スコスの大冒険1 スコスの大冒険 1(125 ユーロ) 発行 2013 年 9 月 9 日 著者・デザイン 寺村栄次 寺村良子 ( scos / スコス ステーショナリーズ・カフェ) 発行者 寺村栄次 発行所 メイクユアプレイス株式会社 東京都文京区本郷 5 - 1 - 5・1 階 TEL 03-3814-7961 FAX 03-3814-7962 www.scos.gr.jp/open.htm デジタル(PDF) (c) Eiji Teramura , Yoshiko Teramura , MAKE YOUR PLACE CORPORATION 2013 価格 0 円 文章、写真、イラスト等は個人使用の為に提供されるものであり商用目的 に提供するものではありません。また、許可なしに本作の二次転用、及び、 全文複製、配布を行うことを禁じます。本内容は著者個人の見解であり、 メイクユアプレイス(株) scos / スコス の見解をあらわすものではあり ません。[ 免責事項 ] このコンテツをご使用による技術的、不具合に関し ましてはお応えできません。 125€ 2 月 14 日 聖バレンタインデーの夜。(ドイツにて) 小腹が空いたのでホテルにある唯一のレストランに行く。 店内は落ち着いた感じで紳士淑女がお食事中。 メニューを頼むと 125 ユーロ!!スペシャル・バレンタインメニューだけが記載さ れたメニューが出てきた。 125 ユーロと言うと日本円で 16000 円ぐらい。 汗・汗・汗・ ちょっとお腹が空いて気楽にお食事にやって来て二人で合計 32000 円。 汗・汗・汗・ 店先に他の普通メニューが飾ってあったので、他のメニューはないのか?聞くが・・・ 本日はヴァレンタインデーでこのメニューだけらしい。 それでも、ねばるとシュニッツェル(西欧カツレツ)があるらしいのでスープとサラ ダとシュニッツェルにビーア(ビール)を頼む。 なんとか「ホッ」としていると前菜にパンといろいろ出てきて、これは、もしや バレンタインメニューとしてオーダーが通ってしまったのかと不安になる。 もう一度、ウェイトレスさんと話すが意味がわからなく、 いよいよ心を覚悟して €125 × 2 個の食事を楽しむことにする。 しばらくすると、若いカップルがご来店。 彼らもバレンタイン ONLY メニューを見て固まっている。なんだかホッとする。 次に銀行マンらしい仕立ての良いスーツを着た紳士が入ってきた。 女性はまだのようで一人で一杯やっている。 しばらくすると、ドレスアップした女性が入ってきて我々のウェイトレスさんがバレ ンタインデーの特別メニューを持って登場。 しかし、男性はバレンタインメニューに怯まず。 大人のリッチマンは余裕だね。 その後も次々に身なりの良いリッチマンがたくさん入店。店内は、すでに満席です。 自分たちの食事も進みますが、何だかうま く喉を通りません。 シュニッツェルのサイズは人の足裏× 2 足分程の大きさがあって食べきれない。 でも、どうせなら楽しんで食べようと仕事 の話や今後十年後のスコスについて話す。 ですが、やっぱり「125 × 2 オイロ」の ことが頭から離れません。※ドイツ人は ユーロのことをオイロと言います。 私はこの不安な気持ちと、胸と胃がイッパ イのこの気持ちを残す為に一眼レフカメラ で撮影を始めました。 シャキーシャキーシャキー 連写です。 そのとき、 リーゼントに大きなサングラス、 巨大な 3 センチ程の指輪をつけたドイツ のロックスターが入店しました。 店内も上品にざわつきます。 ロックスターは店内をぐるりっと歩いて見 回った後、私の一眼レフカメラに警戒した のかレストランから出て行く。 私はパパラッチではありません。スターさ ん・・・・・・。 バレンタインメニューに固まっていたカップルも今やテーブルの上で手を握りあって います。料理もいよいよ佳境に入る。 出てくる料理も他の人たちと異なるので 125€ でない安心感が出てきて、まわりの人 たちも、私たちの料理がバレンタインメニューと違うので気になるようでチラッチ ラッと目があいます。 次にデザートのお兄さんがやって来ました。お兄さんは何だか動きがぎこちない。 ケーキがたくさん出てきて、最初の三つだけを説明するがあとはスルー。 なかなか選ぶのが難しいので「Your Recommendation ?(オススメは?) 」と聞く。 すると「It’s Free .(無料です)」と返事が返ってきた。??? 何だか会話がかみあわないままチョコレートケーキを頼む。 お兄さんはスプーン 2 個を使いケーキを掴むがケーキを上手くキャッチできません。 アートなケーキがどんどんクラッシュ。 ケーキのお兄さんを励ます為に「ノープロブレム」と言いました。 こうして、お食事はフィニッシュ。食事代は…と恐る恐るチェックプリーズする。 代金はバレンタインメニューではなく ホッ♡と安心。 チップに 10 ユーロつけました。 Tip:€10 決して 125 オイロが高いわけではありませんが、ちょっと小腹がすいた夕食が 125 ユーロでショックなだけでした。 みなさまも異国での聖なるバレンタインの夜にはお気をつけあそばせ。 メルシー♪ ところで、あのスターさんは、その後、レストラン奥のプライベートルームに入って いきました。そのプライベートルームに入るには私たちの前を通り過ぎるしかありま せんでした。なんだか、いろいろなことがあってお腹がイッパイなお食事でした。 文 寺村栄次
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