中学生のための「プロデュース 能力」 養成プログラム開発プロジェクト

中学 生のための「プロデュース能力」
養成プログラム開 発プロジェクト
春・秋連結学期
1.
京田辺校地開講科目
目的・概 要
the purpose and an outline
現代の日本の社会は、以前より変化が多く、臨機応変に対応することが求め
られる時代だといえます。教育現場でも、生徒の課題解決能力や自分の考えを
相手に説明する力などの養成が求められています。
このように、
明確な自分の考
doshisha
えを持ちさまざまな課題に対して立ち向かい道を切り開いていくことが出来る能
力。
これが、私たちの提唱する
「プロデュース能力」
です。
私達のプロジェクトのゴールは、先述の能力を中学生が身につけることが出
来るようなプログラムの開発です。共に活動した中学生だけを対象とするのでは
なく、
より多くの方々に私たちの経験や能力開発の技法を伝えたいと考え、教育
現場で利用可能なモデルプランという形で取りまとめることを目指しました。
今回のプロジェクトでは、
モデルプランの制作に向けて
「木津川市プロデュー
kyotanabe
スプロジェクト」における中学生との共同活動を行いました。
これは、木津川市
の中学校5校で、
それぞれ5~10名の生徒がチームを作り、
自分たちの住む木津
川市について目を向け、
「 一市民」の視点でまちの課題解決、魅力発信のため
の新たな価値創造「プロデュース」
を目指すものです。私たち大学生は、中学生のプロデュースがスムーズに進められる
よう、活動プランを練り、
ワークシートなどを用意して、先生との協力のもと毎回の活動を進めました。
最終成果物として、活動経歴やモデルプランを収めた冊子「258日。~中学生と大学生のプロジェクトレポート~」
(2
種)
を製作しました。
imadegawa
annual schedule
2012年
4月
中学生との顔合わせに向けた打ち合わせと準備
先生やメンバーで打ち合わせを行い、活動の進め方やスケジュールについて打ち合わせを行いました。
5月 9日
キックオフミーティング(中学生との顔合わせ)
中学生メンバーが同志社大学に一堂に会し、
キックオフの会議を行いました。学生メンバーが各校
に出向き、チーム単位での活動を開始しました。
「プロデュース」への理解を深め、各校のテーマ設定
に向けて様々なアイデア出しを行いました。
6月∼7月
各校活動(活動テーマの設定)
8月前半
各校調べ学習
ワークシートを使いながらメンバーのアイデアをまとめていきました。
地元NPO法人の方をお呼びして助言をいただいたり、科学館等の施設で体験学習を行うなどの活
動を行いました。
8月 23日
合同ミーティング
(中間報告)
同志社大学で複数校が集まってミーティングを行いました。取組内容を整理して、
これまでの活動経
過を発表しあいました。
また、大学生による学内見学ツアーを実行しました。
9月
10月
各校活動(学校行事での発表に向けた準備)
各校での発表
各校の中学生が、
それぞれの文化祭などで発表を行いました。
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P r o j e c t Wo r k s
2012
中学生のための
「プロデュース能力」養成プログラム開発プロジェクト
2012年 11月中旬
kyotanabe
「木津川アート2012」
への参加
中学生(2校)
と大学生が、
「木津川アート2012」
にボランティアスタッフとして参加しイベント運営の
一部を体験しました。
11月23∼24日
カラー冊子製作合宿
モデルプランの策定と、
データ整理、
カラー冊子の原稿執筆のために、合宿を行いました。
12月 25日
「木津川市子ども議会」
各校の取り組み内容は、
「木津川市子ども議会」
で市長に対して提言を行いました。
12月末 2.
最終成果物冊子原稿完成
成 果達 成 度
the achievement degree
私たちは、
「 木津川市プロデュースプロジェクト」における活動と、
モデルプラ
ンを収めた2冊の冊子の制作に取り組んできました。
まず、中学生との活動では、木津川市の公立中学校5校のメンバーとともに
プロデュース活動に取り組みました。それぞれの学校でテーマを決め、学校単
位でそのテーマの達成に向けて活動を行いました。
具体的に例を挙げると、
ある中学校では
「デザインゴミ箱による、
まちの美化
意識の向上」
がテーマとして取り上げられました。最初に、
自分たちがはたしてどのようなまちに住みたいのかを見つめな
おすワークを行いました。
ここで出た、木津川市をよりきれいなまちにしたいという意見をもとに、
その実現のためのアイ
デアを一緒に考えました。結果として彼らは、
ポイ捨ての多さがまちの美化を妨げていることに注目し、市民が自発的に
「捨てたくなる」デザインのゴミ箱制作を行うという活動目標を決定しました。今回の活動では、実際のごみ箱製作まで
踏み込めませんでしたが、実際にデザインを集めるにはどのようにすればいいのかを考えることや、
自分たちで実際にデ
ザインを行うなどの活動を経て、文化祭で全校生徒に美化意識の向上を訴えることが出来ました。
また、木津川市の
「木津川市子ども議会」の場で、実行に向けてのアイデアを盛り込んだ政策提言を行いました。
また、
プロジェクトの成果として、
プロデュース能力養成プログラムの一環とし
て活用してもらえるよう2冊の冊子を制作しました。1冊目はより多くの人に今回
の取り組みについて知っていただくことも目指して、各校の活動記録とモデル
プランを取り上げたカラー冊子、2冊目は教育現場で実際に活用していただけ
るよう、詳しい活動プランやワークシートを取り上げた白黒冊子です。
冊子を制作するにあたって、中学生にアンケートを行ったり、活動を振り返り
感想を聞き取るワークショップを行ったりしました。
その結果は、大半の生徒が満足してくれていたというものでした。何よ
り喜ばしかったのは、
「もっと長くやりたかった」
とまだまだ活動にやる気を見せてくれたことです。自分たちが率先して物
事を進めるのではなく、中学生と手を取り合ってプロデュースを進めていくという一年間でした。中学生と信頼関係を築
くことが出来たため、相乗効果でより高い成果をあげることが出来たと考えています。
最終成果物として出来上がった冊子は、木津川市の方々や、教育関係者の方々への配付を考えており、今回の活
動で私たちが考えたモデルプランが、将来社会を支える中学生の育成に少しでも役立てばと思います。
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2012
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中学生のための
「プロデュース能力」養成プログラム開発プロジェクト
3.
プロジェクトを通じて
kyotanabe
through a project
この一年を通してのプロジェクトで学んだものは数えきれないのですが、
特に印象に残っているものを、2つ挙げようと思います。
1つは、整理整頓の大切さです。整理整頓は小学生のころからの課題で、
doshisha
いつも通知簿では、整理整頓を頑張りましょうと言われた人も多いでしょう。
小学校の自分の机の中が汚くても特に問題はなかったですが、大学生に
なった今、
自分たちの活動をもとに成果物の冊子を作る段階になって、USB
やCNS、
メーリングリストに溢れかえる資料を見て、
やはり整理整頓が大事だ
と心の底から思いました。
日々のちょっとした一手間を惜しまないことが、将来の自分を救うということを実感しました。
二つ目は、
シミュレーションの重要性です。自分たちは、中学生のプロデュース活動を支えるという活動をしていました
が、限られた時間の中で中学生達が自分たちの伝えたい内容をどれくらい理解してくれるか、
どれくらいのワークができそ
kyotanabe
うか、
といったことを、事前に頭の中でシミュレーションする必要があります。時間がなくシミュレーションを怠った時は必
ず、
うまくいかず後悔したものでした。何事も予想通りにはいきませんが、
自分の中で理解を深め、
きちんとシミュレーショ
ンできてこそうまく行くことを実感するとともに、先を見据えて活動を進めることが大事であると思いました。
[ 製本冊子のご紹介 ]
カラー冊子「258日。~中学生と大学生のプロジェクトレポート~」
本活動を通して、大学生と中学生との活動を綴った活動レポート。各校の活動
imadegawa
概要と、
モデルプランがまとめられています。
白黒冊子「258日。~中学生と大学生のプロジェクトレポート~資料編」
カラー冊子では収めることのできなかった詳細なデータや、各ワークのテンプ
レートなどが掲載されています。
[ 編集後記 ]
私たちの活動は、
自分たちが実際にプロジェクトを進めていくのではなく、中学生のサポートをどのように行うかが焦点
でした。中学校が5校あったため、私たちは結果的に5+1(製本)ものプロジェクトを同時に実行したのだと考えると、
よく
がんばったなぁ、
と自分達を褒めてしまいたくなります。
さて、編集を終えて感じたこととして、1つ印象的なものがあります。中学生との活動プランを考えることは、
とても大変
でしんどいものでした。ですが、
それは決して嫌な思い出ではありません。なぜなら、
しんどさなどの“感情”は人間の構造上
忘れていくからです。けれども、努力して得た“結果”は消えません。当時の私たちの頑張りは、中学生をゴールへと導け
た自分たちの“結果”として残っています。
このように、一時のマイナスな感情に左右されて、手を抜くのでは無く、長期的
な視野を持って今後も努力していくべきなのだと感じました。
[ プロジェクトメンバー ]
寺坂 柚香
(文2)
射場 康弘
(経済2)
山本 雄輝
(文化情報3)
今入 康友
(理工4)
万福 尚紀
(心理2)
土田 潤
(SA)
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