音声解析自動応答サービス アムトラック社のジュリー

顧客サービスソリューション
音声解析自動応答サービス
ケーススタディ
音声解析自動応答サービス
アムトラック社のジュリー
直観的で使いやすい自動応答サービスで、
顧客満足度を高めます。
課題
ソリューション
結果:
– 1 日 84,000 件にも上る旅客からの電
話は、時刻表、料金、運行状況に関す
– 音声解析自動応答サービス IVR アプリ
ケーション
– ジュリーは 1 日平均 50,000 件(ピー
ク旅行期間には最大 95,000 件)の電
– 社内カスタムレポートの再構築
– 以前のプッシュホン式に比べ、顧客満
足度が 53% 向上
る質問や予約に関するものが多い
– 46 州、500 以上の到着地をサポート
する、広範な文法要件
– CTI(Computer Telephony Integration)
への統合とウェブサービス
アムトラック社について
アムトラックとは「America(アメリカ)」
と
「track(線路)」の2つ
を合わせた語です。アムトラック社は米国全土に21,000 マイ
ルの鉄道を網羅し、年間3,100万人以上の旅客に、46州、500
以上の到着地への旅行サービスによる素晴らしい顧客体験を
提供しています。旅客数、収益の両方で6年連続の成長を果た
し、顧客サービスへの専心を証明しています。1日84,000件に
も上る旅客からの電話の多くは、時刻表、料金、運行状況に関
する質問や予約に関するものです。
話に応対
– ジュリーは、1 人のオペレーター 1 年
分の仕事量を 1 日で対応可能
顧客サービスソリューション
音声解析自動応答サービス
ケーススタディ
「音声技術業界関係者の間では、ジュリーは音声認識コンピュー
ターによる顧客対応における最初で最高のエージェントの1人であ
ると認識されています。アムトラックのジュリーは、世界中で顧客
からの質問への最初の応対者として企業が使用する何千という自
動音声の手本となるものです。」
Emily Yellin、「Your Call Is (not that) Important to Us」著者
顧客サービスの目標とソリューション
2000 年、アムトラックは顧客が電話をかけてきた際に、
ユーザーフレンドリーな方法で迅速かつ簡単に情報を入
手できるようにする必要に迫られました。同社はプッシュ
ホンを利用した自動応答サービスシステムを提供していま
したが、顧客の約 70% はそのシステムを切ってオペレー
ターと直接話をしていました。同社の目標は、顧客が使い
たいと思う新しいシステムを作ることでした。音声認識を
利用した、直観的で使いやすいシステムです。音声認識
を利用することで、アムトラックは優れた自動応答サービ
ス体験を提供できるようになり、オペレーターへの電話が
減ったことで、オペレーターはより複雑な問い合わせをし
てきた顧客に時間をかけられるようになりました。
第 1 段階:音声解析自動応答サービスの立ち上げ。
アムトラックはニュアンスコミュニケーションズに、顧客が
機械的な印象を減らしたいと考えました」と、アムトラック
の Matt Hardison 販売物流顧客サービス部長。2
2001 年、アムトラックはフリーダイヤルへの全通話に応対
する自動顧客サービス担当者、
「ジュリー」を発表しました。
ジュリーはアムトラックの顧客に快活に応対し、お客様が
話すリクエストを認識して手助けを提供します。IVR 人格
開発におけるニュアンスの豊富な経験が、ジュリーとお客
様の間に信頼関係を築く人間的な質感を持ったプロンプ
トの構築に役立ちました。直観的な会話形式のダイアロ
グフローによって、お客様はオペレーターと話さずに、必
要な情報を得ることができます。
2001 年に初めてお目見えした時から、ジュリーは電車の
時刻表(出発、到着時間を含む)を調べる手助けをして
きました。その翌年には、予約作業、列車の運行状況の
お知らせ機能が追加されました。2003 年 6 月までに、ジュ
望む音声解析システムの開発を依頼しました。アムトラッ
リーは 1,000 万件以上の電話に応答しました。自動音声
電話をかけてきた際にポジティブな会話を可能にし、ブラ
53% 向上しました。4 統計からは、お客様が自動応答サー
クは、自動オペレーターに名前を付けることで、お客様が
ンドとして認識されるようにしようと決めました。「普通の
音声応答システムよりも生き生きと、直接的にすることで
システムによって、プッシュホン式に比べ、顧客満足度が
ビスを選択することが分かります。
顧客サービスソリューション
音声解析自動応答サービス
ケーススタディ
顧客が受け入れる自動応答サービス
ジュリーを紹介しましょう。
アムトラックは、顧客に対応する他の場面においても、顧
アムトラックの自動オペレーター、ジュリーは、自然な会話
が重要だということを認識していました。アムトラックの
ボストンまでの列車の時刻表を知りたい場合の会話のサ
客体験を良好なものにするためには自動応答サービス
Matt Hardison 販売物流顧客サービス部長は、ニューヨー
クシティで乗車券を駅で購入する旅行者の 75% は、近く
の乗車券売り場にオペレーターがいるにもかかわらず自
動応答サービスの券売機を利用していると言います。
形式で知られています。お客様がニューヨークシティから
ンプルを紹介しましょう。
ジュリー:
「アムトラックの自動オペレーター、ジュリーです。
特定の列車が時刻表通りに走っているかどうかを調べたい
なら、「列車の運行状況」とおっしゃってください。」または
<ここでお客様がジュリーを遮ります>
ジュリーの成功は、アムトラックが、いつでもオペレーター
に切り替えられるという機能を含め、素晴らしい顧客体験
お客様:「時刻表」
ジュリー:「承知いたしました。時刻表と運賃をお調べし
の提供に注力していることによります。
「弊社のユーザーイ
ます。ここで目的の列車が見つかれば、予約も可能です。
VRU では役立たないと思えばすぐにオペレーターに変更
可能な点です。」と、アムトラックの Vince Zagorski 電話部
お客様:「ニューヨーク」
ンターフェースの重点は、お客様が VRU を使いたくない、
それではご要望を承ります。出発地はどこですか?」
長。「メインメニューでも、また自動インタラクションの随
ジュリー:「到着地はどこですか?」
ターにつながるということをお伝えしています。」
お客様:「ボストン」
ジュリーはお客様の間で有名になり、ブログや Youtube
ジュリー:「マサチューセッツ州のボストンですね?間違い
所でも、「オペレーター」と言うか、「0」を押せばオペレー
で、また TV のクイズ番組 Who Wants to Be a Millionaire
の回答として称賛されるようになりました。ジュリーの人
格が Saturday Night Live(アメリカ NBC の番組)で取り
ありませんか?」
お客様:「はい」
上げられるほどでした。「人々がアムトラックジュリーに夢
ジュリー:「承知しました。マサチューセッツ州ボストンに
ている Julie Stinneford。「ちょっと面白かったです。なぜ
ウス駅のどちらですか?」
中になっていくのに驚きました」と、ジュリーの声を担当し
ならこの人々は私に直接話しかけているわけではないから
です。コンピューターに話しているのですから。」5
第 2 段階:自動応答サービス機能の拡張
ジュリーが顧客サービス提供という点での価値を証明して
見せたことにより、アムトラックは 2003 年に彼女の機能を
拡大し、より多くのお客様に対応できるよう、また有用な
情報をもっと提供できるようにしました。
まず、自動応答サービス機能を拡張し、Acela Express の
列車および乗り換えを伴う長距離列車サービスを含むアム
は駅が 2 つあります。ボストンバックベイ駅か、ボストンサ
お客様:「サウス駅」
ジュリー:
「出発日が決まっていれば仰ってください。例えば、
とおっしゃって下さい。決まっ
「金曜日」、
または「10 月 9 日」
ていなければ「まだ決まっていない」
とお知らせください。」
お客様:「まだ決まっていない。」
ジュリー:「承知いたしました。ではとりあえず 9 月 26 日
分でお取りしますが、後で変更することもできます。確認
いたしますのでお待ちください・・・。」
トラックの鉄道網全体を追加しました。また、高齢者、学生、
AAA メンバー等、アムトラックの特別割引料金を利用でき
るお客様にもジュリーが応対できるようにしました。利便
性の向上として、クレジットカードを利用して乗車券の購
このような追加サービスにより、ジュリーはより多くのお客
様にサービスの展開が可能となりました。
入が可能になりました。最後に、お客様が予約を行う際に、
お客様も新しい自動応答サービス機能を活用しています。
重要な情報が提供されるようになりました。
予約関連で 200 万ドル以上のクレジットカード払いを処理
席の有無、持ち込み手荷物規則、乗車券の受取場所等の
新サービスが発表されてから 1 か月間で、アムトラックは
6
しました。
顧客サービスソリューション
音声解析自動応答サービス
第 3 段階:拡張機能へのアップグレード
その後数年間で、アムトラックの自動応答サービス機能を
利用するお客様はますます増加しました。お客様の信用
を維持するためには一貫した信頼性が重要ですが、アムト
ラックはさらに、将来に向けて機能をさらに拡張したいと
考えました。2006 年、アムトラックは再びニュアンスのプ
ロフェッショナルサービスチームに依頼し、信頼性と拡張
性を確保するためのアップグレードに着手しました。
ハードウェアおよびソフトウェア環境のアップグレードに
よって、アムトラックは信頼性の向上、より容易なシステム
メンテナンス、そして会社の電話応対能力の向上を実現し
ました。
アムトラックの顧客も、このアップグレード段階で利益を受
けました。ジュリーが認識できる北米の都市の数が 1,000
ケーススタディ
アムトラックの目指す目標
顧客満足度の改善:お客様は必要な情報を自動応答サー
ビスで簡単に入手できなければなりません。
自動応答サービスの利用率の向上:完全応対の通話統計
は、良好なトレンドを示さなければなりません。
オペレーターの効率向上:より多くの機能を自動化し、よ
り多くの部分自動化を可能にし、オペレーターに予約プロ
セスのステップをバイパスするために必要な知識を与えま
す。
新技術の利用:最先端の音声認識によって、より複雑な会
話に対応し、より柔軟なユーザーインターフェースのデザ
イン戦略を可能にします。
から 45,000 に増加しました。以前は、お客様は駅のある
もっと賢く:質の高いレポートと分析により、同社は問題の
それがよく知られた大都市の近くの無名の町だったりする
ためのデータをより多く入手できるようになります。
都市名を正確に知っていなければならなかったのですが、
こともありました。それが今では、ジュリーはより多くのリ
起こりやすい箇所とトレンドを促しているものを理解する
クエストを認識し、お客様が最寄駅を見つける手助けまで
もできるようになりました。ジュリーがさらに「賢く」なっ
たことで、お客様のイライラが減り、オペレーターにつな
ぎ直さなければならないお客様の数も減りました。
第 4 段階:サービスロードマップの作成
2008 年には、さまざまな市場環境の変化がアムトラック
の顧客サービスにも影響を及ぼし始めました。まず、ガソ
リン価格の急騰です。その結果国内の顧客ベースが大き
く変化し、より複雑なご要望を持つお客様が増えました。
さらに、より多くのお客様がアムトラックのウェブサイトを
利用して予約を行うようになりました。その結果、コール
センターでは、オペレーターの手助けが必要な予約変更の
リクエストを多く受けるようになりました。これらの問題に
対処し、すべてのお客様が良好なサービス体験を得られる
ようにするためのロードマップが必要でした。アムトラッ
クはまた、部分自動機能を改善することによってオペレー
ターの効率アップを図る必要に迫られていました。なぜな
ら多くのお客様がメニューオプションを聞く前にメインメ
ニューのところで「オペレーター」と言っていたからです。
自動応答サービス環境アップグレード早分かり
ジュリーは今
2007 年、 アムトラックは 既 存 の IVR 環 境 を Intervoice
MTC 3.0 VoiceXML Browser System にアップグレード
ジュリーは 1 日平均 50,000 件、年間約 2,000 万件の電話
スの SpeechWorks v6.5 から OSR 3.0、OSDM 2.0、そ
あります。ジュリーはフリーダイヤルにかかってくる電話
進の音声機能を利用できるようにしました。ニュアンスの
相当します。自動応答サービスを利用しようと思っている
しました。同社はまた、音声認識ソフトウェアをニュアン
して RealSpeak 4.0 にアップグレードすることによって先
プロフェッショナルサービスは、将来の柔軟性と投資保護
を確実なものとする標準フォーマットである VXML(Voice
Extensible Markup Language)に変更しました。ニュ
アンスはまた、システムを Aspect CTI に統合し、バックエ
ンド統合を完全リライトすることにより、旅行会社のウェブ
サービスを利用、またアムトラックのカスタムレポートを再
構築しました。
を対応しています。電話の件数には大きな変動がありま
すが、ピーク旅行期間中は 1 日に 95,000 件もの電話が
の 25% 程度に応対していますが、これは年間 500 万件に
人(例えば電話を切ってしまったり、すぐにオペレーター
につなぐことを求めない人)については、ジュリーは平均
54% もの電話に完全に応対しています。ジュリーはアムト
ラックのカスタマーサービスオペレーター 1 人が 1 年に応
対するお客様の人数以上の電話に 1 日で応対しています。
ジュリーに電話するには 800-USA RAIL から。
顧客サービスソリューション
コールステアリング
ケーススタディ
ニュアンスのビジネスコンサルティングチームが、アムト
ラックの目的を分析し、3 年間の IVR 拡張ロードマップを
作成する依頼を受けました。アムトラックは、良好な自動
応答サービスがあれば、より多くの顧客が自動で通話を完
了し、何度も利用するようになると分かっていました。こ
れによって同社は、素晴らしい投資利益率を達成すること
ができました。
ロードマップを作成するため、ニュアンスのビジネスコン
サルティングチームはまず、ニュアンスのプロフェッショナ
ルサービスチームと協力して、お客様からの電話のライブ
モニタリング、適用レポートおよび性能指標を含む詳細な
データの見直しを行いました。チームはその後、ニュアン
スのユーザーインターフェース(UI)エキスパートと協力
し、自動インタラクションダイアログの評価を行いました。
アムトラックの関係者との面談も重要な情報収集プロセス
の 1 つでした。
このデータを使って、コンサルティングチームは業界基準
との比較で IVR 自動化機会を評価し、完全自動および部
分自動の利益に関するカスタムの財務モデルを作成しま
した。作成された 3 段階のロードマップは、付随する利益
と困難レベルを加味した強化優先リストを概説するものと
なっています。このロードマップは、アムトラックのウェブ
サイト上で行われた旅客の予約を読み出す機能を含め、
現在展開されています。
Eisenzopf, Jonathon著「Updating Your System – Is VoiceXML right for your
customer service strategy?」 Dr. Dobbの要訳 2009年9月1日、
http://www.ddj.com/architect/184413221より抽出。
2
Emily Yellin著「Your Call Is (not that) Important to Us」 ニューヨーク:Free Press,
2009, 79
3
Emily Yellin著「Your Call Is (not that) Important to Us」94
4
「アムトラックの旅客は
SpeechWorksソリューションを利用して、米国の人気音声から乗
車券を購入する」− Business Wire。2009年9月28日、
http://www.allbusiness.com/company-activities-management/ operationscustomer/5729097-1.htmlより抽出。
5
Emily Yellin著「Your Call Is (not that) Important to Us」80
6
「アムトラックの旅客は
SpeechWorksソリューションを利用して、米国の人気音声から
乗車券を購入する」− Business Wire。2009年9月28日、
http://www.allbusiness.com/company-activities-management/ operationscustomer/5729097-1.htmlより抽出。
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ニュアンスコミュニケーションズについて
ニュアンスコミュニケーションズは、人と技術の関係を改革します。音声および言語機能を通じ、ニュアンスは私たちの周辺にあ
る多くのシステム、デバイス、エレクトロニクス、アプリケーション、そしてサービスとの、より人間味のある会話を創り出します。
日々、何百万人もの人々、そして何千人ものビジネスが、あなたの生活、あなたの仕事を聞き、理解し、学習し、適応できるイン
テリジェントシステムを通じてニュアンスを体験しています。詳しくは http:// japan.nuance.com をご覧ください。
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NUAN–EP–002–01–CS–Jpa, April 2016