ウェアラブル情報スクラップ 高ダイナミックレンジ 「スーパーCCDハニカム4」 を搭載したデジタルカメラ 中空ロールヘッド方式で、 指紋がくっきり読み取れる 富士写真フイルム カシオ、アルプス電気「指紋認証デバイス」 富士写真フイルムから、新開発の撮像素子「スーパーCCDハニカム4」 を搭載したデジタルカメラ「FinePix(ファインピックス)F700」が5月下旬 に発売される。 「スーパーCCDハニカム4」により、ダイナミックレンジは従 来の4倍に拡大、白とび・黒つぶれといった現象にも強く、限りなく銀塩 フィルムの領域に近い画質を実現した。有効画素数は620万画素、受光 用として310万画素の素子を、色の再現領域を広げるために同画素数の 別の素子を搭載している。また、動いている被写体の撮影に便利なコン ティニュアスAF(オートフォーカス) 、画面の49ポイントから自由にオートフ ォーカスポイントを選択できるエリア選択AFなど、さまざまななAF機能を 搭載しているため、あらゆるシーンでの撮影に対応が可能だ。 小型化と鮮明な読み取り能力の両立が 難しかった指紋認証デバイスだが、カシオ が「中空ロールヘッド方式」により、直径6 ミリ、長さ小型で15ミリ、解像度600ppiと いう小型かつ鮮明な指紋認証デバイスを 開発した。中空ロールヘッド方式は透明 回転ローラーの中にラインスキャナを収め たもので、読み取り部をローラーにするこ とで指先の圧力を一定にできるため、読 み取り画像の歪みを少なく抑えることがで きる。量産化・販売はアルプス電気が担 当し、今年秋からサンプル出荷を始める 予定。単価は1000円以下が目標という。 伸びが期待される指紋認証デバイス市場 の牽引役となりそうだ。 http://www.casio.co.jp/release/2003/fingerprint.html 「RFIDタグ」 がいよいよ量産体制に オムロン、日立製作所 実用化が近づく燃料電池、 PC直結タイプも登場 東芝、NEC、日立製作所 モバイル機器向けの燃料電池が各社から続々と登場している。今年3月、 リチウムイオン電池の替わりにノートパソコンに直結させるタイプの燃料電 池が、世界で初めて東芝によって開発された。「希釈循環システム」を採用 することで、高濃度メタノールを使用しても高効率で発電でき、燃料カート リッジの体積も従来の1/10以下に小型化。平均 12W、最大 20Wの出力 が可能で、約5時間発電でき、燃料カートリッジを交換することで連続して 電源を供給することができるという。2004年中の製品化が目標。 一方、 NECは今年、 ノートPCに外付けするタイプの燃料電池を発表した。 カーボンナノホーンを電極材料としたダイレクト・メタノール方式を採用し、 やはり2004年中の製品化が目指されている。また、日立製作所は、独自 の金属ナノ粒子を電極用触媒に用いた燃料電池をモバイル機器向けに開 発しており、今後、各社の開発競争は激化していきそうだ。 http://www.toshiba.co.jp/about/press/2003̲03/pr̲j0501.htm RFIDはバーコードに替わる非接触 の情報管理システムとして期待されて いるが、広く普及させるには量産によ る単価引き下げが不可欠とされてき た。そのような状況のなかで、今年、 オムロンがRFIDタグを年間6000万枚 生産できる体制を確立した。すでに使い捨てタイプの製造コストは1 枚100円を切っているといい、適用分野の拡大が見こまれている。 一方、RFIDタグ用の微小ICチップ「ミューチップ」を生産してい る日立製作所は、これまで0.4mm角だったチップの機能を変えずに、 0.3mm角まで小型化した。従来はチップの片面に配していた電極を両 面に配置したために実現できたという。このミューチップ、来年春ま でに月産数百万個の量産体制が整えられる予定だそうだ(ミューチッ プに関しては本誌13号本欄をご参照ください)。 ミス日本、 「ミスネイチャー」 を新設 03年度のミス日本コンテストでは、 「環境、自然保 護の先頭に立つ女性」 という趣旨の「ミスネイチャー」 が新設された。選ばれたのは産業医大5年生の中司 麻記子さん。趣味は「最新の皮膚医学のトピックスを 読むこと」だという。 「ごみの分別など当たり前のこ とがきちんとおこなわれるよう呼びかけることから始 めたい」 と抱負を語っている。 NATURE INTERFACE Apr. 2003 no.14 090 ダンスをする小型ロボット メモリーカードがさらに小型化 セイコーエプソン SD Association「miniSD」 セイコーエプソンが、手のひらに載る超小型ロボット「ムッシュⅡ-P」を 開発した。 「ムッシュⅡ-P」は、世界最薄のマイクロアクチュエータや Bluetoothによる無線制御機能を内蔵し、遠隔操作で前後に動かせるほ か、数台のロボットを動かしたダンス披露などもできるという。本体サイズ は、高さ、奥行き、幅いずれも20mm以内、重量は約12.5g(バッテリ含む)。 移動速度は毎秒150mm。今回のロボットは、4月3日〜6日にパシフィコ横 浜で開催された 「ロボデックス2003」 での出展に向けて開発されたもので、 会場ではパレエ振付師金森穣氏らとのコラボレーションによる「世界最小 の本格的ロボットシアター」も上演された。現在のところ商品化、販売の 予定はない。 携帯機器の小型化に連動して、メモリーカードも小型化をせまられてい る。そんななか、現時点でもっとも小型のメモリーカードを目指して、従来 のSDカードより小型の「miniSD」が米SD Associationから発表された。 外形は20×21.5×1.4mmで、実装面積は従来のカードの44%。外形は 違うがインタフェイスは従来のものと互換性がある。インタフェイスの信 号線は、従来のSDカードより2本多い11本で、将来の拡張に備えられて いる。今年上半期には16MB、32MB、64MBのメモリ容量をもった製品 が、下半期にはさらに256MB品が投入されるという。 高濃度の空気を手軽に供給 松下電器産業「酸素エアチャージャー」 レンズ2段収納のデジタルカメラ ペンタックス 「オプティオS」 ペンタックスは、光学三倍ズームレンズ搭載としては世界最小、最軽 量のデジタルカメラ「オプティオS」を開発した。サイズは一般の名刺サ イズよりも小さく、83(幅)×52(高さ)×20(厚さ) mm、重さ98g(本体 のみ)。ペンタックスでは、小型・軽量ボディのために、レンズを上下2 段に収納するという新発想のレンズ機構 スライディング・レンズ・シス テム を開発。撮影時には、6枚のレンズが一直線に並ぶが、オフ時に は真ん中の3枚が上部に移動するというしくみだ。さらに、新開発のマル チチップモジュール(MCM)により電気回路基板面積を従来比約43%小 型化、また約0.01秒のレリーズタイムラグを実現し、起動時間も短縮し た。撮影素子は320万画素、記録メディアはSDメモリーカードを採用。 ボイス録音機能も備え、内蔵メモリで約45分、64MバイトSDカードで約 4時間17分の録音ができる。 091 ウェアラブル情報スクラップ 自然界の通常の酸素濃度は 21%だが、これを30%に高めて供 給する装置を松下電器が開発し た。高濃度酸素は、空気の分子が 膜に溶けて拡散していく速度の差 を利用した「酸素富化膜」によって つくられる。酸素は窒素より約2.5 倍ほど膜に溶け込む速度が速いた め、この膜を通過する空気は通常 より酸素量が多くなるのだという。 使い方は、室内から取りこんで 高濃度化された空気を、チューブ で吸引するだけ。高濃度な空気を 吸うことは、眠気の解消などに効 果があるという。なお、体内の酸 化が進むのではないかが気になる が、同社によると、短時間この程 度の濃度を吸引するのは特に問題ないそうだ。 http://prodb.matsushita.co.jp/products/national/MS/MS-X1.html 情報配信サービス 「SPOT」対応の腕時計を試作 シチズン シチズン時計が、米マイクロソフトが提唱する新情報配信サービス 「SPOT」に対応した腕時計を試作し、「2003 International CES」の Microsoftブースで公開した。開発した腕時計は、「SPOT」から発信 されるコンテンツを受信して液晶画面に表示することができるという もの。画面は、120×96ピクセルのSTN液晶ディスプレイ表示で、ユ ーザーの希望する情報の種類に応じて表示画面のカスタマイズが可 能。同社のマイクロエレクトロニクス技術と小型アンテナの開発によ り、腕時計として無理のないサイズとデザインを実現できたという。 今後は、SPOTに対応した時計ビジネスの検討を進める方針だ。
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