新しい大人世代の言われて嬉しい言葉

2012年2月1日
博報堂 エルダーナレッジ開発 新しい大人文化研究所
新大人研レポートⅡ「”新しい大人世代“の言われて嬉しい言葉」
いまの40~60代は“見た目”が大事。
「成熟」よりも「センス」。頑固親父は過去のものに。
・ 言われて嬉しい言葉「若々しい:42.4%」に続き「センスがいい:37.2%」。従来の褒め言葉で
ある「成熟した:8.1%」を大きく上回る。
・一方「言われて丌愉快な言葉」1位「頑固だ:42.5%」。物事への柔軟な対応や個性を重視。
・60代でも「若々しい見た目でありたい」が7割。<がんこジジイ>から<若さと見た目の60代>へ。
40~60代の意識が従来の常識から大きく変わり、いまや「絶滅!?する中高年」とでも言うべき状況が現
れています。 「博報堂エルダーナレッジ開発 新しい大人文化研究所」では、人生を前向きにとらえ、若々
しくありたいとする新たな40~60代を総称して「新しい大人世代」と名づけ、彼らの志向や生活を探る様々
な調査を実施しています。このたび、全国の40~60代の男女3708名に向けた調査から、40~60代の人
生観に関する結果をまとめましたので、ご報告いたします。
調査結果からは、従来の中高年意識であった「老い」「余生」といった“下り坂”の人生観は“絶滅”しか
か っ て い ること が見えてきま した 。従来の 中高年は 、40代が働き 盛り 、50代で 下り坂が はじま り 、
60代になると余生になって長生きが目標になる、と見られてきました。しかしながら、現在の中高年は、そ
うした従来型の人生カーブとは180度異なるといってもいい人生観でとらえています。年を重ねることを
「加齢」と捉えない、エイジレスな感覚を持った新しい40~60代が登場しています。
「自分が言われて最も嬉しい言葉」は「若々しい(42.4%)」「センスが良い(37.2%)」。これに「自然体だ
(30.4%)」が続き、これまでこの年代に対する褒め言葉として一般的だった「成熟した(8.1%)を大きく上
回る結果となっています。
一方「言われて丌愉快な言葉」としては「頑固だ」が42.5%と圧倒的な1位で、男女ともに年齢を重ねる
ほ ど 高 い 数 値 と な っ て い ま す 。 続 く 第 2 位 は 「 組 織 で 動 く ( 15.8 % ) 」 で 、 物 事 へ の
柔軟な対応や個性を重視する新しい大人世代が出現していることが分かりました。もはや、“頑固親父”と
いう言葉も人には言い辛い時代、となっているようです。
また、現在の40~60代の大きな特徴は「見た目にこだわる」ということです。「何歳になっても若々しい見
た目でありたい」が40~60代の全体で72.6%。60代でもなんと70.6%の人がそう答えています。いまや、
“若さと見た目の60代”といえそうです。
「博報堂 エルダーナレッジ開発 新しい大人文化研究所」とは
当研究所は、「博報堂エルダービジネス推進室」(2000年設立)を前身とし、2011年2月に設立された、40~60代生活者の
意識・行動を研究する専門組織です。従来の中高年層の間で一般的であった意識やライフスタイルとは異なり、年を重ね
ることに前向きな意識を持つ新しい40~60代が誕生しています。当研究所では、彼らの存在を「新しい大人」と名づけ、少
子高齢化社会にプラスのインパクトを与える重要な存在として調査・研究およびコンサルテーション業務を行っています。
本件に関するお問い合せ:
博報堂 広報室
博報堂 エルダーナレッジ開発 新しい大人文化研究所
1
藤井・西原・森 TEL:03-6441-6161
阪本
TEL:03-6441-4363
調査結果
■言われて嬉しい言葉は、「成熟」から「若々しい」「センスがいい」へ。
40~60代男女が言われて嬉しい言葉ランキングでは、「カッコいい」「男/女らしい」等を押さえ「若々
しい(42.4%)」「センスがいい(37.2%)」が1位、2位となっています。従来この年代に対する褒め言葉
として一般的であった「成熟した」は8.1%とかなり低くなっており、新しい40~60代が求める姿は「成
熟」から「若々しい」「センスがいい」へと変化しているといえます。
一方、40~60代男女が言われて丌愉快な気持ちになる言葉ランキングでは、「頑固な」が圧倒的な
1位ですが、2位の「組織で動く」も高い数値となっています。「組織で動く」に関して、男女別に見ると、
男性が17.7%、女性が13.8%と男性の方が高い傾向にあります。女性は3位「自己主張のある」が
9.3%という結果となり、男性の7.6%に比較し高く、周囲との調和を図りながら暮らしたいという女性の
欲求が現れています。
50.0
言われて嬉しい言葉
40.0
%
30.0
20.0
10.0
0.0
4 0 - 6 0 代全体
(N= 3 7 0 8 )
4 0 - 6 0 代男性
(N= 1 8 5 4 )
4 0 - 6 0 代女性
(N= 1 8 5 4 )
40代
(N= 1 2 3 6 )
50代
(N= 1 2 3 6 )
60代
(N= 1 2 3 6 )
若々し
い
センスが
いい
自然体
だ
バランス・
調和の
とれた
自分・ 自
尊敬( リ
本物が
おしゃれ
個性的
分らしさ 努力家
スペクト) カッ コいい
わかる
な
な
を貫く
できる
男らしい
こだわり
自由な スマートな /女らし
がある
い
42.4
37.2
30.4
26.2
24.6
24.6
22.2
20.8
20.4
20.3
18.1
16.7
16.4
16.2
13.8
8.1
35.0
31.0
26.6
23.5
26.7
22.9
21.9
11.9
23.0
21.5
19.6
17.4
17.1
17.9
16.7
9.4
49.8
43.5
34.3
28.9
22.4
26.4
22.5
29.7
17.8
19.1
16.6
16.1
15.7
14.4
10.8
6.9
38.7
39.1
28.5
22.9
22.2
20.8
20.7
20.5
21.4
24.0
16.3
16.2
18.7
18.6
15.0
6.9
44.7
38.3
29.9
27.2
25.3
24.4
20.0
20.8
20.8
20.8
18.1
17.4
15.9
13.3
13.6
7.5
43.8
34.2
33.0
28.5
26.1
28.7
26.0
21.1
19.0
16.0
19.9
16.7
14.6
16.6
12.8
10.0
50.0
成熟し
た
言われて不愉快な言葉
40.0
%
30.0
20.0
10.0
0.0
頑固な
4 0 - 6 0 代全体
(N= 3 7 0 8 )
4 0 - 6 0 代男性
(N= 1 8 5 4 )
4 0 - 6 0 代女性
(N= 1 8 5 4 )
40代
(N= 1 2 3 6 )
50代
(N= 1 2 3 6 )
60代
(N= 1 2 3 6 )
組織で動 自己主 上昇志 平和主
く
張のある 向のある 義の
男らしい
こだわり
/女らし
個性的な 成熟した
がある
い
自由な
努力家
日本経
肩の力 趣味に生
済に貢献 カッ コいい
が抜けた
きる
している
42.5
15.8
8.4
6.3
5.8
5.0
4.6
4.1
3.5
3.1
3.1
3.0
2.9
2.9
1.8
37.5
17.7
7.6
7.4
6.9
4.4
4.4
3.6
3.8
3.1
3.7
3.6
3.5
3.5
2.4
47.6
13.8
9.3
5.1
4.7
5.7
4.9
4.5
3.1
3.0
2.5
2.3
2.4
2.2
1.1
38.4
15.0
8.7
6.1
6.4
4.4
4.0
5.2
2.6
4.4
2.4
3.9
3.1
2.6
1.6
41.7
14.6
7.4
6.1
5.7
4.6
3.9
3.3
4.1
2.1
3.9
2.8
2.6
3.2
1.4
47.4
17.7
9.3
6.6
5.2
6.0
6.0
3.7
3.6
2.8
3.1
2.2
3.1
2.8
2.3
2
■ 40~60代の72.6%が「若々しい見た目でありたい」と回答。内面とともに、
外見の若さも重要視。 60代だけでも70.6%と“若さと見た目の60代”へ。
内面の若々しさ、前向きさと同時に、外見の若さにも気を使う「新しい大人」世代。 40~60代全体の
72.6%が 「何歳になっても若々しい見た目でありたい」と回答。60代だけでも70.6%と、他の年代とほ
ぼ同様の高い数値です。従来の常識として、外見の若さを重要視するとは誰も思わなかった60代でも、
そのような意識を持っているということは、現在の60代がかつての60代と大きく変化していることを示し
ています。これは団塊の世代が60代の前半を占めるようになったことと大いに関連していると思われま
す。
Q:「何歳になっても若々しい見た目でありたい」という気持ちはどの程度あてはまりますか (単一回答)
非常にあてはま る
0%
ややあてはま る
20%
40-60代全体
(N=3708)
どちらともいえない
40%
60%
26.5
40-60代男性
(N=1854)
32.0
40代
(N=1236)
31.0
100%
2.8
16.3
43.4
22.4
21.5
22.3
肯定計80.0%
3.6
肯定計74.4%
4.8
肯定計72.7%
20.2
48.2
肯定計65.2%
6.3
26.4
46.7
肯定計72.6%
4.6
21.4
48.0
26.0
60代
(N=1236)
80%
44.2
40-60代女性
(N=1854)
全く あてはま らない
46.1
20.9
50代
(N=1236)
あま りあてはま らない
5.3
肯定計70.6%
■ 「いつまでも若々しく、アンチエイジングに心がけて暮らしたい 」人は61.2%
「いつまでも若々しく、アンチエイジングに心がけて暮らしたい」と思う人は40~60代全体の61.2%で
す。男女別に見るとやはり、女性が69.4%と高くなっていますが、年代別にみると、従来の常識に反し
て、年代が高くなるほどその傾向が強まり、60代では62.8%となっています。年を重ねて老いることを
良しとしない人たちが60代の多数派を占めるようになったということができそうです。
Q:「いつまでも若々しく、アンチエイジングに心がけて暮らしたい」という気持ちはどの程度あてはまりますか (単一回答)
非常にあてはま る
0%
40-60代全体
(N=3708)
40-60代男性
(N=1854)
40-60代女性
(N=1854)
ややあてはま る
20%
40%
17.9
13.6
どちらともいえない
あま りあてはま らない
60%
全く あてはま らない
80%
43.3
6.5
30.2
39.4
47.2
40代
(N=1236)
17.8
50代
(N=1236)
18.1
43.5
60代
(N=1236)
17.7
45.1
24.1
41.3
31.6
29.7
29.1
3
肯定計61.2%
肯定計53.0%
8.1
36.2
22.2
100%
4.9
6.3
6.6
6.6
肯定計69.4%
肯定計59.1%
肯定計61.7%
肯定計62.8%
◇調査概要◇
調査主体:博報堂 エルダーナレッジ開発 新しい大人文化研究所
調査時期:2011年10月
調査対象:40~69歳男女 合計3708名(男性1854名 女性1854名)
40代(1236サンプル) 1963~1972年生・・・バブル世代が中心となる層
50代(1236サンプル) 1953~1962年生・・・ポスト団塊世代が中心となる層
60代(1236サンプル) 1943~1952年生・・・団塊世代が中心となる層
調査方法:インターネットアンケート調査
調査エリア:首都圏、基幹7都市以外の中小都市:
首都圏、北海道札幌市、宮城県仙台市、新潟県新潟市、静岡県静岡市、浜松市、
愛知県名古屋市、京都府京都市、大阪府大阪市、堺市、兵庫県神戸市、
広島県広島市、福岡県北九州市、福岡市
参考資料
博報堂 エルダーナレッジ開発 新しい大人文化研究所(旧:エルダービジネス推進室) 過去のレポート一覧
・HOPEレポートⅠ 元気で意欲的な「ニューエルダー」の登場 (2001.5.21)
・HOPEレポートⅡ エルダー世代から見て公共サービスや高齢者への工夫はどの程度進んでいるのか
(広告分野含め) (2001.7.10)
・HOPEレポートⅢ エルダー世代が現在楽しみにしている付き合い・コミュニケーション (2001.8.21)
・HOPEレポートⅣ 65歳以上の「親」世代が「子」「孫」世代とどうコミュニケーションしているのか
(3世代コミュニケーション) (2001.9.7)
・HOPEレポートⅤ エルダー層のお金に対する意識調査 (2001.11.9)
・HOPEレポートⅥ いま、ラジオがエルダーを動かす (2001.11.29)
・HOPEレポートⅦ エルダー世代の旅は「夫婦二人きりで、贅沢に!」 (2002.3.26)
・HOPEレポートⅧ 50代男女に聞いた「言われてうれしい言葉」~[50代調査速報] (2002.7.12)
・HOPEレポートⅨ 65歳以上のパソコン使用率:2年間で2.7倍、携帯電話使用率は2倍 (2002.10.21)
・HOPEレポートⅩ エルダーの3分の2はお金に苦労しない~「50代・60代のお金に関する意識」
(2003.3.11)
・HOPEレポート増刊 「新しい大人文化」創造のヒント(公式)を発表します。開けひま。 (2003.10.8)
・HOPEレポートⅩⅠ 夫だけが信じる「ウチは大丈夫」~「50代夫婦のパートナー評価」 (2003.12.12)
・HOPEレポートⅩⅡ 3食きっちり、エルダーは食べることが楽しみな「食生活優等生」
「エルダーの食生活調査」 (2004.2.19)
・HOPEレポートⅩⅢ 「いまは健康」だが、「今後の健康」・「病気のお金」に強い丌安。 (2004.4.22)
・HOPEレポートⅩⅣ 3世代とも「他世代と、もっとコミュニケーション」したい。 (2004.7.14)
・HOPEレポートⅩⅤ 団塊リサーチ(1) 「団塊夫婦の定年意識」に関する調査 (2004.9.8)
・HOPEレポートⅩⅥ 団塊リサーチ(2) 「団塊世代のエンタテイメント消費調査」(2005.4.15)
・HOPEレポートⅩⅦ 団塊リサーチ(3) 「団塊世代のファッション実態調査」(2005.7.20)
・HOPEレポートⅩⅧ HOPEサーベイ2005 最新データ「エルダーの情報縁とタッチポイント」(2005.9.8)
・HOPEレポートⅩⅨ 「団塊世代~定年(引退)後のライフスタイル調査」(2005.10.15)
・HOPEレポートⅩⅩ 「団塊男性、定年後に目指す『男のロマン』調査」 (2006.5.10)
・HOPEレポートⅩⅩⅠ HOPEサーベイ2006 「団塊世代 人生60年の棚卸し」 (2006.11.24)
・HOPEレポートⅩⅩⅡ 「団塊世代 60歳以降の人生設計」 (2007.2.20)
・HOPEレポートⅩⅩⅢ 2007年団塊リタイヤ開始(1) 「団塊世代 退職金の使い方」 (2007.4.26)
・HOPEレポートⅩⅩⅣ 2007年団塊リタイヤ開始(2) 「団塊世代 今後の生活と暮らし方」 (2007.6.26)
・HOPEレポートⅩⅩⅤ 2007年団塊リタイヤ開始(3) 「夫婦の関係」(2007.724)
・HOPEレポートⅩⅩⅥ “絶滅!?する中高年”ジーンズフィフティ・インフルエンサーの登場 (2009.2.5)
・HOPEレポートⅩⅩⅦ 団塊夫婦調査(1) 「夫婦はやはり“すれ違い”!?」 (2009.4.9)
・HOPEレポートⅩⅩⅧ 団塊夫婦調査(2) 「夫婦関係改善の手立て」 (2009.4.20)
・新大人研レポートⅠ ”新しい大人世代“の人生のとらえ方(2012.1.19)
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