報道関係各位 博報堂 エルダーナレッジ開発 新しい大人文化研究所 Institute of Elder Knowledge and New Adult Culture 2012年1月19日 博報堂 エルダーナレッジ開発 新しい大人文化研究所 新大人研レポートⅠ「”新しい大人世代“の人生のとらえ方」 絶滅する中高年!? 新しい大人世代の登場 「50代を過ぎたら、もう年をとらない」6割 ・ 40~60代の人生観に大きな変化、従来の“下り坂感”から“上り坂感”へ ・ 「何歳になっても若々しく、前向きな意識を保ちたい」 82.7% ・ 「50代になってもジーンズが似合うカッコイイ大人でありたい」64.1% いま中高年の意識が従来の常識から大きく変わろうとしています。「博報堂 エルダーナレッジ開発 新しい大人文化研究所」では、人生を前向きにとらえ、若々しくありたいとする新た な40~60代を総称して「新しい大人世代」と名づけ、彼らの志向や生活を探る様々な調査を実施していま す。このたび、全国の40~60代の男女3708名に向けた調査から、40~60代の人生観に関する結果をま とめましたので、ご報告いたします。 調査結果からは、従来の中高年意識であった「老い」「余生」といった“下り坂”の人生観は“絶滅”しか かっていることが見えてきました。従来の中高年は、40代が働き盛り、50代で下り坂がはじまり、60代にな ると余生になって長生きが目標になる、と見られてきました。しかしながら、現在の中高年は、そうした従来 型の人生カーブとは180度異なるといってもいい人生観を持っています。年を重ねることを「加齢」と捉えな い、エイジレスな感覚を持った新しい40~60代が登場しています。 現在の40代~60代の大きな特徴は、そもそも人生観が従来の「下り坂」から、“人生の花を開かせる”と いった「上り坂」へと大きく転換していることです。 40~60代男女に「自分が理想とする生き方」について尋ねたところ、「50代を過ぎたら、もう年をとらない という自分でありたい(61.4%)」と、6割を超える男女が50代以降の加齢を意識せず、あたかも50代で年齢 が止まったかのように捉える新たな動きが生まれています。また、「何歳になっても若々しく前向きでありた い」と回答した人は、全体の82.7%に上ります。もはや40~60代の大多数が「若々しく前向きでありたい」と 考えていることが分かりました。 また、全体の 64.1%が 「50代になってもジーンズが似合うカッコイイ大人でありたい」と回答。特に女性は 7割(70.1%)がそう思っています。“ジーンズをはきこなしてカッコよくありたい”、というのがいまの40~60代 すなわち「新しい大人世代」なのです。 団塊世代を中心とする60代が作り出した「新しい大人世代」の価値観は、ポスト団塊・バブル世代をはじ めとする下の世代により顕著な形で受け継がれており、今までの常識を超えたエイジレスな中高年がこれ からの日本を牽引していくことが予想されます。 本件に関するお問い合せ: 博報堂 広報室 博報堂 エルダーナレッジ開発 新しい大人文化研究所 藤井・西原・森 阪本 TEL:03-6441-6161 TEL:03-6441-4363 調査概要 調査組織:博報堂 エルダーナレッジ開発 新しい大人文化研究所※ 調査時期:2011年10月 調査対象:40~69歳男女 合計3708名(男性1854名 女性1854名) 40代(1236サンプル) 50代(1236サンプル) 60代(1236サンプル) 1963~1972年生・・・バブル世代が中心となる層 1953~1962年生・・・ポスト団塊世代が中心となる層 1943~1952年生・・・団塊世代が中心となる層 調査方法:インターネットアンケート調査 調査エリア:首都圏、基幹7都市以外の中小都市: 首都圏、北海道札幌市、宮城県仙台市、新潟県新潟市、静岡県静岡市、浜松市、 愛知県名古屋市、京都府京都市、大阪府大阪市、堺市、兵庫県神戸市、 広島県広島市、福岡県北九州市、福岡市 ※「博報堂 エルダーナレッジ開発 新しい大人文化研究所」とは 当研究所は、「博報堂エルダービジネス推進室」(2000年設立)を前身とし、2011年2月に設立された、40~60代生活者の 意識・行動を研究する専門組織です。従来の中高年層の間で一般的であった意識やライフスタイルとは異なり、年を重ね ることに前向きな意識を持つ新しい40~60代が誕生しています。当研究所では、彼らの存在を「新しい大人」と名づけ、少 子高齢化社会にプラスのインパクトを与える重要な存在として調査・研究およびコンサルテーション業務を行っています。 調査データ詳細 ■ 「50代を過ぎたら、もう年をとらない」と感じる人が61.4%。 特に、40代・50代にこの傾向が強い。 「50代を過ぎたら、もう年をとらない」という気持ちに共感する40~60代が6割以上。年を重ねること を老いることとは捉えず、自分の実年齢を気にしない、エイジレスな意識の広がりが見て取れます。 全体的に女性の方が男性よりも共感する割合が高く、エイジレスな意識を持った「新しい大人」の女 性が今後ますます増えていくことが予想されます。年代別に見ると、特に40代・50代で年齢にとらわ れない生き方を望む声が多くなっており、団塊世代の価値観が後に続く世代により強く受け継がれて いることが分かります。これからの人生において、年齢に縛られない生き方を選ぶ「新しい大人」世代 の登場です。 Q:「50代を過ぎたら、もう齢を取らないという自分でありたい」という気持ちはどの程度あてはまりますか (単一回答) 非常にあてはま る 0% 4 0 - 6 0 代全体 (N= 3 7 0 8 ) 4 0 - 6 0 代男性 (N= 1 8 5 4 ) 20 % 22.1 14.6 80% 29.6 30.9 41.2 24.3 39.0 全く あて はま らな い 60% 41.0 22.3 50代 (N= 1 2 3 6 ) あま りあてはま らない 41.1 18.3 40代 (N= 1 2 3 6 ) どちらともいえ な い 40 % 20.3 4 0 - 6 0 代女性 (N= 1 8 5 4 ) 60代 (N= 1 2 3 6 ) ややあて はま る 6.8 7.2 28.2 40.4 28.7 44.0 25.6 34.3 1 00% 6.4 4.4 6.6 9.3 肯定計61.4% 肯定計59.3% 肯定計63.5% 肯定計64.6% 肯定計66.1% 肯定計53.6% ■「何歳になっても若々しく前向きな意識を保ちたい」は82.7%。 40~60代のベースとなる意識に。今後の日本社会を牽引する鍵となるか。 「何歳になっても若々しく前向きな意識を保ちたい」と答えた方は40~60代全体の82.7%。年を重ね ていくことを非常に前向きに明るく捉えています。このような「新しい大人」層が今後の日本社会を牽 引する鍵となりそうです。全体的に女性(88.6%)のほうが男性(76.9%)よりも高い数値を示していま す。年代別に見ると、50代(83.7%)が一番高い傾向にあります。 Q:「何歳になっても若々しく前向きな意識を保ちたい」という気持ちはどの程度あてはまりますか (単一回答) 非常にあて はま る 0% 10 % 4 0 - 6 0 代全体 (N= 3 7 0 8 ) 20 % ややあて はま る 30% どちらともいえ な い 4 0% 50 % 30.9 4 0 - 6 0 代男性 (N= 1 8 5 4 ) あま りあて はま らな い 60% 14.2 9.9 48.1 30.3 15.2 53.3 29.0 2. 2 54.1 肯定計82.7% 肯定計76.9% 3. 2 51.7 33.4 100% 18.5 36.9 60代 (N= 1 2 3 6 ) 90% 52.0 4 0 - 6 0 代女性 (N= 1 8 5 4 ) 50代 (N= 1 2 3 6 ) 80% 51.8 24.9 40代 (N= 1 2 3 6 ) 7 0% 全く あて はま らな い 1. 2 2. 3 肯定計88.6% 肯定計81.5% 13.3 2. 2 肯定計83.7% 14.0 2. 2 肯定計83.1% ■ 「年齢にしばられない生き方をしたい」と思う人は70.8%。 「年齢にしばられない生き方をしたい」と思う人は70.8%とエイジレスな気持ちでいたい人 が7割になります。女性が特に73.7%と高く、年齢別では、40代71.0%、50代71.5%、60代 70.0%とほぼ傾向は一緒です。常識的には年を重ねるごとに数値が低下するようなイメージ がありますが、今の中高年は違います。いまや、「エイジレス」は40~60代までの共通認識 といえそうです。 Q:「年齢にしばられない生き方をしたい」という気持ちはどの程度あてはまりますか (単一回答) 非常にあて はま る 0% 4 0 - 6 0 代全体 (N= 3 7 0 8 ) 4 0 - 6 0 代男性 (N= 1 8 5 4 ) 1 0% 20.1 18.9 20% ややあて はま る 30% どちらともいえな い 4 0% 50 % 50.8 49.0 21.2 40代 (N= 1 2 3 6 ) 20.6 50.3 50代 (N= 1 2 3 6 ) 20.6 51.0 19.0 60% 70% 全く あて はま らな い 80 % 90% 25.6 28.0 4 0 - 6 0 代女性 (N= 1 8 5 4 ) 60代 (N= 1 2 3 6 ) あま り あて はま らな い 52.5 51.0 100% 2.9 3.1 肯定計70.8% 肯定計67.9% 2.7 肯定計73.7% 25.4 3.0 肯定計71.0% 24.9 3.1 肯定計71.5% 2.7 肯定計70.0% 23.3 26.6 ■ 「男らしくありたい/女らしくありたい」は49.3%。 「男らしくありたい/女らしくありたい」は49.3%とほぼ5割です。父親・母親・サラリーマン・主婦でありな がら、同時に、一人の男・女として、「男らしくありたい」「女らしくありたい」と思う人が二人に一人はいる ということになります。父親・母親あるいはサラリーマン・主婦という従来の中高年の顔だけではない 感覚を持つ人が増えている、といえます。男女別にみると、男性のほうが51.2%とやや高く、年代別に 見ると40代が51.3%と他の年代に比べ高めの結果となっています。 Q:「男らしくありたい/女らしくありたい」という気持ちはどの程度あてはまりますか (単一回答) 非常にあてはま る 0% 10% 4 0 - 6 0 代全体 (N= 3 7 0 8 ) 12.8 4 0 - 6 0 代男性 (N= 1 8 5 4 ) 13.6 4 0 - 6 0 代女性 (N= 1 8 5 4 ) 20% 30% どちらともいえな い 40% 50% あま りあて はま らない 60% 36.5 70% 80% 90% 100% 肯定計51.2% 5.9 肯定計47.5% 9.5 40.0 35.8 肯定計49.3% 7.7 40.0 35.5 15.5 全く あてはま らない 40.0 37.5 11.9 40代 (N= 1 2 3 6 ) ややあてはま る 50代 (N= 1 2 3 6 ) 11.6 36.8 40.1 60代 (N= 1 2 3 6 ) 11.3 37.0 40.5 肯定計51.3% 6.3 39.2 8.2 肯定計48.4% 8.7 肯定計48.3% ■ 「50代になってもジーンズが似合うカッコイイ大人でありたい」は64.1%。 「50代になってもジーンズが似合うカッコイイ大人でありたい」と思う人は40~60代全体 で64.1%。すでに多数派です。男女別で見ると、男性は58.0% 女性は70.1%で特に女性の ほうがそのように思う割合が高い傾向にあります。年代別にみると、40代71.1% 50代 65.9% 60代55.3% と、当然のことながら、これから50代に向かう40代がとくに高い傾向 にありますが、60代でも半数を超える人たちがそのように思っています。 Q:「50代になってもジーンズが似合うカッコイイ大人でありたい」という気持ちはどの程度あてはまりますか (単一回答) 非常にあてはま る 0% 4 0 - 6 0 代全体 (N= 3 7 0 8 ) 4 0 - 6 0 代男性 (N= 1 8 5 4 ) 20% どちらともいえない 40% 19.4 60% 42.1 7.1 24.8 30.1 5.6 肯定計70.1% 4.7 肯定計71.1% 7.0 9.6 肯定計64.1% 肯定計58.0% 8.7 21.8 41.0 38.5 100% 22.1 41.6 24.8 16.8 80% 29.0 29.4 50代 (N= 1 2 3 6 ) 全く あてはま らない 25.6 38.6 28.0 40代 (N= 1 2 3 6 ) あま りあてはま らない 40.4 23.7 4 0 - 6 0 代女性 (N= 1 8 5 4 ) 60代 (N= 1 2 3 6 ) ややあてはま る 肯定計65.9% 肯定計55.3% 参考資料 博報堂 エルダーナレッジ開発 新しい大人文化研究所(旧:エルダービジネス推進室) 過去のレポート一覧 ・HOPEレポートⅠ 元気で意欲的な「ニューエルダー」の登場 (2001.5.21) ・HOPEレポートⅡ エルダー世代から見て公共サービスや高齢者への工夫はどの程度進んでいるのか (広告分野含め) (2001.7.10) ・HOPEレポートⅢ エルダー世代が現在楽しみにしている付き合い・コミュニケーション (2001.8.21) ・HOPEレポートⅣ 65歳以上の「親」世代が「子」「孫」世代とどうコミュニケーションしているのか (3世代コミュニケーション) (2001.9.7) ・HOPEレポートⅤ エルダー層のお金に対する意識調査 (2001.11.9) ・HOPEレポートⅥ いま、ラジオがエルダーを動かす (2001.11.29) ・HOPEレポートⅦ エルダー世代の旅は「夫婦二人きりで、贅沢に!」 (2002.3.26) ・HOPEレポートⅧ 50代男女に聞いた「言われてうれしい言葉」~[50代調査速報] (2002.7.12) ・HOPEレポートⅨ 65歳以上のパソコン使用率:2年間で2.7倍、携帯電話使用率は2倍 (2002.10.21) ・HOPEレポートⅩ エルダーの3分の2はお金に苦労しない~「50代・60代のお金に関する意識」 (2003.3.11) ・HOPEレポート増刊 「新しい大人文化」創造のヒント(公式)を発表します。開けひま。 (2003.10.8) ・HOPEレポートⅩⅠ 夫だけが信じる「ウチは大丈夫」~「50代夫婦のパートナー評価」 (2003.12.12) ・HOPEレポートⅩⅡ 3食きっちり、エルダーは食べることが楽しみな「食生活優等生」 「エルダーの食生活調査」 (2004.2.19) ・HOPEレポートⅩⅢ 「いまは健康」だが、「今後の健康」・「病気のお金」に強い不安。 (2004.4.22) ・HOPEレポートⅩⅣ 3世代とも「他世代と、もっとコミュニケーション」したい。 (2004.7.14) ・HOPEレポートⅩⅤ 団塊リサーチ(1) 「団塊夫婦の定年意識」に関する調査 (2004.9.8) ・HOPEレポートⅩⅥ 団塊リサーチ(2) 「団塊世代のエンタテイメント消費調査」(2005.4.15) ・HOPEレポートⅩⅦ 団塊リサーチ(3) 「団塊世代のファッション実態調査」(2005.7.20) ・HOPEレポートⅩⅧ HOPEサーベイ2005 最新データ「エルダーの情報縁とタッチポイント」(2005.9.8) ・HOPEレポートⅩⅨ 「団塊世代~定年(引退)後のライフスタイル調査」(2005.10.15) ・HOPEレポートⅩⅩ 「団塊男性、定年後に目指す『男のロマン』調査」 (2006.5.10) ・HOPEレポートⅩⅩⅠ HOPEサーベイ2006 「団塊世代 人生60年の棚卸し」 (2006.11.24) ・HOPEレポートⅩⅩⅡ 「団塊世代 60歳以降の人生設計」 (2007.2.20) ・HOPEレポートⅩⅩⅢ 2007年団塊リタイヤ開始(1) 「団塊世代 退職金の使い方」 (2007.4.26) ・HOPEレポートⅩⅩⅣ 2007年団塊リタイヤ開始(2) 「団塊世代 今後の生活と暮らし方」 (2007.6.26) ・HOPEレポートⅩⅩⅤ 2007年団塊リタイヤ開始(3) 「夫婦の関係」(2007.724) ・HOPEレポートⅩⅩⅥ “絶滅!?する中高年”ジーンズフィフティ・インフルエンサーの登場 (2009.2.5) ・HOPEレポートⅩⅩⅦ 団塊夫婦調査(1) 「夫婦はやはり“すれ違い”!?」 (2009.4.9) ・HOPEレポートⅩⅩⅧ 団塊夫婦調査(2) 「夫婦関係改善の手立て」 (2009.4.20) ※過去の資料は、「博報堂 エルダーナレッジ開発 新しい大人文化研究所」WEBサイトにて ご覧いただけます。 http://www.h-hope.net/
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