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M ATASSA
(マタッサ)
南フランスは ROUSILLON の最高峰として名高いドメーヌ ゴビー(赤のトップキュ
ヴェである MUNTADA ムンタダの 2000 年は、ブラインドテイスティングで Le Pin と
互角の評価を得た)の醸造責任者を務めた南アフリカ出身のトム ルッブ、ゴビーの妹で
ルッブの妻であるナタリー ゴビー、そして世界最年少でマスター オブ ワイン(通称
MW、ジャンシス ロビンソン女史もその中のひとり,アジアでは一人も合格していない)
に最優秀の成績で合格したニュージーランド出身のサム ハロップら3人が、2001 年に
設立したドメーヌです。
ペルピニヤン空港から山側に向かって約 45 分の小さな村 Calce(カルス)に
あり、この周辺はカタロニア地方と呼ばれております。
濃厚でパワフルな典型的南フランスのスタイルになることを嫌い、自然な味わいでアル
コール度数があまり高くない、体にしみ入るように優しく、エレガントなワインを造る
ことを目標に掲げ、栽培からビン詰めにいたるまで多岐にわたる工夫を凝らしています。
*ブドウ品種との相性を徹底して考慮した畑
グルナッシュは冷たい土壌と暖かい気候を好み、反対に、カリニャンは温かな土壌と冷
涼な気候に適するとされています。
ラングドック-ルシヨンを象徴する品種であるカリニャンは、マタッサでは標高 500M 近
い高地(風が強く乾燥しており、涼しい)にある花崗岩土壌の畑にあり、花崗岩は日中
に受ける太陽の熱を夜になっても保持していることから、土壌の温度を比較的高く保つ
役割を果たします。
グルナッシュは、低めの標高に位置するシスト土壌、カルス村でもっとも冷涼で冬には
雪が積もり、ピレネー山脈から吹き付ける風「タラムンタナ」を
まともに受ける急斜面に植えられています。暑くなりがちな地におけるグルナッシュの
栽培には、とても気を使う必要があると考えているのです。
シストは長い年月を経て圧縮されて石状になった「粘土」です。粘土の特徴は、保湿性
が高く土中が「ひんやり」していることにあります。
南ローヌの最高峰として誰もが認める Ch Rayas のシャトーヌフは、グルナッシュ 100%
で構成されていますが、生育期には最高気温が軽く 30 度を超える毎日が続く場所であ
りながら、できあがったワインは実にエレガントであり、グルナッシュ特有のジャミー
な印象が感じられません。その理由として、ラヤスの畑には周辺によく見られる「丸い
石がない」ことにあるといわれています。
石がないから輻射熱の影響を受けないため、夜間になると地表の温度が下がるからです。
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*フランスで最も早いといわれる収穫
バイオダイナミクスの採用に加えてロバ(正確にはロバと馬の掛け合わせ)による耕作、
芽を切り落として熟梢の数を最初から減らすリスクをとった選定による理想的な収量制
限を採用しています。
マタッサの収穫は、8 月の 1 週目から開始されます。夏の最高気温が 40 度近くにも達す
る南フランスでは、完熟は酸不足に直結するだけではなく、ひとつ間違えると過熟のブ
ドウを収穫する羽目になり、味わいはジャミーというより「干しぶどう」のニュアンス
まで感じられるようになってしまい、エレガントなスタイルとは全く異なるワインにな
ってしまうからです。
生食を目的としたブドウとは異なり、求めるのは糖分のピークに達したブドウではなく、
フェノールやエキス分に富み、必要にして十分な糖分とワイン全体を支える酸を含んだ
ブドウなのです。
*自然なワイン造り
最高のブドウを収穫した後は、醸造からビン詰めに至るまでの過程において
人間が可能な限り関与しない方法を採ります。添加物を使わない前清澄、自然発酵、ビ
ン詰め前の清澄もなし、最後に軽いフィルター処理だけをおこないます。早く収穫する
ことからブドウには酸が十分に含まれているため、亜硫酸の添加は限りなく少ない量で
済みます。
このような過程で造られたワインは、ジャンシス ロビンソン女史をして「21 世紀のワ
イン」と言わしめる、この地のテロワールを余すところなく表現したものとなります。
マタッサとはカタロニア語で、
「森」を意味します。その名のとおりトップキュヴェであ
るクロ マタッサの畑は森に囲まれており、他の畑の影響を全く受けることはありません。
エチケットには、3 人で立ち上げた蔵であることから、3 つの木から成る漢字の「森」
が象徴として印字されております。
Cotes Catalane rouge “Romanissa” 2006
ブドウ品種:樹齢 50 年のグルナッシュを 70%, 110 年のカリニャンを 25%, そして 25
年のカベルネソーヴィニヨンを 5%。
このグルナッシュは、Lladonner Pelut(ラドネールプルート)と呼ばれる、
この周辺にのみ存在するクローンで、アルコール度数があまり高く上がらず、その一方
で酸度が高い特徴をもつ。かなり小粒で収量が極端に少ないだけでなく、栽培が難しく
丹念な手入れが必要とされている。
畑:鉄分や水晶などを多く含むシスト質。
収穫量など:15hl/ha のブドウを房ごと使用。足によるピジャージュを行い、発酵終了
の後に 500L の樽を 70%、228L 樽を 30%使用し 22 ヶ月の熟成。両者をアッサンブラー
ジュした後に再び樽に戻して更に 4 ヶ月休ませる。新樽率は 15%。ブルゴーニュグラス
で飲むことをお奨めします。
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Cotes Catalane blanc “Marguerite” 2007
ブドウ品種:樹齢 100 年近いヴィオニエ、ミュスカ プティグランを各 50%。
畑:標高 200M の畑で、シスト及びスレート質(粘板岩)。
収穫量など:20hl/ha. ブドウを房ごと木製の垂直式バスケットプレスにて圧搾。
そのまま 228L と 300L の樽に入れて発酵を促し、終了後に 11 ヶ月の熟成。
Cotes Catalane blanc “Nouge” 2007
ブドウ品種:ミュスカ プティグラン、ミュスカ アレキサンドリアを主体として、ヴィ
オニエとマカベオのブレンド。
畑:シスト及びスレート質。Marguerite(マルグリット)と同じ丘にある畑に加えて、
一部はロマニッサの畑に混植されているブドウも含まれている。斜面の向きは様々で、
地中海から吹く風だけではなくピレネー山脈から吹く風の影響も受ける。
収穫量など:20hl/ha。バスケットプレスで圧搾の後にステンレスタンクで発酵、熟成
は 500L の古樽で 10 ヶ月。軽いろ過を行うが、清澄はしない。
Cotes Catalane blanc “Cuvee Matassa” 2006
標高 600M に位置する、石灰岩及びシストの土壌で構成される畑。
樹齢 105 年から 70 年の Grenache Gris(果皮が灰色のグルナッシュ)が 70%,
同じく 70 年超の Maccabeu(マカベオ)が 30%で構成される、マタッサの白に
おける旗艦となるワインで、収穫量は概ね 10hl/ha と極めて低い。
果房全部を木製垂直式プレス機で時間をかけてプレス、500L と 225L の樽に
よる発酵及び熟成で、期間は約 10 ヶ月。
マカベオの 500L 樽にはフロールが付いて、これをウイヤージュ(補液)せずに静かに
熟成させた。
2006 年は比較的涼しい一年であったが、天候は良好であった。開花も順調で、
乾燥していたため収穫量がとても少なかった。
8 月 10 日から 26 日における収穫。
Cotes Catalane rouge “Cuvee Matassa” 2005
標高 500M に位置する花崗岩の畑で、傍らにはローマ時代に造られた水車小屋跡も残っ
ている。ここを流れる小川では魚が全く泳いでいないほど除草剤と農薬が使われていた
らしいが、2 年前にマタッサが周辺の全ての畑を購入したため(他の畑で使われる薬品か
らの影響を避ける)、現在では沢山の魚が戻って来ている。樹齢 70 年から 100 年を超え
るカリニャンのみで構成。
80%が 500L、20%は 225L とステンレスタンクで発酵させ、その後に 225L の樽で 22
ヶ月に及ぶ熟成。
2005 年はとても暑い年で、特に収穫前の 2 週間の気温が高く、8 月上旬から開始した収
穫は、10 月上旬にまで及んだ。
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