Application Note No.106 DC-DCコンバータ用IC

991129
Application Note No.106
DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC 概論
コンバータ用
1.スイッチング・レギュレータ概要
スイッチング・レギュレータとは、コイルやトランスを使いスイッチにてエネルギー変換をし、安定化
された一定電圧を得るための電源装置一般のことを指し、種々の用途,構成のものがあり非常に範囲が広い。
その中から代表的な回路構成例をFig.1−1,Fig.1−2,Fig.1−3に示す。
L11
D15
VOUT
T12
C14
C12
VIN
T11
C11
R12
P11
D11 D12
D13 D14
C15 +
D16
Tr11
C13
R13
Control
Curcuit
−
Load
R11
D17
Fig.1‑1 商業用電源(AC‑DC Converter)
Tr23
T21
C22
Tr22
VOUT
C23
R21
VIN
C21
R24
R22
Tr21
P21
C24 +
Control
Curcuit
R25
Load
−
D21
R23
Tr24
Fig.1‑2 システム主電源(DC‑DC Converter)
Tr31
VOUT
L31
VIN
C31
Control
Curcuit
Tr32
C32
+
Load
−
Fig.1‑3 補助電源(チョッパー型 DC‑DC Converter)
一方DC‑DCコンバータとはDC電圧変換器を指し、ドロッパ方式レギュレータやチャージポンプ回路等も含
むことができるが、一般的にはFig.1−2やFig.1−3のようなDC電圧変換のスイッチングレギュレ
ータを指すことが多い。
Fig.1−2のようにトランスにてエネルギー変換をおこなう構成のDC‑DCコンバータは、機器のメイ
ン電源として古くから使われている。回路構成が複雑となるが高性能な電源を構築でき、非常に多種多様の
回路方式がある。絶縁型などといわれ、入力と出力のコモンを分けノイズの影響をなくしたり、多極のトラ
ンスにより多出力構成を実現できたりと応用範囲が広い。
Fig.1−3のようにコイルにてエネルギー変換をおこなう構成のDC‑DCコンバータは、機器のローカ
ル電源として手軽に使われる。チョッパー型などといわれ、簡単な回路構成で省スペース化が可能だが、出
力範囲により回路構成を使い分ける必要がある。
ここでは、近年の電子機器の携帯化にともない需要が増加している、Fig.1−3のようなチョッパー
型DC‑DCコンバータについて説明する。
Seiko Instruments Inc.
1
DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC
概論
コンバータ用
2.チョッパー型DC‑DCコンバータの分類
チョッパー型DC‑DCコンバータは構成により下記のように分類できる。
①昇圧型
低い入力電圧(電池電圧)から所望の高い出
力電圧を発生させる。例えば,Ni−cd電池
1本1.2vから5vの出力電圧を得ることが
でき、バッテリーを小型化することが可能とな
る。
L
D
VIN
Tr
VOUT
C
使用条件:Vin≧0,|Vin|≦|Vout|
②降圧型
入力電圧(電池電圧)Vinが所望の出力
電圧よりも十分に高い場合使われる。特に極
端に入出力に電圧差のある場合にV/Rに比
べ効率を上げられ、バッテリーを有効利用す
ることができる。
L
Tr
VIN
D
VOUT
C
使用条件:Vin≧0,|Vin|≧|Vout|
③反転型
正の入力電圧(電池電圧)Vinから負の
出力電圧を発生させる。動作に負電源が要る
ような回路を追加する時手軽で便利である。
D
Tr
VIN
VOUT
L
C
使用条件:Vin≧0,(|Vout|は|Vin|に制限を受けない)
④昇降圧型 (昇圧型+降圧型)
入力電圧(電池電圧)Vinに関係なく
所望の出力電圧を得たい場合使われる。方
法としては昇圧型と降圧型をシリ−ズに接
続する方法が取られ、特に降圧型にドロッ
パレギュレータを使用し手軽な回路とする
場合が多い。
L
D
VOUT
VIN
REG
Tr
C1
C2
使用条件:Vin≧0,(|Vout|は|Vin|に制限を受けない)
以上のような回路を、使用目的や要求性能によって使い分けることが有効となる。
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2
DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC
概論
コンバータ用
3.チョッパー型DC‑DCコンバータの動作概要
各チョッパー型DC‑DCコンバータの動作は以下のとおり。
①昇圧型DC‑DCコンバータ
入力電圧Vinより高い出力
電圧Voutを得るために、Vin
L
D
とコイルLを直列に付加する
回路構成としている。まずT
rをONすることで充電電流io
CONT ioff
nを 流 しコ イ ルLに エネ ル ギ
Controller
Vin
ion
ーを蓄積する。次にTrをOFF
P
すると蓄積エネルギーによ
W
Tr
M osc
りコイルLに起電力が発生し、
Vout
Iout
EXT
ON OFF
0V
VIN
+
RL
C
‑
CONT
IL
0V
ion
ioff
0A
ton toff
Vss
Vin以上の電圧にて出力に放
EXT
tosc
電電流ioffを流しVout電圧
Fig.3‑1
Step
Up
DC-DC
Converter
を上昇させる。またコント
ローラICにてTrのON時間に
より蓄積されるエネルギーを調節し、Vout電圧を安定化している。
この回路構成ではTrを常時OFFしていても、入力VinからコイルL,ダイオードDを介し出力Voutに流れるル
ートがあるので、VinがVout設定値より高くなるとVoutがVinにつられて上昇してしまう。
②降圧型DC‑DCコンバータ
入力電圧Vinから効率よく
出力電圧Voutを得るために、
VinとVout間をコイルLで介
Iout
ion
ioff Vout
0V
Tr
EXT
する回路構成としている。
VIN
CONT
まずTrをONすることでVinか
L
D
ら充電電流ionを流しコイル
+
CONT 0V
Controller
Vin
RL
Lにエネルギーを蓄積すると
ion
C
ioff
P
IL
ともに出力 Voutに電力を 供
0A
W
‑
M osc
給する。次にTrをOFFすると
ton toff
EXT
Vss
蓄積エネルギーによるコイ
tosc
ルLの起電力で出力に放電電
流ioffを流し出力Voutに電
Fig.3‑2 Step Down DC-DC Converter
力を供給する。またコント
ローラICにてTrのON時間により蓄積されるエネルギーを調節し、Vout電圧を安定化している。
この回路構成ではTrを常時ONしていても、入力Vin以上の起電力をコイルLに蓄えられないので、VinがVo
ut設定値より低くなるとVoutがVinにつられて下降してしまう。
③反転型DC‑DCコンバータ
負電 圧の 出力 Voutを得 る
D
ために、コ イルLを GNDに 付
Iout
Vout
0V
Tr
EXT
加する回路構成としている。
VIN
ioff
ion
まずTrを ONする ことで充 電
CONT
電流ionを流しコ イルLに エ
‑
CONT 0V
L
Controller
Vin
RL
ネルギーを蓄積する。次にT
ion
C
ioff
P
+
IL
rをOFFすると蓄 積エネル ギ
0A
W
ーによりコイルLに起電力が
M osc
ton toff
発生 し 、0V以下 の 電圧 に て
EXT
Vss
出力に放電電流ioffを流しV
tosc
out電圧を下降させる。また
Fig.3‑2 Inverting DC-DC Converter
コントローラICにてTrのON
時間により蓄積されるエネルギーを調節し、Vout電圧を安定化している。
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3
DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC
概論
コンバータ用
4.チョッパー型DC‑DCコンバータのポイント
(1).制御方式について
コイルLに蓄積されるエネルギーを調節するためのTrON時間の制御の方式として、PWM制御とPFM制
御がある。Fig.4−1,Fig.4−2を使って簡単な動作と特徴を説明する。
まず、TrスイッチとコイルLに蓄積されるエネルギーの一般的関係は、TrスイッチのON時間(ton)が長
くTrスイッチの周期ON‑OFF時間(t)が短い程増加する。
Fig.4−1は昇圧型におけるPWM(パルス幅変調)制御の波形である。Trスイッチの周波数(すなわ
ち周期t)を一定としtonを制御(toffも連動し変わる)することで、コイルLに蓄積されるエネルギー
を調節しVout電圧を安定化する方式である。それに対し、Fig.4−2は昇圧型におけるPFM(周波
数変調)制御の波形である。Trスイッチのtonを一定とし、tを制御(toffも連動し変わる)すること
で、コイルLに蓄積されるエネルギーを調節しVout電圧を安定化する方式である。
一般的にPWM制御方式のほうが、小型,高効率,低リップルと性能は上であるが、回路が複雑になり
高価となる。また軽負荷用途では効率特性が逆転しPFM制御方式高くなるため、小規模な用途として使わ
れる。
EXT
Vin
GND
CONT
Vout
Vin
GND
i1
i2
IL
Ipk
0A
VOUT
ton
ton
t
t
Vout
設定値
ton
t
t
tonが長い場合
t
t
t
ton最適
t
t
ton短い場合
Fig.4‑1 PWM制御方式(Step Up DC‑DC Converter)
EXT
Vin
GND
CONT
Vout
Vdd
Vss
i1
i2
IL
Ipk
0A
Vout
設定値
VOUT
ton toff
t
t が短い場合
ton toff
ton
t
toff
t
t 最適
t 長い場合
Fig.4‑2 PFM制御方式(Step Up DC‑DC Converter)
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4
DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC
概論
コンバータ用
(2).連続モード制御について
PWM方式の昇圧,反転型DC‑DCコンバータの制御は、負荷電流を大きくしていくとTrスイッチのON時間
(ton)を長くしていくが、あるところからtonを長くしなくなるモードがあり、この制御モードを連続
モードという。このモードをFig.4−3を使って簡単に説明する。
軽負荷時には非連続モード1のようにTrスイッチのON時間(ton)が短く、負荷電流(Iout)を大きくし
ていくと非連続モード2,3のようにtonが長くなっていくが、この時Fig.4−3で示すtonとto
ffの和が周期tより小さく、コイル電流ILは0Aのときが存在していることがわかる。この時の制御モ
ードを非連続モードといい、Trのドレイン(コイル側)の電圧(CONT)が共振とともに入力電圧Vinとなること
があることを観測することでもわかる。
さらに負荷電流(Iout)を大きくしていくと連続モード1のようにtonとtoffの和が周期tと等し
くなり、コイル電流ILに0Aのときが存在しなくなり、さらに負荷電流(Iout)を大きくしていくと、連続
モード2,3のようにtonはあまり変わらないがコイル電流ILの平均電流が上昇していくことがわかる。
この時の制御モードを連続モードといい、Trのドレイン(コイル側)の電圧(CONT)が入力電圧Vinになること
がないことを観測することでもわかる。
連続モードに入る負荷電流条件は、入力電圧,出力電圧,外付け条件等で変わってくる。
一般に、連続モードにおいて不安定な動作が出やすいので注意が必要となる。
Vin
GND
EXT
Vout
Vin
CONT
Iout=5mA
i1
GND
Iout=50mA
i2
IL
0A
Ipk
VOUT
ton toff
ton toff
ton toff
t
t
t
(非連続モード1)
Vout
設定値
(非連続モード2)
(非連続モード3)
Vin
GND
Vout
EXT
CONT
GND
Iout=0.1A
i1 i2
Iout=0.15A
Iout=0.3A
Ipk
IL
0A
VOUT
ton toff
ton toff
tontoff
t
t
t
(連続モード1)
(連続モード2)
Vout
設 定値
(連続モード3)
Fig.4‑3 PWM方式における連続モード(Step Up DC‑DC Converter)
Seiko Instruments Inc.
5
DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC
概論
コンバータ用
(3).昇反転型と降圧型でのちがいについて
Fig.4−4の波形にしめすように、昇圧型や反転型のDC‑DCコンバータと降圧型DC‑DCコンバータの動
作において、基本的に大きなちがいがある。それはTrスイッチのON時間(ton)において電流が出力に流れ
ていないか流れているか(OUTPUT Charge Current)のちがいである。
降圧型はTrスイッチがON時間(ton)、OFF時間(toff)ともに出力Voutに電力を供給し続けているの
で、もしTrスイッチが常時ONとなったとしても出力Voutに電力を供給することが可能であるが、昇圧型や反
転型のようにTrスイッチがOFF時間(toff)のみ出力Voutに電力を供給する場合は、Trスイッチが常時ON
となると出力Voutに電力を供給せず、コイルLにエネルギーを蓄積し続けてしまいコイルLが飽和してしまう。
よって一般的に、降圧型ではTrスイッチが常時ON(デューティ100%)での制御も行なえるよう設計するが、昇
圧型や反転型では必ずTrスイッチがOFFする時間を作るよう(デューティ80%前後)設計する。
以上のことより、以下のような特性にちがいがみられる。
・昇圧型や反転型にくらべ降圧型のほうが大きな負荷電流がとれる。
・昇圧型や反転型にくらべ降圧型のほうが出力Voutのリップル電圧が小さい。
EXT
Vin
GND
CONT
Vout
Vin
GND
IL
0A
OUTPUT
Charge
Current
0A
VOUT
Vout
設定値
ton toff
Step Up Case
ton toff
ton toff
Step Down Case
Inverting Case
Fig.4‑4
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DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC
概論
コンバータ用
(4).コントローラICの電源の取り方について
DC‑DCコンバータに使われるコント
ローラICの電源Vddは、降圧型や反転
型の場合入力Vinからとるのが一般的
であるが、昇圧型においては入力Vin
からとる以外に出力Voutからとる場合
がある。
昇圧型におけるVdd=Voutのメリット
は、以下である。
・Trを高い電圧(Vout)で駆動できる
ので、Trの能力を引き出せ高効率,
大負荷駆動が可能になる
・安定化された電圧(Vout)を電源と
するので、電源変動によるコント
ローラIC誤動作が発生しにくい
・VinからVoutに電流パスがあるた
め、降圧型や反転型とちがい起動
回路が要らない
またVdd=Vinのメリットは、以下で
ある。
・Vin<Voutであり変換効率の影響も
ないので、コントローラICの消費
電流による損失が少ない
・コントローラICやTrを低い電圧(V
in)で駆動できるので、低い耐圧の
ものを使用できる
以上の特長をふまえ、アプリケーシ
ョンによって使い分けることが必要で
ある。
Seiko Instruments Inc.
(1).Vdd=Vout Case
L
D
Vout
Vdd
Vin
Vout
R1
+
RL
C
R2
‑
PWM
Tr
Controller
EXT
Iout
Vref
OSC
Vss
Vss
Vout
0V
(2).Vdd=Vin Case
L
D
Vdd
Vin
+
‑
Cin
Vout
Vout
R1
+
RL
C
R2
‑
PWM
Tr
EXT
Iout
Controller
Vref
OSC
Vss
Vss
Vin
0V
Fig.4‑5
7
DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC
概論
コンバータ用
(5).保護回路について
チョッパー型DC‑DCコンバータコントローラICの保護回路は、能力をこえた過負荷となった時にスイッチ
Trを制御することで、コイルLへの能力をこえるエネルギーの蓄積放出を制限し外付け部品を破壊から守る
目的で付加される。
しかし昇圧型の場合は、入力VinからコイルLとダイオードDを介し出力Voutに電流パスがあるため、過負
荷となった時にコントローラICにてスイッチTrを制御してもコイルLとダイオードDに過負荷が流れてしまう
ため、VinからVoutの間にヒューズ等の保護素子を挿入する必要がある。よって昇圧型DC‑DCコンバータのコ
ントローラICに付加する保護回路は、過電流によるスイッチTrの破壊を守る目的で付加される。
コントローラICの保護回路には、大きく2つのタイプがある。
・電流センスタイプ
スイッチTrに流れる電流を常時センスし過電流となるとスイッチTrを強制的にオフする。
確実な方法であるが、センス抵抗等の挿入が必要となり高級な回路も必要となる。
・積分タイプ
ある一定期間異常を検出したら、スイッチTrを強制的にオフする。異常内容としてはスイッチTrのto
nが最大になることを検出するタイプや出力電圧が低下することを検出するタイプなどがある。またス
イッチTrオフ後に再復帰させるタイプとオフにてラッチをかけてしまうタイプがある。
(6).パワーオフについて
入力VinとDC‑DCコンバータをきる高性能なスイッチを挿入することで、DC‑DCコンバータを使わないとき
に消費電流と出力電圧をなくすことができる。しかし通常コントローラICにパワーオフ機能を設けることで
代用することが多い。
しかし昇圧型の場合は、入力Vinから出力Voutに電流パスがあるため、スイッチTrをオフしても出力電圧
をなくすことはできないので注意が必要である。またパワーオフ機能付きコントローラICのなかには、パワ
ーオフにしてもコントローラICの消費電流がゼロにならないものもあるので注意が必要である。
Seiko Instruments Inc.
8
DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC
概論
コンバータ用
5.チョッパー型DC‑DCコンバータの特性について
(1).効率について
DC‑DCコンバータの効率とはエネルギー変換効率((Vout×Iout)÷(Vin×Iin))のことである。
理想状態においてはエネルギー変換効率100%が可能であるが、実際には以下の損失要因が支配的で、効
率特性を悪化させる。
・ダイオードの損失
ダイオードの順方向電圧VFとスイッチ放電電流ioffによる損失で、これがかなりの比率を占める
ためVFの小さなショットキーダイオードを使用するのが一般的である。
特に出力電圧Voutが低くなると、よりダイオードによる損失の比率が大きくなり問題となる。
・スイッチTrのスイッチング損失
スイッチTrをON,OFFするときのターンオン,ターンオフ時間で発生する損失で、それぞれ時間は短いが、
ターンオン(ターンオフ)時に入力電圧Vinとスイッチ充電電流ion(スイッチ放電電流ioff)での
損失が発生するため意外に効率悪化に効いてくる。
特にスイッチング周波数fosc(1/t)を高くすると、よりTrスイッチングによる損失の比率が大き
くなり問題となる。
tf
tf
Vcont
0V
Power dissipation
Icont
0A
Turn on
Fig.5‑1
Turn off
Step Up DC‑DC Converter
・コイルの直列抵抗による損失
コイルの直列抵抗DCRとスイッチ充電,放電電流ion,ioffによる損失で、使用コイルのサイズ
に制限があるとDCRの値が大きくなり効率悪化に効いてくる。
同サイズでコイルのDCRを小さくするにはインダクタンス値の小さなものを使用すればよく、そのた
めにはスイッチング周波数fosc(1/t)を高くすることが有効である。
・スイッチTrのON抵抗による損失
スイッチTrのON抵抗Ronとスイッチ充電電流ionによる損失で、ON抵抗を小さくするために最近は
MOS FETトランジスタが用いられる。
特に入力電圧Vinが低くなると、TrのON抵抗が大きくなり効率悪化となることがある。
・コントローラICの消費電流による損失
コントローラICの消費電流IssとコントローラICの電源電圧Vddによる損失で、特に軽負荷時に効
率を悪化させる要因となるので使用条件にあったコントローラICの選択が必要となる。
・スイッチTrのゲートチャージ電流による損失
スイッチTrをONするときにゲート(ベース)に流れる充電電流igとゲート(ベース)への印加電圧VEX
Tによる損失で、特に軽負荷時に効率を悪化させる要因となるので使用条件にあったスイッチTrの選定
が必要となる。
特にスイッチング周波数fosc(1/t)を高くすると、よりゲート(ベース)への充電回数が増え損失
が増えてしまう。軽負荷時の効率を重視すれば、低周波動作となるPFM制御方式が有利である。
Seiko Instruments Inc.
9
DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC
概論
コンバータ用
(2).リップル、ノイズについて
一般的にリップル電圧は、スイッチング周波数fosc帯域での電圧変動のことをいい、Fig.5−2
に示すVripのようにピークツーピークで表わすことが多い。
またスパイクノイズ電圧は、スイッチにおけるターンオン(ターンオフ)時間帯域での電圧変動のことを
いい、Fig.5−2に示すVspiのようなピーキーな電圧のことをいう。
Vspi
Vspi
∆ioff×
ioff×(C,ESR)
C,ESR)
VOUT
VOUT
Vrip
Vrip
Vspi
Vspi
ioff×ESR
OUTPUT ioff×
ioff
Charge
Curren
t 0A
∆ioff
OUTPUT
Charge
Curren
t 0A
ionoff
Step Down Case
Step UP Case
Fig. 5‑2
リップル電圧は前項(3).昇反転型と降圧型でのちがいで述べたように動作に違いがあるため、昇反転型
と降圧型で違ってくる。
昇反転型におけるリップル電圧は大きく以下の要素で決まってくる。
・出力チャージ電流
出力チャージ電流量△ioffと出力容量C,出力容量直列等価抵抗ESRによる電圧変動。
出力チャージ電流量△ioffを少なくするためにはスイッチング周波数fosc(1/t)を高くする
ことが有効である。またPFM方式は入力電圧Vinや負荷電流Ioutが小さくなるとfoscが低くなる
ためPWM方式と比べ不利である。
その他容量値を大きくしたり、ESR値を小さくすることでも電圧変動を小さくできる。
・出力容量直列等価抵抗ESR
出力チャージピーク電流ioffと出力容量直列等価抵抗ESRによる電圧上昇。
特に連続モードにおいて出力チャージピーク電流ioffが大きくなり、ESRによる影響がより大き
くなる。
高周波化しても出力チャージピーク電流ioffはあまり変わらないので、ESRの小さな容量を使う
ことが有効となるが、ESRを位相補償に利用している場合もあるので注意が必要である。
降圧型におけるリップル電圧は大きく以下の要素で決まってくる。
・出力チャージ電流
出力チャージ電流ionoffの変動量と出力容量C,出力容量直列等価抵抗ESRによる電圧変動。
出力チャージ電流ionoffの変動量を小さくするにはインダクタンス値の小さなコイルを使用する
のが有効であるが、これによる弊害(効率ダウンなど)もあるので注意が必要である。
またスパイクノイズ電圧は、いずれもスイッチングスピードが速いほど大きくなるため、問題になると
きはバイポーラTrを使用したり、ゲート容量の大きなMOS FET Trを使うなどして、スイッチングスピードを
遅くするのが有効であるが、これによる弊害(効率ダウンなど)もあるので注意が必要である。
Seiko Instruments Inc.
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DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC
概論
コンバータ用
6.DC‑DCコンバータの外付け部品特性について
(1).トランジスタについて
一般にバイポーラTrかMOS FET Trを使用する。
最近はトレンチ構造のMOS FET Trを使用するケースが大半であるが、入力電圧Vinが低い(0.9V程度)とき
や高耐圧が必要な場合にバイポーラTrが使われる。
トレンチMOS FET Trの選定に重要な特性は以下である。
・ドレイン・ソース間降伏電圧VDSS,ゲート・ソ
ース間降伏電圧VGSS
VDSSは出力電圧Voutの電圧にスパイクノイズ
MAX
電圧やダイオード順方向電圧VFを加えた電圧
VDSS
以上、VGSSはコントローラICの電源電圧Vd
Ciss
d以上のものを選ぶ必要がある。
Ron
MAX
・しきい値VGS(off)
VGSS
入力電圧Vinの最低電圧でドレイン電流が十分
取れるようにVGS(off)の低いものを選ぶ必要
MIN
がある。
VGS(off)
・入力容量Ciss
オン抵抗Ronとトレードオフの関係なので、使
Fig.6‑1
用条件にて最適なものを選択する。
大きいものを選びすぎると、スイッチングス
ピードが遅くなり効率が悪化する。
・オン抵抗Ron (ドレイン電流ID)
入力容量Cissとトレードオフの関係なので、使用条件にて最適なものを選択する。
大きいものを選びすぎると、Ronによる損失で効率が悪化する。
・パッケージ形状
許容損失大のSOT‑89タイプ、小型薄型のSOT‑23タイプ、薄型で多ピンによりオン抵抗小のTSSOP‑8タイ
プなどがある。
・許容損失PD
スイッチング動作なので通常動作ではまずこえないが、保護回路付加の場合考慮が必要となってくる。
ポイントは、使用条件にて最適な容量のMOS FETを選ぶことである。
Seiko Instruments Inc.
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DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC
概論
コンバータ用
(2).コイルについて
積層タイプと巻線タイプがあるが、積層タイプは電流容量が小さいものが多く、通常面実装の巻線タイ
プが使われる。
コイルの選定に重要な特性は以下である。
L
DCR
・重畳電流Imax
Trスイッチによるコイルに流れる最大ピーク電流がImaxをこえ
ないように選ぶ。Imaxをこえるとインダクタンス値が減少し(磁
L
気飽和による)、Trスイッチに大電流を流してしまうことになる
ので注意が必要である。
I
一般にインダクタンス値を小さくするとImaxは大きくなるので、
スイッチング周波数fosc(1/t)を高くすることも有効で
Imax
ある。
Fig.6‑2
・直流抵抗DCR
大きいと効率が悪化するので、できる範囲で小さいものを選ぶ。
一般にインダクタンス値を小さくするとDCRは小さくなるので、スイッチング周波数fosc(1/t)
を高くすることも有効である。
・外形寸法
DCR,Imaxとトレードオフの関係なので、使用条件にて最適なものを選択する。
(3).出力容量について
出力容量の特性としては、直列等価抵抗ESRが重要となる。
コンデンサの種類としてはESRの小さい順に、セラミックコンデン
C
ESR
サ,有機半導体固体電解コンデンサ(OS‑CON),タンタル電解コンデンサ,
アルミ電解コンデンサに大別できる。
セラミックコンデンサはESRが小さく(数十mΩ程度)安全であるのが
Fig.6‑3
特長であるが、高価で大容量のものがない。最近はチップ積層により大
容量のものが開発されてきている。
有機半導体固体電解コンデンサ(OS‑CON)はESRが小さく(数十mΩ程度)比較的大容量であるのが特長で
あるが、高価で形状が大きい。
タンタル電解コンデンサは比較的大容量でESRがそこそこ小さい(100mΩ〜500mΩ程度)のが特長であ
るが、破壊モードがショートとなってしまうため敬遠されるケースもある。固体電解質を用いて安全性を高
めた製品も開発されている。
アルミ電解コンデンサは低価格で大容量であるのが特長であるが、ESRが大きく(数百mΩ〜数Ω)特に
低温にてESRが1桁程度大きくなるため使いずらく寿命も短い。
ESR小によりリップル電圧や負荷変動による出力のアンダーシュート,オーバーシュート等を小さくで
きるが、ESRを位相補償に利用するケースも多いのでコントローラICで推奨しているESR値に設定する
のが得策である。
Seiko Instruments Inc.
12
DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC
概論
コンバータ用
7.DC‑DCコンバータの回路例について
(1). S−8327B50 (100kHz)を使用した昇圧回路
Fig.7−1は、100kHzPWM方式昇圧型DC‑DCコンバータのS−8327B50を使用して、電池2本
(1.8〜3.0V)から5V出力で最大負荷電流300mAをターゲットにした回路例。
L
SD
OUT
S-8327B50
VIN
ON/OFF
VREF
VOUT
R1
CIN
+
-
Tr
EXT
PWM
control
circuit
+
-‑
Cdd
+
-
COUT
R2
Soft start circuit
VSS
Fig.7-1
ターゲットを達成するために、全使用条件でのコイルに流れる最大のピーク電流Ipkを求め、Ipkが十分
流せる外付け部品を選定した。(一般に、入力電圧VINが低く、負荷電流Ioutが大きく、効率が悪いことがIp
kが最大となる条件となる)
Ipk≦1.2A(at VIN=1.8V,Iout=300mA,実機測定)より、電流容量1.2A以上で部品選定をした。
Fig.7−1外付け設定部品
・ L :Sumida/CDH115/47uH (Imax=1.36A,DCR=0.13Ω)
・Tr:Fairchild/FDN335N (VGSS=8V,Ciss=310pF,Ron=0.1Ωat2.5V)
・Cout:Nichicon Tantalum F95/100uF/10V (ESR=80mΩ)
・SD:Panasonic MA720 (VF=0.55VatIF=0.5A)
・CIN :Nichicon Tantalum F95/47uF/16V
・Cdd :Ceramic 1uF
特性比較デモ実験用交換部品
・ L :Sumida/CDRH5D18/47uH (Imax=0.54A,DCR=0.595Ω)→磁気飽和現象デモ
・ L :Sumida/CDRH124/47uH (Imax=1.9A,DCR=0.15Ω)
・Tr:Sanyo/CPH6403 (VGSS=10V,Ciss=700pF,Ron=52mΩat2.5V)→スイッチング損失大による効率ダウンデモ
・Cout:Sanyo OS‑CON/100uF/10V (ESR=45mΩ)→リップル電圧小デモ
Seiko Instruments Inc.
13
DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC
概論
コンバータ用
(2). S−8340A50 (600kHz)を使用した昇圧回路
Fig.7−2は、600kHzPWM方式昇圧型DC‑DCコンバータのS−8340A50を使用して、電池2本
(1.8〜3.0V)から5V出力で最大負荷電流300mAをターゲットにした回路例。
L
SD
OUT
5.0V
S−8340A50A
Triangular wave
oscillation circuit
PWM comparator
VIN
Tr
+
CIN
ON /OFF VDD
Phase
compensation
circuit
IC
internal
power
supply
Power-off
circuit
EXT
VOUT
CC
RS
Cout
R1
SENSE
+
Error amplifier
CS
PWM/PFM switching
control circuit
R2
VREF=1.0V
120mV
Soft-start
circuit
Cdd
Voltage/current
reference
CSS
CVREF
2200pF
0.01uF
VSS
1 point ground
Fig.7-2
ターゲットを達成するために、全使用条件でのコイルに流れる最大のピーク電流Ipkを求め、Ipkが十分
流せる外付け部品を選定した。(一般に、入力電圧VINが低く、負荷電流Ioutが大きく、効率が悪いことがIp
kが最大となる条件となる) 特に(1)と比べ部品が小型であることがわかる。
Ipk≦1.2A(at VIN=1.8V,Iout=300mA,実機測定)より、電流容量1.2A以上で部品選定をした。
Fig.7−2外付け設定部品
・ L :Sumida/CDRH5D18/10uH (Imax=1.2A,DCR=0.124Ω)
・Tr:Fairchild/FDN335N (VGSS=8V,Ciss=310pF,Ron=0.1Ωat2.5V)
・Cout:Nichicon Tantalum F95/100uF/10V (ESR=80mΩ)
・SD:Panasonic MA720 (VF=0.55VatIF=0.5A)
・CIN :Nichicon Tantalum F95/47uF/16V
・Cdd :Ceramic 1uF
特性比較デモ実験用交換部品
・ L :Sumida/CDRH124/10uH (Imax=4.5A,DCR=28mΩ)→コイル損失小による効率アップデモ
・Tr:Sanyo/CPH6403 (VGSS=10V,Ciss=700pF,Ron=52mΩat2.5V)→スイッチング損失大による効率ダウンデモ
・Cout:Sanyo OS‑CON/100uF/10V (ESR=45mΩ)→リップル電圧低デモ
Seiko Instruments Inc.
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DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC
概論
コンバータ用
(3). S−8520F33 (300kHz)を使用した降圧回路
Fig.7−3は、300kHzPWM方式降圧型DC‑DCコンバータのS−8520F33を使用して、電池4本
(3.6〜6.0V)から3.3V出力で最大負荷電流2Aをターゲットにした回路例。
L
Tr
OUT
3.3V
S−8520F33
VIN
EXT
VIN
SD
Cin
Oscillation
Circuit
Reference Voltage
Source with Soft-
PWM or
PWM/PFMSwitched Control
Circuit
+
VOUT
R1
-
Cout Cout
R2
ON / OFF
ON / OFF
Cdd
VSS
Fig.7-3
ターゲットを達成するために、全使用条件でのコイルに流れる最大のピーク電流Ipkを求め、Ipkが十分
流せる外付け部品を選定した。(一般に降圧の場合、入力電圧VINが高く、負荷電流Ioutが大きく、効率が悪
いことがIpkが最大となる条件となる)
Ipk≦2.1A(at VIN=6V,Iout=2A,実機測定)より、電流容量2A以上で部品選定をした。
Fig.7−3外付け設定部品
・ L :Sumida/CDRH124/22uH (Imax=2.9A,DCR=66mΩ)
・Tr:Siliconix/Si3442DV (VGSS=8V,Ciss=470pF,Ron=95mΩat2.5V)
・Cout:Nichicon Tantalum F95/100uF/10V (ESR=80mΩ)
・SD:Rohm RB081L‑20 (VF=0.45VatIF=5A)
・CIN :Nichicon Tantalum F95/47uF/16V
・Cdd :Ceramic 1uF
特性比較デモ実験用交換部品
・Cout:Nichicon Aluminum electrolytic UWF/100uF/10V (ESR≈300mΩ)→リップル電圧大デモ
・Cdd :なし→動作不安定デモ(負荷電流大時出力電流低下)
(・Tr:Sanyo/CPH6301 (VGSS=10V,Ciss=360pF,Ron=0.22Ωat2.5V))
Seiko Instruments Inc.
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DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC
概論
コンバータ用
(4). S−8328J50 (250kHz)を使用した出力電圧調整型の昇圧回路
Fig.7−4は、250kHzPWM方式(軽負荷時PFM自動切替)昇圧型DC‑DCコンバータのS−8328
J50+外付け抵抗にて、電源5Vから12V出力で最大負荷電流200mAをターゲットにした回路例。
L
SD
Rdd
VIN
Vdd
OUT
Cc
S-8328J50
VOUT
R1
CIN
+
-
Tr
EXT
PWM
control
circuit
RA
VREF
+
-‑
COUT COUT
+
-
+
-
RB
R2
Cdd
Soft start circuit
VSS
Fig.7-4
ターゲットを達成するために、全使用条件でのコイルに流れる最大のピーク電流Ipkを求め、Ipkが十分
流せる外付け部品を選定した。(一般に、入力電圧VINが低く、負荷電流Ioutが大きく、効率が悪いことがIp
kが最大となる条件となる)
Ipk≦0.75A(at VIN=5V,Iout=200mA,実機測定)より、電流容量0.75A以上で部品選定をした。
Fig.7−4外付け設定部品
・ L :Sumida/CDRH6D38/22uH (Imax=1.3A,DCR=96mΩ)
・Tr:Fairchild/FDN335N (VGSS=8V,Ciss=310pF,Ron=0.1Ωat2.5V)
・Cout:Nichicon Tantalum F95/47uF/16V (ESR=80mΩ)
・SD:Panasonic MA720 (VF=0.55VatIF=0.5A)
・CIN :Nichicon Tantalum F95/47uF/16V
・ RA :164kΩ (910kΩ//200kΩ)
・ RB :119kΩ (470kΩ//160kΩ)
・ Cc :15pF×4
・Rdd :100Ω
・Cdd :Ceramic 1uF
特性比較デモ実験用交換部品
・Rdd,Cdd:なし→動作不安定デモ(負荷電流大時パルス幅一定せず出力に低周波リップルが発生しIpk激増)
・ Cc :100uF→出力電圧上昇時間が非常に遅いデモ
Seiko Instruments Inc.
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DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC
概論
コンバータ用
(5). S−8328E50 (100kHz)を使用した出力電圧調整型の昇圧回路
Fig.7−5は、100kHzPWM方式から軽負荷時自動的にPFMに切替える昇圧型DC‑DCコンバータの
S−8328E50+外付け抵抗にて、電源5Vから16V出力で負荷電流1mAをターゲットにした回路例。
L
SD
SW
VIN
Vdd
OUT
Cc
S-8328E50
VOUT
R1
CIN
+
-
Tr
EXT
PWM
control
circuit
RA
VREF
+
-‑
COUT COUT
+
-
+
-
RB
R2
Soft start circuit
VSS
Fig.7-5
高さ2mm以下の極力小さな部品でターゲットを達成するよう、外付け部品を選定した。
またターゲットが軽負荷なので、低周波PFM自動切替のS‑8328Eを使い高効率をねらった。
Fig.7−5外付け設定部品
・ L :Sumida/CDR46D18/47uH (Imax=0.28A,DCR=0.922Ω)
・Tr:Sanyo/CPH3403 (VGSS=12V,Ciss=170pF,Ron=0.22Ωat2.5V)
・Cout:Nichicon Tantalum F95/22uF/20V
・SD:Panasonic MA720 (VF=0.55VatIF=0.5A)
・CIN :Nichicon Tantalum F95/47uF/16V
・ RA :910kΩ
・ RB :470kΩ
・ Cc :15pF
特性比較デモ実験用交換部品
・Fig.7‑4 :RA=910kΩ,RB=470kΩで効率比較
・ SW :OFF→パワーオフデモ(消費電流が少し流れてしまう)
・ SW :ON→起動時デモ(誤パルスによりラッシュカレントが流れてしまう)
Seiko Instruments Inc.
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DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC
概論
コンバータ用
(6). S−8330A24 (180kHz)を使用した出力電圧可変型のLCD用昇圧回路
Fig.7−6は、LCDパネル駆動用180kHzPWM方式昇圧型DC‑DCコンバータのS−8330A24
にて、電子ボリュームを使い電源5Vから12〜24V出力(負荷電流10mA程度)をターゲットにした回路例。
CONT
Tr2
VOUT
D1
L1
SW
D2
R4
C1
VIN
VOUT
VIN
+
VDIN
+
S‑8330A24
VFB
VCLK
−
VSS
SW
R3
SW
R5
SW
R7
+
C4
−
ON/OFF
Tr4
R4
C5
−
VPGATE
VSTRB
CONT
C1
R2
R1
C3
R5
R6
R8
Fig.7‑6
LCD用電源は、パワーオフ時出力を0Vにする必要があるため、Tr2,Tr4他を追加している。
Fig.7−6外付け設定部品
L1
D1
D2
Tr2
Tr4
C1
C4
C5
R4
R5
メーカー
型名
Sumida
CD54
Panasoni
MA789
c
Toshiba
02CZ15
NEC
2SJ356
NEC
2SK1580
Nichicon
F93
Nichicon
F93
Nichicon
F93
Panasoni ERJ6GEYJ624
c
Panasoni ERJ6GEYJ624
c
Seiko Instruments Inc.
値
47uH
VZ=15V
10uF/16V
4.7uF/50V
4.7uF/50V
620kΩ
620kΩ
18
DC-DCコンバータ用
コンバータ用IC
概論
コンバータ用
(7). S−8330B24 (50kHz)を使用した出力電圧可変型のLCD用昇反転回路
Fig.7−7は、LCDパネル駆動用180kHzPWM方式昇圧型DC‑DCコンバータのS−8330B24
にて、フライバック構成にて、電源5Vから12〜24Vの正電圧出力と7.2〜14.4Vの負電圧出力
(負荷電流1mA程度)をターゲットにした回路例。
ON/OFF
D1
VIN
VIN
ON/OFF
VOUT
VDIN
C1
VDIN
VCLK
VSTRB
+
VCLK
−
VSTRB
L1
C2 + + C4
10
2 次側
1 次側
S‑8330B
CONT
12
CONT
−
−
20
3 次側
Vss
+VOUT
C3 + + C5
−
D2
−
‑VOUT
VSS
Fig.7‑7
Fig.7−7外付け設定部品
L1
D1
D2
C1
C2
C3
C4
C5
メーカー
Sumida
Panasoni
c
Panasoni
c
Nichicon
Nichicon
Nichicon
Nichicon
Nichicon
Seiko Instruments Inc.
型名
CEE93
MA720
値
6375‑002
MA720
F93
F93
F93
F93
F93
10uF/16V
4.7uF/50V
4.7uF/50V
4.7uF/50V
4.7uF/50V
19