講座紹介 (医大祭パンフレットの掲載にご協力い ただいた講座の紹介です) Tumor Pathology The scholarly and research activities of our Department are broad, extensive, and innovative, ranging from fundamental science to translational and clinical science. Our objective is to address all aspects of the tumor development in order to identify key weaknesses that could be used for therapies. Particular areas of current research interest include cancer diagnosis and biology, genetics and epigenetic pre-disposition, chromosomal instability, post-translational modifications, adductomics and proteomics. The Hamamatsu University School of Medicine provide us with a nurturing environment with cutting-edge equipment and constant access to a wide-variety of human bioresources which allowed us to constitute an important catalog of thousands of different types of cancer. Our team encompasses also this variety and is composed of specialist in genomics, molecular biology or proteomics as well as clinicians and pathologist. We are also committed to provide training for graduate and medical students. The Pathology Tumor Department provides expert clinical diagnostics and is a reference for difficult diagnostic cases from Japan. Furthermore, we are highly engaged in the development of new diagnostic criteria and the development of new cancer treatment therapeutics. We collaborate and cooperate with multiple experts and institutions across a broad array of clinical, education and research activities in Japan and around the world. Cancer is a complex disease, composed of multiple distinct cell types, which constantly exchange and interact together in order to establish a tumor. We believe that in order to cure one day this disease, scientist should mimic some of its aspect. We should take benefit from the diversity of ideas and paths present in the scientific community. Exchange and interact between us, to nurture, mature and to improve our ideas for hopefully defeating the strategies put in place by the cancer to survive. (文責: Youssef Errami, PhD, Medical Student Marseille University, JSPS visiting scientist) 再生・感染病理学 明治以来、日本の大学は伝統的に講座制を順守しており、浜松医科大学でも○○講座と いう研究室が 30 程度あります。その 1 つが再生・感染病理学講座です。お隣の講座は椙村 教授の腫瘍病理学講座です。両講座は研究棟の 1 階にあります。病理学というのは、病気 の成り立ちの研究する実験的研究から病気の診断(患者さんから採取された組織を診断す る病理診断)までを含む、幅広い学問領域です。その幅広さゆえに多くの大学の医学部で は、病理学は二講座制でありますが、近年、いろいろな大学で病理学を一講座の大講座制 にしたり、病理学講座を臨床講座に移行して、病理診断に特化したりする試みが行われて おり、病理学講座の在り方も時代とともに変化しつつあります。しかし、本学では開学以 来、病理学講座は二講座制で運営されており、腫瘍病理学講座は腫瘍病理学を中心に研究 し、再生・感染病理学講座は炎症・感染病理学を中心に研究し、それぞれ研究成果を挙げ、 そして有為な人材を世に送り出してきました。 また、浜松医科大学附属病院には病理診断科(馬場教授)という診断病理学に特化した 部門があります。病理学両講座と病理診断科はお互いに協力しながら、病理学の講義・実 習と臨床実習を行っており、それらを合わせた時間は年間約 200 コマ(1 コマ 90 分)以上 にもなります。 関連病院に関しては、腫瘍病理学講座と病理診断科の御協力のもとに静岡県の 4 公的病 院(静岡県立がんセンター病院、静岡県立総合病院、菊川市立病院、中東遠総合医療セン ター)および 2 準公的病院(聖隷浜松病院、遠州総合病院)と愛知県の 5 公的病院(国立 病院機構豊橋医療センター、豊橋市民病院、豊川市民病院、蒲郡市民病院)および 1 準公 的病院(渥美病院)に常勤病理医師と非常勤病理医師を派遣しています。さらに、国立病 院機構天竜病院と公立森町病院などをはじめとする浜松市内および近隣自治体の病院の病 理診断を行っております。我々はこれらの病院における病理診断を通じて、地域医療に貢 献をしているものと考えております。 静岡県は他県と比較すると人口当たりの医師の数が少なく、医師不足が深刻な問題とな っています。浜松医科大学は県内唯一の医師を送り出す機関であり、県民の皆様の御期待 が高いものと思われます。その御期待を裏切らないように、研究、病理診断に切磋琢磨す るだけでなく、良医育成のための医学生教育に全力を尽くしています。 解剖学(細胞生物学分野) こんにちは。解剖学講座細胞生物学分野です。 臨床研究棟 6 階 622 室にあります。学部生、ウェルカムです。 実際、現在学部の学生が数人出入りしています。所属理由は学生ごとに異なります。研究 室というものの雰囲気を体感したい、という人から、学術的な文章構成力を身に付けたい 人、本腰で研究を行いたい人など様々です。学部生にはルーティンがありません。部活に 所属していても、活動可能です。部活と両立している学生もいます。アルバイトもしてい ます。 講義等で提出するレポート、こんな書き方でいいのだろうか、、、と思っていませんか。 日々の進捗報告など、研究室ではちょっとした文章の作成が多々あります。これらをこな していくうちに、学術的文章の書き方がわかります。これでレポートが苦労なく、スラス ラと、格好良く書けるようになります。 研究に没頭したい人にとっても恵まれた環境です。他大学の基礎研究講座との交流会:リ トリートへの参加や、論文の執筆など、やる気のある学生にはいくらでもその機会を与え てもらえます。その活動功績が認められ、学生表彰を受けたり、優秀研究賞をとった学生 もいます。 研究内容は“質量顕微鏡”、“老化”をキーワードに多種多様な研究が行われています。 詳しくはこちら参照です。http://www.hama-med.ac.jp/mt/setou/ja/index.html いますぐ アクセス。 最後になりましたが、第 39 回医大祭の開催おめでとうございます。皆さんが日頃の練習、 活動で培われた実力とチームワークをこの機に十分発揮できるようお祈りしております。 P.S. 解剖学教室細胞生物学分野の教授と准教授は美形です。 瀬藤光利教授 池上浩司准教授 解剖学(神経機能学分野) 第39回医大祭の開催、誠におめでとうございます。毎年医大祭を楽しみにしています。 私は大阪出身なのでお笑いが好きなのですが、浜松では吉本新喜劇の放送がありませんし、 あまり漫才も放送されません。私は毎週欠かさず2ヶ月遅れで放送される探偵ナイトスク ープ見ているのですが、周囲に訊いても視聴率は高くなさそうです。。。というわけで、医 大祭は貴重な生の漫才を見る機会で、毎年誰が来るのか楽しみにしています。昨年は麒麟 が登場し、とてもテンションが上がりました。あの声を聞いた時に本物だ〜〜と感じまし た。屋台も楽しみにしています。例年2日間掛けてほぼ全部の出店から食べています(笑) 。 残念ながら昨年は大会の都合で出ていなかったのですが、また広島焼が食べられればと思 います。手品もいいですよね〜〜。至近距離で見ているのにトリックが分からない。小学 生の娘達と一緒に、毎年楽しみにしています。あとは何と言っても後夜祭!各部活の努力 の成果が存分に見られます。毎年感動するステージがいくつか有ります。血と汗と涙の結 晶ですね。浜医の団結力はここで築かれているのだと感じました。 さて、前置きが長くなりましたが、当講座を紹介します。解剖学という名前は付いてい ますが、これは仮の姿です(笑) 。神経や血管についての研究を組織染色や細胞培養を用い て解析しています。そう、 「解剖」という名前を冠しているので、どこの臓器であれ組織で あれ、自由に研究テーマが設定できます。私はちなみに神経や血管がどのように伸びて行 くのかを各種ノックアウトマウスを用いて解析しています。学生さんバイト募集中なので、 気軽に声を掛けて下さい。研究に興味が有る、お金が欲しい、業績も欲しい、学会発表も してみたい、どれかに該当すれば大歓迎です。(S. Y.) 医化学 和而不同(和して同ぜず) 『論語・子路』で孔子が「子曰く、君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」と言った のに基づく。 この言葉は、私が 1976 年大阪大学医学部を卒業して入局した大阪大学医学部第一内科学 講座 阿部裕教授の中年期の座右銘の一つでもあることを後で知った。昨年に続いて気に 入っている2つ目の格言である。組織の構成を考えてみるとすぐにわかる。同じ能力を持 った複数の人が作る組織は対応に限界がある。しかし、多彩な人が調和して作る組織はど のような困難にも対応できる。大切な事は、自分の個性や考えを大事にして、でも組織の 一員として行動することである。逆に、自分の個性や考えを捨て、完全に組織の色に染ま ってしまうのは望ましくない。 医化学講座の研究テーマは「発生医学」 、発生学的な発想あるいは技術を用いて医学の諸 問題を解決する。具体的には、主にマウスを使って個体レベルでの研究を行っている。私 が発見した Foxc2 遺伝子と Foxf2 遺伝子のノックアウトマウスの作製、Foxc2 遺伝子の conditional ノックアウトマウスの作製とその解析、そして Foxd4 遺伝子のノックアウトマ ウスも作製したばかりである。私のモットーは「自ら作る、そしてそれを研究する」 。そし てそれを他の研究者にも利用してもらう。これこそが、基礎医学の姿勢の一つだと自負し ている。共同研究とはあげるものがあって初めて成立する。 研究はとても面白い。ある意味、登山に似ている。道中は苦しいこともあるが、頂上に 登った時の達成感は何物にも代え難いものがある。1つの山を越えたら、また次の山が見 える。浜松医大の医学部生には、もっと基礎医学研究に興味をもってほしいと思っている。 山中伸弥教授のことを思い出して欲しい。神戸大学医学部出身故にノーベル賞につながる 素晴らしい発見をした。浜松医科大学医学部生の中に山中伸弥教授みたいなことをしてみ たいと思う人はいないのか。自分の個性を大切にして、大きな夢を見たまえ、大きな希望 を膨らませたまえ、興味あるものに熱中したまえ。神は、そういう君たちを応援すること に間違いはない。もちろん、私も応援している。 文責 N.M. 医生理学 この記事を読んで下さっているあなたは、大学関係者でしょうか、学生さん、あるいは 学外からお越し頂いた方でしょうか。いずれにしてもこのように内容が濃いとは言い難い パンフレットをお読み頂いているあなたへ、 “お役立ち情報”をお届けします。 “血液ドロドロの誤解” 心筋梗塞や脳梗塞に代表される血栓症は、血管の中で血液が固まり血流が途絶えること が原因で発症します。下水管が詰まるのと同じで、①血液がドロドロになること、②血管 の内面がガタガタになること、③血流がゆっくりトローリと流れること、が引き金になり ます。ではどのような原因で「血液がドロドロ」になるのでしょうか。「脂っこい食品のと り過ぎ」とお答えになる方が多いのではないでしょうか。確かに血液中のコレステロール .... や脂質が多くなると粘度が高くなりドロドロになります。でも一番の原因は赤血球数が多 くなることなのです。血液が濃くなることです。赤血球が多いのは良いことのように感じ .... ますが、多すぎるとドロドロになるのです。赤血球が多いとたくさん酸素を運搬できるの で、長距離走や自転車競技には有利になります。赤血球を多くする薬をドーピングで使用 した自転車競技の選手が心筋梗塞を発症したのは有名な話しです。赤血球数が多くなる原 因としては、脱水により血液中の水分が少なくなって血液が濃縮されることが最も一般的 です。このため、血栓症の予防に充分な水分摂取が薦められているのです。 しかしドロドロになるだけでは血液は固まりません。怪我などの際に止血してくれるの は、血液の中の血小板と凝固因子という血液を固める成分が機能してくれるからです。血 小板も凝固因子も正常な血管内では働かないように抑制されていますが、血管の傷害部位 では効率良く活性化されるのです。困ったことに血小板も凝固因子も動脈硬化で血管がガ タガタになったり、糖尿病や感染症で炎症を起こすと活性化されてしまいます。部分的に 活性化されて、いつでも固まることができる状態の血小板や凝固因子が血管の中を流れる ことになります。実はこれが本当に怖い“血液ドロドロ”状態です。ではどのようにした らこれを防げるのでしょうか。正常な血管内皮には血小板の活性化を抑えてくれる機能が ありますので、健康な血管内皮を保つことが重要になります。このために動脈硬化の原因 となる脂質異常を改善する必要があるのです。また,慢性炎症の原因となる糖尿病や歯周 病を治療する必要があるのです。ビタミン C、不飽和脂肪酸を多く含む青魚、オリーブオ イル等の充分な摂取は、適度な運動とともに、正常血管内皮機能の維持に重要です。また、 すでにコレステロールを下げるお薬や血液サラサラのお薬を服用されておられる方は、指 示通りに服用することを心がけて下さい。怖い“血液ドロドロ”状態を改善してくれてい るのです。 不要なところで固まらないサラサラ血液は、正常な血管の中で維持されます。生活習慣 の改善が重要ですが、それでも足りない場合は、お薬の力も借りて血栓症を予防しましょ う。 血栓症を研究している「医生理学講座」からの、 “それほどお役に立つわけでもない”情 報でした。 (TU 記) 神経生理学 第 39 回医大祭の開催おめでとうございます。 生理学とは、教科書では「健常な生体機能がどのような機序で発現し維持されているかを、 主に物理化学的手法を用いて研究する基礎医科学の一分野(本郷ら監修、標準生理学第 6 版、医学書院)」とされています。簡単に言うと、「私達の体内で起こっている様々な現象 を機能の側面から研究する」ことです。その中でも、神経に注目しているのが「神経生理 学」なのです。当ラボは「健常」だけではなく、脳や神経に関わる疾患にも興味をもって 研究しています。一例を挙げれば、てんかんは発達期の小児と成人では様子が異なってい ますが、その違いはどうして生じるのかということを様々な手法を使って細胞レベルで解 明しようと取り組んでいます。 当ラボは福田教授を筆頭に秋田准教授、武藤助教、渡部助教の 4 名の教員、技術補佐員 の小川さん、王さん、事務補佐員の小杉さん、大学院生の岩田さん、細井さん、大川さん、 Adya さん、私(柿沢)で構成されています。福田教授はラボ全体の指揮をとり、世界トッ プクラスの研究成果を引き下げて世界中を回っておられます。研究はもちろんですがスポ ーツも得意で、お酒も強く、気さくに話しかけて下さる温厚な先生です。秋田准教授は主 に電気生理学的手法を用いて、胎生脳の神経細胞におけるイオンチャネルの役割を明らか にしようとしています。武藤助教は細胞内の活動を蛍光で画像化するイメージングが得意 な先生で、学生さんはその画像を見るだけでも面白く、生理学や研究に興味が湧くかもし れません。渡部助教は、神経機能における GABA 興奮性作用の役割について、ご自身で遺伝 子改変動物を作出し研究なさっています。小川さんは、動物管理のスペシャリストかつお しゃれなお姉様です。王さんは幅広い技術を習得されていて、頼りになるお姉さん的存在 です。事務の小杉さんは、優しくて美しいお姉様なので、機会があれば是非声をかけてあ げて下さい。岩田さんは大学院 4 年生で、母胎ストレスについて、細井さんは大学院 2 年 生で、タウリンと皮質錐体ニューロンとの関連について、私(柿沢)は視床下部ニューロ ンにおける GABA の役割について研究活動を行なっています。大川さんと Adya さんは今年 の 4 月から大学院に入学し、当ラボで研究活動を始めたところです。まだまだ分からない ことだらけですが、先生方のご指導の下、日々実験や勉強に取り組んでおります。 以上のように、当ラボでは様々な専門性を持ったメンバーが色々な視点から多角的に発 達・成長期の神経細胞を研究しています。講義や実習等で「生理学って難しそうだな」と 感じている学生さんがおられるかもしれませんが、実際に研究をやってみると印象が変わ ると思います。先生方は、優しく丁寧に分かりやすく説明して下さいますし、日頃疑問に 感じていたことがスッキリ解決してしまうかもしれません。そして、きっとあなたにも面 白い発見があるはずです。ぜひ一度研究棟 3 階の神経生理学講座に立ち寄って下さい。も ちろん見学やお話をするだけでも大歓迎です。スタッフ一同、心よりお待ちしています。 感染症学(ウイルス学・寄生虫学分野) 我々の研究室はその名の通りウイルスと寄生虫の研究を行っています。 ウイルスは自分自身のみでは殖えることができません。多くは宿主生物の細胞の中に入 ってその構成成分を借りてのみ、自分の子孫を残すことができるのです。しかも、その標 的となる生物や細胞の種類には好みがあり、何でもよいというわけではありません。小さ な体に最小限の道具を携え、標的を求めてさまよい、運よく意中の相手に巡り合えたら、 その防御システムを掻い潜って侵入し、その相手を利用して自分のコピーを作らせている のです。挙句の果てには、知ってか知らずかその相手に迷惑をかける(病気を引き起こす) こともしばしば。寄生虫は、ウイルスに比べるとかなり高等ですが、宿主生物へ寄生し利 用することでライフサイクルが成り立っています。 現在の日本では衛生環境の整備が進み、人々の栄養状態が改善し、さまざまな治療法が 開発され利用可能となり、昔ほど彼らに悩まされることは多くないとはいうものの、医療 の進歩や高齢化、人口増加、国際化などに伴って新たな病原体が出現したり、復活を遂げ るものがあったりでまだまだ気を緩めることはできません。そんな彼らの生活スタイルや 病気を起こす仕組みを調べることにより、新たな予防法や治療法の開発につながればと考 えています。 視点を変えると、彼らは「自分を殖やす」という生物の基本を、とても単純な、洗練さ れた形で見せてくれているとも言えます。彼らを研究することで生物全般に普遍的な現象 を解明することにつながる可能性があります。また彼らを道具として使うことによって 様々な生命現象の仕組みを解析したいとも考えています。そんなミクロな世界にロマンを 感じた学生さんは、ぜひ研究棟 9 階まで足をお運びください。(文責:K.N.) 内科学第一 医大祭にご参加の皆さんこんにちは。第一内科です。当講座の詳しい活動状況はホーム ページ( http://www.hama-med.ac.jp/uni_education_igakubu_igaku_naika1.html )にも ございますが、この場では一般の方に当講座の簡単な紹介をしたいと思います。 当講座は消化器内科、腎臓内科、そして神経内科の 3 分野を担当しています。 消化器内科は口からおしりまでの消化管やこれらに関連の深い肝臓、膵臓、胆嚢など、 おなかにある内臓の大部分を担当しています。消化器は食物から必要な栄養分を消化吸収 して不要物を排泄しますが、それ以外にもたくさんの働きがあり、例えば免疫という、病 原体などの外敵から身体を守る仕組みにも大きく関わっています。消化器の病気には胃腸 炎など身近なものから、がんや炎症性腸疾患などさまざまな物があります。内視鏡を用い た診療技術の発達などによって、多くの疾患が内科的に治療可能になっています。 腎臓内科は腎臓を担当しています。腎臓は左右の腰にある握り拳大の内臓で、血液中の 不要物を尿として排泄するほか、血圧を調整したり体内の電解質のバランスを保ったりし ます。腎臓の働きが低下すると身体に必要な栄養素が尿中へ流れ出てしまったり、不必要 な水分がたまったり、血圧が上がったりして、体内環境を保つことが出来ません。皆さん が検診で受ける尿検査の大きな目的は、この腎臓の働きを調べることです。 神経内科は一番分かりにくいかも知れませんが、脳や脊髄を中枢とする神経組織と、神 経組織と連携している筋肉や感覚器官の全体を神経系として担当しています。複雑な神経 系の働きを一言で言えば、私たちが自分の状況を正しく理解して思い通りに対応できるよ うにすることです。神経系の働きが低下すると感覚が鈍くなったり、記憶力が低下したり、 身体がうまく動かなくなったりして、思い通りに生活することが出来なくなってしまいま す。神経の健康状態の把握には最新の MRI なども補助的に用いますが、検査だけでは十分 ではなく、専門医が患者さんを丁寧に診察していくことで初めて正確な診断ができます。 当講座の各メンバーは、研究においては非常に専門化したテーマについて深く掘り下げ て真理の追究に励んでおります。一方、診療においては、一人の患者さんが抱えている健 康上の問題は 1 つとは限りませんので、専門外の分野も見落とすことなく、目の前の患者 さん全体を診る(これを「全人的医療」と呼んでいます)ように努めています。学生や研 修医の指導においても、当講座が大切にする高い専門性と全人的医療の両面を身に付けた 良き医療人となるように、力を注いでいます。 しかし人生経験が少ない若い学生には医学以外にも、地域の皆さんと接する中で学ぶべ きことがたくさんあります。医大祭はとかく学内の狭い世界に籠もりがちな本学学生にと って地域の方と交流できる貴重な場です。是非学生の姿をご覧頂き、医大祭を楽しんで頂 き、温かい交流を頂きますようにお願い致します。 文責:第一内科ホームページ係 内科学第二 医大祭開催おめでとうございます。晴天の中楽しく無事に達成されることを第二内科一 同願っております。 第二内科は、呼吸器内科、内分泌内科、肝臓内科の 3 つから構成されています。 呼吸器内科は、主に肺の病気を診る内科です。“肺”は“呼吸”をする臓器、だから“呼 吸器内科”なのです。 “肺内科”と言いたいところですが、そうは呼びません。呼吸器内科 で診療する病気は多岐に及びます。肺炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患) 、喘息、肺がん、間質 性肺炎、膠原病に伴う肺病変・・などなど。いいかえれば、感染症、アレルギー性疾患、 腫瘍性疾患(がん) 、自己免疫性疾患・・とても多くの分野に関連する病気を一つの科で担 当していることが、呼吸器内科の最大の特徴です。大学病院では、須田隆文教授を筆頭に、 スタッフや大学院生総勢 20 余名で、 患者さんへの診療はもちろんのこと” 何でも全力投球” をモットーに切磋琢磨しています。呼吸器内科医は全国的に非常に不足しています。病め る人々のため、一人でも多くの医学生が将来呼吸器内科医を目指してくれることを願って います。 内分泌内科は、一言で言えばホルモンの異常によって生じる病気を扱う内科のことです。 人の体で働くホルモンは 100 種類以上あり、特定の内分泌腺からごく微量のホルモンが血 液中に分泌されて全身に作用し、体の機能を正常に保つように調整しています。主な内分 泌腺として甲状腺、下垂体、副腎、膵臓などがあります。膵臓が産生するインスリンは血 糖値の上昇を抑える働きがあり、インスリンの分泌低下、作用不足によって糖尿病が生じ ます。また、副腎が産生するアルドステロンは血圧上昇作用があり、その過剰産生による 高血圧症(原発性アルドステロン症)は高血圧患者の 5-10%を占めています。このように内 分泌代謝科は身近にある生活習慣病と密接に関わっているのです。学生のみなさんや地域 のみなさんが内分泌に興味を持っていただければ嬉しく思います。 肝臓内科は、人体最大の臓器、沈黙の臓器、再生力の旺盛な臓器、人体最大の化学工場 と呼ばれている肝臓に起こる病気を扱うのが得意な内科です。現在、スタッフ 6 名、大学 院生 2 名にて、一同切磋琢磨しながら日々診療、研究、教育に取り組んでいます。学外の 医局員には女性医師も多く在籍しており皆さん関連病院で活躍しております。大学病院の 診療では、肝疾患を主な対象疾患としていますが、実際は胃カメラ、大腸カメラ、ERCP な どの内視鏡的治療も多く、一般消化器科分野の疾患も扱います。研究では、肝疾患の病態 解明に取り組んでおります。海外留学も積極的に勧奨しており最先端の専門的知識を身に つけ診療に還元することを目指しています。興味がある学生さんは是非一度立ち寄ってみ てください。 (藤澤、松下、山崎、小林) 内科学第三 第 39 回医大祭開催を心よりお喜び申し上げます。 学生さんたちが時間と情熱を注ぎこんだ医大際が盛況となり、大学生活の良き思い出とな ることを心よりお祈り申し上げます。毎年記載させていただいておりますが、楽しさを追 い求めるあまりにはめを外し過ぎないようお願いいたします。医療はその地域の人々に信 頼されることがとても大切ですので、事故や迷惑行為によって諸先輩方が築き上げた地域 の方々との信頼を崩してしまわないようにお願いいたします。特に上級生(5・6 年生)は 下級生の面倒を良く見て、事故を未然に防ぐブレーキの役目をして頂きますようお願いい たします。 さて、浜松医科大学内科学第三講座は、循環 器内科、血液内科、免疫内科の 3 科から構成 されており、それぞれの科が医療・研究・教 育の分野で第一線の活躍をしております。次 世代の医療を担う若手医師への教育にも力 を入れており、一人ひとりの若手医師と向き 合い、そのキャリアを伸ばす努力を行ってお ります。循環器科・血液内科・免疫内科に興 味のある学生さんたちは是非、将来浜松医大 付属病院で研修を行って頂き、内科学第三講 座を体験して下さい。私たちと一緒に静岡県の医療の未来を担い、浜松から世界に向けて 情報を発信しませんか? また、内科学第三講座は今後も地域医療に貢献するべく努力も続けてゆく所存でおります。 これからも変わらぬご支援・ご支持をよろしくお願い致します。 薬理学 今回医大祭での教室紹介を依頼されましたので、僭越ながら少し語らせてもらいます。 「薬理学」とは「薬と生体との相互作用の結果おこる現象を研究する学問」と書いてあり ます。要するに、生理学、生化学、病理学で扱う現象に、薬物の影響を加味したものと言 う事ですね。そう言う訳で、皆さんは(私もか?)いっぱい勉強しないと薬理学を理解す ることはできないという訳ですね。ご苦労様です。 教育現場では上記の事を学生さんに指導する訳ですが、研究では余り薬理学という分野 にとらわれず勝手気ままにテーマを定めて、各自が面白いと思ったことを行っています。 ただ、自分で面白いと思っても、他人が面白いと思う事はあまりないですし、友人からは よく「どうして基礎研究者に鞍替えしたの」と言われますが、一度壺にはまりこむと辞め られなくなる魅惑(危険)が研究にはあるのでした。そのような危険物、ではなく魅惑的 な物に興味のある方は一度教室を覗いてみてください。 末筆になりましたが、医大祭の成功を祈っております。 外科学第一 第 39 回医大祭の開催おめでとうございます。 外科学第一講座は、心臓血管外科、呼吸器外科、一般外科(内視鏡外科)、乳腺外科の各 分野における、診療・研究・教育を担当しております。2014年8月現在、大学医局内は椎谷 紀彦教授以下13名、大学院生6名、その他約150名の同門会員が県内外の関連病院で活躍し ています。 診療分野では、それぞれの診療責任者のもと、グループごとに活動していますが、診療科 間の風通しが非常に良く、全員参加の毎朝のカンファレンスを始めとして随時相談・協力 しながら診療にあたっています。また外科専門医の研修のためにはすべての分野の診療経 験が必須であり、すべての研修を同一科内で行うことができるというメリットもあります。 研究分野では、メタボロミクス研究、近赤外分光法を用いた新しい乳癌の診断法の開発、 新しい内視鏡下手術法の開発、虚血性脊髄障害のメカニズムと制御の研究、低侵襲体外循 環法の開発、大動脈瘤形成の分子メカニズムの研究など、各分野で活発な研究活動が行わ れています。 教育分野では、幅広い知識と豊富な臨床経験に基づき、患者さんの社会的背景に配慮しな がら科学的根拠をもって治療を選択・説明・実行できる外科医“academic surgeon”を養 成し、グローバルスタンダードで指導的仕事を務める人材を輩出することを使命としてお り、意欲ある若手医師に広く門戸を開いています。 外科に興味のある方は気軽のお問い合わせください。(文責 医局長小倉) 外科学第二 外科学第二講座は上部消化管外科,下部消化管外科,肝胆膵外科,血管外科の診療をし ています。 上部消化管外科では食道癌・胃癌・消化管間葉系腫瘍等に対し,術前診断から力を入れ, 機能温存手術,世界水準の鏡視下手術,消化器内科医との腹腔鏡・内視鏡合同手術,徹底 的な拡大手術などに術前後の化学療法,放射線療法を組み合わせ,患者様に応じた集学的 な治療を行っております。また甲状腺・副甲状腺疾患においても、腫瘍や機能亢進症に対 する外科的治療を行っています。 下部消化管外科では小腸、結腸、直腸、肛門の癌に対して根治性と機能温存を重視した 治療の研究,開発に取り組み,診断から内視鏡的治療,化学療法,緩和医療に至るまでの 癌診療の全てを扱っております。また近年増加傾向にある潰瘍性大腸炎やクローン病など の炎症性腸疾患においては,臨床・研究面で力を入れております。炎症性腸疾患に熟知し た消化器内科医と連携して診断・治療にあたり,患者様それぞれのライフスタイルに合っ た最適の外科治療を提供しております。 肝胆膵外科はで高い手術手技に,新しい技術を取り入れ,拡大肝切除術,膵頭十二指腸 切除術,血管合併切除・再建術を含む高難度手術や,最新の化学療法を含めた集学的治療 を行っています。診断・治療・管理が難しいと判断された病状に対してもセカンドオピニ オンの相談も随時お受けしており,患者様個々に応じた最適な医療を提供しております。 血管外科では心臓、脳内血管を除く血管・脈管に対して,大動脈瘤ステントグラフト治 療,閉塞性血管病変に対する自科血管移植,人工血管移植,カテーテル治療,下肢静脈瘤 に対する手術・レーザー治療等を行っております。また深部静脈血栓症・リンパ浮腫等, 外科治療以外の脈管のトラブルについても高い専門性を持っております。昨今の高齢化社 会において,生活習慣病を合併する患者様が多く,内科的な薬物管理を含めた総合診療の 知識・技術を持ったスタッフが揃っております。 浜松医科大学外科学第二講座では様々な分野の専門家が協力し合い,他診療科とも円滑 に連携し,患者様個々の病状やニーズに応じた全人的医療の提供を目指しております。 精神医学 医大祭開催おめでとうございます。 ☆浜松医大精神科の紹介☆ 当科は、精神神経学講座、子どものこころの発達研究センター、児童青年期精神医学講座 の3講座、ならびに連合大学院小児発達学研究科が連携しつつ、日々臨床、研究、教育に 従事しています。また、自閉症の PET 研究や子どものこころの連続講座を開催するなど、 他分野に渡って活動しております。 ☆最近の様子☆ 増加している摂食障害の治療に積極的に取り組み、重症例を対象とした「摂食障害の包括 的治療体制」を構築し、優れた治療成績を上げています。厚生労働省は今年度に摂食障害 治療支援センターを全国に 5 カ所設置することとしていますが、そのひとつが当科の予定 です。また、平成 22 年度に児童青年期精神医学講座が設置されて 4 年が経過し、今年の 10 月には、第 55 回日本児童青年精神医学会総会が浜松市で行なわれることになりました。 ☆学生さんへ☆ 精神科は、患者様の話をじっくり聞くことから始まり、その方の人生に関わる感覚がある と感じています。精神科に興味がある方、気軽に研究棟 6 階までいらして下さい。いつで も連絡、見学をお待ちしています。 ☆地域の皆様へ☆ 他の医療機関と連携し、それぞれの患者様に適した医療を提供したいと考えております。 これからも変わらぬご支援、ご支持を宜しくお願いいたします。 最後に、医大祭の成功を心よりお祈り申し上げています。 公式サイト:hmup.jpm.org 整形外科学 こんにちは、39 回医大祭開催おめでとうございます。毎年賑やかに医大祭が行われること 大変喜ばしく思っております。わたくしもずいぶん昔になりますが、この医大祭でたくさ んお酒を飲み、上級生・下級生の隔たりなく多くの人と仲良くなったことを覚えています。 それは学生時代の良き思い出でもあり、医者になってからでも良いつながりとなっていま す。 私は学生時代には部活に明け暮れ、自分自身多くの怪我をしました。それを機に整形外科 に対する興味がわき、整形外科医になり多くの患者さんを救いたいと思うようになりまし た。 我々整形外科ではスポーツのみでなく、多くの疾患を扱う機会がありそれぞれの専門分野 に細分化されています。当教室では、脊椎、手・末梢神経、肩関節、股関節、膝関節、ス ポーツ整形、小児整形、骨代謝、関節リウマチ、骨・軟部腫瘍の各診療グループに分かれ、 それぞれ研究、診療にあたっています。近年、ロコモティブシンドロームという言葉が定 着化しつつあり、運動器疾患の重要性が再認識されています。骨粗鬆症に伴う様々な運動 器疾患を予防・治療するため日々診療を行っています。 学生時代には重要度は少なくマイナーと思われがちですが、この高齢化社会の中で整形外 科医に対する需要はますます増加しており、決してマイナーな科ではありません。入院患 者数、手術件数も多く、救急でも活躍ができ、どこの病院においてもまたどの地域にとっ ても必要とされる科であります。 当科では将来性のある医療をめざして、いかにして患者さんの ADL を高めるかを考えて各 分野において研究、診療を行っております。また、若手医師の教育にも積極的に取り組ん でおり、早い段階から多くの症例や学会発表などの経験を積むことができます。明るく元 気にチームワークを持って働きたいという方にとって最適です。何でもご相談に乗ります ので、少しでも興味を持たれた方は当教室までお気軽にご相談ください。宜しくお願いし ます。 泌尿器科学 2014 年医大祭の開催おめでとうございます。また今年もにぎやかな 2 日間がやって来ま した。お祭り、いいですね。浜松生まれ浜松育ちの筆者にとって、春と秋にある行事は「お 祭り」となるわけです。 “男は祭りをそうさ かついで生きてきた・山の神 海の神 今年 も本当にありがとう・・”サブちゃんの歌詞が浮かびます。医大には女性もいるよ!・・ 現時点で泌尿器科医は学内には男しかいませんのでご容赦ください。サブちゃんも紅白引 退しましたし..全く関係ありませんが。 ところで皆さん、泌尿器科と聞いてまず何を思い浮かべますか?ちょっと言うのは照れ くさいかもしれませんが、まず思い浮かべるのは男性器!ということになりますでしょう か・・・(笑) 。もちろんそれも十分に扱えます?!が、それのみならず、この所泌尿器科 的守備範囲が年を追うごとに拡がりつつあり、1 人の泌尿器科医ですべてをカバーすること が難しくなるほどになっています。何でそんなに守備範囲が拡がったんでしょうか?従来 から泌尿器科の守備範囲である腫瘍(癌)、神経因性膀胱、尿路結石、腎不全(腎移植、人 工透析など) 、尿路および性行為感染症、先天性尿路奇形などの管理治療に加えて、最近は 男性 QOL 疾患が多くなり、それぞれの領域がそれぞれに進化していることも考慮すると、 とても 1 人の泌尿器科医がすべてをカバーするのは無理でして・・・。ご多分にもれず、 当講座も人員不足です。少し変わった症例・大きな手術など立て込むと、それこそ「お祭 り騒ぎ」のような状態になります。これを「戦場のような騒ぎ」などと考えるとネガティ ブになりますが、われわれは努めて明るくしたいので「お祭り騒ぎ」としています。ただ、 「騒ぎ」は身内だけにしないと迷惑がかかりますので、節度を持ってやっています。 泌尿器科をもっと知りたいっ!という方、「お祭り騒ぎ」に興味のある方、いつでも声を 掛けて下さい。昨年より当科は通常のカンファをほぼ朝~日中に終えるようにしました。 ですので夜の臨時カンファランスを随時(学外で)開催しますので、心ゆくまで語らいま しょう!そして、こんな取り留めのない文章を日曜日の夜中に書くような方、そんな変わ った方も立派な urologist 候補です(締め切りを過ぎて書いていないお前が悪い、また『こ の原稿の内容、どこかで見たな?』と冷静につっこむ方も必要ですので、そんな方もぜひ) 。 最後に、泌尿器科医局員一同、医大祭の成功を心よりお祈り申し上げます。大人らしい 「お祭り騒ぎ」を楽しんでください。 (文責:TS) 眼科学 医大祭の開催、誠におめでとうございます。私自身は他大学出身でありますが、初期研 修医時代に、本学出身の同期に同行しその雰囲気を楽しませていただいた経験があります。 勉学に忙しい傍ら、1 年の中でも大きなイベントと思われます。本年も例年以上の成功をお 祈り申し上げます。 ところで眼科ってどのようなイメージを持っているでしょうか?「眼」というと他の臓器 に比べ小さく細かくてよく分からないという人もいるかもしれません。直径 24mm という大 きさですが、眼は体外から入力される情報量の 9 割ともいわれる視覚をつかさどる感覚器 で、精巧で奥深いものです。患者さんの生活の質(Quality of life)に関連が深く、視機 能が低下している方の見え方が改善したときの喜びは大きいものです。先日、慢性呼吸不 全で白内障の手術希望をされた方がいました。この方は常時、酸素を毎分9リットル吸入 されている方で内科的にもいつ急変してもおかしくないと言われており白内障手術とはい え危険な状態でした。しかしながら、手術中に急変するのも覚悟の上手術を受けたいとの ことで、よく説明した上で手術に踏み切りました。幸い手術も無事に終わり視機能は改善 し、患者さんは大変満足され感謝して帰っていきました。この方が今後どこまで生きてい けるのかはわかりませんが、生きている間の Quality of life の改善は大きな意味があ ると思います。 眼科の中には、角膜、網膜、ぶどう膜、緑内障、水晶体、小児眼科、神経眼科、眼瞼眼 窩涙道と様々な分野があり多くの疾患があります。多くの全身疾患との関連もあり、糖尿 病はもちろんのこと、甲状腺疾患などの内分泌疾患、SLE やシェーグレン症候群などの膠原 病、多発性硬化症や眼筋麻酔が関係する神経内科疾患などで内科をはじめ他科から依頼を 受けることも少なくありません。当院眼科では堀田教授が遺伝子の専門家であり、佐藤教 授が斜視の専門家であるため、全国から多くの患者さんが訪れ、診断、治療を受けており ます。 私たち眼科スタッフ一同は、患者さんの Quality of life 改善のため、外来診療・手 術・研究・教育に日々励んでおります。静岡県では眼科の需要に対し供給が不足しており、 当眼科では若い先生に一日でも早く一人前の眼科医として活躍していただきたく、若手の 眼科医の教育に力を入れております。眼科に少しでも興味がある学生さんは気軽に眼科へ 立ち寄ってみたり、ウエットラボ(豚眼を使った眼科手術模擬体験)に参加してみて下さい。 皮膚科学 皮膚は体の中で最大の臓器です。臓器というと、心臓とか、肝臓とか、腎臓とかを思い 浮かべるかもしれませんが、皮膚も立派な臓器です。皮膚はしなやかな鎧(よろい)でか つ免疫臓器です。外界から攻撃する化学物質、微生物、紫外線などを塞き止めるバリアで あるばかりでなく、そうした攻撃に対し免疫反応を起こして対応しようとします。そうし たせめぎ合いの最前線で湿疹などの炎症性皮膚病は発生します。一方では刺激を受けやす い臓器であるからこそ、いろいろな腫瘍性皮膚疾患が発生します。 また皮膚は肉眼で見えるという特殊性を持った臓器です。従って皮膚病の大半はすぐさ ま眼に飛び込んで来ます。こうしたダイナミックな疾患の起こり立つ"現場"を目の当たり にするというのは、皮膚科という科の大きな特徴となっています。加えて、"皮膚は内臓の 鏡"と表現されるように、皮膚病変は種々の全身性疾患を反映します。また皮膚疾患の理解 は血液など全身的理解が必要になります。こうした病態は個々の病変について少しずつ解 明されてきており、診療を深みのあるものとしています。 皮膚科では、アトピー性皮膚炎、乾癬、脱毛症、白斑などの治療を行い、積極的に新し い治療も導入しています。外来での治療だけでなく、入院しての治療、あるいは教育入院 (アトピー性皮膚炎)も常時行っています。加えて、病気の起こりたちも日々研究してお り、さまざまな成果を挙げ、将来的な治療に結びつけようとしています。 また静岡県の東中西部に亘って、20を越える関連病院皮膚科に医師を派遣し、地域医 療を支えています(http://www2.hama-med.ac.jp/w1b/derm/hospital/index.html)。どこ の地域でも良質な皮膚科の診療が受けられるように努力しています。こうした医療連携を 通して、皮膚科医同志の情報を交換し、新しい知識を吸収して、県内の皮膚科医療を向上 させています。 放射線医学 放射線医学教室でございます。 放射線といいますと、原発の事故もあり、なにか危険な、なにかくら〜いイメージをお持 ちの方があるようですが(うちの親なぞは放射線科へ入るというと、そ、そんな危険なと ころに、と心配してないていましたが、、 (困))、普通に安全な職場で、もしかしてだけど 医者としてのQOLはいいほうかもしれません。 教室では何をしているかといいますと、大きくは診断部門と治療部門にわかれ、それぞ れ診療・研究・教育、自己研鑽を行っています。 診断部門はCT・MRI・核医学検査・超音波検査等の読影:たくさんの画像を見て考え診断 をつけるという、知識と、ある種のひらめきと、忍耐(座りっぱなしで足がむくむ、目が 血走るのは序の口でしょうか) 、他にもたぶんいろいろ、必要な作業でありますが、エキス パートの診断に迫る過程をみていると、これはまさに華麗な詰め将棋!(ちょっと古いか な〜、例えが。言い換えると、きちんとした根拠に裏打ちされた、3匹の子豚の物語でい えば最上級のれんが造りの家、う〜んさらにわかりにくいのなら、カンファレンスに見学 においでいただくのが一番でしょうか) と、診断をつける仕事とIVR (Interventional Radiology)という緊急出血や腫瘍などに対 する血管塞栓術や動脈瘤の治療、診断がつかない難しい場所にある腫瘤に対してCT下で生 検を行い診断する等といった仕事を行っています。出血がひどく状態が悪く外科的手術も できない患者さんが、血管内治療で命をとりとめるのを目の当たりにすると、これはもう 感動ものであります。まさしく静と動を併せ持った科といえるでしょう。 治療部は主に悪性腫瘍に対する放射線による治療を主診療科の協力のもとに行います。 放射線治療は、患者さんの肉体的負担が少なく、機能や形態も温存できる可能性の高い優 れた治療です。 細かくは、様々な悪性腫瘍に対してリニアックを使ったX線あるいは電子線による外部照射 や、腔内照射、組織内照射などの小線源治療を行っています。 また甲状腺癌やバセドウ病 を対象とした非密封放射性ヨード治療なども行っています。 以上で、大まかに仕事の内容がわかっていただけたと仮定しまして、さらにアピールしま すと、家庭をもつと、いやもたなくても、突発的な出来事で休まなくてはいけなことがあ るものですが、理解のある職場です。実際に子育て中の女性医師もいます。経済的には、 大学病院だけで十分な収入を得ることが可能かときかれると、水泳の北島選手とは別の意 味で、 「なんも言えねー」です。わかってください。 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 医大祭の開催おめでとうございます。 耳鼻咽喉科学教室は、 本学 1 期生の峯田周幸教授就任後、はや 12 年目を迎えております。 今年は後期研修医 3 名が入局し、大分にぎやかになってまいりました。とは言え、未だ人 手不足の中、診療・教育・研究に皆で頑張っています。 耳鼻咽喉科というと額帯鏡をつけ、耳・鼻・ のどを見るお医者さんというイメージがあり ますが、癌や唾液腺・甲状腺など頭頸部の腫瘤 なども扱うため、最近では、耳鼻咽喉科・頭頸 部外科と標榜することもあります。また、人間 の五感のうち、視覚と触覚を除いた、聴覚・嗅 覚・味覚と平衡(いわゆるめまいです。) ・嚥下・ 言語など生きていく上で大切な機能を取り扱 う科でもあります。 現在、耳鼻咽喉科学の発展は目覚ましく、頭頸部癌に関しては、遊離皮弁を用いて従来 は手術不可能だった癌まで(特に頭蓋底へ浸潤した癌なども)、切除・再建できるようにな りました。また、頭頸部領域の癌は、切除すると機能障害や顔貌の変形などをおこすので、 抗癌剤を併用した放射線治療(放射線化学治療)においても、機能温存をはかり、良好な 治療成績を上げています。耳科学に関しても、従来治療できなかった先天性・後天性の聾 や高度感音性難聴も、人工内耳を用いて治療することが可能です。当教室は全国的にも本 治療のさきがけとなった病院のひとつです。その他、今話題の睡眠時無呼吸症候群につい ても、その正確な診断、保存的治療から手術まで積極的に取り組んでいます。しかし、重 症の疾患ばかりみているわけではなく、アレルギー性鼻炎(いわゆる花粉症です)、副鼻腔 炎(いわゆる蓄膿症です) 、中耳炎、扁桃炎など一般の疾患も積極的に診療しています。 皆様の中で耳鼻咽喉科疾患のことでお悩みの方がいらっしゃれば、気軽に当科の扉をた たいてください。また、耳鼻咽喉科に少しでも興味のある学生さんは、スタッフに声をか けてみるか、ホームページ(http://www2.hama-med.ac.jp/w1b/oto/index-j.htm)をのぞ いてみてください。 最後に、今年も医大祭の成功をお祈りしております。 耳鼻咽喉科医局長 瀧澤義徳(本学 22 期) [email protected] 麻酔・蘇生学 第39回医大祭開催を心よりお慶び申し上げます。 大いに盛り上がり、良き思い出となるようなすばらしい催しとなる事をお祈り致します。 浜松医科大学麻酔科蘇生科・集中治療部では、一般の皆様および医療関係者の皆様向けに 情報提供を行っております。詳しくは下記のサイトをご覧ください。 学生諸君 麻酔蘇生学講座・集中治療部では一体どんな事をしているのか、講義・実習で、その後の 卒後研修で、ぜひ経験してください。若い皆さんの興味・期待に応えられる教育を用意し て待っています。 公式サイト http://www.anesth.hama-med.ac.jp/Anedepartment/index.asp Facebook http://www.facebook.com/anehama1977 健康社会医学 「健康社会医学(学生さんは健社(けんしゃ)と呼んでいるようです)」って何をしている 講座?わかりにくいですね?もともとは衛生学、公衆衛生学という2講座が統合されて生 まれた講座で、両分野の講義を担当し、社会疫学を中心とした様々な疫学研究に取り組ん でいます。 (注:国家試験で1割程度出題されている分野です。しっかり勉強してください ね)現在、教員 4 名、補佐員 2 名、大学院生(博士課程)10 名、研究生 3 名、共同研究員 等 10 名が在籍しています。ここで常勤教員4人をご紹介しましょう。 筆頭は尾島俊之(おじまとしゆき)教授。健康社会医学の和やかな雰囲気は尾島教授の お人柄によるところが大きいです。教授が声を荒らげたことを見たことがありません!ま た「健康寿命」の専門家として国内外を飛びまわっていらっしゃいます。皆さんの中には 「浜松市、政令市の中で健康寿命日本一」という厚生労働省研究班の発表を目にした方も 多いのでは?尾島教授、ますます忙しくなりそうです。 次は助教の 2 人。今年度新しい助教が加わりました。柴田陽介(しばたようすけ)助教 は運動を専門としています。栄養にも詳しく自分の身体のコントロールはお手の物。体重 を増やしたり、減らしたり、自在に操ることができるとか。岡田栄作(おかだえいさく) 助教は統計に詳しい!一般に「疫学=統計学」と誤解されがちなのですが、疫学の専門家 が必ずしも統計学が得意というわけではありません(私のように)。これから、ますます多 くの方に頼られる存在になりそうです。 そして自己紹介。准教授の中村美詠子(なかむらみえこ)です。私は講座唯一の本学(学 部)卒業生。卒業後14年間本学に勤務し、2年半前に戻ってきました。現在はβクリプ トキサンチン(みかんに含まれるオレンジの色素。カロテノイドの一種)を強化したみか んジュースの介入研究に取り組んでいます。私はずっと「働く母」として過ごしてきまし た。女性は選択肢が多い分、色々悩みも多いと思います。女子学生の皆さんが「働く母」 となることを応援しています。 (阿部政権の言葉を借りて)「女性も輝く浜松医大へ」。 小児科学 小児科の紹介をいたします。小児科は、ヒトの成長・成熟・発達を担う医療・医学を担 当しています。そして、小児科の特徴には、新生児から成人(50 歳位)までの幅広い年齢 の患者を対象とすること、一般小児科と共に全ての小児医療分野の専門分野を扱うこと、 先天性疾患と後天性疾患の両者を扱うことなどが挙げられます。したがって、網羅する領 域は全科の中で最も広いと思われます。 この小児科医としてのキャリア形成は、3つの時期に分けられます(図) 。第一は、主に 一般小児科を学ぶ時期です。この時期では、大学・基幹研修病院・一般研修病院を経験し、 小児科医師としての基盤を形成します。そして、小児科専門医の資格を所得します。小児 科の特徴は、この時期を全ての小児科医が経験することであり、これが、専門分野に分か れていった後でも強い連帯感を生む根源となっており、さらに、全ての小児科医が小児総 合診療医として活動できる基盤と成ります。第二は、小児専門分野の研修と研究を行う時 期です。この時期では、大学だけではなく、様々な研修病院で同じ年代の医師と時間を共 有し、生涯の友人を作ることが大切です。そのために、浜松医科大学小児科は、優れた研 修施設への派遣を積極的に行っています。また、海外留学もこの時期が推奨されます。留 学の意義は、日本を離れ、本当に自分がやりたいことを見つめ直すことにあると思います。 第三は、その後の時期です。このときには、小児科医として独立している筈です。そして、 自分の考えで、領域専門医、勤務医、開業医、研究者などの道を選択することになります。 最後に、浜松医科大学小児科が最も重視することは、人材の多様性です。いろんなこと に興味をもつ人が小児科に存在することを目標に進みたいと思います。 分子生物学 今年も様々なことが起こり、秋以降にも劇的な出来事が生まれるだろう。感動した冬季 オリンピック、惨敗したワールドカップ、そして西アフリカで発生したエボラ出血熱、世 界各地での自然災害、未だに起こる紛争。良いことも悪いことも起きるが、後者の場合、 ある曲の歌詞が頭に浮かぶ。… 争いや 自然の猛威が 安らげる場所を奪って …。平 穏無事に生活できることに幸せを感じる一方で、非科学的な表現だが、地球が怒っていて 人類に警鐘を鳴らしているのではないかとも感じてしまう。 しかし、どんな世相であっても喜怒哀楽を目一杯表現し、見るものを引き付けるコンテ ンツがある。そう、高校野球だ!全国の弱小校から強豪校まで甲子園を目指し戦う姿は、 元気や感動を与えてくれる。なぜ魅力を感じるか?私見だが、勝敗に関係なく様々な人間 ドラマを見せてくれるからではないだろうか。感情を露わにすることを躊躇する年頃の球 児達が、教員(監督・コーチ) 、チームメイトと衝突しながらも一つの目標に向かっていく。 また、サポートをしてくれた家族や仲間に対し素直に感謝を示す姿の裏には日々の弛まぬ 努力や、真摯に取り組む姿が起因になったのでは?と、想像してしまう。だから、視聴者 に対しても忘れかけていた純粋な感情を思い出させてくれるのだろう(高校野球だけが特 別とは思っていない)。ライブで観戦できない人に対し、『熱闘甲子園』という番組を作っ てくれる某テレビ局制作スタッフにも感謝したい。 さて、分子生物学講座とはどんなところだろうか。きっと、努力を惜しまない人に対し、 フルサポートをしてくれる研究室でしょう。日々の学生生活から離れ、新たな世界に一歩 踏み出したいと思っている方。基礎研究に興味のある方。ぜひ一度、訪ねに来て下さい。 お待ちしています。 分子生物学講座 特任研究員 酒井聡 責 化学 総合人間科学講座の化学教室は、教授の藤本忠蔵先生、助教の Anang Fudyohutomo 先生、 教務員の記野順先生、鈴木浩司先生、技術職員の外山美奈先生、そして准教授として新し く着任しました黒野暢仁の 6 人で構成されています。今回は、新任が加わった教室として、 私(黒野)の自己紹介を交えて寄稿させていただきます。 私は北海道大学を卒業し、その後理化学研究所と北海道大学での勤務を経て、この 9 月 から浜松医科大学へ着任しました。去年の 1 年間と今年の 5〜7 月の間は、ドイツのマック スプランク研究所(ミュルハイム アン デア ルアーという小さな町)で共同研究のため に滞在していました。 専門分野は有機化学です。これまでに目的とする有機化合物を効率良く、環境に優しく、 経済的にも有利に合成するためには?ということに着目して研究してきました。最近は、 不斉触媒や触媒反応の開発をメインテーマにして、アミノニトリル、シアノヒドリン、α− ヒドロキシエステルなどの光学活性物質を合成(分子の右手型、左手型を作り分ける合成) していました。また、有機化学と電気化学をかけあわせたような複合的な合成研究(試験 管に電極を突っ込んだ合成方法)や自己組織化を利用した高分子薄膜(自然の力を利用し て、蜂の巣状に穴の空いたフィルム)に関する研究も行ってきました。 今回が私にとって初めての医大祭です。「お祭りごと」が大好きですが、ここ二回分は海 外滞在で味わえなかったこともあり、医大祭をとても楽しみにしています。 医学部看護学科 浜松医科大学医学部看護学科は、基礎看護学講座、地域看護学講座、臨床看護学講座の 3 つの講座からなり、さらにこれら 3 つの講座は、9 つの領域に分かれ、看護や研究を行って います。医学科と比較し、まだまだ新しい学科ですが、教員、学生が力を合わせて、羽ば たき開進する学科として頑張っています!!! 基礎看護学講座 基礎看護学、健康科学の 2 つの領域に分かれています。基礎看護学領域は、看護の対象 となる人々がより健康を維持する生活を実現するために、看護理論に基づいた看護者とし てのものの見方や考え方を習得し、医療職としての態度形成と基本となる看護技術を習得 することを目的にしています。健康科学領域では、看護の臨床・研究で土台となる生理学、 薬理学、病理学、免疫学、微生物学の基礎的研究を通じて、知識の習得、科学的思考を養 成することにより看護学・基礎医学の一層の発展に寄与することを目指しています。 地域看護学講座 公衆衛生看護学、在宅看護学の 2 つの領域に分かれています。地域看護学領域は、病気 や障害が社会環境や自然環境との関係で生じていることを認識し、病気や障害を予防でき る環境を整え、地域で生活する人々が自らの健康を守れるように支援することを目指して いおます。また、在宅看護学領域は、人々の生活の場で看護を展開するという点が大きな 特徴で、人々がそれぞれ持つ生活・健康に対する価値観や主体性を尊重しながら、自立支 援や自己決定という視点から健康の維持・増進を支援していきます。 臨床看護学講座 小児看護学、成人看護学、母性看護学、精神看護学、老年看護学の 5 つの領域に分かれ ています。小児看護学領域は、すべての子どもと子どもの家族を援助の対象とする学問で、 様々な状況の子どもに関心を持ち、成長発達について勉強し、子どもが家族と共により健 康に成長発達いていくよう支援することを目標としています。成人看護学領域では、成人 期にある患者と家族を対象とし、その発達段階の特徴をふまえて、健康障害ならびに各経 過における特徴に関する実践および研究課題を追究しています。母性看護学領域は、ライ フサイクルにおける人間の性と生殖に関する概念と看護の役割を学びます。成長発達過程 における性ホルモンの変化によって第二次性徴が発現する思春期や生殖機能の低下による 男女の更年期に起こる特徴と問題、不妊症の増加による生殖補助医療の進歩、ドメスティ ックバイオレンスや生命倫理などに関して幅広く理解を深めます。精神看護学では、様々 な領域のメンタルヘルス上の課題を明らかにし、現状・関連要因・対策について検討しま す。老年看護学では、多岐にわたる人生背景をもつ高齢者の個別性を尊重し、認知症など 複数の疾患に苦しむ高齢者の尊厳を支える看護、最後の日まで生きる日々を支える End-of-Life Care における看護、その家族を支える看護のあり方を探求しています。
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