BOOK - タムボリン

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Reissue, Guitar, USA, Canada, British Folk, England,
Scotland,Ireland,USA(Trad), Europe, Gypsy/Balkan 他
(前回初入荷商品で在庫がある分も含んでいます)
(11 月 15 日発売予定のサンディー・デニーの 19 枚組 CD の予約受付)
※本 CD は今回カタログで販売の予定でしたが、発売日が 10/8 から 11/
15 に延期になり、ご希望の方は予約を受け付けることにしました。
予定通り発売されれば 11 月 20 日過ぎの入荷になります。
*SANDY DENNY:Sandy Denny(Limited 19CD Box Set)
\22800
(Sandy Denny のソロに加え、Fairport Convention,Fotheringay,
Strawbs,Alex Campbell,Johnny Silvo とのスタジオ録音音源を完全
網羅した 11 枚組に加え、アウトテイク、デモ、ライヴ等の未発表音源を集めた
8 枚組の計 11 枚組。CD はデジパック仕様。72ページのハード・カバーの本に
は 100 枚以上の写真や未発表歌詞を含むサンディの手書きの歌詞。そ
の他 A3サイズの"Northstar Grassman And The Ravens"のポスターやポ
ストカードも付いている。2010 作。Universal)
[リイシュー/Historic Recording]
(CD/U.S.A.)
*THE BEST OF RANDY BURNS & THE SKYDOG BAND
A
(70 年代初めの"Skydog Band"をバックにしたフォーク・ロック時代の R.Burns
の 17 曲収録のベスト盤。その昔、LP で聴いた時、60 年代の弾き語りに
惚れ込んでいて、バンド編成時の R.Burns にはあまり心動かされな
かったが、今改めて聴くと、唄そのものはほとんどあの R.Burns の、
傷つきそうなくらい感受性豊かで内省的な唄そのもの。とりわけ
"Marrilee","Seasons","Lisa","Chrismas Lights","Time Of
Parting","Life's Bugun"そして 36 年振りの新作"The Simple
Things"で新たに再録された"Seventeen Years On The River"等
は感涙なしには聴けない。CD-R。自主制作)
*THE BAND WITH THE CATE BROTHERS BAND
:Live In Tokyo 1983
C
(1983 年の再結成 The Band{L.Helm,R.Manuel,G.Hudson,R.Danko}と
弟分の Kate Brothers の 1983 年 9 月 2 日東京での二枚組ライヴ。The
Band の名曲ずらりの全 23 曲。オランダImmortal)
*SWAMPWATER:Reunion
B
(1979 年、再結成時収録された音源からの全 14 曲。メムバーは Gib
Guilbeau,John Beland,Thad Maxwell,Micky McGee。カントリー・ロックの
旨みたっぷり。カントリー・ロック・ファン至福保証。本作は Larry Murray に捧
げられている。イタリアAkarma)
(CD/CANADA)
*JONI MITCHELL:Ladies Of The Canyon
a
(在庫発見。リマスター。"Woodstock","The Circle Game"を含む 12 曲。70 作。
Warner)
[CD/GUITAR,BOUZOUKI 他]
*JOHN RENBOURN & STEFAN GROSSMAN:In Concert
\2980
(2 枚組 CD と DVD のセット。アコースティック・ギターの二大巨匠による超絶のライヴ。
CD は収録曲が 30 曲で、1982 年アメリカのポートランド、1983 年オーストラリアのシド
ニーの録音。DVD{国内プレイヤーで再生可能}は収録曲が 14 曲で、1982 年ア
メリカのオハイオ大学のライヴ。フォーク、ブルース、ジャズ、カントリー、ラグタイム、アイリッシュ、
中世音楽等盛りだくさん。ギター奏者の最高のお手本。2010 作。
Stefan Grossman's Guitar Workshop)
*STEVE BAUGHMAN:Life in Prism
A
(副題"Guitar Notes From The Inside"。繊細なギターが持ち味の S.
Baughman の新作はオカロランの曲 3 曲を含むアイリッシュとアメリカのオールド・タイム・
ミュージックを中心にした選曲。アメリカのケルティック・ギター奏者はどちらかと
言えば音色は練磨され、テクニック重視に傾きがちだが、彼のギターはギ
ターの音色はまろやかで人のぬくもりが感じられるもの。音楽に挑
むのではなく、演奏者自身が演奏することを楽しむかのよう。おそ
らく演奏テクニックはかなりのものなのだろうが、創作されたギター音楽
は心和らぎ、安らぐ音楽。伝統音楽・民謡に身を預けるような穏や
かさのような物が感じられもする。ゲスト:Dennis Cahill,Robin
Bullock,Nina Gerber。2010 作。Steve Baughman)
*DEBY BENTON GROSJEAN & WILLIAM COULTER
:Jefferson's Fiddle
A
(ケルティック・ギター名手の W.Coulter の新作はバロック・フィドル奏者とのデュエッ
ト・アルバム。アメリカ合衆国建国の父トーマス・ジェファーソンはアイルランド民謡やスコット
ランド民謡をこよなく愛したという。本作はジェファーソンが愛したアイルラン
ド民謡とスコットランド民謡を中心に選曲した 15トラック{17 曲}。W.Coulter
のギター演奏はいつもの神経の行き届いた研ぎ澄まされたギターでは
なく、かつてなく古風で優雅。全体として、Deby のフィドルを引き立て
る演奏だ。ジェファーソンの時代の、時の流れも緩やかな典雅なケルト音楽
の世界へと誘う。w.Barry Phillips,Shelley Phillips,Neal
Hellman,Lars Johannesson 他。曲目解説付。2010 作。Gourd Music)
*DAVY GRAHAM:From Monkhouse To Medway 1963 - 1973
A
(再入荷。1963 年の音源からの 5 曲と 1973 年からの音源からの 21 曲
の 16トラック。全曲未発表音源。1963 年の 5 曲は熱心なギター・ファンで人気
コメディアンだた Bob Monkhouse の資金援助を得て制作したデモ盤で、良
い意味でデモらしい素晴らしいギター音楽集なのだ。続けて聴く十年の
時を経た 1973 年のフォーク・センターでのライヴは Davy の成長と音楽性の広
がりがよくわかる興味深くもリラックスして楽しめるもの。2010 作。Hux)
[CD/USA]
*LONNIE KNIGHT:So We Jump
A
(まるで 70 年代の Lonnie が戻ってきたかのようなあのしなやかな
Lonnie 節がじっくり聴ける新作だ。実際あの頃をホーフツさせるうた
いっぷりの曲もあったりする。当然のことながら声の艶は薄れて
はいるが、代わりに心に沁み、心動かすものがごく自然に唄に備わ
っている。加えてギターの伴奏を含め、ひとつひとつの唄を誠心誠意
丁寧に演唱していて、もうじわりじわりと静かな感動の嵐。Lonnie
の 75 年の不滅の名盤"Song For A City Mouth"収録の"Homecoming"
を新しいアレンジのギターの弾き語りで心を込めて再演している。この
唄を聴いて感涙せぬものはなし。秋の夜長に最高のアルバム。2010 作。
Mosquito Shoes)
*RUSTY WILLOUGHBY:Cobirds Unite
A
(全編に流れる甘い夢見心地に一辺でノックアウト。初めて耳にする R.
Willoughby なる SSW はただ者ではない。アルバム・コンセプトは彼のエヴァリ
ー・ブラザーズ風甘味のあるヴォーカルと非現実的世界で統一感がある
し、多様なサウンドがミックスされた深みある音作りを含め、SSWアルバムと
してトータルに完成度が高く、数々の 70 年代の名盤と較べても遜色の
ない個性を放っている。二曲だけ自作以外の唄をうたっている。
その内の一曲は Dan Penn 作"Do Right Woman"。南部っぽく重厚だ
が、彼独特な夢想感に包まれていて、一種独特。これもそうだが、
大半の唄でハーモニー・ヴォーカルを取る Lisa King とのデュエットが何とも言
えない夢見心地さを誘う。ラストの"Streets Of Baltimore"は不思議
の国の?Gram Parsons&Emmylou Harris っぽくもある。名品!2009 作
。Spark&Shine)
*CHRIS HILLMAN AND HERB PEDERSEN:At Edwards Barn
A
(C.Hillman と H.Pedersen の黄金コンビによる新作は 2009 年のアコースティ
ック・ライヴ。昔話を交えて進むライヴは"Turn,Turn,Turn","Wheels",
"Eight Miles High","Sin City","Wait A Minute"等などの往年
のカントリー・ロックの名曲を中心に Chris のリード・ヴォーカルを中心にアットホーム
に進む。Chris には当然のことながら往年のようなはつらつ感はな
いが、しかしカントリー・ロック界の王道を歩んで来た自信と誇りみたいな
ものが温厚で爽快感のある唄の中にしっかと流れているし、二人
がハモル時の昂揚感は聴き手も熱くなる。やはり客層は 60 代と 70 年代
のカントリー・ロック・ファンが多いのだろう。名曲の時の拍手と歓声が凄い。
これに関しては人のことは言えないが。ラストは Chris Hillman と
Steve Hill の共作"Heaven's Lullaby"で、夢見心地のまま幕。ああ、
いい夢を見させてもらった。2010 作。Rounder)
*HERB PEDERSEN:Southwest
a
("Wait A Minute"収録のカントリー・ロックの不滅名盤。76 作。イギリスAcadia)
*GIFTS OR CREATURES:Pilot House
a
(Gifts Or Creatures は Brandon&Bethany Foote の男女のヴォーカルをフ
ィーチャーしたルーツ・ロック・バンド。バックを受け持つ連中は各種ギター名人の
Seth Bernard、ドラムスの Trevor Hobbs、ベースの Chris Hamilton それ
に May Erlewine 他。彼らの音楽は 70 年代ロックを目指すかのように音
楽が人間臭く、土臭くい。霞がかった感触の Brandan{Steve
Forbert っぽい}&Bethany のヴォーカルはゆったりとして SSW として極
上で、タイトなロック・サウンドと相まって、グイグイ引き込まれる。Seth 他の
エレキ・ギターと多種ギターそして Trevor のドラムスがメチャ憎くてかっこい
い。おやじイチコロ保証。2010 作。Earthwork Music)
*RODNEY DILLARD & THE DILLARD BAND
:I Wish Life Was Like Mayberry
A
(彼らが目指すのは 60 年代に一世を風靡した Andy Griffith's
Mayberry の音楽。その音楽は知らないが、R.Dillard と彼のバンドの
音楽を聴いて、おおよその想像はつく。本作は実に楽しい。一応ブ
ルーグラスなのだが、音楽は型にとらわれずにブルースやラグタイム、オールドタイ
ム等の音楽も自在に組み入れ、ショーアップというか娯楽性のある音楽
に仕上げている。唄や音楽に人生や物語が投影されているという
か、唄や音楽の昂揚感と一体感は目の前で人情味のある楽しいブ
ルーグラス・ショーを観ているかのよう。Nitty Gritty の John McEuen がラ
イナー・ノートで彼らの音楽の素晴らしさを書き綴っている。2010 作。
Rural Rhythm)
*PETER ROWAN BLUEGRASS BAND:Legacy
a
(P.Rowan のルーツ回帰の徹底してブルーグラスな演唱。こんなに活き活き
してる P.Rowan は初めて。昨今個人的にブルーグラスに抵抗感がなくな
ってきたこともあろうが、まるでこどものように無邪気な仲間達
との楽しげな演奏と音楽と響きあう彼のしっとりとした優しい唄
は素直に心と体に美味しい。癒し効果もある。w.Tim O'Brien,Jody
Stecher,Ricky Scaggs,Gillian Welch,Dave Rawlings,Del
Mccoury,Keith Little,Paul Knight。Produced by Alison Brown。
2010 作。Compass)
*WHITEY MORGAN AND THE 78s:White Morgan And The 78s
a
(ウッドストックの Levon Helmスタジオで録音された Whitey Morgan と彼のバ
ンド{ギター、ヴォーカルの Benny James Vermeylen,フィドル、ヴォーカルの
Tahmineh Gueramy,ベースの Jeremy Mackinder,ドラムスの Mike
Popovich}による本作は、W.Morgan の 70 年代のレッドネック・シンガーっぽ
いヴォーカルを含め、骨太のルーツ・ロック。バンドの気骨溢れるホンキー・トンクは乾
いたパキパキのエレキギターといい、乾いたスットンスットンのドラムスといい、文字
通り?骨ばった印象。収録中もし Levon が聴いていたら、ニッマリ間違
いなし。スタジオ専属?の敏腕ミュージシャンの Larry Campbell{スティール・ギ
ター},Drew Howard{スティール・ギター},Mike Lynch{ピアノ}が音作りのお手
伝い。2010 作。Bloodshot)
*THINGS THAT FLY:The Infamous Stringdusters
A
(Things That Fly は男性 6 人組のプログレッシヴ・アコースティック・ブルーグラス・
バンド。彼らのブルーグラス{そう思っているかどうかは知らないが}は
はブルーグラスと思って聴かない方がいい。ヴォーカル・ハーモニーはシャープだし、
飛び跳ねるマンドリンを中心にしたバンジョー、ドブロ、ラップ・スティール、フィドル、
ピアノ、ベースによるライヴ感ある重層的音楽は音楽の芯から革新的サウ
ンドを構築していて、疾走感と緊張感に溢れている。ブルーグラスだが、
滅茶かっこよくて Groovy!U2 の"In God's Country"の疾走感なん
て目が回るほど。ブルーグラスの進化形。2010 作。Sugar Hill)
*MICHAEL "HAWKEYE" HERMAN:It's All Blues To Me
a
(影響を受けたミュージシャンとして Big Bill Broonzy,Son House,
Lightinin' Hopkins,Brownie McGhee,Robert Johnson 等の名を挙
げる M.Herman は、アメリカン・ルーツ・ミュージックのコアの音楽のブルースを中心に、
初期 Ry Cooder 風にギターの弾き語りでいぶし銀のブルースに酔わせ
る。渋々のブルースが中心だが、Van Morrison 作"Moondance"や Hank
Williams 作"Mind Your Own Business"や Bob Dylan 作"Blind
Willie McTell"や Tony Joe White 作"Poke Salad Annie"等の近親
音楽もやや熱っぽく、ブルージーに演唱する。M.Herman なるおやじ白
人ブルースメンの趣味趣味ブルースの世界。全 15 曲中 4 曲はライヴ。2005 年作
だが、タムボリン新入荷。Topaz Productions)
*MICHAEL MARTIN MURPHEY:Acoustic Christmas Carols
A
(「埴生の宿」で幕開けする Michael Murphey の新作は小さな町の教
会と Maichael 所有のスタジオで収録されたクリスマス・アルバム。アコースティック・ギ
ターやハンマー・ダルシマー等アコースティックなサウンドと Michael の厳か気分の穏や
かな唄は心和む。静かなクリスマス・アルバムだ。ゲスト:John McEuen。全 14
曲。この CD を聴いていたら、ウチの猫がボクのヒザに飛び乗って、寝て
しまった。2009 作。Rural Rhythm)
*RED HORSE:Red Horse
A
(Red Horse は John Gorka,Lucy Kaplansky,Eliza Gilkyson のヴォーカ
ル・トリオ。代わる代わるリード・ヴォーカルを取るスタイルで、一曲一曲が正に
珠玉。一曲目は Neil Young 作"I Am A Child"で Eliza がリード・ヴォー
カルで John と Lucy がコーラスなのだが、これが N.Young もビックリ?!のゾクゾ
クする仕上がりなのだ。全 12 曲、ずっと唄に釘付け。w.Duke Levine,
Ben Wittman,Mark Hallman,Cisco Ryder 他。2010 作。Red House)
*DAN HICKS AND THE HOT LICKS:Crazy For Christmas
A
(10/20 入荷予定。以下曲目。1.Christmas Mornin'/2.Santa Gotta
Choo Choo/3.Somebody Stole My Santa Claus Suit/4.Carol Of
The Bells/5.Run Run Rudolph/6.Santa's Workshop/7.Old
Fashioned Christmas/8.Cool Yule/9.I've Got Christmas By
The Tail/10.I Saw Mommy Kissin' Santa Claus/11.Here Comes
Santa Claus/12.Under The Mistletoe。2010 作。Surfdog)
*CHIP TAYLOR AND CARRIE RODRIGUEZ:The New Bye and Bye a
(10/23 入荷予定。新曲 4 曲+二人名義の 4 枚のアルバムからのベスト盤。全
18 曲。ゲスト:Bill Frisell,Greg Leisz,Buddy Miller。2010 作。
Trainwreck)本CDは入荷予定日が 10 月末に延期になりました。
*GUY CLARK:Somedays The Song Writes You
\1250
(業者ミスで入荷。特価にて販売します。2009 作。Dualtone)
*RANDY BURNS:The Simple Things
A
(我らが愛した Randy Burns の内省的でしっとりとした曲調も昔の
ままだし唄そのものも歳を感じさせないほど瑞々しい 36 年振りの
新作。2008 作。CD-R。自主制作盤)
*DARRELL SCOTT:A Crooked Road
B
(SSWアルバムとして疑いなく名作と呼べる素晴らしい 2 枚組の新作。
SSWファン必聴。2010 作。Full Light)
*WILLIE NELSON AND ASLEEP AT THE WHEEL
:Willie And The Wheel
B
(ロック界のドン、Jerry Wexler の発案で実現した W.Nelson が Asleep
At The Whhel と組んだウエスタン・スウィング・アルバム。Asleep の演奏はどこ
か古めかしくも色彩感あるサウンドでスウィングしていて、そのサウンドの
魔法に乗せられるかのように Willie は最高にご機嫌な唄をうたい
放つ。昔の LPジャケットのような紙ジャケットも嬉しい。2009 作。Proper)
*WILLIE NELSON:Country Music
A
(Willie 節快調などっぷりカントリー・ミュージックの世界。w.Buddy Miller,
Ronnie McCoury,Jim Lauderdale,Stuart Duncan,Dennis Crough,
Russ Pahl,etc. 2010 作。Rounder)
*GOV'T MULE:Mulennium
\2590
(Allen Woody 没後 10 周年を記念して発売された Warren Haynes
{ヴォーカル、ギター/オールマン・ブラザーズ・バンド},Matt Abts{ドラムス},Allen
Woody{ベース}のラインナップの Gov't Mule が 1999 年 12 月 31 日に行ったライ
ヴで三枚組。どんな南部ロック・バンドも寄せ付けぬ重戦車南部ロック。
2010 作。Evil Teen)
*TIM O'BRIEN:Chicken & Egg
A
(父親 Frank A.O'Brien の霊に捧げられた Tim の 13 枚目に当たる本作
は、自宅などで、気心の知れたミュージシャン達と主にアコースティックな編成で
ライヴ録音したもの。w.Bryan Sutton,Stuart Duncan,Dennis
Crouch,Mike Bub,Sarah Jarosz,Abigail Washburn,Chris
Stapleton。2010 作。Howdy Skies)
[CD/USA{female}]
*DAR WILLIAMS:Many Great Companions
B
(10/23 入荷予定。二枚組。ゲスト:Patty Larkin,Mary Chapin
Carpenter,Nickel Creek,Gary Louris{Jayhawks}。2010 作。
Razor&Tie) 本CDは入荷予定日が 10 月末に延期になりました。
*EDEN BRENT:Ain't Got No Troubles
A
(南部ロックの歌姫とでも呼びたくなるブルース魂を持った 10 年に一人の
素晴らしい女性シンガーだ。この本醸造の唄の大半が Eden の自作とい
うのだから恐れ入る。録音は Allen Toussaint や The Blind Boys
Of Alabama 等の録音スタジオで著名なニューオーリンズの Piety Street。し
かも Colin Linden がプロデュースを買って出たというから、音は確か。
Dr.Johnスタイルのピアノを弾き、魂を震わすしゃがれ声の Eden の唄は、
ニューオーリンズ・スタイルに南部ロックを被せたような Colin Linden 得意のデ
ィープな南部ロックの中でソウルフルに輝く。全メムバーの楽器編成は、Eden
Brent{ヴォーカル、ピアノ}、Colin Linden{各種ギター、スライド・ギター}、
George Porter,Jr.{エレキ・ベース}、Bryan Owings{ドラムス}で、この名スタ
メンで小編成に固めたセンスの良い南部志向音楽も功を奏している。
2010 作。Yellow Dog)
*STEPHANIE BETTMAN & LUKE HALPIN
:It All Comes Back To Love
A
(SSW の Stephanie がマルチ・インタメンタリストでマンドリン名手の L.Halpin と組ん
だデビュー作。相棒の L.Halpin はシンガーとしても素晴らしく、
Stephanie の繊細そうで艶やかなヴォーカルと美しくハモリもする。初め
て聴く Stephanie の唄は感受性豊かで、曲想が豊か。しかも詩情が
尾を引くヴォーカルは殊のほか美しく秀逸。デビュー作にして名作。また
L.Halpin のギターとマンドリンの演奏はまさに巧みで、あの手この手で
美技を見せつけもする。これだけ唄と伴奏に流星的な爽快感と一
体感を覚える男女デュオはいない。w.Debra Dobkin{Bonnie Raitt},
Richard Dodd{Alison Krauss,Dixie Chicks,Gillian Welch},Ed
Tree。2010 作。FLRCD-202)
*CLARE BURSON:Silver & Ash
A
(1919 年生まれで 1938 年にドイツから米国に移住した祖母の人生を
孫の Clare が歌にした本作は、全編憧れやノスタルジーの気分が覆う。こ
の感触は鳥肌もの。Clare は自身の先祖の地、ドイツ、ラトヴィア、リトアニア、
ウクライナを旅したという。Clare の唄は情景描写が見事で、Clare の
Kate&Anna っぽい陰りのある柔和なヴォーカルと REM のプロデューサー
Tucker Martine のタイトで深みのあるルーツ・ロックと相まって、えもいわ
れぬ独特な魅惑の世界を創作している。聴けば聴くほど、どこか
悲しげな彼女の唄と熟練された音楽が深い。w.Mark Spencer{Son
Volt},Tony Leone{Levon Helm Band,Andy Cotton,Cory Gray。
2010 作。Rounder)
*MOLLIE O'BRIEN & RICH MOORE:Saints & Sinners
A
(おいおいこれは一体!?Tim O'Brien の妹 Mollie とご主人のコンビの、
だが実質的には Mollie のソロ的性格が強い本作はフォーク、オールドタイム、ジ
ャグバンド、ブルース、オールド・ジャズ等などオール・アメリカン・ミュージック的幅の広
さで、全体的にノスタルジック・ムードの味わい深い、基本的に例えば Maria
Muldaur のソロのような SSWアルバム。中には自作の"New Boots"のよう
なまるで Hungry Chuck のようなブルース・ロックで釘付けにもするが、本
作の魅力は彼女の持ち味とも言える軽やかなノスタルジック・ムード。その
センスは本作でも取り上げている Harry Nilsson にも通じるセンス。Tom
Waits,Richard Thompson,Jesse Winchester,Dave Van Ronk,
George Harrison 等の名曲を Mollie 流に美味に料理する。w.Tim
O'Brien,Ben Winship,Glenn Taylor,Christian Teele,etc.
2010 作。Remington Road)
*ANNIE GALLOP:Weather
A
(Annie の 8 枚目にあたる新作は異色の SSWアルバム。プロデュースは Peter
Gallway と Annie 自身。異色と言ったのはバックを務めているのがクラ
シック畑の弦楽五重奏で、一般的な SSW 系音楽とは異質なのと、Annie
の唄は詩を詠むようなうたい方であること。バックの演奏は多様で、
むしろ Annie の詩的なうたの模様に反応するように音楽の模様を
描く。生まれた音楽は宇宙的で深い落ち着きのあるものだが、詩の
響きを重視した Annie の唄とその唄に反応する音楽は即興性があ
り革新的なもの。空模様というアルバム・タイトルだが、空気や光の流れの
ような不思議な音楽で、心が不思議に落ち着く。2010 作。Waterbug)
*RHONDA VINCENT:Taken
A
(「ブルーグラスの新しい女王」の呼び名も高い Rhonda の新作は肩肘張ら
ぬしっとりとしつつも爽やかなブルーグラス系 SSWアルバム。音楽の全体
の流れも森や林を吹きぬける風のように自然で心地よい。Conrad
Pierce & Charles W Quillen 作"Back On My Mind"というナムバー、
ビートルズの「オクトパス・ガーデン」に似てるような・・・。女王だからと言
って、セクシーなグラビア集のようなブックレットは必要じゃないと思うんだ
けど。音楽からのイメージはカントリー娘というか、いたって自然児。Aaron
McDaris なるバンジョー奏者の演奏が光ってる。ゲスト:Dolly Parton。
2010 作。Upper Management Music)
*ANDREA MARR:Little Sister Got Soul
A
(オーストラリアの女性ブルース・シンガーだが、便宜上ここで。2009 年のオーストラリア
の女性ブルース・シンガー賞受賞に輝く Andrea の本作は、ブルースの本拠地
Stax 産ブルースをホウフツさせる重厚なブルース。Etta James や Freddie
King くらいソウルフルなブルースを目指し、体現。南部重量ブルース・ファンは感
激。2010 作。CD-R。Blue Skank Music)
*KAREN LOVELY:Still The Rain
B
(ブルース専門雑誌で絶賛のこれまた重厚なブルース。ただ Karen の場合、
ブルースの幅が広い。重戦車ブルースもあれば、バーで小粋にシング・アウトす
とセンスのいいブルースもある。Karen を超える豊潤なヴォーカルに恵まれた
女性ブルース・シンガーはそうはいない。2010 作。Pretty Pear)
[CD/CANADA]
*PAUL QUARRINGTON:The Songs
\1850
(今年 1 月 21 日に肺癌で他界した、古くからの SSWファンならご存知であ
ろうカナダの二人組み Quarrington Worthy の片割れの Quarrington
のソロ。本作でのタイトルの「Songs」の意味するところは重い。ここでう
たわれる唄のどれもが彼が生きた証のような彼の記憶{若い頃の
思い出の唄が多い}、足跡が人生を綴るようにシンプルに丁寧にうた
い込まれた唄ばかり。ギターの音色が美しく輝く伴奏を中心にうた
われる唄は彼の気持ちや息遣いが感じられるもので死を覚悟し
て作ったであろうと思われる心からの唄の数々に涙をそそられる。
これほど心に深く沁みわたる SSWアルバムを聴いたことがない。そん
な中、最後のナムバー"Hello Jim"は死が訪れる三日前に書き、録音し
た唄だという。子供の頃父親とドライヴした時の思い出をギターをか
き鳴らしうたった唄だが、死が間近なこともうたわれていて、陽気
に繰り返される"Hello Jim"が心に突き刺さる。最後に"Perfect"
の声をあげ、完全燃焼して幕。ジャケットは喪中色。w.Martin Worthy,
Colin Linden,Dan Dugmour,David Gray 他。全 14 曲。2010 作。
Cordova Bay)
*THE BURN UNIT:Side Show
C
(Karine Polwart もメムバーのスコットランド人とカナダ人混成の 8 人組スーパー・
フォーク・ロック・グループ。8 人中 7 人が担当楽器兼ヴォーカルを担当。フォーク・ロック・
スタイルの音楽が多いので、そう表現したが、実際には彼等の音楽はひ
とつのカテゴリーに収めらきれない個々の唄をメインにした多様な音楽。
そして各シンガーの唄が個性的{女性ヴォーカル中心の優雅なムードの中で
の King Creosote なる男性シンガーの毅然としたヴォーカルが光る}であ
り、かつハーモニーの組み立て方や一体感そして音楽の柔軟さと完成度
は、ヴェテラン・グループ、それもスーパー・グループの域。Karine Polwart 目当
てで聴き始めたが{Karine がリード・ヴォーカルの 5 曲目{Karine 作"Blood,
Ice and Ashes"}だけは Karine のソロの延長線上}、彼等のグループとし
ての音楽に惹かれてしまった。2010 作。Proper)
*WYCKHAM PORTEOUS:3 AM
\1850
(最近の SSW ではベストの W.Porteous の 2008 年作。一曲目なんぞは Bob
Carpenter の"Silent Passage"をホーフツさせる。三曲目はビートルズの
"Please,Please,Me"なのだが、完全の Wyckham 節になっていて、お
そらくこれほど渋い"Please,Please,Me"はないだろう。ブルース・スプ
リングスティーンの"Hangry Heart"も Wyckham 節で実に聴かせる。珠玉の
SSWアルバムだ。2008 作。Cordova Bay)
*FRAZEY FORD:Obadiah
A
(カナダの人気女性トリオの Be Good Tanyas のリード・ヴォーカルの Frazey
Ford のデビュー・ソロ。Neil Young や Joni Mitchell を想起させるカナダ
出身の 70 年代 SSW と Phoebe Snow のような黒人 SSW 系ソウル・ミュージック
を混ぜ合わせた趣味趣味な音楽性を保持した煮込み味 SSWアルバム。
2010 作。Nettwerk)
*RITA CHIARELLI:Sweet Paradise
A
(「ブルース・クイーン」或いは「スワンプ・クイーン」の名が似合う Rita のアメリカ南部
の肥沃な音楽の深みへと誘う本作は期待通りの重心の低い手ごた
え、噛みごたえのある南部ロック。w.Al Cross,George Koller,Jackie
&Betty Richardson,Christine Bugie,etc, 2010 作。Mad Iris
Music)
[CD/UK,IRELAND]
(FOLK,SSW,ROCK)
*ROBERT PLANT:Band Of Joy
A
(激震の R.Plant の新作だ。ルーツ・ロッカー/SSW 転向の Alison Krauss との
前作"Raising Sand"にも感激したが、本作の気合の入り具合は本
物。ルーツ・ロック/SSW 系アルバムの最高傑作の一枚であることは疑いない。
プロデュースは R.Plant と Buddy Miller。B.Miller,Darrell Scott,
Byron House,Patty Griffin の四人で固めだバックは渾身のルーツ・ロッ
クで、R.Plant の魂のヴォーカルに対抗し、重圧感あるロックの霊気を立て
る。一曲目の David Hidalgo&Louis Perez 作の"Angel Dance"と続
く R.Thompson 作の"House Of Cards"の 2 曲は正に圧巻で、この 2 曲
の凄みと孤高さに身震いしない者はいないだろう。R.Plant のルーツ
志向は徹底していて、豪放なロックのみでなく、プリミティヴなルーツ・ミュージ
ックの志向性も持ち合わせて、ロックの味わいが底なしに深い。こうし
た味を演出できるのは Buddy Miller と Colin Linden くらいだろう
か。B.Miller のエレキ・ギターもかつてなく気を吐いている。2010 作。
Rounder)
*THE IAIN AD VENTURE:Ride the Times
B
(Hybrid SACD。Iain Matthews と Iain とは長年の音楽仲間の Ad
Vanderveen のデュオ。Iain のファンには絶句の新作。本作は Neil Young
作で Buffalo Springfield で有名な"Mr.Soul"や Warren Zevon 作
"Mohammed's Radiosteen",Tom Waits 作"Heart of Saturday
Night",Chip Taylor 作"Him Who Saved Me"等の懐かしの SSW のカヴ
ァー曲と二人の自作曲とが半々で一見懐古趣味的な印象と同時にア
コースティックを基本にした音作りと声質の異なる二人のデュオは初心回
帰的かつ新たな旅立ち的で耳に新鮮な印象でもある。そして二人
の唄に向かう姿勢はある意味ストイックで、聴けば聴くほど後者の印象
に変わっていく。SACD 仕様のせいか、音に奥行きがあり、深い。そし
て音質に相応しく驚くほど耳に新鮮な唄の数々だ。Joe Boyd がライ
ナーで絶賛。Iain は不死鳥!?2010 作。Turtle)
*RALPH McTELL:Somewhere Down The Road
C
(R.McTell 節快調の R.McTell の 10 年振りのスタジオ録音盤。30~40 年前
の R.McTell をホーフツさせる叙情は深い落ち着きを伴って格別の味わ
い。心が自由に旅するような開放感が何とも気持ちいい。数年おき
にでもこんな感じで新譜を届けて欲しい。w.Maartin Allcock,Tim
Renwick,Steve Turner,Willie Wilson,John Dawling 他。全曲自作
曲の 14 曲。Leola)
*CIARAN DORRIS:Home
B
(C.Dorris はベルファスト出身で現在スコットランドでケルト音楽ラジオの人気キャス
ターを務める SSW。Ciaran の唄はとても人なつっこい。Greentrax がこ
んな SSW の CD を出すのは珍しいが、Ciaran のアイルランドとスコットランドの
二つの故郷を想う気持ちが綴られた健やかで晴れやかな、そして
美しく感傷的な彼の唄を聴けば、ジャンルのハードルを超えて世話した
くなる気持ちもよくよくわかる。SSWファンなら胸キュンの唄ばかり。
Ciaran の唄は誰の唄に似てるだろうか?同じ Ciaran の名のアイルラン
ドの叙情派 SSW の Ciaran Goss に似てるだろうか?ああ、いつまで
も聴いていたい。w.Shona Mooney,Calum Stewart,Stuart Duncan,
Gillian Duncan,Mary Kathleen Burke 他。2010 作。Greentrax)
*KATH READE:Passionate Nature
B
(Kath Reade は Jez Lowe が主宰する Songwriter Cup の元保持者で、
ランカシャー地方では名の知れたヴェテラン女性フォーク・シンガー。本作がデビュー
作。Kath の唄は土地に根ざしたフォーク。と言ってもその土地の伝統歌
をうたうのではなく、Kath 自身が土地の伝承や土地の人々の営み
を自分の言葉でうたったもの。音楽性はむしろ 60 年代~70 年代の
ブリティッシュ・フォーク/SSW っぽい。"Song Of Irish Exile"や"Miner Of
The Coal"など弱い立場にある人々の切ない唄が心に響く。彼女の
唄は生きたフォーク・ソングを実感。w.Damien Barber,Gordon Tyrrall,
Sarah Smout,Ruth Wilde,Emma Crickmore,David Crickmore。
2010 作。Splid)
*NICK HARPER:The Last Guitar
C
(Roy Harper の息子で、10 歳よりギターを始め、当初 Keith Moon,Jimmy
Page,Robert Plant,Dave Gilmour 等のロックに夢中だったというギタ
ー名手 SSW の Nick の新作は、ブリティッシュ・ロックというより、ギターのサウンド
を含め、英国フォークの薫り高いロック調の SSWアルバム。ブリティッシュ・フォークと言
うには、唄もギターも尖がっていて耽美的。換言すれば、ブリティッシュ・ロッ
クのエネルギーを内に持った英国フォークと言えようか。Nick のギターも唄も
シャープで、その一匹狼的孤高さは凄いインパクトがある。ラスト曲の"Silly
Daddy"では愛娘の Lilly が麗しいヴォーカルを披露し、父 Nick はスペイシー
なギターで優しく包んでいる。2010 作。Weatherbox)
*DEMOLITION SKY:Demolition Sky
B
(Richard Durrant 主宰の Airport Club で 2001 年に出会い、デュオで活
動する Alistair Mackie と Mark Collyer の二人組のデビュー作。二人
ともがアコースティック・ギターを快く弾き、二人がハモる唄は清々しく美し
い。イングランドの美しい風景を描写した唄など往年の爽やかでミラクル・
ムードのブリティッシュ・フォークをホーフツさせもする。何も考えず、耳を済ませ
て聴いていたい。今どき珍しい清く尊いブリティッシュ・フォーク・デュオ・アルバ
ム。Produced by Richard Durrant。2009 作。LongMan)
*DAVID ROTHERAY:The Life Of Birds
C
(これは面白い企画 CD。Beautiful South の創設メムバーのソロ名義のアル
バムで、曲目は David の自作曲或いは David と本アルバムでヴォーカルを取
るシンガーとの共作曲なのだが、ヴォーカルを取るのは全てゲストのシンガー。
そのシンガーは Eliza Carthy{2 曲},Bella Hardy{3 曲},Jim Causley
{3 曲},Kathryn Williams{1 曲},Eleanor McEvoy{1 曲},Alasdair
Roberts{1 曲},Julie Murphy{1 曲}等。タイトルが示すように鳥の唄が
中心だが、それだけでなく一曲一曲の唄がしっとりとして、心に残
る唄ばかり。2010 作。Proper)
*JOHNNY DUHAN:The Burning Word
C
(いつも孤高の、静かな輝きを放つ J.Duhan の唄だが、本作も同じ。彼
の唄から醸し出される彼独特な大人の詩情は、いつも時を超えて
心の深いところで響く。2010 年 SSW 系アルバムのベスト。2010 作。Bell)
*AL STEWART WITH DAVE NACHMANOFF:Uncorked
C
(A.Stewart が古くからの音楽仲間でギター奏者の D.Nachmanoff と
2009 年に行った米国ツアーでのライヴ。Al Stewart は今が最も旬かも。
全 13 曲。2010 作。Wallaby Trails)
*MEIC STEVENS:Love Songs
B
(ウエールズの Bob Dylan と言われた Meic が 18 歳だった 1959 年から 2009
年の間に作られた英語の「ラヴ・ソング」集。全 13 曲。大半が未発表曲。
いやはや初心回帰と言うか、Meic の唄は唄に誠実で優しい。本作は
その昔、Bob Dylan に紹介してくれたという Fiona Fleming という
女性に捧げられてる。2010 作。Sain)
*HENRY McCULLOUGH:Poor Man's Moon
\2250
(彼の気骨あるヴォーカルとエレキ・ギターはある種ロックの真髄を見せ付けて
いる。孤高のロック。2008 作。Crashed)
*MICHAEL WESTON KING
:I Didn't Raise My Boy To Be A Soldier
C
(Bob Dylan 作の"I Pity The Poor Immigrant"と"Simple Songs Of
Freedom"や Phil Ochs 作の"Cops Of The World"と"Is There
Anybody Here?"や Paul Simon 作の"Homeward Bound"等全 12 曲。
2010 作。Valve)
[CD/FAIRPORT&ALBION FAMILY]
*ALBION BAND:Vintage Vol. 2
A
(10/22 入荷予定。Albion Band の 1972 年~80 年の間の未発表音源を
集めた編集 CD。メムバーは Ashley Hutchings,Shirley Collins,
Martin Carty,John Kirkpatrick,John Tams,Graham Taylor,
Simon Nicol,Julie Covington の無敵のメムバー。2010 作。Talking
Elephant)
*RICHARD THOMPSON:Dream Attic
\2250
(英国製 2 枚組限定デラックス版。R.T.に Pete Zorn,Michael Jerome,
Taras Prodaniuk,Joel Zifkin で固めた R.T.Band の鋼のライヴ盤{13
曲}とギター弾き語り盤{ライヴと同じ選曲で曲順の 13 曲}。ライヴはいあ
やはや未だ衰え知らずの高潔ライヴ。多くのファンはこの音を聴いて安
心というか、元気をもらってるのでは?逆に言えば R.T.もマンネリ気
味とも言えようが、しかし彼のオリジナリティーとタフさは凄い。ヴォーカルもエ
レキギターも凄い凄い。ディスク1を聴いた後に聴くギターの弾き語り盤も
高潔さは同じだが、むしろこちらの方がギターの鮮度が高く耳に新
鮮。聴き較べるのも面白い。2010 作。Proper)
*BLAIR DUNLOP
\1380
(Nic Jones の名演唱で有名な伝統歌の"Canadee-i-o"で幕開けする
Ashley Hutchings を父に、Judy Dunlop を母に持つ好青年 Blair の
ギター弾き語り 6トラック入シングルCD は、空気澄み渡る清々しいイングリッシュ・
トラッド・シングル。風貌は幸いにも?Ashley に似ず、俳優でもある Blair
のギターはイングランドのトラッドの空気に充ちて、清涼だし、Blair の甘み
を含んだヴォーカルは甘いマスクと共に女性ファンの心をつかみそう。とりわ
け"Black Is The Colour"なんかね。「美しいギター演奏とヴォーカル。驚
くべき天才」とは Chris Leslie。2010 作。Talking Elephant)
*SHIRLEY COLLINS:Sweet England
A
(1958 年、S.Collins が 22 歳の時に制作された"Sweet England"
{Peter Kennedy と Alan Lomax が録音に携わった"False True
Lovers"の姉妹アルバム}がリマスター、ジャケット意匠一新のデジパック仕様、
S.Collins の書き下ろしライナー・ノートにて再発。Guy Carawan,Ralph
Rinzler,John Hasted。1958/2010 作。Fledg'ling)
*DAVE SWARBRICK & SIMON NICOL:When We Were Very Young C
(Dave Swarbrick 編集&制作による 1982 年~1984 年の{加えて録音年
代不明の曲が 6 曲ある}二枚組ライヴ集。2010 作 Talking Elephant)
[CD/ENGLAND]
*OWL SERVICE:The View From A Hill
B
(Owl Service は Nancy Wallace をヴォーカルに据えた 7 人組ブリティッシュ・フ
ォーク&ロック・バンド。60 年代後半から 70 年代のブリティッシュ・フォークのファンは
感涙なしには聴けない心は一気にあの時代にタイム・スリップし、誰もが
ニンマリしてしまう音楽。全ての曲に参考音源{例えば"The Bank Of
The Nile"は Fotheringay","I Was A Young Man"は Albion
Country Band","Willie O'Winsbury"は Anne Briggs","The
Bold Poachers"は Martin Carthy,"The Ladies Go Dancing At
Whitsum"は Tim Hart&Maddy Prior,"Within Sound"は Shirley&
Dolly Collins 等}が記されあの時代の空気たっぷりのフォークやフォー
ク・ロックで悦ばせる。"The Lover's Ghost"では Mellow Candle の
Alison O'Donnell が素晴らしいヴォーカルで釘付けにもする。Nancy
Wallace のシンギングはあの時代の唄にぴったし。全 15 曲。
Rif Mountain)
*FAY HIELD:Looking Glass
A
(女性四人組アカペラ・グループの Witches Of Elswick の Fay Hield のデ
ビュー・ソロ。11 曲中 9 曲が伝統歌。その伝統歌は 70 年代、80 年代の LP か
ら彼女自身が多くを学んだレパートリーだという。そのことは June
Tabor を、またある時は Maddy Prior を想起させるシンギング・スタイルと
空気から推測できる。伴奏は Jon Boden{ギター、フィドル、コンサーティーナ/プ
ロデューサーでもある}と Bellowhaed の Sam Sweeney{フィドル、ニッケルハルパ、
ヴィオラ}の二人のみ。二人の演奏は必要最小限だが、イングランドのトラッ
ドの薫り高く絶妙で、凛とした Fay のシンギングを引き立てている。
疑いなくイングランドのトラッド・アルバムの王道を行く見事な女性トラッド・
シンギング・アルバムである。歌詞カードまでイングランド調。2010 作。Topic)
*BELLOWHEAD:Hedonism
B
(2004 年の結成以来、Bellowhead 旋風を巻き起こしているイングリッシュ・
トラッドの王者 Bellowhead の待望の新作。メムバーは John Spiers,Jon
Boden を要に Benji Kirkpatrick,Paul Sartin,Rachael McShane 等
イングランドのトラッド・シーンの重要人物を含む 11 人編成。Oyster Band の
快演で有名な伝統歌"New York Girls"で賑やかに幕開けし、伝統
歌の名曲"Yarmouth Town"で幕を閉じる彼らの本作はこれまで同
様彼らはイングランドのトラッドをベースにブラスも取り込み、大胆なアレンジ
でまるでお祭りバンド的大きさとおおらかさで新たなイングランドの
トラッドを創作する。その勢いはとどまるところ知らず。彼らの音楽
に心躍らぬ者はなし。2010 作。Navigator)
*BLOWZABELLA:Dance
B
(Andy Cutting,Paul James,Dave Shepherd,Barn Strading,Jon
Swayne,Jo Freya のラインナップの Blowzabella の新譜は Blowzabella
サウンドが炸裂するかつてなく躍動感あるライヴ演奏集。長い間忘れ
ていた彼らのエレガントかつシャープな音楽はかつての彼らの音楽を知
る者は鳥肌もので、中世ヨーロッパのダンス・ホールへと迷い込んだ印象だ。
この演奏そしてサウンドを真似出来るものはなし。メチャ凄い!2010 作。
Blowzabella)
*RAY COOPER:Tales Of Love,War & Death By Hanging
C
(Oysterband のチェロ奏者の Ray Cooper の初ソロは、自身のチェロ、ギター、マン
ドーラ、カンテレ等の伴奏の弾き語りを中心にしたブリティッシュ・フォーク/SSWスタ
イルのアルバムだが、昨年素晴らしいソロを発表した同じ Osterband の
John Jones の Rising Road と肩を並べる英国人気質と英国人的神
秘好みの美意識に裏打ちされた気骨ある予想外に素晴らしいソロな
のだ。June Tabor が最愛のシンガーらしいが、毅然として揺るぎない
ヴォーカルと自身が奏でる様々な薫りを放つ音楽は英国的ロマンティシズム
を強く感じさせる。Ray は半分スコットランド人の血を受け継ぐこともあ
って、スコットランドのバラッドや Robert Burns を心の唄のようにうたっ
てもいる。w.Patrik Andersson,Dil Davies,Olla Linder,Rowan
Godel。2010 作。ドイツWestpark)
*CHRIS WHILE AND JULIE MATTHEWS
:Hitting The Ground Running
C
(2009 年に BBC の Best Folk Duo 賞受賞のヴェテラン女性フォーク・デュオの新
作はいわばイングランドの女性デュオ・フォークの精華。それぞれのソロ・ヴォー
カルと二人のヴォーカルが織り成すハーモニーは活動暦 15 年以上のキャリアの正
に練り上げられた芯のしっかりした美しさ。そうした唄で酔わせ
つつ、数曲の唄{実際にその内の一曲は"The Darkside Wood"とい
う唄だが}では闇へと誘いもする。二人の、ある種母性愛的抱擁力
のある唄の数々をたっぷりお楽しみあれ。w.Howard Lees,Neil
Fairclough,Bryan Hargreaves。2010 作。Fat Cat)
*NANCY KERR & JAMES FAGAN:Twice Reflected Sun
B
(北イングランドのトラッド・スタイルを保持した Nancy&James のシンギングとフィド
ル、ブズーキ、ギターの伴奏は本作においても快調。とりわけ Nancy の北
イングランド流の凛としたシンギングは格別で、自作曲での豊かな詩情は、
James の表現力豊かなブズーキと Nancy の北イングランドの空気たっぷり
な緩急自在なフィドルの伴奏と相まって、孤高の輝きを放っている。
2010 年イングランド産トラッド・アルバムのベスト候補。2010 作。Navigator)
*A.L.LLOYD:An Evening With A.L.Lloyd
A
(本作は 1972 年、The Top Lock という名のフォーク・クラブでのライヴなのだ
が、意外に女性のようなソフトな声で語り、おもむろにうたい始める
A.L.の唄は表情豊かなシンギングとともにジワリジワリと酔いの境地へ
と誘われる。トラッド・ファンの宝物。全 17 曲。2010 作。Fellside)
*ELIZA CARTHY & NORMA WATERSON:Gift
A
(本作の大半は伝統歌。二人は余計な邪念を排除し、帰るべき伝統歌
に身を預けるように悠々とシンギングする。うたう心は広く、優しい。
名だたる共演者達も故郷の実家で、家族兄弟とふるさとの音楽を
楽しむかのように心からの音を奏でている。w.Martin Carthy,
Marry Waterson,Martin Simpson,Danny Thompson,Oliver Knight
,Saul Rose,Aidan Curran,Chris Parkinson,etc. 2010 作。Topic)
*TYDE:Tyde
B
(2009 年 BBC の"Young Folk"賞の決勝進出者で、今年一気に注目の
北イングランドの若きトリオ。メムバーは紅一点のシンガーでフィドル奏者の
Heather Gessey、ギター奏者の Seth Tinsley そしてアコ奏者の Andrew
Waite。三人は若いながら、アイリッシュ、スコティッシュ、ノーサンブリアンなどの曲を
ヴェテラン・センション・ミュージシャン並に演奏し、驚かせる一方で、紅一点の
Heather はノーサンブリアの伝統音楽への傾倒が色濃いフィドルの演奏とシ
ンギングで二人の演奏夢中野郎とは一線を画すトラッド・スタイルの音楽を
披露していて、トリオの音楽をしっかりしたものにしている。Heather
のシンギングも素敵。2010 作。Mrs Carsy)
*MEGSON:The Longshot
B
(イングランドのベスト・フォーク・デュオとして評判の Debbie&Stu Hanna の二人
組"Megson"の本作は新旧の労働者の暮らしにまつわる唄を集めた
アルバムで伝統歌と自作曲がほぼ半々。特筆すべきはイングランドの薫り
に充ちた二人のヴォーカル・ハーモニーの見事さ。2010 作。EDJ)
*MEGSON:Take Yourself a Wife
B
(イングランド北東部の伝統音楽に根ざしたフォーク・デュオの 2 枚目。2008 作。
EDJ)
*EWAN McLENNAN:Rags and Robes
A
(70 年代からの正統派トラッド・ファンはニンマリの、ヨークシャー出身で Martin
Simpson の門下生で、トラッド・シンガーの爽快デビュー作。シンギング・スタイル
は"Handful Of Earth"時代の Dick Gaughan 風。w.Jackie Oates{ヴ
ォーカル、ヴィオラ},Peter Tickell{Kathryn Tickell band。フィドル}。
2010 作。Fellside)
*MICK RYAN & PAUL DOWNES:Away In The West
A
(Mick Ryan との付き合いも Mick Ryan&John Burge からだからもう
32 年。Mick の力強く、かつ伸びやかなシンギングは今が旬と思えるほ
ど勢いがある。その勢いは彼のまろやかなシンギングとともに美しい
唄をさらに美しい唄にもしている。これぞトラッド・シンギングの見本と
言いたいほどだ。聴き惚れてばかり。w.Jackie Oates,Paul
Hutchinson。全 14 曲。2010 作。WildGoose)
[CD/SCOTLAND]
*JENNA AND BETHANY REID:Escape
B
(第二次世界大戦下に北海で起こったある楽器制作者の逃避劇の物
語の一場面一場面をシェトランドの若手随一のフィドラーの Jenna Reid と
妹の Bethany{フィドル&ピアノ}が作曲し、二人で演奏した新作。音楽は
いわばシェトランドの伝統音楽を中心に据えた創作音楽で、緩急自在
でイマジネーション豊かな音楽を含め Cattiona McKay&Chris Stout の高
潔でふくよかな音楽世界に通じるし、実際に肩を並べている。シェト
ランド・フィドル音楽はどんどん進化し、深化している。w.James
Thomson{フルート、バグパイプ},Iain Sandilands{パーカッション},James
Lindsay{ダブルベース},Phil Goodlad{ナレーション}。2010 作。Lofoten)
*COLUM SANDS & MAGGIE MacINNES:The Seedboat
B
(アイルランドのフォーク・シンガーの C.Sands とスコットランドのガーリック・シンガーでハープ
奏者の M.MacInnes のデュオ名義の本作はお互いがお互いのレパートリー
を持ち寄り、それぞれが自身のスタイルで演唱し、一方がリードを取れ
ば、一歩引いてそっとサポートする展開。素晴らしいのはお互いが自
身の音楽の大切な部分を謙虚に誠実に演唱で表現し、片方もその
流れで演唱していること。そして結果的にお互いの演唱を高め合
っていること。Maggie のハープの本当に静かな弾き語りは海鳥の唄
にも聴こえ、深く心に沁みる奇跡の逸品。2010 作。Spring)
*EILEAN MO GHAOIL "The Music Of Arran"
C
(スコットランドのアラン島{懐かしい。10 数年前、Ossian の William Jackson
にくっついて家族で訪れたことがある。ハイランド地方の住民が強制
移住を強いられたクリアランスの歴史が港の石碑に刻まれていた}の伝
統歌やアラン島で親しまれてる音楽をアラン島出身の Gillian Frame が
そのプロジェクトの為のグループを結成し、制作した CD。メムバーは G.Frame
{フィドル、ヴィオラ、ヴォーカル},Angus Lyon{アコ、ピアノ},Ali Hutton{バグパ
イプ、ギター},Kathleen Graham{ヴォーカル},Ross Kennedy{ヴォーカル、ギタ
ー}。本作の魅力は Kathleen Graham の可憐なガーリック・ソングのシンギング
と毅然として滋味豊かな Ross Kennedy のシンギング、そしてスコットランド
の薫り高きダンス曲の数々。音楽を通し、アラン島への愛情や想いが詰
まった素晴らしいアラン島の音楽だ。音楽が気高い。2010 作。Bar)
*HANNEKE CASSEL:For Reasons Unseen
A
(ボストン生まれの米国スコティッシュ・フィドル・チャンピオンでアイリッシュ・グループの
Cathie Ryan Band や Cherish The Ladies でも活動するスコティッシュ・フィ
ドル+アイリッシュ・フィドル+オリジナリティーで一歩先を行く美人フィドラーの華の
あるケルティック・フィドル・ミュージック。スコティッシュ・フィドル・チャンピオンだけあって、ス
コティッシュ・スタイルでのプレイはそのリズム感とワビサビ感は抜群だし、アイリッシュ
でも見事なノリで釘付けにする。彼女は Alasdair Fraser のフィドル・スク
ールの教師もしていて、華のあるフィドリングは Alasdair のフィドリングに通
じる感触。ちなみに米国人フィドラー&トラッド・シンガーの Lissa
Schneckenburger は Halali というケルティック・グループの仲間。w.Alasdair
Fraser,Natalie Haas,Rushad Eggleston,Casey Driessen,Brittany
Haas,Keith Murphy,Aoife O'Donovan。Irish Music Magazine 絶賛。
2009 作。Hanneke Cassel)
*THE SHEE:Decadence
C
(チャキチャキ娘五人組の The Shee の早くも二枚目。メムバーは一枚目同様
Lillias Kinsman-Blake{フルート},Shona Mooney{フィドル},Rachel
Newton{ヴォーカル、エレクトリック・ハープ},Olivia Ross{ヴォーカル、フィ ドル、ヴィオ
ラ},Laura Salter{マンドリン、ヴォーカル}、Amy Thatcher{アコ、ダンス}。彼女
達のスコティッシュ、アイリッシュ、フレンチ・カナディアン、ブルーグラス等冒険心旺盛な音楽
のフレッシュ・ミックス・ジュースの楽しさと美味しさは格別だし、Rachel と
Olivia の両歌姫シンギングは絶品。とりわけ 8 曲目"Puirt"での Rachel
のマウス・ミュージックは舌を巻く。今最も勢いと華のあるスコティッシュ・バンド
だ。2010 作。Shee)
*ALEX HODGSON:Jeelie Jars 'n' Coalie Backies
B
(A.Hodgson は大衆的人気の SSW で、伝統歌もうたうスコティッシュ・フォーク・シ
ンガー。その音楽は純粋にスコットランドのトラッドを志向するものではな
く、大衆性のあるコンテンポラリー・フォーク。ちなみに彼はスコットランドの音楽の
親善大使の仕事も行っているという。海外生活をするスコットランド人
は、彼がうたう悲喜交々が綴られた故郷の唄に涙するに違いない。
w.Kenny Hutchison,David Paton,James Mackintosh,Calais
Brown,Kevin McGuire,etc. 2010 作。Greentrax)
*THE BURN UNIT:Side Show
C
(Karine Polwart もメムバーのスコットランド人とカナダ人混成の 8 人組スーパー・
フォーク・ロック・グループ。8 人中 7 人が担当楽器兼ヴォーカルを担当。フォーク・ロック・
スタイルの音楽が多いので、そう表現したが、実際には彼等の音楽はひ
とつのカテゴリーに収めらきれない個々の唄をメインにした多様な音楽。
そして各シンガーの唄が個性的{女性ヴォーカル中心の優雅なムードの中で
の King Creosote なる男性シンガーの毅然としたヴォーカルが光る}であ
り、かつハーモニーの組み立て方や一体感そして音楽の柔軟さと完成度
は、ヴェテラン・グループ、それもスーパー・グループの域。Karine Polwart 目当
てで聴き始めたが{Karine がリード・ヴォーカルの 5 曲目{Karine 作"Blood,
Ice and Ashes"}だけは Karine のソロの延長線上}、彼等のグループとし
ての音楽に惹かれてしまった。2010 作。Proper)
*GABE McVARISH:Eclection
B
(現在 Daimh のメムバーで、数々の著名バンドのレコーディングに参加し、現在
フィドルの教師としても多忙なフィドラー、Gabe のソロ。Gabe はカリフォルニア出身
の米国人で、米国で二度のスコティッシュ・フィドル・チャンピオンに輝くフィドラーだ
が、ケープ・ブレトンとアイリッシュとスコティッシュを旅をしながら、パブ・セッション等
を通じて身に付けていったという。スコットランドの曲を中心にアイリッシュ
やケープ・ブレトンの曲を古いスタイル、新しいスタイル、先鋭的なスタイル等を使い
分け、緩急自在に演奏してしまう小器用さは天才的。w.Ross
Martin,Martin O'Neill,Iain MacDonald,Eamonn Doorley,
Jarlath Henderson,Luke Daniels,Ewan MacPherson,Angus
MacKenzie,etc.2010 作。Greentrax)
*MIKE VOSS & DAVE WOOD:Wait What?
B
(Malinky のフィドル奏者の M.Voss と同じく Malinly のギター、ブズーキ奏者
D.Wood によるデュオ・アルバムだが、Mike のハイランド・スタイルのフィドルと、それ
に応戦する D.Woods のギター&ブズーキは巧みで見事な上に二人とも遊
ぶのもお好きで、時々ニンマリとさせもする。二人の「あうん」の演奏が
楽しい。Damien O'Kane{伝統歌"Hills Of Donegal"で見事なシンギ
ングを披露},James Lindsay{ベース},Steve Fyvie{パーカッション}。2010
作。Greentrax)
*CATRIONA McKAY & CHRIS STOUT:White Nights
C
(スコティッシュ・ハープの Cartriona とシェトランド・フィドルの Chris の本作は神業
の連続。Catriona のハープは琴のような響きを響かすこともあれば、
Chris のフィドルは北欧フィドルやニッケルハルパのような深い音色を響かせ
たりもする。Catriona のハープは全ハープ奏者に、Chris のフィドルは全フ
ィドル奏者に刺激的。2010 作。McKay Stout Music)
*ALY BAIN & PHIL CUNNINGHAM:The Best Of
C
(2 曲の新曲を含む全 19トラック。Whirlie)
*OLD BLIND DOGS:Wherever Yet May Be
a
(メムバー・チェンジを繰り返すことで新たな血を補給し、デビュー時から常
にスコティッシュ・トラッド・バンドのトップの座をひた走る Old Blind Dogs の
本作は若手屈指のパイパーの Ali Hutton の新加入がバンド・サウンドに
新風を注ぎ込み、スコティッシュ・シーンで最も人気のあるセッション・ミュージシャンの
Aaron Jones{ブズーキ、ギター、ヴォーカル}と Ali の二人が前面で競演し、
ヴェテランの Johnny Hardie{フィドル、ギター、ヴォーカル}と Fraser Stone{ドラ
ムス、パーカッション}が後ろを固めるという勢いと愁いがバランスよくミックス
したスタイル。絶品!2010 作。Compass)
*DUNCAN CHISHOLM:Canaich
C
(D.Chisholm のスコッティッシュ・フィドルは、ハイランドを吹き抜ける風のようだ
ったり、木々を照らす太陽のようだったり。スコティッシュ・フィドルの第一
人者として、誰もが認める彼だが、本作は彼ならではのスコットランド音
楽ファンの琴線に触れるワビサビの音楽に加え、中盤にいくつか陽光射
す心躍らす曲をちりばめ、音楽に明るさと鮮やかさをもたらして
いる。個人的な印象は冬に始まり、春、夏、秋を経て冬に幕。2010 作。
Copperfish)
*OLD SONGS & BOTHY BALLADS "There's Bound To Be A Row" C
(2009 年 5 月に開かれた"The Traditional Singing Festival"のライ
ヴ盤。イングランドとスコットランドのヴェテラン・シンガー達{Jimmy Hutchinson,
Jock Duncan,Jim Taylor,Bob Lewis,Chris Miles,Jo Miller,
Henry Douglas}による 18 曲。ソロ・シンギングのはずが、自然発生的に合
唱っぽく展開するのはフェスならではのもの。2010 作。Autumn
Harvest)
[Single CD/IRELAND]
*DOLORES KEANE:Lion In A Cage
\150
(大安売り。"Lion In A Cage"{Lion Mixヴァージョン},"Heart Like A
Wheel","Lion In A Cage"{7" Mixヴァ-ジョン}の 3 曲収録。1989 作。
Ringsend Road)
[CD/IRELAND系]
デジパック・タイプを含め、元々開封されているものが多数あ
ります。
*BRENDAN BEGLEY & CAOIMHIN O RAGHALLAIGH
:A Moment of Madness
B
(10/26 入荷予定。Seamus Begley の弟で、現在 Boy Of The Lough の一
員でもあり、屈指の伝統的アコーディオンの演奏家兼トラッド・シンガーの B.
Begley と現在最も意欲的な活動を行っている伝統的アイリッシュ・フィドル
の演奏家の C.O Raghallaigh のお二人による新作。2010 年のアイリッシュ・
ミュージック・アルバムの重要作であることは間違いなし。2010 作。
IMDNCDBR01
*AINE UI CHEALLAIGH WITH FRANKIE LANE
:Moon,Shine On Me
B
(10/26 入荷予定。Corn Ui Riada の二度の優勝者で、'Lift The
Wings'で名シンギングが忘れられない Riverdance のソロ・シンガーの Aine の
新作。英語の唄もゲール語の唄も愛する唄をうたっているとの情報。
ギター系楽器の名手 F.Lane が伴奏。2010 作。AINECD01)
*CLANNAD:Clannad 2 & Dulaman
B
(74 年作の Clannad 2 と 76 年作の Dulaman の 2 枚組+1975 年のシングル盤
音源から"An bealach seo ata romham"のヴォーナス・トラック付にて再発。
新装丁の三つ折ジャケットで P32 のブックレット付。2010 作。Gael Linn)
*HEIDI TALBOT:The Last Star
a
(元 Cherish The Ladies のヴォーカルで、疑いなく女性アイリッシュ・トラッド・シン
ガーの筆頭格の Heidi の待望の新作。Karan Casey をか細く、そして甘
くし、クリアーにしたようなヴォイスは格別で、伝統歌の数々や本作のプロ
デューサーの John McCusker 作曲の唄等を軽やかに舞いうたう。この軽
やかさは他の著名女性トラッド・シンガーにはない魅力であり持ち味だ。
軽やかさの中に、悲哀感なんかも可愛らしい感じでちゃんと表現
されていて、メチャクチャ胸キュンなのだ。この感触は Kate Rusby の唄に感
じる感触に通じる。これはもう理屈ではない「いいからいい」とし
か言い様のない彼女が持って生まれた才能なのだろうと思う。
w.John McCusker,Michael McGoldrick,Kris Drever,Karine
Polwart,Eddi Reader,Ian Carr,Donald Shaw,Phil Cunningham,
Andy Cutting,Alan Kelly 他。天下一品。2010 作。Compass)
*SHAUNA MULLIN:Wishing Tree
\1850
(またひとり素晴らしい女性トラッド・シンガーの登場だ。オール・アイルランドのチ
ャンピオンで、偉大なるトラッド・シンガーの Paddy Tunney は大叔父だという。
Shauna はゲーリック・ソングを含む伝統歌中心の本作で、Dolores Keane を
想起させるコシのある豊かなシンギングは一曲一曲で格の違いを見せつ
ける。Shauna は伝統歌と正面から向き合い、どの歌唱も終始落ち着
き払っている。録音時 27 歳とは思えぬ横綱級アイリッシュ・トラッド・シンギング
・アルバムである。印象的な音色で静かに彩りを添える Ryan Molloy の
ピアノ伴奏と必要最小限のアイリッシュ・サウンドが Shauna の歌唱の質を高め
ている。とんでもないビッグなシンガーの堂々たるデビュー作だ。2010 作。
Shauna Mullin)
*ANDY IRVINE:Abocurragh
B
(1,2,3 曲目とここまで聴いた人は滋味豊かな Andy のシンギングにこれ
ぞ Andy の枯淡の境地と歓喜の声を上げるに違いない。とりわけ
"Willy Of Winsbury"の再演は Andy の思い入れも伝わって、私など
はその感を強くした。ところが 4 曲目"The Close Shave"でその思い
をあっさりと覆された。実はこの唄は私の娘が Andy とツアーをした際、
Andy からこの唄を日本語でやりたいとの要望で、日本語訳を作り、
Andy が日本語でうたった唄で、泥酔した男が美しく見えた女装し
た男に宿で追いはぎに合うという可笑しな唄なのだ。この曲を境
に Andy 節に勢いがつく。変幻自在というと言い過ぎだが、自身が爪
弾くブズーキ&マンドーラの音色も軽やかで、春の野原を散歩するように
楽しげにうたう。この言葉の軽やかさ、最高。フォーク・シンガーとしての
Andy の素晴らしさを改めて示す名盤。w.Donal Lunny,Liam O'Flynn
,Mairtin O'Connor,Annbjorg Lien,Nikola Parov,Jacky Molard,
Bruce Molsky,Rens van der Zalm,Rick Epping,Graham Henderson
,Paul Moore,Liam Bradley,Kate Burke and Ruth Hazleton。2010
作。AK3)
*CHRISTA BURCH:Love Of The Land
A
(カリフォルニアの Irvine 出身の注目の女性トラッド・シンガー。June Tabor,Kate
Rusby,Cathie Jordan{Dervish},Muireann Nic Amhlaoibh{Danu},
Karan Casey{元 Solas}等のシンガーに影響を受けたという Christa の
本作はこれらブリティッシュ・トラッドとアイリッシュ・トラッドを代表する女性トラッ
ド・シンガー達の唄心を受け継ぐ、美しくたおやかなトラッド・シンギング・
アルバム。美声と唄への愛情に裏打ちされた細やかなうたいまわしが
素晴らしい。バックを受け持つは Dennis Cahill{ギター。プロデューサーで
もある},John Doyle{ギター},John Williams{アコ},Richard Mandel
{ギター},Olivier Longuet{ブズーキ},Liz Knowles{フィドル},Kieran
O'Hare[イリアンパイプス},Larry Gray{ベース},Kat Eggleston{ヴォーカル}。
トラッドの名曲"The Lowlands Of Holland"や Stan Rogers の"Giant"
の他半数が伝統歌の全 14 曲。女性 SSWファンも必聴!2009 作。
Singular Voice)
*SEANA:Traditional Irish Harp
B
(ショーナ・デイヴィー。グラビア・アイドル風ジャケット写真{アイルランドのハープ奏者の間
でも噂の美人}はともかく、アイリッシュ・ハープ奏者とファンが待ち望んでい
た若き天才ハープ奏者の会心のデビュー作。ショーナの素晴らしさは演奏テ
クニックの超絶さを武器にダンス曲はもとより、シャーン・ノースに至るまでアイリ
ッシュの様々なタイプの曲を見事に、かつ、それぞれの曲の持つ個性や味
わいを失うことなく完璧に弾きこなしていること。平凡な曲調のダ
ンス曲であっても、ショーナが爪弾けば、ショーナ流のピカ一のアイリッシュ・ミュージッ
クになる。それは指先から生まれるマジックのよう。音楽はハープの独奏
もあれば、フルート、ホイッスル、ギター、ベース、バウロン、ピアノが入った曲もある。
Grainne Hambly がライナー・ノートで最高の賛辞を寄せている。2010 作。
Seana Davey)
*MAIRE BREATNACH & CORMAC DE BARRA:Pulling Strings
B
(昨今「ケルト風味」路線のアイリッシュ・フィドラー、Maire とクラシックに寄り気味のア
イリッシュ・ハーピスト、Cormac のデュエットだから、さほど期待せずに耳を傾け
た。選曲はアイリッシュ・ハープの名曲がずらり。どれもがアイリッシュの薫り高き
名曲ばかりだ。ふたりの演奏はまるで初心に帰ったかのように極め
て真摯で誠実かつ厳かでもある。ふたりは曲が持つメロディとリズムか
ら生み出される情感をフィドルとハープで愛情深く、丁寧に自分達流の
品のいい名曲へと深化させている。アイルランドにはわが道を追求する
優れたハープ奏者が多いが、Cormac もそのひとりであることを再認識
させる天下一品の、古風で美しいハープ・ミュージックであり、フィドル&ヴィオ
ラ・ミュージックである。2010 作。Maire Breatnach&Cormac De Barra)
*MAIREAD NI FHLATHARTO
:O Chaon Taobh - From Both Sides
\2290
(伝統的歌唱を Patsy O Ceannabhain から習ったというコネマラ出身の
Mairead は本デビュー作は、アイルランドの伝統音楽のコアの音楽を制作する
Clo Iar-Chonnacht からリリース。このレーベルの中ではおそらく最も今日
的感覚の美しい音楽。ゲール語中心の Mairead のシンギングは心落ち着い
て、清く美しい。ハープ、フィドル、ピアノ、ギターホイッスル等の伴奏は文字通り伴
奏程度の伴奏で、Mairead の清爽なシンギングから生じる澄んだ空気と
溶け合う。コネマラのなだらかな丘に咲く一輪の美しい花。奇跡の逸品。
"An Raicin Alainn","Once I Loved"他全 13 曲。w.Steve Cooney,
Charlie Lennon,Eilis Lennon,Micheal O Suilleabhain 他。2010
作。Clo Iar-Chonnacht)
*BOB BROZMAN,DONAL O'CONNOR AND JOHN McSHERRY
:Six Days In Down
B
(世界を旅する破天荒なギター奏者とアイルランドを代表するフィドル奏者と
イリアン・パイプス奏者の競演は、思いがけず世界クラスの異種交配音楽を創
出している。音楽を操る側に立つ B.Brozman は、Donal と John に普段
と変わりのないスピリットの高いアイリッシュを演奏させ、自身はアラブ調、トロ
ピカル調、西アフリカ調、ブルース調等などの様々なスタイルと音色のギターで、切
り込んだり、ハーモニーしたり、好き勝手。その好き勝手さが生む未踏音
楽が実にマジカルで愉快。Bob は余程アイルランドのシャーン・ノスに興味を持った
のか、ニ曲でミステリアス・ムードの絶句の女性シャン・ノース・シンギングを挿入して
いる。シンガーは Aine Ui Laoi というシンガーだ。またシャーン・ノス・シンガーの
Roisin Elsafty のシンギングから学んだというエアーを演奏してもいる。
ワールド・ミュージック・ファン好みのアイリッシュではある。2010 作。Riverboat)
*HENRY GIRLS:Dawn
C
(ドニゴールの三人姉妹 Joleen{ヴォーカル、ハープ、パーカッション},Lorna{ヴォーカル、
アコ、ホイッスル、パーカッション},Karen{ヴォーカル、フィドル、パーカッション} McLaughlin
の Henry Girls の 3 枚目。アカペラも得意な三人姉妹の唄{ゲーリック・ソング
も一曲含む}と演奏{ハープ、ホイッスル、フィドルの演奏も半端じゃない!}は
アイリッシュ・ファンの琴線に触れる選曲の良さで、アイリッシュの詩情や叙情豊か
な世界へ+ちょっぴりじゃじゃ馬娘の世界へと誘う。本作収録の音
楽がアイルランド映画"A Shine of Rainbows"に使用されているとのこ
と。2011 年のケルティック・コネクションズの出演も決まり、これから一気に注目
されそう。"O Neill's Lament","Dimming Of The Day","Morning
Has Broken","As I Roved Out","Eamonn an Chnoic"他全 10トラックの
13 曲。2010 作。Henry Girls)
*HANNEKE CASSEL:For Reasons Unseen
A
(ボストン生まれの米国スコティッシュ・フィドル・チャンピオンでアイリッシュ・グループの
Cathie Ryan Band でも活動するスコティッシュ・フィドル+アイリッシュ・フィドル+オ
リジナリティーで一歩先を行く美人フィドラーの華のあるケルティック・フィドル・ミュー
ジック。スコティッシュ・フィドル・チャンピオンだけあって、スコティッシュ・スタイルでのプレイは
そのスナップの利いたリズム感とワビサビ感は抜群だし、アイリッシュでも見事
なノリで釘付けにする。彼女は Alasdair Fraser のフィドル・スクールの教師
もしていて、華のあるフィドリングは Alasdair のフィドリングに通じる感
触。ちなみに米国人フィドラー&トラッド・シンガーの Lissa Schneckenburger
は Halali というケルティック・グループの仲間。w.Alasdair Fraser,Natalie
Haas,Rushad Eggleston,Casey Driessen,Brittany Haas,Keith
Murphy,Aoife O'Donovan。Irish Music Magazine 絶賛。2009 作。
Hanneke Cassel)
*DAVE SHERIDAN:Drivin' Leitrim Timber
B
(今日のアイリッシュ・ミュージック・シーンで最も勢いのあるアイリッシュ・フルート奏者の
一人である D.Sheridan の新作。リスナーとしても耳の肥えた彼のフルート
は様々なスタイルのダンス曲を縦横無尽に吹きこなす。超速演奏に息を
のみもするが、やはり様々な表情の楽しさ弾ける演奏の連続がリス
ナーとして最大の魅力。彼の演奏を聴いて体躍らぬものはなし。w.
Michael McCague{ブズーキ、ギター},Brian McGrath{ピアノ},Neill
Lyons{バウロン},Kevin Doherty{ベース},Rick Epping{ハーモニカ、口琴},
Hugh Sullivan{バウロン}。2010 作。Dave Sheridan)
*DAVE SHERIDAN:Sheridan's Guesthouse
C
(w.Seamie O'Dowd,Brian Rooney,Oliver Loughlin,Neil Lyons,
Brian McDonagh,etc. 2006 作。Dave Sheridan)
*BIRKIN TREE:Virginia
C
(アイリッシュ・スピリットをたっぷり持ったイタリアのアイリッシュ・グループの新作。アイリ
ッシュ・フルート、フィドル、イリアン・パイプス、ギター、ブズーキ、ホイッスル、ピアノ、パーカッション
により構築されるアイリッシュは憧れの気持ちも加味されてか、艶やか。
その艶やかさがなぜか心に深く響く。彼等の憧れの気持ちが伝わ
ってか、Martin Hayes&Dennis Cahill が 2トラック、7 曲で共演している。
Birkin Tree のアイリッシュは意気込みが凄く、Martin&Dennis は場を心得
て、中心に立とうとはせず、合わせる気持ち優先の饗宴に徹してい
る。とは言え、饗宴 2トラック目の中盤からの一体感と盛り上がりは凄
いが。イリアン・パイプスが入るとやっぱりいいね。2010 作。Felmay)
*COLUM SANDS & MAGGIE MacINNES:The Seedboat
B
(アイルランドのフォーク・シンガーの C.Sands とスコットランドのガーリック・シンガーでハープ
奏者の M.MacInnes のデュオ名義の本作はお互いがお互いのレパートリー
を持ち寄り、それぞれが自身のスタイルで演唱し、一方がリードを取れ
ば、一歩引いてそっとサポートする展開。素晴らしいのはお互いが自
身の音楽の大切な部分を謙虚に誠実に演唱で表現し、片方もその
流れで演唱していること。そして結果的にお互いの演唱を高め合
っていること。Maggie のハープの本当に静かな弾き語りは海鳥の唄
にも聴こえ、深く心に沁みる奇跡の逸品。2010 作。Spring)
*BILLY CLIFFORD:Echoes of Sliabh Luachra
B
(父母が John&Julia Clifford で叔父が Denis Murphy という生え抜き
の伝統音楽一家に生まれ育った Billy Clifford のスッピンのフルート・ソロ。
Billy はシュリーヴ・ルークラ地方の音楽スタイルに、豊かなヴァリエーショーンを加え、
新たなローカル・ミュージックを創作している。数曲で Maire Begley のピアノと
の共演もあるが、フルートの演奏が手に取るようにストレートに鑑賞できる
演奏は見本演奏、記録演奏としても貴重。他の楽器とセッションで演奏
したら、ウキウキするようなダンス曲ばかり。2010 作。WMC001)
*CIARAN DORRIS:Home
B
(C.Dorris はベルファスト出身で現在スコットランドでケルト音楽ラジオの人気キャス
ターを務める SSW。Ciaran の唄はとても人なつっこい。Greentrax がこ
んな SSW の CD を出すのは珍しいが、Ciaran のアイルランドとスコットランドの
二つの故郷を想う気持ちが綴られた健やかで晴れやかな、そして
美しく感傷的な彼の唄を聴けば、ジャンルのハードルを超えて世話した
くなる気持ちもよくよくわかる。SSWファンなら胸キュンの唄ばかり。
Ciaran の唄は誰の唄に似てるだろうか?同じ Ciaran の名のアイルラン
ドの叙情派 SSW の Ciaran Goss に似てるだろうか?ああ、いつまで
も聴いていたい。w.Shona Mooney,Calum Stewart,Stuart Duncan,
Gillian Duncan,Mary Kathleen Burke 他。2010 作。Greentrax)
*BRIAN O hUIQINN:Tionchar Influence
\1850
(全くの異色だが、魅力的なイリアン・パイプス・アルバム。ダブリン出身のイリアン・
パイプス&ホイッスル奏者 Brian の本作はひと言で言うなら、ケルティック・フュージ
ョン・ミュージック。アイリッシュ、スコティッシュ、ケープ・ブレトン等の音楽をロック的な感覚で
縦横無尽に演奏する。スコットランドのゲール語の唄が二曲ある。Mary
McKeever という女性シンガーが魅惑のシンギングを披露している。
w.Oisin McAuley,Tony Byrne,Pat Daly,Paraic Farachtain。2008
作。Brian O hUiquinn)
*SLIDE:Beo - Live
B
(丁度一年振りの入荷。アイルランド最強のトラッド・バンドの Slide のライヴ。
五名から成る最強のトップ・プレイヤーである各メムバー各々がリードを受け
持ち、残りのメムバーがバックアップし、メムバー全員が小技と大技を利かせ、
自由にハーモナイズするアイリッシュは相変わらず快感。疾走感と躍動感では
他のバンドを寄せ付けぬものがある。ワクワクせぬ者はなし。2009 作。
Slide)
*LONRADH:Whispering Sound
B
(紅一点の Laura Cahillane{ヴォーカル、フィドル},Edward Looney{アコ、フルー
ト、ホイッスル、バウロン},Morgan Pierce{ピアノ、キーボード}。演奏面では多種目
楽器でオール・アイルランド・チャンピオンの Edward のアコとホイッスルが素晴らしく、
Edward の飛び跳ねる演奏と泣きの演奏と実はサポート・メムバーの Matt
Griffin のギターが素晴らしく、その二人の変幻自在な競演を要に森
を吹きぬける涼風のごとき音楽を連発する。加えて、2 曲のゲーリック・
ソングを含む 3 曲の伝統歌での Laura の、まるで Rachel Walker をホーフツ
させる清爽なシンギングが素晴らしい。2010 作。Lonradh)
*MATT CRANITCH & JACKIE DALY:The Living Stream
\2050
(長年シュリーヴ・ルークラ地方の伝統音楽の良き紹介者であり、名演奏家の
二人がシュリーヴ・ルークラ地方の伝統音楽への回帰を目指して制作したの
が本作。一曲一曲の解説もその出所や誰それはあのキーで演奏してい
たとか、アメリカのヴァージョンはこうだとか、一曲一曲の解説は二人の演
奏家の目と耳で見聞きした知識が簡潔に書かれている。二人はそれ
ぞれが自身の根幹の音楽とする音楽を慈しみ、楽しむかのように演
奏している。2010 作。MJM001)
*LAOISE KELLY:Ceis
\2050
(「ハープの魔力」のような意味の古語"Ceis"をタイトルに冠したアイリッシュ・ハ
ープの申し子?のリーシャ・ケリーの 11 年振りの本作は、正にハープの魔力が発
揮された息をのまずには聴くことの出来ない見事なアイリッシュ・ハープの
完全独奏。2010 作。Laoise Kelly)
*THE KANE SISTERS:Side By Side
\2050
(北コネマラの Liz&Yvonne Kane のフィドル姉妹の 3 枚目。姉妹二人が紡ぎ出
すフィドルの音色は奥が深い。フィドル二台のみで、だからこそか、東ゴー
ルウェイの音楽を中心にティペラリーの Paddy O'Brien の曲や Paddy
O'Brien の収集曲や Ed Reavy の曲などを新鮮な感覚による若々しく
シャープな演奏で、東ゴールウェイのローカルな伝統音楽の味わいをも保持した
アイリッシュ・トラッドの香り高い音楽を演奏する。一音一音は渋みもあって
奥が深く、かつ音楽の鮮度が極めて高い。伝統音楽の芸術品と言っ
ても過言ではない。2010 作。DAWROS Music)
*ELECTRIC CEILI:Electric Ceili
B
(Danu,Slide の Daire Bracken{フィドル},Danu,Cian の Tim Murray{ギタ
ー},Barra McAllister{フルート},Gary Roche{イリアン・パイプス},Peter
Eades{キーボード},Paul Moran{ドラムス}から成るスーパー・エレクトリック・ケーリー・
バンド。フィドル、フルート、イリアン・パイプスのフロント・ラインのスパイラルな演奏が抜群
で、そこに挑発的なギターが絡み、キーボードとドラムスがプログレッシヴなサウ
ンドで異空間を創作する。れは物凄い。アイリッシュ・ファンなら狂喜の一枚。
尚、本作は製造過程のミスで 3 曲目で二箇所音飛び。2010 作。CD-R。Mes)
*BRIAN FINNEGAN:The Ravishing Genius Of Bones
A
(Flook のホイッスル&フルート奏者 Brian Finnegan の二枚目は彼ならではのハ
イテクと型破りな柔らかな感性に裏打ちされた万華鏡的笛アルバム。アイリ
ッシュ・スタイルの奏法を駆使しつつも、アイリッシュ・ミューシックの枠を超えた生き
生きした音楽は正に職人ワザで、超絶。w.Ed Boyd,Ian Stephenson,
Aidan O'Rourke,John Joe Kelly,Danien O'Kane,Leon Hunt,etc.
2010 作。Singing Tree)
*NIAMH NI CHARRA:Sugach Samh / Happy Out
\2250
(デビュー作が最優秀アルバムに輝いたコンサーティーナ&フィドル奏者でトラッド・シン
ガーの Niamh の二枚目。コンサーティーナ、フィドルをフィーチャーした曲が半々にヴ
ォーカルを取ったのが 3 曲。彼女の音楽は玉手箱。2010 作。IMCD002)
*TWO TAP TRIO:A Night At The Fair
A
(アメリカのアイリッシュ・トリオ。メムバーは Norah Rendell{彼女はカナダ人。フルート、ヴ
ォーカル},Nathan Gourley{フィドル},Brian Miller{ギター、ブズーキ}。アイリッ
シュ・フルートの Norah は Catherine McEvoy やイリアンパイプス奏者の Mickey
Dunne に教えを請い、Brian Miller は本場で腕を磨いたという。あ
の手この手で様々なアイリッシュを楽しませる。2010 作。Two Tap)
*LE CHEILE:Out Of The West
A
(70 年代、ロンドンで結成されたアイリッシュ・ミュージック・グループ"Le Cheile"の
70 年代ロンドンのアイリッシュ・ミュージックのスモーキーな空気たっぷりな演奏はアイ
ルランド本土の古いアイリッシュや 20 世紀初めのアイリッシュ・アメリカンのアイリッシュの
味わいを発散する。2010 作。White Hart Music)
[クレア地方の音楽}]
(CD)
*SEAMUS O ROCHAIN:An Buachaill Dreoite
\1850
(イリアン・パイプスの音楽はアイリッシュ・ミュージックの魂の響きと思うことが多
いが、Willie Clancy の故郷と同じクレアのミルタン・マルベイ育ちのイリアン・パ
イプス奏者 Seamus O Rochain は正にその感を強く持つ。選曲からも
W.Clancy を尊敬し、自身の演奏の主軸にしていることがわかるし、
実際真面目すぎるほどの厳格な演奏に Seamus のイリアン・パイプスの独
奏に込める思いが伝わってくる。凄くスピリットが高い。数曲で Willie
Clancy の親戚という Brid O'Donohue がホイッスルで参加し、パイプとデュ
エットしている。2009 作。Seamus O Rochain)
*MARY & JOSIE NUGENT:Hills & Hollows
A
(クレアの Mary&Josie 姉妹{Mary がフルート、ホイッスルで Josie がフィドル}による
クレアとシュリーヴルークラの音楽を中心した選曲。二人の演奏は素朴で滋味
豊か。まるで自宅に気心の知れた友人を招いて、「この夏の猛暑は
たまりませんね」、「本当ですね」などと会話をするかのような人の
ぬくもりのある音楽。招かれた友人達は Jackie Daly,Johnny
'Ringo'McDonagh,Mick Daly,Frank Walsh。2010 作。MJN001)
*HUGH HEALY AND MICHAEL O'CONNELL
:We Were Drinking And Kissing The Ladies
B
(イリアン・パイプスとコンサーティーナの若き奏者のデュエット。エニスやドゥーリンのセッション
で覚えた曲や Johnny Duhan や Willie Clancy や Seamus Ennis 等の
偉大なるイリアンパイプス奏者のレパートリーの数々や古い音源からの曲や
師からの曲などクレアの曲を中心にした曲を Michael が抜群の音色の
イリアンパイプスを奏し、Hugh がコンサーティーナで女房役を務め、イリアンパイプス・
サウンドにさらに彩りを加えている。イリアン・パイプスとコンサーティーナのデュエ
ットでこれほどワクワクする演奏を聴いたことがない。2010 作。
Killeenmusic)
[VIDEO/IRELAND]
日本の VHS 方式でご覧になれます
※倉庫の掃除をしていたら、以前、輸送中の事故で、ヴィデオの
表紙が水濡れして入荷した ALL-IRELAND CEILI BAND CHAMPIONS
"REUNION CONCERT"が大量に出てきました.ヴィデオ本体はまった
く問題ありません.ヴィデオの表紙の水濡れ被害も今になって見
れば、多少のシミはありますが、ほとんどないと言っていい状態
です。ご注文を格安にてお受けします。
*ALL-IRELAND CEILI BAND CHAMPIONS "REUNION CONCERT"\500
(2001 年にエニスで開かれたケーリー・バンド大会のコンサート・ヴィデオ。
Kilfenora Ceili Band,Tulla Ceili Band,Tain Ceili Band,
Aughrim Slopes Ceili Band,Castle Ceili Band,Liverpool
Ceili Band,Siamsa Ceili Band ほか全 14 組のケーリー・バンドが競演。
2001 作。CCE)
[CD/USA{トラッド、アパラチアン他}]
*JANET KLEIN AND HER PARLOR BOYS:Whoopee Hey! Hey!
A
(10/20 入荷予定。1920~30 年代のレトロ・サウンドを楽しませる J.Klein
の 2 年振りの新作。Coeur De Jeannette)
*PETER STAMPFEL・GABY GRAMPS:Outertainment
A
(Holy Modal Rounders の P.Stampfel と古き良きアメリカ音楽をこよな
く愛する芸人歌手の G.Gramps のいわば抱腹絶倒のディスヴァー・アメリカ
音楽。Gaby はシリンダー録音の SP 盤でアルバム制作をしたがったらしい。
Gaby は楽器にもなるダミ声とおしゃべりギターは圧巻。その可笑しさ
に相方の Peter も巻き込まれて奇声を張り上げもする。こう書くと
ただのお笑い音楽と思われかねないが{それでもいいのだが}、二
人はちゃんと古き良きアメリカ音楽の世界へとどっぷりと引きずり込
む。一曲異色曲がある。デズニー映画の「白雪姫」の挿入歌「ハイホー」だが、
間奏でへたくそな口笛が入るこの唄は笑い転げてしまう。"Enter"
ではない"Outer"tainment というおどけたタイトルも彼ららしい。どれ
だけ笑いをこらえられるか・・・。w.Dave Reisch,Kathryn
Frederick,Curtis Chamberlain,Jim Boyer。2010 作。Red Newt)
*DEBY BENTON GROSJEAN & WILLIAM COULTER
:Jefferson's Fiddle
A
(ケルティック・ギター名手の W.Coulter の新作はバロック・フィドル奏者とのデュエッ
ト・アルバム。アメリカ合衆国建国の父トーマス・ジェファーソンはアイルランド民謡やスコット
ランド民謡をこよなく愛したという。本作はジェファーソンが愛したアイルラン
ド民謡とスコットランド民謡を中心に選曲した 15トラック{17 曲}。W.Coulter
のギター演奏はいつもの神経の行き届いた研ぎ澄まされたギターでは
なく、かつてなく古風で優雅。全体として、Deby のフィドルを引き立て
る演奏だ。ジェファーソンの時代の、時の流れも緩やかな典雅なケルト音楽
の世界へと誘う。w.Barry Phillips,Shelley Phillips,Neal
Hellman,Lars Johannesson 他。曲目解説付。2010 作。Gourd Music)
*ELIZABETH MITCHELL:Sunny Day
A
(ご近所という Levon&Amy Helm 父娘がゲスト参加ということで興味を
持った本作は予想外に楽しいアルバムだった。最初の驚きは本作は
Elizabeth とご主人の Daniel そして娘の Storey+友達による子供
の唄だったこと。その次に驚いたのは 3 曲目の日本語でうたわれる
童謡「大きな栗の木の下で」{2008 年の秋に日本ツアーをした時に新幹
線で二人の子供が体を動かしながら、この唄をうたっていたらし
い}。ラストにもう一曲日本語の童謡の「月」{曲の紹介で相模湾で観た
月の思い出が書かれている}。琴のような響きのアイリッシュ・ハープの伴
奏が日本情緒を演出している。バックには蛙の鳴き声が秋の虫の音
のように配されている。ところで Levon ですが、3 曲{"Keep On The
Sunny Side","School Days","Mystery Train"}でドラムスを叩いて
いて、一曲目軽く、二曲目中っくらい本気、三曲目本気で叩いてい
る。Elizabeth 一家の娘と一緒に子供の唄を楽しみ、家族が成長す
る姿まで想像できる素敵な Children Songアルバムである。家族の柔
らかな感性が嬉しい 19 曲。2010 作。Smithsonian Folkways)
*MAGGIE SANSON:Wind Drift
A
(ケルティック・ハンマー・ダルシマーのヴェテラン奏者の M,Sanson の新作はこれまでの
ケルティック・グルーヴィーな音楽+エキゾティック・ムード。共演は Al Petteway{ギ
ター}、Robin Bullock{シターン、マンドリン},Bobby Read{ウッドウインド、キーボー
ド},Matthew Bell{バウロン、ジャンベ}。ハンマー・ダルシマーの美しい響きを最
大限生かした心旅するケルト風味アコースティック・ミュージック。2010 作。
Maggie's Music)
*POKEY LaFARGE AND THE SOUTH CITY THREE
:River Boat Soul
A
(最近ではとびっきり活きのいい若手ジャグバンド。リーダーの Pokey が
ヴォーカルで、楽器編成はギター、カズー、洗濯板、ハーモニカ、アップライト・ベース、パ
ーカッション、スライド・ギター。曲芸的ブルースやラグタイム、それに懐かしきフォーク・
ソング等も織り交ぜて、ショーアップしたノリノリのジャグバンド。2010 作。
Free Dirt)
[CD/SWEDEN]
*LYY:Lyy
B
(女性 4 人組ヴォーカル・グループの Kongero のメムバーの Emma Bjorling 嬢の
美味シンギングをヴォーカルに据えた Groupa,Triakel 路線のスウェーデン・スタ
イルの久しぶりに清新さ溢れるトラッド・グループ。メムバーは Anna
Lindblad{フィドル},Petrus Johansson{ギター},Martin Norberg{パ-カ
ッション,kor},David Eriksson{ニッケルハルパ}。Vasen の Roger Tallroth も
絶賛。シンギングも音楽もスウェーデン・スタイルの理想の北欧トラッド。滅茶苦茶
いい。2010 作。Dimma)
*SOFIA KARLSSON:Det Allra Basta 1999-2009
C
(王立大学の民俗音楽コース在学時に Groupa に加入し、卒業時にソロ・デ
ビュー作を発表し、今やスウェーデンを代表する歌姫 Sofia の 32 曲収録
{内 15 曲が未発表音源とシングル等の希少音源}のベスト・アルバム。2 枚組。
P22 のブックレットは全歌詞カードと Sifia の写真集。2009 作。Amigo)
*SUSANNE ROSENBERG:ReBoot/OmStart
B
(1980 年代半ばよりスウェーデンのトラッド・シンギングの世界で活躍し、現在
指導者的立場でもあるスウェーデンのトラッド・シンギング界のトップ・シンガーに
よるトラッド・シンギング・アルバムの真骨頂的傑作。彼女は神秘的な静寂音
の中で伝統的シンギングを駆使し、真に伝統的でありながら、伝統性
を超えたヴォーカル・ミュージックを創作している。珠玉のトラッド・シンギング・
アルバム。2010 作。
Playing With Music)
*ALLA FAGRA BARN:Klacken I Nocken!
B
(スウェーデンのトラッド・ロック・バンドの本作は伝統歌は一切なし。スウェーデン語
の歌詞はわからないが、寓話或いは童話的な内容であることは、ジ
ャケットに描かれたファンタスティックな絵と紅一点のリード・ヴォーカルの Julia
Westberg の魔女のようになったり、お姫様のようになったり、ある
いは妖精や動物のようになったのりステキに変幻自在なヴォーカルと型
破りでワクワクドキドキな北欧トラッド・サウンドからも推し量れる。北欧の不
思議の森で、まるで真夏の夜の夢でも見ているかのような楽しい
錯覚を覚える実に魅力的なスウェーデン産北欧トラッド・アルバムだ。2009 作。
Nordic Tradition)
[CD/NORWAY]
*TROMMESLATTAR "Og Anna Pa Slattetromme"
C
(これは珍しい 500 年以上の歴史を持つというノルウェーの伝統的太鼓の
音楽。ノルウェーの伝統的太鼓演奏は特に西ノルウェーの結婚式の音楽で一
般的で、ハルディングフェーレや口琴やダルシマー系の民族楽器ランゲレイクの演奏
技術に影響をもたらしたという。本作は Rolf K.Seldal というクラシ
ック、ジャズ、フォークの演奏家で音楽教師が太鼓の演奏+口琴やランゲレイ
ク等の演奏をし、ゲスト・ミュージシャンがハルディングフェーレや柳笛で共演した
珍しいノルウェーの伝統音楽。2007 作。Etnisk Musikklubb)
*HATT:B-Burger
C
(Hatt はハルディングフェーレの Per Anders Buen Garnas とギター、マンドリンの
Anders Erik Roine とアコの Nils Oyvind Bergset のトリオ。本作はノルウェ
ーのフィドルのハルディングフェーレをフィチャーした輪舞曲集。ワルツ、マズルカ、ポルカ等
の輪舞を古いスタイルや新しいスタイル等で楽しませる。全 17トラック。輪舞の
解説と曲目解説は英訳付。2009 作。Ta:lik)
*RAGNHILD FUREBOTTEN & TORE BRUVOLL:Hekla Stalstrenga C
(本作の素晴らしさは Ragnhild の北欧フィドルがノルウェーのトラッドの空気
を運び、Tore が遊び心のある絶妙のギターで包み、Ragnhild が麗しい
シンギングでうっとりさせる理想の北欧トラッドのみならず、音楽する
ことを心身で楽しむような型破りな北欧トラッドを展開しているこ
と。その開放感が聴いていて本当に楽しい。2008 作。Ta:lik)
*ASLAK O.BRIMI & ERLEND VIKEN:Duo
C
(ノルウェーのフィドル2 台による、2 台のフィドル演奏ならではの魅力をノルウェー
の伝統音楽のスタイルの内で、あの手この手の演奏で聴かせるノルウェーの
ダブル・フィドル音楽の素晴らしき世界。二人の伝統音楽への情熱と理
解そしてひたむきさから奇跡的に生み出された精神性の高く精緻
な音楽。一曲一曲が珠玉。英語解説付。2009 作。Ta:lik)
*SYNNOVE S.BJORSET:Slattar
C
(若いながら、ハルディングフェーレ奏者としてかなりのキャリアの女性奏者の
本作は、他の奏者を寄せ付けぬ孤高さを放っている。彼女自身が
1940 年代の録音物を一心に聴くことで獲得した音楽感覚に磨き
をかけた演奏は即興性豊かで、創造性に富む時空をも超えそうな
ハルディングフェーレ音楽。どれもまるで終わりのない天界の音楽のよう
な響き。全 18 曲。英語解説付。2009 作。Ta:lik)
*EPLEMOYA SONGLAG:Eplemoya Songlag
C
(女性北欧トラッド・シンギング特有の毅然とした美しきを保持しつつ新
鮮な感覚が脈打つ女性ヴォーカル・トリオの鮮烈なデビュー作。リード・ヴォーカル
を取る Liv Uivik の伝統的シンギングを Wenche Losnegard と Anja
Eline Skybakmoen の二人がリズム楽器や伴奏楽器や喉唄の効果音で
強力にバックアップし、Liv のシンギングは天空をかけたり、妖気を帯びた
りする。北欧ならではの素晴らしきヴォーカル・ミュージックの世界だ。
2010 作。NORCD)
*ASLAK O.BRIMI & ERLEND VIKEN:Duo
C
(ノルウェーのフィドル2 台による、2 台のフィドル演奏ならではの魅力をノルウェー
の伝統音楽のスタイルの内で、あの手この手の演奏で聴かせるノルウェーの
ダブル・フィドル音楽の素晴らしき世界。ライナーで Sigrid Moldestad も書
いているが、二人の演奏はまるで遊んでいるよう。一方が力を示せ
ば片方は笑い、一方が尋ねれば、片方は応える。そうした会話のよ
うな、いや、会話を超えた舞い躍る音楽が繰り広げられる。二人の
伝統音楽への情熱と理解そしてひたむきさから奇跡的に生み出さ
れた精神性の高く精緻な音楽。一曲一曲が珠玉。誰も真似は出来な
い。全 16トラック。ちなみに Aslak は民族音楽コンクールで二度優勝。Erlend
も数々のコンテストで優勝。英語解説付。2009 作。Ta:lik)
*SYNNOVE S.BJORSET:Slattar
C
(若いながら、ハルディングフェーレ奏者としてかなりのキャリアの女性奏者の
本作は、他の奏者を寄せ付けぬ孤高さを放っている。彼女自身が
1940 年代の録音物を一心に聴くことで獲得した音楽感覚に磨き
をかけた演奏は即興性豊かで、創造性に富む時空をも超えそうな
ハルディングフェーレ音楽。音楽がやんでも天空で響き渡っていそうな孤
高の音楽なのだ。どれも民謡と呼べる大衆音楽ばかりなのだが、
どれもまるで終わりのない天界の音楽のような響きなのだから、
恐れ入る。北欧人の感性は普通じゃない。全 18 曲。英語解説付。
2009 作。Ta:lik)
[CD/BELGIUM,FLANDERS]
*FARAN FLAD:Maiden Voyage
B
(Kadril の"The Other Shore"でヴォーカルを担当したイングランド人女性
シンガーの Heather Grabham をリード・ヴォーカルに据えた英国人、フランダース人
混成のトラッド・バンド。メムバー構成は Heather{ヴォーカル、ホイッスル}に Kadril
の Erwin Libbrecht{ブズーキ、ギター、ヴォーカル},Jan Debrabandere{ギタ
ー、ヴォーカル},Luc Pilartz{フィドル}。Kadrilスタイルのフォーク・ロックではない。
イングランドのトラッドとアイリッシュ&スコティッシュのケルト音楽をユーロ・トラッド的典雅
さを香らせるトラッド・サウンドで聴かせる。最大の魅力は Heather の甘
味を含むシンギングだが、音楽の要を担う Erwin の気品のあるブズーキ・
サウンドも中々味わい深い。ジグやリールを演奏しても、気品あるサウンド
になるのはお国がらか。Heather の初々しいシンギングにうっとり。
2010 作。Wild Boar Music)
[CD/FRANCE]
*ALAN STIVELL:Brian Boru(95 作。Dreyfus)
*ALAN STIVELL:1 Douar(98 作。Dreyfus)
*ALAN STIVELL:Back To Breizh(99 作。Dreyfus)
C
C
C
[CD/GALICIA]
*BERROGUETTO:Kosmogonias
\2880
(三つ折特性ジャケットの CD+DVDセット。ガイタ奏者でもある Xabier Diaz をヴ
ォーカルに迎えたガリシアの大型トラッド・バンドの Berroguetto の 4 枚目にあ
たる待望の新作は横綱級ガリシアン・トラッド。デビュー時より革新に努めて
きた彼らだが、本作のベクトルは内側というか音楽の魂への方向へも
向かっていて、これまで革新へと向かっていた王者がその正負のベ
クトルから生じる絶妙のバランスの中で、音楽を謳歌したようなある種宇
宙的なスケールさえ感じさせる素晴らしいガリシア風ワールド・ミュージック。全て
のサウンドが卓越していて、美しく響き合う。他のバンドの追随を許さ
ぬ堂々たるガリシアン・ミュージックの王者の音楽である。DVD は PAL 方式で、
メムバーのインタビューやバンドのライヴにイメージ・フィルム等。2010 作。Discmedi)
[CD/SICILY]
*TERRAE:Unknown People
C
(イタリア南部のシチリア島の男性 4 名のヴォーカル・グループによる凄いアルバム。
本作はシチリア島において、自由と正義と真実のために闘った無名の
人々に捧げられたアルバムだそうで、1 曲目の地響きする島歌で幕開
けすると、意外にも音楽は汎地中海音楽的スケールのワールド・ミュージック的
斬新さとスケールで展開する。2010 作。FolkClub EthnoSuoni)
[CD/ITALY]
*RAFFAELLO SIMONE:Mater Sabina
C
(再入荷。このイタリア中央部の伝統歌をうたうシンガーは凄い。野太いヴォーカル
による情感豊かな唄と中世音楽や地中海音楽等土俗的な音楽と優
雅な音楽の奥行きの深さ、そしてオーセンティックな伝統的歌唱からフォーク・ロック
までのレンジの広さは驚くばかり。どの曲もオーラが感じられる。
Great!ゲスト:Havia。2009 作。Hevia)
*A FIL DE CIEL:Vertigo
C
(2004 年に結成された北イタリアのトラッド・グループによるオクシタニア地域の中
世から近世の伝統歌を中心にした南欧トラッド風に典雅で刺激的な
南欧のトラッド・アルバム。南欧の各種古楽器と電気楽器とによる演奏は
南欧のトラッドの典雅な情緒を振りまき、かつ時として今日的センスで
夢心地的なヨーロッパ的甘美さをも重ねたりもする。何よりも魅力的
なのはハーディー・ガーディー奏者でリード・ヴォーカルの Rosella Pellerino の
南欧の女性シンガー特有のエキゾティックで豊かなシンギング。今日の勢いあ
る南欧のトラッドだ。2010 作。FolkClub EthnoSuoni)
*BANDABRISCA:Io Ballo Brisco
C
(1995 年結成の北イタリアの 7 人編成トラッド・バンドのデビュー作でライヴ盤。
楽器編成はギター、アコ、ヴァイオリン、フルート、サックス、ベース、マンドリン、ピッフェロ。彼
らは本来ダンス・バンドなのだが、彼らは余興のつもりなのだろうが、
実は男性トリオでのアカペラ・シンギングも素晴らしい。ピッフェロやアコがリズム
を取るダンス音楽は独特{このサウンドこそ北イタリアの優雅なダンス・サウン
ド}で、John Kirkpatrick の"Jump At The Sun"なんかも中世の街
角で聞こえてきそうな楽しげなダンス音楽の趣。2010 作。FolkClub
EthnoSuoni)
[CD/RUSSIA]
*ZULYA:Tales Of Subliming
C
(オーストラリアに住むロシア人シンガーの Zulya の待望の新作。本作は彼女の少
女時代の妖精物語の世界。Zulya は少女時代に帰り、不思議の国の
世界で遊ぶ。Zulya の唄も音楽も決して晴れやかではない。ロシア民謡
ムードと言ってよいのか知らないが、夕闇迫る遊園地のようなムード
の唄と音楽は一種独特で、聴き手の潜在意識というか深い部分に
ひっそりと忍び込むような感触なのだ。そして注目すべきは Zulya
の不思議ムード漂う魅惑の唄に加え、Zulya の唄を包むダークな色彩感
ある音楽の素晴らしさだ。このダークな色彩感はどこか Inna
Zhelannaya の音楽や北欧の暗黒トラッドと通底するように思えるよ
うな...。ブックレットのに描かれた妖精画もお楽しみに。2010 作。
Westpark)
*INNA ZHELANNAYA:77 Rus
B
(Inna の 2006 年作。今回初入荷で最後の入荷。Inna は別格。結構ハード
なロック仕立てだが、Inna がヴォーカルを取れば、一気に Inna の世界へと
変貌する。音楽が物凄く深い。のけぞらぬ者なし。廃盤のため限定
の入荷。2006 作。Inasound)
[CD/HUNGARY]
*CSIK ZENEKAR:Szivestoromest 2009
\2980
(CD+DVD の 2 枚組セット。紅一点のハンガリーを代表するトラッド・シンガーの
Majorosi Marianna がヴォーカルの Csik Band はハンガリーの数多くのトラッ
ド・バンドの中でも最も民俗音楽性が豊かで勢いのある偉大なバン
ドだ。本作は 2009 年の暮の 12/30 に開かれた 2009 年お別れコンサートの
ライヴ。この年彼らはハンガリーの伝統文化賞を受賞。彼らの音楽はハンガ
リーの村の音楽やダンス・ホールの音楽をベースにしながら、ロック的なセンスも
加え、民族の心と魂をふるわす演唱で聴き手の心を奪う。本作は
年末ライヴということで、年末独特な雰囲気がバンドにも観客にもあ
って、+αの上昇気運と臨場感と一体感とが感じられるものにな
っている。DVD は PAL 方式でコンサートの映像版+ヴォーナス映像。活き活き
として豊かなハンガリーの民俗音楽だ。2010 作。Fono)
*EKTAR:Kontrapunkt
\2290
(Ektar はあの Toth Evelin がヴォーカルの七人組。音楽性は同じく Evelin
がヴォーカルを務める Rubai と同系統で、ある意味究極の追分的。
Evelin のヴォーカルというかハミングというかスキャットは魔女のささやきの
よう。音楽は Makam の音楽エッセンスを抽出したこのようなエキゾティックで
スピリチュアルな音楽。全編、サーランギが発するアラブ情緒がお香のようにゆ
らゆらと立ち昇り、Evelin の魂の唄はまるで宙に浮く羽毛のよう
で、風や光に感応し、唄を発っしているかのよう。秋の夜長にハンガリ
ー発アラブ風味幽玄なたゆたう音楽というのも中々趣があるかも。グ
ループ名の Ekar はヒンドゥ語で「一弦」の意味。2010 作。Folk Europa
[CD/KLEZMER,GYPSY,BALKAN 他]
*KALMAN BALOGH & THE GYPSY CIMBALOM BAND:Mirage
\2290
(ハンガリー一番ということは世界一のジプシー・ツィンバロン奏者 K.Balogh の
新作は大風呂敷な意欲作。ジプシー音楽の真髄を時にジャズっぽく、
時にバルカン・ジプシー風に大胆に聴かせつつ、ハンガリーを代表する民謡
歌手 Agnes Herczku と Eszter Vaczi のヴォーカル、加えて Kalman ご本人
のヴォーカルをフィーチャーした哀調を帯びたワビサビのハンガリー歌謡、そして
まるでコンピューター音楽のようなハイテク音楽等をも最高レベルの演奏で披
露する。硬軟・緩急自在な音楽は正に世界クラス。2010 作。NarRator)
*OPA CUPA:Centrodi Permanenza Temporaneo
C
(脅威のトランペット奏者の Cesare Dell'Anna 率いる 11 人編成ジプシー・ブ
ラス・バンドの Opa Cupa 本作はその娯楽性と革新性と独創性で目を見
張らせる。フリージャズのような演奏を見せ付けながらも、基本路線で
遊び心、娯楽性がみなぎっていて、もの凄く雑草的でタフな音楽を創
作する。プロ中のプロの音楽。音楽的にはアラブ~地中海音楽のスケールで
スリリングに音遊びする。世の中凄い連中がいるもんだ。2010 作。
Felmay)
*GAYDA ISTANBUL:Gayda Istanbul
C
(バルカンからイスタンブールへと続く文化の空気や音楽物語をその地域の
伝統音楽のエキゾティシズムを増幅し、伝統楽器と電気楽器&ドラムス混成
で、ポップで妖艶なバルカン音楽を創作。トルコ歌謡風クネクネした女性ヴォーカ
ルもダブルリードが発するクネクネした音色等など、今日のバルカン色濃厚な
バルカン・サウンドをひねり出している。2009 作。Kalan)
*KANIZSA CSILLAGAI:Gypsies From Hungary
A
(Nagykanizsa という地方出身の 1993 年結成のジプシー夫婦・兄弟四人
+木のスプーン、ヴォーカル、ダンスの Vendel Orsos の五人組。路上でパフォー
マンスする音楽一座的趣向の音楽性多様でそれでいて見事にバランスの
取れたジプシー音楽なのだ。英語解説付。2010 作。ARC Music)