等
その他
(医療機
3
毒劇物
検査
211
17
家庭用品
その他
109
21
320
38
1
1
129
65
栄養関係検査
細菌学的検査
水道原水
1
理化学的検査
1
54
生物学的検査
水道等水質検査
1
89
細菌学的検査
飲用水
理化学的検査
利用水等(プール
細菌学的検査
水等を含む)
理化学的検査
73
65
10
84
24
25
5
35
198
5
細菌学的検査
一般廃棄物
理化学的検査
生物学的検査
廃棄物関係検査
細菌学的検査
産業廃棄物
理化学的検査
生物学的検査
108
635
84
635
192
35
187
222
2
60
75
48
46
77
108
46
2,706
2,722
SO2・NO2・OX等
浮遊粒子状物質
降下煤塵
大気検査
有害化学物質・重金属等
酸性雨
その他
公共用水域
環境・公害関係検査
工場・事業場排水
水質検査
浄化槽放流水
6
その他
78
2
2
208
2
294
騒音・振動
悪臭検査
土壌・底質検査
環境生物検査
藻類・プランクトン・魚介類
24
その他
16
一般室内環境
その他
509
10
環境試料(雨水・空気・土壌等)
放射能
食
品
29
42
その他
その他
22
計
11
8,774
10,133
7,026
509
10
42
温泉(鉱泉)泉質検査
総
6,997
24
3,125
305
305
24,683
46,737
要
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
9.調査、研究実施状況
表 1.17 (1)
通常研究、開発研究
【感染症部】
課
研
究
課
題
研
究
者
腸管感染症および類似疾患における細
勢戸和子、田口真澄
菌学的研究
坂田淳子
細
菌
課
細
菌
課
細
菌
課
細
菌
課
細菌性食中毒に関する研究
細
菌
課
細菌性呼吸器感染症に関する調査研究
共同研究
勝川千尋、河原隆二
田丸亜貴
結核菌および非結核性抗酸菌に関する
田丸亜貴、河原隆二
研究
勝川千尋
石橋正憲、川津健太郎
山崎
渉
食品内で産生される細菌毒素に関する
浅尾、努、河合高生
*企画調整課
研究
久米田裕子*
細
食中毒原因物質としてのノロウイルスに
依田知子、山崎謙治*
*ウイルス課
関する研究
左近直美*、神吉政史
細
菌
課
魚介毒に関する研究
濱野米一、川津健太郎
細
菌
課
食品由来真菌に関する研究
久米田裕子*、浅尾
菌
課
*企画調整課
細
菌
課
ウイルス課
大阪府における超多剤耐性結核菌の疫
学調査
腸管感染性ウイルスに関する研究
備考
努
千葉大学真菌医学
研究センター
他
終了
開発研究
田丸亜貴
終了
山崎謙治、左近直美
加瀬哲男、森川佐依子
ウイルス課
ウイルス性呼吸器感染症の研究
弓指孝博、青山幾子
ばば小児科
西村公志、宮川広実
大阪市立大学
倉田貴子、高橋和郎
ウイルス課
ヒトヘルペスウイルスに関する研究
小田美光、宮川広実
ウイルス課
衛生動物を介する感染症に関する研究
弓指孝博、青山幾子
ウイルス課
HIV感染症に関する研究
ウイルス課
*環境水質課
ウイルス課
ウイルス課
原虫・寄生虫症に関する研究
花粉症対策のための基礎的研究
ウイルスと環境化学物質の突然変異誘
導に関する研究
森
治代、川畑拓也
小島洋子
大國診療所
他7施設
木村明生、倉田貴子
枝川亜希子*
西村公志
小田美光
12
終了
事
表 1.17 (2)
業
概
要
通常研究、開発研究
【食品医薬品部】
課
研
究
課
題
研
究
者
共同研究
備考
大阪府立大学
終了
尾花裕孝、池辺克彦
食品化学課
食品添加物等に関する衛生学的研究
北川幹也、吉光真人
野村千枝、粟津
住本建夫、村田
食品化学課
食品中の残留農薬に関する研究
高取
薫
弘
聡、北川陽子
柿本幸子、岡本
葉
田口修三、小西良昌
食品化学課
食品中及びに母乳に残留する微量有害
起橋雅洋、阿久津和彦
物質に関する研究
小阪田正和、柿本健作
藤田瑞香
食品化学課
母乳中の残留性有機汚染物質(POPs)
小西良昌、北川幹也、
とその代謝物に関する研究
阿久津和彦、柿本健作
食品化学課
遺伝子組換え食品に関する研究
食品化学課
内分泌かく乱化学物質に関する研究
食品化学課
食品化学課
吉光真人、北川幹也
野村千枝、粟津
薫
高取、聡、北川陽子
岡本
葉
加工食品中の特定原材料の分析法開発
北川幹也、吉光真人
および実態調査
野村千枝、粟津
食品の放射線照射に関する研究
尾花裕孝
薫
生薬・漢方製剤の品質評価に関する研
薬事指導課
究
-固相抽出法を用いた生薬・漢方製
山崎勝弘
剤中のセンノシド類の迅速分析法の開発
生体試料中の薬物の迅速定量法に関す
薬事指導課
る研究
岡村俊男
-バルビツール酸系薬物を対象として薬事指導課
無承認無許可医薬品のスクリーニング
検査法の開発
沢辺善之
香粧品に配合されるドナー型防腐剤か
薬事指導課
ら遊離するホルムアルデヒドに関する
梶村計志、田上貴臣
研究
薬事指導課
薬事指導課
薬事指導課
蛍光染色法を用いた化粧品中の微生物
検出に関する研究
皐月由香
生薬の残留農薬による汚染の実態に関
梶村計志、田上貴臣
する研究
皐月由香、中村暁彦
生薬に残留する農薬の一斉分析法の開
発及びその実態調査
田上貴臣、梶村計志
13
終了
開発研究
終了
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 1.17 (3)
通常研究、開発研究
【生活環境部】
課
研
究
課
題
研
究
者
共同研究
備考
宮野啓一、田中榮次
土井
環境水質課
淀川水系の水質調査
均、味村真弓
小泉義彦、高木総吉
枝川亜希子
安達史恵、渡邊
功
田中榮次、宮野啓一
環境水質課
環境水質課
環境水質課
環境水質課
生活衛生課
生活衛生課
生活衛生課
生活衛生課
水質試験における分析方法の開発等に
味村真弓、小泉義彦
関する研究
高木総吉、安達史恵
環境微生物に関する調査研究
渡邊
功
土井
均、肥塚利江
枝川亜希子
小規模分散型生活排水処理システムに
山本康次、中野
関する研究
奥村早代子
環境放射能および環境放射線の測定
仁
肥塚利江、味村真弓
渡邊
功
有害作業のある小規模事業所における
熊谷信二、小坂
博
労働衛生管理の推進に関する研究
宮島啓子、吉田
仁
住居環境中の有害化学物質への曝露実
態とその評価方法に関する研究
家庭用品に関する衛生学的研究
終了
終了
吉田俊明、松永一朗
大阪府立産業技術
中島晴信、宮野直子
総合研究所 他6施
松永一朗
設
大気汚染および住環境による健康影響
中島孝江、東恵美子
労働安全衛生総合
に関する研究
大山正幸
研究所
表 1.18
他3施設
大阪府公設試支援型研究開発事業
研究開発テーマ
所
亜硝酸ガス発生装置の開発と亜硝酸の生体影響評価
属
生活衛生課
大山正幸
環境農林水産総合研究所
岡
大阪府立大学大学院
工学研究科
大阪市域を含む結核菌分子疫学調査
研究者
憲司
竹中規訓
相模女子大
安達修一
細菌課
田丸亜貴
大阪市立環境科学研究所
長谷
篤
和田崇之
14
事
表 1.19
研
究
課
業
概
受託研究、共同研究
題
所
細
抗ノロウイルス抗体作製に関する研究
菌
属
課
企画調整課
抗インフルエンザ抗体の中和機能に関する研究
研究者
依田知子、井上
清、赤阪
進
ウイルス課
加瀬哲男、森川佐依子、弓指孝博
企画調整課
赤阪
進
ウイルス課
高橋和郎、加瀬哲男、廣井
細
課
倉田貴子、青山幾子、弓指孝博
ヒトインフルエンザウイルス迅速診断法に用いる抗インフルエ
ウイルス課
高橋和郎、西村公志、倉田貴子
ンザウイルス抗体の性能評価及び検体抽出液の性能評価
細
河原隆二
呼吸器感染症の診断技術の向上に関する研究
免疫グロブリン製剤に含まれる抗インフルエンザHI抗体価と
中和抗体価の関係について
ココアの抗インフルエンザウイルス効果の解析
菌
菌
課
ウイルス課
ウイルス課
新興・再興感染症制圧に向けた国内外連携研究拠点形成(新型
インフルエンザに対する診断・予防及び治療に関する総合研
高橋和郎、西村公志、廣井
供給
インフルエンザウイルス抗原検出キットの性能評価
ウイルス感染症体外診断薬の開発及びソフトコンタクトレンズ
消毒剤の有効性に関する研究
動物細胞を宿主細胞として使用した組換え型ヒトコラーゲンの
効率的な製造方法の開発
シュガーチップおよび糖鎖固定化金ナノ粒子を用いたウイル
スー糖鎖結合様式の解析
Technologyノロウイルス
検出試薬キット」改良のための技術支援と改良後の評価
聡
加瀬哲男
ウイルス課
左近直美、西村公志、弓指孝博
倉田貴子、木村明生、廣井
市中におけるインフルエンザウイルスの菌株の分離・培養及び
「Ampdirect
高橋和郎、加瀬哲男、西村公志
倉田貴子
高橋和郎、加瀬哲男、森川佐依子
究)
インフルエンザ迅速診断試薬の開発研究
聡
ウイルス課
加瀬哲男、森川佐依子
ウイルス課
加瀬哲男、森川佐依子
ウイルス課
加瀬哲男、森川佐依子
ウイルス課
加瀬哲男、廣井
ウイルス課
加瀬哲男
ウイルス課
加瀬哲男、廣井
ウイルス課
山崎謙治
聡
聡、森川佐依子
西村公志、廣井
聡、森川佐依子
聡、加瀬哲男
食品素材によるウイルス感染予防効果の検証
ウイルス課
組換えバキュロウイルスを用いたウイルス様粒子の作製とウイ
ウイルス課
左近直美、山崎謙治、依田知子
ルス感染症の診断及び予防に関する研究
細
井上
RT-PCR法による迅速で簡便なRNAウイルスの検出法の開発
ウイルス課
左近直美、川畑拓也
AZT類似構造物の抗HIV試験
ウイルス課
川畑拓也、森
浄化槽面整備後の地域水環境への影響評価
環境水質課
山本康次、中野
生活衛生課
東恵美子
尿中ニコチン代謝物の測定によるニコチェックの有用性の検討
と評価研究
15
菌
課
高橋和郎
清、加瀬哲男、高橋和郎
治代、小島洋子
仁、奥村早代子
要
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 1.20
研究種目
若手研究B
若手研究B
若手研究B
若手研究B
若手研究B
基盤研究B
基盤研究B
基盤研究C
基盤研究C
基盤研究C
文部科学省科学研究費補助金による研究
研
究
課
題
薬剤耐性株の出現は、B群溶血性レンサ球菌感染
症の治療と予防に対する脅威となるか?
インフルエンザウイルスの非流行期間中における
存在様式の解明
大阪府内におけるヒト免疫不全ウイルスの分子疫
学的調査
小児呼吸器感染症に伴う中耳炎の原因微生物の同
定に関する研究
ポリ臭素化ジフェニルエーテルによる母乳および
食品の汚染実態の解明およびリスク評価
先天性サイトメガロウイルス感染症の実態調査に
関する研究
疫学調査による化学物質過敏症の有症率把握と追
跡調査による発症要因の検討
発癌性マイコトキシン汚染食品の迅速診断法の開
発
新型インフルエンザに対する型別迅速診断法の開
発
DNA塩基成分の化学的変性を指標とした食品に
照射された放射線の検出
萌 芽 研 究 ノロウイルスに対する迅速診断法の開発
16
所
細
菌
属
研究者
課 河 原 隆 二
ウ イ ルス 課 森 川 佐 依 子
ウ イ ルス 課 小 島 洋 子
ウ イ ルス 課 倉 田 貴 子
食品化学課 阿久津和彦
ウ イ ルス 課 宮 川 広 実
生活衛生課 中 島 孝 江
企画調整課 久米田裕子
ウ イ ルス 課 山 崎 謙 治
食品化学課 尾 花 裕 孝
副 所 長 兼
感染症部長
高 橋 和 郎
事
表 1.21
概
厚生労働科学研究費補助金、その他の研究助成金による研究
研究課題
地域における健康危機管理に対応するための地方衛生
所 属
補助金等事業者名
厚生労働科学研究費補助金
織田 肇
細 菌 課
勢戸和子
細 菌 課
田口真澄
細 菌 課
浅尾 努
細 菌 課
田口真澄
ウイルス課
加瀬哲男
ウイルス課
森 治代
ウイルス課
小島洋子
HIV検査相談機会の拡大と質的充実に関する研究
ウイルス課
川畑拓也
検査機関の信頼性確保に関する研究
食品化学課
田中之雄
ウイルス課
小田美光
ウイルス課
山崎謙治
ウイルス課
山崎謙治
薬事指導課
中村暁彦
細 菌 課
山崎 渉
大同生命研究助成
細 菌 課
田丸亜貴
大同生命研究助成
薬事指導課
梶村計志
大同生命研究助成
環境水質課
肥塚利江
大同生命研究助成
生活衛生課
中島晴信
大同生命研究助成
研究所機能強化に関する研究
広域における食品由来感染症を迅速に探知するために
必要な情報に関する研究
畜水産食品の微生物等の試験方法に関する研究
食品における微生物迅速検査法の開発及びその精度評
価システムに関する研究
薬剤耐性食中毒菌サーベイランスに関する研究
インフルエンザをはじめとした、各種の予防接種の政
策評価に関する分析疫学研究
薬剤耐性HIVの動向把握のための調査体制確立およびそ
の対策に関する研究
アジア・太平洋地域におけるHIV・エイズの流行・対策
状況と日本への波及に関する研究
代替毒性試験法の評価と開発に関する研究(微生物を用
いた高感度、迅速な遺伝毒性試験の構築研究)
ウイルス感染症アウトブレイクへの迅速対応の研究
淀川流域の流下に伴うノロウイルスの分布と水中ノロウ
イルスのオゾンによる不活化
水環境中濃度の医薬品混合物によるヒト胎児腎由来細
胞増殖への影響について
LAMP法を用いたカンピロバクター・フィータス迅速
検出法の開発
大阪府内に蔓延する同一遺伝子型結核菌の分子疫学
香粧品に配合されるドナー型防腐剤から遊離するホルム
アルデヒドの挙動に関する研究
環境水の原虫汚染とヒトへの感染性に関する調査研究
大阪府内における抗菌製品の市販実態と抗菌薬剤の使
所
研究者
長
用実態に関する研究
業
17
地域健康危機管理研究事業
厚生労働科学研究費補助金
新興・再興感染症研究事業
厚生労働科学研究費補助金
食品の安心・安全確保推進研究事業
厚生労働科学研究費補助金
食品の安心・安全確保推進研究事業
厚生労働科学研究費補助金
食品の安心・安全確保推進研究事業
厚生労働科学研究費補助金
新興・再興感染症研究事業
厚生労働科学研究費補助金
エイズ対策研究事業
厚生労働科学研究費補助金
エイズ対策研究事業
厚生労働科学研究費補助金
エイズ対策研究事業
厚生労働科学研究費補助金
食品の安心・安全確保推進研究事業
(財)ヒューマンサイエンス振興財団
政策創薬総合研究事業
政策医療振興財団
政策医療振興財団研究助成金
河川環境管理財団
河川整備基金研究助成
(財)大阪公衆衛生協会ファルマ・フロ
ンティア基金
要
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
10.組換え DNA 実験、安全実験室の運用
表 1.22
実
験・研
組換え DNA 実験実施状況
究
レベル
所
属
研究者
B1/P2
細
菌
課
勢戸和子
B1/P2
細
菌
課
依田知子
ボツリヌス毒素の高感度検出法
B1/P2
細
菌
課
河合高生
呼吸器系病原細菌における病原性および薬剤耐性に関する研究
B1/P2
細
菌
課
河原隆二
ウイルス性呼吸器感染症の研究
B1/P2
ウイルス課
加瀬哲男
ヒト型コラーゲン大量生産系の構築
B1/P2
ウイルス課
加瀬哲男
B型肝炎ウイルスのX蛋白質による突然変異生成の解析
B1/P2
ウイルス課
小田美光
B1/P2
ウイルス課
小田美光
B1/P2
ウイルス課
宮川広実
B1/P2
ウイルス課
左近直美
B1/P2
ウイルス課
左近直美
B1/P2
ウイルス課
小島洋子
腸管感染症起因菌診断のための遺伝子検査法に関する研究
ノロウイルスキャプシッドの大腸菌・カウロバクター・バキュロウイルスでの発現とノロウ
イルスcDNA全長の哺乳動物細胞での発現
ヒトsulfotransferase遺伝子を導入した変異原性試験菌株の開
発に関する研究
ヘルペスウイルス感染症の核酸診断のための研究
ウイルス性胃腸炎原因ウイルスならびに肝炎ウイルス遺伝子の
クローニング
Astrovirusのウイルスキャプシドの大腸菌での発現
ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)に関する研究vpr遺伝子の
クローニングと発現
18
事
業
概
11.所内研究発表会、公開セミナー
表 1.24
年月日
セミナー/講演
司会/座長
熊谷信二
H.19.5.31
第170回
公衛研セミナー
所内研究発表会
田中之雄
山本丈雄
テーマ
職場巡視と化学物質過敏症外来の経験から
放射線照射生成物を指標にした食品の照射履
歴検知
創立記念
特別講演会
固相抽出法を用いた生体試料中の薬物の迅速
定量法に関する研究
織田
肇
H19.9.27
第171回
公衛研セミナー
熊谷信二
バイオテロと天然痘:病原体の安全管理
熊谷信二
井上 清
H19.11.29
第172回
公衛研セミナー
田中之雄
渡邊 功
井上 清
H20.2.19
H20.3.18
第173回
公衛研セミナー
第174回
公衛研セミナー
織田
肇
昨シーズンのノロウイルス流行状況
動物曝露実験による亜硝酸ガスの生体影響の
検討
尾花裕孝
岡村俊男
(所長)
̶バイオセキュリティーの面から見ると̶
加瀬哲男
(生活衛生課)
(薬事指導課)
【特別講演】
高橋和郎
冨岡公子
(食品化学課)
挨拶:
H19.8.1
講演者
̶亜硝酸ガス発生装置の開発̶
乗用車内装品等から放散される有害化学物質
の乗員曝露とその経気道吸収量の推定
赤身魚におけるヒスタミン食中毒原因菌の特
倉田
毅
(富山県衛生
研究所長)
左近直美
(ウイルス課)
大山正幸
(生活衛生課)
吉田俊明
(生活衛生課)
神吉政史
定
(細菌課)
食事経由のポリ臭素化ジフェニルエーテル摂
阿久津和彦
取量の推定
陰イオン界面活性剤分析法の検討
食品衛生に携わった37年間を振り返って
公衛研での36年
―母乳汚染研究、企画情報、厚労研究―
岩上正藏
薬事指導等の約38年間をふり返って
田中之雄
食品、器具・容器包装の金属に関する思い出
山本丈雄
化学物質の毒性と医薬品の品質を追い求めて
岩上正藏
食品衛生分野における微量元素の探求
19
(食品化学課)
宮野啓一
(環境水質課)
石橋正憲
(細菌課)
薬師寺積
(生活環境部長)
山本丈雄
(薬事指導課長)
池辺克彦
(食品化学課)
片岡正博
(薬事指導課)
田中之雄
(食品化学課長)
要
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 1.25
公開セミナーの開催
日
時
平成20年1月30日(水)午後2時〜4時
場
所
大阪府病院年金会館 コンベンションルーム
目
的
対
象
保健衛生、健康意識の向上に役立つ知識をやさしく解説する
「第9回くらしのサイエンス講演会」として大阪市環境科学研究所と共催
大阪府民
開会のあいさつ
大阪市立環境科学研究所
所長
田窪良行
講演
1) においと暮らし
−快適生活を求めて−
大阪市立環境科学研究所
水環境担当課長
福山丈二
2) “かぜ”って何?
−身近で奥深い病気−
大阪府立公衆衛生研究所
副所長兼感染症部長
高橋和郎
3) 特定保健用食品とは
−上手な利用法−
大阪市立環境科学研究所
食品保健担当課長
森
閉会のあいさつ
大阪府立公衆衛生研究所
企画調整課長
参加者
義明
赤阪
進
93名
12.図書及び資料の刊行
表 1.26
図書及び資料の刊行
平 成19 年度 購入 図書
洋雑誌
15
和雑誌
3
蔵
数
洋 書
2,810
和 書
5,019
(製本済み)
洋雑誌
6,706
和雑誌
2,090
資
書
料
の
刊
行
平成18年度大阪府立公衆衛生研究所年報
(ISSN 0289-9809) 平成19年10月
大阪府立公衆衛生研究所研究報告 No45
(ISSN 1343-2923) 平成19年10月
20
課別事業内容等
企 画 調 整 課
細
菌
課
ウ イ ル ス 課
食 品 化 学 課
薬 事 指 導 課
環 境 水 質 課
生 活 衛 生 課
府・国・地 研
関連事業等
課別事業内容(企画調整課)
企
画
調
整
課
企画調整課は、公衆衛生情報の収集・解析・提供、各種広報活動、研究管理事務、関連機関との連絡調整、情報化の推進、
情報ネットワークの運営・管理、図書室の運営、年報の編集、大阪府感染症情報センターの管理・運営事務、及び大阪府が
行う食品衛生検査の信頼性確保業務を担当している。また、調査研究評価委員会と倫理審査委員会を開催し、さらに公設試
支援型研究開発事業に応募するための企画調整を行った。平成 19 年度の所の整備計画検討に関しては、府市連携の観点か
ら大阪市環境科学研究所との連携協議が優先して行われた。
商工労働部ものづくり支援課を事務局として組織されてお
1.所全体に係わる企画、調整
り、平成 19 年度は企画委員会、研修委員会、交流委員会
が開催された。
1)府市連携協議
(1) 企画委員会
平成 19 年 2 月 9 日、府市連携をテーマに知事と大阪市
平成 19 年 6 月 25 日、11 月 27 日、平成 20 年 2 月 12
長によるトップ懇談が実施され、公衆衛生研究所と大阪市
日の 3 回開催され、公設試支援型研究開発事業の審査結
立環境科学研究所との機能集約の可能性について、平成
果(当所は 2 件応募 2 件採択)や、これまで行ってきた
19 年秋を目途に協議することが決まった。このため、所
提案型調査研究事業のとりまとめについて報告を受けた。
の整備構想については棚上げし、連携協議に重点を置くこ
また、研究所間に共通した問題点などについて協議し、平
とになった。政策企画部企画室(府)と総務局行政部 ( 市 )
成 19 年度の全研究機関の研究課題を掲載した「新技術
の主導のもと、4 月 13 日から 7 月 4 日までに 5 回のワー
ジャーナル」
の発行に協力した。
(委員:赤阪企画調整課長)
キング会議を行い、ソフト・ハード両面から両研究所の合
(2) 研究職職員研修委員会
築の可能性を検討した。しかし、半年の協議では結論が出
ず、秋以降もワーキング会議を重ねたが、建物の耐用年数
研修会テーマに「
『先』を読む研究開発~シャープの液
の違いや GLP(試験実施適正基準)により機器の共同利用
晶戦略~」を選定し、平成 20 年 1 月 31 日にシャープ株
が限られること、また環境分野についても相違点が多いこ
式会社天理総合開発センターを訪問した。ディスプレイ技
と等から、合築については、想定していたメリット程の効
術開発本部石井副本部長から、液晶テレビ製品化の経緯や
果が発揮できないことが判明した。一方、すでに府市で取
今後の展開についてご講演いただくとともに、大阪府から
り組んでいる共同研究や合同府市民公開講座などを一層充
も「ナノカーボン材料の応用技術に関する研究」
「次世代
実させることは、両研究所の機能強化にも繋がることから、
高品位接合技術の開発」
「ポットレス花き苗による壁面緑
今後は衛生・環境の両分野で、積極的に事業連携を推進し
化システムの開発」について研究紹介を行った。双方向性
ていくことになった。
の研修会は初めてで、活発な質疑応答がみられた。当研究
所からは 7 名参加した。
2)大阪府試験研究機関の連携による活動
(委員:勢戸和子)
(3) 若手研究員交流委員会
府立 5 研究機関の連携を進め、科学技術の振興と研究
若手研究員交流会は、大阪府の公設試験研究機関に所属
開発の総合的推進を図るために大阪府研究開発調整会議が
する若手研究員の積極的な交流と情報交換、及び能力と資
21
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
質の向上を目的に行われている。今年度は、10 月 12 日
(金)
東大阪市保健所、高槻市保健所、関西空港検疫所、感染症
に第一回大阪府研究開発調整会議交流委員会に参加し、平
指定医療機関、大阪府内地方衛生研究所などの関係機関と
成 19 年度の若手研究員交流会の実施内容について検討を
合同で総合訓練を行った。当所は大阪府保健所及び東大阪
行った。実施案について所内で希望調査を行ったが、今年
市保健所よりの検体受け入れと検査(模擬)を担当した。
度の若手研究員交流会は実施出来なかったため、来年度に
当日 13 時、訓練開始と共に対策会議を開催し、訓練のシ
持ち越しとなった。
ナリオの説明、東大阪保健所よりの連絡受領を行った。
(委員:北川陽子)
(3)冷凍餃子食中毒対策会議
3)健康危機管理対策会議
平成 20 年 1 月 5 日兵庫県高砂市、1 月 22 日千葉県浦
平成 19 年度は 4 回の対策会議を開催した。3 回は模擬
安市で冷凍餃子を食べた家族に有機リン系と見られる中毒
演習、1 回は事件に対応するためのものであった。企画調
が発生した。1 月 30 日千葉県が報道提供したことを受け
整課は事務局を担当した。
て、大阪府は保健所担当者に対して有症苦情に対して注意
するよう連絡した。
(1)H19 年度厚労科研費補助金分担研究
食品化学課では 1 月 31 日には検査態勢を整え検体搬入
に備えた。
「健康危機管理プロジェクト組織化と近畿ブロックでの
連携構築」
2 月 7 日対策会議を開き、検体搬入状況や検査結果など
井端班
健康危機管理に備えた各地研の健康危機管理要領などの
について報告を受けた。
整備とそれらを活用した模擬演習を行った。
4)調査研究評価委員会
10 月 2 日、京都府保健環境研究所から送られた 2 種類
の食中毒事例のシナリオと模擬検体を対象として 1 例は
細菌学検査、もう 1 例は理化学検査を行った。模擬演習
平成 19 年 7 月 19 日(木)に外部評価委員 6 名、内
当日第 1 報があったとして 9 時 25 分に対策会議を開催し、
部評価委員 4 名、事務局 4 名の出席のもと、委員会が開
検体到着後事件の概要に応じて 2 班に分かれ症状による
催された。各課から提出された 6 課題について、予め提
原因物質の推測と検査方針を決定した。2 件とも当日午前
出された評価資料その 1 及び当日のプレゼンテーション、
中に簡易検査によって原因物質を推定出来た。理化学検査
ディスカッションにより、研究の必要性、研究の水準、研
については 16 時 30 分には確定検査が終了した。細菌学
究の成果等の観点から評価が行われた。また、外部評価委
検査については翌 10 月 3 日 9 時には原因物質を確定した。
員による書類(評価資料その 2)による全課題評価(新規
午前 11 時に対策会議を開催し、得られたデータから 2 件
研究課題 3 課題を含む 33 課題)も同様の観点から実施さ
の中毒原因物質を確定した。
れた。評価結果は評価委員、各研究者に還元され、研究者
及び部課長の協議・検討を経て、研究計画の改善・修正が
「危機発生時の地方衛生研究所における調査及び検査体
制の現状把握と検査等の精度管理の体制に関する調査研
行われた。これらの結果は「平成 19 年度調査研究評価に
究」
関する報告書」としてまとめられ、健康福祉部長等に報告
田中班
天然痘ウイルスの免疫学的迅速・簡便診断法の研修を
された。
行った。11 月 15 日、堺市衛生研究所から送付され保存
今年度で平成 13 年度第1回委員会(H14.3.19 開催)
していた、アセトン固定スライド検体に対して蛍光抗体試
から計 6 回開催された評価委員会における「所の全研究
験を行い、所長及びウイルス課員で対策会議を開催し検査
についての評価」を一巡し終えた事になる。評価終了後、
結果の確認を行った。
来年度以降の評価方法のあり方について各評価委員の意見
が述べられ、これらの意見を踏まえて新たな評価方法を検
(2)新型インフルエンザ対策総合訓練
討する事となった。
平成 20 年 2 月 7 日大阪府、大阪市保健所、堺市保健所、
22
課別事業内容(企画調整課)
・平成 19 年度
5)倫理審査委員会
地方衛生研究所全国協議会近畿支部自然
毒部会研修会(当所)
H19.2.13,15
大阪府立公衆衛生研究所倫理審査委員会規程に基づき、
倫理審査委員会(自然科学の有識者 4 名、倫理学あるい
3.情報の公開と情報化の推進
は社会科学面の有識者 1 名、一般市民の立場の人 1 名、
事務局 2 名)が 2 回開催され、申請のあった 9 件につい
(1) インターネットへの各種情報の公開
て審査が実施された。また、倫理審査委員会規程第 5 条
に基づく迅速審査等 9 件が報告された。その結果は以下
所が蓄積してきた技術・研究情報を広く提供するため研
の通りである。
究課題・研究報告等の情報をインターネットで発信すると
・第 1 回:平成 19 年 10 月 19 日(金)
ともに、
全国の衛生研究所から収集した健康危機事例情報、
【審査申請】
感染症発生動向情報をインターネットで発信した。
疫学研究:7 件
また、所の保有する電子メールサーバを利用して、健康
【審査結果】
情報についてのメールマガジンを発行し、延べ 7000 名の
承認:1 件、条件付承認:6 件
読者に送信した。
・第 2 回:平成 20 年 3 月 19 日(火)
(2) 公開セミナーの実施
【審査申請】
疫学研究:2 件
大阪市立環境科学研究所との共催で一般向けのセミナー
【審査結果】
を開催した。
条件付承認:2 件
(3) 地方衛生研究所業績集データベース作成事業
・迅速審査等
疫学研究:9 件(研究者の変更届け 5 件、研究期間の延
地方衛生研究所全国協議会の事業として全国の地方衛生
長願い 6 件):承認
研究所の研究業績について収集されたデータを、地方衛生
研究所業績集データベースに追加した。
2.地研全国協議会関連の活動
(4) 自然毒中毒事例情報システムの機能更新及び
データの追加
平成 19 年 6 月 8 日まで地方衛生研究所全国協議会の事
務局として、また、近畿支部自然毒部会の事務局として活
地域保健総合推進事業の一環として、自然毒中毒事例シ
動した。(協議会の詳細については「府・国・試験関連事業」
ステムを更新した。また、全国地方衛生研究所から自然毒
参照)
による中毒事例情報を収集しデータベースに追加した。
事務局として主担した会議
(5) 既存イントラシステムの運用
・地方衛生研究全国協議会第 1 回理事会・総務委員会
(大阪)
H19.5.10
所内イントラネットを利用している消耗品予算管理シス
・地方衛生研究所全国協議会次期会長選考委員会(大阪)
テム、会議室予約システム、業績登録システム、薬品管理
H19.5.10
・平成 19 年度
地方衛生研究所全国協議会臨時総会
(東京)
4.食品衛生検査の信頼性確保業務
H19.6.8
・平成 19 年度
地方衛生研究所全国協議会近畿支部自然
毒部会第 1 回世話人会(当所)
・平成 19 年度
毒部会
システムを運用し事務の省力化に努めた。
H19.5.20
平成 9 年にスタートした GLP 制度は府下 8 ケ所の食品
地方衛生研究所全国協議会近畿支部自然
衛生検査施設で実施されている。当所企画調整課内に置か
研究発表会(当所)
H20.1.11
れている信頼性確保部門ではこれら 8 ケ所の食品衛生検
23
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
査所が GLP に基づき適正な検査を実施しているかどうか
・患者情報の集計
を定期的にチェックしている。また、より高度な GLP 管
全数把握疾患として医師から保健所に届出られた患者情
理ができるよう既存システムの改正等を指導している。
報および、定点把握疾患として定点医療機関から届出られ
19 年度実施した GLP 事業は下記のとおりである。
た発生数は、保健所で入力され大阪府感染症情報センター
1. 全施設を対象に内部点検(延べ 12 回)を実施した
を経由して国感染症情報センターデータベースに集約され
2. 全施設が全国規模の外部精度管理に参加し、各施設の
る。大阪府感染症情報センターは入力のチェックとデータ
精度確保に努めた。
の集計を行った。
3. 厚生労働省の主催する信頼性確保部門責任者研修に参
・患者情報の解析
加し質の向上に努めた。
毎週の集計結果を、解析評価小委員会に提供した。
4. 所内新人職員を対象に GLP 研修を実施した。
・解析結果の還元
5. 天秤の精度確保のため定期点検用標準分銅を購入し各
解析結果および集計結果を定点医療機関、保健所、府内
施設の精度確保に寄与した。
市町村、医師会にファックス、メール等で送付し、当所の
6. 温度記録計のマニュアルを作成し、検体搬入時の適正
ホームページ上で公開した。
温度記録を促進させた。
・感染症発生動向調査委員会の開催と年報の発行
同委員会は大阪府、大阪市、堺市、東大阪市、高槻市の
5.大阪府感染症情報センター
持ち回りで開催しており、平成 18 年の委員会は大阪府の
担当で、平成 19 年7月 11 日(水)大阪キャッスルホテ
平成 18 年 4 月より大阪府感染症情報センターを当所に
ルで開催された。健康福祉部健康づくり感染症課とともに
設置し、厚生労働省を中心とする全国ネットワークで運用
企画調整課が開催の事務局を担当した。また、各府市の感
される感染症サーベイランス事業に参加している。企画調
染症発生動向調査委員会の編集により、感染症発生動向調
整課は大阪府感染症情報センター事務局として以下の業務
査事業報告書第 25 報(年報:平成 18 年版)
を作成発行した。
を担当した。
24
課別事業内容(細菌課)
細
菌
課
細菌課においては、府内で発生するコレラ、腸チフス、パラチフス、赤痢、腸管出血性大腸菌感染症などの腸管系感染
症、溶血性レンサ球菌感染症、髄膜炎菌性髄膜炎、結核などの呼吸器系感染症について細菌学的、免疫学的および遺伝学的
特性を解析し、感染経路の解明に活用している。平成 19 年度における 3 類感染症の発生状況は、赤痢 14 例、腸チフス 1
例、腸管出血性大腸菌感染症 127 例の届出であった。当課へ搬入された腸管出血性大腸菌は 196 株で、そのうち 180 株は
O157 で、それ以外の O 血清群は O26、O91、O111、O121、O145、O165、O174 の 7 タイプ 16 株が分離された。大阪
府は全国一結核患者数の多い地域で府市あわせて毎年約 3,000 人が結核を発症している。当課では抗酸菌の薬剤感受性試
験及び結核菌の遺伝子型別調査を実施している。被験結核菌のうち抗結核薬に耐性を示す割合は 19 年度は 18 年度に比べ
少し増加した。また VNTR 型別あるいは RFLP 分析を用いた遺伝子型別調査によって、感染源調査依頼 40 事例中 32 事例
が集団感染であると証明された。和泉市の犬繁殖業施設で発生した犬ブルセラ病の集団感染事例では培養検査、抗体検査、
PCR 検査を実施した。
食中毒、集団下痢症などの発生においては患者材料(便、吐物)
、原因食品、原因施設(ふきとり)等から原因病因物質
の検出を行うとともに、汚染経路を解明している。苦情食品等についてもその原因について検査している。平成 19 年は 1,369
検体、8,121 項目について検査を実施した。大阪府における食中毒発生病因物質別件数はサルモネラ属菌 16 件が最も多く、
次いでカンピロバクター 14 件、ノロウイルス 10 件であった。患者数ではノロウイルス 615 名が最も多く、次いでサルモ
ネラ属菌 147 名、カンピロバクター 87 名であった。
また、府内で流通している多くの種類の市販食品については食の安全推進課の依頼により食品衛生法で定めるところの
GLP 対応で細菌、魚介毒、カビ等の検査を行うとともに、製造所、調理施設においても腸管出血性大腸菌、サルモネラ、腸
炎ビブリオ、カンピロバクター等の検査を実施し、食中毒予防に役立てている。
大阪湾で採取されるアサリ、トリガイ、アカガイなどの二枚貝の麻痺性貝毒について調査している。平成 18 年にアサリ、
アカガイが毒化し、平成 19 年にはアサリ、アカガイ及びトリガイが毒化した。
を実施し、それらの結果は表 2.1.15 に示した。
1.試験、検査
1)腸管系感染症
平成 19 年度に府内および近隣府県の諸機関から依頼さ
(1)培養検査
れた腸管系および呼吸器系細菌の検査総数は表 2.1.1 に示
すとおり、2,593 検体であった。894 検体は腸管系病原菌、
府内および近隣府県等の関連機関からの依頼にもとづ
1,699 検体は結核・呼吸器系およびその他の病原菌に関す
き、本年度に実施した赤痢菌、チフス菌、腸管出血性大腸
るものであった。
菌など 3 類感染症を中心とした腸管系感染症の病原菌検
収去食品の試験検査は、2,627 検体、3,861 項目につい
索および菌株の同定検査を含む培養検査の総数は 750 件
て実施し、検査材料、検査項目および結果は表 2.1.14 に
であり、その内訳を表 2.1.2 に示した。
示した。
病原菌検出数の合計は 671 株であった。3 類感染症は
また、平成 19 年中に発生した食中毒・苦情等に関連し
腸管出血性大腸菌 201 株、赤痢菌 88 株、チフス菌 1 株
た検体および食品は 1,369 検体 8,121 項目について検査
であった。5 類感染症は 381 株で関西空港検疫所と病院
25
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 2.1.1 試験検査集計表
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26
課別事業内容(細菌課)
表 2.1.3
分離菌株の薬剤耐性(ヒト由来株)
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表 2.1.4
3 類感染症発生状況(赤痢、腸チフス)
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平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 2.1.5
3 類感染症発生状況(腸管出血性大腸菌)
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表 2.1.6
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からのものが多く、その内訳はカンピロバクター 154 株、
GM、NA、FOM、OFLX、CPFX、の 12 剤で、センシィデ
プレシオモナス 125 株、サルモネラ 99 株、病原大腸菌 2
スク (BD) を用いた Kirby-Bauer 法で実施した。
株、NAG ビブリオ 1 株であった。
① 赤痢菌はすべて耐性であった。
② 腸管出血性大腸菌では 24.7%が耐性であった。
(2)薬剤耐性試験
③ その他の菌種ではサルモネラで 24 株中 10 株 (41.7% )
腸管系病原細菌の薬剤感受性試験成績を表 2.1.3 に示
が耐性であった。
した。使用薬剤は ABPC、SM、TC、KM、CTX、CP、ST、
28
課別事業内容(細菌課)
表 2.1.7
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劇症型溶血性レンサ球菌感染症例
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験が優先されるべきである。
(3)3類感染症発生状況
EHEC による HUS 患者は 13 名みられ、9 名は 2 〜 7 歳
平成 19 年度に府内の医療機関および保健所から発生届
の小児(女児 6 名、男児 3 名)であったが、4 名は 19 〜
けが出された 3 類感染症を表 2.1.4 および表 2.1.5 に示し
27 歳の成人女性であった。HUS 患者のうち 5 名は当課で
た。
血中 O157 抗体を検出し、届出に至った。
(主担:勢戸、田口、坂田)
① 赤痢発生状況
14 例 の 届 出 が あ り、 検 出 菌 は、S. flexneri 2 例、S.
2)呼吸器感染症
sonnei 12 例であった。このうち 1 例が国内、13 例が輸
入症例であった。輸入症例のうち 7 例は泉佐野保健所管
(1)レンサ球菌感染症
内の関西空港検疫所からの届出であったが、関西空港検疫
所では 6 月以降は検査を行っていないため、この 7 例は 4、
本年度に実施したレンサ球菌検査総数は 167 件であり、
5 月の届出である。
検出された 165 株のレンサ球菌の検査成績を表 2.1.6 に
② 腸チフス発生状況
示した。
Streptococcus pyogenes は 115 株検出され、最も多く
平成 19 年度に届出のあったチフス性疾患は腸チフス 1
例であり、感染国はインドネシアであった。
検出された血清型は 12 型、
次いで 1 型、
4 型の順であった。
③ 腸管出血性大腸菌感染症発生状況
前年度に比べて 12 型が増加、1 型が減少した。
行政依頼で当課へ搬入された腸管出血性大腸菌(EHEC)
近畿地区内で発生した劇症型溶血性レンサ球菌感染症 7
は 127 事例 182 名から分離された 196 株で、集団発生
症例からの分離株ついて解析を行い、その詳細を表 2.1.7
はなかったが過去 6 年間で最も多かった。昨年に引き続
に示した。分離菌はすべて S . pyogenes であり、他のβ溶
き、O157 以 外 の 血 清 群 が 増 加 し、O26、O91、O111、
血性レンサ球菌が原因となった症例はなかった。血清型
O121、O145、O165、O174 の 7 タ イ プ の O 血 清 群 が
は 1 型が 3 株と多く、その他は 3 型が 2 株、4 型および
13 事例 16 株分離された。内訳は表に示した。O157 以外
14/49 型が各 1 株であった。
平 成 19 年 度 12 月 ま で に 同 定 検 査 の 終 了 し た S.
の血清群は全国的にも分離数が増加しており、血清型別不
pyogenes
能株も見られることから、EHEC の同定には毒素産生性試
29
130 株 に つ い て EM、TC、CP、PCG、CTX、
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 2.1.8 Streptococcus pyogenes の薬剤感受性
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OFLX の 6 薬剤に対する薬剤感受性試験を寒天平板希釈法
を採取、培養および LAMP 法による百日咳菌特異遺伝子
で実施した ( 表 2.1.8)。6 薬剤のうちいずれかに耐性を示
の検出を実施した。その結果、6 名の患者が LAMP 法で陽
す株は 56 株 (43.1% ) であった。各薬剤の耐性株は EM:
性と判定された(陽性率 40%)
。培養検査はすべて陰性で
25 株 (19.2 % )、TC:39 株 (30.0 % )、CP:1 株 (0.8 % )、
あった。6 名の中には百日咳に有効な抗菌薬の投与後数日
PCG:なし、CTX:なし、OFLX:5 株 (3.8% ) であり、EM
から 1 週間経過している患者も含まれており、LAMP 法の
耐性株および TC 耐性株が高率に検出された。耐性菌の検
有用性が確認できた。
出率は血清型により相違が見られ、EM 耐性および EM TC
(3)レジオネラ症
剤耐性は 1 型および 12 型に、TC 耐性は 4 型に多く見ら
れた。
(主担:勝川)
(主担:勝川、河原)
レジオネラ症患者の発生に伴う、患者からの菌検索、
医療器具の検査、分離菌の同定検査を実施した。検査
(2)百日咳
総 数 は 12 で あ り、 患 者 6 名 の う ち 2 名 か ら Legionella
府内の医療機関からの依頼により百日咳菌検査を実施し
pneumophila が分離され、いずれも serogroup 1 であった。
た。15 名の感染疑い患者から延べ 17 検体の呼吸器材料
(主担:勝川)
30
課別事業内容(細菌課)
表 2.1.10
分離結核菌の薬剤耐性パターン
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24locus-VNTR 型別を実施し、24locus-VNTR 型別で感染
3)結核菌および抗酸菌
源特定が困難な事例のみ IS6110 -RFLP 分析による確認検
査を実施した。集団感染疑い事例の感染源調査依頼は 40
事例で、そのうち 32 事例(70.0%)が 24locus-VNTR 型
(1)抗酸菌の薬剤感受性
別または IS6110 -RFLP 分析により集団感染であると証明
された。
平成 19 年度に府内および近隣自治体の保健所から依頼
のあった抗酸菌の薬剤感受性試験依頼数は 99 件(うち 2
結核菌地域分子疫学調査については、泉佐野保健所の
件は有料依頼分)であった。これらをナイアシン試験およ
「結核感染経路調査事業」で新たに 45 株の依頼があり、
びパラニトロ安息香酸培地発育試験により結核菌か非結核
これまでの依頼株 93 株のいずれかと遺伝子型が一致した
菌かを同定した結果および薬剤感受性試験結果を表 2.1.9
株が 4 株(8.9%)みられた。
に ま と め た。 感 受 性 試 験 は、INH、RFP、SM、EB、KM、
感染症予防法の改正に伴い結核が 2 類感染症に指定さ
CS、PAS、EVM、TH の 9 薬剤については小川培地を用い
れ、本年度から府内の全結核菌株保管の協力を保健所に
た比率法、PZA については液体培地法により実施した。
依頼したため、菌株保存目的の件数が前年度(41 件、75
株)から大幅に増加した。菌株保存目的の菌株については
菌株の内訳は結核菌 93 株(93.9%)、非結核性抗酸菌 1
株(1.0%)であった。5 検体は現在検査継続中である。
24locus-VNTR 型別を実施して、結果を報告している。
(主担:田丸)
被験結核菌のうち 21 株(22.6%)がいずれかの抗結核薬
に耐性で、昨年度の耐性率(21.0%)より増加した。
(4)クォンティフェロン TB-2G 検査
薬剤耐性結核菌 21 株の耐性パターン(表 2.1.10)は
13 種類で、2 剤以上に耐性を示す株(7 株、7.5%)の割
本年度のクォンティフェロン TB-2G 検査実績および結
合は昨年度より減少した。 結核初回標準療法に使用される
果は表 2.1.13 のとおりである。本検査の依頼元は近隣自
INH、RFP、SM、EB、PZA のうちいずれか 1 剤以上に耐
治体、医療機関等であり、199 件が有料検査であった。
(主担:河原)
性を持つ株は 11 株 (11.8% )、INH、RFF を含む 2 剤以上
に耐性を有する多剤耐性結核菌は 1 株(1.1%)で、いず
れの割合も昨年度より減少した。
(主担:田丸)
4)動物由来感染症
(2)非結核性抗酸菌検査
(1)ブルセラ症
本年度の府内保健所からの抗酸菌菌種同定依頼は 33 件
で昨年度より 21 件減少した(表 2.1.11)。菌種同定は発
平成 18 年 1 月に発生した和泉市の犬繁殖業施設におけ
育速度、コロニー性状を確認した後、16S-23S インターナ
る犬ブルセラ病の集団感染事件に関連し、大阪府に所有権
ル領域遺伝子および 16S リボゾーム RNA 遺伝子の塩基配
が委譲された犬について治療中 1 回、治療後 2 回の検査
列決定により実施した。結核菌の同定検査のうち 3 件は
を実施した。血液を検査材料とし、培養検査、抗体検査お
LAMP 法を用いた。菌種数は 10 菌種で、非結核性抗酸菌
よび一部の材料で PCR 検査を実施した。延べ検査頭数は
では本年度もM.lentiflavum 、
M.gordonae の分離率が高かっ
381 頭、検査総数は 743 であった。その結果、治療後 1
た。
回目の検査で陽性と判定された犬が 1 頭、治療後 2 回目
(主担:田丸)
の検査で陽性と判定された犬が 1 頭あった。いずれの犬
(3)結核菌遺伝子型別調査
も本結果により安楽死処分がなされた。
本年度に府内および近隣自治体の保健所から依頼のあっ
犬移動後、消毒処理がなされた犬繁殖施設の環境中の犬
た結核菌遺伝子型別調査の依頼総数は 171 事例、400 株
ブルセラ菌検索を実施した。施設内 33 カ所のふき取り検
で、件数・菌株数ともに昨年度より増加した(表 2.1.12)
。
体を採取し、培養検査および PCR 検査を実施した。結果
はいずれも陰性であった。
結核菌遺伝子型別は集団感染疑い事例については
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課別事業内容(細菌課)
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
大阪府内の犬の犬ブルセラ菌感染状況を調査するため大
した。いずれも細菌数 30 未満、大腸菌群陰性で規格に適
阪府が収容した犬 19 頭および動物病院を受診した犬 202
合していた。
頭について抗体保有状況および菌検索を実施した。延べ検
② 水産食品
査頭数は 225 頭、検査総数は 450 であった。その結果、
・生カキ
大阪府が収容した犬1頭、動物病院を受診した犬 2 頭に
抗体陽性犬が認められた。
(主担:川津)
11 月に生食用かき 14 検体、12 月に 14 検体、1 月に
(主担:勝川)
16 検体、2 月に 15 検体について細菌数、大腸菌最確数の
規格検査を実施したが、すべて成分規格に適合していた。
(2)ジフテリア毒素産生性ウルセランス菌
(主担:川津、神吉、山崎)
動物由来感染症としてヒトに感染しジフテリア様疾患を
・魚肉ねリ製品
引き起こす場合がある Corynebacterium ulcerans につい
12 月に魚肉ねリ製品 42 検体について規格検査として
て犬の保菌状況を調査した。大阪府が収容した犬 199 頭
の大腸菌群の検査を実施した結果、大腸菌群はすべて陰性
から咽頭ぬぐい液 199 検体、皮膚病等の病巣ぬぐい検体
であった。
3 検体を採取し培養検査を実施した。その結果、5 頭から
・生食用魚介類
ジフテリア毒素産生性 Corynebacterium ulcerans を分離し
た。
(主担:神吉)
5 月に刺身類 14 件、6 月に生食用鮮魚介類 14 検体、7
(主担:勝川)
月に生食用鮮魚介類 29 検体、8 月に刺身類 15 件、9 月
に鮮魚介類 14 検体について腸炎ビブリオ(最確数)の規
格検査を実施した結果、すべて規格に適合していた。
5)食品の行政検査
(主担:石橋、河合、川津、山崎)
③ 食肉製品
(1)食品の収去検査
6 月に加熱後包装食肉製品 13 検体および包装後加熱食
年間監視計画による検査対象食品、検査項目について検
肉製品 2 検体、10 月に加熱食肉製品 22 検体および非加
査を行った。その内訳は食品製造業、販売店などから収去
熱食肉製品 4 検体について規格検査を実施した結果、い
された食品の細菌学的検査、魚貝毒、抗生物質及びノロウ
ずれも規格に適合していた。また、6 月に生ハム等の非加
イルスの試験検査を、2,627 検体、3,861 項目について実
熱食肉製品(輸入品 1 検体、国産品 13 検体)について、
施した。検査材料、検査項目および結果は表 2.1.14 に示
リステリアの検査を実施したが、検出しなかった。
した。
(主担:石橋、山崎)
④ 冷凍食品
① 牛乳、乳製品など
8月に輸入冷凍食品 30 検体、1 月に輸入冷凍食品 29
・牛乳、加工乳
4月に 25 検体、11 月に 15 検体について規格検査した
検体について規格検査を実施した結果、すべて規格に適合
ところ、すべて規格に適合していた。(主担:河合、川津)
していた。
・アイスクリーム類、氷菓
⑤ 容器包装詰加圧加熱殺菌食品
(主担:川津、山崎)
8 月にアイスクリーム、氷菓など合計 56 検体について
6 月にレトルト食品 28 検体について規格検査を実施し
細菌規格検査(細菌数・大腸菌群)を実施したところ、す
たが、いずれの検体も発育し得る微生物は陰性で、成分規
べて規格に適合していた。
格に適していた。
(主担:川津)
(主担:神吉)
⑥ ミネラルウォーター、清涼飲料水
・発酵乳および乳酸菌飲料
2 月に発酵乳、乳酸菌飲料 30 検体について、乳酸菌数
1月にミネラルウォーター 15 検体、2 月に清涼飲料水
および大腸菌群の規格検査を実施した結果、すべて規格に
8 検体について規格検査を実施した結果、すべて規格に適
適合していた。
合していた。
(主担:川津)
(主担:河合、山崎 )
⑦ 液卵
・乳飲料
4月に殺菌液卵 20 検体、12 月に殺菌液卵 6 検体、未
1 月に乳飲料 45 検体について細菌学的規格検査を実施
34
課別事業内容(細菌課)
殺菌液卵 10 検体について規格検査を実施したところ、い
ずれも成分規格に適合していた。
5 月に鮮魚介類 42 検体についての腸炎ビブリオの汚染
(主担:石橋、神吉)
実態調査(定性)を行ったところ、すべての検体は腸炎ビ
ブリオ陰性であった。
⑧ 衛生規範のある食品
4 月に洋生菓子 22 検体について検査を実施したところ、
(主担:川津)
6 月に食肉鶏肉 56 検体について、サルモネラ(含薬剤
細菌数、黄色ブドウ球菌についてはすべての検体が衛生規
耐性サルモネラ)およびカンピロバクターの検査を実施し
範に適合していたが、大腸菌群は 1 検体が陽性であった。
た。その結果、27 検体よりカンピロバクターが、21 検体
なお、サルモネラは全検体、陰性であった。(主担:神吉)
よりサルモネラが検出された。また、検出されたサルモネ
6 月に洋生菓子 20 検体について細菌数、大腸菌群、黄
ラ 21 検体のうち 20 検体が薬剤耐性サルモネラであった。
色ブドウ球菌およびサルモネラの汚染実態調査を行った結
(主担:川津)
果、細菌数の衛生規範不適合が 2 検体あった。また、1 検
6 月に鮮魚介類 42 検体について腸炎ビブリオの定性検
体から黄色ブドウ球菌が、2 検体から大腸菌群が検出され
査を実施した結果、すべての検体は腸炎ビブリオ陰性で
た。サルモネラはすべて陰性であった。
あった。
(主担:河合)
(主担:山崎)
11 月にゆで麺 20 検体について生菌数、大腸菌群およ
6 月に 5 カ所の社会福祉施設の肉、魚介類、ミキサー食
び黄色ブドウ球菌の検査を実施した結果、細菌数、黄色ブ
10 検体について、腸管出血性大腸菌 O157、サルモネラ
ドウ球菌についてはすべての検体が衛生規範に適合してい
の検査を実施したところ、すべて陰性であった。 また、5
たが、1 検体が大腸菌群陽性であった。
施設の普通食と手刻み食やミキサー食の計 16 検体につい
(主担:河合)
⑨ その他の食品
て細菌汚染状況を比較した結果、1 施設のミキサー食 2 検
・病原性大腸菌 O157 の検査
体 ( 細菌数 3,300/g、
大腸菌群 55/g と細菌数 300 未満 /g、
4 月に生鶏肉 56 検体、5 月に仕出し弁当調製施設の食
大腸菌群 35/g) を除き、14 検体は細菌数 300 未満で、大
材 56 検体、6 月に食肉鶏肉 28 検体、7 月に量販店調理
腸菌群および黄色ブドウ球菌は陰性であった。
食品の食材 56 検体、8 月に生食用青果物 56 検体、9 月
7月に加熱調理用鮮魚介類 42 検体について腸炎ビブリ
に病院給食に使用される食材 56 検体、10 月に福祉給食
オ汚染調査(定性試験)を実施した結果、4 検体から腸炎
施 設 の 食 材 58 検 体、11 月 に 調 理 麺 関 連 食 材 52 検 体、
ビブリオが検出された。また、刺身等の生食用冷凍鮮魚介
12 月にそうざい製造施設で使用される食材 56 検体、1 月
類 15 検体について、規格検査としての腸炎ビブリオ検査
に大規模販売店の食材 56 検体、2 月に食肉 56 検体及び
とは別に、細菌数、大腸菌群および黄色ブドウ球菌につい
3 月に中小規模販売店調理施設食材 57 検体について検査
ても検査を実施した。その結果、黄色ブドウ球菌はすべ
を実施したが、すべて陰性であった。
て陰性であったが、大腸菌群は 6 検体が陽性、細菌数は、
103 ~ 104 のオーダーで検出された。
(主担:石橋、浅尾、河合、川津、神吉、山崎)
(主担:石橋)
7 月に量販店調理食品の食材など 56 検体について、サ
・サルモネラ、カンピロバクター、腸炎ビブリオの汚染実
ルモネラおよびカンピロバクターの汚染実態調査を実施し
態調査
4 月に生鶏肉 56 検体について、サルモネラ(含薬剤耐
た。その結果、
カンピロバクターはすべて陰性であったが、
性サルモネラ)およびカンピロバクターの検査を実施し
鶏肉、牛肉、合挽ミンチそれぞれ 1 検体ずつから、薬剤
た。その結果、14 検体よりカンピロバクターが、34 検体
耐性サルモネラを検出した。
よりサルモネラが検出された。また、検出されたサルモネ
(主担:浅尾)
8 月に生食用青果物 56 検体について、サルモネラの検
査を実施したが、すべて陰性であった。
ラ 34 検体中 33 検体が薬剤耐性サルモネラであった。
(主担:石橋)
(主担:河合)
8 月に刺身類 15 検体について、規格検査としての腸炎
5月に仕出し弁当調製施設の食材 56 検体について、サ
ビブリオ検査とは別に、細菌数、大腸菌群および黄色ブド
ルモネラ(含薬剤耐性サルモネラ)およびカンピロバクター
ウ球菌についても検査を実施した。その結果、2 検体が細
の汚染実態を調べた結果、すべての検体がサルモネラ、カ
菌数 105 以上であり、13 検体が大腸菌群陽性であった。
ンピロバクター陰性であった。
黄色ブドウ球菌は 4 検体陽性であった。
(主担:浅尾)
35
(主担:山崎)
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
9 月に病院給食に使用される食材 56 検体について、サ
の汚染実態調査を行った。その結果、2 検体よりカンピロ
ルモネラ(含薬剤耐性サルモネラ)およびカンピロバクター
バクターが検出された。また、4 検体よりサルモネラが検
の検査を実施した。その結果、生鶏肉 7 検体よりカンピ
出され、4 検体すべてが薬剤耐性サルモネラであった。
ロバクターが、さらに生鶏肉 3 検体より薬剤耐性サルモ
ネラが検出された。
(主担:山崎)
(主担:神吉)
・抗生物質
9 月に鮮魚介類 44 検体について腸炎ビブリオの汚染調
4 月に牛乳・加工乳 10 検体、6 月に魚介類 10 検体、8
査(定性試験)を行った結果、5 検体から腸炎ビブリオが
月に牛肉・豚肉 10 検体、10 月に鶏肉 13 検体及び 11 月
検出された。また、魚介類加工施設の刺身 15 検体について、
に牛乳・加工乳 10 検体についてベンジルペニシリンの検
規格検査としての腸炎ビブリオ検査とは別に細菌数、大腸
査を実施したが、基準値を超えるベンジルペニシリンは検
菌群および黄色ブドウ球菌の検査を実施した結果、4 検体
出されなかった。
5
が細菌数 10 以上であり、14 検体が大腸菌群陽性であっ
(主担:濱野、河合、川津、神吉)
・マリントキシンの検査
た。黄色ブドウ球菌は 2 検体陽性であった。
収去検査: 12 月にトラフグ、シロサバフグ等の一夜
(主担:河合)
干し及び皮の湯引き等のフグ加工品(14 検体)を対象と
10 月に福祉給食施設で使用される食材 58 検体につい
してフグ毒検査を実施した結果、いずれも陰性であった。
て、サルモネラ(含薬剤耐性サルモネラ)およびカンピロ
3 月にアサリ 3 検体について麻痺性貝毒を検査した結果、
バクターの検査を実施した。その結果、サルモネラ(含薬
規制値は超えなかった。
剤耐性サルモネラ)はすべて陰性であったが、鶏肉 1 検
体よりカンピロバクターが検出された。
確認検査: 5 月に貝類 9 検体、9 月に貝類 10 検体につ
(主担:浅尾)
いて下痢性貝毒および麻痺性貝毒を検査した結果、すべて
11 月にナチュラルチーズ 10 検体のリステリアを検査
したが、いずれも陰性であった。
陰性であった。11 月にフグ加工品 12 検体、2 月にフグ
(主担:山崎)
加工品 11 検体についてテトロドトキシンを検査した結果、
11 月に調理麺関連食材 52 検体についてサルモネラの
すべて陰性であった。
汚染調査を実施した結果、鶏肉 1 検体より薬剤耐性サル
モネラが検出された。
(主担:濱野)
(主担:濱野)
依頼検査:大阪府水産課の依頼により大阪湾産二枚貝等
(主担:河合)
59 検体について、公定法により麻痺性貝毒を検査した結
12 月にそうざい製造施設食材 56 検体についてカンピ
果、45 検体から麻痺性貝毒を検出した。そのうち 15 検
ロバクター、サルモネラならびに薬剤耐性サルモネラの汚
体が規制値(4 MU/g)を超えた。高槻市からの依頼によ
染調査を実施した。その結果、8 検体よりサルモネラが検
りフグ 1 検体を検査したが、陰性であった。
出され、8 検体すべてが薬剤耐性サルモネラであった。
(主担:濱野)
(主担:山崎)
・バンコマイシン耐性腸球菌の実態調査
1 月に大規模販売店の食材 56 検体についてサルモネラ
6月に鶏肉 10 検体を検査したところ、2 検体からバン
(含薬剤耐性サルモネラ)及びカンピロバクターの汚染実
コマイシン耐性腸球菌(VRE)が検出された。10 月に検
態調査を行ったところ、鶏肉 1 検体より薬剤耐性サルモ
査した鶏肉 10 検体からは VRE は検出されなかった。
ネラが検出された。また、別の鶏肉 1 検体よりカンピロ
バクターが検出された。
(主担:石橋、河合)
(主担:浅尾)
・ヒスタミン産生菌の汚染実態調査
2 月に食肉 56 検体についてサルモネラ、カンピロバク
5 月に 20 検体の魚介類加工品について、ヒスタミン生
ターの汚染調査を実施した。その結果、鶏肉 18 検体から
成菌検査を実施したところ、3 検体よりヒスタミン生成菌
カンピロバクター、鶏肉 21 検体からサルモネラが検出さ
が検出された。
れた。検出されたサルモネラのうち、20 検体は薬剤耐性
・二枚貝のノロウイルスの検査
サルモネラであった。
(主担:川津)
(主担:神吉)
4 月と 3 月にカキ以外の二枚貝を含む 7 検体ずつにつ
3 月に中小規模販売店調理施設食材 57 検体について、
いてノロウイルスの検査を実施したところ、3 月にカキ 1
サルモネラ、カンピロバクターおよび薬剤耐性サルモネラ
検体よりノロウイルスを検出した。
36
課別事業内容(細菌課)
表 2.1.15
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38
課別事業内容(細菌課)
表 2.1.17
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カンピロバクターによる食中毒
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表 2.1.18
下痢原性大腸菌による食中毒
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39
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 2.1.19 (1)
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課別事業内容(細菌課)
表 2.1.19 (2)
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ノロウイルスによる食中毒 (2)
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平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 2.1.20
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その他の病因物質による食中毒
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課別事業内容(細菌課)
また、10 月から 2 月まで、生食用カキをターゲットに
8 株、EHEC O157 で 6 株分離され、現状では患者の治療
毎月 7 検体について検査を実施した。その結果、1 月に 1
に困難を生じないが、今後の耐性化の動向を監視する必要
検体、2 月に 4 検体からノロウイルスを検出した。10 月、
がある。EHEC は特徴的な性状と病原因子を精査し、非典
12 月および 2 月には同じ検体を使用して A 型肝炎ウイル
型的性状を示す O157 を確認した。non-O157 EHEC が 12
スの検査をしたが(合計 21 検体)、いずれも陰性であった。
名から分離されたが、大阪府内で初めて分離された血清型
(主担:依田、左近)
が 2 種類あり、フォローアップ検便に有益な鑑別性状に
ついて成績の蓄積が重要であると考えられた。( 研究の一
・ボツリヌス毒素の検査
6 月に府内に流通している低酸性食品 27 検体について
部は厚生労働省「希少感染症診断技術向上事業」および厚
ボツリヌス毒素および嫌気性菌の検査を実施したが、すべ
生労働科学研究費補助金「食品の安心・安全確保推進研究
て陰性であった。
事業」による。)
(主担:神吉)
・ブドウ球菌毒素の検査
(2)腸管系病原菌の遺伝学的疫学解析
5 月に脱脂粉乳 18 検体についてブドウ球菌毒素の検査
を行った結果、いずれも陰性であった。
(主担:川津)
多発する EHEC 感染症の関連性を調査するため、分離株
のパルスフィールドゲル電気泳動 (PFGE) 型別を実施した。
・自動販売機販売の水の大腸菌群検査
4 月と 10 月に、量販店内等に設置されている水の自動
また、近畿 11 カ所の地研と協力して EHEC O157 を用い
販売機で提供されている水を 14 検体ずつ検査したが、す
た PFGE 型別の精度管理とカンピロバクターの PFGE 実施
べて大腸菌群陰性であった。
上の問題点を検討した。精度管理については PFGE 画像の
(主担:石橋、河合)
質的均一性について課題が残り、カンピロバクターでは使
(2)食中毒に関する検査
用する制限酵素によって菌液濃度を変える必要性が明ら
平成 19 年中に、府内および他府県で発生した食中毒等
かになった。新しい EHEC O157 型別法である IS-printing
に関連した検体および苦情食品で保健所から当課へ搬入さ
System は、簡便で迅速なスクリーニング法として有用で
れた 1,369 検体 8,119 項目について検査を実施し、それ
あると考えられた。( 研究の一部は厚生労働科学研究費補
らの結果について表 2.1.15 に示した。主な食中毒、苦情
助金「新興・再興感染症事業」による。)
等についてはサルモネラ(表 2.1.16)、カンピロバク夕ー
(表
(3)迅速検査法の開発
2.1.17)、下痢原性大腸菌(表 2.1.18)、ノロウイルス(表
2.1.19)、その他の病因物質(表 2.1.20)、異物・異味・異
下痢原性大腸菌検査において、選択培地コロニーかきと
臭等による苦情(表 2.1.21)にまとめた。
り液から病原性関連遺伝子を検出する multiplex PCR を実
(文責:井上)
施し、分離菌株での成績と一致した成績が得られたことか
ら、スクリーニング法として有用であると考えられた。ま
2.調査、研究
た、EHEC 感染が疑われる HUS 症例について、血清中の
抗 O157 抗体を定性的および定量的に検出し、定性検査試
薬の感度を検証した。
1)腸管感染症および類似疾患における細菌学
的研究
(主担:勢戸、田口、坂田)
2)細菌性呼吸器感染症に関する調査研究
(1)1967 年から実施しているレンサ球菌流行状況調査を継
(1)腸管感染症の細菌学的研究
続実施し、分離または収集した溶血性レンサ球菌 171 株
赤 痢 菌、 チ フ ス・ パ ラ チ フ ス 菌、 腸 管 出 血 性 大 腸 菌
について同定、血清型別、遺伝子型別、薬剤感受性試験、
(EHEC)、サルモネラ、カンピロバクターについて分離株
病原遺伝子等の解析を実施した。A 群溶血性レンサ球菌
の血清型別、薬剤感受性試験を実施し、流行菌型の特徴を
のマクロライド系薬剤耐性は 1970 年代に増加し、その
調査した。広域セフェム薬耐性菌が鶏肉由来サルモネラで
後減少していたが、近年再び増加傾向にあり、本年は
43
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
13.3%まで増加した。今後さらなる増加が危惧される。
に、迅速発育菌については rpoB 遺伝子塩基配列決定法に
(2) 百日咳菌検査に LAMP 法を導入した。百日咳が疑われ
より、より特異的な同定を実施可能とした。
る患者材料の検査では、培養検査はすべて陰性であった
(4)クォンティフェロン TB-2G
が、LAMP 法では 25.0%の検体が陽性となった。本法は
検体採取から2時間以内に検査結果が出ること、蛍光・
府内外からの依頼検査を実施するとともに、保健所検査
目視検出試薬の利用が可能なため特別な装置を必要とし
課で実施している接触者健診検体に関して精度管理を行っ
ないことなど、非常に優れた検査法であることが実証で
ている。
きた。また陽性検体の中には化学療法開始後の検体も含
(5)非結核性抗酸菌遺伝子型
M.avium complex について感染経路を明らかにするた
まれており、死菌であっても検出が可能な LAMP 法の有
用性を確認できた。
め、RFLP 分析、VNTR 型別によりヒト由来株、動物由来株、
(3) わが国ではジフテリア様症状を呈するジフテリア毒
環境由来株の遺伝子型別を継続し、M.avium 患者由来株と
素産生性 Corynebacterium ulcerans 感染症が 2001 年以
患者住居浴室からの分離株が一致する事例があることを示
降 5 例確認されている。感染源としてイヌ、ネコなどの
した。
( 主担:田丸、河原、勝川)
動物の関与が疑われているが本感染症は感染症法に規定
されていないため、これまで自然界における実態は調査
4)細菌性食中毒に関する研究
されてこなかった。今回大阪府が収容したイヌについて
調査を行ったところ、1頭からジフテリア毒素産生性 C.
(1)食中毒原因菌の免疫学的簡易検出法の開発
ulcerans を分離した。わが国で初のイヌからの検出事例
である。
( 主担:勝川、河原、田丸)
カンピロバクターの免疫学的簡易検出法の簡易診断
法 の 開 発 に 関 す る 成 果 を 外 国 雑 誌(Journal of Clinical
Microbiology)に投稿し、受理された。
3)結核菌および非結核性抗酸菌に関する研究
(2)食肉検査における PCR 法によるサルモネラ属菌
の検出に関する研究
(1)薬剤感受性
従来から検査している主要抗結核薬 10 薬剤に対する感
ストマッカーによる機械的処理ではサルモネラ属菌の培
受性を調査し、薬剤耐性結核菌の出現頻度をモニタリング
養法での検出率は上がったが、
PCR での検出率は低下した。
している。また、微量液体稀釈法により XDR-TB の検出も
また、鶏肉中のサルモネラ属菌の菌数は 1 CFU/g 以下で
実施し、府内の XDR-TB の出現率を調べているところであ
あり、前増菌を行っても 75%の検体で菌数が PCR の検出
る。
限界以下であった。このことから、鶏肉の検査では PCR
法によるスクリーニングは実用的ではないと示唆された。
(2)遺伝子型別
今年度から大阪府内の全結核菌を収集することになっ
(3)Multiplex PCR 法による Campylobacter 属菌の
た。現在、VNTR 型別による結核地域分子疫学を実施し、
簡易迅速同定法の開発
感染経路解明、蔓延状況の把握を行っているところである。
また、24locus-VNTR 型別について、集団感染事例の解析
6 菌 種 の Campylobacter 属 菌 を 一 括 し て 同 定 す る
から 24loci のうち 7loci が 0.4 〜 4.2%の確率で IS6110 -
Multiplex PCR 法の開発に関する成果を外国雑誌(Journal
RFLP との不一致を示すことを明らかにした。
of medical microbiology)に投稿し、受理された。
(3)非結核性抗酸菌同定法
(4)食中毒原因菌の高感度迅速検出法の開発
従来どおり塩基配列決定による抗酸菌同定を実施し、府
等 温 遺 伝 子 増 幅 法 で あ る LAMP 法 を 用 い た
内で分離される抗酸菌種分布をモニタリングするととも
Campylobacter jejuni お よ び C. coli の 簡 易 迅 速 同 定 法
44
課別事業内容(細菌課)
の 開 発 に 関 す る 成 果 を 外 国 雑 誌(Journal of medical
マガキ、シジミ、トリガイ、アカガイ、ツメタガイ、ア
microbiology)に投稿し、受理された。
カニシの順に高かった。
(主担:石橋、川津、神吉、山崎)
(4)アカガイ、トリガイについて個体別測定を実施した
結果 2 - 30 倍の範囲で変動した。
5)食品内で産生される細菌毒素に関する研究
(5)アサリを捕食するツメタガイから規制値を超える麻
痺性貝毒を検出した。また、規制値を超えなかったもの
ブドウ球菌食中毒は、A 〜 E 型の 5 タイプのエンテロ
のアカニシからも麻痺性貝毒(3.7MU/ g)が検出され
トキシンにより発生するといわれていた。雪印乳業、大阪
たことから、今後、巻貝についても調査の継続が必要と
府立大学との共同研究で、食中毒保存株のうち約 60%が
考えられた。
新しく開発した ELISA 法により H 型も産生することを明
( 主担
濱野、川津 )
7)食中毒原因物質としてのノロウイルスに関
する研究
らかにした。そのうち約 70%は A 型、B 型毒素を産生し、
約 10%の菌株は H 型毒素単独産生株であった。すべての
H 型毒素産生株はコアグラーゼ VII 型であった。H 型毒素
昨年に引き続き、バキュロウイルスの系でリコンビナ
が食中毒発生に大きく寄与していることが明らかになっ
ント粒子を得るため、4 種類の株をクローニングして粒子
た。これらの結果は投稿中である。
形成を試みたが、いずれも発現レベルが高くならず、明確
牛乳を原因食品とする黄色ブドウ球菌食中毒が発生し
な VLP 形成は認められなかった。4 株のうち 1 株につい
た。私達が以前の研究で開発したエンテロトキシン抽出法
ては全塩基配列を決定する事ができた。
を用いて喫食残品の牛乳から A 型エンテロトキシンを検
LAMP 法については、収去検査の二枚貝からのノロウイ
8
出した。牛乳中の黄色ブドウ球菌の菌数は 2.5 × 10 /ml
ルスの検出にリアルタイム PCR のかわりに導入し、良い
であった。
結果が得られた。
ボツリヌス菌の食品からの検出法は非常に困難である。
ノロウイルスに対する感染のしやすさに関連していると
食品からボツリヌス菌芽胞を効率よく抽出・濃縮する方法
いわれている分泌型、非分泌型を決定している FUT2 遺伝
として、界面活性剤、エタノール、消泡剤を組み合わせた
子の調査については、得られた検体については、検体数を
予備試験を実施した。
増やすため、引き続き、平成 21 年 3 月まで行う予定であ
(主担:浅尾、久米田、河合)
る。
(主担:依田、山崎、左近、神吉)
6)魚介毒に関する研究
3.教育、研修等
大阪湾における安全で効果的な貝毒モニタリング体制を
構築するための基礎的データを得る目的で、当所独自に大
1)教育、研修
阪湾の 13 定点からムラサキイガイ 124 検体ほか、マガキ、
ツメタガイ、アカニシ等の貝類計 226 検体を採取、麻痺
性貝毒を公定法により測定し、地域的変動、毒化状況の種
H19.6.1 〜 H19.6.7大阪府保健所食品衛生監視員 3
間の比較、個体差の有無を解析した。
名に食品中の細菌検査について
(1)ムラサキイガイの毒化は他の貝種に比べ、時期的に
研修を実施した。
(石橋、浅尾、濱野、河合、川津、
先行して始まり、最も高毒化し、消失までの期間が長い
ことが確認され、貝毒モニタリングの指標生物として有
神吉、山崎)
効であると考えられた。
H19.6.29 〜 H19.7.5
大阪府保健所食品衛生監視員 3
(2)地域的には、例年、泉大津~樽井間の毒力が強かっ
名に食品中の細菌検査について
たが、2007 年は広範囲に毒化したのが特徴的であった。
研修を実施した。
(石橋、浅尾、濱野、河合、川津、
(3)貝種別には、ムラサキイガイ、アサリ、バカガイ、
45
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
神吉、山崎)
H19.7.16. ~ H19.7.20
計 26 名を対象にマウス試験法、
平成 19 年度大阪大学医学部 4 年
ELISA 法による貝毒検査法につい
次公衆衛生学実習を担当。当所に
て研修を実施した。
おいて学生 2 名に対し結核菌遺
( 濱野、川津 )
伝子型別の実習を実施した。
H19.8.3 〜 H19.8.9
2)会議、委員会、研究会等
(田丸)
大阪府保健所食品衛生監視員 3 名
に食品中の細菌検査について研
H19.5.14
修を実施した。
出席。
(石橋、浅尾、濱野、河合、川津、
H19.5.28
H19.6.12
大阪府保健所食品衛生監視員 3 名
H19.8.21
修を実施した。
H19.10.11
神吉、山崎)
H19.9.3 〜 H19.9.28
H19.10.23
名 ( 茨木、藤井寺 ) に食中毒菌検
H19.11.2
(石橋、浅尾、濱野、河合、川津、
神吉、山崎)
(財)大阪府地域福祉推進財団講演会で「感
H19.11.27
名 ( 四条畷、泉佐野 ) に食中毒菌
H19.11.29
(石橋、浅尾、濱野、河合、川津、
神吉、山崎)
疫協会共催講演会で「細菌性腸管感染症(特
近畿大学医学部学生 8 名を対象
に O157)の現状について」講演。
した。
(勢戸)
H19.12.13
(濱野)
会社の自主検査担当者 1 名にセ
平成 19 年度漁場環境保全関係試験研究推
進会議、赤潮・貝毒部会に出席 ( 広島市 )。
レウス菌の遺伝子検出法に関す
る研修を実施した。
H20.1.24
(河合)
H20.3.7
H20.3.21
中毒データベースの入力、検索、
活用法について研修を実施した。
(濱野、川津)
成人病センター組換え DNA 実験安全委員
会に出席。
所担当者約 90 名を対象に自然毒
(濱野)
平成 19 年度全国自然毒中毒講演会・研修
会に出席 ( 横浜市 )。
平成 19 年度全国自然毒中毒研修
会 ( 横浜市 ) にて、地方衛生研究
( 河合 )
平成 19 年度大阪府・大阪市・堺市・東大
阪市合同による大阪府衛生検査所精度管理
( 濱野、竹島 ( 企画調整課 ))
H20.2.13、2.15
(井上)
( 財 ) 大阪公衆衛生協会および ( 財 ) 大阪防
にフグ中毒に関する研修を実施
H20.1.25
(依田)
平成 19 年第 4 回感染症予防対策委員会に
出席。
検査について研修を実施した。
H19.11 〜 H20.3
(井上)
染症、食中毒とその予防について」講演。
H19.10.1 〜 H19.10.31 大阪府保健所検査課検査技師 2
H19.10.17
(井上、田口)
第 1 回大阪府動物由来感染症対策検討委
員会に出席。
査について研修を実施した。
(井上)
平成 19 年度大阪府衛生検査所精度管理専
門委員会に出席。
大阪府保健所検査課検査技師 2
(勢戸)
平成 19 年第 3 回感染症予防対策委員会に
出席。
(石橋、浅尾、濱野、河合、川津、
(勝川)
平成 19 年第 2 回感染症予防対策委員会に
出席。
に食品中の細菌検査について研
(井上)
第 3 回大阪府ブルセラ病感染犬等救援本
部会議に出席。
神吉、山崎)
H19.8.31 〜 H19.9.6
平成 19 年第 1 回感染症予防対策委員会に
専門委員会に出席。
近 畿 地 区 の 地 方 衛 生 研 究 所 13
H20.3.21
第 2 回大阪府動物由来感染症対策検討委
員会に出席。
機関および検疫所 2 機関の職員
46
(井上、田口)
(勝川)
課別事業内容(細菌課)
また 21 件の食中毒事件の血清型を調べ疫学的に利用した。
2. レンサ球菌
4. 外部機関との共同研究事業
近畿支部内で検出された A 群レンサ球菌 201 株につい
て月別検出状況および血清型別を実施した。また劇症型溶
1)レファレンスセンター事業
血性レンサ球菌感染症 18 症例からの分離株の解析を実施
衛生微生物技術協議会、希少感染症研究事業の「カンピ
した。
ロバクター」、「溶連菌感染症」ならびに「ジフテリア・百
3. ジフテリア・百日咳・ボツリヌス
日咳・ボツリヌス」の近畿支部レファレンスセンターとし
ジフテリア:毒素非産生ジフテリア菌感染症、ジフテリア
て以下の事業を行い報告した。
毒素産生コリネバクテリウムウルセランス菌感染症。
1. カンピロバクター
百日咳:集団感染事例。
当研究所保存の C. jejun i 112 株、C. coli 6 株の血清型別
ボツリヌス:食餌性ボツリヌス症。乳児ボツリヌス症。
を行った結果、65 株は 13 血清型に型別できたが 53 株は
各感染症について情報を共有し、さらに検査試薬の配布
型別不能であった。ニューキノロン系薬剤に対する感受性
により検査態勢の整備を行った。
試験では 118 株中 36 株 (30.5% ) が耐性である結果を得た。
47
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
ウ
イ
ル
ス
課
高病原性鳥インフルエンザは、インドネシア、エジプト、中国、ベトナムで患者発生が続いており、日本では野鳥に
H5N1 ウイルスの感染が確認された。ウイルスが変異し人から人へ感染する新型インフルエンザが発生する可能性が高まっ
ているなか、ウイルス課においても新型インフルエンザを診断するための遺伝子診断を中心とした準備態勢を整えた。
米国において 2002 年より急速な拡大が起こったウエストナイル熱対策として、当課では 2007 年度も死亡カラスの検査
に加えて府内各地における定点にて捕集された蚊についてウエストナイルウイルスの保有状況を調査した。その結果は、全
例陰性であった。
世界規模あるいは我が国においても HIV 感染者の増加が問題となっているが、大阪府においても 2007 年は 188 名が報
告されている。当課において診断、感染者の治療支援のための検査、疫学調査などを実施した。
感染症発生動向調査におけるウイルス感染症では、感染性胃腸炎が最も多く、原因ウイルスとしてはノロウイルス GII が
主流であったが、ノロウイルス GI, サポウイルス、ロタウイルスも少なからず検出された。2007/2008 年のインフルエン
ザは、流行のピークを 2008 年の 4 週目に迎えた。ピーク時の大阪府の定点あたりの報告数は 14.6 であり、最近では最も
小さい流行規模となった。発生動向調査によりインフルエンザ患者から分離されたウイルスはほとんどがインフルエンザA
ソ連型 (H1N1) であったが、シーズン後半にはB型および A 香港型 (H3N2) も分離された。麻しん、風しんは 2008 年 1 月
から全数把握疾患となった。麻しんは大阪府内でも継続的に患者発生が続いている。特に 2 月には日本ではほとんど発生
がみられなかった H1 遺伝子型ウイルスによるクラスター ( 群 ) 発生がみられた。
その他、当課ではウイルス性疾患のみならずネズミ、ダニなどの衛生動物、犬のエキノコックスなどの寄生虫、自由生活
アメーバなどの原虫、日本紅斑熱などのリケッチア、オウム病クラミジアなどについても検査、研究を行った。また、花粉
の飛散状況に関する研究も行った。( ウイルス課における検査件数は表 2.2.1 に示した )
Polio はすべて 0 歳児からのものであったが、Polio1 は
1.ウイルス試験・検査
咽頭拭い液から分離された。Rhino の 3 株は糞便から検出
された。
1)腸管系ウイルス
( 主担:山崎、左近 )
(2)ウイルス性胃腸炎
(1)エンテロウイルス
① 集団胃腸炎
平成 19 年度中に大阪府感染症発生動向調査検査定点か
平成 19 年 4 月〜 12 月に発生した胃腸炎の集団発生 42
ら分離または検出されたエンテロウイルス (EV) はエコー
事例について、原因ウイルスの調査を実施した。ノロウイ
ウ イ ル ス (Echo)30 型
ルスが原因と考えられた事例は 37 事例 (84.4% )、A 群ロ
7 株、 ラ イ ノ ウ イ ル ス (Rhino) 5
株、コクサッキーウイルス (Cox)A6 型
4 株、ポリオウイルス (Polio) 2 型
5 株、Cox A16 型
3 株、Cox A5 型
タウイルス 1 事例、アストロウイルス 1 事例、サポウイ
2
ルス 1 事例が確認された。また、藤井寺保健所にてノロ
株、Echo25 型、CoxB1 型、EV71 型、Polio1 型であった。
ウイルスが陰性であった 3 事例においてサポウイルスを
Echo30 はすべて無菌性髄膜炎患者から検出された。Cox
検出した。
A5 はヘルパンギーナ患者から、CoxA6 および CoxA16 は
② 感染症発生動向調査—小児感染性胃腸炎
手足口病、ヘルパンギーナ患者から検出された。
( 主担:左近、山崎 )
感染症発生動向調査における感染性胃腸炎検体は 279
48
課別事業内容(ウイルス課)
表 2.2.1
ウイルス課検査件数
RN9E
6jV
i[
RN9E
^`RN
K5RN
6j
2n=Z 78J3A
78J
SfBO
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1<J\
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2
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件あり、そのうち A 群ロタウイルス 17 件 (6.1% )、ノロ
て軽い胃腸炎として報告されていた本ウイルスが成人の胃
ウイルス 81 件 (29% )、アストロウイルス 4 件、サポウイ
腸炎の原因ウイルスとなったことは、サポウイルスの疫学
ルス 10 件、アデノウイルス 40/41 型 1 件、ポリオウイ
に変化がみられるかもしれず、注目したい。
ルス2件を検出した。昨年度に引き続き、小児の胃腸炎に
( 主担:左近、山崎 )
おいてノロウイルスが主要な原因ウイルスとなった。本
2)インフルエンザおよびその他の呼吸器ウイ
ルス
年は 11 月から例年通り流行が始まり、2 月に入っても検
出されるなど比較的長く小児の胃腸炎の原因となったと
思われた。検出されたノロウイルスの遺伝子型とその数は
(1)インフルエンザ
GI/4:6、GI/8:1、GII/3:7、GII/4:62、GII/7:1、GII/13:4
であったことから、GII/4 が本年度も流行型であった。また、
インフルエンザ様疾患による集団発生は 6 事例あった
18 年度には検出されなかったサポウイルスが 10 件検出
が、いずれもウイルスは分離されなかった。今年度の流行
され、また集団発生および食中毒の原因となるなどサポウ
は年末から始まったが、規模は例年と比較して小さく、分
イルスの浸淫が懸念された。さらに、これまで小児におい
離されたウイルスは、全期間を通じて AH1 型が主であっ
49
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
た。分離ウイルスは AH1 亜型 57 株、B 型 2 株で、さら
あると考えられる。
に 4 月に入ってから AH3 亜型 1 株が分離された。
( 主担:川畑、森、小島 )
(2)HIV 感染者のフォローアップ
AH1 亜型についてワクチン株と抗原性を比較したとこ
ろ、57 株中、類似株が 25 株、類似していない株が 32 株
HIV 感染者の治療支援を目的として、ウイルス分離によ
となり、抗原性の異なる株が混在して流行していたと考え
る感染者体内のウイルス性状解析、および薬剤耐性遺伝
られた。
子の解析を行った。2007 年度は、9 例の HIV-1 感染者に
ヨーロッパにおいてオセルタミビル耐性の H1N1 株が
ついてウイルス分離を試み、7 例から HIV-1 が分離された
見つかったため、当所で分離された AH1 亜型 57 株につ
( 未治療例:6/7、治療施行例:1/2)。分離された HIV-1
いて、耐性を示す NA 領域のアミノ酸 H274Y 変異を調べ
株のうち 3 株は、病態悪化の指標となる SI (Syncytium-
たが、変異株は見つからなかった。
inducing:巨細胞形成 ) タイプの性質を示した。
( 主担:廣井、森川、加瀬、宮川 )
薬剤耐性遺伝子検査を実施した結果、1 例の治療施行例に
おいて多剤耐性変異が検出され、治療薬変更の必要性が示
(2) アデノウイルス
唆された。未治療感染者 7 例の血漿中のウイルスからは
平成 19 年度、感染症発生動向調査の検査定点病院由来
薬剤耐性株の感染を示唆するアミノ酸変異は検出されな
検体から分離されたアデノウイルスは 1 型が 3 症例で 6
かったが、1例においてリンパ球中に組み込まれたプロウ
株、2 型が 14 症例で 19 株、3 型が 8 症例で 14 株であっ
イルスの逆転写酵素領域に多数の耐性変異が検出され、薬
た。今年度はアデノウイルス 2 型が最も多く分離された。
剤耐性 HIV-1 の感染が疑われた。
( 主担:森、川畑、小島 )
( 主担:廣井、森川、加瀬 )
3)エイズ
4)発疹性ウイルス
(1)HIV 感染確認検査
(1)麻しんウイルス
2007 年度に確認検査を行った検体は 192 件であり、昨
本年度は大阪府感染症発生動向調査検査定点から 27 例、
年度から 37 件増加した。このうち、HIV-1 陽性と確認さ
一般病院から 20 例、行政検査 4 例の麻しん疑い例につい
れたものは 92 件であり、陽性件数は昨年度より若干 (4 件 )
て、RT-PC 法によるウイルス HA および NP 遺伝子の検出
減少した。陽性例を依頼元で分類すると、府保健所が 11
と B95a 細胞を用いたウイルス分離を行った。その結果、
件 (3 件増 )、木曜夜間検査所が 10 件 (2 件減 )、土曜常設
分離培養では 11 例で麻しんウイルスが分離され、RT-PCR
検査所が 15 件 (7 件減 )、日曜即日検査所が 10 件 ( 3件減 )、
法では 24 例で麻しんウイルスが検出された。これらの
大阪府内の医療機関からのものが 44 件 (9 件増 )、府外の
ウイルスの遺伝子型は 21 例が D5 型で、3 例が H1 型で
医療機関からのものが 2 件 ( 4件減 ) であった。92 件の
あった。検出された H1 型ウイルスの NP 遺伝子の配列は
陽性の内訳は、日本人男性が 69 件、日本人女性が 1 件、
2007 年に中国で検出された株に最も近縁であったが、H1
外国人女性が 1 件、国籍不明男性が 20 件、国籍も性別も
ウイルス感染者に渡航歴はなく、大阪府内での H1 型ウイ
わからないものが 1 件であった。
ルスの地域流行が示唆された。
( 主担:倉田、宮川 )
本年度、抗体価が低く WB 法でも判定保留または陰性
となり、RT-PCR 法によって感染が確認された感染初期例
5)衛生動物媒介性ウイルス、リケッチア
と思われる検体が 6 件 (2 件減 ) みつかった。このうちの
4 件 (2 件増 ) は抗体検査では全く陰性のウインドウ期の
(1)蚊媒介性ウイルス
検体であった。感染初期例が見つかるということは感染の
拡大を反映していると考えられ、非常に憂慮すべき事態で
ウエストナイル熱に関する蚊のサーベイランス事業およ
50
課別事業内容(ウイルス課)
びカラス等の死亡鳥類調査事業において、市街地に生息す
連した業務では、ノロウイルス検査でネガティブになった
る蚊およびカラスから RT-PCR 法によるフラビウイルス属
試料の便材料についてウイルス様粒子の検索を年間を通じ
遺伝子の検出およびウイルス分離を試みた。蚊のサーベイ
て実施し、一部の試料でロタウイルス・エンテロウイルス
ランスでは総計 409 プール、7 種 5902 頭の蚊について、
様粒子が観察された。
カラス等の死亡鳥類調査では計 18 頭について検査を実施
厚生労働科学研究分担研究「バイオテロ等健康危機発生
した。これらの検査結果はすべて陰性で、ウエストナイル
時の電子顕微鏡的ウイルス検査の精度管理」に参加した。
ウイルスの侵入は確認されなかった。なお、C6/36 細胞
走査型電子顕微鏡を用いた検査では、花粉症の原因であ
を用いたウイルス分離では、調査で捕集された蚊からフラ
る植物の花粉を観察分類のための観察を行った。また、病
ビウイルス属以外のウイルス様因子が 49 株分離され、そ
原微生物の展示用資料作成のため、それぞれの試料に適し
れらの性状についても解析を試みた。また、当所敷地内に
た試料作成法の検討を行い、
観察・撮影・資料作成を行った。
おいて継続的な媒介蚊の捕集調査を実施し、年間を通した
以上のほかにも、所内各課の各種試料観察のため、透過
蚊の消長についても解析したが、アカイエカ群はほぼ年間
型・走査型電子顕微鏡や実体・位相差光学顕微鏡を用いた
を通して捕集され、盛夏期以外に晩秋期にも発生のピーク
微細形態観察に協力した。
( 主担:西村 )
があることが明らかになった。患者については、国内で夏
期に発生した原因不明の急性脳炎患者について日本脳炎の
2.調査、研究
遺伝子検出およびウイルス分離を試みたが、結果は陰性で
あった。また、海外旅行あるいは海外在住地から帰国した
1)腸管感染性ウイルスに関する研究
患者3症例について蚊媒介性感染症の遺伝子検出、抗体測
定等の診断検査を実施し、1例についてはデング熱である
ことを確定した。
(1) 2006 年 10 月〜 2007 年 3 月の期間に 10 名以上の胃
その他の蚊媒介性感染症が疑われた2症例ではチクング
腸炎患者の発生の届出があり感染性胃腸炎集団発生の報
ニヤ熱について遺伝子検出を試みたが、結果は陰性であっ
道提供した 324 事例のうち、検体が採取された 213 事
た。
例の便検体を材料とした。G1F/G1R と G2F/G2R を用い
( 主担:弓指・青山 )
た RT-PCR にて陽性となった事例について増幅領域の遺
(2)リケッチア
伝子解析により遺伝子型別を行った。また感染症発生動
リケッチア症に関して、過去にツツガムシ病患者が発生
向調査に基づく感染性胃腸炎事例についてもノロウイル
した地域等において野鼠の捕獲調査を実施した。捕獲し
ス陽性例の型別を行った。
た野鼠類 (16 頭 ) およびそれに寄生していたツツガムシ類
小児散発例では 78 例がノロウイルス GII 陽性となり、
(1033 頭 )、マダニ類 (27 頭 ) について PCR 法によるリケッ
遺伝子型を決定した 73 例はすべて GII.4 に分類された。
チア遺伝子の検出を試みたが、すべて陰性の結果であった。
集団発生では 213 事例中ノロウイルスが検出された事例
なお、野鼠 12 頭のうち 2 頭からはツツガムシ病リケッチ
は 207 事例 (97% )、サポウイルスが 1 事例、原因物質
アに対する抗体が、また 1 頭からは日本紅斑熱リケッチ
不明は 5 事例であった。ノロウイルス陽性事例では GII.4
アに対する抗体が検出された。患者については、リケッチ
が 199 事例 (96% ) で検出され、流行期の主要株であっ
ア症が疑われた 5 症例について遺伝子検出、抗体測定等
た。発生施設は高齢者施設を含む社会福祉施設での発生
の診断検査を実施したが、すべて陰性の結果であった。
が 53%、医療機関が 27%と全体の 80%を占め、これら
( 主担:弓指・青山 )
施設への蔓延が認められた。発生割合では保育所・幼稚
園は 15%に止まってはいるものの昨年度に比べて増加し
6)電子顕微鏡
ていたが、これだけの流行状況でありながら、小・中学
校では減少に転じていた。GII.4 は世界的にも 2002 年、
透過型電子顕微鏡を用いた嘔吐下痢症ウイルス検査に関
2004 年に集団発生急増の原因となった遺伝子型である。
51
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
大阪府内においても 2004 年の流行は GII.4 であった。し
を行ったが、
インフルエンザウイルスは検出されなかった。
かし、本年度のような大流行には至っておらず、感染効率、
それ以外のウイルスとしてヒトメタニューモウイルス、ア
増殖性などに関わる変異が関与しているのではないかと
デノウイルス、RS ウイルス、パラインフルエンザ 3 型が
考えられ、今後 ORF1 領域についても解析を行っていき
検出された ( 一部文部科学省科学研究費補助金 )。
たい。
( 主担:左近、山崎 )
麻しんウイルスの検出方法に技術改良を加え、多数の臨
(2) 病院内で発生するノロウイルス感染症への迅速対応に
床検体を用いて検討した結果、その有用性が確認された。
ついての検討:アンケート調査および試験的ウイルス検
2007 年は分離された麻しんウイルスは D5 系統であった
査を行うことにより、病院でのウイルス検査に対応でき
が、2 月には日本ではほとんど発生がみられなかった H1
るキャパシティを把握し、院内感染拡大防止策の一助と
遺伝子型ウイルスによるクラスター ( 群 ) 発生がみられた。
なる政策を提言することを目的とした研究を行った。そ
( 一部厚生労働科学研究費補助金 )。
さらに呼吸器系ウイルス感染症において、包括的、網羅
の結果、
1. ノロウイルス検査の必要性は認識されているが検査導
的に病原体診断を行う方法の開発・検討を行った ( 一部文
入が進んでいない。
部科学省科学研究費補助金 )。
2. ノロウイルス簡便検査法が開発されたが診断的価値を
( 主担:加瀬、森川、廣井、倉田、高橋 )
充分に満たしているとは言えない。
3)HIV 感染症に関する研究
3. RNA 抽出等の習熟を成すことによりノロウイルス遺伝
子検査を行うことは充分可能である。
4. 入院医療費削減のため、積極的に検査の導入を進める
(1) 2007 年は、依頼による確認検査において 92 名の HIV
必要がある等が指摘できた。
感染者を確定した。昨年より 4 名減であったが過去 2 番
( 主担:山崎、左近 )
目に多く、6 名の感染初期例が見つかったことより、大
阪地域における HIV の感染拡大が継続している状況が示
2)ウイルス性呼吸器感染症の研究
された。
(2) 性感染症クリニックなど 5 医療機関を定点とした HIV
高病原性トリインフルエンザに関しては、昨年度のイン
感染に関してリスクの高い集団の疫学調査では約 2000
ドネシア等における実績を踏まえて、トリインフルエンザ
名中日本人男性 22 名、日本人女性 1 名の HIV 陽性者を
ウイルスを迅速に検出するイムノクロマト法の実用化を
見出した。日本人男性の多くは同性愛者であった。また、
図った ( 一部文部科学省科学研究費補助金 )。
1 名見つかった日本人女性は、薬剤耐性株を含む複数の
HIV 株に重感染している可能性が示された。
大阪地区でのインフルエンザの動向は、2007 年 11 月
に AH1 型を分離し、それ以後 2008 年 2 月まで AH1 型の
(3) 75 名の新規 HIV 感染者について薬剤耐性を調べたと
分離が続いた。分離ウイルスの抗原性は半数はワクチン株
ころ、6 名において薬剤耐性ウイルスの感染を示唆する
と類似していたが、残り半数は異なっていた。また、イン
アミノ酸変異が検出された。9 名について体内ウイルス
フルエンザ HI 抗体価の測定方法に関する検討を行い、イ
の変化を調べたところ、3 名から悪性化ウイルスが検出
ンヒビター処理に問題があることを指摘した ( 一部厚生労
された。
働科学研究費補助金 )。
(4) エイズ薬候補物質のスクリーニングを実施し、94 件中
2007 年第 25 週から第 47 週までのインフルエンザ非
29 件について抗 HIV-1 活性を認めた。
流行期間中に、上気道由来検体からのインフルエンザウイ
( 主担:森、川畑、小島 )
ルスの検出を試みた。上気道症状、発熱を呈した患者より
4)ヒトヘルペスウイルスに関する研究
鼻汁 718 検体を得、迅速診断キットによるインフルエン
ザウイルス抗原検出、MDCK 細胞を用いたウイルス分離と、
抽出した RNA からのインフルエンザウイルス遺伝子検索
急性脳炎、痙攣重積などの中枢神経症状が認められる患
52
課別事業内容(ウイルス課)
者髄液 14 検体についてヘルペスウイルスの検出を nested
伝子を誘導することがわかった。
( 主担:小田 )
PCR で行った。HSV は全例陰性、HHV6B 陽性が2例であっ
た。
6)原虫・寄生虫症に関する研究
HHV6 B陽性のうちの 1 例は臨床的に突発性発疹の症
状が認められた 0 歳 11 か月児で、経過中にけいれんが認
められたものである。もう一例は 1 歳で発熱、意識障害、
(1)大阪府内の放浪犬の、エキノコックスをはじめ
急性片麻痺が認められた事例である。HHV6、HHV7 感染
とする腸管寄生虫保有調査
症は突発性発疹として小児期にはありふれた疾患である
が、中枢神経症状を伴うこともあり迅速な診断法の開発が
本年度に府内で捕獲された 63 頭の放浪犬についての保
望まれる。現在 LAMP 法による検査法を検討中である。
有調査を実施し、うち 23 頭の糞便から 5 種の腸管寄生蠕
また今年度はろ紙血を用いた先天性サイトメガロウイル
虫卵を検出した ( 検出率 36.5% )。その内訳は、イヌ回虫
ス (CMV) 感染症のスクリーニングを府内の 2 病院で実施
卵 11 件 (17.5% )、イヌ鞭虫卵 5 件 ( 7.9% )、マンソン裂
している。現在約 300 検体をスクリーニングし、2 例が
頭条虫卵 5 件 ( 7.9% )、イヌ鈎虫卵 1 件 ( 1.6% )、テニア
サイトメガロウイルス陽性で先天性 CMV 感染症と診断さ
科条虫卵 1 件 ( 1.6% ) であった。このうちテニア科条虫卵
れた。2 例とも無症状であったが、今後症状が顕性化して
については、PCR-RFLP 法による解析の結果、エキノコッ
くる可能性もあり、フォローアップの予定である。今回
クスであることは否定された。本調査ではエキノコックス
のスクリーニングは nested PCR 法と LAMP 法でおこなっ
は検出されなかったが、イヌ回虫が高率に検出され、特に
ている。陽性患者は 2 例ともどちらの方法でも検出され、
1 歳未満の幼若犬の約 25%が感染している事が明らかと
簡便な LAMP 法の有用性が確認された。( この研究は科学
なった。イヌ回虫はヒトに幼虫移行症を引き起こす人獣共
研究費・基盤研究Bによる )
通感染症として重要であり、犬の糞便中のイヌ回虫卵によ
( 主担:宮川、小田 )
る砂場等の汚染が問題となっている。今後、放浪犬のイヌ
回虫保有に関しても、継続した調査が必要と考えられる。
5)ウイルスと環境化学物質の突然変異誘導に
関する研究
( 主担:木村 )
(2)大阪府およびその近郊に棲息する野鼠の血液寄
(1) ヒト免疫不全ウイルス (HIV) のアクセサリー遺伝子の
生性原虫の疫学的調査
vpr 遺伝子を導入した大腸菌株およびサルモネラ菌とそ
の親株を用いて、VPR 蛋白質による DNA 損傷作用とそ
本 年 度 に 西 宮 市 で 捕 獲 さ れ た ド ブ ネ ズ ミ (Rattus
の突然変異および組換え作用について検討した。その結
norvegicus ) 55 匹について、血液を用いた Babesia 原虫の
果、VPR 蛋白質は弱いながらも DNA 損傷性を示し、組
分子疫学調査を行ったが、これらのネズミからは Babesia
換えも 82-200 倍に誘導することがわかった。しかしな
原虫は検出されなかった。前年度 11 月に大阪府内で捕獲
がら、VPR 蛋白質による突然変異作用は示さなかった。
した野鼠 35 匹 (Apodemus speciosus ) については、本年度
現在用いた試験菌株の VPR 蛋白の発現をウエスタンブ
それらのネズミの脾臓から抽出した DNA を用いた Babesia
ロット法で検討している。
原虫の分子疫学調査を行い、14 匹で原虫の 18SrRNA 遺
(2) 3 種 類 の 分 子 種 の 異 な る ヒ ト 型 sulfotransferase
伝子を検出した。それらのうちの 2 匹 (14.2% ) ではヒト
(SULT1A1、1A2、1A3) 遺伝子を umu 試験菌株に導入し
バベシア症の原因となる神戸型 Babesia microti が検出さ
た 3 種 類 の 試 験 菌 株 NM7001、NM7002、NM7003 と
れ、11 匹 (78.5% ) でヒトへの病原性は確認されていない
その親株を用いて、種々の化学変異原物質に対する感受
ものの神戸型原虫と非常に近縁な穂別型 B.microti が検出
性を比較検討した結果、芳香族アミン、ニトロ化合物は、
された。残り 1 匹からは、2007 年に日本で初めて発見さ
NM7001 と NM7002 株 で 強 く umuC 遺 伝 子 を 誘 導 し、
れた Piroplasma 属原虫が検出された。今回の調査で神戸
アルキニールベンゼン類は、NM7003 株で高い umuC 遺
型原虫に感染した野ネズミが捕獲された地域は、人間の生
53
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
活する地域に近く、公衆衛生学上重要な知見であると考え
H19.7.11
られる。神戸型 Babesia 原虫は、日本国内の疫学調査でも
感染症発生動向調査委員会 ( 大阪府・大阪市・
堺市・高槻市・東大阪市 )
淡路島、島根、青森の3例報告があるだけで、その分布域
H19.7.28
については未だ知られていない。今後、近畿圏での神戸型
( 宮川 )
「臨床研修医と専門医を目指す若手医師の為
の小児感染症夏期セミナー講演」
( 宮川 )
Babesia 原虫の疫学調査を行っていく必要があると考えら
H.19.9.1
大阪小児保健研究会講演
( 宮川 )
れる。
H19.9.27
門真市医師会保健医療講演会
( 宮川 )
H19.10.15
大阪府保健所医師業務研修講演
( 宮川 )
H19.10.19
生野区学校保健協議会総会学術講演会講師
( 主担:倉田 )
7)花粉症対策のための基礎的研究
( 宮川 )
(1) 2007 年度においては、大阪府立公衆衛生研究所の屋
H19.10.24
大阪府立大学授業公開講座講師
上で花粉の観測を年間を通じて行った。その結果 2007
H19.11.2
感染症・食中毒防止対策研修会講演
年は予測通りスギ・ヒノキ花粉の飛散の平年なみの年で
あった。また、スギ・ヒノキ花粉以外に春の木の花粉では、
H19.11.4
(森)
( 依田、加瀬 )
日本助産師会母子訪問指導者研修会講演
ヤシャブシ・イチョウ・コナラ・マツ・カバノキ科の花
( 宮川 )
粉が多く観察された。夏と秋には、少ないながらもイネ科・
H19.11.7
ヨモギ・ブタクサ・カナムグラの花粉が観察された。
(2) 観測データを用いスギ・ヒノキ花粉飛散状況をホーム
H19.11.21
ページ上に折れ線グラフで表示し花粉飛散状況の解説と
感染症・食中毒防止対策研修会講演
( 左近、森川 )
大阪府立急性期・総合医療センター院内感染
防止対策講習会講師
注意の喚起を行った。
H19.12.3
(3) 2007 年度は、茨木・四条畷・藤井寺・泉佐野の4期
( 宮川 )
成人病センター院内感染セミナー講演
( 加瀬 )
間保健所との共同観測を行い大阪府の5地域の地域差を
H19.12.19
大阪府保健所職員研修会講師
( 加瀬 )
解析した。また、そのデータを地域差が分かるようにホー
H19.12.27
守口保健所健康危機管理関係機関会議講演
ムページ上にスギ・ヒノキの飛散状況をアイコンを使っ
( 宮川 )
て表示した。
H20.1.15
ウエストナイル熱等感染症媒介蚊対策説明会
(4) 夏におけるイネ科の花粉を、秋におけるブタクサ・ヨ
( 弓指 )
モギ・カナムグラの花粉の予報と花粉飛散状況の解説を
H20.2.8
ホームページ上に行った。
( 山崎 )
H20.2.14
枚方地域感染症対策講演会講師
( 宮川 )
H20.3.7
大阪府立消防学校
( 主担:西村 )
3.会議、委員会、研修、特許等
1)会議・委員会等に出席
H19.5.25
茨木市医師会
H19.6.21
平成 19 年度防除作業従事者研修会 ( 大阪ビ
ルメンテナンス協会 ) 講師
H19.6.27
大阪府麻しん対策に関する研修会講演
( 宮川 )
H20.3.28
( 宮川 )
大阪府麻しん対策会議
( 宮川 )
2)研修に参加
( 弓指 )
大阪府看護協会研修「感染看護」講義
専科教育特殊災害科講義
( 加瀬 )
H20.3.10
学術勉強会講演
姫路市環境衛生研究所職場研修会講演
H19.9.25-10.5
( 宮川 )
国立保健医療科学院
疫学統計コース
( 倉田 )
54
課別事業内容(食品化学課)
食
品
化
学
課
食品化学課の日常業務では、健康福祉部食の安全推進課および各保健所と協力し化学分析を基盤に食品の安全性を確保す
る目的で、食品添加物、農薬、PCB、動物用医薬品、カビ毒、遺伝子組換え食品、有害性金属、牛乳、食品用器具・容器包
装等の分析や規格検査を行った。さらに、府民の関心事となっている遺伝子組換え食品及びアレルギー物質 ( 特定原材料 )
については、検査法の技術開発と改良を行った。また、保健所に持ち込まれる消費者からの苦情食品の化学分析を行い、原
因究明と対策についての基礎的調査を行った。さらに、大阪府の検査機関 ( 保健所、市場食品衛生検査所等 ) で陽性、また
は疑陽性となった検体の再検査を行う確認検査も実施した。
平成 18 年 5 月 29 日から施行された「農薬等のポジティブリスト制度」
に対応すべく農薬等の分析法の見直し改良を行い、
一律基準値 (0.01ppm) に対応した検出下限値で幅広く農薬検査を行った結果、これまでに比べ農薬の検出頻度が増加した。
食品表示の偽装例が次々判明し府民の食品に対する不信感が高まったが、年度後半に起こった冷凍食品に混入した殺虫剤
による中毒事例をきっかけに、食の安全・安心に対する不安が現実の問題となった。保健所などへの食品に関する苦情や問
い合わせは非常に多くなり、苦情食品に対する検査対応もこれまで以上に広い範囲と迅速性が求められるようになった。
平成 9 年 4 月から導入された業務管理基準 (GLP) についても引き続いて、分析法の再検討を行うと共に各種標準作業書
の作成及び既存分析機器の整備等に取り組んだ。本年度に作成した標準作業書リストを表 3.1.1 に示した。
食品化学課が参画した調査研究事業では、大阪府母乳栄養推進事業において母乳中の残留性有機汚染物質 ( 有機塩素系化
合物等 ) の分析を行った。公衆衛生研究所事業では輸入食品の安全性評価事業費を受けて、農薬の一斉分析法の改善、測定
項目拡大に努めた。厚生労働省関連では、国立医薬品食品衛生研究所の研究班参画及び厚生労働科学研究を実施した。
本年度実施した検査業務の内容を表 3.1.2 に示す。使用基準違反、
不正使用等の不良食品件数は 1,622 検体中 14 件であっ
た。本年度の検体数は前年度に比べて若干減少したが、
「農薬等のポジティブリスト制度」に対応すべく検査農薬数を増や
したため、検査総項目数は 18 年度の約 36,000 項目から約 52,000 項目へと大幅に増加した。また、検査項目が遺伝子組
換え食品の検査あるいはアレルギー物質の検査等難度の高い複雑なものに移行しており、業務量が激増したと言える。今後
とも関係各機関の協力を得てさらに充実した効率的な行政検査及び調査研究を行いたいと考えている。
なかった。とうもろこし加工食品については、未承認組換
1.行 政 検 査
え遺伝子 (Bt10) の混入についても 20 検体を検査したが、
全て陰性であった。 ( 主担:北川幹、野村、吉光、粟津 )
1)遺伝子組換え食品の検査
2)アレルギー物質の検査
遺伝子組換え食品中の DNA の分析を、大豆、豆腐、油
揚げなどの大豆加工食品 19 検体について行ったところ、
食品アレルギーの原因となる、小麦、乳、卵、そば、落
豆腐 1 検体 ( 混入率 0.3% ) および油揚げ用大豆 ( 混入率
花生の 5 品目の混入について検査した。乳 8 検体、小麦
0.1% ) から組換え遺伝子を検出した。とうもろこし加工食
7 検体、そば 7 検体、卵 8 検体、落花生 19 検体を検査し
品 14 検体をスクリーニング検査したが、違反は認められ
たがすべて陰性であった。
55
( 主担:北川幹、野村、粟津 )
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 3.1.1
食品化学課における検査等にかかわる標準作業書等書類
26-017
24-011
パツリン(リンゴジュース(100%果汁及び原料濃縮果汁))
PCB油脂性食品(乳製品・食肉・魚介類など)
抗生物質(テトラサイクリン類)(LC-MS/MS法)(魚介類、牛
23-102
乳、牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵)
24-016 有機塩素系農薬(食品)
21-040 特定原材料(食品一般)
26016-104 残留農薬(メパニピリム)
26-018 防かび剤(かんきつ類)
3)食品添加物
訂 2007/4/1
訂 2007/4/16
改
訂 2007/6/13
改
改
新
改
訂
訂
規
訂
2007/7/2
2007/12/10
2008/1/21
2008/3/18
(4)発色剤 ( 亜硝酸ナトリウム )
(1)保存料 ( ソルビン酸、PHBA 等 )
ハム、ソ−セ−ジ、たらこ、明太子等 30 検体について
野菜果実加工食品、漬物、食肉加工食品、菓子など合
検査を行った。その内、19 検体から亜硝酸を検出したが
違反は認められなかった。
計 56 検体についてソルビン酸、安息香酸、デヒドロ酢酸、
PHBA イソブチル、PHBA イソプロピル、PHBA エチル、
( 主担:尾花、吉光 )
(5)漂白料 ( 亜硫酸 )
PHBA ブチル、PHBA プロピルの検査を行ったが、違反は
認められなかった。
改
改
( 主担:尾花、吉光、野村 )
かんぴょう、はるさめ、漬物、レンコンの水煮等 56 検
体について検査したが、違反は認められなかった。
(2)防かび剤 ( イマザリル (IMZ)、ジフェニル (DP)、
( 主担:尾花、吉光、野村 )
オルトフェニルフェノール (OPP)、チアベンダ
ゾール (TBZ)) の検査
(6)甘味料 ( サッカリンナトリウム )
輸入果実 14 検体 ( グレープフルーツ 10、オレンジ 3、
漬物、清涼飲料水、菓子、魚肉練り製品、惣菜等の 56
レモン 1) につき防かび剤の検査を行った。14 検体のうち
検体について検査した。その結果べったら漬 1 検体から
IMZ が使われていたものが 12 検体で、そのうち 2 検体は
サッカリンナトリウムが 0.018g/kg 検出されたが、ラベ
TBZ も使われていた。DP と OPP はどの検体からも検出さ
ルに使用表示がなく表示違反と判断された。
れなかった。また、防かび剤使用なしの表示のあったグ
( 主担:尾花、吉光、野村 )
レープフルーツとオレンジ、それぞれ 1 件からは表示通
(7)甘味料 ( サイクラミン酸ナトリウム )
り防かび剤が検出されなかった。検出された防かび剤は全
て基準値以下で、その検出値のレベルは次の通りである。
サイクラミン酸ナトリウムは我が国では使用禁止の合成
IMZ:0.0012-0.0043g/kg、TBZ:0.0002 と 0.0009g/kg。
甘味料である。果実加工食品、漬物、穀類加工食品、調味
( 主担:住本、村田、高取、北川陽、柿本幸、岡本 )
料、菓子等 28 検体について検査を行ったが、いずれから
も検出されなかった。
(3)着色料
(8)酸化防止剤 (t- ブチルヒドロキノン:TBHQ)
菓子、野菜加工食品、穀類加工食品、果物加工食品、漬
物、調味料、果実酒等 40 検体について検査を実施したが
違反は認められなかった。
( 主担: 尾花、粟津 )
TBHQ は我が国では使用禁止の酸化防止剤である。アメ
( 主担:尾花、野村 )
リカ、中国、タイ等 10 ヶ国から輸入された菓子、野菜加
工食品、調味料等 20 検体について検査を行ったが、いず
れからも検出されなかった。
56
( 主担:尾花、野村 )
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食品化学課行政検査業務実績
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課別事業内容(食品化学課)
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
(9)乳化剤 ( ポリソルベート )
(3)食肉、食鳥、食鳥卵
ポリソルベートは我が国では使用禁止の乳化剤である。
牛肉 3 検体、豚肉 3 検体、鶏肉 4 検体、鶏卵 15 検体の
今回、中国、タイ、アメリカ、イタリア等 9 ヶ国から輸
PCB を測定したが、いずれからも検出されなかった (0.01
入されたソース類、調味料、菓子類など 28 検体について
ppm 以下 )。また、
牛肉、
豚肉、
鶏肉、
各 5 検体 ( 計 15 検体 )
検査を行ったが、いずれからも検出されなかった。
について有機塩素系農薬類 ( 乳及び乳製品と同じ項目 ) を
( 主担:尾花、野村 )
分析した。その結果、牛肉 1 検体よりβ -BHC (0.010ppm)
を検出したが、それ以外は定量下限 (0.001ppm) 以下で
4)残留農薬およびPCB等の検査
あった。また、ハム、ソーセージなど畜産加工品 20 検体
についても分析したが、いずれも定量下限 (0.001ppm) 以
下であった。
(1)牛乳及び乳製品
( 主担:小西、阿久津 )
牛乳、加工乳 15 検体について PCB の測定を行ったが、
(4)輸入農産物の残留農薬検査
いずれからも検出されなかった (0.01ppm 以下 )。また、
牛乳、加工乳 15 検体中の有機塩素系農薬類 ( α -BHC、
野菜・果実・穀類及びその加工品等 148 検体について
β -BHC、γ -BHC、δ -BHC、総 BHC、o,p' -DDD、p,p' -DDD、
残留農薬の検査をおこなった。検査農薬名を表 3.1.3 に示
o,p' -DDE、p,p' - DDE、o,p' -DDT、 p,p' -DDT、 総 DDT、 ヘ
した。一律基準値が 0.01ppm に設定されたため、定量下
キサクロロベンゼン (HCB)、ヘプタクロル、ヘプタクロル
限値も 0.01ppm に設定したが、エトプロホスとテルブホ
エポキサイド (HCE)、アルドリン、ディルドリン、エンド
スについては残留基準値が 0.005ppm である食品がある
リン ) を分析したが、いずれも定量下限 (0.001ppm) 以下
ため定量下限値を 0.005ppm とした。検査農薬は 132 農
であった。
薬 (19,536 項目 ) であり分析を 6 月、8 月、9 月、10 月
( 主担:小西、阿久津 )
と 1 月に行った。農薬が検出された食品と農薬の残留値
を表 3.1.4 に示した。検出された農薬はすべて基準値以下
(2)魚介類
であったが、定量下限値が下がったために 18 年度に比べ
魚介類 16 検体について PCB の測定を行ったが、いずれ
て検出頻度が大幅に増加した。
からも検出されなかった (0.01ppm 以下 )。また、水産加
( 主担:住本、村田、高取、北川陽、柿本幸、岡本 )
工品 10 検体において、有機塩素系農薬類 ( 乳及び乳製品
(5)国内産農産物の残留農薬検査
と同じ項目 ) を分析した。その結果、アトランティックサー
モン加工品から HCB(0.002ppm)、DDT 類 ( 総 DDT として
流通市場で販売されている国内産野菜、果物、穀類 154
0.016ppm)、からすがれい加工品から HCB(0.006ppm)、
検体について残留農薬の検査を行った。検査農薬は輸入農
デ ィ ル ド リ ン (0.008ppm)、DDT 類 ( 総 DDT と し て
産物と同一である。野菜、果物類は 5 月、7 月、11 月と
0.015ppm) を検出した。その他は定量下限 (0.001ppm) 以
2 月に 144 検体 (19,008 項目 )、
穀類は玄米 10 検体 (1,320
下であった。
項目 ) を 11 月に検査した。農薬が検出された食品と農薬
船底塗料や漁網用防汚剤などに使用されるトリブチル
の残留値を表 3.1.5 に示した。検出された農薬はすべて基
スズ (TBT) およびトリフェニルスズ (TPT) の残留分析を
準値以下であった。
行った。魚介類 20 検体のうち1検体 ( シロサバフグ ) か
( 主担:住本、村田、高取、北川陽、柿本幸、岡本 )
ら微量の TPT を検出した ( 塩化トリフェニルスズとして
(6)産地直送農産物の検査
0.09ppm)、その他は定量下限 (0.02ppm) 以下であった。
( 主担:起橋、阿久津 )
生産地から直接に消費者に流通される野菜及び果実等
10 検体 (1,320 項目 ) について、
7 月に残留農薬検査を行っ
58
課別事業内容(食品化学課)
表 3.1.3
平成19年度の検査農薬名
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59
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 3.1.4
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輸入農産物から検出された農薬とその原産国
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課別事業内容(食品化学課)
表 3.1.5
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国産農産物から検出された農薬とその産地
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平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
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た。この結果、農薬が検出された食品と農薬の残留量を表
ファジミジン、スルファモノメトキシン、スルファジメト
3.1.6 に示したが、すべて基準値以下であった。
キシン、スルファキノキサリン、スルファクロルピリダジ
( 主担:住本、村田、高取、北川陽、柿本幸、岡本 )
ン、スルファメトキサゾール、スルファドキシンの 8 種類、
鶏肉についてはスルフィソゾール、スルファチアゾールを
5)食品中の金属検査
加えた 10 種類)の検査を実施した。その結果、いずれも
定量下限 (0.01ppm) 以下であった。
魚介類 25 検体(6 月)
、豚肉 11 検体(8 月)
、牛肉 8
(1)玄米の重金属検査
検体(8 月)
、鶏肉 25 検体(10 月)についてキノロン系
平成 19 年度産玄米、10 検体中のカドミウム含有量の
抗菌剤オキソリン酸の検査を実施した。その結果、いずれ
検査を行ったところ、ND 〜 0.20ppm の範囲で検出され
も定量下限 (0.02ppm) 以下であった。
たが、全て規格値 (1.0ppm) 以下であった。
( 主担:田口、藤田 )
( 主担:池辺、北川幹 )
(2)テトラサイクリン系抗生物質
(2)魚介類中の水銀検査
魚介類 10 検体(6 月)
、牛乳 16 検体(11 月)につい
魚介類の総水銀含有検査を 50 検体 ( 国産 25 検体、輸
てテトラサイクリン系抗生物質 ( オキシテトラサイクリ
入 25 検体 ) 実施した。その結果、総水銀含有量は全て暫
ン、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、ドキシ
定規制値 (0.4ppm) 以下であった。
サイクリン ) を測定した。その結果、
いずれも定量下限 ( オ
( 主担:吉光、野村、粟津 )
キシテトラサイクリンとテトラサイクリン:0.02ppm、ク
ロルテトラサイクリンとドキシサイクリン:0.05 ppm) 以
(3)清涼飲料水の重金属検査
下であった。
清涼飲料水 8 製品についてカドミウム、鉛、ヒ素、ス
(3)肥育用ホルモン剤
ズの分析を行った。その結果、すべて規格値以下であっ
た ( カドミウム、鉛、ヒ素:検出してはならない;スズ:
150ppm 以下 )。
( 主担:田口、柿本健 )
牛肉 10 検体(2 月)についてβ-トレンボロンおよび
( 主担:北川幹、野村 )
ゼラノールの検査を実施した。その結果、いずれも定量下
限(β - トレンボロン 0.002ppm、ゼラノール 0.002ppm)
6)動物用医薬品の検査
以下であった。
( 主担:田口、小阪田 )
(4)駆虫剤
(1)合成抗菌剤の検査
牛肉 10 検体(2 月)についてトリクラベンダゾール残
鶏卵 14 検体(5 月)、魚介類 25 検体(6 月)、豚肉 11
留物の検査を行い、いずれも定量下限 ( ケトトリクラベ
検体(8 月)、牛肉 8 検体(8 月)、鶏肉 25 検体(10 月)
ンダゾールとして 0.01ppm) 以下であった。また、鶏卵
についてサルファ剤系抗菌剤(スルファメラジン、スル
14 検体(5 月)および豚肉 15 検体(2 月)についてフ
62
課別事業内容(食品化学課)
ルベンダゾールの検査を行い、いずれも定量下限 ( 豚肉
ポリスチレン (PS) を主成分とする豆腐容器、総菜容器
0.002ppm、鶏卵 0.04ppm) 以下であった。
等 20 検体についての規格検査を行った。カドミウム、鉛、
( 主担:田口、藤田 )
過マンガン酸カリウム消費量、揮発性成分、重金属、蒸発
残留物の検査を行ったが全て適合であった。
7)その他の食品の検査
( 主担:池辺、粟津 )
ポリエチレンテレフタレート (PET) を主成分とするペッ
(1)マイコトキシンの検査
トボトル、蓋等 20 検体についての規格検査を行った。カ
10 月にリンゴジュース 15 検体についてパツリン検査
ドミウム、鉛、過マンガン酸カリウム消費量、蒸発残留物、
を実施した。このうち 1 件について 0.005ppm 検出され
重金属、アンチモン、ゲルマニウムの検査を行ったが全て
たが、基準値 0.050ppm を超えていなかった。他はすべ
適合であった。
て定量下限値 (0.005ppm) 以下であった。
( 主担:池辺、北川幹 )
輸入ガラス器具 ( コップ等 )、輸入陶磁器 ( 皿等 )10 検
また、12 月に穀類及びその加工品 ( コーン、ビーフン等 )、
体の、
カドミウム、
鉛の規格検査を行ったが全て適合であっ
た。
ナッツ類及び豆類とその加工品 ( 落花生、春雨等 )24 検体
についてアフラトキシンを測定した。その結果、何れから
( 主担:池辺、野村 )
蛍光染料の検査:紙皿、クッキングペーパー等の蛍光染
も規制値 (10ppb) を超えて検出されなかった。
料の検査を 19 検体について実施した。その結果、いずれ
も蛍光染料を検出しなかった。
( 主担:住本、村田、高取、北川陽、柿本幸、岡本 )
(2)ヒスタミンの検査
( 主担:池辺、吉光 )
9)確認検査
いわし加工食品、あじ加工食品、さんま加工食品、さば
加工食品など 20 検体について検査を実施したところ、い
年間事業計画に従った検査、研究業務の他に、必要の都
わし加工食品 1 検体からヒスタミンが 88 μg/g 検出され
度行われるものとして確認検査がある。これは他府県市で
たが、中毒量 (1,000 μg/g 以上 ) と比較すると極めて低
不良品と認められた食品の再検査や、保健所、卸売市場食
い値であった。
品衛生検査所、食肉衛生検査所などでの予備試験で陽性
( 主担:吉光、粟津 )
( 残留基準違反など ) であった検体などの再検査を行うも
(3)牛乳及び加工乳の成分規格検査
ので、本年度は 2 事例について実施した。本検査は行政
乳の成分規格の検査を 4 月、11 月の 2 回に分け、牛乳
処分に至る可能性も高く、不定期に検査の必要が生じ、結
34 検体、成分調整牛乳 2 検体、加工乳 ( 乳脂肪分 3%以上 )4
果が早急に要求されることが多い。
検体、加工乳 ( 乳脂肪分 3%未満 )4 検体の計 44 検体につ
ゆでだこ製造会社の衛生管理が悪いとの情報が保健所に
いて実施した。全てが規格に適合していた。
入り、食品衛生監視員が調査しところ、不適切な亜硫酸ナ
( 主担:起橋、藤田)
トリウムの使用が疑われた。19 検体を検査した結果、8
検体が基準値 (0.03g/kg 未満 ) を超過した。
8)器具、容器包装
食肉衛生検査所が敗血症のため全廃棄処分した牛の残留
抗生物質の同定依頼を受けた。その結果、搬入された4つ
の部位すべてからオキシテトラサイクリンを検出した (1.7
(1)合成樹脂製の器具又は容器包装
~ 7.4ppm)。
( 文責:尾花 )
ポリプロピレン (PP)、ポリエチレン (PE) を主成分とす
10)苦情食品の検査
るポリ袋、食品容器等 20 検体についての規格検査を行っ
た。カドミウム、鉛、過マンガン酸カリウム消費量、重金
属、蒸発残留物の検査を行ったが全て適合であった。
苦情食品の処理過程において、食品衛生行政に対する信
( 主担:池辺、尾花 )
頼の確立が得られるように検査体制を維持するよう努力
63
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
している。検査結果は表 3.1.7 にまとめた。1 月に中国産
スタミンの分解を利用した市販キット ( 酵素法 )、酵素免
冷凍餃子に有機リン系殺虫剤 ( メタミドホスとジクロルボ
疫学的方法を利用した市販キット (ELISA 法 )、HPLC 法を
ス ) が混入し、中毒患者がでるという事例が他県で 3 件発
比較検討した。その結果、いずれの方法も中毒量のヒスタ
生した。大阪府においてもその時期に嘔吐や下痢をした有
ミンの定量が可能であり、酵素法でヒスタミンを定量後、
症者について、残っていた食材や包装紙について、メタミ
HPLC 法でピークを確認する方法が中毒発生時の迅速分析
ドホスとジクロルボスについて検査を行った。その後もこ
に有用であることがわかった。
れまで以上に幅広い項目や迅速な対応が求められる苦情検
査が続いた。
( 主担:尾花、池辺、北川幹、吉光、野村、粟津 )
( 文責:尾花 )
2)食品の放射線照射に関する研究
2.依 頼 検 査
アルキルシクロブタノンを指標にした照射検知では、生
高槻市が平成 15 年 4 月に中核都市に移行し、これに伴
の畜肉食品だけでなく加熱調理した畜肉食品や、長期冷凍
い高槻保健所に関しては、従来の行政検査が依頼検査と
保存した畜肉食品でも実用レベルの照射履歴を検知できる
なった。東大阪市に関しては遺伝子組換え食品の依頼検査
ことを示した。しかし、脂肪含有量の少ない植物性食品に
を行った。検査結果を表 3.1.8 にまとめた。
ついては適用が困難であった。
( 文責:尾花 )
植物性だけでなく動物性の食品についても適用できる照
射指標としてジヒドロチミジンの可能性を検討した。照射
3.調 査、研 究
線量の大きい黒胡椒や DNA 抽出が容易な食肉類などの検
知は可能と思われる結果が得られたが、研究の発展的な展
1)食品添加物等に関する衛生学的研究
開は LC/MS/MS の継続使用が困難であり進捗できなかっ
た。
(1)検査法の改善
ジヒドロチミジンが、幅広い食品を対象にした検知指標
着色料検査での薄層クロマト (TLC) 用試験液を HPLC 測
である可能性を示せたことを一定の成果と考え、本研究を
終了した。
定に使用できることを確認し、TLC において明確なスポッ
( 主担:尾花 )
ト検出が困難な場合や違反の確認など追加的検査の精度や
効率を高められるようになった。
3)遺伝子組換え食品に関する研究
(2)白インゲン豆による健康被害
(1)遺伝子組換え米検出法の検討
平成 18 年 5 月、白インゲンによる健康被害が全国的に
発生した。原因となるレクチンの残存は、赤血球凝集反
未承認遺伝子組換え米の流通を防止するため、米加工
応 (HA) 試験により確認するが、HA 試験は条件により値
品からの DNA 抽出法を検討した。通知法記載のニッポン
が変動する可能性がある。レクチン活性の変化を、HA 試
ジーン GM quicker 2、およびキアゲン QIAamp DNA Stool
験により測定すると同時に、ウエスタンブロット (WB) 法
Mini Kit、キアゲン Genomic-tip を用いて 8 種の米加工品
を用いて中毒の主因とされるフィトヘマグルチニン (PHA)
からの DNA 抽出を検討したところ、米由来遺伝子の検
の挙動を調べた。さらに、ELISA 法による PHA の定量に
出率に差はみられなかった。検討した米加工品 ( 輸入品 )
ついて検討した。その結果、PHA の確認には Native-PAGE
から遺伝子組換え米は検出されなかった。粉砕困難な試
後 WB 法、定量には ELISA 法が有効であった。
料 ( ビーフン、はるさめなど ) については滅菌水で十分に
水を吸わせてから粉砕すると容易に均質化された。また、
(3)ヒスタミン中毒
α - アミラーゼの添加も試料を均質化する点で有効であっ
ヒスタミン分析では迅速化を試みるため、酵素によるヒ
た。
64
課別事業内容(食品化学課)
表 3.1.7
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平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
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(2)PCR 反応増幅阻害物質を含む DNA 溶液精製法
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4)加工食品中の特定原材料の分析法開発およ
び実態調査
の検討
トウモロコシ由来遺伝子が検出されなかったスナック菓
(1)調査品目の追加
子抽出 DNA 溶液を FUJIFILM QuickGene DNA tissue kit S、
QuickGene-Mini80 を用いて精製したところ、トウモロコ
昨年度まで、
そば、
小麦、
乳、
卵についての実態調査を行っ
シ由来遺伝子を検出することができた。通常の DNA 抽出
てきたが、今年度より落花生を追加した。その結果、予備
法として用いた場合でも、短時間で DNA が抽出可能な有
実験において 1 品目 ( アーモンドプードル入りケーキ ) か
用な方法であった。
ら基準値未満の落花生を検出した。本品について製造者に
確認したところ、
使用実態はなく混入経路を調査中である。
(3)パパイヤ由来遺伝子の検出
(2)Profilin の ELISA 系の開発
パパイヤ由来遺伝子検出用プライマーを新たに設計し、
今まで検出が困難であった缶詰パパイヤ抽出 DNA 溶液中
果実・ラテックスアレルギーの原因タンパクである
のパパイヤ由来遺伝子が検出可能となった。
Profilin の検出を目的として、ELISA 系の開発を検討した。
( 主担:吉光、北川幹、野村、粟津 )
植物間での種特異性は低くかつ、動物には反応しない抗体
66
課別事業内容(食品化学課)
が必要であるため、植物で保存性が高くかつ特異的なアミ
重要である。そこで尿中 MPEs の高精度分析法を開発し、
ノ酸配列を特定し、これをもとにペプチド抗体 2 種を設計・
妊婦 (n = 51) の尿中 MPEs を分析することにより、フタ
作成した。これらの抗体が果実類の ELISA に適用できる
ル酸ジエステル類の推定一日曝露量を解析した。その結
可能性があることを確認した。
果、耐容一日摂取量 (TDI) を超える事例は認められなかっ
( 主担:北川幹、吉光、野村、粟津 )
た。また、母乳中 MPEs の高精度分析法を開発し、母乳中
MPEs を分析することにより、乳児の母乳に由来するフタ
5)食品中の残留農薬に関する研究
ル酸ジエステル類の推定一日曝露量を解析した。当該母乳
を摂取することで TDI を超えることが危惧される事例は
(1) 厚生労働科学研究費補助金 ( 食品の安心・安全確保
認められなかった。
推進研究事業 ) の分担研究として、「農薬等のポジティブ
(2)イソフラボン類について
リスト化に伴う検査の精度管理に関する研究」を企画し、
農薬検査の信頼性を確保するために、当研究所の他 8 地
育児粉乳の一部には、大豆を原材料に含むものがある。
方衛生研究所の参加協力を得て外部精度管理調査を行っ
大豆中には、女性ホルモン様作用を有するイソフラボン類
た。本年度は、正確な分析値を得るための要因として内
が含まれる。そこで育児粉乳および離乳食に含まれるイソ
部標準物質として安定同位体を添加し、誤差の補正につ
フラボン類濃度を測定するため、LC/MS/MS を用いた高
いて検討した。また、クライテリア試料を提供し分析機器
精度分析法を開発した。本法を用いて市場に流通する大豆
の良好さについて考察した。添加濃度として、一律基準
を主原料とする育児粉乳を分析し、当該製品を摂取した乳
(0.01ppm) 程度の微量な農薬添加を行い、正確な分析値を
児のイソフラボン類の推定一日曝露量を解析している。
得るための要因について、昨年度と同様に検討を行った。
(3)殺虫剤について
分析方法については各地研独自の標準作業書に従い行った
乳児の生活域は、大人よりも床に近く、乳児特有のハイ
が、添加農薬名を誤認した機関はなく、その濃度も大部分
ハイ等の行動様式によって、ハウスダストの曝露量は、大
の機関が正しく報告した。
人を上回ることが明らかにされている。このためハウスダ
(2) 昨年 2 月より残留農薬の検査を試料採取量を 10g、
ストを介した化学物質の曝露が危惧される。現在、ボラン
抽 出 溶 媒 を ア セ ト ニ ト リ ル 20mL と サ イ ズ ダ ウ ン し、
ティアから採取したハウスダスト中の殺虫剤の分析法の開
50mL 使い捨て遠心管容器内で抽出、脱水、遠心分離を行っ
発を行っている。
( 主担:高取、北川陽、岡本 )
て分析時間を短縮した検査方法 (QuEChERS 法変法 ) によ
7)食品中及び母乳に残留する微量有害物質に
関する研究
り実施した。その結果、実試料でも支障なく測定できるこ
とが確認された。測定は GC-FPD、GC-MS、LC/MS/MS を
使用したが、本年度はさらに GC/MS/MS での検討も行っ
(1)食品汚染物質
ている。今後、加工食品等も含め分析対象農薬数を現在の
132 農薬から 200 農薬に増やすべく検討を重ねている。
臭素系難燃剤ポリ臭化ジフェニルエーテル (PBDEs) の
食餌由来の一日摂取量を調査し、成人の 3 ~ 6 臭素化物
( 主担:住本、村田、高取、北川陽、柿本幸、岡本 )
の一日摂取量は 0.04 ~ 0.6 μg 程度と推定された。また、
6)内分泌かく乱化学物質に関する研究
母乳、食品及びハウスダストの分析結果から、PBDEs の
人体曝露量を推定した。その結果、平均的な成人・乳幼
児の曝露量はいずれも一日あたり、数十 ng のオーダーで
(1)フタル酸モノエステル類 (MPEs) について
あった。一方、臭素系難燃剤ヘキサブロモシクロドデカン
フタル酸ジエステル類は、生活環境中に多用されており、
(HBCDs) の水産油脂食品中濃度を測定した。その結果、深
食品や空気を介して日常的な曝露が危惧される。胎児に対
海鮫肝油、いわし油等から HBCDs を検出した。PBDEs 、
して毒性を示すことから、母体の曝露状況を調べることは
HBCDs による汚染は現時点において、府民の健康影響上
67
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 3.1.9
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の問題となるレベルではないと推定された。
(1) 母乳中水酸化 PCB は、現在分析中である。
(2) 母乳中の臭素系難燃剤 HBCD 濃度の経年変化を検証し
(2)残留動物用医薬品
た。HBCD は 1988 年より以前の試料では検出されなかっ
食品中のサルファ剤の分析について検討した。多段連
たが、それ以降の試料からは検出された。最近の濃度レ
結カラムによる固相抽出法を用いた抽出・精製を検討し、
ベル(2000 年以降)はこれまでに海外で報告されてい
LC/MS/MS の測定条件を精査して 25 種類のサルファ剤の
るものと大きな差はなかった。また、その濃度レベルは、
同時分析法を確立した。
健康影響上直ちに問題となるレベルではないと思われる。
( 主担:小西、北川幹、阿久津、柿本健 )
(3)大阪府母乳栄養推進事業
4.教育、研修
大阪府母乳栄養推進事業に基づき、母乳中の PCBs 及び
有機塩素系農薬の測定に S-421 を加えて実施し、その残
留実態を同委員会に報告した。
表 3.1.9 を参照
( 主担:田口、小西、起橋、阿久津、小阪田、柿本健、藤田 )
5.会議、委員会、研究会等の出席
8)母乳中の残留性有機汚染物質 (POPs) とそ
の代謝物に関する研究
H19.9.14
平成 19 年度大阪府母乳栄養推進事業検討
委員会に出席
当 研 究 の 基 礎 と な る、 母 乳 中 の POPs 濃 度 の 測 定 は
H19.11.15
1972 年より継続調査しており、その母乳試料 ( 乳脂肪 )
全国衛生化学技術協議会年会 ( 幹事会、理
事会 ) に出席
の一部を冷凍保存している。
H20.2.29
( 田中 )
平成 19 年度日常食中の汚染物摂取量調査
報告会に出席
68
( 田中、小西、阿久津 )
( 田中、田口 )
課別事業内容(薬事指導課)
薬
事
指
導
課
薬事指導課では、医薬品及び医薬部外品の製造販売承認に関する相談・指導を行い、薬事法や種々の基準及び規格に基づ
いて定められた内容に適合する申請書が作成され、医薬品及び医薬部外品が速やかに承認されるように努めている。また、
承認権限が厚生労働大臣から知事に委任されている地方委任医薬品等 ( 医薬品及び医薬部外品、計 22 薬効群 ) については、
承認審査のうち特に「規格及び試験方法」、「添付実測値」等に関しての適合性を調査し、不備のあるものはその適正化につ
いて指導を行っている。
試験検査については、健康福祉部薬務課と協力して医薬品、医薬部外品、医療機器の承認規格試験を、また化粧品につい
ては配合禁止成分や配合制限成分等の試験を実施した。さらに、平成 14 年度に大きな社会問題となった中国産ダイエット
食品による健康被害を機に実施することとなった健康食品の買い上げによる行政検査については、
平成 19 年度は強壮・強精、
催眠効果、ダイエット効果を標榜する健康食品の検査を行った。このうち、強壮・強精を標榜する健康食品1品目から医薬
品成分を検出した。さらに、行政機関からの情報提供に基づく飛び込み検査も実施した。
調査研究については、生薬・漢方製剤の品質評価に関する研究、生体試料中の薬物の迅速定量法に関する研究などを実施
した。
2.行政試験
1.薬事申請等に関する相談指導及び試
験検査技術の指導
当課の試験検査部門では健康福祉部薬務課との相互協力
本年度における地方委任申請処理件数及び相談指導処理
のもとに、市場に流通している医薬品等の品質、有効性、
件数を、それぞれ表 3.2.1 及び表 3.2.2 に示した。
安全性の確保を目的として行政試験を毎年実施している。
本年度は、「規格及び試験方法」の作成について、基本
当課に搬入される検体は、
的な事項をも理解していないのではないかと思われるよう
① 健康福祉部薬務課と当課が協議して試験品目を選定す
な事例が散見され、相談指導に多くの労力が費やされた。
る本府独自の収去品目
また、当課ホームページに掲載している「規格及び試験
② 健康食品による健康被害の未然防止、拡大防止のため
方法に関するガイドブック」に新たに「硬カプセル剤」を
①と同様に選定した買い上げ品目
追加し、更なる充実を図った。
③ 厚生労働省が品目を選定する全国一斉取締りに係る収
去品目
④ 突発的な苦情処理等に伴う品目
表 3.2.1
地方委任申請処理件数
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69
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 3.2.2
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等が主なものである。
はじめ、全国 10 都府県が参加 ) との関係から内用固形製
表 3.2.3 に本年度の行政試験実施品目を、また、表 3.2.4
剤の溶出試験を実施した。
に医薬品等試験実施件数・実施項目数を示した。
その結果、試験を実施した 20 品目の全てが品質規格に
適合していた。
1)府の一斉収去、買い上げ等による行政試験
3.依頼試験
本府独自で行う収去試験は、主として有効成分の定量や
製剤試験など薬効に直接影響する項目を重点的に行った。
本年度における民間からの依頼試験は、薬事法の規定に
本年度も前年度と同様に、特に医療現場での使用頻度が高
基づく検定的意味合いの強い血液製剤に係る微生物学的試
いもの、製造工程面で不良品が発生しやすいもの、同種同
験のみであった。
効品の多いものなどの試験を実施した。その結果、品質面
一方、理化学試験としては、平成 9 年度から薬事法の
からは特に問題なかったが、承認書の規格及び試験方法が
一部を所管するようになった大阪市及び東大阪市が収去し
不備な検体が 2 品目発見された。
た一般用医薬品等の試験を受託したものであり、その試験
平成 15 年度から、健康食品の安全対策事業の一環とし
内容は有効成分の確認及び定量などであった。
て、健康食品の買い上げ検査を実施しており、本年度は、
強壮・強精 (2 品目 )、催眠効果 (7 品目 )、ダイエット効果
4.調査、研究
(8 品目 ) を標榜する品目を対象として試験を実施した。そ
の結果、強壮・強精を標榜する 2 品目のうち 1 品目から
1)生薬・漢方製剤の品質評価に関する研究
医薬品成分であるタダラフィルが検出され、無承認無許可
−固相抽出を用いた生薬・漢方製剤中のセンノシ
医薬品として措置された。
ド類の迅速分析法の開発−
また、行政機関からの情報提供により収去された日本薬
局方外医薬品について試験を実施したが、承認書の規格に
・試料の調製
適合しており、問題はなかった。
一般用医薬品の瀉下薬数品目を購入した。また、ダイオ
さらに、本年度から全国 10 都府県 ( 当課を含む ) が参
ウを配合処方した漢方製剤を得るため、防風通聖散などの
加する、国の後発医薬品品質情報提供等推進事業が実施さ
ダイオウ配合漢方エキスとそれらの処方からダイオウだけ
れ、ファモチジン製剤
を除いた漢方ブランクエキスを調製した。
7品目の純度試験を実施し、その
品質を確認した。
・固相抽出の操作法
試料粉末 1 g をメタノール /0.1%炭酸水素ナトリウム
2)国の一斉収去による行政試験
混 液 (7:3) に 溶 か し 50 ml と し、 こ の 液 2 ml を Oasis
MAX( 強陰イオン交換と逆相系の性質を持つ ) に負荷させ、
国の医療用後発医薬品再評価品質規格策定事業 ( 当課を
カートリッジを 1%酢酸含有メタノール 5 ml、次いで水
70
課別事業内容(薬事指導課)
表 3.2.3
行政試験実施品目一覧表
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平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 3.2.4
医薬品等試験実施件数・医薬品等試験実施項目
受付件数
試験実施項目数
定性試験
行
政
依
頼
件
数
受
付
総
件
数
総
数
局方医薬品
局方外医薬品
医薬部外品
化 粧 品
207
民
間
依
頼
件
数
161
40
129
123
2
2
総
項
目
数
46
簡
複
単
雑
定量試験
極
複
雑
複
単
雑
極
複
雑
1,480
6
115
11
383
565
(1,059)
(6)
(115)
(11)
(380)
(547)
40
400
6
922
16
殺
菌
効
力
試
験
そ
の
他
400
400
(901)
16
簡
無
菌
試
験
5
383
534
(5)
(380)
(516)
5
2
3
(5)
(2)
(3)
58
33
25
(58)
(33)
(25)
衛生材料
医療機器
3
3
12
4
6
2
(12)
(4)
(6)
(2)
毒 劇 物
そ の 他
17
17
83
82
1
(83)
(82)
(1)
各項目の( )内は行政依頼に基づく試験項目の内数
/ メタノール / ギ酸混液 (75:25:2)2 ml で洗浄し、メタノー
15 物質を対象に研究を行った。催眠薬として用いられて
ル / 水 / ギ酸混液 (70:30:2) で溶出させ、2 mL とした。
いるアモバルビタール、ペントバルビタール、バルビター
・HPLC 分析条件
ル、フェノバルビタールなどを対象薬物とした。前処理は
検出器:PDA 検出器 ( 定量測定波長は 380 nm),カラ
ポリマー充填剤を充填した Oasis MCX を用いた固相抽出
ム:TSKgel 80 TS, 4.6 mm × 15 cm,5 μ m,カラム温
法により行った。HPLC の分析条件として、逆相系のカラ
度:40 ℃, 移 動 相: 水 / ア セ ト ニ ト リ ル / リ ン 酸 混 液
ムを用い、移動相としてギ酸・アセトニトリル混液を使用
(800:200:1),流量:1 ml/min で行った。
した。検出器はフォトダイオードアレイを用いることによ
・今までの結果
り、多波長で分析を行った。市販の人血清を用いた添加実
この固相抽出法によって、従来から分析の妨害となるほ
験により、アモバルビタール、ペントバルビタール、バル
とんどの夾雑物質が除去できた。さらに検出波長を 380
ビタール、フェノバルビタールナトリウムにおいて、良好
nm とすることで、各製剤中のセンノシドA及びB付近の
な回収率が得られた。
夾雑ピークが消滅し、良好な定量分析が可能となった。
( 主担:岡村 )
( 主担:山崎 )
3)無承認無許可医薬品のスクリーニング検査
法の開発
2)生体試料中の薬物の迅速定量法に関する研
究 ―バルビツール酸系薬物を対象として-
1.薬物 63 成分につき原体と TMS 誘導体を GC-MS で測
日本中毒学会が提案した治療に直結するため分析すべき
化した。ライブラリーを整備することで標準物質を測
定し、そのうち 57 成分のマススペクトルをライブラリー
72
課別事業内容(薬事指導課)
定しなくても健康食品等に含まれる薬物の推定が可能と
製水の範疇であるイオン交換水、逆浸透膜とイオン交換の
なった。
組み合わせによる水及び常水を用いて化粧品を作成し、マ
2.GC-MS を用い、エフェドリン等の数種のフェネチル
イクロコロニー法によりぞれぞれの微生物数の比較をおこ
アミン系薬物を題材に同系薬物に共通するマススペクト
なった。また、防腐剤の影響を検討するため、防腐剤を配
ルの特徴を見い出した。健康食品等に含まれる化学物質
合していない化粧品と防腐剤を配合した化粧品について、
が、この特徴を示した場合、標準物質を測定しなくても
一定期間保存後の微生物数の比較をおこなった。しかし、
同系の薬物であることを推定することが可能となった。
現在のところ明確な差は認められていない。( 主担:皐月 )
また、フェネチルアミン系薬物を蛍光ラベル化し HPLC
6)生薬の残留農薬による汚染の実態に関する
研究
により分析することにより、同系の薬物の存在を推定す
ることが可能であることがわかった。
( 主担:沢辺 )
1. 有機塩素系農薬を対象とした分析法の開発
4)香粧品に配合されるドナー型防腐剤から遊
離するホルムアルデヒドに関する研究
有機塩素系農薬 (10 種類 ) を対象とし、GC-ECD および
GC-MS による一斉分析法を開発した。
欧米で化粧品の防腐剤として使用される頻度が高いブロ
2. 生薬中に残留する有機塩素系農薬
ノポールを対象として検討を行った。
生薬中に残留する有機塩素系農薬について実態調査を行
・分析法の検討
い、BHC が多くの種類の生薬から検出されることを見出
種々の分析法を比較し、迅速性及び特異性に優れていた
した。DDT 系農薬は、BHC と比較し、その汚染レベルが
HPLC を用いた 2,4-DNP 誘導体化法を分析法として選択し
低かった。
た。
3. ニンジン、センナを対象とした有機塩素系農薬の経年的
・温度による影響
な実態調査
ブロノポールの分解により遊離するホルムアルデヒド
1990 年代当初において、有機塩素系農薬による汚染が
(FA) は温度による影響を大きく受けた。0.1%溶液を調製
特に著しかったニンジン、センナを対象とし、経年的に実
し、60℃の水浴中に 90 分間放置したとき、FA 濃度は約
態調査を行い、その汚染レベルが経年的に低下してきてい
50ppm に達した。
ることを確認した。
・ pH による影響
4. 有機リン系およびピレスロイド系農薬を対象とした分析
ブロノポールの分解により遊離する FA 含量は、溶解液
法の開発
の pH の影響を大きく受けた。溶解液の pH がアルカリ性
有機リン系農薬 (12 種類 ) を対象とし、GC-MS(EI) によ
になるほど遊離する FA 量は顕著に増加した。
る一斉分析法を開発した。また、ピレスロイド系農薬 (10
・長期保存試験
種類 ) を対象とし、GC-MS(NCl) による一斉分析法を開発
0.1%溶液を調製し 25℃で保存したとき、pH8 の溶解液
した。
では、3 日後に FA 含量が約 35ppm に達した。これと比
5. 有機リン系およびピレスロイド系農薬を対象とした実態
較して、pH2 の溶解液では、50 日間保存後も FA はほと
調査
んど遊離しなかった。
有機リン系農薬およびピレスロイド系農薬を対象とした
( 主担:梶村 )
実態調査を行い、特定の生薬から有機リン系あるいはピレ
5) 蛍光染色法を用いた化粧品中の微生物検出
スロイド系農薬が検出されることを見出した。
に関する研究
( 主担:梶村 )
化粧品を製造する際に使用される水として、「精製水」
7)生薬に残留する農薬の一斉分析法の開発及
びその実態調査
が多いと考えられる。この精製水は、日本薬局方の医薬品
各条にも収載されており、超ろ過、イオン交換、蒸留又は
それらの組み合わせにより精製した水とある。そこで、精
生薬中の 56 種類の残留農薬 ( 有機塩素系農薬 17 種類、
73
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
有機リン系農薬 30 種類、ピレスロイド系農薬 9 種類 ) の
3) 大阪府保健所検査技師全体研修会 ( 講演 )
一斉分析法を確立するために、以下の検討を行った。
( 岩上 )
(H19.7.13、大阪府 )
・昇温条件の検討
4) 大阪製薬企業会
GC/MS の昇温条件を検討し、56 種類の農薬が分析可能
第 57 回薬事研修会「健康食品について-健康食品の位
な昇温条件を設定した。
置づけ-」
、
「医薬品の品質管理における細菌迅速検出法の
・直線性の検討
適用について-製造用水を中心に-」
56 種類の農薬について、検量線を作成したところ 50
( 岩上、山本、皐月 ) 参加者数
- 500ppb の範囲において良好な直線性を示した。
28 名
(H19.8.3、大阪府 )
・添加回収試験
5) 大阪府母乳栄養推進事業検討委員会
輸入量の多い生薬のうちダイオウ、カッコン、ケツメイ
( 岩上 )
大阪府母乳栄養推進事業検討委員として出席
シを対象として添加回収試験を行ったところ、回収率は
(H19.9.14、大阪府 )
6) 医薬品製造販売業等管理者講習会
70 - 111%であり、良好な結果が得られた。
・特異性の検討
( 梶村 )
医薬品等の承認に係わる事項
ダイオウ、カッコン、ケツメイシにおいては、56 種類
(H19.10.12、大阪府 )
の農薬のピークの付近に夾雑ピークが認められなかった。
7) 全国薬事指導協議会 ( 第 44 回 )
( 主担:田上 )
( 岩上、山本、片岡、山崎、梶村、田上、皐月、中村 )
薬事全般に関する情報提供、意見交換など
5.教育、研修、指導等
(H19.11.2、大阪府 )
8) 日本薬局方に関する説明会
1) 大阪府毒物劇物取扱者試験委員会
( 岩上 )
(H19.11.27、大阪府 )
大阪府毒物劇物取扱者試験委員として出席
9) 後発医薬品品質情報提供等推進事業打合せ会議
(H19.5.7、H19.8.1、大阪府 )
2) 医薬品等許認可事務担当者説明会
( 山崎、川口 )
( 梶村 )
( 田上 )
(H19.12.12、厚生労働省 )
(H19.5.24、厚生労働省 )
74
課別事業内容(環境水質課)
環
境
水
質
課
環境水質課は、水の安全性確保や健康危機の予防と対策を目的とし、水道原水や飲用水 ( 浄水 )、鉱泉、遊泳場または浴
場の水等の理化学的・生物学的試験検査及び調査研究、生活排水等の処理に係わる試験検査・調査研究及び維持管理指導、
環境中の放射能・放射線の調査研究を実施している。
依頼試験・検査について、平成 19 年度も、主に大阪府内水道事業体の依頼を受け、健康への影響が懸念され府民の関心
の高い農薬類、ダイオキシン類、耐塩素性病原微生物であるクリプトスポリジウム及びジアルジア、レジオネラ属菌等を中
心に水質検査を実施した。また、有機フッ素化合物であるパーフルオロオクタンスルホン酸 (PFOS) 及びパーフルオロオク
タン酸 (PFOA) の水質汚染が京阪神地区で相対的に高いこと、また水道水からも検出されたとの新聞報道を受け、新しい環
境汚染物質として社会的関心が高まってきたため、10 カ所以上の府内水道事業体の水道原水及び浄水の検査を行った。
水質検査の信頼性確保については、平成 19 年度も、厚生労働省が実施する「平成 19 年度水道水質検査精度管理のため
の統一試料調査」( 統一試料項目:鉄及びその化合物、フェノール類 ) に参加したほか、府内水道事業体を対象に府環境衛
生課とともに水道水質基準項目の「ナトリウム及びその化合物」( 参加 39 機関 )、
「トリハロメタン類」( 参加 34 機関 ) に
ついて「平成 19 年度大阪府水道水質検査外部精度管理」を実施し、検査精度の向上に努めた。また、府環境衛生課の依頼
を受け、建築物飲料水水質検査業者を対象に「トリハロメタン類」( 参加 35 機関 ) を実施し、建築物飲料水水質検査業者
の検査精度の向上にも努めた。
調査研究においては、府環境衛生課の依頼を受け、大阪府内浄水場の原水、浄水、給水栓水を対象に「大阪府水道水中微
量有機物質調査」を行った。対象項目は水質管理目標設定項目に定められているトルエン、要検討項目のキシレンとクロ
ロピクリン等 15 項目とした。また、平成 19 年度は前年度の有機フッ素化合物の補完調査として、浄水処理中の PFOS と
PFOA の挙動を調べるため、浄水場の原水、砂ろ過水 ( 沈殿水 )、オゾン処理水、活性炭ろ過水、浄水等の調査を行った。
また、淀川等水系における有機フッ素化合物、近年社会問題になりつつある河川水中の医薬品類等の残留実態調査、水質
試験における分析方法の開発等に関する研究、レジオネラ属菌やクリプトスポリジウム等の環境微生物に関する研究、合併
処理浄化槽を用いた小規模分散型生活排水処理システムに関する調査研究、及び文部科学省からの委託を中心に大阪府内の
環境中の放射能・放射線の調査も行った。
として液体クロマトグラフ-質量分析計を検出機器として
1.依頼試験・検査
用いる農薬類約 30 項目を対象としたが、大半が検出され
今年度実施した試験・検査について表 4.1.1 に件数、表
なかった。ダイオキシン類の検査では、水道原水で目標値
4.1.2 には項目数を示す。
の 1pg-TEQ/L を超えるものはなく、浄水においてはすべ
「水道等水質検査」の大半は、市町村の水道事業体から
て目標値の 1/10 以下であった。また、府環境衛生課から
の依頼検査や大阪府からの行政依頼調査等であり、水道原
の依頼調査である水道水中微量有機物質調査については、
水及び浄水を対象としたものである。検査項目としては、
トルエン、キシレン、クロロピクリン及び有機フッ素化合
理化学検査では、水道原水及び浄水について農薬類検査
物を対象に実施した (216 件 )。次に、生物学的検査では、
(82 件 )、ダイオキシン類検査 (34 件 ) 及び水質基準項目
府内浄水場の水道原水中のクリプトスポリジウム検査 (59
の一部の検査などを実施した。農薬類の検査については、
件 ) を実施し、5 検体からクリプトスポリジウムのオーシ
水質管理目標設定項目に規定されている農薬類のうち、主
ストを 10 L 中 1 個、2 検体からジアルジアのシストを 10
75
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 4.1.1
環境水質課検査件数
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L 中 5 ~ 12 個検出した。安全性確認のため保健所と分担
( 文責:渡邊 )
して浄水の検査を行った結果、いずれからもクリプトスポ
2.調査、研究
リジウムのオーシスト及びジアルジアのシストは検出され
ず、水道水の安全性を確認した。
1)淀川等水系の水質調査
次に、「一般環境関係」の水質検査では、公共用水域で
調査研究による淀川等の水系調査 (59 件 ) 及び浄化槽排水
今年度も社会的関心の高い有機フッ素化合物及び医薬品
の流入河川の水質調査 (16 件 )、事業場排水で依頼検査に
よる水質検査 (108 件 )、浄化槽放流水で合併処理浄化槽
に関する調査を継続した。その結果は次の通りである。
の流入水や処理水の調査等 (88 件 ) を実施した。環境微生
(1) 有機フッ素化合物の経年変化を調べるために淀川水系
物検査では、依頼検査で浴槽水や冷却塔水等の環境水につ
及び大和川水系で調査を行った。主要対象化合物は PFOS
いてレジオネラ属菌検査 (24 件 ) を行った。
「放射能」
(561
と PFOA とし、平成 19 年 8 月 ( 夏季 )、平成 20 年 2 月
件 ) では、年間を通じ、降水の全ベータ線測定、環境試料
( 冬季 ) の 2 回調査を行った。その結果、すべての試料か
及び食品中のガンマ線核種分析及び空間線量率測定を行っ
ら両化合物とも ng/L レベルで検出されたが、昨年と同
76
課別事業内容(環境水質課)
表 4.1.2
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環境水質課検査項目数
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77
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
様のレベルであった。
3)環境微生物に関する調査研究
(2) 消炎・鎮痛剤等の 5 種類の医薬品の実態調査を淀川水
系及び大和川水系において、平成 19 年 8 月 ( 夏季 )、平
(1) 低濃度オゾン水のレジオネラ属菌に対する殺菌効果に
成 20 年 2 月 ( 冬季 ) の 2 回行った。検出濃度は両水系
ついて検討した。その結果、オゾン濃度が 0.034mg/L で
において、夏季は< 1.0 ~ 23.0ng/L、冬季は< 1.0 ~
強い殺菌作用を示し、106 オーダーのレジオネラ属菌が
46.0ng/L となり、昨年とほぼ同レベルで低い濃度であっ
1分後には完全に殺菌され、夾雑物の存在しない状態で
た。
( 主担:宮野、田中、土井、味村、
は 0.005mg/L の低濃度においても殺菌効果が認められ
小泉、高木、枝川、安達、渡邊 )
た。殺菌効果を表す 99.99% CT 値は菌株間の相違は少
なく 0.007 ~ 0.012min・mg/L( 平均 0.010 ± 0.002min・
mg/L) であった。
2)水質試験における分析方法の開発等に関す
る研究
(2) 大 阪 府 内 の 環 境 水 13 カ 所 35 試 料 に つ い て Nested
PCR 法を用いてクリプトスポリジウムの遺伝子の検出を
(1) 二酸化塩素の自動分析法を完成させ、その成果を防菌
試み、11 カ所 26 試料について PCR 陽性となった。PCR
防黴学会にて発表した。一方、残留遊離塩素と二酸化塩
陽性となった検体について、シークエンスを試みた結果、
素の同時分離自動分析装置の開発を試みたが、良好に機
2 カ所 2 試料からヘビ型及びシカ型のクリプトスポリジ
能する装置を作製する事が出来なかった。
ウムと思われる配列を見いだした。
( 主担:土井、肥塚、枝川 )
(2) 陰イオン界面活性剤の外部精度管理を実施するにあた
り分析条件の検討を行った。その結果、保存容器、保存
温度、及び残留塩素に起因する固相の分解による影響は
4)小規模分散型生活排水処理システムに関す
る研究
あったが、pH と全有機炭素による影響はなかった。この
成果を全国衛生化学技術協議会で発表した。一方、非イ
オン界面活性剤 ( ノニルフェノールポリエトキシレート ) と陰イオン界面
(1) 生活排水の効率的処理・維持管理方法の研究に関して、
活性剤 (C12-LAS 成分 ) を各々河川水に添加し、分解物の
家庭用小型浄化槽については豊能町高山地区の浄化槽群
同定を試みたが、市販標準品が無いため同定には至らな
をモデルに、中規模以上の浄化槽については府営住宅に
かった。
設置された浄化槽をモデルにして継続的な調査検討を
13
行っている。特に、中規模以上の浄化槽については実汚
(3) PFOS、PFOA の 分 析 で は、 C で ラ ベ ル 化 さ れ た
PFOS、PFOA をサロゲートとして使用することにより、
泥搬出量 (kg/ 日 ) を求め、汚泥管理の適正化について検
より精度の高い分析法に改良できた。また、PFOS の分
討を行っている。
(2) 面整備された浄化槽群の処理機能や地域水環境に与え
析では 98%以上が直鎖である標準品を使用することによ
り、より正確な分析法に改良できた。さらに、PFOA の
る影響に関しては、豊能町高山地区で河川調査を行った。
前駆体といわれるテロマーアルコールの GC/MS を用い
また、富田林市の浄化槽面整備事業開始前の佐備川流域
た分析方法を検討し、カラムの分離条件、モニターイオ
水質調査結果を解析し、汚濁負荷量の算出や整備後の水
ンなどを決定した。
質予測に関して論文としてまとめ、投稿し掲載された。
(4) LC-MS/MS を用いて環境水中における消炎・鎮痛剤等
(3) 効率的な浄化槽面整備事業手法に関しては、PFI 手法
の医薬品の分析法について検討を行った。回収率の安定性
導入の有用性、課題などについて検討した結果を雑誌に
向上と回収率に大きく影響する共存物質を除去する方法に
投稿した。また、市町村が PFI 事業導入を検討する上で
ついて検討を行ったが、良好な処理法を見い出すには至ら
必要な事項を具体的に示した「大阪府版 PFI 浄化槽事業
なかった。
導入ガイドライン」と財政効果をシュミレーションでき
るソフトの暫定版を作成した。
( 主担:田中、宮野、味村、小泉、高木、安達、渡邊 )
(4) 汚泥再処理センターでの余剰汚泥の有効利用方法の 1
78
課別事業内容(環境水質課)
つに肥料化がある。肥料化では需要変動に合わせて余剰
ジクロロベンゼン、1,2,3- トリクロロベンゼン、1,2,4- ト
汚泥量を調整できることが望ましい。そこで、好気性消
リクロロベンゼン及び 1,3,5- トリクロロベンゼン、未規
化法のラボスケールの実験を行い、SS 負荷量 0.0084kg-
制物質である 2- ブロモプロパンの合計 15 種類とした。
BOD/kg-MLSS/ 日以下の条件でほぼ 100%の減量が可能
夏季及び冬季を通じて、原水、浄水及び給水栓水におけ
であり、需要に合わせて余剰汚泥の発生を調整できるこ
る検出濃度範囲はトルエンが 0.00005 ~ 0.00106 mg/L、
とが分かった。今後、現地でのベンチスケールの実験を
キシレンが 0.00005 ~ 0.00043 mg/L、エチルベンゼン
行う予定である。
が 0.00005 〜 0.00022mg/L であった。トルエン、キシ
(5) 紫外線を利用した物理化学処理では、クリプトスポリ
レン、及びエチルベンゼンの目標値は各々 0.2、0.4、0.3
ジウム不活化対策としての生物線量計を用いた紫外線の
mg /L であり、検出濃度は目標値より極めて低い値であっ
照度測定と不活化、し尿処理水中のエストロゲンの分解
た。クロロピクリンの検出濃度範囲は 0.00006 ~ 0.00070
を検討している。
mg/L であった。クロロピクリンは国内外とも目標値は設
( 主担:山本、中野、奥村 )
定されていないが、
検出した濃度はわずかであった。また、
5)環境放射能及び環境放射線の測定
その他の項目は検出されなかった ( 定量下限値:0.00005
mg/L)。
昨年度に引き続き、文部科学省委託による放射能調査を
さらに平成 19 年度は前年度の補完調査として夏季・冬
主に、大阪府内の環境及び食品試料中の放射能及び空間放
季ともに 6 カ所の浄水場の原水、砂ろ過水 ( 沈殿水 )、オ
射線量率調査を実施した。降水の全ベータ放射能測定 83
ゾン処理水、活性炭ろ過水、浄水、また 5 カ所の浄水場
件、環境及び食品中のガンマ線核種分析 40 件、空間放射
の原水、浄水について有機フッ素化合物である PFOS と
線量率測定 396 件を行った。
PFOA の調査を行った。
平成 19 年度における環境及び各種食品中の放射能及び
PFOS の検出濃度範囲は原水で 1.0 ~ 14 ng/L、砂ろ過
放射線のレベルは、昨年度と同様、すべて平常値であった。
水 ( 沈殿水 ) で 1.2 ~ 3.5 ng/L、オゾン処理水で 1.1 ~ 3.4
従って、平成 19 年度も、大阪府において人工放射性降下
ng/L、 活 性 炭 ろ 過 水 で 0.51 ~ 7.6 ng/L、 浄 水 で 1.3 ~
物また原子力施設からの漏洩等による人工放射性物質の新
15 ng/L であった ( 定量下限値:0.5 ng/L)。一方、PFOA
たな環境への放出はなかったことを確認した。
の検出濃度範囲は原水で 2.0 ~ 42 ng/L、砂ろ過水 ( 沈殿
さらにガンマ線核種分析の精度確認のため ( 財 ) 日本分
水 ) で 12 ~ 34 ng/L、オゾン処理水で 11 ~ 27 ng/L、活
析センターとのクロスチェック ( 分析確認試料 10 試料 )
性炭ろ過水で 0.78 ~ 72 ng/L、
浄水で 5.1 ~ 48 ng/L であっ
を行った結果、ガンマ線核種分析の精度は確保されている
た ( 定量下限値:0.7 ng/L)。
ことを確認した。
( 主担:肥塚、味村、渡邊 )
PFOS・PFOA の除去には活性炭が有効であることが明
らかになったが、現在の通常数年間の活性炭使用期間では
6)大阪府水道水中微量有機物質調査
PFOS・PFOA は除去できない状態になっていることがわ
かった。しかし、検出された濃度は今のところ府民の健康
平成 19 年度は、夏季 17 カ所、冬季 15 カ所の浄水場
には問題はないレベルであると思われた。
の原水、浄水及び給水栓水について、揮発性有機化合物
( 主担:宮野、味村、小泉、高木、安達 )
(VOC) の調査を行った。対象項目は水質管理目標設定項目
7)大阪府水道水質検査外部精度管理
に定められているトルエン、要検討項目のキシレンとク
ロロピクリン、国内では基準値等が定められていないが、
WHO または USEPA で規制されているヘキサクロロブタ
今年度の対象項目を無機物質ではナトリウム及びその化
ジエン、二臭化エチレン (1,2- ジブロモエタン )、1,2- ジ
合物とし府内の試験・研究機関及び水道事業所の 39 機関、
ブロモ -3- クロロプロパン、エチルベンゼン、クロロベン
有機物質ではクロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロ
ゼン、1,2- ジクロロベンゼン、1,3- ジクロロベンゼン、1,4-
モジクロロメタン、ブロモホルム及び総トリハロメタンと
79
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
し同じく 34 機関での精度管理を実施した。
のより一層の確保を目的とし外部精度管理を実施した。本
(1) ナトリウム及びその化合物では、当所の水道水を精度
年度はクロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモク
管理試料として使用した。検査方法は「水質基準に関す
ロロメタン、ブロモホルム及び総トリハロメタンを対象項
る省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法」にあ
目とし、
自社検査を行う 35 事業所を対象とした。その結果、
るフレームレス-原子吸光光度計による一斉分析法、フ
変動係数が 20%を越えた事業所はなかった。また Z スコ
レーム-原子吸光光度計による一斉分析法、誘導結合プ
アの絶対値が 3 を超えて外れ値になったのは、クロロホ
ラズマ発光分光分析装置による一斉分析法、イオンクロ
ルムで 2 事業所 (5.6% )、ブロモジクロロメタンで 2 事業
マトグラフ ( 陽イオン ) による一斉分析法で、これらの
所 (5.6% )、ジブロモクロロメタンで 2 事業所 (5.6% )、ブ
内から各機関が分析可能な方法を選択して用いられた。
ロモホルムで 2 事業所 (5.6% ) 及び総トリハロメタンで 3
なお、複数の分析機器が整備されている機関には、複数
事業所 (8.3% ) であり、概ね良好な結果が得られた。
( 主担:小泉 )
の方法での検査を依頼した。その結果、報告された 44
の検査値のうち Grubbs 棄却検定で棄却された検査値は
3.教育、研修、講演、会議、派遣、指
1つ存在し、Zスコアでは許容範囲±3を超える検査値
導、協力
は5つ、「真値」に対する誤差率では許容範囲± 10%を
超える検査値は3つ存在した。Zスコアと誤差率の両方
1)会議・委員会・研究会等への出席
の許容範囲を超えた検査値を「外れ値」と評価したが、
この「外れ値」に該当する検査値は3つ存在した。
「外れ
値」の存在率は全体では7% (3/44) で 10%以内に収まっ
H19.4.1 ~ H20.3.31
浄化槽審査評定委員会、( 財 )
日本建築センター (7 回 )
ていたことから、概ね良好な外部精度管理結果であった。
(2) クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロ
H19.4.1 ~ H20.3.31
ロメタン、ブロモホルム及び総トリハロメタンでは、精
( 山本 )
合併処理浄化槽登録専門委員
製水に混合標準液を添加し精度管理試料を調製した。検
会、全国合併処理浄化槽普及促
査方法は、「水道基準に関する省令の規定に基づく厚生労
進市町村協議会 (5 回 )
働大臣が定める方法」にあるパージ・トラップ - ガスク
ロマトグラフ - 質量分析法もしくはヘッドスペース - ガ
H19.4.1 ~ H20.3.31
( 山本 )
浄化槽管理士国家試験委員会、
スクロマトグラフ - 質量分析法で、複数の分析機器を保
( 財 ) 日本環境整備教育セン
持している検査機関には、両法での検査を依頼した。そ
ター (6 回 )
H19.4.1 ~ H20.3.31
の結果、Z スコアが± 3 を越える検査値は、クロロホル
( 山本 )
一般認定審査適合委員会、( 社 )
ムで 2 つ、ブロモジクロロメタンで 2 つ、ブロモホルム
地域資源循環技術センター (2
で 1 つ及び総トリハロメタンで 2 つであった。ジブロモ
回)
H19.4.1 ~ H20.3.31
クロロメタンでは± 3 未満に収まった。全ての検査値に
( 山本 )
高機能光触媒の創製と応用技術
研究会委員会 (4 回 )
対する 「外れ値」 の割合は、クロロホルム、ブロモジク
H19.5.11 ~ H20.3.4
ロロメタン及び総トリハロメタンで 5.6%、ブロモホルム
( 中野 )
淀川水質汚濁防止連絡協議会
で 2.8%にとどまり、概ね良好な外部精度管理結果であっ
河川水質機構調査小委員会 (3
た。
回)
( 主担:田中、小泉 )
H19.5.24 ~ H.20.3.31
( 小泉、高木 )
環境技術実証モデル事業「閉鎖
8)大阪府建築物飲料水水質検査業外部精度管
理
性海域における水環境改善技術
本年度より建築物飲料水水質検査業の知事登録を受けて
大阪府環境農林水産総合研究所
分野」大阪府技術実証委員会、
( 4回 )
いる事業所を対象に、検査精度の向上と信頼性及び安全性
80
( 中野 )
課別事業内容(環境水質課)
H19.6.6 ~ H20.3.31
大和川水環境協議会委員会・
2)研修・セミナー等の受講
同 分科会、大和川水環境協議
会 ( 2回 )
H19.6.18 ~ H20.3.31
( 中野 )
環境技術実証モデル事業「湖沼
H19.4.24 ~ H19.4.27
等水質浄化技術分野」大阪府技
及び前処理法」コース (( 財 ) 日
術実証委員会、大阪府環境農林
本分析センター )
H19.8.9
水産総合研究所 ( 4回 )
H19.7.9
平成 19 年度「環境試料の採取
水道水質検査精度管理に関す
る研修会 ( 厚生労働省 )
( 中野 )
平成 18 年度淀川水質汚濁防止
連絡協議会水質保全委員会、淀
H19.12.4
川水質汚濁防止連絡協議会
H19.8.1
( 小泉 )
第 49 回環境放射能調査研究成
果発表会 ( 文部科学省 )
( 小泉 )
H19.7.25
( 味村 )
( 肥塚、味村 )
平成 19 年度淀川水質汚濁防止
H20.3.25
平成 19 年度放射能分析確認調
連絡協議会総会、淀川水質汚濁
査技術検討会 ( 文部科学省、事
防止連絡協議会
( 渡邊 )
務局:( 財 ) 日本分析センター )
大阪府営住宅合併式浄化槽水質
( 肥塚、味村 )
調査検討会、( 財 ) 大阪府住宅
3)教育、研修
供給公社
H19.8.2
( 山本、中野、奥村 )
臭素系ダイオキシン類排出実態
「国内研修受入れ」
等調査検討会、環境省
H19.8.2 ~ H20.3.31
H19.5.7 ~ H19.5.25
( 渡邊 )
規採用職員研修 (3 日 )
環境技術実証モデル事業「小規
( 宮野、田中、小泉、高木、土井、
模事業場向け有機性排水処理技
肥塚、枝川、中野、奥村 )
術分野」大阪府技術実証委員会、
「講師派遣」
H19.4.25 ~ H20.3.12
大阪府環境農林水産総合研究所
( 4回 )
H19.8.22 ~ H20.2.4
( 財 ) ビル管理環境センター
( 田中 )
H19.7.4 ~ H19.11.29
( 田中 )
浄化槽管理士認定講習会講師、
調査検討会、( 財 ) 大阪府住宅
( 財 ) 日本環境整備教育セン
供給公社
ター ( 2回 )
( 山本、中野、奥村 )
H19.8.30 ~ H20.2.19
( 中野、奥村 )
厚生労働大臣指定建築物環境
パーフルオロオクタン酸フォ
衛生管理技術者講習会講師 (6
ロー調査検討会議 (3 回 )
回 )、( 財 ) ビ ル 管 理 環 境 セ ン
( 高木、渡邊 )
H20.2.28
厚生労働大臣指定貯水槽清掃
作業監督者講習会講師 ( 3回 )、
大阪府営住宅単独式浄化槽水質
H19.12.27 ~ H20.2.25
( 中野 )
大阪府環境審議会温泉部会 (2
回)
H19.9.7
大阪府健康福祉部環境衛生課新
ター
大阪府浄化槽行政連絡協議会委
員会
H19.10.29
( 中野 )
( 田中、奥村 )
知事登録「建築物飲料水水質検
査業」外部精度管理の実施に関
する事前説明会講師
81
( 小泉 )
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
生
活
衛
生
課
労働衛生の分野としては、大阪府内事業所における小規模事業所比率は近隣府県で最も高く、労働災害はこれら小規模事
業所で多く発生している。したがって、小規模事業所における産業保健活動を支援し、勤労府民の健康障害を防止すること
は自治体の重要な役割といえる。また、日常生活の衛生分野では、近年、シックハウス症候群や化学物質過敏症が大きな社
会問題になっているほか、抗菌処理された家庭用品に代表されるように、様々な化学物質が家庭内に持ち込まれており、化
学物質への日常曝露も府民の健康に影響を与える可能性があることから、取り組むべき課題である。さらに、都市における
小児気管支喘息の有症率は 5 ~ 6%に達しており、アレルギー疾患の発症における大気汚染や生活環境因子の関与を明らか
にすることも自治体の重要な課題である。
このような課題に対し、生活衛生課では、行政検査として家庭用品検査、依頼検査として職場における特殊健康診断と作
業環境測定および住居内空気環境測定を行った。また、小規模事業所の労働衛生管理に関する研究としては、医療従事者の
化学物質への曝露状況と健康影響調査を実施した。一方、家庭用品中の有害化学物質に関する調査としては、ゴムの加硫促
進剤および抗菌剤の分析法の開発と市販品における使用実態調査、無機系抗菌剤からの金属溶出実験と皮膚常在菌へ及ぼす
影響の観察、界面活性剤の皮膚常在菌への影響の検討を行った。室内空気環境については、乗用車の室内空気中化学物質の
体内動態に関する動物実験的研究、禁煙対策のための尿中コチニン測定を行った。また、化学物質過敏症とアレルギー疾患
との関連や発症要因を明らかにする疫学調査を継続している。大気汚染と健康影響に関する研究としては、亜硝酸の健康影
響に関する動物実験的研究を行った。
れに関して 4 件の収去検査を行い、1 件が基準違反であっ
1.試験、検査
た。
2.調査、研究
生活衛生課が平成 19 年度に実施した検査を表 4.2.1 に
示す。
依頼検査については、延べ 38 単位作業場所の気中粉塵
1)有害作業のある小規模事業所における労働
衛生管理の推進に関する研究
濃度および気中有機溶剤濃度の測定、延べ 3 事業所の労
働者総数 119 名の有機溶剤、鉛、カドミ、クロムの特殊
健康診断、および住居内空気試験 16 件を実施した。自主
(1) 医療機関 23 ヶ所において消毒剤への曝露状況と自覚
検査については、作業環境検査 178 件、職業病検査 1,099
症状の調査を行ったところ、スコープの手動洗浄は、自
件、家庭用品検査 130 件、室内空気試験 2,706 件、環境・
動洗浄機による洗浄に比べ、オルトフタルアルデヒドへ
公害検査 7,295 件、その他 164 件を実施した。
の高い曝露が認められた。洗浄従事者の自覚症状の訴え
「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」に
( ここ 1 ヶ月間 ) は、グルタルアルデヒド使用で 18.9%、
基づく家庭用品検査 ( 試買検査 ) は市販繊維製品中のホル
オルトフタルアルデヒドで 24.3%あった。
ムアルデヒド等 233 件実施した。この結果、乳幼児用 T シャ
( 主担:宮島 )
ツ ( 中国製 ) のホルムアルデヒド基準違反が 1 件認められ、
(2) 抗がん剤の変異原性試験により、いくつかのものは変
樹脂加工判別試験を行い、移染によるものとみられた。こ
異原性を有していることがわかった。また、抗がん剤を
82
課別事業内容(生活衛生課)
表 4.2.1
項
生活衛生課検査件数
自 ら
0
0
0
178
0
0
178
0
29
0
437
0
633
1,099
0
0
130
130
総 計
216
9
0
241
0
0
466
69
114
118
599
0
752
1,652
154
60
153
367
2,706
2,722
0
776
0
84
環
0
2,067
境
0
1,006
・
公
0
492
害
0
182
検
0
0
査
血清特異的IgE・IgG
0
2,688
小計
0
7,295
変異原テスト
0
34
調
そ
免疫・感作試験
0
0
査
の
検
その他
0
130
他
査
小 計
0
164
検査総件数
1,094
11,572
(注)家庭用品の依頼検査は試買品検査233件である。
試買品検査233件の内容は表4.2.2に示す。
776
84
2,067
1,006
492
182
0
2,688
7,295
34
0
130
164
12,666
作
業
環
境
検
査
職
業
病
検
査
家
検庭
査用
品
目
粉塵量
エアロゾル
化学分析
無 機
ガス・蒸気
有 機
騒音・振動
その他
その他
小 計
一般検査
血 液
生化学検査
定性分析
尿
定量分析
理学的検査
その他
その他
小 計
乳幼児製品
繊 維
一般用
その他
小 計
室内空
気試験
ホルムアルデヒド・VOC
依頼
216
9
0
63
0
0
288
69
85
118
162
0
119
553
154
60
23
237
表 4.2.2
16
SOx, NOx, Ox
粒子状物質
尿
コチニン
質問調査(喘息関連)
体重・外観観察
病理検査
実験動物
サイトカイン測定
大気
家庭用品試買検査成績
項 目
件数
不適数
ホルムアルデヒド
210
1
乳幼児用
[150]
[1]
一般用
[60]
[0]
アルカリ
3
0
酸
3
0
メタノール
5
0
トリクロロエチレン
3
0
テトラクロロエチレン
3
0
トリフェニル錫化合物
3
0
トリブチル錫化合物
3
0
計
233
1
(注)他に収去検査が4件あり、1件が不適
2)住居環境中の有害化学物質への曝露実態と
その評価方法に関する研究
(1) 新車購入直後の乗用車室内には特異臭があり、これま
でに当所への府民からの相談や問い合わせが多数あった。
これに対し、我々は車内の内装材から放散される化学物
質による車室内空気汚染の実態を調査した。また、調査
の結果から車室内の空気汚染に大きく関与していると考
えられる主要な化学物質 14 種 ( メチルシクロペンタン、
2- メチルペンタン、n- ヘキサン、n- ヘプタン、n- ノナン、
n- デカン、2,4- ジメチルヘプタン、トルエン、エチルベ
ンゼン、o- キシレン、m- キシレン、p- キシレン、1,2,4-
取り扱う医療現場では抗がん剤の汚染が認められるとと
トリメチルベンゼン、スチレン ) を選定し、乗員におけ
もに、取り扱う医療従事者に健康影響が生じている可能
るこれらの経気道吸収量を動物実験により推定した。
性が認められた。府内の多くの医療従事者は抗がん剤の
( 担当:吉田俊 )
職業性曝露とその有害性について認識していたが、安全
(2) 近年、急増しているアレルギー疾患の原因を解明する
対策が進んでいない病院も多く存在していた。
ため、大阪市立大学、福岡大学等と共同して、生活環境
( 主担:吉田仁 )
の要因とアレルギー疾患発症との関連を探る長期的な研
(3) 過去の環境中石綿濃度を推定する指標として、石綿工
究を進めてきた。大阪府内の妊婦約 1000 人を対象に妊
場周辺の古い寺院の桟に堆積した粉塵中石綿濃度の測定
娠中から、生まれた子供が 3 歳 6 ヶ月になるまで追跡す
を試みたが、検出限界付近のため使用できないことがわ
る調査で、住居内の空気汚染や母親の食事習慣などを総
かった。
( 担当:吉田仁、熊谷 )
合的に調査した。本研究では、ホルムアルデヒド曝露と
(4) 尿及び血液にカドミウムを添加した試料を測定し、い
母親のアレルギー既往の関連について調べた。ホルムア
ずれも正常値の範囲で精度よく測定できることがわかっ
ルデヒド曝露濃度を上位 10%と下位 90%に分けて解析
た。
を行うと、ホルムアルデヒド曝露濃度はアトピー性皮膚
( 担当:小坂 )
83
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
炎の有病率と正の関連を示した。
( 主担:松永 )
(2) 抗菌加工剤の安全性評価に関する研究:①乳幼児製
品を中心に抗菌製品の市販実態及び抗菌剤の使用実態
3)大気汚染および室内空気汚染による健康影
響に関する研究
を継続調査した。②無機系抗菌剤が、皮膚常在菌へ及
ぼす影響を観察するため、人工汗・唾液中の金属濃度
(1) 多種化学物質過敏症とアレルギー疾患との関連や発症
(Ag,Cu,Zn,Cr) による最小殺菌濃度 (MBC) の違いを測定し
要因を調べるため、A 市 3 歳 6 か月児健康診査受診者と
た。その結果、皮膚常在細菌 ( 表皮ブドウ球菌、アクネ菌 )
その母親を対象に、平成 18 年 1 月より 2 年間、症状や
が死滅する金属濃度でも真菌 ( カンジダ、白癬菌、黒カビ )
住居環境や生活習慣などの約 150 項目の質問で構成した
は生存し、皮膚常在菌のバランスが崩れて真菌症が発現
調査票を用いた調査を実施した。回収率は 47.8%であっ
する可能性が示唆された。
( 担当:中島晴 )
た。回答者 2,085 人 ( 母親は 2,074 人 ) の有症率は 3 歳
(3) 界面活性剤の皮膚常在菌への影響を検討するため、市
6 か月児とその母親で、アトピー性皮膚炎 9.9%と 7.5%、
販の陰イオン界面活性剤 8 試料について皮膚常在菌等 6
花粉症 1.2%と 7.9%、気管支喘息 3.5%と 2.2%であった。
菌種の MIC( 最小発育阻止濃度 )、MBC( 最小殺菌濃度 )
質問紙調査における多種化学物質過敏症の判定基準は、
の測定を行った。その結果、アルキルエーテル硫酸塩を
確立されておらず論文ごとに異なるような状況である。
主成分とする 2 試料とドデシルベンゼンスルホン酸 Na
そのため、既に報告されている判定用質問に加え独自の
を主成分とする 1 試料が皮膚常在菌を含む St 属に対し生
判定用質問も実施した。さらに、母親において、上記有
育抑制を示した。
( 担当:宮野 )
症者と関連疾患のない対照者を対象に、予備解析で症状
との関連が疑われた要因に関する約 90 項目の質問によ
3.教育、研修、講演、会議、派遣、指
る調査票や二酸化窒素やホルムアルデヒドの個人曝露量、
導、協力
ダニ抗原、尿中コチニン測定などを行う症例 - 対照研究
を実施中である。平成 18 年協力者では築後 10 年以内の
1)教育・研修
家屋に居住する人がそうでない人より有意にホルムアル
デヒド個人曝露量が少ない結果などが得られた。平成 19
年対象者については準備中である。
H19.4 ~ H20.3
( 独 ) 国立環境研究所客員研究員
( 担当:中島孝、東、大山 )
H19.4 ~ H20.3
(2) 大気中に存在する亜硝酸による喘息影響が懸念されて
( 中島晴 )
静岡県立大学客員研究員
いるが、亜硝酸の動物曝露実験の報告はまだないため、
( 中島晴 )
曝露実験用の亜硝酸ガス発生装置を開発し、約 0.2ppm
2)会議・委員会・研究会等への出席
の亜硝酸ガスのマウス 3 週間連続曝露実験を実施した。
肺の組織学的検索により肺気腫様変化 ( 肺気腫は喘息や
気管支炎などにより生じる ) などを認めた。
H19. 9. 6
( 担当 : 大山 )
講演会「学校等におけるシックハウ
ス問題の現状と予防」( 箕面市教育委
員会、池田保健所 )
4)家庭用品に関する衛生学的研究
H19.10.17
( 吉田俊 )
家庭用品安全対策主管部局連絡会議
( 大阪府、大阪市、堺市、東大阪市、
(1) 厚 生 労 働 省 家 庭 用 品 安 全 対 策 事 業 ( 家 庭 用 品 規 制
基 準 設 定、 分 析 法 策 定 ):
高槻市 )
H20. 1. 8
ゴ ム の 加 硫 促 進 剤 Zinc
( 中島晴、宮野 )
セミナー講演会「家庭内の化学物質
dibenzyldithiocarbamate 及び抗菌剤 2-Mercaptopyridine-
の安全性について考える」( 静岡県立
N-oxide sodium の LC 及び LC/MS による新たな分析法を
大学 )
開発した。
( 担当:中島晴 )
H20. 3.31
84
( 中島晴 )
「 抗 菌 」 講 演 会「 抗 菌 加 工 製 品 の 安
課別事業内容(生活衛生課)
全性」( 産技研福祉懇談会、大阪府立
H19.4 ~ H20.3
産業技術総合研究所、( 財 ) 大阪府地
検討委員会 作業安全衛生部会
域福祉推進財団、( 社 ) 関西シルバー
サービス協会 )
ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業
( 中島晴 )
85
( 熊谷 )
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
府・国・地研関連事業等
ンザ定点 307、小児科定点 199、眼科定点 52、STD 定点
1)ニューバイオ
66 および基幹定点 15 であった。これらのデータは定点
平成 19 年度は3件の重要テーマを設定し重点的に研究
へ還元し大阪府医師会ニュース ( 週報 ) へ掲載するととも
を推進した。第1に、大阪で問題となった犬ブルセラ症に
に、当所のホームページに掲載し府民へ広く提供した。ま
関する微生物学的疫学研究であり、一部の犬において本菌
た、定点把握疾患の検査情報として、府内の定点機関より
が分離され、侵淫状況が明らかとなった。第2に集団発生
送られてきた 626 検体についてウイルス学的検査を行い、
が問題となるノロウイルスに関する研究である。本年度は
結果を速やかに還元するように努めた。検査結果のまとめ
迅速診断法開発のための基礎研究として、ノロウイルス
は、感染症発生動向調査事業報告書第 26 報 ( 平成 19 年
のVLPを作製するため、全長 cDNA クローンの作製を行
度版 ) に記載される。
(文責:宮川)
い、蛋白質の発現に成功した。つぎにVLPの発現を目指
4)厚労省感染流行予測調査事業
している。第3には、新たなテーマである「ペプチド抗体
を用いた食品中野菜果実アレルゲン検出法の開発」の研究
を行った。特異抗体を用い、高感度な検出方法が開発され、
麻疹感受性調査
さらに実用化に向け研究を進める予定である。本年度も、
昨年度に引き続き、本年度も小児と青年を中心に府下
研究成果について報告会を行い、多くの方に参加して頂き、
の一般住人 337 名を対象に麻疹ウイルスに対する抗体価
成果が報告され、有益な議論がなされ、今後の研究の方向
を測定し、抗体保有率を求めた。年齢群別抗体保有率は、
性も明確化されたように思われる。
0-1 才児で 42.8%、2-3 才児で 96.2%、4-9 才児で 100%
(文責:高橋)
であり、10 代以降は大旨 95 -100%であった。乳幼児に
おけるワクチン接種率は低く、今後も調査を続ける必要が
2)感染症プロジェクト
あると考えられた。
平成 19 年度も感染症検査マニュアルの改訂と CD-ROM
(主担:倉田、宮川)
日本脳炎感受性調査
化を目指し、各検査担当者に依頼し改訂作業を進めた。本
国の感染症流行予測調査事業において、日本脳炎感受性
年度末現在、作業は完結していないが、平成 20 年度も引
調査 ( ヒトの中和抗体調査 ) を実施した。0 歳から 65 歳
き続き作業を継続する予定である。
までの計 337 人について日本脳炎ウイルスに対する血清
(文責:高橋)
中の中和抗体価を測定した結果、36%が陰性 (10 倍未満 )
で、特に 4 歳以下 (42 人 ) では 60%が陰性であった。
3)感染症発生動向調査事業
( 主担:青山、弓指 )
5)大阪府感染流行予測調査事業
大阪府、大阪市、堺市、東大阪市、高槻市の協力のもと
実施している事業であり、大きく全数把握対象疾患と定点
把握対象疾患に分けられる。
大阪府、大阪市、堺市が共同で実施している研究会であ
定点把握対象感染症の患者情報は大阪府内の指定届出機
り、ウイルス課が編集事務を担当している。府内各委員
関 ( 定点 ) から収集され、厚生労働省からの全国情報とと
からの研究報告をまとめ、平成 18 年度感染症流行予測調
もに感染症情報センターで検討し、大阪府解析評価小委
査結果報告書第 42 報として編集し、会員に配布した。平
員会に報告した。平成 19 年の指定機関数は、インフルエ
成 19 年 7 月 12 日に総会が開催され栗村敬会長挨拶の後、
86
府・国・地研関連事業等
各委員より研究報告された。
(文責:加瀬)
・第3回総会
6)病原性微生物検出情報への協力
日
時:平成 20 年 1 月 29 日(火)午後 3 時〜
場
所:サンスクエアー堺
第2会議室
・支部役員会
国立感染症研究所が月報として発行する病原微生物検査
情報に参画し、細菌及びウイルス検出情報を提供した。
日
時:平成 19 年 7 月 10 日(火)午後 2 時〜
場
所:サンスクエアー堺
第4会議室
・第1回ブロック会議
7)地方衛生研究所全国協議会における活動
日
時:平成 19 年 8 月 9 日(木)午前 10 時〜
場
所:京都市健康保険組合保養所「きよみず」 1 階
所長が平成 19 年6月8日まで地方衛生研究所全国協議
会議室
会会長を務め、それ以後は理事に就任した。以下平成 19
・第2回ブロック会議
年度に開催された総会、理事会は以下の通りである。
日
時:平成 20 年 1 月 29 日(火)午後 11 時〜
・臨時総会
場
所:サンスクエアー堺
日
時:平成 19 年 6 月 8 日(金)午前 10 時〜
場
所:都市センターホテル 601 号室(東京都千代田区)
・総
第2会議室
出席機関:近畿支部 14 地研、福井・徳島県の 2 地研、
大阪港検疫所
会
また、所長が平成 19 年度より発足した地方衛生研究所
日
時:平成 19 年 10 月 23 日(火)午後 1 時 30 分〜
全国協議会近畿支部自然毒部会において部会長に就任し
場
所:松山全日空ホテル(愛媛県松山市)
た。
(文責:足立)
・第1回理事会(総務委員会合同)
日
時:平成 19 年 5 月 10 日(木)午後 2 時〜
場
所:大阪府立公衆衛生研究所 3 階 中会議室
各部会の活動
【細菌部会】
・第2回理事会(総務委員会合同)
日
時:平成 19 年 8 月 30 日(木)午後 1 時 30 分〜
場
所:東京都健康安全研究センター
平成 19 年 11 月 2 日に第 34 回地方衛生研究所全国協
仮庁舎 3 階会
議会近畿支部細菌部会研究会が和歌山市民会館市民ホール
議室
で開催された。当所からは 7 名が参加した。研究会の内
・臨時理事会
容は以下の通りであった。
日
時:平成 20 年 2 月 12 日(火)午後 4 時〜
場
所:東京八重洲ホール 201 号室
(1) 報告
衛生微生物技術協議会、地研全国協議会総会等報告
レファレンスセンター報告
8)地研全国協議会近畿支部における活動
カンピロバクター、レンサ球菌、レジオネラ、ジフ
テリア・百日咳、ボツリヌスの5支部センターから報告が
堺市衛生研究所長が支部長を務め、下記の事業が行われ
なされた。
た。
研究班報告
・第1回総会
パルスネット
日
時:平成 19 年 5 月 29 日(火)午後1時 30 分〜
場
所:サンスクエアー堺
(2) トピックス
第2会議室
「大阪府下の犬繁殖施設における犬ブルセラ病集団感染
・第2回総会
日
時:平成 19 年 8 月 9 日(木)午後 2 時〜
場
所:京都市健康保険組合保養所「きよみず」 1 階
2題
事例」 勝川千尋、河原隆二(大阪府立公衆衛生研究所)
「特定病原体等の規制の概要について」 武田美加子(近
畿厚生局健康課病原体等管理専門官)
会議室
(3) 一般演題
87
6題
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
(4) 教育講演
1題
の 2 講演が行われた。また、一般講演として 5 題の学術
「食中毒細菌の簡便、迅速な分子疫学的解析法と菌種同
講演が行われた。
定法、O157 とカンピロバクターを中心に」 山崎伸二(大
(文責:田中)
【疫学情報部会】
阪府立大学大学院生命環境科学研究科)
(文責:井上)
平成 19 年 6 月 29 日に和歌山県民文化会館(事務局:
【ウイルス部会】
和歌山県環境衛生研究センター)で開催された役員会に出
平成 19 年 9 月 7 日、大阪市立大学医学部医療研修セン
席し、19 年度部会活動(定期研究会と感染症情報センター
ター研修室において地研近畿支部ウイルス部会研究会が開
催された。部会長である大阪市立環境科学研究所
意見交換会、情報交換、その他)について議論した。
田窪良
定期研究会は 11 月 6 日に和歌山県自治会館(和歌山市)
行所長の挨拶の後、次のプログラムで進行した。
で開催され、特別講演「英米の危機管理対策から学ぶ −
ウイルス感染症に関する情報交換会:レファレンスセン
地衛研は何をすべきか?−」吉村健清(福岡県保健環境研
ター報告および各地研からの各種ウイルスについての報告
究所長)を聴講した。
がなされた。
一般演題研究発表
一般講演では、当所から宮川広美・ウイルス課主任研究
6題
員が「大阪府における麻しんの発生状況について」
、松永
特別講演
一朗・生活衛生課研究員が「ホルムアルデヒド曝露とアレ
「狂犬病への取組み等について」 梅田浩史(厚生労働省)
ルギー疾患との関連:大阪母子保健研究」について発表し
「映像紹介による狂犬病の実況(ヒトの事例)」
た。
佐藤克 (狂犬病臨床研究会)
(文責:赤阪)
【自然毒部会】
「狂犬病への対応事例について」
井上智(国立感染症研究所)
・自然毒部会世話人会議
「映像紹介による狂犬病の実況(イヌの事例)」
佐藤克 (狂犬病臨床研究会)
(文責:加瀬)
日
時:平成 19 年 9 月 20 日(木)午後 3 時 30 分〜
場
所:大阪府立公衆衛生研究所 3階 中会議室
出席者:部会長、近畿地研世話人 14 名、検疫所世話人
【理化学部会】
3 名、事務局 3 名
平成 19 年 9 月 3 日に滋賀県衛生科学センターで開催さ
・研究発表会
れた平成 19 年度地研全国協議会近畿支部理化学部会世話
日
時:平成 20 年 1 月 11 日(金)午後 1 時 15 分〜
人会に当研究所から 1 名が出席した。議題として、
場
所:大阪府立公衆衛生研究所 4 階 講堂
(1) 平成 19 年度近畿支部理化学部会の開催
出席者:96 名(地研 17 機関(近畿支部 14 地研、広域
(2) 各地研から提案された議題
連携に伴う福井県、三重県、徳島県の3地研)、
「農薬一斉分析法バリデーションガイドラインについ
検疫所 3 機関、保健所 9 機関、市場 6 機関、他)
て」、「食育に関する地研の取組状況について」、「検査等
・下痢性貝毒および麻痺性貝毒の検査に関する自然毒研修
の業務管理要領について」、「農薬ポジティブリスト制施
会
行後における検査に関する問題点について」
日
の 4 点を議論し、情報交換を行った。
時:平成 20 年 2 月 13 日(水)
、15 日(金)午前
9 時 30 分〜午後 5 時(2回開催、参加可能な
平成 20 年 2 月 1 日に平成 19 年度近畿支部理化学部会
いずれかに参加)
がNEC晴嵐会館(大津市)で開催された(参加者約 60 名)
。
場
プログラムは、特別講演として近畿厚生局健康福祉部食品
所:大阪府立公衆衛生研究所 3 階 中会議室、同・
実験動物施設
衛生課の鈴木則彦氏による「指導する立場から見たGLP
出席者:26 名(地研近畿支部 13 地研、2 検疫所(大阪、
の実施状況について」及び兵庫県立健康科学研究センター
関西空港)
)
の市橋啓子氏による「兵庫県における飛散花粉実態調査」
(文責:足立)
88
業
績
集
業績集(誌上発表等)
誌
上
発
表
等
● 企画調整課
01) 久米田裕子 , 諸角聖 , 杉浦義紹 , 相原真紀 , 高橋治男 , 高橋淳子 , 小西良子 , 森田和矢 , 高鳥浩介:第 6 章
食品苦情事例 , 関連資料;食品・施設
カビによる
カビ対策ガイドブック , ( 社 ) 日本食品衛生協会 (2007)
02) 久米田裕子 , 高鳥浩介:カビと食品衛生 , 特定非営利活動法人 国際生命科学研究機構(ILSI Japan)No. 89, 50-55 (2007)
03) 久米田裕子 , 高鳥浩介:C 真菌・カビ毒
中毒予防必携
1. アスペルギルス
2. ペニシリウム
3. フザリウム
4. その他の真菌 , 食
第 2 版 ,(社)日本食品衛生協会 ,246-256 (2007)
04) 久米田裕子 , 高鳥浩介:室内環境とカビー最近の話題からー
I. 環境性カビ ,(財)ビル管理教育センター ,No. 119,
6-10 (2007)
05) Kumeda, Y., Asao, T., Takahashi, H. and Ichinoe, M. : Predominant distribution of a new genotype within Aspergillus
section Flavi and Aspergillus nomius in sugarcane field soil in Asia. New strategies for mycotoxin research in Asia.
(Proceeding of International Symposium on Mycotoxicology in Bangkok 2006), 15-20 (2007)
06) Kumeda, Y.: A simple genetic method for identification of mycotoxigenic fungi - Development of heteroduplex panel
analysis and its field application -. Mycotoxins 58,29-40 (2007)
07) 久米田裕子:第 3 章カビ , 最新細菌・カビ・酵母図鑑(高鳥浩介 , 五十君静信
監修), 技術情報協会 ,129-194
(2007)
●細
菌
課
08) 濱野米一 , 坂本一男:毒フグを知ろう(第 8 回シッポウフグほか), 食と健康 ,4,24-25 (2007)
09) 濱野米一 , 鍋島靖信:貝毒を知ろう(第 3 回記憶喪失性貝毒ほか), 食と健康 ,5, 26-27 (2007)
10) 濱野米一 , 鍋島靖信:貝毒を知ろう(第 4 回神経性貝毒ほか), 食と健康 ,6,26-27 (2007)
11) 濱野米一 , 坂本一男:有毒魚介類を知ろう(第 1 回シガテラ毒魚 ), 食と健康 ,7,24-25 (2007)
12) 濱野米一 , 坂本一男:有毒魚介類を知ろう(第 2 回アオブダイ , バラムツほか ), 食と健康 ,8, 26-27 (2007)
13) 藤本佳道 , 打田憲一 , 小柳津周 , 濱野米一:6 種フグ類の小棘の形態と分類 , 食品衛生学雑誌 ,48,118-123 (2007)
14) 濱野米一 , 坂本一男:フグ毒を知ろう , 第 9 回 , カザリキンチャクフグほか , 食と健康 ,1,26-27 (2008)
15) 濱野米一 , 坂本一男:毒フグを知ろう(第 10 回カスミフグほか), 食と健康 ,2, 24-25 (2008)
16) 濱野米一 , 坂本一男:毒フグを知ろう(第 11 回 , コンゴウフグほか), 食と健康 ,3,24-25 (2008)
17) 伊豫田淳 , 勢戸和子 , 寺嶋淳: 世界的にみた感染症の検査法
腸管出血性大腸菌 , 臨床と微生物 ,34,273-278 (2007)
18) Seto, K., Taguchi, M., Kobayashi, K., and Kozaki, S.:Biochemical and molecular characterization of minor serogroups of
Shiga toxin-producing Escherichia coli isolated from humans in Osaka Prefecture, J. Vet. Med. Sci.,69,1215-1222 (2007)
19) 浅尾努:食品の微生物検査法と食中毒発生時の疫学調査 法(2)大腸菌群 , 糞便系大腸菌群 , 大腸菌 , 日本防菌防黴学
会誌 , 35,401-410 (2007)
20) 浅尾努 , 河合高生 , 久米田裕子 , 寺本忠司 , 石黒厚 , 梅迫誠一 , 小笠原準 , 高須一重 , 美野朋隆 , 日野亮一 , 齋藤利江 , 小崎俊司 ,
山本茂貴:食品の細菌学的試験法の現状と問題点(日本食品微生物学会
本食品微生物学雑誌 ,24:134-143 (2007)
89
食品の細菌検査法問題検討委員会報告)日
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
21) W. Yamazaki, M. Taguchi, K. Seto, R. Kawahara, K. Kawatsu, Y. Kumeda, M. Kitazato, M. Nukina, N. Misawa, T.
Tsukamoto: Development of a multiplex PCR assay for identification of Campylobacter coli , Campylobacter fetus ,
Campylobacter hyointestinalis subsp. hyointestinalis , Campylobacter jejuni , Campylobacter lari and Campylobacter
upsaliensis , Journal of Medical Microbiology, 56, 1467-1473 (2007)
22) 勝川千尋 , 河原隆二 , 井上清 , 石井篤嗣 , 山岸寛明 , 木田一裕 , 西野俊冶 , 長濱伸也 , 小宮貴子 , 岩城正昭 , 高橋元秀:本
邦で初めてイヌから分離されたジフテリア毒素産生性 Corynebacterium ulcerans , 病原微生物検出情報 , 29, 51 (2008)
23) Basu Dev Pandey, Ajay Poudel, Tomoko Yoda, Aki Tamaru, Naozumi Oda, Yukari Fukushima, Binod Lekhak, Basista
Risal, Bishnu Acharya, Bshwa Sapkota, Chie Nakajim, Tooru Taniguchi, Benjawan Phetsuksiri and Yasuhiko Suzuki:
Development of an in-house loop-mediated isothermal amplification (LAMP) assay for detection of Mycobacterium
tuberculosis and evaluation in sputum samples of Nepalese patients, J. Medical Microbiol., 57, 439-443 (2008)
24) 小林一寛 , 堀川和美 , 内村真佐子 , 齋藤志保子 , 斎藤眞 , 勢戸和子 , 田中博 , 中山宏 , 八柳潤: すぐに役立つ腸管出血性
大腸菌感染症の検査法 , 文教出版 , 大阪 (2008)
● ウイルス課
25) 鷲尾昌一 , 東出俊之 , 加瀬哲男 , 前田章子 , 河原田信 , 鈴木拓 , 森満 , 入所高齢者におけるインフルエンザワクチン接種
と HI 抗体価 , 予防医学の視点から , 臨床と研究:84,6,841-844 (2007)
26) Yoshimitsu Oda, Tetsushi Watanabe, Hiroshi Yamazaki, Teruhisa Hirayama: Genotoxic activation of the environmental
pollutant 3-nitrobenzanthrone by human cytochrome P450 enzymes expressed in Salmonella typhimurium umu tester
strains, Genes and Environment, 29, 146-152 (2007).
27) 山崎謙治:グレープフルーツ種子抽出物のネコカリシウイルスに対する不活化作用 , フードケミカル ,23, 57-60 (2007)
28) 山崎謙治 , 枝川亜希子:病原微生物感染予防効果を保有するアロマテラピーを用いた入浴の基礎的研究 , アロマテラ
ピー学雑誌 ,8, 47-52 (2008)
29) 西村公志 , 東恵美子 , 中島孝江 , 山本義次 , 北角彰 , 大山正幸:花粉症対策検討のための基礎的研究
(第 5 報)
– アレルギー
等の疫学調査地域における 2006 年春のスギ・ヒノキ科花粉の飛散調査 –, 大阪府立公衆衛生研究所研究報告 ,45,7-16
(2007)
30) 西村公志 , 弓指孝博 , 青山幾子 , 木村明生 ,「監修」社団法人北里研究所:予防に役立つ「感染症の事典」目に見えな
い世界をのぞいてみよう PHP 研究所 , 京都 (2008)
31) 中西貴之 , 西村公志:人を助ける変な細菌すごい細菌ーここまで進んだ細菌利用ー , 技術評論社 , 東京 (2007)
32) Karanis P, Kimura A, Nagasawa H, Igarashi I, Suzuki N: Observation on Cryptosporidium life cycle stages during
excystation, J Parasitology, 94, 296-300 (2008)
33) 宮川広実 , 浅井定三郎 , 池原千衣子 , 奥野良信 , 斉藤浩一 , 笹部哲生 , 塩見正司 , 田口真澄 , 高橋和郎 , 田中智之 , 東野博彦 ,
松本小百合 , 宮村鈴子 , 村上司 , 森山和郎 , 森山穂積 , 吉田英樹 , 杉田隆博 , 大阪府感染症発生動向調査解析評価小委員会:
大阪府の麻しん報告事例に対する追跡調査結果 , 大阪小児科医会会報 ,No142,P13-17 (2007)
34) 宮川広実 , 浅井定三郎 , 池原千衣子 , 奥野良信 , 齋藤浩一 , 笹部哲生 , 塩見正司 , 田口真澄 , 田中智之 , 浜本芳彦 , 東野博彦 ,
松本小百合 , 宮村鈴子 , 村上司 , 森山和郎 , 森山穂積 , 吉田英樹 , 杉田隆博 ( 大阪府感染症発生動向調査解析評価小委員会 ):
大阪府の麻しん報告事例に対する追跡調査結果 ,H18 年度 感染症流行予測調査結果報告書 ,P45 − 50
35) 宮川広実 , 田口真澄 , 高橋和郎 , 浅井定三郎 , 池原千衣子 , 佐藤功 , 森山和郎 , 笹部哲生 , 塩見正司 , 田中智之 , 東野博彦 ,
松本小百合 , 宮村鈴子 , 吉田英樹 , 村上司 , 森山穂積 , 杉田隆博(大阪府感染症発生動向調査解析評価小委員会), 大阪
府における麻しんの流行状況 , 病原微生物検出情報 ,Vol.28 p 254-255 (2007)
90
業績集(誌上発表等)
36) 宮川広実:サイトメガロウイルス感染症 , 総合臨床(56)増刊 ,898-902 (2007)
37) 弓指孝博 , 川渕貴子 , 青山幾子 , 齋藤浩一 , 樋口耕一 , 井関則夫:大阪府内のリケッチア症に関する野鼠調査 (2006 年度 ),
大阪府立公衆衛生研究所研究報告 ,45,83-88 (2007)
38) H.Gatanaga, S.Ibe, M.Matsuda, S.Yoshida, T.Asagi, M.Kondo, K.Sadamasu, H.Tsukada, A.Masakane, H.Mori, N.Takata,
R.Minami, M.Tateyama, T.Koike, T.Itoh, M.Imai, M.Nagashima, F.Gejyo, M.Ueda, M.Hamaguchi, Y.Kojima, T.Shirasaka,
A.Kimura, M.Yamamoto, J.Fujita, S.Oka, W.Sugiura : Drug-Resistant HIV-1 Prevalence in Patients Newly Diagnosed
with HIV/AIDS in Japan, Antiviral Research 75, 75-82 (2007)
39) S.Fujisaki, S.Fujisaki, S.Ibe, T.Asagi, T.Ito, S.Yoshida, T.Koike, M.Oie, M.Kondo, K.Sadamasu, M.Nagashima, H.Gatanaga,
M.Matsuda, M.Ueda, A.Masakane, M.Hata, Y.Mizogami, H.Mori, R.Minami, K.Okada, K.Watanabe, T.Shirasaka, S.Oka,
W.Sugiura , T.Kaneda : Performance and Quality Assurance of Genotypic Drug-Resistance Testing for Human
Immunodeficiency Virus Type 1 in Japan, Japanese Journal of Infectious Diseases, 60, 113-117 (2007)
40) 藤崎誠一郎 , 藤崎彩恵子 , 伊部史朗 , 浅黄司 , 伊藤俊広 , 吉田繁 , 小池隆夫 , 大家正泰 , 渡邊香奈子 , 正兼亜季 , 上田幹夫 ,
潟永博之 , 松田昌和 , 貞升健志 , 長島真美 , 岡田清美 , 近藤真規子 , 秦眞美 , 溝上泰司 , 森治代 , 南留美 , 白阪琢磨 , 岡慎一 ,
杉浦亙 , 金田次弘:日本における HIV-1 遺伝子型薬剤耐性検査のコントロールサーベイ , 日本エイズ学会誌 ,9,136-146
(2007)
41) 川畑拓也:大阪府内の HIV 感染者における性感染症の罹患状況調査と伝播形態の解明 , 財団法人大同生命厚生事業団・
第 13 回「地域保健福祉研究助成」報告集 ,235-239 (2008)
42) Kojima Y,Kawahata T,Mori H,Oishi I,Otake T: Recent diversity of HIV-1 in individuals who visited STI-related clinics in
Osaka, Japan, J. Infection and Chemotherapy,14,51-55 (2007)
43) 左近直美:ノロウイルス対策 , 食生活 8 月号 ,76-81 (2007)
44) 左近直美 , 山崎謙治 , 依田知子 , 井上清 , 加瀬哲男 , 高橋和郎:大阪府における 2006/07 シーズンの胃腸炎集団発生状況 ,
病原微生物検出情報 ,28,283-285 (2007)
45) Naomi Sakon, Kenji Yamazaki, Tomoko Yoda, Teizo Tsukamoto, Tetsuo Kase,Koki Taniguchi, Kazuo Takahashi,
Toru Otake : Norovirus storm in Osaka, Japan last winter (2006/2007), Japanese Journal of Infectious Diseases,
60,409-410 (2007)
46) Hansman GS, Oka T, Sakon N, Takeda T:Antigenic Diversity of Human Sapoviruses.Emerging Infectious Diseases,13(1
0),1519-1525 (2007)
47) 川渕貴子 , 弓指孝博 , 青山幾子 , 齋藤浩一 , 樋口耕一 , 倉持隆 , 上澤行成 , 大竹徹 , 奥野良信:大阪府におけるウエスト
ナイルウイルスに対する蚊のサーベイランス調査 (2006 年度 ), 大阪府立公衆衛生研究所研究報告 ,45,1-5 (2007)
48) Tabara K, Arai S, Kawabuchi T, Itagaki A, Ishihara C, Satoh H, Okabe N, Tsuji M.:Molecular survey of Babesia microti,
Ehrlichia species and Candidatus neoehrlichia mikurensis in wild rodents from Shimane Prefecture, Japan, Microbiol
Immunol.,51(4),359-67 (2007)
● 食品化学課
49) Obana H, Furuta M, Tanaka Y: Effects of temperature during Irradiation on the production of 2-alkylcyclobutanones in
beef, Journal of Health Science, 53(2), 215-219 (2007)
50) 粟津薫 , 北川幹也 , 尾花裕孝 , 田中之雄:ジアゾ化法による亜硝酸根定量法の検討 , 大阪府立公衆衛生研究所研究報告 ,
45, 47-52 (2007)
91
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
51) 池辺克彦 , 柿本幸子 , 尾花裕孝 , 田中之雄:大阪府における日常食の金属元素一日摂取量について , 大阪府立公衆衛生
研究所研究報告 , 45, 53-60 (2007)
52) Obana H, Furuta M, Tanaka Y: Detection of Irradiated Meat, Fish and Their Products by Measuring
2-Alkylcyclobutanones Levels after Frozen Storage, J. Food Hyg. Soc. Japan, 48(6), 203-206 (2007)
53) 北川陽子 , 起橋雅浩 , 尾花裕孝 , 阿久津和彦 , 柿本幸子 , 岡本葉 , 高取聡 , 小西良昌 , 村田弘 , 住本建夫 , 堀伸二郎 , 田
中之雄:輸入農産物中の残留農薬の調査結果 - 平成 11 年度〜平成 18 年度 , 大阪府立公衆衛生研究所研究報告 , 45,
29-36 (2007)
54) 柿本幸子 , 高取聡 , 北川幹也 , 吉光真人 , 北川陽子 , 岡本葉 , 起橋雅浩 , 小西良昌 , 尾花裕孝 , 福島成彦 , 村田弘 , 住本建
夫 , 堀伸二郎 , 田中之雄:国産野菜および果実中の残留農薬の汚染実態調 - 平成 13 年度〜平成 18 年度 , 大阪府立公衆
衛生研究所研究報告 , 45, 37-42 (2007)
55) 柿本幸子 , 田中之雄 : 食品容器包装用合成樹脂に含有されるカドミウム、鉛以外の金属元素測定への公定法の適用とそ
の簡便法の検討 , 大阪府立公衆衛生研究所研究報告 , 45,61-66(2007)
56)
岡本葉 , 高取聡 , 起橋雅浩 , 柿本幸子 , 阿久津和彦 , 北川陽子 , 尾花裕孝 , 村田弘 , 住本建夫 , 田中之雄:1993-2006 年
度に実施した柑橘類中における防かび剤の残留実態調査 , 大阪府立公衆衛生研究所研究報告 ,45, 23-28 (2007)
57) 高取聡 , 岡本葉 , 北川陽子 , 柿本幸子 , 村田弘 , 住本建夫 , 起橋雅浩 , 田中之雄: 農産物中の残留農薬検査に用いる新規
一斉分析法 , 大阪府立公衆衛生研究所研究報告 , 45, 67-75 (2007)
58) 藤田瑞香 , 柿本健作 , 田口修三 , 田中之雄 : LC/MS/MS による食品中のテトラサイクリン系抗生物質の分析法の検討 ,
大阪府立公衆衛生研究所研究報告 ,45,77-81 (2007)
59) Takatori, S., Okamoto, Y., Kitagawa, Y., Hori, S., Izumi, S., Makino, T. and Nakazawa,H. :Simulated neonatal exposure to
DEHP and MEHP from PVC enteral nutrition products, Int. J. Pharm., 352,139-145 (2008)
60) 高取聡 , 阿久津和彦 , 近藤文雄 , 和泉俊一郎 , 牧野恒久 , 中澤裕之:高速液体クロマトグラフ/タンデム型質量分析器
によるヒト母乳中のフタル酸モノエステル類の分析 , 分析化学 ,56, 1025-1031 (2007)
61) M. Okihashi, Y. Kitagawa, H. Obana, Y. Tanaka, Y. Yamagishi, K. Sugitate, K. Saito, M. Kubota, M. Kanai, T. Ueda, S.
Harada, Y. Kimura:Rapid Multiresidue Method for the Determination of more than 300 Pesticide Residues in Food,
Food 1(1), 101-110 (2007)
62) M. Okihashi, S. Takatori, Y. Kitagawa, Y. Tanaka:Simultaneous Analysis of 260 Pesticide Residues in Agricultural
Products by Gas Chromatography/Triple Quadrupole Mass Spectrometry, The Journal of AOAC INTERNATIONAL, 90,
1165-1179 (2007)
63) 起橋雅浩 , 杉立久仁代 , 畠山えり子 , 中野亜弓 , 市川有二郎:IUPAC 農薬化学国際会議 Poster Session Category III
1.
Residue Analysis, 日本農薬学会誌 , 32, S121-S124 (2007)
● 薬事指導課
64) Takaomi Tagami, Keiji Kajimura, Yuka Satsuki, Akihiko Nakamura, Masahiro Okihashi, Satoshi Takatori, Kensaku
Kakimoto, Hirotaka Obana and Mikiya Kitagawa:Rapid analysis of 56 pesticide residues in natural medicines by GC/
MS with negative chemical ionization, Journal of Natural Medicines, 62, 126-129 (2008)
65) Takaomi Tagami, Keiji Kajimura, Sokichi Takagi, Yuka Satsuki, Akihiko Nakamura, Masahiro Okihashi, Kazuhiko Akutsu,
Hirotaka Obana, Mikiya Kitagawa: Simultaneous analysis of 17 organochlorine pesticides in natural medicines by GC/
MS with negative chemical ionization, YAKUGAKU ZASSHI,127,1167-1171 (2007)
92
業績集(誌上発表等)
● 環境水質課
66) 山本康次 , 中野仁 , 奥村早代子 , 肥塚利江 , 坂部憲一 , 山内正洋 , 高萩喜美子:浄化槽面整備地域における事前調査と整
備の効果予測 , 浄化槽研究 ,19(3),1-12 (2007)
67) 山本康次 , 中野仁 , 奥村早代子 , 坂部憲一 , 小川浩 , 木曽祥秋:PFI 方式による浄化槽面整備事業の有効性と課題 , 用水
と廃水 ,49(8), 681-690 (2007)
68) 山本康次:PFI 事業を導入した浄化槽市町村整備事業 , 用水と廃水 ,50(1), 55-62 (2008)
69) 味村真弓 , 肥塚利江 , 渡邊功:大阪府における環境および食品中放射能調査(平成 18 年度報告), 大阪府立公衆衛生
研究所研究報告 ,45,15-22 (2007)
70) 味村真弓 , 肥塚利江 , 渡邊功:大阪府における放射能調査 , 第 49 回環境放射能調査研究成果論文抄録集 ,211-214 (2007)
71) 安達史恵 , 高木総吉 , 渡邊功:水環境中における医薬品の分析 , 大阪府立公衆衛生研究所研究報告 ,45,43-46 (2007)
72) 渡邊功:水の安全性の確保 ,FFI ジャーナル ,213(1),43-50 (2008)
73) Sokichi Takagi, Fumie Adachi, Isao Watanabe, Kurunthachalam Kannan:Concentrations of perfluorinated compounds
in Yodo river system, Osaka, Japan, Organohalogen Compounds, 69, 2808-2811 (2007)
74) Sayoko Oono, Eriko Matsubara, Kouji Harada, Sokichi Takagi, Sachiko Hamada, Akihiro Asakawa, Kayoko Inoue, Isao
Watanabe, Akio Koizumi:Survey of Airborne Polyfluorinated Telomers in Keihan Area, Japan, Bull Environ Contam
Toxicol. 80, 102-106 (2008)
● 生活衛生課
75) Ohyama M, Otake T, Adachi S, Kobayashi T, Morinaga K. :A comparison of the production of reactive oxygen species
by suspended particulate matter and diesel exhaust particles with macrophages.,Inhalation Toxicology,19 Suppl
1,157-60 (2007)
76) Matsunaga I, Miyake Y, Yoshida T, Miyamoto S, Ohya Y, Sasaki S, Tanaka K, Oda H, Ishiko O, Hirota Y, the Osaka
Maternal and Child Health Study Group:Ambient formaldehyde levels and allergic disorders among Japanese pregnant
women: baseline data from the Osaka Maternal and Child Health Study.,Ann Epidemiol, 18, 78-84 (2008)
77) Miyake Y, Sasaki S, Tanaka K, Ohya Y, Miyamoto S, Matsunaga I, Yoshida T, Hirota Y, Oda H, the Osaka Maternal and
Child Health Study Group:Fish and fat intake and prevalence of allergic rhinitis in Japanese females: the Osaka
Maternal and Child Health Study,J Am Coll Nutr, 26, 279-287 (2007)
78) 吉田俊明 , 松永一朗 , 織田肇 , 三宅吉博 , 佐々木敏 , 大矢幸弘 , 宮本正一 , 廣田良夫:大阪府内の住宅における実生活環
境下での化学物質 (HCOH, NO2, VOC, SVOC) による室内空気汚染 , 室内環境学会誌 ,9,83-95 (2007)
79) 吉田俊明:化学物質による乗用車室内空気汚染の現状と課題 , 化学物質と環境 , 83,11-12 (2007)
80) 吉田俊明 , 松永一朗 :室内空気中化学物質の測定に関する依頼検査の現状と問題点 , 大阪府立公衆衛生研究所研究報告 ,
45, 89-97 (2007)
81) Nakano Y:Effect of chronic topical exposure to low-dose noxious chemicals and stress on skin sensitivity in
mice,Journal of Occupational Health,49,431-442 (2007)
82) 中島晴信 , 宮野直子 , 松永一郎 , 中島ナオミ , 鹿庭正昭:抗菌製品の市販実態と製品表示の使用抗菌剤に関する調査研
究
1991 年から 2005 年 , 薬学雑誌 ,127,865-888 (2007)
83) Nakashima H,Nakajima D,Takagi Y,Goto S:Volatile organic compound (VOC) analysis and anti-VOC measures in waterbased paints,Journal of
Health
Science,53,311-319 (2007)
93
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
84) Nakashima H,Ooshima T:Analysis of inorganic antimicrobial agents in antimicrobial products:Evaluation of a
screening method by X-ray fluorescence spectrometry and the measurement of metals by inductively coupled plasma
atomic emission spectroscopy,Journal of Health Science,53,423-429 (2007)
85) Sayama Y,Tomiyama K,Yamaguchi A,Kuriyama T,Nakashima H,Matsuda Y ,Arakawa Y:Transference of Cytosolic
Calcium to Nucleus in Neurons by Organotin Exposure,Trace Nutrients Research,24,129-132 (2007)
86) Yamaguchi A,Tomiyama K,Sayama Y,Kuriyama T,Nakashima H,Matsuda Y, Arakawa Y:Mechanism on the Cell Death of
T-lymphocytes Induced by Organotin in Vitro,Trace Nutrients Research,24,90-97 (2007)
87) Yoshida J,Kosaka H,Nishida S,Kumagai S:Actual Conditions of the Mixing of Antineoplastic Drugs for Injection in
Hospitals in Osaka Prefecture, Japan,Journal of Occupational Health,50,86-91 (2008)
88) 熊谷信二 , 車谷典男:石綿の近隣曝露と中皮腫罹患リスク , 産業衛生学雑誌 ,49,77-88 (2007)
89) 熊 谷 信 二 , 車 谷 典 男: 石 綿 管 製 造 工 場 の 引 き 起 こ し た 健 康 被 害 の 全 貌
イタリアの疫学調査より , 労働の科
学 ,62,236-240 (2007)
90) 熊谷信二 , 車谷典男:石綿産業の周辺住民の健康被害 , エアロゾル研究 ,23,5-9 (2008)
91) 冨岡公子 , 樋口由美 , 眞藤英恵:福祉用具の有効性に関する介護作業負担の比較研究
- 福祉用具使用の有無および作
業姿勢の適正 -, 産業衛生学雑誌 ,49,113-121 (2007)
92) 冨岡公子 , 松永一朗:大阪府内新設介護老人福祉施設における筋骨格系障害の実態
ト調査による職員の訴え , 産業衛生学雑誌 ,49,216-222 (2007)
94
施設責任者の把握状況とアンケー
業績集(学会発表等)
学
会
発
表
等
● 企画調整課
01) 久米田裕子:分子生物学的手法を用いたカビの簡便な同定法 Heteroduplex analysis の確立とその応用 , 第 62 回日本
マイコトキシン学会 , 神戸 (2007)
02) 久米田裕子:シンポジウム 2「食品と有害カビ」カビ検査を考える , 第 28 回日本食品微生物学会 , 東京 (2007)
●細
菌
課
03) 濱野米一 , 川津健太郎:貝毒モニタリングのための簡易測定法の開発と有用性の実証 , 平成 19 年度漁場環境保全関係
研究開発特別部会
赤潮・貝毒部会 , 広島 (2007)
04) 濱野米一 , 川津健太郎 , 井上清:大阪湾における貝毒モニタリング , 地方衛生研究所全国協議会近畿支部自然毒部会平
成 19 年度研究発表会 , 大阪 (2007)
05) 濱野米一 , 竹島寛之:自然毒情報システムの開発と利用 , 平成 19 年度全国自然毒研修会 , 横浜 (2008)
06) 濱野米一 , 川津健太郎 , 井上清:大阪湾における麻痺性貝毒による貝類の毒化(2002-2007 年), 平成 20 年度日本水
産学会春季大会 , 静岡 (2008)
07) 田口真澄 , 神吉政史 , 甲斐明美 , 石原ともえ , 木股裕子 , 郡司明博 , 塚本定三 , 宮原美知子:食品中のサルモネラ検査標
準法策定に向けての検討 , 第 28 回日本食品微生物学会学術総会 , 東京 (2007)
08) 田口真澄 , 勢戸和子 , 河原隆二 , 坂田淳子 , 井上清:大阪府における腸管出血性大腸菌の薬剤耐性動向 , 第 12 回腸管出
血性大腸菌感染症シンポジウム , 東京 (2008)
09) 勢戸和子:多種類の下痢原性大腸菌が検出された集団下痢症事例 , 第 28 回衛生微生物技術協議会 , 岡山 (2007)
10) W. Yamazaki, M. Taguchi, K. Seto, R. Kawahara, K. Kawatsu, Y. Kumeda, T. Tsukamoto: Development of a multiplex
PCR assay for identification of the six most common Campylobacter species associated with human gastroenteritis,
American Society for Microbiology 107th General Meeting in Toronto, Canada (2007)
11) 勝川千尋 , 田中眞岐子 , 大塚宏美 , 今岡浩一:犬繁殖施設における犬ブルセラ病集団感染事例 , 平成 19 年度日本獣医
師学会年次大会 , 香川 (2008)
12) 勝川千尋 , 小宮貴子 , 岩城正昭 , 高橋元秀:本邦で初めてイヌから分離されたジフテリア毒素産生性 Corynebacterium
ulcerans , 第 81 回日本細菌学会総会 , 京都 (2008)
● ウイルス課
13) Tetsuo Kase, Saeko Morikawa and Kouichi Baba:Does Influenza Viral Population Change in a Patient Infected with
Influenza? Options for the Control of Influenza VI, Canada Toronto (2007)
14) 徳野治 , 藤原美樹 , 幸福知己 , 高橋敏夫 , 加瀬哲男 , 木下承皓 , 熊谷俊一:各種インフルエンザ迅速診断キットの評価ー
検出感度の比較ー , 第 50 回日本感染症学会中日本地方会学術集会 , 神戸 (2007)
15) 前田章子 , 加瀬哲男 , 大藤さと子 , 伊藤一弥 , 入江伸 , 菅野恒治 , 廣田良夫:抗インフルエンザ HI 抗体測定上の問題点
A/ 広島 /52/2005(H3N2) 株抗原のインヒビター感受性に関する検討 , 第 11 回日本ワクチン学会学術集会 , 横浜
95
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
(2007)
16) 小田美光:ヒト型スルフォトランスフェラーゼを発現する新規 umu 試験の開発 , 第 34 回日本トキシコロジー学会 ,
東京 (2007)
17) Yoshimitsu Oda, Kunihiro Funasaka, Masaaki Kitano, Taro Yoshikura:A high-throughput umu-microplate test system
for rapid detection of genotoxicity produced by mutagenic carcinogens and environmental samples,13th International
Symposium on Toxicity Assessment, Toyama (2007)
18) 小 田 美 光 , 河 井 一 明 , 葛 西 宏:4-Oxo-hexenal, a lipid peroxidation product, causes SOS induction in Salmonella
typhimurium umu strain expressing human sulfotransferase, 第 1 回アジア環境変異原学会 , 日本環境変異原学会第 36
回大会 , 福岡 (2007)
19) 山崎謙治 , 枝川亜希子:温州みかん皮成分によるネコカリシウイルス , レジオネラ属菌不活化効果 , 第 28 回日本食品
微生物学会 , 東京 (2007)
20) 中山博之 , 白崎良成 , 児嶋浩一 , 外池宏司 , 西村直行 , 山崎謙冶:糞便直接 RT-PCR 法によるノロウイルス検出法のキッ
ト化 , 第 28 回日本食品微生物学会 , 東京 (2007)
21) 永末有美 , 西田幸代 , 石田佳樹 , 今中幸江 , 熊谷善敏 , 山崎謙治 , 左近直美 , 住谷保治 , 澤邊昭義 , 坂上吉一 , 米虫節夫:
衣類に付着した病原菌・ウイルスの家庭用洗濯機による除菌効果 , 日本防菌防黴学会第 34 回年次大会 , 大阪 (2007)
22) 実方剛 , 福田俊昭 , 柴田高 , 川畑拓也 , 山崎謙治:二酸化塩素ガス溶存液(濃度長期保持型)の抗単純ヘルペスウイルス ,
抗コクサッキーウイルスおよび抗ネコカリシウイルス活性 , 日本防菌防黴学会第 34 回年次大会 , 大阪 (2007)
23) 実方剛 , 福田俊昭 , 柴田高 , 川畑拓也 , 山崎謙治:二酸化塩素ガス溶存液(濃度長期保持型)の抗単純ヘルペスウイルス ,
抗コクサッキーウイルスおよび抗ネコカリシウイルス活性 , 第 55 回日本ウイルス学会学術総会 , 札幌 (2007)
24) 西村公志 , 亀井 優徳 , 高橋 俊雄 , 高木康博 , 川渕貴子 , 加瀬哲男 , 奥野良信 , 高橋和郎:ココア成分の抗インフルエン
ザウイルス効果 , 第 55 会日本ウイルス学会 , 札幌 (2007)
25) 藤井明 , 小倉徹 , 澤田恵美 , 杉山寛治 , 大畑克彦 , 古澤亜紀 , 枝川亜希子 , 木村明生 , 加藤宏一 , 河合自立 , 松田和也:循
環式浴槽設備の清浄度維持に及ぼす高濃度塩素消毒実施頻度の影響 , 日本防菌防黴学会第 34 回年次大会 , 大阪 (2007)
26) 中西啓司 , 堀越敬之 , 田中敏夫 , 太田優 , 永田秀明 , 木村明生 , 川中正憲 , 森嶋康之 , 杉山広 , 荒川京子:大阪府内におけ
る捕獲犬のエキノコックス及び腸管寄生蠕虫保有調査(第 1 報), 平成 19 年度 , 日本獣医公衆衛生学会(近畿 3 学会),
大阪 (2008)
27) Kimura A, Edagawa A, Doi H, Tanaka H, Tomioka K, Sakabe K, Nakajima C, Suzuki Y:Detection of culturable and
nonculturable Legionella species from hot water systems of public buildings in Japan, The 2nd Thailand-Japan joint
forum on infectious diseases, Bangkok, Thailand (2007)
28) 弓指孝博 , 青山幾子:大阪府におけるリケッチア症について , 第 15 回ダニと疾患のインターフェースに関するセミナー
綾の照葉樹大会 , 宮崎 (2007)
29) 宮川広実 , 高橋和郎 , 田中智之 , 池原千衣子 , 村上司 , 笹部哲生 , 塩見正司 , 東野博彦 , 松本小百合 , 宮村鈴子 , 吉田英樹 ,
杉田隆博:第 66 回日本公衆衛生学会総会ポスター発表 , 大阪府の麻しん 2 次調査報告 , 松山 (2007)
30) 斎藤晋 , 阿部碧 , 田中温子 , 張替直輝 , 左近直美 , 木下健司:S-Bio GeneTube を用いたノロウイルスの迅速で簡便な RTPCR 検出法の開発 , 第 55 回日本ウイルス学会 , 札幌 (2007)
31) 左近直美 , 山崎謙治 , 依田知子 , 高橋和郎 , 大竹徹 , 加瀬哲男:2006/07 シーズンにおけるノロウイルスの流行実態 ,
第 55 回日本ウイルス学会 , 札幌 (2007)
32) Naomi Sakon, Kenji Yamazaki, Tomoko Yoda, Teizo Tsukamoto, Tetsuo Kase, Koki Taniguchi, Kazuo Takahashi, Toru
Otake:Norovirus storm in Osaka, Japan last winter (2006/2007) The 2nd Thailand-Japan Joint Forum on Infectious
Diseases, Thailand, Bangkok (2007)
96
業績集(学会発表等)
33) 高木康博 , 栗原重一 , 東奈津美 , 森川佐依子 , 加瀬哲男 , 蟻坂はるみ , 前田章子 , 柴原進 , 秋山由紀雄:老齢期のインフ
ルエンザワクチン接種後の抗体産生に及ぼすアミノ酸(シスチン / テアニン)の効果 , 第 21 回インフルエンザ研究者
交流の会シンポジウム , 横浜 (2007)
34) 森川佐依子 , 加瀬哲男:検体より ,A 型インフルエンザウイルス H1N2 亜型と H3N2 亜型が同時に分離できた 1 例 , 第
21 回インフルエンザ研究者交流の会シンポジウム , 横浜 (2007)
35) Saeko Morikawa, Tetsuo Kase , Yoshinobu Okuno:Latex particles coated with sialic acid-containing glycoprotein are
agglutinated by influenza viruses.:Options for the Control of Influenza VI, Canada Toronto (2007)
36) 森治代 , 小島洋子 , 川畑拓也 , 大國剛:プライマーにより異なるサブタイプおよび薬剤耐性変異が検出された HIV-1 重
感染例 , 第 21 回日本エイズ学会 , 広島 (2007)
37) 森治代:プライマーにより異なるサブタイプおよび薬剤耐性変異が検出された HIV-1 重感染例 , 第 27 回大阪 STI 研究
会 , 大阪 (2007)
38) 川畑拓也:診療所における HIV 検査の重要性 , 第 26 回大阪 STI 研究会 , 大阪 (2007)
39) 下内昭 , 川畑拓也 , 大國剛 , 大里和久:STI 関連医療機関における HIV 抗体検査の現状に関するアンケート調査結果報告 ,
第 26 回大阪 STI 研究会 , 大阪 (2007)
40) 谷口恭 , 川畑拓也:腹部の皮疹を主訴に来院した 3 例 , 第 13 回大阪プライマリケア研究会 , 大阪 (2007)
41) 谷口恭 , 川畑拓也:腹部の皮疹を主訴に来院した 3 例 , 第 3 回日常診療経験交流会 , 大阪 (2007)
42) 川畑拓也 , 下内昭 , 大國剛:大阪府内の STI 関連医療機関における HIV 検査の現状 , 第 21 回日本エイズ学会学術集会 ,
広島 (2007)
43) 矢川幸子 , 川畑拓也 , 中瀬克己 , 東政美 , 伊藤麻里子 , 尾澤るみ子 , 川添昌之 , 桜井健司 , 塩入康史 , 前田智児 , 石神亙:
アメ村サンサンサイト JHC クリニックにおける日曜即日 HIV 抗体検査・相談事業の 3 年間の報告 , 第 21 回日本エイ
ズ学会学術集会 , 広島 (2007)
44) 川畑拓也 , 森治代 , 小島洋子:大阪府立公衆衛生研究所における HIV 研究 , 平成 19 年度厚生労働省エイズ対策研究推
進事業・研究成果発表会「個別施策層への HIV/ エイズ対策における学際的連携の可能性」, 広島 (2007)
45) 小島洋子 , 川畑拓也 , 森治代 , 大竹徹 , 大國剛:大阪府内の STI 関連クリニックにおける HIV 感染初期例 , 第 21 回近
畿エイズ研究会学術集会 , 大阪 (2007)
46) 小島洋子 , 川畑拓也 , 森治代 , 大國剛 :大阪近隣の未治療新規感染者における薬剤耐性 HIV-1 の伝 播状況 , 第 21 回日
本エイズ学会学術集会 , 広島 (2007)
● 食品化学課
47) K. Akutsu, S. Takatori, H. Nakazawa, K. Hayakawa, S. Izumi, T. Makino:Dietary intake estimations of polybrominated
diphenyl ethers based on a total diet study, 27th International Symposium on Halogenated Persistent Organic
Pollutants, Tokyo (2007)
48) K. Akutsu, S. Takatori, S. Nozawa, M. Yoshiike, H. Nakazawa, K. Hayakawa, T. Makino, T. Iwamoto:Polybrominated
diphenyl ethers in human serum and sperm quality, 27th International Symposium on Halogenated Persistent Organic
Pollutants, Tokyo (2007)
49) K. Kakimoto, K. Akutsu, Y. Konishi, Y. Tanaka:Hexabromocyclododecane in fish oil supplements, 27th International
Symposium on Halogenated Persistent Organic Pollutants, Tokyo (2007)
50) 柿本健作 , 藤田瑞香 , 田口修三 , 田中之雄:LC-MS/MS を用いた牛乳 , 鶏卵中テトラサイクリンの測定 , 第 44 回全国衛
生化学技術協議会年会 , 津市 (2007)
97
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
51)
藤田瑞香 , 田口修三 , 田中之雄:LC/MS/MS による食品中のサルファ剤の分析 , 第 44 回全国衛生化学技術協議会年会 ,
津市 (2007)
52) 起橋雅浩 , 高取聡 , 北川陽子 , 田中之雄:食品中の残留農薬分析における GC/MS/MS の活用 , 日本食品衛生学会第 93
回学術講演会 , 東京 (2007)
53) 田口修三 , 田中之雄:りんごジュース中パツリンのタンデム固相抽出法と HPLC-DAD による迅速分析法の検討 , 平成
19 年度地研全国協議会近畿支部理化学部会研修会 , 滋賀 (2008)
54) 住本建夫 , 村田弘 , 高取聡 , 北川陽子 , 柿本幸子 , 岡本葉 , 田中之雄:GC/MS, GC/PFPD 併用による農薬の一斉分析につ
いて , 第 44 回全国衛生化学技術協議会年会 , 津市 (2007)
55) 村田弘 , 織田肇 , 岩上正蔵 , 田中之雄 , 住本建夫 , 高取聡 , 北川陽子 , 柿本幸子 , 岡本葉 , 酒井洋 , 上野英二 , 田中敏嗣 ,
宇野正清 , 宇治田正則 , 佐々木珠生 , 堤泰造 , 衛藤修一:農薬等のポジティブリスト化に伴う検査の精度管理に関する
研究(第 2 報), 第 44 回全国衛生化学技術協議会年会 , 津市 (2007)
56) 高取聡 , 阿久津和彦 , 近藤文雄 , 和泉俊一郎 , 牧野恒久 , 中澤裕之:母体及び臍帯血清中のフタル酸モノエステル類の分析 ,
環境ホルモン学会第 10 回研究発表会 , 埼玉 (2007)
57) 北川陽子 , 高取聡 , 堀伸二郎 , 西山利正 , 田中之雄:乳幼児用調製乳中の大豆イソフラボンの分析 , 環境ホルモン学会
第 10 回研究発表会 , 埼玉 (2007)
58) 尾花裕孝 , 田中之雄 , 古田雅一:5,6- ジヒドロチミジンを指標にした照射食品検知の試み , 第 94 回 日本食品衛生学会
学術講演会 , 静岡 (2007)
59) 粟津薫 , 尾花裕孝 , 北川幹也 , 吉光真人 , 池辺克彦 , 田中之雄:中毒発生時のヒスタミン分析におけるキットの活用 , 第
44 回全国衛生化学技術協議会年会 , 津市 (2007)
60) 野村千枝 , 北川幹也 , 河合高生 , 尾花裕孝 , 田中之雄:白花豆中フィトヘマグルチニン (PHA) の分析法の検討− PHA の
加熱調理による影響− , 第 44 回全国衛生化学技術協議会年会 , 津市 (2007)
61) 吉光真人 , 北川幹也 , 尾花裕孝 , 田中之雄:加工食品中の大豆タンパク質の検出 , 第 44 回全国衛生化学技術協議会年会 ,
津市 (2007)
62) 野村千枝 , 北川幹也 , 河合高生 , 尾花裕孝 , 田中之雄:白花豆中フィトヘマグルチニン (PHA) の分析法の検討− PHA の
加熱調理による影響− , 第 2 回全国自然毒中毒研修会 , 神奈川 (2008)
63) 粟津薫 , 尾花裕孝 , 北川幹也 , 吉光真人 , 池辺克彦 , 田中之雄:中毒発生時のヒスタミン分析におけるキットの活用 , 第
2 回全国自然毒中毒研修会 , 神奈川 (2008)
● 薬事指導課
64) 山崎勝弘 , 川口正美:固相抽出法を用いた漢方製剤中のサイコサポニンの定量法 , 日本生薬学会第 54 会年回 , 名古屋
(2007)
65) 山崎勝弘:固相抽出と HPLC-PDA 検出器を用いた生薬及び漢方製剤中に混入するアリストロキア酸の簡便・迅速分析 ,
第 36 回生薬分析シンポジウム , 大阪 (2007)
66) 梶村計志 , 田上貴臣 , 山本丈雄 , 岩上正藏 , 高取 聡 , 鎌倉浩之 , 川原信夫 , 栗原正明 , 合田幸広:新規シルデナフィル
類似化合物であるカルボデナフィルが検出された清涼飲料水について , 第 44 回全国衛生化学技術協議会年会 , 津市
(2007)
67) 田上貴臣 , 梶村計志 , 皐月由香 , 中村暁彦:GC/MS のネガティブ CI モードによる生薬中の有機塩素系農薬の分析法の
開発 , 第 44 回全国衛生化学技術協議会年会 , 津市 (2007)
68) 田上貴臣 , 梶村計志:GC/MS のネガティブ CI モードを用いた生薬中の残留農薬の分析 , 日本薬学会第 128 年会 , 横浜
98
業績集(学会発表等)
(2008)
69) 梶村計志 , 田上貴臣 , 山本丈雄 , 岩上正藏:化粧品に配合されるドナー型防腐剤であるブロノポールから遊離するホル
ムアルデヒドの挙動に関する研究 , 日本薬学会第 128 年会 , 横浜 (2008)
70) 山崎勝弘:固相抽出と HPLC を用いた生薬製剤及び漢方製剤中のセンノシド類の迅速分析法 , 日本薬学会第 128 年会 ,
横浜 (2008)
● 環境水質課
71) 宮野啓一 , 渡邊功:界面活性剤分析法の検討 ( 第 4 報 ) −ポリマー系固相による陰イオン界面活性剤妨害物質の検出− ,
第 44 回全国衛生化学技術協議会年会 , 津市 (2007)
72) 宮野啓一 , 渡邊功:界面活性剤分析法の検討 ( 第 5 報 ) −陰イオン界面活性剤の外部精度管理を実施する際の注意点− ,
第 44 回全国衛生化学技術協議会年会 , 津市 (2007)
73) 小泉義彦 , 足立伸一 , 安達史恵 , 渡邊功:水道水質検査におけるフェノール類分析の留意点について , 第 44 回全国衛
生化学技術協議会年会 , 津市 (2007)
74) 大野佐代子 , 松原英理子 , 原田浩二 , 高木総吉 , 井上佳代子 , 渡邊功 , 小泉昭夫:京阪地域における大気中フッ素テロマー
類の調査 , 第 16 回環境化学討論会 , 北九州市 (2007)
75) 田中榮次 , 枝川亜希子:温泉水中二酸化塩素の自動分析 , 第 34 回日本防菌防黴学会 , 吹田市 (2007)
76) Sokichi Takagi, Fumie Adachi, Isao Watanabe, Kurunthachalam Kannan:Concentrations of perfluorinated compounds
in Yodo river system, Osaka, Japan, The 27th International Symposium on Halogenated Persistent Organic Pollutants DIOXIN 2007, 東京 (2007)
● 生活衛生課
77) 中島晴信 , 辻清美 , 中島大介 , 後藤純雄:水性塗料中の VOCs の分析法と VOC 対策 , 第 44 回全国衛生化学技術協議会年会 ,
津市 (2007)
78) 宮野直子 , 中島晴信 , 松永一朗:陰イオン界面活性剤の皮膚常在菌への影響 , 第 44 回全国衛生化学技術協議会年会 , 津
市 (2007)
79) 佐山友里江 , 富山健一 , 山口明子 , 牛田素子 , 栗山孝雄 , 中島晴信 , 松田芳和 , 荒川泰昭:有機スズ暴露による嗅覚系カ
ルシウムの過剰蓄積とアポトーシス誘導メカ二ズムの解析 , 第 24 回微量栄養素研究会シンポジウム , 京都 (2007)
80) 山口明子 , 富山健一 , 佐山友里江 , 牛田素子 , 栗山孝雄 , 中島晴信 , 松田芳和 , 荒川泰昭:in vitro における有機スズを用
いた胸腺リンパ球の細胞死誘導メカニズムの解析 , 第 24 回微量栄養素研究会シンポジウム , 京都 (2007)
81) 松永一朗 , 吉田俊明 , 織田肇:ホルムアルデヒド曝露とアレルギー疾患との関連:大阪母子保健研究 , 第 23 回地方衛
生研究所全国協議会近畿支部疫学情報部会定期研究会 , 和歌山 (2007)
82) 東恵美子 , 中島孝江 , 大山正幸 , 山本義次 , 北角彰:パッシブサンプラーを使用した個人と屋外のホルムアルデヒド濃
度測定 , 第 35 回建築物環境衛生管理全国大会 , 大阪 (2008)
83) 宮島啓子 , 吉田仁 , 熊谷信二 , 冨岡公子:内視鏡消毒の職場環境中オルトフタルアルデヒド濃度と健康影響の関連性に
ついて , 第 80 回日本産業衛生学会 , 大阪 (2007)
84) 吉田仁 , 小坂博 , 冨岡公子 , 熊谷信二:大阪府内の医療施設における注射用抗癌剤の混合調製作業の現状 , 第 80 回日
本産業衛生学会 , 大阪 (2007)
85) 冨岡 公子 , 栄健一郎 , 樋口由美:移乗介助におけるリフト使用の効果:介護者の習熟度を考慮したリフト移乗の有効
99
平成 19 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
性検証 , 第 80 回日本産業衛生学会 , 大阪 (2007)
86) 熊谷信二:尼崎の旧石綿管工場の周辺住民におけるアスベスト関連疾患 , 国際アスベスト会議 , 横浜 (2007)
87) 熊谷信二 , 平田 衛:七宝焼自営業における鉛曝露の改善事例:日本産業衛生学会 中小企業安全衛生研究会 , 第 41 回
全国集会 , 東京 (2008)
88) 池田浩己 , 冨岡公子 , 竹田浩子 , 圓藤 陽子 , 榎本雅夫 , 山下敏夫:アレルギー外来を受診したシックハウス症候群・化
学物質過敏症患者を対象に行ったアンケート調査から:第 19 回日本アレルギー学会春期臨床大会 , 横浜 (2007)
89) 竹田浩子 , 池田浩己 , 冨岡公子 , 圓藤 陽子 , 榎本雅夫 , 山下敏夫:当科におけるシックハウス症候群・化学物質過敏症
の経験(第 2 報), 第 19 回日本アレルギー学会春期臨床大会 , 横浜 (2007)
100
平成19年度
大阪府立公衆衛生研究所年報
ISSN 0289-9809
平成20年10月発行
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